1: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:12:41.54 ID:ePq3SM+f0
少女「……」

生徒「お菓子食べる人ー!!」

生徒「はーい!!」

少女「……」

少年「サヨナラ……俺達の故郷!」

友「あははは!!ただの修学旅行じゃん!」

少年「バーカ、それでも離れることにはかわりねえだろ?」

友「はぁ……バスで3時間か。色んな風景を見れたらいいな」

少年「だな」

少女「………うぷ」

引用元: ・少女「…………………気持ち悪い」

3: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:17:00.65 ID:ePq3SM+f0
教師「気分が悪くなったらすぐに言えよー」

「「はーい」」

教師「じゃあ、お願いします」

バスガイド「はい。―――みなさん、おはようございます」

「「おはようございます」」

バスガイド「今日はお天気になってよかったですね。絶好の修学旅行日和です」

少女「………」

バスガイド「えー、それでは諸注意を。走行中は急停車することがありますので立ち上がらないように」

バスガイド「それから窓を開けるときは必ず先生か私に言ってください」

「「はーい」」

バスガイド「気分が悪くなった時は無理せず近くの人に言ってください」

バスガイド「それではみなさん。短い間ですがよろしくおねがいします」

「「おねがいしまーす」」

少女「………うぅ……」

4: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:19:46.52 ID:ePq3SM+f0
少年「質問いいですかー?」

バスガイド「どーぞ」

少年「ガイドさんって結婚してるんですか?」

バスガイド「まだなんですよねー」

友「じゃあ、俺としてください!」

バスガイド「あと三年したらかんがえてあげまーす」

少女「………うっ……」

少年「ん?」

少女「……すぅ……はぁ……」

少年「おい。大丈夫か?」

少女「……うん」

少年「……そっか」

6: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:23:39.55 ID:ePq3SM+f0
―――出発から10分経過

少女「………」

女子「あ、音楽流してもいいですかー?」

バスガイド「はーい」

女子「これ、前にまわして」

生徒「おっけー」

少年「あ、おまえん家じゃん」

友「ほんとだー」

少女「………うぷ」

少年「おい」

少女「……なによ」

少年「顔色すげえわるいぞ?」

少女「気の所為」

少年「そ、そうか?」

8: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:26:50.00 ID:ePq3SM+f0
―――20分経過

少女(吐きそう)

少年「いっせーので、にっ!」

友「いっせーので、いちっ!」

少女「………ねえ」

少年「―――だああぁあ!!負けたぁぁ!!」

友「よっしゃあ!!はい、このうまい棒は俺のな」

少年「もう一回だ!!」

少女「………ぅぇ……」

少年「よーし、次はまけねえ」

友「こいや!」

少女(やばい)

9: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:31:38.97 ID:ePq3SM+f0
―――22分経過

少女「はぁ……はぁ……」

少年「ちくしょう!!」

友「お前、よわすぎ」

少年「うっせえなぁ」

バスガイド「はーい、みなさん。そろそろ高速道路に入ります。予定では15分後にサービスエリアでトイレ休憩になります」

少女(15分……)

少年「なんか、やることなくなったな」

友「トランプでもしようぜ」

少年「二人はなぁ。あ、おい」

少女「……なに?」

少年「トランプしようぜ?」

少女「……」

少女(気がまぎれるかな?)

少女「……うん」

10: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:36:00.99 ID:ePq3SM+f0
少年「ほい。お前の分」

少女「……」

友「じゃあ、おれからいくぜー?」

少年「くくく、右端がおすすめだ」

友「くくく、ならば俺はあえて真ん中にしよう」

少女(……やばい……トランプの絵柄みてたら加速した)

少女「………」

少年「よし」

友「ジョーカー……」

少年「はい。次だ」

少女「…………………」

少年「ん?どした?」

少女「……………………とって」

少年「おう……これにしよかな?」

少女「はぁ……はぁ……ち、ちがう……それ、じゃない……」

11: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:39:06.65 ID:ePq3SM+f0
少年「違う?バーカ、そんな手に引っ掛かるか」

少女「ち、がうのぉ……そ、れじゃ……ない」

少年「はぁ?」

少女「……ふ、ふくろ……」

少年「袋?」

少女「はぁ……はぁ……」

少年「お前、吐きそうなのか?」

少女「…………ち、がう……でも……ふくろ……いる」

少年「おいおい」

少女「……………」

少年「せんせ―――」

少女「………!!」

ガシッ!!

