1: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:10:58.898 ID:UYSLsW06M
シャミ子「あなたは誰……?」

桃「どうして……」

シャミ子「…………」

引用元: ・シャミ子「ここはどこ? 私は誰?」桃「シャミ子……」

3: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:12:39.874 ID:UYSLsW06M
桃「……君は」

シャミ子「はい」

桃「吉田優子」

シャミ子「よしだ……ゆうこ」

桃「そして私は、千代田桃」

シャミ子「ちよだ……もも……さん」

桃「……っ!」

4: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:14:59.689 ID:UYSLsW06M
桃(……さっきからずっとこんな調子だ)

桃(名前を教えたらまた忘れ、教えたら忘れ……)

桃(お医者さんは、「一過性のものだ」って言ってたけど……)

桃(一時的なものでも……これは……つらい)

6: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:17:36.752 ID:UYSLsW06M
桃(原因は……わからない)

桃(ある朝起きたら、シャミ子の角がなくなってて)

桃(あのやかましいリリスさんも物言わぬ像に戻って)

桃(私の力も戻った)

7: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:20:20.756 ID:UYSLsW06M
桃(角のことについては、流石にお医者さんでも分からなかった)

桃(記憶については……所謂「記憶喪失」なんだろう)

桃(早ければ明日にでも記憶だけは戻るらしいけど)

桃(その「明日」が、今はとても長く感じる)

8: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:22:31.045 ID:UYSLsW06M
シャミ子「ももさんと私は、どういう関係だったんですか?」

桃(…………)ズキン

桃「……宿敵」

シャミ子「えっ」

桃「……それでいて、親友、だったよ」

シャミ子「……なんだか、複雑な関係だったんですね、私達……」

桃「うん……」

10: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:26:12.122 ID:UYSLsW06M
桃(眷属(仮)の私でも、シャミ子の体質まで分からない)

桃(シャミ子の体質に詳しいのは……)

桃(その始祖であるリリスさん……)

桃(でもリリスさんはただのドアストッパーと化した)

12: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:28:11.837 ID:UYSLsW06M
桃(なすすべなし、か)

シャミ子「ももさん?」

桃「……ん? どうしたの?」

シャミ子「外に……出ませんか?」

桃「!」

シャミ子「もう体調は大丈夫です。ですので、少しだけ、外に……」

桃「……うん、分かった」

13: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:31:43.072 ID:UYSLsW06M
多魔川川辺
シャミ子「……あれ」

桃「どうしたの? シャミ……」

桃(あっ……)

桃(そういえば、今のシャミ子は、シャミ子であることも、忘れてるんだった……)

桃「優子」

シャミ子「……はい?」

桃「……もしかして、何か思い出した?」

16: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:39:00.425 ID:UYSLsW06M
シャミ子「……うーんうーん」

桃「シャミ子!? 大丈夫!?」

桃(あ、つい……)

シャミ子「……なんとなく、思い出して来ました。それに、シャミ子って言葉の響きもなんだか心地良い……」

桃「あっ……」パァッ

シャミ子「……そうだ」

シャミ子「確かここで、ももさんと4kmくらい走り込みをして、ランナーズハイになった記憶があります」

桃(…………初めて、トレーニングした場所だもんね)

19: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:46:18.232 ID:UYSLsW06M
シャミ子「あとは、うーん……思い出せない……」

桃「……じゃあ、次はあそこに行こうか?」

シャミ子「……あそこ?」

20: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:52:01.301 ID:UYSLsW06M
ショッピングセンターマルマ
シャミ子「……ここは?」

桃「ショッピングセンターマルマだよ。シャミ子が武器を集めようとして、その後、食事もして」

シャミ子「武器? 食事……? えっ、あっ、あれ? 武器って……」

シャミ子「あ、そうだ……私は、確か桃さんを打倒しようとして武器調達を……」

シャミ子「それで、その後うどん……コーラ……コーラがすべての始まり……?」

桃(……やっぱり)

桃(多魔川に行ったときからそうだと思ってた)

桃(私とシャミ子が一緒に行った思い出の場所を巡れば、シャミ子の記憶は戻る!)

22: 名無しさん 2020/07/27(月) 11:56:42.713 ID:UYSLsW06M
桃(……? シャミ子の角が……)

桃(乳歯みたいに、少しだけ生えてきてる)

桃(これは……ひょっとして)

桃「シャミ子!」

シャミ子「はい!?」

桃「もうちょっとだけ、移動できる? 無理なら病室に戻るけど」

シャミ子「……大丈夫です。なんだかさっきより元気さが3割増しなので」

桃「じゃあ、行こう。本当に、無理ならすぐに言ってね」

シャミ子「合点です!」

25: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:06:01.010 ID:UYSLsW06M
廃工場
シャミ子「……ここは?」

桃「私の持ってる廃工場」

シャミ子「廃……工場?」

シャミ子「桜型の穴……? ちよだ、さくら、さん?」

桃(義姉の名前?)

シャミ子「病室暮らし……角が生えて、魔族? 魔族の末裔、シャミ、シャドウミスコレ、シャドウミストレス優子」

桃(噛んでる。可愛い……)

シャミ子「私は」ニュルニュルニュル!

桃(角が!?)

シャミ子「シャドウミストレス優子!」

桃(生えた!)

26: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:09:42.389 ID:UYSLsW06M
シャミ子「完全に思い出しました!」

シャミ子「ついでに角が生えてめっぽう元気になりました!」

桃「良かった……シャミ子、シャミ子!!」

ギュッ

シャミ子「も、桃? きゅ、急に抱きつくなー!」///

桃「そう、桃。桃だよ! シャミ子!!」

ギュー……

シャミ子「ちょっ、桃、タンマタンマ! ぐるじい……」アップアップ

桃「あぁごめん!」

29: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:13:12.496 ID:UYSLsW06M
リリス「いやー! 戻った戻った! 一件落着だな!」

桃「…………」

リリス「『あーそういやいたなーこいつ』って顔すんの止めて? なんだか悲しくなるから」

30: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:18:44.204 ID:UYSLsW06M
桃「……リリスさんも戻ったってことは」

桃(……私の力もすり減ってる……)

リリス「うむ! シャミ子と余は完全復活したってことだな! ついでに桃の力も!」

桃「……一言多いよ」

シャミ子「……そういえば、私、なんで記憶喪失になってたんでしょう? それに桃に一瞬だけ力を吸われていたような……」

リリス「あーそれは……」

31: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:24:37.742 ID:UYSLsW06M
リリス「……あー……」

シャミ子「どうしたんですか、ご先祖」

リリス「……ごめん、余のせい」

桃「は?」

32: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:28:29.622 ID:UYSLsW06M
リリス「いやー、なんかね」

リリス「シャミ子の深層意識でゆっくりしてたら」

リリス「何でか『絶対に押しちゃダメ』ってボタンが出てきて」

リリス「気になったから押しちゃった☆」

桃「………………」

33: 名無しさん 2020/07/27(月) 12:30:19.956 ID:UYSLsW06M
桃「」ブゥン!

リリス「ぷるんこっぺそぉぉぉおおおい!」

シャミ子「ご先祖ォォォオオオ!」

頑張れシャミ子!
それはそうと、『押しちゃダメ』ボタンは絶対に押すんじゃない! 絶対にだ!