480: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:36:57.00 ID:NcHcC3/+0
瑞鶴「ぴゃああうまいいいい!」

プリ「水おいしい!ただの水がこんなにおいしかったなんて!」

古鷹「なんだか感動しちゃいますね!」

提督「流石はドイツだったな。なかなかにストレートな仕送りだが、真水は無人島において非常に重要なアイテムだ」

提督「人は水を3、4日とらないと死ぬと言われている。この無人島生活も2泊3日だったからお前たちは危うく干からびるところだったぞ」

プリ「私たち、他のことで色々必死だったからね…」

古鷹「正直なところ、茹でカメノテで水分補給はできてるかなって思ってました…」

提督「ちなみにチーム駆逐艦の方は既にしっかりと真水を作っていたからな。お前たちも大型艦なんだから、これくらい、しっかりしてほしいものだ」

プリ「えっ、そうなの!?」

瑞鶴「ほんと、向こうがどうなってんのか気になるわ…」

引用元: ・いきなり艦娘伝説!?吹雪たちの無人島0円生活?【艦これ】

25: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/06(水) 00:07:02.14 ID:ml4eJJeso
駆逐三人と
大型二人

26: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/06(水) 00:07:56.46 ID:SkTV0sSCo
5人で2チームだと若干偏りが…
秋月チームはハンデで2人か?
もしくはサプライズ犠牲syもといゲストを1人とか

30: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/06(水) 00:13:51.79 ID:zsrknFEPO
古鷹

481: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:38:37.98 ID:NcHcC3/+0
提督「さてさてここで大型艦の贈り物をまとめると…」

瑞鶴→ほうれん草
古鷹→釣りセット
ドイツ→水

提督「ということになったな」

瑞鶴「わ、私のはちょっとそんなに役に立ちそうには無いけど…」

古鷹「釣りセットと水の存在はすごく大きいですね」

プリ「こんだけあったらあと1日くらい楽しくやりすごせそう!」

提督「それじゃあ、これで俺の用事は終わりだから」

提督「残りの時間はここでのんびりと暮らしておいてくれ」

瑞鶴「はいはい」

482: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:39:54.71 ID:NcHcC3/+0
【こうして、提督は無人島を去った】

【仕送りも全員に届けられ、ここから無人島生活の後半戦が始まる】

【6人の艦娘は無事に生き延びることができるのか!?】

【では、チーム駆逐艦の様子から見てみよう】

483: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:42:14.96 ID:NcHcC3/+0
【チーム駆逐艦side】

【時間は、提督が仕送りを置いて去ったところまで遡る】



陽炎「砲…って無人島でどうやって使うのよ」

吹雪「バラしたら色々と使えるんじゃないの?」

陽炎「バラすってどうやってバラすの…私たち女の子のパワーじゃ道具でも無けりゃこんなのバラせないわよ…」

吹雪「じゃあ無理矢理に何か石でも叩きつければバラせるんじゃないかな?」

陽炎「それは『バラす』って言うよりも『壊す』って言うのよ!」

秋月「だけどこればかりは私もどう使うか悩みますね…」

陽炎「うぐぐぐ…」

484: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:46:14.16 ID:NcHcC3/+0
吹雪「まぁ砲は使えないと割りきろう、陽炎」

秋月「今は次のことを考えましょう!」

陽炎「とりあえずはそれが得策よね…」

吹雪「さーて、次は昼ごはんのことだよね。どうする?」

陽炎「どうするも何も食材を探す以外に選択肢はないでしょうが」

秋月「朝のハブみたいに食材が転がっていれば楽に済むんですけどね」

陽炎「っていうか、そもそも今って何時くらいなの?」

秋月「方角がわからないので断定できませんが、太陽の動き的には現在11時くらいかと」

吹雪「11時か…中途半端な時間だね」

陽炎「もう少ししたらお昼の時間…っていう頃よね」

486: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:49:23.55 ID:NcHcC3/+0
秋月「提督が途中で来て少し長くお話してましたから…それでこんな時間になっちゃったのかと」

吹雪「あー…あの長々とした仕送りのせいか」

陽炎「しかもその話で手に入れたのがこの砲っていうね…」

吹雪「まぁそれは一応、醤油とかも手に入ったから…」

秋月「どうします?今から魚とかとってたら時間がかかっちゃいますし…」

秋月「もう昼ごはんも晩ごはんも一緒にしちゃいますか?」

吹雪「秋月の言う通り、時間の効率を考えたらそっちの方がいいかな」

陽炎「食事回数が1回減るのは残念だけど、無人島なんだから贅沢は言えないよね」

秋月「ではそうしましょう!今日は早めに晩ごはんを食べるとして、食材探しです!」

【チーム駆逐艦、晩御飯に向け行動開始】

487: ◆sgz06eY/Ks 2016/04/30(土) 23:55:53.50 ID:NcHcC3/+0
陽炎「さーてと、じゃあ海には私が行かせてもらうわね」

吹雪「あっずるい!私も行きたいって言ってたじゃん!」

秋月(あっ、そう言えば朝はこのことで揉めてたんだったっけ)

吹雪「潜水は難しいんだって!陽炎じゃ無理無理!」

陽炎「吹雪だって潜水は昨日初めてやったんでしょ!?だったら私にくらい出来るわよ!」

吹雪「あれは私の主人公パワーのおかげ!私はとても優秀だからね!」

陽炎「私だってラノベで主人公やってたわよ!むしろ主人公としてはアニメ吹雪より主人公してたわよ!」

吹雪「うるさいうるさーい!!アニメのことは話すなーっ!」

秋月「あわわ、喧嘩になっちゃいました…」

488: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/01(日) 00:04:04.81 ID:D1MtAIPM0
陽炎「こうなったらモリ漁をする権利をかけて勝負よ!」

吹雪「挑むところだ!かかってこいっ!」

秋月「ええ!?」

陽炎「私が勝ったら私が海に行くわ!」

陽炎「吹雪が負けたら私が海に行く!この条件でどうよ!」

吹雪「条件に不足はない!この勝負受けてたつっ!」

秋月「その条件、吹雪さんに利が全く無いですよね!?」

吹雪「はっ…!?危ない危ない!」

陽炎「くっ、あと少しで騙せそうだったのに!」

吹雪「ところで陽炎、勝負の内容はどうするの?」

陽炎「それはもちろん…」

陽炎「駆逐艦らしく、激しいバトルで勝負よ!!」

吹雪「は、激しいだって!?」

秋月「もしかして殴りあい!?暴力はいけませんよ!」

陽炎「どうする吹雪?やる!?」

吹雪「問答無用だよ!勝負だ陽炎!」バッ

陽炎「いい覚悟ね吹雪!行くわよっ!」バッ

秋月「あわわわわわ…」

489: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/01(日) 00:08:41.10 ID:D1MtAIPM0
【激しいバトルの内容、それは…】

秋月「…」

陽炎「…」ソローリ

吹雪「…」ソローリ

秋月「………」

【砲倒し(砲を使った棒倒し)である】

秋月「…あの」

陽炎「なに秋月!?いま私は集中してんの!」

秋月「あのぉ…すごく、地味ですね…」

陽炎「いや、だって」

吹雪「せっかくの陽炎への仕送りなんだし、1つくらい見せ場つくってあげなくちゃ」

陽炎「砲は重心がよくわからないから、棒倒しで使うと結構ハラハラした戦いになるわ」

秋月「…そういう問題なんですか?」

490: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/01(日) 00:19:19.68 ID:D1MtAIPM0
【激しい砲倒しの戦いの結果】

【勝者は…】

陽炎「…!」バーン←ウェットスーツ装備

吹雪「負けた!くやしい!」

秋月「陽炎さんが海に行くことになりましたね」

陽炎「やったわ!これで無人島生活をより楽しめるわ!」

陽炎「見てなさいよ吹雪!ウツボを超えるような凄い大物を採って帰ってみせるんだからね!」

吹雪「とりあえず期待はしているよ、陽炎」

吹雪「はぁー、私もまた海に潜りたかった…帰ったら趣味でダイビング始めてみようかな…」

陽炎「今日くらい我慢しなさい!」

秋月「とりあえず吹雪さんは、今日は私と一緒に行動しましょう!」

吹雪「えっ?秋月、何かやらなくちゃいけないことがあるの?」

秋月「それはもちろん食材探しですよ!」

秋月「無人島の内部へ入ってみるんです!何か食べられるものがあるかもしれません!」

吹雪「ええっ!?島の内部に!?」

497: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 22:58:34.85 ID:p0On/1JZ0
【秋月に連れられ山へ入る吹雪】

秋月「このあたり…かな」キョロキョロ

吹雪「ねー秋月、食べ物ってまさか…」

秋月「はい!もちろん山菜のことです!」

秋月「今日が無人島で過ごす最後の夜なので、晩餐は豪華にしたいですから…」

秋月「食材を増やして豪勢にしようっていう魂胆から、山に入りました!」

吹雪「やっぱりそうだったのかぁ…」

秋月「たくさん採れるといいですね!」

吹雪「…あのさぁ、私、その辺に生えてるような草を食べるのちょっと恐いんだけど…」

秋月「それは大丈夫ですよ!場所が違うだけで、畑にあるような野菜とほとんど変わりありませんから!」

秋月「秋月にお任せください!私がいればぜったい大丈夫です!」

吹雪「じゃあ、秋月がそう言うなら…」

498: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:05:12.10 ID:p0On/1JZ0
秋月「山菜狩りをする際には、専門的な知識も無くむやみに食べたり、あるいは過剰な量を採らないようにしてください」

秋月「できるだけ専門家を連れていくようにしましょうね!」

吹雪「わかったー」

吹雪「…って、山菜の専門家って秋月のことなの?」

秋月「知識には自信ありますよ!たぶん姉妹の中でもナンバーワンです!」

吹雪「あの秋月が珍しく自信満々だ…」

秋月「ではさっそく山菜を見つけていきましょう!」

秋月「晩ごはんに向けて、頑張ります!」

吹雪「私もお荷物にならないよう、がんばるよ」

499: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:09:30.25 ID:p0On/1JZ0
秋月「♪~」ゴソゴソ

吹雪「秋月、見つかった?」

秋月「いや、流石にそんなすぐには見つかりません」

吹雪「だけどこうやって生えてる草って、覚悟を決めてその気になれば全部食べられそうな気もするけどなぁ」

秋月「毒が無ければ、ですけどね」

吹雪「…否定はしないんだ」

秋月「味さえ我慢すれば嘘では無いですから」

吹雪「ところで、今は冬だけど山菜って見つかるの?」

秋月「それは大丈夫です。ここは南の島なので、山菜の旬の季節がかなり早くなってるんです!」

秋月「おそらく山菜としてメジャーな、ぜんまいやわらびくらいも結構生えてるのではないでしょうか」

吹雪「ほうほう、それは期待できそう!」

500: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:15:16.93 ID:p0On/1JZ0
秋月「…と、そうこう話をしてるうちに山菜を見つけました!」

吹雪「おおう!?さすが秋月!」

秋月「見てください、これが…」

秋月「タラの芽です!」テテーン

吹雪「えっ?鱈?」

【タラの芽を発見】

吹雪「へー…?た、鱈…?」

秋月「いきなりこんな大物を見つけることができるなんて…私たちは運がいいのかもしれませんね」

秋月「タラの芽は天ぷらにするととても美味しいのですが、今回は調味料がないので茹でて食べることになるでしょう!」

吹雪「そ、そうなの…」

501: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:16:14.85 ID:p0On/1JZ0
吹雪(そうか…秋月はあまりにも貧乏すぎるからこういった知識が無くて、鱈は植物から産まれると思ってるんだ)

吹雪(可哀想に…鱈はたらこから産まれるということを知らないんだね…)

秋月「?」

【盛大な勘違いをしている吹雪】

秋月「とりあえずタラの芽を手に入れましたが、やっぱりこれだけじゃ足りませんよね」

秋月「もっともっと捜索しましょう!吹雪さんも勘でいいので、食べられそうなものがあったら持ってきてください!」

吹雪「うん、わかった」

503: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:22:32.54 ID:p0On/1JZ0
秋月「えーと、これは美味しい草、これは美味しくない草…」ゴソゴソ

吹雪「秋月みたいにはいかないと思うけど、ここは主人公として有能っぷりを見せつけなくちゃ」

吹雪「でもまぁ適当に採っとけばどれか1つくらいは食べられるものが当たるでしょ…えーっと」キョロキョロ

吹雪「…例えばこの紫色の花とか。パッと見は美味しそうだし」

吹雪「花って食用になることが多いっていうし、駄目でも蜜としていけるよね!」

吹雪「おっと、こんなところにキノコも生えてた。これは食べられるのかな?」

吹雪「私知ってるよ。毒キノコは派手な見た目をしてるのが特徴なんだから!」

吹雪「だからこれは食べられるキノコー」ガサゴソ

吹雪「おっと、こっちには白い花が」

吹雪「どっかでこんな感じの白い花を食べてる地域があるって聞いたことあるし、これも大丈夫…」

吹雪「あれ、私って意外と山菜狩りの才能あるのかも?」

吹雪「あとは、これとか、それとか…採っとけば…」ブチッブチッ

【目についた植物を片っ端から採集する吹雪】

504: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:25:27.93 ID:p0On/1JZ0
【数十分後】

秋月「吹雪さん、調子はどうですか?」

吹雪「バッチリだよ!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって言うし!」

秋月「そ、それは調子バッチリと言わないのでは」

吹雪「まあまあ。細かいことはいいの」

秋月「とりあえず採ったもの見せてくれます?」

吹雪「うん、わかったよ」スッ

秋月「…あっ」

【吹雪が採ったもの…トリカブト、ツキヨタケ、ドクセリ、その他】

秋月「…」

吹雪「…」ドヤ

秋月「…凄いですね」

吹雪「それほどでも!」

秋月「本当にそれ程ですよ!?どうしてこんなに毒草をピンポイントで採って来たんですか!!」

吹雪「えっ!?これ全部毒なの!?」

505: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:32:03.17 ID:p0On/1JZ0
吹雪「マジかぁ…」ズーン

秋月「ち、知識も無いんですから仕方ないですよ」

吹雪「…このキノコとか、色が派手じゃないから食べられそうなんだけど」

秋月「それは迷信です!」

秋月「ツキヨタケは茶色で小さくとても地味ですが、非常に強い毒を持っていて食べると最悪の場合死に至ることがあるんです」

秋月「嘔吐や下痢、幻覚に悩まされながらも身体は一向に衰弱してゆく…そんな恐ろしいことになっちゃいますよ!」

吹雪「うわぁ!怖い怖い!」

秋月「そもそもなぜツキヨタケが危険なのかというと、見てわかる通りこれはシイタケに非常にそっくりなんです」

秋月「シイタケを採ろうとしてツキヨタケを採り、そのまま食べて中毒になった…って事故は非常に多いんです!吹雪さんも気を付けてください」

吹雪「ひゃあ、さすが専門家…」

507: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:37:14.30 ID:p0On/1JZ0
秋月「ちなみにこれ、昔に照月が間違って食べたことがあったんですけど、その時はもう駄目かと思いました…」

吹雪「ええ!?大丈夫だったの!?」

秋月「なんとかですけどね。喉に指を突っ込んだり、お腹を強く押し付けたりしてツキヨタケを吐かせるなど、あらゆる治療をしたんですが…」

秋月「それでも症状は重く、飲んだ水もすぐ吐いてたので、あの時は照月が死んじゃうのかと思ってとても怖かったです…」

吹雪「こ、こわ…」

秋月「かろうじて自然回復でちゃんと治ったんで良かったんですけどね。思えば私たちが艦娘になれたのは、身体が丈夫だったからなのかもしれません!」

吹雪「あ、そう…」

秋月「…吹雪さんも食べて身体の丈夫さを試してみます?」

吹雪「なんでよ!?」ガビーン

508: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:45:40.76 ID:p0On/1JZ0
吹雪「そっか…秋月型が全員洗練されたボディなのは、貧乏のせいで身体が肉体的にも精神的にも鍛え上げられたからなんだ…」

秋月「何を言ってるんですか…」

吹雪「だいたいそんな危険なキノコなら、簡単に見分ける方法とかあったらいいのに」

秋月「あっ、それはツキヨタケに関してならありますよ!」

吹雪「あるんだ!?」

秋月「このツキヨタケ…手で影をつくるなどして、ちょっと暗いとこで見てください」

吹雪「え?どれどれ」

吹雪「…おお!光ってる!光ってる!?」

【暗闇で発光する特徴を持つツキヨタケ】

秋月「私の知る限り、これはツキヨタケのみが持つ大きな特徴です!」

秋月「もしシイタケかツキヨタケかで悩んだら…この方法で見分けるのも一手ですよ!」

吹雪「ほうほう…自然の神秘ってやつだね」

秋月「どうして光るのまでは私も知りませんけど…これでツキヨタケであることは一目瞭然です!」

吹雪「へぇー」←まだツキヨタケを光らせてる

吹雪「…このキノコ、なんか面白いから持って帰るわ」ゴソゴソ

秋月「え!?持ち帰るんですか!?」

吹雪「食べなきゃいいんでしょ!へーきへーき!」

秋月「まぁ、そうですけど…」

510: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:49:54.33 ID:p0On/1JZ0
吹雪「ポケットに入れとこう。陽炎に見せびらかそ」

吹雪「ところで山菜集めはどうなったの?秋月の方はどれくらい集めたの?」

秋月「私はですね、さっき採ったタラの芽に…」

秋月「わらび、タニワタリ、つわぶきが採れました!」

吹雪「うわぁ、沢山とれたんだね!」

秋月「運が良かったからですよ。とりあえず3人で食べる分には十分だと思います!」

【吹雪&秋月、大収穫】

511: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/03(火) 23:55:19.13 ID:p0On/1JZ0
吹雪「じゃあもう帰ろ。家で何かして遊びながら陽炎の帰りを待とうよ」