少年「な、なんだよ?!」

少女「……い、いわ、ないで……」

12: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:42:49.75 ID:ePq3SM+f0
少年「いや、言わなきゃだめだろ」

少女「はぁ……はぁ……」

友「恥ずかしいんじゃねーの?」

少年「いや、でも……」

少女「………は、吐くなら、誰にも迷惑……かけないように……吐く」

少年「臭いとかでばれるって」

友「音もすごいだろうしな」

少女「……………」

少年「と、とりあえず袋」

友「お、おう……はい」

少女「………あ、りが……うぅっ!?」

少年「おい」

少女「…………だい、じょ、ぶ」

友「……」

16: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:48:07.05 ID:ePq3SM+f0
少年「おい、袋は持っとけよ?」

少女「………うん」

友「(なあ、先生に言った方がいいぞ、これ)」

少年「(だな。隣で吐かれたら嫌だし)」

友「(なぁなぁ)」

生徒「なんじゃらほい?」

友「(あいつ、吐きそうなんだけど先生に伝えてくれないか?こっそり)」

生徒「(なんでこっそり?)」

友「(恥ずかしいみたいだ)」

生徒「(了解)」

少年「背中さすってやろうか?」

少女「…………おねがい」

20: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:51:35.52 ID:ePq3SM+f0
少年「―――どうだ?」

少女「……ちょっと楽に……うぅっ!?」

少年(効果なしか)

友「……」

少女「はぁー……はぁー……」

少年「窓あけようぜ」

少女「……だめ……排気ガス臭い」

少年「……あ、そう」

少女「………うぷ……」

少年「袋に顔をもっていっとけよ」

少女「……ふ、ふくろ、の、な、かみてると……よけいに……吐き気が……」

友(おせえ。先生、はやくこいよ)

22: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:55:24.51 ID:ePq3SM+f0
友「(おい)」

生徒「んあ?」

友「(ちゃんと伝えたのかよ?)」

生徒「(なんかどっかでとまってるんじゃね?)」

友「(誰が止めたんだよ!?)」

生徒「(しるかよ)」

少女「………あ、と、どれくらい?」

少年「なにが?」

少女「…………きゅう、けい」

少年「えっと、あと10分だな」

少女「…………………ぉおぉ」

少年「やべえ」

25: 名無しさん 2011/10/09(日) 13:59:37.87 ID:ePq3SM+f0
少年「やっぱり先生を呼ぼうぜ?な?」

少女「はぁ……はぁ……はぁ……」

少年「呼ぶぞ?いいな?」

少女「…………ねえ……」

少年「なんだ?」

少女「ぉえ………はい、たら……ら、くになれる……?」

少年「やめろよ」

少女「……ご、め……ぉぷぇ」

少年「……背中さすってやるよ」

友「(おい、もう一回伝えてくれ)」

生徒「(お、おう)」

28: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:03:45.49 ID:ePq3SM+f0
少年「あ、そうだ。外みとけ。できるだけ遠くをみると良いって聞いたことがある」

少女「う、……ん……うぉぅぅ……」

少年「酔う前じゃないと意味ないのか……」

友「(どうだ?)」

生徒「(あー分かった。前の女子がつたえてねえわ)」

友「(はぁ!?)」

生徒「(なんか聞こえてないふりしてるっぽい)」

友「(何考えてんだ、あのやろう)」

少年「上みとけば?」

少女「………そん、な、元気も、ない」

少年「………」

少女「………ぅ」

29: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:08:55.53 ID:ePq3SM+f0
少女「はぁぁ……すぅぅ……はぁぁ……うぅぇ」

少年(もういつ爆発してもおかしくないな……)

少女「……はぁ……うぅ……はぁ……」

少年「お前、バス弱かったのか?」

少女「……に、おい……む、り……」

少年「そ、そうか」

少女「……の、った……とき、うぅぉっ……ぅぷ……」

少年「いや、無理して喋るな。悪い」

友「(おい、そいつをなんとかしろ)」

生徒「(無理だよ。俺からじゃ遠いし)」

友「(近くの奴は?)」

生徒「(わかんねえけど、あいつらも聞こえないふりしてる感じだな)」

友「(どうなってんだよ!?)」

30: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:12:42.67 ID:ePq3SM+f0
バスガイド「はーい。みなさん、そろそろサービスエリアに到着しまーす」

