434: 名無しさん 2014/08/16(土) 23:40:02 ID:LBWTWeSo
嬢「あなたの家こそどうなの?」

男「俺の家は緩いだろうなー 姉ちゃんも大学行ってからたまに帰らない時あるし」

嬢「親は?」

男「んー........多少なりとも心配はしてるだろうけど....何か事件に巻き込まれたこともないし」

嬢「ん」

男「俺としては姉が家にいないと静かで嬉しいんだがな」

嬢「そうなの?」

引用元: ・お嬢様「......」ジーッ

435: 名無しさん 2014/08/16(土) 23:41:54 ID:LBWTWeSo
男「そうだよ 注文ばっかで自己中で馬鹿力だし」
 
嬢「........は」

男「は?」

嬢「私はあなたの家にお邪魔したことがない」

男「まあそりゃないな」

嬢「いつ」

男「?」

嬢「いつお邪魔すればいい?」

男「いやいつとか言われましても」

436: 名無しさん 2014/08/16(土) 23:53:52 ID:LBWTWeSo
嬢「むう」

男「まあ、そのうちな」

嬢「貴方の部屋に行きたい」

男「やめて」

嬢「きっと散らかっている」

男「い、意外と綺麗な方だぞ!」

437: 名無しさん 2014/08/16(土) 23:56:38 ID:LBWTWeSo
嬢「........んぅ、」

男「眠いんだろ」

嬢「ん そんなことはない」

男「目を擦りながら言うな」

嬢「........昨晩はあまり寝れなかった」

男「....ほう、どうしてだ?」

嬢「あなたと外泊すると考えていたら何故か眠れなかった」

男「あー、それは遠足の前日に寝れなくなっちゃう症候群ですな」

444: 名無しさん 2014/08/21(木) 22:57:59 ID:tglz6aPM
嬢「遠足は何をする?」

男「な、何って言われても....」

嬢「気になる 少し」

男「まあ学年の皆で遠出して友達増やしましょう....みたいなもん?」

嬢「....」

男「つってもあんまり良いもんじゃないぞ」

嬢「.......何故?」

男「暑い中登山したり、バスに酔ってゲロ吐く奴いたり」

445: 名無しさん 2014/08/21(木) 23:25:22 ID:tglz6aPM
嬢「でも楽しそう」

男「ま、前日の夜はそりゃワクワクしたよ」

嬢「楽しみだから?」

男「あぁ けど当日になるとそんなに楽しくなかったりな」

嬢「遠足は本当に家に帰るまでが遠足なの?」

男「またそんなの誰に聞いたんだよ....」

447: 名無しさん 2014/08/26(火) 20:58:06 ID:HTRKydm2
嬢「労災は家に帰るまでが労災らしい」

男「知らんがな....」

嬢「んぅ....」

男「おら寝るぞ」

嬢「ま、まだ起きれます隊長」

男「誰が隊長だ 明日起きれなくなるぞ」

嬢「む それは困るであります」

448: 名無しさん 2014/08/26(火) 21:37:10 ID:HTRKydm2
嬢「ここのベッドは狭い」

男「これが普通のサイズだけどな」

嬢「それに....」

男「どうした?」

嬢「何故ベッドが2つもあるの?」

男「そりゃツインルームだからだろ」

嬢「一つでいいはず」

男「........まあ、はい」

449: 名無しさん 2014/08/27(水) 00:24:41 ID:JKPF0QQE
嬢「む」

男「えーと....ね、寝ますか」

嬢「ん」

男「........」

嬢「........」

男「........わかったよ俺がそっち行きますよ」

嬢「んっ」

男「(っても一緒に寝るだけだしな....)」

450: 名無しさん 2014/08/27(水) 00:28:02 ID:JKPF0QQE
男「枕だけそっち持ってくか」

嬢「かもかも」

男「電気も消すぞ」

嬢「ん」

男「........なんか違うな、いつもと」

嬢「ベッドが狭いから」

男「十分な広さなんだよ 嬢の部屋のベッドが異常に広いだけだからな」

嬢「むぅ」

451: 名無しさん 2014/08/27(水) 00:32:03 ID:JKPF0QQE
嬢「........」

男「どうした?」

嬢「枕が変」

男「んー?いつもと違うからじゃないか?」

嬢「ん」グイグイ

男「な、なんだよっ....」

嬢「腕」

男「へっ?あぅっ、腕枕ってことか?」

嬢「....まあ」

男「なら最初からそう言う」

452: 名無しさん 2014/08/27(水) 00:44:49 ID:JKPF0QQE
嬢「すいませんであります隊長」

男「うむ」

嬢「腕頂戴であります」ギュウ

男「(枕にはしねえのかよ!)」

嬢「ねぇ」ギュウ

男「なっ、どした....?(右腕に幸せな感触が....)」

454: 名無しさん 2014/08/28(木) 00:23:45 ID:eA4yd9a6
嬢「明日は....たくさん、乗....る....」

男「うむ 乗ろう」

嬢「にゃむ........」

男「そして寝るぞ」

嬢「........」

男「............ツ(チュ」

嬢「ん........」

455: 名無しさん 2014/08/28(木) 00:43:57 ID:eA4yd9a6
そのころホテルのフロントでは

役員「な、なぜこの金額で駄目なのです!?」

白人「ノーノー プライスの問題チガイマース」

役員「え........?(ゴクリ」

白人「ミーは知りたいのデース」

役員「サ、サンスラックスさん....?(ま、まさかこの男....!)」

白人「アナタ達が密かに研究している“MSP”について....ネ!」ニヤリ

役員「(や....やはり!)」

456: 名無しさん 2014/08/28(木) 00:46:16 ID:eA4yd9a6