秋月「それも良いですが…」

秋月「ちょっとだけ無人島の探検してみません?」

吹雪「へっ?」

【無人島の散策を提案する秋月】

吹雪「なんで?めんどくさい!」

秋月「どうせ暇だからいいじゃないですか!」

吹雪「いやいや、変に体力を消耗させるよりゆっくりしてた方が…」

秋月「もったいないじゃないですか!せっかく無人島に来たんですよ!?」

秋月「家にいるよりもこっちの方が楽しいですって!さぁ、行きましょうっ!」ダッ

吹雪「うおっ!?腕引っ張らないで!行くから行くから!」

【半ば無理矢理に吹雪と山で遊ぼうと誘う秋月】

【こうして2人はもうしばらく山に滞在することになるのだが…】

【この後、ちょっとした事件に巻き込まれることになる】

543: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 00:44:47.35 ID:lbJaMLtf0
【場所は変わり、チーム大型艦】

【彼女たちは、手に入れた釣竿やモリを使って晩食を手に入れようと、作戦をたてていた】



瑞鶴「よしよし!私たちはこの上ない武器を手にいれたわ!」

プリ「これがあれば昨日の晩ごはんと比べて今日の晩ごはんは豪華になるはずだよね!」

古鷹「釣りは簡単に魚を捕らえられる方法として昔からメジャーですから、これは大きなアドバンテージだと思います」

瑞鶴「よーし、今晩こそはまともなものを食べられるよう、頑張るわよー!」

プリ「頑張ろー!」

544: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 00:47:28.62 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「まずはチーム分けが必要よね。釣りチームとモリ漁チームみたいに」

プリ「3人だけど、どうやって人数分けする?」

古鷹「モリ漁は1人、釣りは2人でいいんじゃないですか?」

瑞鶴「そうねー。モリ漁は別に手助けとかいらなさそうだから1人で十分だし…」

プリ「釣りは道具とかごちゃごちゃしてわかりにくいから2人の方がいいかもね!」

瑞鶴「ならじゃんけんでチームを決めるわよ!グーとパーでチーム分けをするわ!」

プリ「わかった!やるよ!」

古鷹「え?じゃんけんのチーム分けと言えばグーとチョキじゃないんですか?」

瑞鶴「そんな細かいことはいいの!今回はグーとパーでのチーム分けを行うわ!」

プリ「それじゃ、いっくよ!」

瑞鶴「グーとパーに…分かれましょっ!」バッ

古鷹「しょ!」バッ

545: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 00:49:32.57 ID:lbJaMLtf0
【チーム分けの結果は…】

プリ「それじゃ、行ってくるね」←ウェットスーツ装備

瑞鶴「気を付けて行くのよー」

古鷹「怪我や事故をしないよう、頑張ってください!」

【プリンツがモリ漁に、瑞鶴と古鷹が釣りをすることとなった】

【彼女は豪華な晩御飯を目指して、それぞれ行動を開始する】

546: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 00:52:16.38 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「と、言うわけで釣りを始めるわよ」

古鷹「まずはポイント探しからですね」

瑞鶴「私知ってる。魚って岩場とかそういったとこにいるんでしょ?」

瑞鶴「だから岩っぽい場所を探して釣糸を垂らしておけば、自然と魚が釣れるに違いないわ!」

古鷹「この島は岩場が多いですから、魚はたくさん採れるかもしれませんね!」

瑞鶴「じゃあまずはその岩場をさがすわよ!」

瑞鶴「古鷹!ついていらっしゃい!」

古鷹「了解です!」

【瑞鶴&古鷹、釣りポイントを探索】

547: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:02:37.79 ID:lbJaMLtf0
【数分後】

瑞鶴「ふむふむ…」キョロキョロ

瑞鶴「この辺でいいかな?」

古鷹「たぶん大丈夫でしょう!」

【無事に釣りポイントを発見した瑞鶴&古鷹】

瑞鶴「ふぅ…とりあえず腰をおろそう」

古鷹「結構簡単に見つかって良かったですね」

古鷹「それにこの場所、なかなかに荒い岩場で少し危険な感じがしますから、魚はたくさん釣れそうです!」

瑞鶴「ラッキーよね。こんな場所は、いかにも釣りスポットって雰囲気が溢れでているわ!」

古鷹「さらに、あそこにある、海に浮いてる岩も魚の居どころになってて釣りポイント感がありますし…」

古鷹「今日はなんだかいいことありそうですね!」

瑞鶴「その幸運にあやかって大量を狙うわよ!」

瑞鶴「とにかくさっそく釣りを始めるとするわ!」

瑞鶴「竿に糸とかセットして!餌をつけて魚を釣るわよ!」

古鷹「了解です!」

548: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:06:18.76 ID:lbJaMLtf0
【釣りの準備を進める釣りチーム】

古鷹「これを、こうして」ゴソゴソ

古鷹「…できた!」ゴソゴソ

古鷹「瑞鶴さーん、竿に糸をセットできましたー!」

瑞鶴「オッケー、ありがとう!」

古鷹「そちらは餌に針を刺せましたかー?こっちはいつでもいけますよー!」

瑞鶴「あー、ごめん…それちょっと待って…」

古鷹「ん?何か問題でもありましたか?」

瑞鶴「ええと…それがね…」

古鷹「?」

瑞鶴「ごめん…なかなか勇気でなくて…」

古鷹「あっ…これは…」

瑞鶴「餌、これなのよね…」

【釣り餌 虫(生きてる)】

549: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:09:40.71 ID:lbJaMLtf0
古鷹「いわゆるワームってやつですね…餌の選択が何とも加古らしい…」

瑞鶴「こいつらヌタヌタ動いて気持ち悪い…触りたくもないし…」

古鷹「これくらい我慢してください!釣り人はみんなこれを乗り越えて釣りをしてるんですよ!」

古鷹「釣りをする者ならば、こんなもの触りまくれて当然です!」

瑞鶴「それ本当なの!?虫の代わりにルアーとか使わないの!?」

古鷹「言い訳は後です!瑞鶴さんも我慢してこのミミズみたいな虫を釣り針に刺してください」

瑞鶴「えぇ~…」

瑞鶴「…うげ」←虫に触った

瑞鶴「オゾゾゾゾゾ」←虫が瑞鶴の手に絡み付いてる

古鷹「瑞鶴さん、七面鳥のような鳥肌が出てますよ」

瑞鶴「う、うるさいわよ!古鷹!」

550: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:11:57.16 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「…でも、なんとか刺せた…」

古鷹「瑞鶴さんよく頑張りました!」

【生き餌の腹を釣り針が貫いている】

瑞鶴「よーし、これで何とか準備は全て完了したわ」

古鷹「では、これを海に放り投げて…」

瑞鶴「釣りの開始ね!大物が釣れることを祈るわよ!」

瑞鶴「それっ!」シャッ

古鷹「期待ですね!」

【釣竿を振り、針を遠くに落とす瑞鶴】

551: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:13:01.02 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「この状態で…待っていれば」

古鷹「きっとすぐ釣れるでしょう!」

瑞鶴「それまでのんびり待ちましょう」

古鷹「はーい」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…なかなか釣れないもんですねぇ…」

瑞鶴「…そうねー」

552: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:14:27.37 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「だけどそんなすぐには釣れるわけないでしょ。まだまだ待つわよ」

古鷹「そ、そうですよね」

瑞鶴「釣りは我慢なり、ってどこぞの漫画で大王様も言ってたし。粘りましょ」

古鷹「了解です!」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

【待ち続ける瑞鶴&古鷹】

553: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:16:15.56 ID:lbJaMLtf0
【数十分後】

古鷹「瑞鶴さん!見てください!」

古鷹「石を積み重ねてできた塔!石10個目いきましたよ!」

瑞鶴「うおおお!すごっ!!古鷹、こういうとこは凄いのね!?」

古鷹「いやぁ、それほどでもないですよ!」

瑞鶴「私なんて4個か5個が限界なのに…あっ、また倒れた」バラバラ

古鷹「重心を見極めることが大切ですね!こればかりは経験ですよ!」

瑞鶴「なんか悔しいわね…ええい、私ももう1回積むわよ!」

【釣れなさのあまりとうとう遊びだした瑞鶴&古鷹】

554: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:17:56.38 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「しっかし全然釣れないわね…」

古鷹「餌、もう取られてるんじゃないですか?」

瑞鶴「え、マジ?」ザバッ

瑞鶴「うわ、本当。食われてる」

古鷹「あらら…駄目でしたね」

瑞鶴「うげぇ、またこんな変なミミズみたいな虫を針につけなくちゃいけないのか…」

古鷹「釣りは、なかなか苦しい戦いです…」

【瑞鶴&古鷹、悪戦苦闘】

555: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:21:36.93 ID:lbJaMLtf0
【釣りは楽勝と思ってたのだが…】

【なかなかの苦戦を強いられてしまっている】

古鷹「リベンジです!なんどでも挑戦しましょう!」

瑞鶴「なら今度は古鷹が餌つけてよ!私はもうこれ触るの嫌!」

古鷹「実は私もできればこんなものは触りたくないのですが…」

瑞鶴「何よ!さっき偉そうに言ってた癖に!」

【このままでは釣り戦果が0になってしまう危機に】

【しかしそこに、救世主の如く、あの2人が現れるのであった】

??「こっちです!何かあるかもしれません!」

??「ま、まって…私もう疲れたよ…」

瑞鶴「…ん?」

古鷹「何か、声が…?」

??「…?」

??「あれ…あそこにいるのって…」

瑞鶴「…うお!?あんたたち!?」

古鷹「あれっ!あの2人は…」

556: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:22:43.53 ID:lbJaMLtf0
秋月「瑞鶴さん!古鷹さん!」

瑞鶴「吹雪!?秋月!?」ビクッ

吹雪「あれ?瑞鶴さんに古鷹さん、こんなとこで何してんの?」

古鷹「吹雪ちゃん!こんにちは!」

【小事件 吹雪&秋月、瑞鶴&古鷹に遭遇】

557: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:25:36.92 ID:lbJaMLtf0
瑞鶴「あんたたち…こんなとこで何してんの…」

吹雪「いやだからそれこっちのセリフ…」

秋月「私たち、散歩してたら2人を見つけたんです!」

瑞鶴「2人は暇なの?」

吹雪「いや、別にそういう訳じゃないけど…」

秋月「瑞鶴さんたちは何をしてるんですか?」

古鷹「私たちは今、釣りをしてるんです」

吹雪「えっ釣り!?どうして!どうやったの!?」

瑞鶴「仕送りで道具を貰ったのよ。加古からの仕送り」

古鷹「加古のことだから」

吹雪「かーっ!ずるいよ!うらやましい!」

秋月「そちらの仕送りはなかなか素晴らしいものが入ってたんですね!」

瑞鶴「え?じゃあそっちの仕送りは何だったのよ」

吹雪「…それは…砲だけど」

瑞鶴「ほ、砲!?」

古鷹「なんで!?」

559: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:32:22.60 ID:lbJaMLtf0
秋月「ところで、釣りの調子はいかがですか?」

古鷹「それがさっぱりで…」

瑞鶴「ま、まぁまだ始めたばっかだから…」

吹雪「どうなの?正直に言って釣れそう?」

瑞鶴「…微妙ね」

秋月「ふーむ…」

秋月「ちょっと釣り竿見せてください」ヒョイ

古鷹「あっ、秋月ちゃん」

秋月「ふむ…餌はイソメ…これ難易度高いですよ」

秋月「しかも針がイソメのお腹に刺さっちゃってるじゃないですか…これじゃいつまで経っても釣れないはずです…」

瑞鶴「な、なんですって!?」

古鷹「え!?どういうこと!?」

560: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/10(火) 01:44:09.00 ID:lbJaMLtf0
吹雪「秋月、釣り詳しいの?」

秋月「いえ、そこまでじゃないです…釣りセットは買うと高いので、ご近所さんからのお下がりを貰ってやってましたから…」

吹雪「…そうなんだ」

瑞鶴「それより秋月、解説を…」

秋月「あのですね、こういった餌に対して針は頭に刺すのが基本なんです」ブスッ

古鷹「!?」

瑞鶴「虫に気持ち悪がることもなく頭を刺した!?」

秋月「生き餌は生きてるとは言っても、待つだけで魚がかかるようなものではありません。基本的な釣りの方法はルアーとあまり変わりないですから…」

秋月「餌を元気に動いてるように見せかける必要があるんです」

古鷹「そ、そうなんですか!?」

秋月「つまり餌の頭に針を刺したのは、動きの操作をしやすくするためですね」

秋月「腰に針を刺しちゃうと、腰から動く不気味な生き物になってしまいますから。魚も怪しんで警戒します!」

秋月「だからこういったところから気を使って、釣りを行いましょう!」

吹雪「さすが秋月だ!詳しいね!」

瑞鶴「あれ…秋月ってこんなに生き生きとして知識を解説するような娘だったっけ…?」

古鷹「ど、どうでしたっけ…??」

573: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:03:19.73 ID:XZkJQDi10
秋月「この状態で、糸を海に投げ入れてみてください」

瑞鶴「よ、よし。わかったわ」シュッ

秋月「リールは少しずつ巻いて…速く巻きすぎないように、虫の動きをイメージして…」

瑞鶴「こ、こう?」グルグル

吹雪「頑張れ、瑞鶴さーん」

古鷹「秋月ちゃんが瑞鶴さんを指導しているなんて、なんだか面白いですね」

瑞鶴「うぐ…」

秋月「イソメは活きのいい虫なので、針に刺さってもある程度は水中でも暴れてくれます」

秋月「あとはそのイソメの動きと、瑞鶴さんの糸捌きで魚がかかってくれるのを待てば…」

クイッ

瑞鶴「おお!?糸が!」

古鷹「こんなに早く!?すごい!」

秋月「何か当たったみたいですね。釣り上げてみましょう!」

574: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:07:13.24 ID:XZkJQDi10
瑞鶴「何が釣れたの!?何でもいいけど嬉しい!」グルグル

吹雪「空きカン来い!空きカン!!」

古鷹「吹雪ちゃん…」

秋月「何もともあれ、初めてのヒットおめでとうございます!」

瑞鶴「頼むわよー!せめて食べられる魚が来てよー!!」

吹雪「あっ!魚影が見えてきた!」

古鷹「まぁまぁの大きさですね…25cmくらい?」

瑞鶴「よーし!ラストスパートね!いっくわよー!」グルグルグルグル

瑞鶴「よいしょー!」ザバーッ

575: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:10:34.42 ID:XZkJQDi10
瑞鶴「釣れた魚は…」

吹雪「…んっ!?」

【カサゴ Get!】

瑞鶴「…うわぁ!何コイツ!きもっ!」

吹雪「ぶ、不気味!すっげぇキモい生き物だね!」

秋月「何を言ってるんですか!これカサゴですよ!良かったじゃないですか!」

秋月「美味しいんですよ!釣りでは超当たりの部類なんですよ!」

古鷹「そうですよ。喜びましょうよ瑞鶴さん」

瑞鶴「そ、そうなの!?」

吹雪「こんなのが!?」

秋月「はい。基本的には煮付けにして食べるのが一般的だそうですが…」

秋月「丸焼きにしても美味しく、色んな調理法があるんです。人気の魚ですね!」

瑞鶴「へ、へぇ…これがねぇ…」

吹雪「こんな毒々しい魚なのに…」

576: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:13:39.33 ID:XZkJQDi10
秋月「確かに吹雪さんの言うとおり、カサゴはちょっと危険な魚でもあるんですよ。この背ビレのトゲ、刺さると痛いです!」ツンツン

吹雪「わお、痛そう!」

古鷹「調理の時は注意しなくちゃいけませんね…」

瑞鶴「ていうか思ったんだけど、釣りって意外と大変なのね…糸の動きとかそういったものにも注意を払わないといけないなんて思いもしなかったわ…」

吹雪「それ私も思った。釣りなんて糸を垂らしてるだけでできると思ってたのに…」

古鷹「奥が深いですよね」

秋月「いや、一応ですけどそうあった釣りもあることにはあるんですが…」

瑞鶴「え?」

吹雪「そうなんだ?」

秋月「ちょっと加古さんの釣りセット見せてください。もしかしたら入ってるかも…」スッ

吹雪「あっ、秋月…」

577: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:21:14.25 ID:XZkJQDi10
秋月「…チューブ餌、カゴ、専用糸…って」ゴソゴソ

秋月「あるじゃないですか!サビキ!」

古鷹「サビキ!?」

瑞鶴「な、何それ?」

秋月「とにかく糸にこれを付け替えて釣りをしてみてください」

秋月「ルアー釣りや生き餌釣りとは違って、簡単に魚が釣れます!」

瑞鶴「ほ、ほんとに?」

吹雪「ねぇ、この糸って針がたくさんついてるし、変なビニールみたいなものもたくさん付いてるけど大丈夫なの?」

秋月「大丈夫です!やってみればわかります」

秋月「きっとこの手軽さに瑞鶴さんも古鷹さんも感動しちゃいますよ!」

古鷹「そうかなぁ?」

579: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:25:47.95 ID:XZkJQDi10
古鷹「このサビキっての、付けましたよ」

瑞鶴「これだけでいいの?」

吹雪「ていうかこのカゴみたいなやつ、何?」

秋月「それがサビキの秘訣です。そのカゴにチューブの餌をつめて糸を垂らしてください」

吹雪「???」

瑞鶴「餌はこのイソメって虫じゃ駄目なの?」

秋月「駄目ってわけじゃないですが…こちらの方がより確実かと…」

古鷹「秋月ちゃんがそう言ってるんですし、まずは言うとおりにやってみましょうよ」

瑞鶴「はいはい、やってみるわ」シュッ

581: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:41:45.35 ID:XZkJQDi10
瑞鶴「針に餌ついてないのに…大丈夫なの…?」