少女「……!?」

少年「お!予定より早い!!やったな!!」

少女「う、うん……おぉ」

少年「あ、ゆ、油断はするな?」

少女「………」

友「……」

少年「背中、さすろうか?」

少女「……おね、うぅぷ……し、ます」

少年「お、おう」

友「(なあ、休憩中に先生に言おうぜ)」

少年「(だな)」

35: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:17:12.41 ID:ePq3SM+f0
―――サービスエリア

バスガイド「それでは10分間の休憩となります。ここから次の休憩までは1時間以上かかりますので、お手洗いにはなるべくいっておいてください」

「「はーい」」

教師「じゃあ、休憩だ。遅れずに戻ってこいよー」

少年「おい、立てるか?」

少女「う、うん……ありが、とう……」

友「ちょっと、先に降ろしてくれー」

教師「ん?おい、どうかしたのか?」

少年「あ、それが……」

少女「……っ!!」

ガシッ!!

少年「え……?」

少女「お、おしっこ……がまん、してて……」

教師「そ、そうか……早くいってこい」

少年「おい、何言ってんだよ」

37: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:21:53.69 ID:ePq3SM+f0
―――駐車場

少女「はぁぁ……」

少年「おい、平気か?」

少女「うん、少しだけ気分、よくなった」

友「でも、言った方が良いと思うけど?」

少年「そうだな。先生の近くなら水とか貰えるし」

少女「……いや……だって」

少年「なんだよ?」

少女「そうなると……ずっと、前の席に座らないと……だめでしょ?」

少年「そりゃそうだけど」

友「………はぁ」

少女「……」

少年「それが嫌なのか?」

少女「……う、うん」

40: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:25:12.40 ID:ePq3SM+f0
女子「あ、いたいたー!!」

少年「ん?」

女子「ねえねえ、座席かわってくれない?」

少女「え……?」

女子友「かわってあげなよー。どうせ先生もみてないしさー」

少女「……そ、れは」

友「やめろ」

女子「なに?」

友「……」

少年「おい、どうしたんだ?」

友「お前ら、どういうつもりだ?」

女子友「なにが?」

女子「意味分かんないんですけど?」

少女「え……え……?」

45: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:29:39.53 ID:ePq3SM+f0
友「……」

少年「おい、どうしたんだよ?」

教師「おーい、あと五分だぞー!!」

女子「ねえ、代わってよ」

少女「……い、いや……」

少年「座席は話し合いで決まっただろ?文句言うなよ」

女子「だって、ねえ?」

女子友「隣の席にすわりたんだってー」

女子「もう、やめてよぉ!」

少年「はあ?仲のいいやつと隣になるほうがいいじゃん」

女子「だからじゃん」

少年「いや……」

少女「……」

友「お前らがくるとうるさいから俺はやだな」

女子「はぁ?あんたにはいってないし」

48: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:33:48.48 ID:ePq3SM+f0
少年「とりあえずそろそろ戻るか」

友「だな」

少女「……」

女子「―――なによ、あの子」

女子友「マジでむかつくよね。あの子の隣、強引に取った癖に」

女子「……まあ、いいか。あの子をあの席から移動させるなんて簡単だもんね」

女子友「あ、そっか。あの子、ゲロしそうなんだっけ?」

女子「そうそう。それを先生に伝えれば一発じゃん」

女子友「あははは。それ、いーね」


少年「とりあえず窓は開けとこうな?」

少女「でも、排気ガス……」

友「外の風にあたってるほうがいいって」

少女「……うん」

54: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:37:23.48 ID:ePq3SM+f0
―――バス車内

バスガイド「みなさん、そろってますかー?」

「「はーい」」

教師「おーし、点呼すっからちゃんと座ってろよー」

少年「大丈夫か?」

少女「ま、まだ……なんとも」

少年「でも、匂いでダメなんだろ?」

少女「うん……」

教師「うん。全員いるな。大丈夫です。出発し―――」

女子「先生!!」

教師「なんだ?」

女子「後ろの人が吐きそうになってまーす」

少女「……っ!?」

少年「え?」

友「……あの野郎」

58: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:40:41.62 ID:ePq3SM+f0
教師「そうなのか?」