ーーー翌朝

男「起きろ」

嬢「........?」

男「朝だぞ」

嬢「....朝?」

男「朝だよ ってもまだ7時だけどな」

457: 名無しさん 2014/08/31(日) 23:56:12 ID:u8JXznoQ
嬢「ムニャ.... 何故....」

男「何故?」

嬢「....ニャ.......んで私より先に起きてるの?」

男「そっちが寝坊したんだろ」

嬢「しかも着替えている」

男「早起きしたからな」

嬢「男はズルい」

男「何故そうなる」

458: 名無しさん 2014/08/31(日) 23:58:54 ID:u8JXznoQ
嬢「........」

男「どうした?寝付けなかったのか?」

嬢「んーん」

男「そか」

嬢「何だか新鮮」

男「だなー どことなく落ち着かない」

嬢「........シャワーに入りたい」

男「そか 入ってこい」

459: 名無しさん 2014/09/01(月) 00:19:38 ID:I1LDG4SI


朝ご飯


嬢「食堂?」

男「あぁ」

嬢「たくさん人がいる」

男「朝はバイキングだからな まあホテルの朝食としては定番だよ」

嬢「あそこから選ぶの?」

男「そうだよ とりあえず席を確保しないとな」

461: 名無しさん 2014/09/06(土) 20:56:43 ID:DnjuQRd.

嬢「........」ジーッ

男「(めっちゃ悩んでる........)」

嬢「............」

男「俺は白米にして和で攻めよう」

嬢「む」

男「嬢はパンだろ?」

嬢「ん そうする」

462: 名無しさん 2014/09/06(土) 20:59:35 ID:DnjuQRd.
男「クロワッサンはもう残り少ないな」

嬢「ん」

オヤジ「お!ラスイチもーらい!」

嬢「っ......」

男「あっ」

嬢「.........」ジーッ

男「何故俺を睨むんだ」

嬢「トーストにする 最初からそのつもりだった」

男「ふーん」

嬢「むぅ」

464: 名無しさん 2014/09/06(土) 21:11:10 ID:DnjuQRd.
男「次はおかずだな」

嬢「ん」

男「すげぇ 冷しゃぶとかまであるのか......」

嬢「ん」

男「フルーツコーナーまでちゃんと専用であるのな」

嬢「私はそっちへ行ってくる」

男「わかった 席で集合な」

嬢「ん」

465: 名無しさん 2014/09/06(土) 21:21:23 ID:DnjuQRd.
ーーー スイーツコーナー ーーー

嬢「!!」

嬢「..........(....迷う)」

客「グラノーラにしよー」

嬢「んー......む!(キウイ....最後の一つ)」

嬢「(間に合っ....)」サッ

オバサン「あらやだキウイじゃなーい!」パシッ!

嬢「ッ!」

466: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:06:22 ID:DnjuQRd.
オバサン「キウイィィィ!!」

スタッフ「お客様、素手で掴まないでください!」

オバサン「ラスイチなんだからいいじゃなぃぃキウイィィィ!」

嬢「むぅ....」

オバサン「ウイッ!」チラッ

嬢「ッ!?」

オバサン「フッ......」

この時、嬢は本能で理解した
ここは戦場である
躊躇、迷い、欲、すべてが敗北に繋がるのだと......

467: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:19:55 ID:DnjuQRd.
嬢「ッッ.........」ブワッ

オバサン「!?」

スタッフ「!?」

ーーー厨房

料理長「!?」

見習い「ど、どうかなさいましたか?」

料理長「......この感じッー!」

見習い「?」

料理長「(また一人、目覚めたか......)」


嬢「むぅぅ」ジーッ!

スタッフ「!?」

468: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:23:11 ID:DnjuQRd.
スタッフ「あ、あれは!」

嬢「......」ジーッ

スタッフ「い、一瞬で広範囲を見渡している!」

スタンリッジ「それだけじゃない!」

スタルヒン「残りの個数や鮮度からバランス、距離、時間まですべて計算している眼だ!」

スタップ「そ、そんな一瞬でッ......」

嬢「.........」ジーッ

オバサン「見届けさせてもらおうじゃない」

469: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:28:08 ID:DnjuQRd.
嬢「んむむむ」ジーッ

男「おいっ」ペシッ

嬢「んにっ......!?」

男「なにボケッと突っ立てるんだよ」

嬢「わ、私は開眼したの」

男「はぁ?」

嬢「この眼で見渡せないものなどない」

男「あーはいはい」

嬢「む」

470: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:31:08 ID:DnjuQRd.
男「足りなかったりしたらまた取りに行けばいいだろ」

嬢「そしたら無くなる」

男「補充されるだろ まだ朝食が終わるまで2時間もあるんだぞ」

嬢「......むぅ」

スタッフ「新鮮なキウイフルーツ!まだまだありますよー!」ドサッ

嬢「あぅ」

男「あっ キウイが無くて呆然としてたのか」

嬢「ちち違う」

男「もしくはあのオバサンの皿に乗ってるキウイが最後のだったとか?」

嬢「むぅ........」

471: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:33:16 ID:DnjuQRd.