吹雪「ねー秋月。あのカゴ何なのか教えてよー」

古鷹「私も知りたいです!」

秋月「カゴに餌をつめたのは、魚を誘き寄せることを目的としてるんです」

秋月「カゴにつめた餌は海の中に入るとばらまかれて、魚は餌の匂いにつられて集まっちゃうんです」

秋月「そしてその餌を食べてるとき、魚は針についてたビニールを見つけちゃいますよね」

秋月「実はそのビニール、魚からすると匂いもあって虫か何かの類いにしか見えないんです!」

吹雪「そ、そうなの!」

古鷹「じゃあ、つまり魚はそのビニールに食いついて…」

瑞鶴「んほぉぉぉぉぉぉぉ!いっぱい釣れりゅのぉぉぉぉぉ!!」ザバーッ

秋月「こうなりますね!」

吹雪「す、すごい!簡単だ!」

古鷹「瑞鶴さん…」

582: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:49:23.09 ID:XZkJQDi10
瑞鶴「すごい…針全部に魚がついてる…」

吹雪「大漁…!なんてことだ…!」

秋月「これは稀有な例ですけどね」

秋月「サビキ釣りは最も簡単な釣りの方法として、世間でよく知られています」

秋月「手軽に釣れるので、釣りを楽しみたいって人には是非おすすめです!」

古鷹「なるほどー」

秋月「もちろん、もっと高度な釣りを楽しみたい!って人はルアーとか使って色々ためしてみましょう。難易度が高くて楽しいらしいですよ」

秋月「この辺は私もよくわからないので、詳しい話は曙さんに聞いてくださいね」

吹雪「あ、曙…」

瑞鶴「そっか、あの娘も釣り勢だったわね…」

古鷹「あの時の曙ちゃんの秋刀魚漁は見事でした…」

583: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/15(日) 13:55:46.84 ID:XZkJQDi10
秋月「そうそう、魚を釣り過ぎた時はちゃんと逃がしましょう」

古鷹「魚、たくさん釣れたけど食べきれるかなぁ?」

瑞鶴「えーなんで!?せっかく釣れたのに!」

秋月「魚だって生き物です!私たちと同じように生きているんですよ!」

秋月「命は過剰に奪わないようにするのが釣り人のマナーです」

秋月「と、曙さんが言ってました!」

瑞鶴「曙の言うことなら仕方ないわね…」

吹雪「曙は一人前の釣り人だからね」

古鷹「海にリリースです!」ボチャーン

【…と、こんな感じで釣りは順調に行われていた】

【一方、モリ漁に励んでいる陽炎とプリンツは…】

607: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:21:26.29 ID:HpQL6NOB0
【海】

【どこかの場所】

陽炎「…」

陽炎「…!」バタバタ

陽炎「………」プカプカ

陽炎「…」

陽炎「…くっ」

陽炎「潜れないわね…」

【陽炎は、昨日の吹雪と同じような事態に陥っていた】

609: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:23:23.41 ID:HpQL6NOB0
陽炎「うう…潜水がこんなに難しかったなんて…」

陽炎「吹雪が言ってたのはあながち間違いじゃなかったのね。甘く見すぎていたわ…」

陽炎「だけど漁に行ってしまった以上、潜れなかったら吹雪に笑われる…!何とかしなくちゃ…!」

陽炎「…高いとこから海に落ちて、その勢いで潜れないかな…」

陽炎「…」ヨジヨジ

陽炎「!」バッ

ドボーン!

陽炎「…くぅ…っ!」プカー

【試行錯誤をするがやはり潜れない陽炎】

【その内容も、昨日の吹雪と全く同じものである】

610: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:25:53.42 ID:HpQL6NOB0
陽炎「くっそぉー!ここで諦めたら陽炎型1番艦の名折れよ!」

陽炎「頑張るのよっ!頑張るのよ私!」バシャバシャ

陽炎「意地でも潜るのよ!何としてでも海にゴボゴボゴボゴボ!!」ブクブク

【必死に水を掻いて水中へ進む陽炎】

【その動きに優雅さは感じないが、とりあえず気合いのおかげか潜ること自体には成功している】

陽炎(しんどい!潜るの辛い!)バタバタ

陽炎(でも吹雪ってこんな状態でウツボを採ってたのね…!この辺りは流石は主人公としか言いようがないわ!)

陽炎(だけど私だって吹雪に負ける訳にはいかないの!もう完結しちゃったけど、私だってラノベの主人公だったのよ!)

陽炎(なんとか魚を捕らえて、私の実力を見せてやるんだからぁ!)

611: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:28:34.33 ID:HpQL6NOB0
陽炎(この状態で泳ぐわよ…)

陽炎「…!」ジタバタブクブク

陽炎(…おっ)

陽炎(小魚の群れがいるわね)

【陽炎、前方に小魚の集団を発見】

陽炎(よーし、さっそく突いてみるわよ。初陣ね)

陽炎(モリを構えて、接近を…)ジタバタ

陽炎(せ、接近を…!)ジタバタジタバタ

小魚「…」ススッ←一定の距離を保ちながら逃げてる

陽炎「…!」ジタバタ

陽炎(追えない…!)

陽炎(ああ…!逃げられた…!)

【陽炎、泳ぎが遅いせいで苦戦】

612: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:31:14.55 ID:HpQL6NOB0
陽炎(ああんもうっ!魚に煽られてるような気がする!悔しいっ!)

陽炎(ってか、息が全然続かない!浮上しないと!)バタバタ

陽炎「ぷはぁ!」

陽炎「はーっ…はーっ…はぁ…」

陽炎「うぅ…なんなのよぉ、もうっ…」

【当然、動きが遅いのも息が続かないのも陽炎の泳ぎ方が悪いせいである】

【昨日の吹雪は練習することでこの問題を解決しようとしていたが】

陽炎「次こそは…はぁ…はぁ…すー…はー…」

陽炎「息を整えて…」

陽炎「もう一回!いくわよ!」ザブン

陽炎「うおぉーっ!!」バタバタ

【陽炎の方は、早く結果を出そうと、泳ぎ方を変えようとはしなかった】

613: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:32:24.53 ID:HpQL6NOB0
【ちなみに、陽炎と同じくモリ漁へ向かっていたプリンツは…】

プリ「…」ザブン

プリ「♪」スイーッ

プリ「…ぷはっ!」ザバーッ

プリ「ふー、練習はこんなものでいいかな?」

プリ「潜るとき…胸のこれがちょっと邪魔すぎるけど…」ムニムニ

プリ「浮くときはこれのおかげで楽に浮けるし…モリ漁は大丈夫みたい!」

プリ「晩ごはんのため、がんばるよー!」

【速攻で潜水をマスターしていたのだった】

614: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:33:36.17 ID:HpQL6NOB0
【それとは対照的に酷い潜りを魅せる陽炎】

陽炎「ぐおおおおおお!ぬぁあああああああ!!」←必死

【見てわかる通り、このような犬掻きのような潜水は体力の消耗が激しくあまりやらない方がいいのだが…】

陽炎(行くわよぉぉぉぉ!!魚ぁぁぁぁぁぁ!!)←気合い入れてる

【陽炎は持ち前の駆逐艦魂と、気合いでこれを乗り切ろうとしていた】

陽炎(モリを…構えて…!)

陽炎(今度こそ!いざっ突撃よー!!)ジタバタ

魚「…」ススッ←逃げてる

陽炎(待ってえええええ!!!)

【だが失敗】

615: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:35:22.43 ID:HpQL6NOB0
陽炎(駄目だ…無理ね!)

陽炎(このままじゃどうしようもない…魚が速くて追えないっ!)

陽炎(吹雪ってどうやってウツボとかいう大物をとったのかしら…やっぱり素早く泳いで追ったのかしら…)

陽炎(だったら私もそうするしかないの!?なんとか魚に追いつけって言うの!?)

陽炎(くっ…どうしよう…)


616: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:37:05.38 ID:HpQL6NOB0
【もちろん、泳いでいる魚に直接モリを突いて魚を獲るのは非常に困難であり、普通の人ならば不可能に近い】

【基本的には岩に隠れているような、逃げ場のなくなった魚を突けばモリ漁の成功率は高いのだ】

【吹雪のウツボも岩に潜んでいたため、捕獲に成功したのだが…】

陽炎「…!」ジタバタ

陽炎(また逃げられたぁ…)

【陽炎はなかなかそれに気づかない】

【これに気がつけば、陽炎の下手な潜水でも上手くカバーすることができるはずである】

【果たして、晩食の時間までに、陽炎はこれに気づくことができるのか!?】

617: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:38:02.59 ID:HpQL6NOB0
【一方、再び吹雪や瑞鶴たちの様子は】

吹雪「ねぇねぇ瑞鶴さん、私たちにも釣竿かしてよー」

瑞鶴「えぇー?」

吹雪「私だって釣りやってみたいよー!暇なんだよー!ねぇねぇおねがーい!」

瑞鶴「ううん…仕方ないわねぇ…」

古鷹「チーム戦とは言え、生き残るための協力は必要ですもんね。どうぞご自由にお使いください!」

吹雪「やった!ありがとう!」

吹雪「よし!私は主人公として、曙に負けないようにルアー釣りに挑戦するよ!」

秋月「頑張ってください、吹雪さん!」

【和気あいあいとしていた】

618: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:39:07.10 ID:HpQL6NOB0
プリ「♪~」スイーッ

プリ「魚はどこかなー?」

プリ「…あれ?あそこにいるのは!」

プリ「おーい!みんなー!やっほー!!」

瑞鶴「…?」

秋月「どこから、声が…?」

古鷹「ああ!あそこ!海にプリンツさんがいます!」

吹雪「んぇ?…はっ!本当だ!」

プリ「やっほー!!わーい!!」

【プリンツ、吹雪たちとも合流】

619: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:41:18.52 ID:HpQL6NOB0
プリ「吹雪と秋月もいるー!」スイッ

吹雪「うおぉ、プリンツさん泳ぎ上手いね…」

秋月「こんにちは、プリンツさん!」

プリ「瑞鶴、古鷹、釣りの調子はどう?」

瑞鶴「大漁よ!大勝利!」

秋月「瑞鶴さんの釣り、お見事でした!」

プリ「そうなの!よかったぁ!」

古鷹「ぶっちゃけて言うなら、これ以上食材があっても食べきれないと思うんでプリンツさんは別にもう魚を獲らなくても大丈夫ですよ」

瑞鶴「そうね。過食はいけないからね」

吹雪「うちの秋月に感謝してよね!」

プリ「えええ!?」

620: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:43:23.86 ID:HpQL6NOB0
瑞鶴「そういうことよ。だから適当に海の散歩とかして遊んでていいわ」

プリ「な、なんだか納得いかないけどわかった!晩ごはんまでには帰ってくるね」

吹雪「…っと?」

吹雪「私の方も、プリンツさんとお話してたらなんか魚かかった!」クイックイッ

瑞鶴「お、マジで!?」

古鷹「竿が引いてます引いてます!」

秋月「一気に引き上げましょう!」

プリ(あれ?あの釣竿ってうちの釣竿のはずじゃ…?)

吹雪「よーし!力をこめて…」

吹雪「せいっ!」ザバーッ

古鷹「ん?」

秋月「あっ…」

【吹雪は 長靴を 釣り上げた】

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」バターン

古鷹「ゴミだったね」

瑞鶴「傑作wwww」

秋月「つ、次がありますよ!」

621: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:45:10.07 ID:HpQL6NOB0
【そうこうしているうちに、時刻ははや夕暮れ時】

【吹雪たちは長靴を釣り上げたあと、なんとか25cm程度の魚を1匹釣り上げ、チーム駆逐艦の拠点に帰還】

【瑞鶴たちも釣り上げたカサゴたちを持ち帰り、晩食の準備に取りかかった】

【そして、陽炎はどうなったのかと言うと…】

622: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:45:48.19 ID:HpQL6NOB0
陽炎「…」

陽炎「駄目だな、私…」ズーン

【陽炎、結局モリ漁に失敗】

623: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:47:41.77 ID:HpQL6NOB0
陽炎「どうしよう…こんなんじゃ帰れないよ…」

陽炎「私、あんな大口叩いてたのに…吹雪と秋月、どんな顔するかなぁ…」

陽炎「吹雪は…別にいいけど、秋月、悲しむだろうなぁ…」

陽炎「せめて、貝でも集めて帰ろう…」

陽炎「はぁ…」

624: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:49:48.95 ID:HpQL6NOB0
【陽炎と同じく、海に入っていたプリンツ】

【彼女は瑞鶴の言うとおり、南の島付近の海を泳ぎ倒して、ずっと楽しく遊んでいた】

【そんなプリンツは今…】

プリ「やっばい…」

プリ「ここどこ…?帰れなくなっちゃった…!」

【プリンツ、海で迷子に】

625: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:53:47.26 ID:HpQL6NOB0
プリ「えーと、えーと、どこから海に入ったっけ…」

プリ「海で遊んでていいって言われたから、この島一周しようって思ったらわかんなくなっちゃった…」

プリ「確か…木があるところから入ったはずなんだけど…」

プリ「この島、色んなとこに木が生えてるから意味なかった…!」

プリ「とりあえず、周りを泳いで探さなきゃ…」

ススッ

プリ「…?」

プリ「何か、前から影が…」

【迷えるプリンツに謎の魚影が接近】

ガシッ

プリ「えっ?」

【そしてプリンツの足に、変な感触が】

プリ「ちょ…」ゾクッ

タコ「…!」ヌルリ

プリ「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?Kraaaakeeeee!!!」ビクーッ

【プリンツ、タコと遭遇】

626: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:54:41.52 ID:HpQL6NOB0
陽炎「…」トボトボバシャバシャ

陽炎「…?」

\イヤァァァァァァァ…/

陽炎「…」

陽炎「何、今の声…」

陽炎「…行ってみよ…」バシャバシャ

627: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 17:59:31.86 ID:HpQL6NOB0
プリ「いやぁ!やだぁぁぁぁ!!」

プリ「うわぁぁぁ!身体にこないでぇ!やめてぇぇぇぇ!」

【プリンツに絡み付いたタコのサイズは約20cm程度】

【そこまで大きくなく、よくある『タコに襲われて溺死』といった事故の危険はなさそうなのだが】

プリ「やだぁ!やだぁ!離して!離してぇぇ!!」

プリ「うぇぇぇん!わぁあん!!食べられたくないぃぃぃぃ!!」

【地中海を除く、ドイツ等のヨーロッパの国ではタコは悪魔の魚と呼ばれ…】

【プリンツにとってはタコはなかなか嫌いな存在なのであった】

【プリンツは必死にタコを引き剥がそうともがいている】

628: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 18:00:53.41 ID:HpQL6NOB0
プリ「いやっ…そんなとこ、吸っちゃだめぇ!」

【そんなプリンツの元に】

陽炎「…」

陽炎「…何やってんの…プリンツさん」

プリ「か、陽炎!?」ビクッ

【陽炎、到着】

629: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/21(土) 18:04:37.20 ID:HpQL6NOB0
陽炎(タコだ…いいなぁ)

プリ「陽炎、助けてぇ…」

陽炎「プリンツさん、なんでそんなことになっちゃってるの…」

プリ「ぐす…それがね、迷子になって、こいつに襲われて…」

プリ「お願いだからこれ取って捨ててよ!陽炎!!」

陽炎「え?捨てる?なんで?」

プリ「当たり前でしょ!早く!お願いだからっ!!」

陽炎「…?こんなに美味しそうなのに…?」

プリ「お、美味しそう!?」ビクッ

陽炎「…プリンツさん、捨てるくらいなら私もらっていい?」

プリ「いいよ!こんなものあげる!だから!はやくたすけてぇぇぇぇ!」

陽炎「はぁ…どうも…」

陽炎(…いいのかなぁ)

【文化事情をよく知らない陽炎】

【タコを食べる習慣があるのは、一部の国だけだったりする…】

646: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/24(火) 22:34:15.78 ID:5ISLvwE/0
プリ「うねうねして気持ち悪い…!」

陽炎「全身のいたるとこに吸盤が引っ付いてるわね…引っ張るわよ」グイッ

プリ「わあぁいたいいたいいたいいたい!おっぱいちぎれちゃう!」

陽炎「我慢してよ、結構強くくっついてんだから」グイーッ

プリ「いだだだだだだっ!あーっ!!」

陽炎「うーん、取れないわねぇ…この吸盤をどうにかしないと駄目かも」

陽炎「プリンツさん、吸盤取るためにちょっと身体触るけどいい?」

プリ「や、優しくね…?」

陽炎「はいはい、失礼するわよ」

陽炎「…わぁ、コイツこんなとこにも引っ付いて…」

プリ「陽炎…そこは…あの…」

陽炎「プリンツさん、ちょっとだけ我慢しててね」クイックイッ

プリ「えっ…?んっ!んぅ!うぅ…」ビクッ

647: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/24(火) 22:38:05.79 ID:5ISLvwE/0
陽炎「よっ、よっ」グッグッ