少女「あ……あの……」

少年「実は―――」

友「すい、ません……マジで、やばいっす」

少年「?!!?」

教師「そうか。じゃあ、前に行こうな」

少年「お、おい……」

友「(ちゃんと世話してやれよ?)」

少年「はぁ……?」

少女「……」

女子「なに、あいつ……」

女子友「きしょ……」

バスガイド「では、出発しまーす」

68: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:45:31.36 ID:ePq3SM+f0
―――5分後

少女「…………」

少年「早速だな、おい」

少女「……ふ、く……」

少年「ああ、袋な」

少女「……うぅ……ぇ……」

少年「こりゃ、ぜったいに持たないな……」

女子「せんせー!!」

教師「どしたー?」

女子「後ろのあの子も気分悪いみたいですよー?」

少女「……っ!?―――おぉぉ」

少年「おい。大丈夫か?」

教師「わかった。ちょっと待て。すぐにいく」

少年「もう無理するなって。辛いだけだぞ?吐いた方が恥ずかしいだろうし」

少女「……ち、が……うぅ……うぷ……」

71: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:50:10.94 ID:ePq3SM+f0
教師「ほら、立てるか?」

少女「あ……ぅ……」

少年「なんだ?」

少女「………」

女子「せんせー、後ろ空いたみたいだから移動してもいいですか?」

教師「あー?まあ、いいけど?」

女子友「やっほー!!」

女子「いどうっいどうっ♪」

教師「ほら、前の席なら水もあるから」

少女「は、はい……うぅ……ぇ……」

女子「よっと!えへへー」

少年「なんだよ?」

女子「何して遊ぶ?」

少年「いや、なんでもいいけど……」

女子「じゃあ、トランプでもしよっか。負けた方が勝った方の言うことをなんでも聞くことにしてさ」

74: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:54:07.07 ID:ePq3SM+f0
少女「……うぅ……ぷぉ」

友「―――やろう」

教師「まさか、1時間足らずで二人も体調不良者がでたか」

バスガイド「大丈夫?」

少女「…………………」

バスガイド「この子は、相当ですね」

教師「ええ。水、飲むか?」

少女「は、うぅおぉぇ………」

友「はぁ……」


少年「―――これ。な!?ババかよ……」

女子「じゃあ、これっと!!」

少年「あ……」

女子「やったー!!私のかちー♪」

少年「あーあ……」

女子「じゃあ、なんでも言うこときいてね?……ふふふ」

78: 名無しさん 2011/10/09(日) 14:57:55.33 ID:ePq3SM+f0
友「……」

教師「酔い止めは飲んだか?」

少女「い、いえ……」

バスガイド「あの……君は大丈夫なの?」

友「え……あ、はい……」

教師「なんだ?水を飲みたくて前に来たのか?」

友「いやぁ……そういうわけじゃあ……」

バスガイド「ふふ。私の近くにきたかったのかな?」

友「そ、そんなことありませんよ!!」

少女「……ぅ」


少年「はいはい、なんでも言えよ」

女子「じゃあ、夜私たちの部屋に来てくれない?」

少年「なんで?」

女子「……いいじゃん」

少年「いや、よくねーよ」

83: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:02:20.83 ID:ePq3SM+f0
少女「……ふぅぉっ……!?」

友「あ!?大丈夫か!?」

バスガイド「袋を口にあてて」

少女「ふぅ……ふぅ……」

友「……はぁ……大丈夫か」

バスガイド「背中、さすってあげるね?」

少女「は、うぅ……ふぅ……はぁ……はぁ……」

バスガイド「車に弱いの?」

少女「……は、い」

バスガイド「もしかして、結構我慢してた?」

少女「………」

バスガイド「もう、すぐに言ってくれてないと」

少女「す、いません……おぉっぷ……!?」

友「うわぁぁ……もう限界か……?」

85: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:06:27.30 ID:ePq3SM+f0
女子「大丈夫。みんなで口裏あわせるから」

少年「いやいや、何するんだよ」

女子「なにって、一つしかないじゃん?」

少年「まくら投げか?」

女子「違う」

少年「なんだよ、言えよ」

女子「……気持ちいいことにきまってるじゃん」

少年「はぁ?」

女子「ねえ、いいでしょう?」

少年「いや、だから……」


少女「はぁ……はぁ……すぅぅ……はぁぁ……」

バスガイド「吐いた方が楽になるよ?」

少女「だ、だいじょう……ぶ、です」

友「先生、ちょっといいですか?」

教師「どうした?」

91: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:10:47.70 ID:ePq3SM+f0
女子「ねえねえ」