嬢「もうご馳走様なの?」

男「あぁ 食べ過ぎないくらいにしておく」

嬢「そう」

男「そっちこそエッグトーストとキウイだけじゃんか」

嬢「飲むヨーグルトも」

男「どちらにせよ少食だな」

嬢「ん」

472: 名無しさん 2014/09/06(土) 22:35:13 ID:DnjuQRd.




ゲスミーランド

男「朝からすごい人だな」

嬢「男」

男「なんだ?」

嬢「あれに乗る」

男「お、ジェットコースターか 良かったな」

嬢「? 乗る」

男「おう!良かったな!」ガクブル

嬢「む」

473: 名無しさん 2014/09/06(土) 23:17:04 ID:DnjuQRd.
男「でも結構並んでるんだなあ.......こりゃ他のしたほうが」

嬢「これがある」ジャーン!

男「....なんだコレ」

嬢「VIPパス」

男「これ確か買うと別で5000円くらいするやつじゃないのか?」

嬢「事前に貰っておいた」

男「資本主義万歳!お金で時間は買えたのか!!畜生!」

嬢「さ、乗る」

474: 名無しさん 2014/09/06(土) 23:20:00 ID:DnjuQRd.
男「こここここころの準備がッ!」

嬢「じゃあ3秒あげる」

男「短ぇー」

嬢「はい3秒」

男「早ぇー」 

嬢「乗る」グイッ

男「ちょっ!(腕組むんすかっ!?)」

嬢「........♪」

男「(ま、いっか)」

478: 名無しさん 2014/09/09(火) 23:48:16 ID:6CiDhzzQ




 ーーーー数ヶ月後

学校


嬢「男、帰る」

男「おう」

ーーー

美女「........」

女子「ねぇ!帰りにサイゼ寄ってこ!」
男子「いいよ!奢っちゃる!」
女子「やったぁー!」ダキー

美女「........」

男子「ヨウ!帰りにサウナ行くゾ!」
男子「オウ!負けたほうがウケだゾ!」

美女「........」

479: 名無しさん 2014/09/09(火) 23:54:41 ID:6CiDhzzQ
美女「............(二学期に入って....)」

男子「キャッキャッ」
女子「ウフフ」

美女「(文化祭が終わって......)」

美女「(増えたわね.......)」

男友「何してんの?」

美女「ウギョッ!?」

男友「残って勉強?」

美女「ま、まあ....そうよ」

男友「ふーん」

480: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:07:32 ID:BOa1zops
美女「あなたこそ....確か部活でしょ?」

男友「胴着忘れちゃってさ」

美女「あぁ、弓道部だったかしら?」

男友「同好会だけどね」

美女「ふーん....弓道とかアーチェリーとか、何が面白いのかしら」

男友「結局自分との勝負ってところ?」

美女「全く面白さが伝わってこないわね」

481: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:14:05 ID:BOa1zops
男友「うーむ ならやってみればいいのに」

美女「は?」

男友「暇なんでしょ?」

美女「ひ、暇じゃないわよっ」

男友「.......? そうには見えないけど」

美女「それに私 汗をかくのは趣味じゃないの」 

男友「そこまで汗かくと思う?」

美女「........ッチ」

482: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:19:36 ID:BOa1zops




美女「今更ながら....校舎の裏側には初めて来たわね」

男友「女子は柔道の授業無いんだっけ?第二体育館は武道場なんだよ」

美女「確かに男子はどこで柔道の授業をやっているのかと思っていたけど....」

男友「地下が柔道場だよ 声が聞こえるでしょ?」

美女「....まるで猛獣の檻ね」

男友「一階も武道場 こっちは合気道同好会とかも使うよ」

美女「合気道........ってたまに聞くけど柔道とかと何が違うのかしらね」

483: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:24:20 ID:BOa1zops
男友「まあ....そこはそっとしておいてあげよう」

美女「それで、上の階はどうなっているの?」

男友「その上の階こそが弓道場って話だよ」

美女「そう」


ーーーー

美女「結構な設備じゃない....これで同好会なのね」

男「昔は人数揃ってて、男子と女子で別々で部が成立してたらしい」

美女「ふーん 確かにトロフィーとかが飾ってあるわね」

484: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:26:36 ID:BOa1zops
先輩(女)「おう!男友!」

男友「あ、こんにちは」

先輩「おう!お前何だ横の美少女は!あれか?あれなのか?」

美女「あっ、えっと......」

男友「クラスメイトです 美女って名前ね」

美女「まあ、はい......」

先輩「うーん あれじゃないのかぁ」

485: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:29:28 ID:BOa1zops
男友「またちょっとした見学です」

先輩「おぉ!見学かぁ!」

美女「まぁ...そんなところでして......」

先輩「気品あるなぁ 弓道似合うよー絶対!な!?」

男友「そうですねー」

美女「(ムカつく棒読みね...)」

先輩「今入部届け持ってくるから!」

美女「!?」

男友「えっ」

486: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:32:24 ID:BOa1zops
先輩「確かあそこの棚に......」スタスタ

美女「えっちょっ!? 」

男友「あの人のペースにはまるとまずいよー」

美女「何で他人事なのよ!どうにかしてしなさいよっ!」

男友「わわわわかったって...」

487: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:35:54 ID:BOa1zops
先輩「あったどー!」