プリ「…っ!ん…」ビク

陽炎「よーしよし、最後はここだけね…」

陽炎「…プリンツさん、最後だからね、我慢してね…」ゴクリ

プリ「うう…はぁ…はぁ…」ビクビク

陽炎「よっこらせっ…」クイクイッ

陽炎「…っ、っと…ふうっ…なかなか取れないわねぇ…」グニグニ

プリ「かげろ…っ、もっと、優しく…!」

陽炎「しょうがないじゃない、これ全然取れないもの…」

陽炎「もう一気に取ろうと思ったら、プリンツさんの触って欲しくないとこを触るしか…」

プリ「えっ!?それは勘弁かな…」

陽炎「ま、すぐ終わるから…ちょっとだけ我慢してよね!」

プリ「!?ちょ、ちょっと…!」

陽炎「プリンツさん、ごめん!」クニッ

プリ「んあっ!?あああああぁぁぁんっ!!」ビクビクビクゥ

陽炎「今だわ!そりゃっ!」グイッ

プリ「ああぁっ!!」ビクゥゥッ

陽炎「よーし!取れたわ!お疲れさまっ!」

プリ「はぁ…はぁ…ふうっ…ありがと…だんけ…」

【陽炎、プリンツの救助に成功】

648: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/24(火) 22:40:11.57 ID:5ISLvwE/0
陽炎「タコ、本当に貰うわよ」

プリ「うう…あげるよ、そんなもの…!」

陽炎「ところでプリンツさんこんなとこで何やってんの?」

陽炎「もう日も暮れてきたし、帰らなきゃみんなに心配されるんじゃ…」

プリ「あっ、うん、それが…」

~~~

プリ「…ってことで」

陽炎「そういうわけで、プリンツさんは迷子になっちゃったのね…」

プリ「陽炎、私たちの場所わかる?」

陽炎「いや、私はそもそもそっちの拠点の場所知らないし…」

陽炎「とりあえずこっちの拠点まで来る?」

プリ「え!?いいの?」

プリ「一人で野宿は危ないし…こっち来たら秋月もいるから何とかなるはず」

プリ「ごめんね、タコのこと含めて色々と」

陽炎「いやタコのことはこっちがお礼言う方なんだけど…」

649: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/24(火) 22:45:15.17 ID:5ISLvwE/0
【チーム駆逐艦 拠点】

吹雪「あー、火を起こすの疲れるー」←火を起こして陽炎を待ってた

秋月「お疲れさまです!」


陽炎「ただいまー、吹雪ー、秋月ー」

吹雪「あっ、陽炎おかえり。何採れた?」

秋月「おかえりなさい、陽炎さん!」

秋月「…あら?プリンツさんがいる?」

吹雪「ん?…ほんとだ、陽炎ってばプリンツさん採ってきたんだ」

陽炎「いやこれは諸事情で…」

プリ「ごめん、かくかくしかじか…」

~~~

吹雪「なるほど、そういうことだったの…」

プリ「みんな、みんなの場所わかる…?」

秋月「残念ながら具体的な場所まではよく知りませんけど…昼に私たちがいた釣りポイントまでなら案内できますよ!」

吹雪「あの辺りで釣りをしてたってことは大型艦たちの家もあの辺にあるんじゃない?」

プリ「ほんとに!?みんなありがとー!そこまで行けたら私も帰れるよー!」

陽炎「…釣り?どういうこと?」

吹雪「こっちにも色々あったんだよ」

650: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/24(火) 22:49:12.06 ID:5ISLvwE/0
秋月「では善は急げですね。早く出発しましょう!」

秋月「日も暮れて始めているので全速力で!夜の森は毒蛇をはじめとする危険生物が多く出没するので急ぐんです!」

吹雪「げっ、マジか」

プリ「本当にごめんね、私のために…」

秋月「いいんですよ。困ったときはお互いさまです!」

秋月「あとちょっとですから!皆さんで協力してこの無人島生活を生き抜きましょう!」

プリ「おっ、おー!」

吹雪「ところで陽炎、モリ漁でプリンツさん以外に何か採れたの?」

陽炎「…あー、その…」

陽炎「えっと…タコよ」スッ

吹雪「ふおっ!?これはすごい!」

陽炎「…まぁね」

【しれっと戦果を誤魔化す陽炎】

651: ◆sgz06eY/Ks 2016/05/24(火) 22:50:51.09 ID:5ISLvwE/0
【こうして、6人の無人島生活最後の夜が目の前に迫っている中…】