少年「別に俺は気持ちよくなんかなりたくねえし」

女子「そんなこといってぇ」

少年(なんだこいつ、うぜえ)

教師「おーい!!」

生徒「おい、呼んでるぜ?」

少年「え?はーい!」

教師「こいつが、お前に来てほしいらしいぞー」

友「せ、背中さすってくれー……うぅっぷ……」

少年「………」

女子「アイツ、仮病でしょ?ほっとこうよ」

少年「……しゃーねーなぁ。今行くから待ってろー!」

友「たのむー……」

女子「な……!?」

教師「おまえら、仲良いな!」

94: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:14:41.32 ID:ePq3SM+f0
少年「で、何の用だよ?」

友「背中……さすってくれぇ……」

少年「はいはい」

少女「……ぁ……」

バスガイド「へえ、仲良しさんなんですか?」

教師「いっつも一緒にいるよな、お前ら」

少年「まあ、家が隣だし」

友「親友です」

バスガイド「へえ、羨ましい」

少年「正直、助かったぜ。あいつがすげーうぜえんだ」

友「だろ?」

少女「……うぅっぷ……ぅぉおぉ……!?」

少年「おいおい、平気か?」

少女「……む、り……」

バスガイド「袋、口にあててなきゃ」

98: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:21:10.60 ID:ePq3SM+f0
女子「……むかつく」

女子友「ねえねえ、あんたも気分悪いふりしたら?そしたらもう……」

女子「そうねえ……どっちもむかつくし……でも、すぐにいったら変だから、ちょっと時間おいてみる」


少年「お前、もう吐けよ」

少女「………」

バスガイド「そうだよ?」

友「楽になるって」

教師「次の休憩までまだまだだしな」

少女「……い、いいの……?」

少年「いや、なんのために前に来たんだよ?」

少女「………………ふ……ぅぅ………」

友「あ、目そらせよう」

少年「見ないようにすっから、ごゆっくり」

少女「……………………うっ……………うぉ………うろろろぉっ!!」

―――ビチャビチャビチャ!!!

105: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:26:57.34 ID:ePq3SM+f0
少年(うわぁ……不快音……)

友(気分悪くなりそう……)

少女「はぁ……はぁ……うろぉろっ!!」

バスガイド「全部、出し切った方がいいからね?」

少女「ふぅ……ふぅ……うっ!?―――うっろろっ!!」

教師「次の休憩のときに酔い止めを用意してもらえますか?」

バスガイド「あ、はい。わかりました」

少女「はぁ……はぁ……はぁ……」

少年「……楽になったか?」

少女「………う、うん」

少年「唇に吐いたもんがついてるぞ」

少女「ご、ごめ……うふぅ!?……ごぶぅろろっ!!」

―――ビチャビチャビチャ!!

115: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:32:32.16 ID:ePq3SM+f0
少女「はぁ……はぁ……はぁ……」

少年「どうだ?」

少女「あ、あたまがぼぉっとしてる……」

少年「水、いるか?」

少女「あ、あの……あまり、近づかない方が……」

少年「なんで?」

少女「臭い……から……」

少年「気にしねえよ」

少女「……はぁ……はぁ……」

少年「ほら、水だ」

少女「あ、あり、がとう……」

少年「ゆっくり休んどけよ?まだ初日なんだから」

少女「う、ん……ごめんね?」

少年「はいはい」

バスガイド(いいなぁ……私もあんな子に優しくされたかったなぁ)

123: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:37:16.25 ID:ePq3SM+f0
―――20分後

少女「すぅ……すぅ……」

友「寝たみたいだな」

少年「俺も寝るかな……朝、早かったし……ふわぁぁ」

友「そうだなぁ……俺も―――」

女子友「せんせー!!たいへんでーす!!」

教師「どうした!?」

女子友「気分悪いっていってまーす!!」

教師「またか!?」

バスガイド「このクラスの子はバスに弱いのかなぁ?」

友「(おい、嫌な予感しないか?)」

少年「(言うなよ)」

教師「ほら、大丈夫か?こっちに座れ」

女子「す、すいません……うっぷ」

少年(きたか……!!)