美女「あの」

先輩「印鑑ある?って無いよねぇー」

美女「あのっ!」

先輩「んお?」

美女「私そのまだ入部をするわけじゃ......」

先輩「仮入部ね!」

美女「いやだから」

先輩「胴着!胴着はー......あっ!男友が持ってきてたやつあるね!」

男友「......、あれすか」

先輩「いいか?一応は “ 大切な ” もんなんだろ?」

488: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:38:26 ID:BOa1zops
男友「まあ、処分するよりか誰かに再利用してもらえたらなーって感じで寄付したんで」

先輩「おぉ!なら早速着替えるか!」

美女「えっちょっっ!」

先輩「かまーん!」

男友「(なんちゅう強引なペースなんだ......)」

ーーーー

先輩「どうだ!?」

美女「えっ、あぁ、まぁ、はい」

先輩「うーん.....いいなぁ....あれだなぁ」

男友「お、サイズぴったし?」

489: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:40:56 ID:BOa1zops
美女「どうかしら?(胸が少しキツい....)」

先輩「おっぱいキツそうだな!平気かっ?」

男友「っ」

美女「へっ、平気ですっ!」

先輩「そうかぁ」

美女「今、チラ見したでしょ」

男友「断じてまだしてない」

美女「まだ じゃないわよ変態」

490: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:41:33 ID:BOa1zops
男友は友の表記にします