ザザザザ…

提督「♪~」

【無人島に、1隻のボートが接近していた】

提督「さて」

提督「もうすぐ無人島だぞ。上陸の準備をしろ」

提督「我々はこっそり岩陰から無人島に潜入する。お前も準備できているか」

??「はい、もちろんです」

??「提督から与えられた任務、確実にこなしてみせます!」

提督「うむ。いい返事だ」

提督「よろしい、成功を期待しているぞ」

??「はい…推して参りますっ!」

【提督&??、登場】

673: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:35:38.52 ID:wjejFDTu0
~~~

吹雪「もうすぐ着くかな」

秋月「はい、この辺りですね」

プリ「ありがとー!助かったー!」

【プリンツ一行、昼の釣りポイントに到着】

吹雪「プリンツさん、ここまで来たらあとは一人で帰れる?」

プリ「うん!帰り道はわかるよ!」

秋月「皆さんのところに着くまでは最後まで足元などに気を付けて行ってくださいね」

陽炎「てか私がいない間に2人ともこんなとこに来てたの…」

吹雪「まぁね…」

674: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:37:05.95 ID:wjejFDTu0
プリ「それじゃ、また明日ね」

秋月「本日もお疲れさまでした!」

【プリンツ、帰宅】



陽炎「ふぅ、なんとか送り届けることができたわね」

吹雪「全くプリンツさんは世話が焼けるんだから。迷子じゃなかったら一人で帰らせてたところだよ」

秋月「まぁ、護衛は駆逐艦の仕事ですから!」

秋月「それよりも、早く戻らないと日が完全に沈んじゃいます!まだ明かりがあるうちにできるだけ急がないと大変なことになりますよ!」

吹雪「もうかなり暗くなっちゃったからね。秋月の言うとおりさっさと行こう」

陽炎「私たちも晩ごはんの用意とかしないといけないものね」

秋月「では行きましょう!」

675: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:39:44.73 ID:wjejFDTu0
秋月「帰りは慌てずに小走りで、スピードは気持ち速め程度に心がけてください」

吹雪「え?全力疾走で行くんじゃないの?」

陽炎「そっちの方が早く帰れるし…」

秋月「全力で走ったらそれはそれで危険ですね…」

陽炎「なんで?」

秋月「それは…」

吹雪「とりあえず私は走るよ!秋月!」ダッ

秋月「ちょ!?ちょっと吹雪さん!待ってください」

吹雪「うおっ!?」ガツッ

吹雪「あだーっ!」ドシャーッ

陽炎「ふ、吹雪ーっ!?」

秋月「…山道で走っちゃうと、暗くなってるせいで、このように段差などを見落として足が引っ掛かりやすいですので…」

陽炎「なるほどね、そういうことなの…」

676: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:41:59.70 ID:wjejFDTu0
吹雪「痛いよ、痛いよぅ…」ズキズキ

秋月「吹雪さん、大丈夫ですか?」

吹雪「足くじいたぁ…痛いよぉ…」グス

陽炎「秋月の言うことを聞かないからこうなるのよ」

吹雪「くぅ…調子乗っちゃった…」

吹雪「ごめんねみんな、急がなきゃいけないのに…」

秋月「いえ、私は別に大丈夫ですよ!気にしないでください!」

陽炎「それよりも吹雪は動けるの?歩ける?」

吹雪「ううぅ…かなり痛いからちょっとだけ待って…」

陽炎「しょうがないわねぇ…」

秋月「あ、それなら吹雪さん!私から提案が」

吹雪「な、なぁに秋月…」

秋月「それはですね…」スッ

秋月「私が吹雪さんをおんぶします!私の背中に乗ってください!」

吹雪「えええっ!?」

677: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:45:42.94 ID:wjejFDTu0
吹雪「いいの?」

秋月「遠慮しないで大丈夫です!」

吹雪「なら、お言葉に甘えて…」ギュッ

秋月「よいしょっ…痛かったりしたら言ってくださいね」

吹雪「ほんとごめん、秋月…」

陽炎「秋月の身長が吹雪よりも一回り大きくて助かったわね」

吹雪「ほんとだよ…でも身長の割に体つきは細々としてて、おぶられてる身としては不安を感じるけど」

秋月「そ、それは言っちゃ駄目です!」

陽炎「普通は痩せてる方がいいはずなのにね…羨ましい」

吹雪「秋月はもっともっと食べないと!栄養をつけて!新陳代謝も抑えよう!」

陽炎「そうよそうよ!もっと栄養をお腹に行くように意識しなさいっ!」

秋月「そ、そういうのはちょっと無理ですかね…」

陽炎「くぅー!ほんとその体格が羨ましいわ!」

678: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:48:59.55 ID:wjejFDTu0
吹雪「…」

吹雪「だけど…これ本当にごめんなさい。みんな…」

秋月「?」

陽炎「吹雪?どうしたのいきなり。らしくないわね」

吹雪「らしくないってどういう意味?」

吹雪「…いや、私をおぶらないといけなくなったせいで、秋月が走れなくなったから…急いで拠点に帰れなくなっちゃったから…それで…」

陽炎「あぁなんだ、そんなことか」

秋月「別に大丈夫ですよ!何の問題もありません!」

吹雪「秋月、さっき夜の森は危険とかどうとかって言ってたよね…」

秋月「あっ…えっと…それは…あの…」

秋月「…あれは嘘です!忘れてください!」

吹雪「いや、そんな訳ないでしょ…」

679: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 22:50:44.01 ID:wjejFDTu0
吹雪「本当に大丈夫なの…?私のせいで命の危険とかに晒されてないよね…?」

陽炎「仮にそうなってもなんとかなるわよ」

秋月「私も皆さんをお護りできるよう、頑張ります!」

吹雪「でも…熊とかこわい生き物が襲ってきたらその時はどうするの?大丈夫?」

陽炎「…うっ、それは…」

秋月「戦えばいいじゃないですか」

吹雪「…」

陽炎「秋月…」

秋月「?」

吹雪「…じゃあ他に、暗くて道がわからなくなったりしたら…その時は…」

陽炎「…えっと、それは…」

秋月「その時はその時でまた新しい拠点を作れば問題ありません!」

陽炎「…」

吹雪「秋月、凄いね…」

秋月「?」

680: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:02:00.99 ID:wjejFDTu0
吹雪「劣等感を感じる…」

陽炎「はぁ…吹雪、いい加減にしなさい。あんたは考えすぎなのよ」

吹雪「だって…」

陽炎「なに足をくじいたくらいでメンタル折れてんの。吹雪の根がちゃんとそういったことを考えられるくらい真面目なのはよーくわかったけど」

陽炎「でもそれがどうしたって言うのよ。あんたちょっと気にしすぎじゃないの?」

吹雪「なっ…こんなの気にするよ!気にしない方がおかしいよ!!」

陽炎「…」ピクッ

秋月「!?」

吹雪「何なのさ!陽炎も秋月もっ!ずるいよ!ずるいよっ!」

吹雪「秋月は知識も行動も凄いし、陽炎は気遣いできて優しいよ!そんなことできない私よりもよっぽど活躍してるじゃんっ!」

吹雪「私はこのザマだよ!失敗ばっかりで!一番みんなの足を引っ張ってるのは私なんだよ!?」

吹雪「なのに陽炎、気にするなって…ひどいよ!ひどすぎるよぉ!」

秋月「ふ、吹雪さん…!」

681: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:08:42.83 ID:wjejFDTu0
陽炎「吹雪」

吹雪「私、ただ調子に乗ってヘマばっかりしてるじゃん…!」

吹雪「私は…私は…みんなを…!」

陽炎「吹雪、うるさいっつってんのよ!!!」

吹雪「!?」

秋月「か、陽炎さん!?」

吹雪「陽炎!!何なのその返事は!」

陽炎「いい?吹雪、よく聞きなさい!」

陽炎「さっきから言ってるそれ、あんたが吹雪自身のこと見れてないじゃないの!」

吹雪「なっ!何を根拠にそんな…!」

陽炎「落ち着いて思い出して、吹雪はばっちり活躍してるじゃない…」

陽炎「晩ごはんにウツボ採ったのは誰?今日の朝に火を起こしたのは誰?」

秋月「そ…そうですよ!」

秋月「それは吹雪さんのはずです!思い出してください!」

吹雪「そ、そうだけど…それは…!」

陽炎「残念だけど私にウツボなんて採る芸当はできないわ。あんな大物、吹雪以外に誰も採ってないはずよ」

秋月「私もおそらく無理でしょう…。ウツボは危険なのであんまり近づきたくもありませんし」

吹雪「あっ…うう…」

682: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:12:25.15 ID:wjejFDTu0
陽炎「もう周りばかり見るのはやめなさい。吹雪はもっと自分を見たっていいんじゃないの?」

吹雪「…」

陽炎「ちょっと失敗したからってどうしてそう落ち込むのよ。ちょっとくらい迷惑かけたっていいんじゃないの?あんたがそんなんじゃ私たちも不安になっちゃうわ!」

秋月「私だって吹雪さんを頼りにしています!落ち込まないでください!いつもの吹雪さんに戻って!」

吹雪「…」

陽炎「吹雪、私たちは失敗したって責めないから」

陽炎「みんな力を合わせて協力する…それだけいいじゃない。私たちは誰一人だって、完璧なのは求めていないわ」

秋月「私たちは駆逐艦の仲間です!一人一人は弱くても、手を取り合えば、どんな困難にも立ち向かえるはずなんです!」

吹雪「み、みんな…」

683: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:14:34.85 ID:wjejFDTu0
吹雪「…そう、だよね」

吹雪「ごめんね、変な空気にしちゃって…」

陽炎「もう余計なことは考えないことね」

秋月「秋月も頑張ります!吹雪さんが秋月の背中にいる限り、ぜったい大丈夫です!」

吹雪「…うん、ごめん…」

陽炎「あと、失敗とか私だって今回普通にやらかしてるんだからね?」

秋月「え、そうなんですか?」

陽炎「そうよー。例えばさっきのタコとか…」

吹雪「?」

陽炎「あたかも私が採ってきたように言ったけどさ」

陽炎「あれ本当はプリンツさんから貰ったもんだし。むしろ一番駄目なのは私だったりしちゃうかもね!」

秋月「!?」

吹雪「陽炎…」

陽炎「あははー♪」

吹雪「それ、流石にズルすぎるよ」

秋月「陽炎さん何やってんですか…」

陽炎「ちょっと、この流れでその反応するのはあんまりじゃない!?」ガビーン

吹雪「…」

吹雪「ありがと、二人とも」ボソッ

陽炎「あ?何か言った?」

吹雪「なんでもない」

684: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:16:10.36 ID:wjejFDTu0
【こうして、またさらに深い絆を築いたチーム駆逐艦】

【そんな彼女たちに…】



提督「…」ガサッ

??「…」ガサガサ

提督「…いたぞ。吹雪たちだ」

??「感動的ですね…駆逐艦の年齢に見る美しい青春です」グスッ

提督「あぁ、この状態でこれを仕掛けるのは少々気が引けるが…」

提督「むしろ逆だ。奴らの友情を試す良い機会だ。突撃するぞ」

??「了解です、行きます!」

【提督たちの魔の手が迫る!】

685: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:24:17.09 ID:wjejFDTu0
陽炎「だいぶ暗くなっちゃったわね」

吹雪「秋月、腕とか大丈夫?疲れてない?」

秋月「まだまだ大丈夫です!」

陽炎「道とかわかる?今どの辺?」

秋月「もう少しで着きますよ!」

秋月「ここをこう行って、そうするとこの岩がある場所に出るはずなんで!」

吹雪「おお!秋月、目印とか作ってたの?」

秋月「こういうことになるかなって予測してましたし…」

秋月「月明かりだけになっても帰れるよう、最善は尽くしてます!」

陽炎「この子ほんと凄いわ…」

ガサガサ…

秋月「…?」

吹雪「今、何か音が…?」

陽炎「したわね…何かしら…?」

ガサガサガサガサ!

陽炎「っ!?」

吹雪「う、うわぁ!!」

秋月「な、何か来てる!?」

686: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:26:58.52 ID:wjejFDTu0
ガサァッ!!

吹雪「!?」

大和「おばぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」←特殊メイク

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

陽炎「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

秋月「ええええぇぇぇぇぇ!!??」

【提督の刺客 大和(特殊メイク)、登場】

687: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:28:37.43 ID:wjejFDTu0
提督(これは、俺がお前たちに無人島で与える最後の試練だ!)

提督(名付けて『おばけ大和の襲撃』!)

提督(冒頭で述べた通り、この島の付近には本物の大和が沈んでいるからな。すなわち、この特殊メイクされた大和を見た奴らはこの大和を亡霊か悪霊かの類いだと思うだろう)

提督(これまで無人島の脅威と言えば食料問題や寝場所の確保といったものばかりであったが)

提督(お化けという全く新しい脅威に対し、奴らや流石の秋月も混乱するに違いない)

提督(このような不測の事態に、お前たちはどう対処する?)

提督(…という最もらしい理由をつけた、本当はこいつらの慌てふためく姿をみることを目的としたアタックであるが)

提督(とにかく艦娘として、そして兵士としての実力を見させて貰うぞ、吹雪!陽炎!秋月!)

688: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:32:24.41 ID:wjejFDTu0
陽炎「なんじゃありゃああああああ!幽霊!?」←逃げてる

秋月「こわいこわいこわい!いやぁぁぁぁぁ!」←逃げてる

吹雪「ちょっ秋月あんまり揺らさないで酔うっ…!」ガクンガクン

大和「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

陽炎「あっ!?」ガツッ

陽炎「あいたーっ!!」ドサーッ

秋月「ああっ!陽炎さん!」

【陽炎、走って逃げたせいで転倒】

陽炎「うう…くっそぉ…!」

秋月「陽炎さん!お怪我は…」

陽炎「大丈夫よこれくらい、立てるから…!」

大和「うぼぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

陽炎「てかあいつ、だんだん近づいてきてるわね…!」

秋月「は、早くなんとかしなくちゃ…!」

689: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:36:20.63 ID:wjejFDTu0
吹雪(うわぁ、本当に何なんだろアレ…)←秋月に乗って観察してる

吹雪「…ん?」

吹雪(この幽霊…いや、人?なんか大和さんに似てるような…)

吹雪「ねぇ陽炎、秋月」

陽炎「なに!?吹雪!」←逃げてる

秋月「なんですか吹雪さん!?」←逃げてる

吹雪「あの人…なんか大和さんに似てない?」

陽炎「あー、そう言われればそう見えるかもね!」

秋月「確かこの島の近くで大和さんが沈んだって提督もおっしゃってましたし…そうかもしれません!」

陽炎「じゃあアレは大和さんの幽霊!?あるいはもしかしたら深海棲艦なの!?」

秋月「どっちにしろ逃げるしかないですー!殺されちゃうかもしれません!」

吹雪「うぅむ…」

690: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:41:36.66 ID:wjejFDTu0
吹雪(怪しいな…あの追っかけてきてるの…)

大和「グヘヘヘグヘグヘ」

陽炎「…くっ、うううっ…!」フラフラ

秋月「陽炎さん、しっかりして!」

陽炎「ごめん、さっきの足の怪我が…!痛くて足がうまく動けない…!」

秋月「そ、そんな…!な、なら私が陽炎さんを抱き抱えますから!吹雪さんと陽炎さんで私を具にサンドイッチです!」←混乱

陽炎「それ秋月の体が持たないわよ!?」

大和「グフグフゲハハハハ」

吹雪(うん、あれ絶対大和さんだよね…もうそんな気しかしない…)

吹雪(一応、ちょっと確かめてみるか)

吹雪(靴を脱いで…)スッ

吹雪(それっ)シュッ←靴を大和に投げつけた

大和「!?」ガツン

秋月「!?」

陽炎「!?」

691: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:44:19.46 ID:wjejFDTu0
陽炎「吹雪!?何を…」

大和「いったぁい…!」←素が出た



吹雪(あ、あの声。やっぱりあれ大和さんじゃん)

吹雪(なんであの人はあんなことしてんの…いや、あれは絶対司令官の命令で来てるよなぁ…)

吹雪(もしそうだったら腹立つから、とりあえずここは…)


吹雪「秋月!陽炎!見て!あれは幽霊じゃない!実体がある生き物だよ!」

吹雪「逃げずに戦おう!協力して、私たちを襲おうとしたあいつを倒すんだ!」

秋月「あっ…確かに!幽霊ではなさそうです!」

陽炎「よ、よくわからないけど戦ってやるわ!覚悟しなさい!」

大和「!?!?!?!?」

【吹雪たち、宣戦布告】

692: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:45:41.80 ID:wjejFDTu0
陽炎「とりあえず、これで…」ガシッ

陽炎「喰らいなさい!木の枝殴り!」バシッ

大和「あいたぁっ!」

秋月「わ、私も石を投げて攻撃です!」ヒュッ

大和「ひいいいっ!?」ガツーン

陽炎「このぉ!このぉ!なんなのよコイツ!!」バシバシ

秋月「えいっ!えいっ!」ポカポカ

吹雪「いいぞー!もっとやれやれー!」

大和「や…やめて…!痛い…!」

提督「ストップだ!その辺にしてやれ、秋月!陽炎!!」バッ

秋月「!?」ビクッ

陽炎「うおお!?」ビクッ

吹雪「あ、やっぱり出てきた…」

【提督、登場】

693: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:47:14.23 ID:wjejFDTu0
提督「大丈夫か、大和」

大和「わぁん、わぁぁぁん…」

提督「怪我は…意外と無いな。流石は最強の戦艦ってとこか」

大和「も、もっと心配してくれてもいいのでは!?」ガーン

秋月「あの…提督」

陽炎「また来たの…今度は何なのよこれ…」

吹雪「大和さんまで連れ出してこんなふざけた真似を…」

提督「おお。吹雪、陽炎、秋月よ。見事だったぞ」

提督「これは俺がお前たちに与えた試練だ。軽々と乗り越えてしまうとは驚いたな」

陽炎「あのー、だから事情を聞かせて…」

吹雪「一体何がしたかったんです!?」

提督「それは…」

694: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:49:25.83 ID:wjejFDTu0
(説明中)

提督「…っていう訳だ」

秋月「なるほど、不測の事態に対応するための試験だったなんて…」

陽炎「確かに不測すぎたけど…」

吹雪「大和さん、やられ損じゃない?」

大和「いえ、いいのです。私はこれで…」

大和「仲間を大切に想い、生きることを第一に考える…そんな貴方たちを見ることができましたから…」

陽炎「それ前作の赤城さんのセリフ…」

吹雪「ていうか司令官。最後をこんな八百長的なちゃちい感動っぽい内容にするのやめません?」

提督「え?不評?」

陽炎「超絶究極的に不評よ」

695: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/01(水) 23:57:53.35 ID:wjejFDTu0
提督「だがそれでも、お前たちの行動は素晴らしかったと思うぞ」

陽炎「?」

提督「お前たちのさっきの一連の動きを振り返ると…」

提督「まず得体の知れないものの接近に対し、お前たちは全力で逃げていたな。これは安全を確保する上で最も最優先する行動だ」

提督「恐ろしい姿かたちをしていた大和にビビって腰を抜かすこともなく、機敏に動けていたのはお前たちが高い精神力を持っている証拠だろう」

吹雪「そ、そうなんですか?」

提督「それと陽炎の動きも良かったぞ。転けてしまったものの、お前はすぐ立ち上がって走っていたな。根性があって素晴らしい」

陽炎「嫌でも立って逃げるわよあんなのが近づいていたら…」

提督「秋月も無理をして陽炎を助けようとしていた精神も良かったぞ」

秋月「私、当たり前のことをしただけですけど…」

提督「そして今回のMVPは吹雪だ。お前は走る必要がなかった為に最も冷静になって大和を丁寧に分析し、その正体を見破っていた」

提督「そして陽炎と秋月に指示を出し、大和を退けた。吹雪は自分の立ち位置を活かし、最大限のできることを行ったと評価することができるだろう」

吹雪「そう言えば聞こえはいいですけど…」

提督「おいおいお前たち。なんでそんなに謙虚的な態度を取るんだよ」

吹雪「いやその」

提督「過小評価なんかせず、もっと『自分を見ても』いいんじゃないのか?」

陽炎「うぐっ!」ギクッ

秋月「あうぅ!」ギクッ

696: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/02(木) 00:01:03.53 ID:w7yDmCXc0
提督「この無人島生活でそれを知って貰えたのなら大きな収穫だ。お前たちはお前たちが思っている以上に優秀であるということを」

大和「そうですそうです!お化けに扮した私に臆せず立ち向かってた勇気も立派でした!」

提督「ああ。お前たちにこの任務を任せて良かったと思うぞ」

提督「この経験を活かし、これからも艦娘として、頑張ってくれよな」ポン

吹雪「あっ…はい」

陽炎「…結局、いい感じにまとまっちゃったわね」

秋月「秋月も吹雪さんを見習って、頑張ります!」

吹雪「はぁ…こんな馬鹿馬鹿しい企画なのに、いつも綺麗に終わっちゃうの、悔しくて腹立つわ…!」

697: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/02(木) 00:02:34.84 ID:w7yDmCXc0
提督「じゃ、また明日の昼に迎えに来るからな。それまでこの無人島でのーんびりしとけ」

提督「では行くぞ、大和」

大和「またね、皆さん!」

吹雪「はい、また明日ですね。司令官」

陽炎「ちゃんと迎えに来なさいよ!待ってるんだから!」

秋月「よろしくお願いしますね!」


698: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/02(木) 00:03:29.34 ID:w7yDmCXc0
【チーム駆逐艦は提督の魔の手を華麗に捌き、最後の夜は大成功に終わった】

【提督たちは場所を移動し、次はチーム大型艦へと迫る】

【果たして、瑞鶴たちの運命はいかに…】

712: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 17:58:31.21 ID:kbuWi88K0
ガサガサゴソゴソ

提督「いたぞ。瑞鶴たちだ」コソッ

大和「こちらは何をしているのでしょうか…」



瑞鶴「今日こそ!速攻で!火を起こす!!」ゴリゴリ

瑞鶴「16万馬力舐めんなぁぁぁぁぁぁ!!うぉっしゃあああぁぁぁぁ!!!」ゴリゴリゴリゴリ

古鷹「す、すごいスピードです!」

プリ「がんばれ、瑞鶴ー!」



提督「火を起こしているな」

大和「これから晩ごはん…火は絶対に必要ですからね」

提督「ああ。こんなに真面目に頑張ってるところを驚かすのはなんか申し訳ないような気もするが…」

提督「むしろ『不測の事態への対応』ということではこの状況の方が都合がいい。大和、突撃しろ」

大和「了解しました!」

713: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:04:22.69 ID:kbuWi88K0
ガサガサ…

古鷹「?」

瑞鶴「ぐぅぅぅぅ!!そろそろ腕が疲れてきた…!!」

プリ「瑞鶴、交代する?」

瑞鶴「そうね、ちょっとだけ休ませて…」

古鷹「あの、何か草むらが動いたような気がするのですが…」

瑞鶴「え?」

ガサガサ!ガサガサ!

瑞鶴「わぁ、本当ね。風かしら?」

古鷹「か、風にしては揺れが大きすぎません?」

プリ「まさか…野生動物!?」

瑞鶴「よし!いのししだったら猪鍋にして喰ってやるわ!」

プリ「でも火を起こしてるのに動物が襲ってきたら困るんだけど…」

ガサガサガサガサ!

瑞鶴「来るわね…何かが!」

古鷹「プリンツさんも気を付けてください!」

プリ「う、うん」

714: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:07:41.56 ID:kbuWi88K0
ガサァッ!!

瑞鶴「ほら、やっぱり野生動ぶ…つ?」

大和「イクシャアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」←特殊メイク

瑞鶴「誰ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

古鷹「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

プリ「おばけえええええええ!!!?」

【大和、登場】

715: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:15:04.20 ID:kbuWi88K0
提督(これは、俺がお前たちに無人島で与える最後の試練だ(以下略)

提督(さぁどう出る?瑞鶴、プリンツ、古鷹よ!)



大和「ザッハッハッハッハ!」ダダダダ

瑞鶴「何!何!?何あれぇ!?」←逃げてる

古鷹「知りませんよ!原住民じゃないですか!?」←逃げてる

プリ「原住民!?食べられちゃうの私たち!?」←火起こしを放棄して逃げてる

大和「だっ誰が原住民ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

古鷹「あああほらプリンツさんが余計なこと言ったせいで怒らせちゃったじゃないですか!」

プリ「私!?古鷹じゃないの!?」

瑞鶴「で、でも話は通じるみたいね!逃げながらあいつとコミュニケーションをとったらなんとかなるかも!?」

プリ「そ、それだよ!その作戦でいこう!」

716: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:27:46.42 ID:kbuWi88K0
瑞鶴「あの!貴方は何者ですか!?」

大和「私…?」

大和「私は…この島の近くで沈んだ戦艦の霊です」

瑞鶴「えっ!?」

プリ「や、やっぱりおばけだ!」

古鷹「そっか、そういえばこの近くで大和さんが沈んだって聞いたことがあります!」

瑞鶴「あ…思い出した!確か提督さんがそんな感じのことを無人島生活が始まる前に言ってたわね!」

大和「ふふふ、そういうことです」ニヤリ

プリ「ならあれは大和の生き写し!?いや死んでるけど生き写しなの!?」

瑞鶴「そもそもなんで私たちを追いかけるのよ!教えて!」

大和「ふふ、知りたいですか…?」

大和「それは…」

大和「お前たちを食べるためよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」クワッ

プリ「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」ビクーッ

古鷹「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクーッ

瑞鶴「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」ビクーッ

提督(…もっと良い脅し文句はなかったんかい)

717: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:32:00.88 ID:kbuWi88K0
古鷹「た、助けてえええええ!誰かぁぁぁぁぁぁ!!」←必死に逃げてる

プリ「やだぁぁぁぁ!やだあああああああああ!!」←必死

瑞鶴「あひあひあひぃぃぃぃぃぃ!!」←必死

大和「キェアアアアア!!」←追いかけてる

提督(…)



提督(あいつら逃げてばっかりでなかなか進展がなくてつまらんな…)

提督(不測すぎて対応しきれんかったか…?なら仕方ない、ここは…)

提督(お助けアイテムを渡す!受けとれチーム大型艦!)ポイッ

瑞鶴「!?」

古鷹「あ、あそこに…」

プリ「しょ、照明弾が!?」

瑞鶴「え!?なんで!?どこから!?!?」

【お助けアイテム 照明弾】

718: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:33:09.90 ID:kbuWi88K0
提督(本当は、この場合は照明弾ではなく閃光弾が正しいけどな)

提督(閃光弾は目を眩ませたり、囮として使ったり、様々な用途がある便利なアイテムだ)

提督(使う側はゴーグル等を装備しないと危険だが、まぁSSだから多少無くても大丈夫だろう)

提督(これを上手く使い、大和を退けてみせろ)



大和「食べちゃうぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

瑞鶴「照明弾!砲がないから、投げて使うわよ!」

古鷹「よろしくお願いします、瑞鶴さん!」

プリ「よーく狙ってよ!外しちゃだめだからね!」

大和「お鍋で茹でてたべちゃうぞぉぉぉぉぉ!!頭の方から投げ込んでぇぇぇぇぇ!!」

瑞鶴「安全ピンを外して…!」

瑞鶴「…あれ、なかなか外れないわね…」

プリ「瑞鶴、はやく!」

瑞鶴「待って、本気出すから!」

瑞鶴「ぐっ…」グイッ

瑞鶴「よっ!!」スポーン←勢い余って落とした

古鷹「えっ!?」

プリ「あっ…」

719: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:34:53.16 ID:kbuWi88K0
ピカッ!!!



古鷹「」←気絶

瑞鶴「」←気絶

プリ「」←気絶



大和「…え?」ポカーン

提督(………)

721: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:45:28.70 ID:kbuWi88K0
~数十分後~

提督「あのなぁ、お前ら酷いぞ…」←事情を説明した

瑞鶴「そんなこと言われたって…」

古鷹「あんなのが迫ってきたら逃げるしかないに決まってますよ…」

プリ「あの人、本物の大和さんだったんだね…すっごい怖かった… 」

大和「ご、ごめんなさい」

提督「そもそもお前たち、焦ってたとは言え閃光弾を持ってた手を滑らすとは何事だ」

提督「武器の使い方を誤るとは実に危険なミスなのだぞ」

提督「あれが実戦だったらお前たちは死んでいたかもしれないのだ、わかっているのか?」

瑞鶴「それに関してはぐうの音も出ません」

古鷹「瑞鶴さんがミスするから…」

プリ「全くだよ。瑞鶴さんのせいで私も気絶しちゃったんだから」

提督「いやお前たちは手を滑らすどころか逃げ回ってただけで何も役にもたってないだろうが…」

古鷹「うぐ…」

プリ「てへへ…」

722: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/05(日) 18:51:32.06 ID:kbuWi88K0
提督「頼むからこっちも綺麗に終わらせてくれよ…アホなことやってないで…」

瑞鶴「いやこれでも一応大真面目にやってるんどからね…」

古鷹「そうですよ!こんなんで今日まで生き延びることができたんです!」

プリ「頑張ってるんだから!」

提督「変な方向でチームワーク見せるのやめてくれない?」

提督「はぁもうとにかく、明日の昼でこの無人島生活も終わりだから、それまで…」

ガサガサ…ガサガサ…

提督「…ん?」

プリ「…へっ?」

大和「何の音…でしょうか」

瑞鶴「え?これ、また提督さんがおどかしてるんじゃないの?」

提督「違うぞ。こればかりは俺も何もしていない」

古鷹「え…じゃあ何…?」

724: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:08:52.81 ID:fZ24+nzF0
ガサッ!

提督「!」

古鷹「!?」

瑞鶴「おお!?」

プリ「ふぇっ!?」

大和「あら…これは…」

大和「鹿?」

瑞鶴「し、鹿ね…」

【鹿、出没】

725: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:11:28.18 ID:fZ24+nzF0
提督「これは驚いたな。野生の鹿だ」

古鷹「この島に鹿なんていたんですね」

大和「音や光を怪しんで様子を見に来たんでしょうか?」

プリ「人がいたから遊びにきてくれたのかも?」

瑞鶴「いや、そんな人懐こい奈良や広島の鹿じゃあるまいし…」

提督「そうだな。本来、野生の鹿は臆病で、このように人前に姿を現すのはごく稀だ」

提督「うちの地元の山にもよく鹿を見かけたが、向こう自ら姿を出すということは一切無かったぞ」

古鷹「へぇ、奈良のイメージしか無かったから鹿は人懐こい生き物かと思ってました」

大和「ではなぜこの子は私たちのところに?」

提督「うむ。考えられる可能性は…」

提督「こっちが色々と暴れたり、縄張りに入ったせいで、大層怒っているとしか…」

鹿「…」ドドドド←追ってきた

提督「こんな風にな!まずいぞ!」ダッ

プリ「う、うわぁぁぁぁぁ!?」ダッ

大和「に、逃げましょう!」ダッ

瑞鶴「鹿こわい!なんでこんなことにぃぃぃぃぃ!」←全力疾走

提督「ちょっと待ってくれ!あの鹿速い!俺轢かれる!あっ!ああっ!」

提督「アッーーーーー!!!」ドスッ

古鷹「ああ!提督がやられました!」

大和「ひいいぃぃぃ!提督ー!?」

瑞鶴「と、とにかく今は逃げることを最優先に考えてー!!」

726: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:13:22.25 ID:fZ24+nzF0
【こうして、提督の襲撃は酷い終わりとなり】

【彼らが鹿に襲われているその頃】

【チーム駆逐艦は拠点に戻り、間も無く晩食を作り始めようとしていた】


吹雪「ただいまー」

陽炎「火は…まだ着いてるわね!ラッキー!」

秋月「それでは最後の晩ごはんの準備、始めていきましょう!」

陽炎「えっと、食材は…何があったっけ」

秋月「整理しますね。よいしょっと…」

727: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:15:36.52 ID:fZ24+nzF0
チーム駆逐艦の食材:タコ、クロダイ、タラの芽、わらび、タニワタリ、つわぶき、うどん、醤油

秋月「こんなものですね!」

吹雪「これは豪華になりそうな予感!」

陽炎「うどんがあるから晩ごはんは海鮮うどんかしら?出汁を醤油と塩水(海水)でつくれば美味しいかな」

秋月「そうですねー。とりあえず、山菜の下ごしらえから始めましょうか!」

秋月「山菜は基本的にアクが強いので、まずはしっかり茹でなくてはなりません」

秋月「ドラム缶を容れ物代わりにして、水を容れて湯がきましょう!」

吹雪「よーし、任せて!」

728: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:20:08.35 ID:fZ24+nzF0
グツグツ…

吹雪「よしよし、山菜はこれでオッケー」

陽炎「お風呂に鍋に、ドラム缶って結構万能よね」

吹雪「昨日お風呂に使ったドラム缶を今日は調理に使うの、なんか複雑な気分だけどね」

秋月「ではお次は吹雪さんのクロダイと、陽炎さんの…じゃなくてプリンツさんのタコの調理をしましょう!」

秋月「実は石包丁は2つ作ってあるので分担して作業をします!」

秋月「私がクロダイの下処理をしますので、吹雪さんと陽炎さんはタコの方をお願いしますね!」

陽炎「あぁ、そう言えばそれ2つ作ってたわね」

吹雪「そうだったんだ。流石秋月!」

陽炎「んで、タコの処理ってどうやるの?」

秋月「タコの処理は内蔵を取って、ウツボみたいにヌメリをとるだけなので簡単だと思いますよ!」

秋月「ただ、これは生きたタコですので、タコに噛まれないようにだけ気を付けてください。噛まれると痛いですよ!」

吹雪「げ、そうなんだ」

陽炎「わかったわ、やってみる」

729: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:24:26.23 ID:fZ24+nzF0
秋月「鱗を剥がして、それから…」ガリガリ



吹雪「よーし陽炎。私たちも協力して頑張るよっ!」

陽炎「コイツまだ生きてるから苦戦しそうね」

吹雪「タコの内蔵って頭の部分に詰まってるんだよね?これ取ればいいのかな」

陽炎「このスキマに指を突っ込んで引っ張ったら取れそう…。やってみるわよ」

吹雪「私はタコ押さえとくよ…うげ、吸盤がべたべた引っ付く!」

吹雪「釣り番組のテレビとかだとよく生きたタコをそのまま食べてるけど、これやったら本当は口の中が相当悲惨なことになるはずだよね!?」

陽炎「あれ美味しそうに見えるけどね…実際にやったら逆に痛いのよね…」

陽炎「ま、そんなことはいいわ。力一杯ひっぱるわよ…」

吹雪「いっけー!」

陽炎「よいせっ!!」グニッ

グチュウ ドリュッ…

陽炎「…わぁ、グロテスク…」

吹雪「内蔵だもん、しょうがないよ…」

730: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:29:13.29 ID:fZ24+nzF0
秋月「頭を落として、小骨も丁寧に取って…」



吹雪「あうう、タコの吸盤が離れないぃぃ…気持ち悪い…」

陽炎「吹雪、まだ押さえてて。まだ内臓自体は取れてないんだから」

吹雪「あっ、ごめん」

陽炎「ひと思いにいくわよ。内臓に包丁を立てて…」

陽炎「一気に切り落とす!」スパッ

陽炎「これで内臓が取れたわ!完璧のはずよ!」

吹雪「ひゅー!陽炎かっこいい!」

陽炎「秋月ー!これでいいのよねー?」

秋月「どれどれ…はい!大丈夫です!」

秋月「最後はこれを茹でて、下ごしらえの完了ですね!あと一息です!」

吹雪「わかった。茹でるよ!」

陽炎「そろそろ山菜のアク取りも終わったくらいだし、ドラム缶に放り込むわよ!」

731: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:33:51.81 ID:fZ24+nzF0
吹雪「ところでドラム缶の中の山菜はどうやって取りだそう?」

陽炎「あ、その問題を忘れてたわ…こんな熱湯に手を突っ込んだらやけどしちゃう」

陽炎「何か菜箸みたいなものがあれば…あっ!」

陽炎「吹雪、これ使えばいいんじゃない?」

吹雪「おお!それは!」

陽炎「12.7cm砲!これで頑張って掬えるんじゃない?」

吹雪「おお!この砲身に山菜を引っかけるってこと?やってみる価値はあるよ!」

陽炎「いくわよー!あっ!?山菜が結構滑る!難しい!」

吹雪「私にもやらせて!楽しそう!」

秋月「…」



秋月(一応、菜箸も木を削って洗って作ったのがあるんだけど…)

秋月(でもなんだか見てて面白いし、ここは黙っておこうっと)

秋月(それにしても、長10ちゃんって砲身が取り外しできるから、あれを非常用の菜箸として使えたりできるのかな…?)

秋月(今度、気が向いたらやってみましょー)

732: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:36:56.82 ID:fZ24+nzF0
吹雪「苦戦したけど、なんとか山菜を全部回収できた!」

陽炎「意外となんとかなるもんよね!」

吹雪「じゃあタコを放り込んで、しばらく待とう」

陽炎「ねぇ、ところで秋月の方はどうなってる?」

秋月「こちらもクロダイを捌き終わりました!大丈夫です!」

吹雪「じゃあ後はタコ待ちかな。早く茹であがれー」

秋月「タコを茹で終わったら、一口サイズに切ってこれで食材の準備は全て完了です!」

秋月「もうすぐ完成ですね!昼ごはんを抜いたのでこの晩ごはんはとても美味しいものになるでしょう!」

陽炎「うー、無人島生活にしてはこれなかなか贅沢なご飯よね!待ちきれないわ!」

733: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:41:21.92 ID:fZ24+nzF0
~数分後~

陽炎「おなかすいたわ…」

吹雪「タコ、茹であがったよ!」

陽炎「おっ、これで食材の準備は全部できたってわけね!」

秋月「それでは調理に移っていきましょうか!」

吹雪「はーい」

陽炎「調理って言っても、うどんと一緒にドラム缶に放り込むだけでしょ?」

秋月「ですよねー。ではさっそくその準備に…」

吹雪「うーん、でもこれ料理に何かもっと工夫できそうな気がするんだよね…」

陽炎「工夫って何よ。秋月、うどん茹でるわよ」

吹雪「…あっ!」

吹雪「待った!!待って待って秋月陽炎!」

陽炎「!?」

秋月「ど、どうしました吹雪さん!?」

吹雪「聞いて!いいこと思い付いたの!」

陽炎「い、いいこと?」

734: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:46:40.57 ID:fZ24+nzF0
吹雪「これだよこれを使うんだよ!」

吹雪「今こそ出番だよ!輝くときなんだよ!」

陽炎「…な、何が?」

吹雪「見て見て、これ!」

吹雪「12.7cm連装砲!使えるよ、陽炎!!」バーン!

陽炎「…???」

秋月「ええ??」

【吹雪、12.7cm砲を取り出す】

735: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:48:19.22 ID:fZ24+nzF0
吹雪「この12.7cm砲!これを使って!」

吹雪「焼きうどんにしよう!醤油をふんだんに使って、食材と一緒に炒めて!」

陽炎「ど、どういうこと!?」

秋月「…そうか!なるほど、素晴らしい発想です!」

秋月「12.7cm砲の表面は平べったい鉄の板…つまりこれを火で熱してフライパンがわりに使うってことですね!」

吹雪「そう!この砲は弾も火薬も不知火が丁寧に抜いてくれたから、そういう風に使えるんだよ!」

陽炎「はっ…そういうことか!」

736: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:50:51.75 ID:fZ24+nzF0
秋月「焼きうどんなら真水の消費も抑えられますし、普通のうどんよりもサバイバルに向いてる料理だと思います!」

吹雪「でしょー?」

陽炎「まさか不知火、実はこれを見通していたって言うの…?」

吹雪「それはたぶん偶然だと思う…」

秋月「でも吹雪さん、よくこれを思いつきましたね」

吹雪「どっかの県でこういう料理があるって聞いたことがあるんだよ」

吹雪「昔の日本は、明治時代までかなりの数の戦があったよね。その時、空腹で水も鉄板もないけど蕎麦はあるって状態に陥った兵士がいてね…」

吹雪「その兵士は仕方ないから、拾った瓦を熱して蕎麦を焼いて食べた…みたいな話をどっかの本で読んだの思い出しちゃって!」

秋月「それをうどんに応用したってことですか!」

陽炎「あっ、私知ってるわそれ。瓦そばでしょ?京都か山口か鹿児島の話よね?」

吹雪「うんうん。まさかこの知識がこんなとこで役に立つとは思ってもなかったよ」

吹雪「昔の人の知恵って、今でもすごい参考になるんだね!」

秋月「勉強になります!」

陽炎「すごいわ、吹雪!」

737: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/06(月) 19:56:02.21 ID:fZ24+nzF0
吹雪「じゃあうどんを炒めよう!」

陽炎「一応聞くけど、この砲熱したら陸奥さんみたいに爆発しないよね?」

吹雪「きっと大丈夫!うどんだからさっさと調理しちゃえば平気だよ!」

秋月「これ、もしかしたら出撃中でも砲の持つ熱だけを活かして焼きうどんが食べられる時代がくるかもしれませんね!」

陽炎「来ないわよ!?来てもせいぜい目玉焼きが限界よ!」

秋月「じょ、冗談ですって!」

秋月「とりあえず仕上げの調理に入ります!叢雲さんの醤油とうどんを絡めて、濃厚な味の海鮮焼きうどんを作りましょう!」

吹雪「くっ、想像しただけで涎が出ちゃう!」

陽炎「楽しみだわー!」

745: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 19:49:52.47 ID:PwEOJOub0
ジュー…

秋月「いい匂いですねー…」

吹雪「この醤油の焦げ臭さ!たまらない!」

陽炎「早くできないかなー」ワクワク

吹雪「のんびりとしっかり焼こうよ!うどんの焦げ目が多くなるくらいには焼きたいよね!」

秋月「え?でもあんまり焦げ目が多いと体に悪いと聞きますけど…」

吹雪「そんなの迷信迷信。昔は癌になるとか言われてたけど最近は違うって言われてるから」

陽炎「とにかく美味しかったら何でもいいのよ。無人島だし食事くらい自由にやりましょうよ!」

秋月「…そうですよね!わかりました!」

746: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 19:52:09.49 ID:PwEOJOub0
~数分後~

吹雪「そろそろ完成かな?」

陽炎「おっ!待ちに待ったわよ!」

秋月「では、私たちの最後の晩餐!駆逐艦特製海鮮焼きうどんの…」

吹雪「できあがりっ!!」


【チーム駆逐艦の集大成、海鮮焼きうどんの完成!】

【うどんを魚・山菜と炒めて醤油で絡めたシンプルかつ贅沢なこの一品】

【見た目だけでも、これは美味しいということが容易に理解できるだろう】

747: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 19:55:05.28 ID:PwEOJOub0
吹雪「わーい!食べるぞー!」

陽炎「タコ丸々一匹使ってるから、豪華よね…!」

吹雪「手づかみで食べるのちょっと熱そうだけど、食欲の前には勝てないね!いただきまーす!」

秋月「あっ、吹雪さん、陽炎さん、箸ありますよ。どうぞ」

吹雪「うえ?箸あったの?」

陽炎「ええ、じゃあ山菜のアク取りの時のあの苦労は…」

秋月「まぁまぁ、それは気にせず…皆さんでうどんをつつきましょう!」

吹雪「そだね!改めましていっただっきまーす!」

【それぞれ、料理を口に運ぶ3人組】

【気になるそのお味はもちろん…】

吹雪「美味しい!うまするぎ!」

陽炎「やっぱり予想通りの味ね!期待を裏切らないわ!」

秋月「口にいれた瞬間、醤油の風味が口にも鼻にも一杯に広がって…!美味しいです!」

吹雪「山菜もいけるね。ちょっと独特の苦味とかあるけど、醤油の旨味とうまくマッチしててこれも美味しいよ!」

陽炎「タコも美味いっ!固いのにやわらかいっ!!ほんと無人島で食べられる料理とは思えないわ!」

【料理に大満足のチーム駆逐艦であった】

748: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 20:00:18.31 ID:PwEOJOub0
陽炎「工夫次第で料理ってどこまでも美味しくなるわねー」

吹雪「あ、そういや秋月」

秋月「どうしましたか?」

吹雪「秋月、お金に(一応)余裕のあるときはうどん食べてるって言ってたけどさ」

吹雪「釣りとかで自給自足できたなら、毎日これくらい贅沢なもの食べれたんじゃないの?」

秋月「?」

陽炎「なるほど確かに。秋月一家の節約スキルを活かせばこんな感じに食事は実はそれなりに良かったのかも?」

秋月「あー…そうしても良かったのですけどね…」

吹雪「駄目だったの?」

秋月「私たち、食料は貯蓄するタイプでしたから…」

吹雪「…あっ」

秋月「今日のごはんを例に出すなら、今回みたいに一気に何種類もの食材を使うんじゃなくて、今日はタコ、明日は魚、その次の日は山菜…みたいに少しずつ消費する感じで…」

秋月「調味料も基本的には買いませんし、昼も言ったとおりうどんはうどんだけを茹でて食べますから…」

陽炎「…」

吹雪「…」

秋月「…あっ!もちろん今は違いますよ!?今はちゃんと栄養のあるメニューを食べてますから!」

秋月「たとえば卵かけご飯とか!あれとサラダを食べるだけで体重も35キロからかなり増えちゃいました!」

秋月「いやぁ、贅沢に馴れちゃって少し怖いですね!」

陽炎「…その身長で35キロしか無かったとか…逆になんでその体格で艦娘になれたの…」

吹雪「…本当にごめん、秋月…」

秋月「冗談のつもりだったんですけど…」ズーン

749: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 20:04:52.91 ID:PwEOJOub0
【そんなこんなで食事を終えた駆逐艦】

吹雪「おなかいっぱーい」

陽炎「ごちそうさまでした」

秋月「これで最後の山場を越えることができましたね」

吹雪「無事に無人島生活を終えられそうでよかったよ」

秋月「そうですねー。たびたび危険はありましたけど、特にひどい怪我をすることもなく今を迎えられて安心です」

陽炎「それじゃ、あとはお風呂に入って…」

秋月「明日の帰宅に備えて、寝るだけですね!」

吹雪「疲れたからゆっくり寝たい!」

750: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 20:06:57.18 ID:PwEOJOub0
~~~