126: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:42:16.06 ID:ePq3SM+f0
教師「じゃあ、お前は先生の横に座れ」

女子「あ、はい……ちっ」

少年「(前の席に座るのか)」

友「(ああ、よかったな)」

少女「すぅ……すぅ……」

女子「……あぁぁ」

少女「―――ふぐぅ!?!」

少年「お前!!なにそいつの上に倒れ込んでんだよ!!!」

女子「め、まい、よ……ごめんね?」

少女「い、いや……いい、よ」

女子「そう……」

少女「……ふぅ……ぅ……」

少年「おい、大丈夫か?」

少女「へ、へいき……」

友(ただでさえ体調が悪いっていうのに……!!)

133: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:48:56.46 ID:ePq3SM+f0
女子(どうにかして隣にいきたいな……)

少年「……」

少女「はぁ……はぁ……ふぅ……」

バスガイド「また気分悪くなってきたの?」

少女「だ、だいじょうぶ……で、ぅっお!?」

友「……」

教師「お前も酔い止め飲むか?」

女子「い、いえ、そこまで気分悪くないですから」

教師「そうか?辛くなったら言えよ?」

女子「は、はい」

少年「(なあ……同じこと考えてる?)」

友「(ああ……多分な)」

少年「(俺、もうちょっと我慢できねえわ)」

友「(流石にあんなことされるとな……嫉妬でも可愛い嫉妬と可愛くない嫉妬があるわけで)」

少年「(嫉妬……?それはなんのことかわかんねえけど、とりえあず今はすげー腹立ってる)」

139: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:53:05.76 ID:ePq3SM+f0
少女「ふぅ……ふぅ……」

バスガイド「大丈夫?」

少女「うぅ……はぁ……」

少年「おい、これ袋だ」

少女「あ、ありがとう……でも、もう出る物ないから……い、いらない……かも」

少年「いいから」

少女「う、うん?」

友「予備でこれもこれも、あとこっちのもあげる」

少女「こ、こんなにいらないよぉ……」

バスガイド「ちょっと、それは他の人の……」

少年「しーっ」

友「すいません、少しだけ協力してください」

バスガイド「え……?」

少女「な、に、するの?」

少年「いーから。いーから」

143: 名無しさん 2011/10/09(日) 15:57:08.38 ID:ePq3SM+f0
女子(チャンスがないなぁ……)

少年「よお、隣いいか?」

女子「え……!?うん!!いいよ!!座って座って!!」

教師「……」

少年「なんだ、元気そうだな」

女子「あ……す、すこし気分が悪いだけだし……」

友「(よぉし……)」

少年「まあ、無理するなよ?」

女子「うん」

友(おらおら)

女子「ん……?」

少年「どうかしたか?」

女子「ううん、別に」

女子(なんか少し揺れてるような……気の所為かな?)

友(ひゃっはー)

149: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:02:27.89 ID:ePq3SM+f0
バスガイド「(女の子の座席を後ろから小刻みに揺らしてる……)」

少女「(はぁ……はぁ……な、んの意味が……?)」

少年「―――へえ、そうのか」

女子「うん、そうだよ。それでねー」

友(俺のテクで昇天させてやんぜ)

女子(うっ……なんだろう……ちょっと、気分が……)

少年「どうかしたか?」

女子「う、ううん……何でもないよ?」

友(汚物は消毒だ~)

少年「で、その話はどうなるんだよ?」

女子「そ、それでね……うっ……ぷ」

少年「ん?」

女子「ご、ごめん……ちょ、まって……うぅ……」

少女「あ……」

151: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:07:16.21 ID:ePq3SM+f0
教師「どうした?」

女子「えと……その……」

少年「なんだ?」

友「なになにー??」

バスガイド「どうかしたのかな?」

女子「……うっ……!?い、や……あの……き、きぶんが……」

教師「水飲むか?」

女子「あ、はい……」

少年「あ、先生。俺のお茶のいいですよ。ちょっと待ってろ」

女子「え……い、いいの?」

友「優しいな、お前」

少年「まあな」

教師「お茶って……」

少年「―――ほら、飲め飲め」

女子「あ、ありがと……うぷっ……ゴク……ゴク……」

153: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:11:52.29 ID:ePq3SM+f0
少女(いいなぁ……私もお茶、飲みたいなぁ……)