491: 名無しさん 2014/09/10(水) 00:43:41 ID:BOa1zops
先輩「にしてもいいなぁ ポニテ」

美女「そこですか」

先輩「髪も艶々でサラサラで纏め甲斐があるなぁ」

美女「はぁ」

友「汚すなよ」

美女「汚さないわよ」

先輩「よっし、着替えたところで私達だけでも始めるか!」

492: 名無しさん 2014/09/12(金) 23:29:23 ID:SBR2vDDw




2時間後

先輩「どう?面白いでしょ?」

美女「ま、まぁ....」

友「微妙って顔してるけど」

美女「してないわよっ 失礼ね」

先輩「よーし 着替えるかあ」

友「結局三人でしたね」

先輩「今日はしょうがない!ナッハッハハハハ」

493: 名無しさん 2014/09/12(金) 23:34:34 ID:SBR2vDDw
ーーー着替え終わって

先輩「じゃ!私は帰る!」

友「お疲れ様でーす」

美女「あ、ありがとうございました!」

先輩「バイバイ美女ちゃん!センスあるよー!」

友「......鍵は俺が職員室に返すのか」

美女「........」

友「メンドクサ」

美女「あっ」

友「?」

494: 名無しさん 2014/09/12(金) 23:37:57 ID:SBR2vDDw
美女「胴着はきちんとクリーニングして返すわね」

友「いや、いいよ別に」

美女「少し汗もかいてしまったし」

友「平気だって」

美女「あなたねぇ 乙女と言うものはそういうのを嫌がるものなのよ?」

友「えぇ....」

美女「....とは言っても、さっきの先輩との会話だとこの胴着は大切なものらしいけど........御姉妹でもいらっしゃるのかし?」

友「............」

495: 名無しさん 2014/09/12(金) 23:38:47 ID:SBR2vDDw
美女「胴着はきちんとクリーニングして返すわね」

友「いや、いいよ別に」

美女「少し汗もかいてしまったし」

友「平気だって」

美女「あなたねぇ 乙女と言うものはそういうのを嫌がるものなのよ?」

友「えぇ....」

美女「....とは言っても、さっきの先輩との会話だとこの胴着は大切なものらしいけど........御姉妹でもいらっしゃるのかしら?」

友「............」

美女「........?」

496: 名無しさん 2014/09/12(金) 23:42:28 ID:SBR2vDDw
美女「明日には返すわよ」

友「....わかったよ」

美女「........にしても、あなた」

友「?」

美女「前までは私に敬語だったのに......随分と馴れ馴れしいわね」

友「あー そうだっけ?」

美女「えぇそうよ」

友「まあそんなことはどうでもいいよ」

美女「なっ」

友「とりあえず胴着よろしく」

美女「.......(やっぱり、どうしても気にくわないわね)」

497: 名無しさん 2014/09/12(金) 23:46:10 ID:SBR2vDDw




その日の夜

美女「さて、胴着を洗わないと........」

母親「あらあら?それは....」

美女「ちょっと弓道部に体験入部したの 借りた胴着だから洗って返さないとね」

母親「女性用なのねぇ」

美女「それはもちろっ....ん........(待て待て、なんで友の奴が女性用の胴着を持ってるのよ)」

美女「(確か内側に名前を書く欄とかがあるはず........)」

美女「........」

美女「滲んで読めないけど........」

美女「名字はあいつと一緒ね......」

498: 名無しさん 2014/09/16(火) 18:03:40 ID:5QgdJ.I6
美女「(妹か姉ってところでしょうね)」

美女「ま、明日返せばいいだけだし」


ーーー翌日

男「ふぁぁ....」

美女「あら男君 ごきげんよう」

男「あぁ美女さん、ごきげんよう」

美女「嬢は一緒じゃ無いのですか?」

男「敬語じゃなくていいよ....嬢なら職員室だよ」

美女「そう....あなた達、二人仲良くゲスミーランドに行ったそうね」

499: 名無しさん 2014/09/16(火) 18:07:58 ID:5QgdJ.I6
男「ん、嬢から聞いたの?」

美女「えぇもちろん」

男「やっぱりゲスミーはすごね 興味無い俺でも楽しかったもん」

美女「そのようね 嬢が何度も何度も自慢してきて....」

男「そんな露骨にイラッとされても」

美女「けど嬉しいわ 嬢にちゃんと面倒見が良くて素敵な恋人が出来たことは」

男「はぁ」

美女「絶叫マシンが苦手であまり乗りたがらないなんて素敵じゃない」

男「うぐっ....(あいつ喋ったな....)」

500: 名無しさん 2014/09/16(火) 18:11:33 ID:5QgdJ.I6
美女「あ、そうそう男君 友君見なかった?」

男「友....?見てないなぁ」

美女「そう」 

男「何で?」

美女「昨日、流れで弓道部の体験に行ったのよ」

男「ほほう」

美女「それで借りた胴着を洗ったから返そうと思っていたの」

男「なるほど....変な先輩いなかった?」

503: 名無しさん 2014/09/22(月) 02:15:23 ID:XcO.5ORI
美女「とても陽気な女性の先輩なら....」

男「あの先輩には気をつけた方がいいよー」

美女「な、何故?」

男「あの人のペースは人を巻き込む何かがあるからね....」

美女「それは言えているわね 私なんて流れで入部させられそうになったもの」

男「俺も一応入部?入会?届けは書いたけど幽霊部員だなー」

美女「書いたのでは無く、まんまと書かされたんでしょう」

男「まあ」

504: 名無しさん 2014/09/22(月) 02:23:47 ID:XcO.5ORI
美女「友君は経験者なのかしら?」

男「んー ........そりゃあね」

美女「? どうかしたの?」

男「友から聞いてないの?」

美女「....あまり変な勘違いをされても困るけど、私は別に彼と仲が良いというわけでは無いのよ?」

男「そか(あいつ、話してないのか....)」

美女「私の理想はまず第一に経済力なの」

男「経済力ですか」

505: 名無しさん 2014/09/22(月) 02:29:45 ID:XcO.5ORI
美女「未だにガラケーを使っていて、お昼ご飯もまともに買えない殿方は論外なの、わかる?」

男「そ、それはまあ友には友なりの事情があるんじゃないかなー?(大有りなんですがね)」

美女「まぁそれは誰にだってある事よね」

男「節約しているだけかもしれないし」

美女「確かに無駄使いは関心しないわよ」

男「友の奴はしっかりしてるからさ その、お金無いなりに考えてるんだよ」

美女「....どちらにせよ経済力に乏しいのは明白でしょう」

506: 名無しさん 2014/09/22(月) 02:34:49 ID:XcO.5ORI
男「なんだかなー」

美女「な、何....?別に私は男性にカネカネ言いたいわけじゃないのよ?」

男「美女さんの求める経済力のある男性像ってどんな感じなの?」

嬢「デートは男の奢りが基本」

男「うおっ!?きゅ、急に出てくるなよっ...」

507: 名無しさん 2014/09/22(月) 02:37:31 ID:XcO.5ORI
美女「ちょっと!また変なこと言わないでくださる?」

嬢「いつも言ってるくせに」

美女「あ、あくまで理想の話なのっ!」

嬢「恋人に車で送り迎えしてほしいくせに」

美女「い、いいじゃないっ!」

嬢「高校生には無理」

美女「うるさいわね」

嬢「夜景の見えるレストランで告白されたいとか言ってた」

男「へぇー」

508: 名無しさん 2014/09/22(月) 03:00:00 ID:XcO.5ORI
美女「ちょっ」

嬢「初めては結婚するって決めた人としかモゴッー!?」

美女「オッホホホホ ん嬢さんってばぁー」

嬢「モゴゴゴ」

男「仲良えな.......」

嬢「ンハッ....美女は変なところの理想が高い」

美女「理想高くてこそ理想なのよ?」

男「確かに」

509: 名無しさん 2014/09/22(月) 03:03:56 ID:XcO.5ORI
美女「そういえば、男君の理想ってどんな女性なのかしら」

男「えっ」

嬢「む」

美女「ウフフフ 気になるわねぇ」ニヤリ

男「え、えぇ....(クソ、上手く話を切り替えられた!)」

美女「どうなの?」

男「そ、そりゃあ、ねえ」チラッ

嬢「む」

美女「誤魔化さないの 具体的によ具体的にっ!」

510: 名無しさん 2014/09/22(月) 03:07:36 ID:XcO.5ORI
男「いやまあ....嬢さんのようなですね....」

美女「嬢のような?」

男「え、えと....」

美女「具体的にどのような?」

嬢「........」ジーッ

男「あわわ」

511: 名無しさん 2014/09/22(月) 03:20:17 ID:XcO.5ORI
美女「あら?あらら?具体的には何も無いようね....」

嬢「むぅ........」ジーッ

男「あ、あるっ!あるってば!」

美女「どんな」
嬢「ところ?」

男「えとえとえーっと(ええい頭がグワングワンしてきた!)」

男「(もう思ったこと全部言ったるわ!)」

512: 名無しさん 2014/09/22(月) 03:41:09 ID:XcO.5ORI
男「えと、まずが細くて柔らかくて光を浴びると赤茶に映える髪がすごくいい
それに伸ばしっぱなのもいいけどたまに髪を後ろで束ねたりお下げにしたりするのがまた凄い似合うから最高
線が綺麗で切れ長な二重なのにジト目見つめてくるのがたまらん というか瞳が本当に綺麗
艶のある唇を尖らせて小さく溜め息するあの仕草も好きだ
肌も色白できめ細やかで、手とか握ると冷たくてスベスベで小さいのに力強く握り返してくるところも嬉しい
運動が苦手な見た目で本当に運動音痴なところも男からしてみれば可愛いし、線が細い体だけど出るところは出てるし....
それと勉強も出来るし一度聞けば大抵のことは覚えられるのは本当に凄いと思う なにより上達が早い
料理とか最初はダメダメだったよにいつの間にか出来るようになってきて、味も俺好みに合わせてくれるとかはっきりいっていい嫁になれると思うそれとッー」