吹雪「お風呂、さっぱりした!」

陽炎「海水風呂ってのもまたいいもんよね。髪へのダメージがすっごい気になるけど」

秋月「帰ってちゃんとシャンプーすればきっとすぐにさらさらになりますよ」

吹雪「それじゃあ、寝よっか」

陽炎「燃えたら危ないから火は消しとくね」

秋月「ありがとうございます、陽炎さん」

吹雪「みんなおやすみー」

陽炎「今夜は…蛇は出ないわよね」

秋月「出てきたときはまた私に任せてください!」

陽炎「ん、頼むわね秋月。おやすみ」

秋月「おやすみなさい!」

751: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 20:11:57.05 ID:PwEOJOub0
【チーム駆逐艦、就寝】

吹雪「zzz」

秋月「くぅ…すぅ…」

陽炎「…むにゃ…」

陽炎「…ううん…」←少し目が覚めた

陽炎「…?」

吹雪「zzz」←ポケットが光ってる

陽炎「…?????」

陽炎(何アレ…まぁ、それより眠いわ…)

陽炎(きっと吹雪が変なものでも採ってきたんでしょ…ほっときましょ…ふわぁ…)

陽炎「…zzz」

752: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/13(月) 20:16:06.42 ID:PwEOJOub0
【こうして最終日の晩食を大成功させたチーム駆逐艦】

【その一方でチーム大型艦は】

提督「」チーン

大和「」グッタリ

瑞鶴「はぁ、はぁ…」

古鷹「逃げ切れた…何とか逃げ切れた…」

プリ「やっと…拠点に戻ってこれたね…」

【彼女たちはなんとか鹿からの逃走に成功し、無事に元の場所へと帰っていた】

757: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:11:57.08 ID:qUVBTT4d0
古鷹「提督と大和さん、どうする?」

瑞鶴「もう山にでも捨てときましょうよ…食材3人分しかないし、邪魔よ…」

プリ「この2人、足遅いから足手まといすぎるんだけど…」

古鷹「大和さん、本気出せば29ノットくらい出せてそこそこ速いはずなのに…」

瑞鶴「この人は諸事情があってあんまり本気出せないからねぇ…」

古鷹「アンソロでも馬力出しすぎるとぶっ壊れるって描いてありましたからね。仕方ないんです」

プリ「ねー、提督、大和、起きてよー」

提督「うーん…うーん…」グッタリ

大和「足が痛い…体が熱い…」グッタリ

758: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:15:39.03 ID:qUVBTT4d0
古鷹「あの…2人とも立てます?」