女子「ふう……ありがと」

友(再開)

少年「いいっていいって」

女子「優しいんだね?」

少年「まあ、男としては当然だろ?」

女子「ねえ、さっきの話なんだけどさ……」

少年「ああ、あれか……」

女子「かんがえて……うぅっ……ぉぉお……」

友(んががががががが)

女子「っは……ぉおっ!?」

少年「おい?顔色、悪いぞ?」

女子「ちょ……は、はき……そう……」

友「まじでー!?やばいじゃーん!!」

バスガイド「……ああ、そういうことか」

156: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:16:28.51 ID:ePq3SM+f0
少女「あー……」

教師「おい、エチケット袋は?」

少年「え?もうないですよ?」

教師「そんなわけあるか」

友「だって、全部渡しちゃったし」

女子「え……?」

少女「……あ」

女子「ちょ……ひとつ、はぁ……ちょうだい……はぁ……」

少女「あ、う、うん―――」

少年「なら、ちゃんと言え」

女子「な、なにを……ううっ!」

少年「さっきはわざと倒れ込んでごめんなさい。もうしないから、エチケット袋をください。ってな」

少女「あ……あの……」

友「そうだぞ」

女子「……な、なんで……おぉえっ……」

163: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:21:41.45 ID:ePq3SM+f0
友(もうちょっとやっとくか)

女子「せ、せんせいからも……なにか……」

教師「……まあ、謝った方がよくないか?」

女子「!?」

少年「早く言えよ。吐くぞ?」

女子「ぐっ……」

少女「あの……別にそこまでしなくても……」

少年「お前がよくても俺が良くない」

少女「え……?」

少年「……俺は……」

バスガイド(いいなぁ……私もこんな子に惚れられてみたかったなぁ……)

女子「……はぁ……はぁ……」

少年「早く言え」

女子「うっぅぅ……ご、ごめん……も、もう、しないから……ふく、ろ……ちょう、だい……」

少女「ど、どうぞ……」

170: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:25:58.56 ID:ePq3SM+f0
女子「……………………うぅ…………ぉぉお………」

少年「よし。おい、耳塞いでおけ」

少女「あ、うん……」

友「俺も聞かないようにしないと」

少年「だな。もらいゲロなんてしたくないし」

友「おし」

少女「あ、の……」

少年「なんだよ?」

少女「あ、ありがとう……えへへ、ちょっと嬉しかった」

少年「ふ、ふん……別に……」

友「照れんなよ」

少年「照れてねーよ」

バスガイド(かわいい……)

女子「………うっろろっ!!!うろろっぉぉおお!!!!」

―――ビチャビチャビチャ!!!」

176: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:29:21.42 ID:ePq3SM+f0
女子「はぁ……はぁ……」

少年「大丈夫か?」

女子「お、おかげさまで……」

少年「おら、お茶だ」

女子「あ、ありがとう……」

少年「おかわり、いるか?」

女子「うん……いる」

少年「どんどん、飲んでいいからな」

女子「うん……」

女子(急に優しくなった……ふふ……やっぱり、私のことが……)

少女「……」

友「羨ましいって思ってる?」

少女「少し……」

友「でも、お茶をあんなに飲んじゃあ、ダメだよね。あいつ、さっきのサービスエリアではトイレに行ってなかったし」

バスガイド「え……!?」

192: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:34:26.44 ID:ePq3SM+f0
―――15分後

女子「……ん」

少年「いっせいのーで、さんっ!!」

友「あ!!ちょっと、そこで二つもあげるー?」

少女「だって……えへへ」

少年「な?」

友「てめえら……」

女子(ちょっと……おしっこしたくなってきたかも……)

女子「あの……」

バスガイド「ん?」

女子「つ、つぎのサービスエリアまでは……どれくらいですか?」

バスガイド「えーと……予定だと30分くらいかな?」

女子(30分……そ、それならなんとか……)

少年「あ、おい。お茶、いるか?」

女子「え……あ、う、うん……」

198: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:38:46.13 ID:ePq3SM+f0
―――5分経過