美女「あぁぁぁもういいっ!もういいでーっす!」

嬢「........」

男「ハァハァ....え?」

美女「もうお腹いっぱいだから!なんか聞いてるこっちが恥ずかしいわよっ!もう!」

513: 名無しさん 2014/09/22(月) 03:53:33 ID:XcO.5ORI
美女「ほら見なさい!嬢なんてフリーズしちゃってるじゃない!」

嬢「にょ」

男「そっちが言わせたくせに.......」

美女「まったく羨ましい限りのカップルですこと」

男「あ、やっぱり羨ましいんだ」

美女「......あなた達に関しては、ね」

男「?」

美女「見ていて不快になるカップルと、そうでないカップルっていないかしら?」

男「それはわかる気がする」

美女「あなた方は断然後者ね 公衆の面前で見せびらかすようにイチャイチャはしないし」

514: 名無しさん 2014/09/22(月) 04:00:14 ID:XcO.5ORI
男「普通に接してるだけなんだけどなあ」

美女「嬢も言っていたけど、あなたのような雰囲気は嬢に合っている気がするわ」

男「それ、なんとなくでしょ?」

美女「えぇなんとなく だけれどその“なんとなく”って....きっと重要なんでしょうね」

557: 名無しさん 2015/03/12(木) 22:37:05 ID:1AcvCZ0U






嬢「ねえ」

男「ん?」

嬢「あなたの家に行きたい」

男「えっ」

嬢「明日」

男「あぁあぁぁぁしたぁ!?」

嬢「ん」

558: 名無しさん 2015/03/12(木) 22:39:41 ID:1AcvCZ0U
男「あ、明日とか急に言われても」

嬢「いつ」

男「えぇ...っと.....」

嬢「じゃあ来週」

男「来週すか」

嬢「ん」

男「わ、わかった...」

559: 名無しさん 2015/03/12(木) 22:47:39 ID:1AcvCZ0U
─────翌週

嬢「今日」

男「わかってるって」

嬢「ねえ」

男「どうした?」

嬢「たくさん荷物がある」

男「何故」

嬢「何を持っていくか吟味していくうちに持ちきれないくらいになった」

男「必要なモノだけでいいんだぞ?」

嬢「枕 パジャマ 歯ブラシ」

男「うんうん」

560: 名無しさん 2015/03/12(木) 23:15:25 ID:1AcvCZ0U
嬢「お勉強道具 それと洗濯機に掃除機とお暇ができたらいけないからゲーム機」