瑞鶴「立てないなら引きずってでも山に放るけど」

提督「大丈夫だ…か、帰るぞ大和…」

大和「はひぃ…」

提督「瑞鶴たちよ、また明日迎えにくるからな…」ヨロヨロ

瑞鶴(大丈夫かしら…)

大和「提督…おぶってください…」ヨロヨロ

提督「断る…俺だってお前に運んでって欲しいくらいだよ…てか戦艦なら人を乗せて行くのが当然だろうが…」ヨロヨロ

大和「戦艦でも姿かたちは人なんですってば…勘弁してください…」ヨロヨロ

プリ「…」

古鷹「…」

【大和たちはなんとか自力で船に戻り、無人島を離れていった】



瑞鶴「ま、まぁこれで提督さんたちのことは何とかなったわね」

古鷹「ですね。結局何しにきたのかよくわかりませんでしたけど」

プリ「じゃあ晩ごはん、食べよっか」

瑞鶴「走り回って疲れちゃったから…お腹もすいたしさっさと食べるわよ」

759: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:19:59.46 ID:qUVBTT4d0
瑞鶴「まずは食材チェックよ」

プリ「最終的に、今日は何が採れたんだっけ」

古鷹「私たちが集めたご飯は…」ゴソゴソ

チーム大型艦の食材:カサゴ、クロダイ×2、アジ×1、ほうれん草

プリ「おお!魚がいっぱいで豪華!」

古鷹「うん、たくさんあって今晩は豪華な食事になりそうです!」

瑞鶴「でもこうやって見直したら、食材はほとんど魚しか無かったわね」

プリ「でも昨日の変な貝とか比べたらマシだよ!」

古鷹「一応、魚以外には釣りで使ったイソメとかもありますけど」ウネウネ

瑞鶴「悪い冗談はやめて…」

プリ「それじゃあ、さっそく調理して食べよっか!」

760: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:28:09.04 ID:qUVBTT4d0
古鷹「魚は誰が調理します?」

瑞鶴「なら見てなさい!瑞鶴の魚捌きを見せてあげるわ!」

プリ「瑞鶴が料理してくれるんだ」

古鷹「魚を下ろすのは難しいと聞きましたが…」

瑞鶴「ふふん、大丈夫よ」

瑞鶴「私だって女なんだから、魚程度なら簡単に調理できるんだからね」

プリ「かっこいい!私、魚なんて捌いたことないよ!」

瑞鶴「駄目ねプリンツ。魚を調理できないんじゃまだまだよ!」

プリ「ジャガイモ料理なら大得意なんだけどなぁ…」

瑞鶴「とりあえず始めるわよー。それじゃ包丁を…」

瑞鶴「あっ」

古鷹「どうしましたか、瑞鶴さん」

瑞鶴「そういや包丁が無いじゃん…」

古鷹「え?」

プリ「あっ…」

761: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:31:42.70 ID:qUVBTT4d0
プリ「忘れてたね、これも…」

瑞鶴「あぁ本当に私たちって色々と詰めが甘すぎる…」

プリ「包丁が無いならどうやって調理するの?」

瑞鶴「うーん、道具がないなら手で引きちぎるとか…」

プリ「なんてワイルド!」

瑞鶴「はぁ…もうしょうがないけどやるか…」

古鷹「あっ、そう言えば」

瑞鶴「?」

プリ「何?古鷹」

古鷹「昨日拾ったこの石…」スッ

古鷹「これもしかして包丁として使えません?」

瑞鶴「おおっ!?」

【古鷹、鋭い石を取り出す】

【この石は、家作りの時に古鷹が竹を切ろうとして手に入れたものである】

【古鷹は丁寧にも、これをずっとポケットに忍ばせておいたのだ】

瑞鶴「そっか、これがあったわね!ナイスよ古鷹!」

プリ「ここでついに私たちに見せ場が!やったね!」

古鷹「偶然と言えば偶然ですが、この場面では心強い道具になりそうです!」

762: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:44:09.28 ID:qUVBTT4d0
瑞鶴「石の包丁をよく洗って…」バシャバシャ

プリ「真水がいっぱい贈られてきてほんとよかったよね」

古鷹「水が無かったら海水で洗わなくちゃいけませんでしたからね。運ぶのが大変です」

瑞鶴「よし、綺麗になったわ!これで魚を捌いてみるわよ!」

瑞鶴「鱗を削って、頭を落として…」ガリガリ

プリ「わっ、手際いい!上手!」

古鷹「瑞鶴さん、料理が得意だったんですか」

瑞鶴「まぁ、一応だけどね」

瑞鶴「それに、私だって何か一つくらい見せ場を作っておきたいし…」ズーン

古鷹「うぐっ…」

プリ「見せ場…私たち、もう完全にボロボロだもんね…」

瑞鶴「やっぱり最後くらいはかっこよく終わりたいから…ね」

763: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:52:34.83 ID:qUVBTT4d0
瑞鶴「よっ、よっ…」ガリガリ

プリ「ほんと上手いね、瑞鶴」

古鷹「スピードも早いですし、私たちの出番はなさそう…」

瑞鶴「よーし、これで3匹捌いたわ」

瑞鶴「これを捌けば残りはあと1匹ね」スッスッ

プリ「瑞鶴がんばれー」

瑞鶴「残りの魚は…」

瑞鶴「こいつかぁ…」

プリ「?」

古鷹「あら、この魚は…」

【ラスボス カサゴ】

764: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 22:57:48.23 ID:qUVBTT4d0
瑞鶴「秋月、こいつのトゲは危険って言ってたよね…捌くとき刺さりそう…」

古鷹「危ないですね…」

プリ「面白い顔の魚だなぁ…」

瑞鶴「てかこいつ、刺身になるの?食べられる?」

古鷹「噂では、カサゴの刺身は珍味で大変美味しいと聞きますが…」

瑞鶴「なら捌く価値はあるってことね…」

プリ「トゲすごい…あいててっ」ツンツン

瑞鶴「…古鷹、やってみる?」

古鷹「まぁ見てるだけなのは退屈なんで、やりましょう!」

瑞鶴「頼むわ、古鷹」

古鷹「まずはカサゴを手で押さえて」グサッ

古鷹「心が折れました。もうやめます」

瑞鶴「いやもう少し頑張りなさいよ!?」

765: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 23:06:25.50 ID:qUVBTT4d0
瑞鶴「私がやるしかなさそうね…」

プリ「私はいっしょうけんめい応援するよ!」

瑞鶴「大丈夫…こうやって胴体を押さえつけとけばトゲなんか刺さらないはず…」グイッ

瑞鶴「まずはこの目立つ背ビレのトゲから切って…痛っ!?」グサッ

プリ「瑞鶴、大丈夫!?」

瑞鶴「いたた、こっちの横ヒレにもトゲがあったのね。見落としてたわ」

古鷹「これはなかなか危険な魚です…苦戦しそうです!」

瑞鶴「ここで軍手とかあったら調理は楽そうなんだけどね。怪我とかしないように手を守るものが欲しいわ」

プリ「私の帽子で押さえたら軍手代わりにならないかな?」

瑞鶴「いや、そんなことしたらプリンツの帽子が汚れちゃうし…てか帽子だから汗がいっぱい染みついてそうだからやめとくわ」

プリ「むぅ」

古鷹「あっ、では軍手じゃないですけど、代わりになりそうなものが…」

瑞鶴「?」

766: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 23:17:45.12 ID:qUVBTT4d0
古鷹「プリンツさんが持ってきた…」

プリ「?」

古鷹「ブルーシートなんていかがですか?」

瑞鶴「!?」

【ブルーシート登場】

プリ「これも家を作るときに拾ってきたもののひとつだよね」

古鷹「プリンツさんの帽子は洗うとびしょびしょになってしまいますが、ブルーシートなら綺麗に洗って使えます!」

瑞鶴「なるほど、確かに…」

プリ「洗うのは私に任せて!」ゴシゴシ


プリ「綺麗になったよ!使ってみて!」

瑞鶴「よし、使ってみるわよ」

瑞鶴「ブルーシートとは考えたわねー、直接トゲを触らなくていいのは助かるわ」

プリ「やったね!私にも見せ場ができた!」

古鷹「やりますね、プリンツさん」

瑞鶴「これで背ビレを切り落として、頭を落として、調理すれば…」

瑞鶴「カサゴの刺身の完成!」

プリ「わーい!」

【チーム大型艦、魚の調理に成功】

767: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/22(水) 23:35:22.87 ID:qUVBTT4d0
瑞鶴「なんとか上手くいってよかったわ!」

古鷹「そうですね、美味しそうです!」

プリ「ねぇ瑞鶴、もう晩ごはんはお刺身でよくない?」

プリ「火を起こすのとか面倒だし、もう今日は疲れちゃったよ…」

瑞鶴「うーん、そうねぇ…どうする?」

古鷹「私もプリンツさんに賛成です。早くご飯を食べてゆっくり眠りたいのは同感です」

瑞鶴「じゃあ…もうそうしちゃおうか」

瑞鶴「あとは、適当にほうれん草をちぎって…」

瑞鶴「刺身セットの完成ね!」

プリ「できあがりー!」

【チーム大型艦の晩食、刺身盛り合わせの完成】

【チーム駆逐艦のものと比較すると少々見劣りしてしまうが…】

【それでも昨日の大型艦の晩食と比べればかなりの成長が伺えるであろう】

774: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 21:45:02.34 ID:XhA9qpK40
瑞鶴「完成したし、食べちゃいましょうか」

プリ「いっただきまーす!」

古鷹「いただきます」

瑞鶴「ちゃんと調理できてるといいんだけど…」

プリ「大丈夫だよ、瑞鶴!」パク

瑞鶴「…うん、美味しいわ!やっぱり今日釣ったから新鮮で旨みがあるっ!」モグモグ

古鷹「醤油がなくても魚の味そのものの味が強いので、美味しくいただけますね」

プリ「私は醤油があった方が良かったけど、我慢する!」

瑞鶴「まぁ、調味料が無いのはどうしようもなかったからしょうがないわ」

775: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 21:47:11.16 ID:XhA9qpK40
プリ「そういやほうれん草もあった!これも食べちゃお」パク

瑞鶴「そうそう、翔鶴姉の仕送りもあってよかったわ。魚ばっかりじゃたぶん飽きてたし…」モグモグ

古鷹「釣りたての魚は脂が乗ってますからさっぱりしたものが欲しくなりますからね。翔鶴さんの判断は正しかったのかもしれません」モグモグ

プリ「ほうれん草、にがい…」

古鷹「あれっ、プリンツさんお口に合いませんでしたか?」

瑞鶴「生のほうれん草は好き嫌いがはっきり分かれるような味だからね。はい水」

プリ「だんけ…」ゴクゴク

古鷹「ほうれん草ってしっかり茹でて灰汁取りした方がいいんでしたっけ?」

瑞鶴「そうとも限らないわねー。茹でたら茹でたで栄養も逃げちゃうから…」

瑞鶴「まぁ、火を使う手間を省くためなら生で食べた方がいいってことよ」

プリ「そうだよね…」

776: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 21:51:16.06 ID:XhA9qpK40
プリ「あの変な魚のお刺身で口直し…あっ!これ美味しい!」

古鷹「あんなにあったのにあっという間に無くなっちゃいましたね」

瑞鶴「さすが大型艦、食欲があるわ。てかもう完食よ」

古鷹「ごちそうさまでした」

プリ「満足だよー!」

瑞鶴「じゃあこれでこの無人島生活でしんどいところはもう終わり…ってことでいいのかしら?」

古鷹「そうじゃないでしょうか?明日はとうとう提督の迎えを待つだけですし…」

古鷹「もう野外で夜を越すことは無いですから、最大の正念場は乗り越えたことになります!」

瑞鶴「そっか、やったわ!なんとか今日まで生き延びることができたわね!」

プリ「やっと終わった!長かったー!」

瑞鶴「そうとわかればもう寝るわよ。疲れたし起きててもしんどいだけだからさっさと横になるわ」

プリ「そうだね、うわーい!」ゴロン

古鷹「本日はお疲れさまでした!」

777: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 21:54:28.04 ID:XhA9qpK40
瑞鶴「あー…やっとゆっくりできる」

瑞鶴「星空でも眺めながら眠りにつきましょう…」

古鷹「昨日は徹夜したせいでよく見れなかったですけど、改めて空を見るととても綺麗ですね」

プリ「そうだねー…月と星が眩しい」

瑞鶴「月ってこんなに明るかったんだ。夜でもこんなに私たちを照らしてくれてる」

瑞鶴「そしてたくさんの星たちも明るいのと暗いのが両方あって…だけどどれも同じくらいに綺麗なのよね」

古鷹「ですねー」

プリ「あっ、そうだ、星と言えば…」

瑞鶴「?」

プリ「あのね、日本で読んだ漫画にね…」

778: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 22:03:37.57 ID:XhA9qpK40
プリ「星って、明るいのと暗いのあるけど…」

プリ「それは地球から見た明るさを基準にしてるからって話で、実際には星ごとに離れてる距離が違うから本当の星の明るさは私たちが見てる明るさと違う、っていう話を思い出しちゃった」

瑞鶴「へぇ、あの明るい星は同じ距離で見るとあの暗い星よりも実は暗い、ってこと?」

古鷹「その漫画って、もしかして医者の物語ですか?」

プリ「確かそうだったと思う」

プリ「それで、今回の無人島生活…なんか駆逐艦たちの方が凄いって聞いたじゃん」

プリ「だからなんだか、私たちは明るい星のように重巡とか空母とかっていう艦隊の花形みたいな役割にいるけど、駆逐艦の方は暗い星のように、艦隊だと護衛が中心で地味だけど、実は私たちよりよっぽど頑張ってて凄いとこがあるってことをあの星に教えられた気がして…」

プリ「勉強に…なったのかな?」

古鷹「今回私たちは少し情けない場面が多かったですから…それを自覚しないといけませんよね」

瑞鶴「ふー…そうね」

779: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 22:10:54.46 ID:XhA9qpK40
瑞鶴「…それでも私たちは、明るい星なのよ」

古鷹「瑞鶴さん?」

瑞鶴「たくさんの暗い星の中、一際明るく輝く星。駆逐艦たちを引っ張って艦隊を勝利に導く存在」

瑞鶴「世間一般の人からすれば、私たちは艦隊の中心だって思われてる立場なのよね」

プリ「重巡はちょっと微妙な立場にあるけどね」

古鷹「史実では重巡も艦隊の中心的な立場にいましたよ!」

瑞鶴「だから今回のこの企画でやらかしちゃったこと…それを私たちは反省しなくちゃいけないわ。皆を引っ張らなくちゃいけないのに、こんな姿だったら見る人を失望させちゃうから」

瑞鶴「まぁ要するに、できないから、上手くいかないからって甘えず、自分の立場をよく考えなさいってことなのよね」

瑞鶴「私たちは、本当の明るい星にならなくちゃいけないの」

瑞鶴「それに気付けただけ、この企画をやってよかったって思うわ」

プリ「…」

古鷹「…瑞鶴さんがなんか良いことっぽいの言ってる」

プリ「大丈夫?頭でも打ったの?」

瑞鶴「うるさいわね!?私だってちょっとくらい真面目になってもいいじゃない!」

780: ◆sgz06eY/Ks 2016/06/27(月) 22:14:55.24 ID:XhA9qpK40
瑞鶴「もう遅いし寝るわよ!おやすみ!」

古鷹「はーい、おやすみなさい」

プリ「やっと帰れる…明日が待ち遠しいよ」

【最後、少しだけ成長したチーム大型艦】

【3人はまた来る明日を迎えるため、目を閉じるのであった…】

795: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/06(水) 23:45:13.26 ID:hKzJEqzx0
【無人島生活、最終日】

提督「♪~」ザバババ

提督「…」

提督「…俺、今回、無人島へ何往復したっけなぁ…」

【提督は6人の艦娘を迎えに行くため、船にのって無人島へと向かっていた】

796: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/06(水) 23:48:02.78 ID:hKzJEqzx0
【チーム駆逐艦side】

吹雪「みんな、おはよー」

陽炎「おはよう、吹雪、秋月」

秋月「とうとう最終日ですね」

吹雪「そうだねぇ、この島で色々あったけど…なんだかんだ楽しかったよ」

陽炎「早く帰りたいのに、名残惜しさもちょっとだけあるわ」

吹雪「司令官が迎えに来るのって昼くらいだよね?」

秋月「そうだったと思います。まだ少しですが時間は残ってますね」

陽炎「でももう今日は何もしなくてもいいでしょ。海でも眺めながらのんびり待ちましょう」

797: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/06(水) 23:55:05.22 ID:hKzJEqzx0
秋月「確かに今日で帰れるから食材集めなどはしなくていいかもしれませんが…」