女子「……(モジモジ」

教師「どうした?」

女子「な、なんでも……ないです……」

教師「そうか?」

少女「はぁ……はぁ……」

少年「また気分悪くなったか?」

少女「ううん……大丈夫だから……少し、休むね」

少年「悪いな。無理に付き合わせて」

少女「いいって……楽しかったし」

少年「そっか」

友「んじゃ、俺と語り合おうぜ」

少年「やだよ。おまえ、いっつもアニメの話になるじゃん」

友「うっせーな」

女子(ちょ……これ……や、ばい……かも……)

206: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:43:40.97 ID:ePq3SM+f0
―――10分経過

女子(あ、あと15分……)

少年「そうだ。なんか面白い擬音でも言い合おうぜ」

友「ほお……面白い」

少年「何が良いかな……?」

友「じゃあ、あれは?水の音をよりリアルに表現しようぜ」

少年「おおー、なんかいいな。おし、やるか」

友「んじゃ、俺からな。―――しーっ……しーっ……」

女子「……!?」

少年「それ、ションベンじゃん」

友「そっか?」

少年「次、俺な。じょぼぼぼぼ……」

友「それもションベンじゃん!!」

少年「あははははは!!」

女子(……やだ……もう……げ、んかい……)

215: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:48:44.16 ID:ePq3SM+f0
女子「はぁ……はぁ……はぁ……」

少女「もう……恥ずかしいこと言わないでよ……」

教師「お前らは本当に馬鹿だな」

バスガイド「もう、ダメだぞ?」

少年「あ、すいません」

友「はーい」

女子「ふぅ……ふぅ……!!」

教師「ん?おい、どうした?すごい、汗だぞ?」

女子「はっ……ひ……」

バスガイド「だ、大丈夫?気分が悪くなったの?」

女子「ち、ちが……ちが……い……」

少女「ど、うかしたの?」

女子「はぁ……はぁ……サービス、エリア……まだ……ですか?」

バスガイド「えっと……あと10分ぐらい」

女子「じゅ……はぁ……くっ……!」

223: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:53:41.50 ID:ePq3SM+f0
女子(出したい……出したい……出したい……!!)

教師「お前……まさか」

バスガイド「(お茶、飲ませすぎたんじゃないの?)」

友「(はい。ちょっと反省してます)」

少年「……おい。席、移動できるか?」

少女「え……う、うん……」

友「そうだな。そろそろ、元のとこに戻ろうぜ」

バスガイド「……あ」

少年「この水筒、あいつが全部飲んだからもう空です」

バスガイド「い、いいの?」

少年「こいつにお茶もらいますよ」

友「へえへえ」

少年「先生もちょっと、後ろで俺たちと遊びませんか?」

教師「あ、ああ……そうだな」

女子「はぁ……はぁ……で、る……も、う……はぁ……ふぅ……!!」

232: 名無しさん 2011/10/09(日) 16:59:04.02 ID:ePq3SM+f0
―――サービスエリア

少年「ふう……やっぱ、外がいいなー」

友「だな」

少女「うん」

少年「もう体調いいのか?」

少女「少し体が重たい感じもするけど……酔い止めも飲んだし、もう平気だと思う」

少年「そっか……あ、じゃあ、あのさ……」

少女「ん?」

少年「……目的地に着いたら……一緒に……」

友(俺は!?)

少女「う、うん……いいよ」

少年「あ、ありがとう……」

友(俺は!?)

女子「―――はぁ」

女子(なんで好きな人の水筒におしっこしなきゃいけないのよ……さいてーじゃん……)

242: 名無しさん 2011/10/09(日) 17:04:42.32 ID:ePq3SM+f0
―――目的地 水族館

教師「じゃあ、2時間は自由行動だ。遅れずにここへ帰ってこいよ!!」

「「はーい」」

少年「じゃあ、行こうぜ」

少女「うん♪」

友「はぁ……バスにいようかなぁ……」

バスガイド「あれ?いかないの?」

友「もう……友達が……いないんです……」

バスガイド「へえ……あ、じゃあお姉さんと一緒に行く?少し待ってもらうことになるけど」

友「マジっすか?!いきます!!いかせてください!!」

バスガイド(ふふ……かわいい……やっぱり、いいわ……年下って)

少年「―――何から見る?」

少女「えへへ……君の好きなところでいいよ」

少年「好きな……ところか……んじゃ、このままでいいか―――目の前にいるし」

少女「……私も目の前にいるから……ここで……いいよ?」
                                      おしまい。