男「えっ」

嬢「それと簡易型プラネタリウム あとお料理用具とあっ、なら電子レンジとかオーブンとかも」

男「え何引っ越し???洗濯機??掃除機???」

嬢「ないと困るかも」

男「困らねぇって!」

嬢「むう でも」

男「とりあえず嬢の家に迎えに行くからな」

嬢「ん」

男「(洗濯機なんて持ってこられても...)」

594: 名無しさん 2015/06/29(月) 02:03:27 ID:zbOnlYHM





男「ハァ....」

嬢「男の家」

男「まあ」

嬢「? 入らないの?」

男「い、いやまぁその......(あぁなんか緊張するし)」

嬢「?」

男「......じゃ、入るか」

嬢「ん」

男「ただいまー」

嬢「お邪魔します」

595: 名無しさん 2015/06/29(月) 02:07:39 ID:zbOnlYHM
男母「あっらー!いらっしゃぁぁぁいい!!!」

男「(案の定のテンションですよ...)」

男姉「遅いじゃないのヘタレー!」

男「うげっ(帰ってきてんのかよ...!)」

嬢「初めまして 嬢と申します」ペコリ

男母「うふふ」

男姉「うふふふ」

嬢「?」

男「な、なに笑ってんだよ二人とも」

男姉「初めまして嬢ちゃん 私は男姉でーす!」

嬢「男のお姉様」

男姉「お、お姉様だなんて!」

596: 名無しさん 2015/06/29(月) 02:12:24 ID:zbOnlYHM
男「ほ、ほらとりあえず荷物置きに行くぞ」

嬢「ん」


男の部屋

嬢「......!」

男「な、なんだよ」

嬢「男の部屋」クンクン

男「え、く、臭い?」

嬢「んーん」ブンブン

男「そ、そうか」ホッ

嬢「男の匂いがする」スンスン

男「??」

嬢「うん」グッ

男「いやグッじゃなくて」

597: 名無しさん 2015/06/29(月) 02:17:04 ID:zbOnlYHM
嬢「男もベッド」

男「前までは布団だったけどな」

嬢「ベッドの下にはイケナイ物があると聞いた」

男「ねーよ」

嬢「むう 机の引き出し?下から二段目?」

男「ねーって てかなんだその無駄に鋭い勘は!」

嬢「興奮する」

男「そ、そうなの」

嬢「今晩はこのベッドで寝る」

男「ま.....まぁ....そりゃあな....」

嬢「楽しみ」

男「.....おう」

598: 名無しさん 2015/06/29(月) 02:22:11 ID:zbOnlYHM
男母「さささ!食べて食べて!」

男姉「いただきまーす!」
嬢「頂きます」ペコッ
男「イタダキマス....」

男姉「っにしても男にこんな可愛い彼女ができるとはねえ」

男「っぐ」

男母「もう宝くじとか絶対当たらないわよねぇ」

男姉「嬢ちゃんさー、後で一緒にお風呂入ろうよ!」

男「うぉぃ!」

嬢「いいんですか?」

男姉「もっちろん!うちはお風呂だけは広いんだよ!」

男「(嬢の家と比べたら広くはないけどな...)」

嬢「わかりました」

599: 名無しさん 2015/06/29(月) 02:27:24 ID:zbOnlYHM

食後

男姉「おっ風っ呂 おっふろー!」

男「変なことするなよ」

男姉「っへ!そっちはいつもしてるくせに」

男「してないんだなそれが」

男姉「げに?(マジ?)」

男「嬢の奴だってそっちの耐性無いんだからあんまり変なことしないでくれよ?」

男姉「はぇー.....今日がロスバージンというわけですか.....」

男「いやいやちょっと待て」

男姉「ほらほら覗きはダメですよー!あっち行った行った!」

男「ハァ.....」

618: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:05:30 ID:5HSEY8ks
男「......な、なんか緊張してきた」

男「.....................」

男「いやいや流石にないよな 今まで嬢の家で何も無かったわけだし」

男「.............」

男「...............ゴクリ」

男「.............あるかな...........」


━━━━━━浴場

男姉「へぇー ふぅぅぅぅん」ジーッ

嬢「?」

男姉「嬢ちゃんスタイルええのぉ」

嬢「ありがとうございます」

619: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:15:37 ID:5HSEY8ks
男姉「(私より胸大きいのにお尻小さい....)」

嬢「?」

男姉「にしても男にもこんな可愛い彼女がねぇ.....男にねぇ.....」

嬢「可愛い....」

男姉「嬢ちゃんって女子中だったんだよね?」

嬢「はい」

男姉「そっかそっか 嬢ちゃんから告ったんだっけ?」

嬢「いえ 男からです」

男姉「はぇー...男も身の程知らずだね」

━━━━━居間

男「ブエックショ!ックション!」

620: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:22:48 ID:5HSEY8ks
男姉「で、嬢ちゃんがOKしたのね」

嬢「まぁ」

男姉「どんな告白っだったの???」

嬢「むぅ....私がいないと駄目.....みたいな」

男姉「ブッフォッ!」


男「ックション!ブェックショイ!ハックショ!!」


男姉「ちょ、、、それマジ!?」

嬢「男は私のことが好き です」

男姉「うんうん」

嬢「だから男は私がいないと駄目」

男姉「うん...うん?」

嬢「です」

男姉「(あー、この娘ちょっとアレなのね.....まぁ男なら大丈夫か)」

嬢「」

621: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:23:44 ID:5HSEY8ks
あぁーケツ毛剃ったらめっちゃ痒いすまんチクチク痒いわごめん

623: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:32:55 ID:5HSEY8ks


男姉「っしゃー!」

男「お」

嬢「お待たせ」

男「随分と長かったな」

男姉「色々話していたからねえ」

嬢「ん」コクリ

男「えぇ」

男姉「ヌッフフフフフ 男もやるねぇ」ニヤニヤ

男「な、なんだよその顔」

男姉「まぁ嬢ちゃんを大事にしなよ」ニヤニヤ

男「ック......ムカつく顔しやがって」

嬢「お義姉様、ドライヤーを貸してください」

男姉「あいよっ!」

男「ギギ義??」

624: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:37:00 ID:5HSEY8ks
男「ったく 俺も入ってこよ」