秋月「最後には家の解体をしておきましょう!」

陽炎「え?」

吹雪「せっかくだから残しとくんじゃないの?」

秋月「一応、ここは無人島ですので…何となくですけどお片付けはしておこうかと思いまして!」

陽炎「そっか、立つ鳥跡を濁さず、ってことね。お邪魔したなら最後は綺麗にして帰りたいわ」

吹雪「そういうことか!手伝うよ、秋月」

秋月「助かります!では、葉っぱや木の枝は自然分解できるよう草むらあたりに捨てて…」

秋月「ウツボやタコの食べ残しなどは地面の栄養になるよう、穴を掘って埋めていただければよろしいかと思います」

陽炎「わかったわ。やるわよ」

吹雪「ねぇ陽炎、どっちが穴を深く掘れるか勝負しない?」

陽炎「それは疲れるから遠慮しとく」

吹雪「残念!」

798: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/06(水) 23:59:50.11 ID:hKzJEqzx0
~~~

吹雪「穴を埋めて…」

陽炎「うまく全部処理できたわね」

秋月「これで綺麗になりました!」

吹雪「ドラム缶とかはちゃんと持って帰るから、これで心置きなく無人島から離れることができるよ」

秋月「二人とも、ご協力感謝します!」

陽炎「でもまだまだ昼まで時間ありそうね…今から何して過ごす?」

吹雪「そうだね、何しよ?」

秋月「ではせっかくですし、みなさんで遊びましょう!」

吹雪「お、秋月にアイデアがあるの?」

秋月「はい!この石をですね」

吹雪「石を?」

秋月「海に投げます!誰が一番遠く投げられるか競いましょう!」

吹雪(あぁ、暇潰しの方法が貧乏臭い…)

陽炎(でも一応暇潰しにはなるから…せっかくだしこれで遊びましょうよ)

799: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:02:31.08 ID:W9pREVi90
【一方、チーム大型艦sideの様子】

瑞鶴「ふあぁ…よく寝たわ…」

古鷹「おはようございます、皆さん」

プリ「今日はいっぱい寝たから眠くないよ!」

瑞鶴「さて、ついに今日が最終日ね」

瑞鶴「のんびり今日の昼を待てば全てが終わる!やっと鎮守府に帰れるわ!」

プリ「よく頑張ったよね、私たち!」

古鷹「この体験は青葉にも自慢できます!」

瑞鶴「けど昼まで暇だわ。何しよっか」

プリ「そーだねー、何する?」

瑞鶴「時間はいっぱいあるのにそれを消化するためのものが無いってのも不便ね」

古鷹「この時間の余裕さ、昨日までの苦労が嘘みたいです」

800: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:07:03.80 ID:W9pREVi90
瑞鶴「とりあえずドイツ仕送りの水がまだ残ってるからこれらを飲み干してしまいましょう」

プリ「よーし、ならサバイバル最後の乾杯だね!」

古鷹「最終日を向かえたことを記念して、乾杯しましょう!」

瑞鶴「乾杯!」

瑞鶴「ごくごく…やっぱり水おいしい!」

古鷹「水は生命の源ですもんね。プリンツさんの仕送りには本当に助けられました」

プリ「どや!」

古鷹「無人島では本来なら満足に水すら飲めないなんて…今回はかなりいい体験になりました」

瑞鶴「てか帰ったらまず最初に何しよう?もう3日も帰ってないし」

古鷹「私はお風呂ですかね。髪とかボサボサになっちゃってますから」

プリ「私はおいしいご飯が食べたい!ビール飲みたい!」

瑞鶴「やりたいことがいっぱいあるのよねー」

801: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:09:06.58 ID:W9pREVi90
【仲良く遊ぶチーム駆逐艦と、仲良く会話を弾ませるチーム大型艦】

【彼女たちは、思い思いに残りの無人島生活の時間を楽しく消化していた】

【そんな時間は早く流れ、提督はどんどん無人島へと近付いていく】

【そして…】


提督「…おっ」ザバババ

提督「見えてきたな…島が」

【とうとう、無人島とのお別れのときがやってきた】

802: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:13:16.91 ID:W9pREVi90
秋月「えーい!」ヒューンボチャーン

吹雪「今のは、約5メートルくらい飛んだかな」

陽炎「秋月、全然飛んでないわね…本気出してる?」

秋月「あっ、あれ…二人とも強すぎません…?なんで石をそんな遠くまで飛ばせるんですか…?」

吹雪「秋月の投げ方が悪いのか肩が弱いのか知らないけど…」

吹雪「とりあえずその程度の投げじゃ、私には勝てないよっ!」ヒューンボチャーン

陽炎「おー、今のは20メートルくらい飛んだかな?」

吹雪「軍人だからね!鍛えてるもん!」

秋月「私も鍛えてるのになんでなの…」

陽炎「私も吹雪を超える勢いで投げてみせるわよ」

陽炎「見てなさい、海の向こうに…」

陽炎「海の向こう…ん?」

吹雪「陽炎、どうしたの?」

陽炎「いや、あそこ…」

陽炎「あれ、司令官の船じゃない?」

秋月「えっ!?」

吹雪「来た!?」

803: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:17:29.03 ID:W9pREVi90
瑞鶴「海を眺めながら水を片手に女子トーク…優雅ね」

古鷹「水がジュースかお酒だったらもっと良かったんですけどね」

プリ「そうだ!鎮守府に帰ったら皆でまたご飯に行こうよ!」

瑞鶴「いいわねそれ。それこそその時は美味しいお酒なんかも一緒に飲みましょう」

古鷹「そうですね、皆でおすすめのお店を紹介しあって食べ歩き…いいと思います!」

プリ「わーい!楽しみー!」

古鷹「…おや?」

瑞鶴「古鷹、何かあった?」

古鷹「あそこ…海の上!」

古鷹「提督がいます!私たちを迎えに来たんじゃないですか!?」

瑞鶴「おっ、やっとか!」

プリ「待ってたよー!」

804: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:19:12.95 ID:W9pREVi90
提督「お前たーち!聞こえているかー!?」←メガホンで呼び掛けてる

提督「これにて無人島生活の時間は終了だ!本当にお疲れ様だった!!」

提督「今から横須賀まで戻る!帰る準備をしろー!」

吹雪「了解です!」

瑞鶴「わかったわ!」

【3日目 正午】

【無人島生活、終了!】

805: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:22:46.27 ID:W9pREVi90
吹雪「やった!生還できたぁー!」

秋月「はい!懐かしの鎮守府です!」

陽炎「お疲れ様!もう司令官が来るのを待つだけね!」

古鷹「提督ー!私たちはここでーす!」

プリ「早く迎えに来てー!」

瑞鶴「そんな沖にいちゃ、私たちが帰れないわよー!!」

提督「何を言ってるんだー!瑞鶴ー!」

提督「行きは船から泳いで島まで言っただろうー!?帰りも船まで泳いで来てくれないかー!?」

瑞鶴「は?」

吹雪「んっ!?」

806: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:25:15.99 ID:W9pREVi90
~~~

瑞鶴「…最後の最後でこんな苦労をさせられるなんて…」ビショビショ

吹雪「ひどいです、司令官…」ビショビショ

プリ「船まで泳ぐの疲れたぁ…」ビショビショ

提督「すまんな。これは一応軍人の訓練だから仕方ないと思ってくれ」

陽炎「…」グッタリ

提督「では、これより横須賀鎮守府に戻るとするぞ」

提督「鎮守府では皆が風呂を沸かしたり食事を作ったりと歓迎の準備が進んでいる。帰ったらこの疲れが取れるよう、ゆっくりできるようにしてあるからな」

提督「船での移動時間は退屈かもしれないが、これを過ぎたら後は楽だから楽しみに待っててくれ」

秋月「本当ですか!?嬉しいです!」

古鷹「早く横須賀に着かないかな!」

807: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:28:31.16 ID:W9pREVi90
提督「じゃあ飛ばすぞ、お前たち」

提督「エンジン全開!全速力で帰るとする!」

吹雪「うわ、速っ!?」ガクンッ

瑞鶴「モーターボートって軍艦より速いのよね…」

【こうして、艦娘たちの無人島生活は無事に終わった】

【輝く太陽の下、7人は横須賀へと帰路を取るのであった…】

808: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:33:28.63 ID:W9pREVi90
【横須賀鎮守府】

提督「よーし、着いたぞ」

提督「待たせたな。お前たちが待ちわびた、俺たちの家だ!」

秋月「!!」

吹雪「わあぁー…!懐かしいよ…!」

瑞鶴「見慣れたこの建物…!な、なんだか泣けてきた…!」

プリ「恋しい…皆の顔、お風呂にご飯に布団に全てが恋しい!」

秋月「少しここを離れるだけで、いつも我々がどれほど恵まれた環境で過ごしていたのかがよくわかりますね」

陽炎「これからは鎮守府に感謝しながら生活しなくちゃ…!」

古鷹「私もいい経験をさせてもらい、ありがとうございました!」

810: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:42:39.95 ID:W9pREVi90
【大浴場】

吹雪「やっぱりまずは鎮守府のお風呂最優先だよね!」

陽炎「海水じゃないお風呂なんて久しぶり…今日は髪を丁寧に洗わないと」

瑞鶴「提督さんも気が利くわね。お風呂を貸し切りにしてくれてるなんて」

プリ「もうお風呂なんて久しぶりだよー!」

古鷹「ほんと、汗臭いままなんて嫌ですし!しっかり洗い流しましょう!」

秋月「え?久しぶりってどういう…」

吹雪「もしかして、3人はずっとお風呂に入ってなかったの…?」

瑞鶴「え?」

811: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:49:30.18 ID:W9pREVi90
カポーン…

秋月「しっかり洗って…と」

陽炎「シャンプー…シャンプー…」

陽炎「ふぅー、やっと髪さらさらになった」

瑞鶴「うおー、私すごい。シャワー浴びるだけで流れる水が黒くなってく」

古鷹「向こうではいっぱい汗をかきましたからね」

吹雪「汚い!瑞鶴さんこっち来ないで!」

瑞鶴「今その汚れを取ってるからもう少し待ちなさい!」

プリ「あぁぁ…湯船さいっこう…!あったかくていい気持ち…!」

陽炎「私たちは女の子だもん。お風呂に入って清潔にしたいのは当たり前よね!」

812: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 00:56:56.89 ID:W9pREVi90
【脱衣場】

提督「…ふむ」

提督「これが奴等の洗ってない、汗が染みに染みた服に下着か」

提督「ならば出でよ!金剛4姉妹!!」

金剛「ヘーイ!」サッ

比叡「ヒエーッ!」サッ

榛名「私たちをお呼びでしょうか?」サッ

霧島「計算によりますと、私たちは雑用のために呼ばれたのかと」サッ

提督「うむ。すまんがこいつらの服なんだが…」

提督「綺麗なところはもうどこにもなく、すっかり汚れてしまっている」

提督「だから奴らのための新しい着替えを用意し、これらの汚れた服は丁寧に洗濯してやってくれないか」

金剛「お安い御用デース!」

比叡「気合い入れて!洗います!」

提督「頼むぞ」

814: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:01:47.19 ID:W9pREVi90
榛名「私と霧島は吹雪さんたちの着替えを取ってきますね」

霧島「お任せを!」

金剛「比叡、こっちは服をランドリーまで運ぶデース」

比叡「はい!手伝います!」

比叡「…っと?」ポロッ

金剛「比叡?どうしマシタ?」

比叡「いや、ポケットから何か…?」

815: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:06:31.46 ID:W9pREVi90
金剛「pocket?」

比叡「はい、吹雪ちゃんのポケットから…」

比叡「これは…しいたけ?」

【吹雪が完全に存在を忘れてたツキヨタケである】

金剛「HAHAHA、私たちのお土産デスか!」

比叡「駆逐艦らしくてかわいいですね!」

金剛「しいたけなら食べてしまいマショウ!今、鳳翔がお鍋をつくってるはずデスから…」

金剛「それと一緒に煮て食べるネ!」

比叡「了解です!」

817: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:12:22.86 ID:W9pREVi90
吹雪「ふー、さっぱりした」

陽炎「あれ?新しい着替えが置いてある」

瑞鶴「誰かが用意してくれたんでしょ。あんな服をお風呂のあとに着るのもごめんだし」

古鷹「あの服、汗だくでベトベトでしたからね…」

プリ「綺麗な服を毎日着れるなんて、すごい贅沢なことだったんだね!」

秋月「洗剤は無人島にはありませんから…清潔な服は貴重なんです!」

818: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:20:48.39 ID:W9pREVi90
【風呂から上がった後、6人は提督に連れられ】

【この無人島の結果発表が行われようとしていた】

提督「では、この企画の冒頭で述べた通り…」

提督「この無人島生活はチーム戦だったからな。これより、どっちのチームが勝者かを発表するぞ!」

秋月「はい!」

陽炎「忘れてた、この無人島生活って対決してたんだっけ」

吹雪「こっちに秋月いたし、負けることはないとはおもうけど…」

瑞鶴「…どう思う?プリンツ、古鷹」

プリ「私たちの無人島生活…楽しかったけどね…」

古鷹「勝ちか負けかって言われたら、その…」

瑞鶴「そうよねぇ…」

819: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:33:49.12 ID:W9pREVi90
提督「まずはそれぞれのチームに対する評価からだ」

提督「4人ほどの艦娘に中継を見てもらったので、感想を述べてもらうぞ」

提督「では頼む。阿武隈、神通、川内、那珂よ」

吹雪「え、水戦審査員!?」

阿武隈「あたし的には、やっぱり駆逐艦の活躍に感動しちゃいました!」

神通「私も同意見です。いつも訓練で鍛えてますから、こちらとしては成長が見られて嬉しかったですね」

川内「でも大型艦には運が良かったシーン多かったよ!私は無人島で生き残るためには実力よりも運の方が必要だって思うし」

那珂「カメノテのシーン、魚を大量に釣り上げたシーンに、鹿は大惨事だったけどテレビ的には美味しいシーンだったし、大型艦の方が愉快だったかな!」

プリ「あれ、意外と私たち評価されてる?」

瑞鶴「よ、喜んでいいのかな」

820: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:47:06.84 ID:W9pREVi90
提督「うむ。どうやら意見が2つに分かれてしまったようだ」

秋月「この場合の勝敗はどうなるんです?」

提督「そうだな…」

提督「お前たち、この無人島生活の目的を覚えているか?」

陽炎「えっ?何、急に」

古鷹「目的ですか?えっと、私たちの苦しむ姿を見て笑うため、でしたよね?」

提督「違うそっちじゃない」

提督「お前たちに無人島生活をさせたのは、お前たちが出撃中に漂流したときに備える訓練を目的としていたのを思い出してくれ」

吹雪「は、はい」

提督「そしてお前たちは今回、無事に帰ってくることができた。これはこの訓練をお前たち全員が達成したことを意味している」

提督「つまりお前たちみんなは俺の望む結果を出してくれたということだ。ここから弾き出される勝敗の結果は…」

提督「引き分け、だな。両者、共によく頑張ってくれた!」

秋月「!」

吹雪「なんか釈然としない…けど」

陽炎「司令官の言うことも一理あるわ。無事に帰って来た、それだけで十分なのよね」

古鷹「ですね!お互い、立派でした!」

瑞鶴(冷静に考えると仕送りとかに色々助けられたおかげってとこが大半だけどね)

プリ(まぁ、それはいいってことにしよう!)

821: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:56:27.30 ID:W9pREVi90
提督「さて、これでお前たち全員が勝者となった訳だが」

提督「忘れてるかもしれないが勝者への報酬があるぞ!」

秋月「やった!ご馳走でしたよね!」

吹雪「そうだった、忘れてた」

提督「そうだ。鳳翔がなんと全員分の料理を作ってくれたからな!」

提督「鎮守府全員でお前たちお帰りパーティをするぞ!食堂までついてこい」

プリ「久しぶりに鳳翔のご飯が食べられるー!」

瑞鶴「向こうじゃ録な料理食べてないもんね。食べたのは食材頼りの簡単なものだったし」

古鷹「久しぶりに美味しいものを口にできます!」

陽炎「嬉しいわー!」

822: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 01:59:12.43 ID:W9pREVi90
【食堂】

鳳翔「よいしょ…っと!」

鳳翔「お待たせしました!鳳翔特性、巨大鍋です!」ドーン!

秋月「いい匂い!」

吹雪「いただきまーす!」

【そしてついに、その時はやってきた…】

823: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 02:03:01.96 ID:W9pREVi90
プリ「この味噌の味…美味しいよぉ…!」

陽炎「鳳翔さん、味付けのバランス上手いのよね!」

瑞鶴「動物の肉も久しぶりに食べられるわ!」モグモグ

古鷹「たんぱく質を摂取したいですね!」

吹雪「いやー、おいしいおいしい!」

秋月「幸せですー!」

吹雪「…おっ?」

吹雪「見て見て秋月、このきのこちょっと光ってる!」

秋月「えー?そんなまさか!」

秋月「…?」

秋月「ええっ!?」

824: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 02:08:10.61 ID:W9pREVi90
秋月「ちょっと!吹雪さん!?」

吹雪「何?」モグモグ

秋月「そう言えばツキヨタケ!あれポケットに入れた後どうしました!?」

吹雪「ふぇ?」

吹雪「…えっと…ずっとポケットに入れたままで…ここまで帰って来てそのスカートはどっか行っちゃったから…」

吹雪「…まさか」サーッ

秋月「吹雪さぁぁぁぁん!!」

提督「どうした2人とも。そんなに叫んで」

瑞鶴「そうよ、もう少し静かに…」

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁどうしよう秋月ぃぃぃぃ!!!!死にたくないよぉぉぉぉぉぉ!!!!」

秋月「落ち着いてください!まだ手当てをすれば大丈夫です!!」

陽炎「!?」

プリ「死って!?」

プリ「な、何事!?」

825: ◆sgz06eY/Ks 2016/07/07(木) 02:15:38.73 ID:W9pREVi90
吹雪「秋月、早くぅ!」

秋月「ええっと、とにかく吐き出させればいいので…」

秋月「とりあえず吹雪さんのお腹を殴ります!我慢してください!!」←パニック

吹雪「よしわかった!思いっきり私を殴って!!」←混乱してる

陽炎「ちょい秋月!?何してんのよ!?」ガシッ

瑞鶴「なんで吹雪を殴るの!?何か怒ってる!?」ガシッ

秋月「何をするんです!?離して!離してぇぇ!」

古鷹「どうしたんですか秋月さん!?」

プリ「とにかく落ち着いてぇー!!」

【なおこの後、吹雪は自力でお腹を押さえてツキヨタケを吐き出し、大事には至らなかったという】

【また、秋月は怒ると無茶苦茶恐いという噂も一人歩きしたとかどうとか】

【色々あったが、とにかくこれにて…】

【いきなり艦娘伝説、完っ!!】