━━━━脱衣所

男「.............」ヌギヌギ

男「(あぁぁぁああぁぁぁっぁもうこれ上がったら寝るんだよな)」

男「(嬢の家の時とまったく雰囲気が違う!!)」ヌギ

男「(一緒に寝泊まりなんて嬢の家でしてたじゃねーか!)」ヌギ

男「(.....な、なんか変な妄想しちまう)」ムク

男「(だが......嬢はそういうのに耐性無いだろうし...てか絶対無いだろ)」ヌギヌギ

嬢「ねえ」ガチャ

男「」

嬢「!」

625: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:49:28 ID:5HSEY8ks
男「」

嬢「......」ジーッ

漢「」

嬢「お風呂上がりに梨食べる?」ジーッ

男「」コクン

嬢「ん」ジーッ

男「なに」

嬢「男、服着てない」

男「あい」

嬢「風邪ひく」

男「あい 入る」ガチャ

嬢「むぅ」

626: 名無しさん 2015/09/11(金) 22:54:11 ID:5HSEY8ks





男「はいあがりました」

男姉「おっそーい」

男「あい」

嬢「ん」

男「梨か、ありがとう」

嬢「ん」ジーッ

男姉「なーに?のぼせたの?」

男「....少し」

嬢「平気?」

男「へーきへーき!」ヤケクソ

627: 名無しさん 2015/09/11(金) 23:01:43 ID:5HSEY8ks




男姉「んぐあぁぁぁ 眠ッ.....そろそろ寝るよ私は....」

男「もうこんな時間か」

嬢「ん」

男姉「そんじゃお二人さんまた明日.....」

嬢「お休みなさいませお義姉様」

男姉「お休み嬢ちゃん.....明日はお化粧について色々やろうね」

嬢「はい」

男「とっとと寝ろ」

男姉「ンニャ.....痛かったら途中でもやめるんだよ?」

嬢「?」

男姉「男も優しく丁寧ねぇー ムニャ....」

男「あぁもう!いいからほら部屋戻れって!」



636: 名無しさん 2015/09/22(火) 01:53:30 ID:puRtdg36
男「さて.......」

嬢「?」

男「俺たちも部屋戻るか」

嬢「ん そういえば」

男「ん?親父か?」

嬢「ん」コクン

男「出張中なんだなコレが」

嬢「そう」

男「一家を支えるために飛んで回るんですよ」

嬢「男もそうなる?」

638: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:04:47 ID:puRtdg36
男「お、俺!?」

嬢「どこかに行ってしまう?」

男「い、いや......仕事は仕事なんだろうし...」

嬢「そう......」ションボリ

男「どどどこにも行かないって」

嬢「!」

639: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:09:00 ID:puRtdg36
男「ていうかただの出張だし」

嬢「むぅ」

男「単身赴任ならまだしも週末家空けてるだけだぞ」

男「それに母さんも『今週はあの人家いないからいいわぁー』って言う始末だし」

嬢「私は男がいないと寂しい」

男「はい」

嬢「だから何処にも行かないでほしい」

男「う、うんわかった わかった......」

男姉「プークスクスwwwwwwwwwwwwwww」ジーッ

男「嬢もう部屋戻ろう!なっ!」グイ

嬢「あぅ」

640: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:17:31 ID:puRtdg36
男の部屋

男「ふう」

嬢「男の部屋」

男「改めまして俺の部屋です」

嬢「んん」スンスン

男「嗅ぐな」

嬢「男の部屋の匂いがする」

男「今日初めて来たくせに」

嬢「.......あれは?」キョロキョロ

男「あれは野球選手のサインだ」

嬢「落書きかと思った」

男「.......」

嬢「あれは?賞状?」

641: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:23:20 ID:puRtdg36
男「あれは俺が小学生3年生のころ100Mを2分以内で泳ぎきった時に貰ったやつ」

嬢「? すごいの?」

男「三年生にしてはな!」

嬢「そう」

男「えぇ別に対してすごくは無いですよ」

嬢「!!!」

男「ど、どうした」

嬢「あれは?」

男「うっ(卒アル発見しやがった)」

嬢「ねぇ」

男「.....卒...アル...です」

嬢「見たい」

642: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:28:18 ID:puRtdg36
男「えぇちょ、待っー」

嬢「駄目?」ジーッ

男「いやぁ恥ずかしいだろ なんか」

嬢「?」

男「なんだよその目は」

嬢「男でも恥ずかしい時がある?」

男「当たり前だろ」

嬢「そう」

男「さっきの風呂場の時といいめっちゃ恥ずかしかったわ」

嬢「ん」

男「固まるなよ」

嬢「見る」

男「わかったわかったわかったよ.....ほら」

嬢「小学生の男...」ゴクリ

男「溜飲すな」

643: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:40:26 ID:puRtdg36
男「えっと俺は」

嬢「めっ 私が見つける」

男「(こ、この女....!)」

嬢「必ず見つけ出す...!」

男「(いつに無くマジだぜ....!!)」
嬢「..........................................」
男「......」
嬢「..........................................」
男「(さっきから2組見てるけど俺3組......)」

嬢「男」

男「どうした」

嬢「男はもしかしてその...不登校.....?」

男「次も見ろ!」ペラッ

嬢「!」

男「3クラスあるんだって」

嬢「むう 初耳」

男「そりゃそうでしょう」

644: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:44:56 ID:puRtdg36
嬢「!」

男「はい」

嬢「男?」トントン

男「そうだよ俺だよ」

嬢「......可愛い」

男「やめろ」

嬢「これは......女さん?」

男「あぁ小中高って一緒だからな」

嬢「羨ましい」

男「はい?」

嬢「小さい頃の男を知ってる」

男「あぁ.....なるほど」

645: 名無しさん 2015/09/22(火) 02:52:46 ID:puRtdg36
男「ま、俺も嬢が小学生の時どうだったか気になるけどな」

嬢「む」

男「(きっと天使だったんだろうな...)」

嬢「この写真」

男「ん?」

嬢「女の子と二人三脚してる」ジロッ

男「小6の時の運動会だな」

嬢「.....好きだった子?」

男「なんでそうなる」

嬢「二人三脚は....夫婦!」

男「あぁもう別にこの子とは何も無いって!」

嬢「ん」

646: 名無しさん 2015/09/22(火) 03:03:37 ID:puRtdg36




男「えっと、そろそろ寝るか?」

嬢「ん まだ」

男「眠そうだぞ」

嬢「......夜はこれから」

男「え、えぇ?」

嬢「ンニャ...」

男「(ま、俺もちょっと期待したけど)」

嬢「.....じぇん然眠くにゃう」

男「今にも落ちそうだぞ」ナデナデ

嬢「んぅ ずるい」

男「風邪ひくからベッド入ろうぜ」

嬢「あい」

647: 名無しさん 2015/09/22(火) 03:28:25 ID:puRtdg36



男「(ベエエエエエエエエエエッドイン!)」

嬢「zzz」

男「(ま、こんな時間じゃ寝ますよね)」

嬢「zzz」

男「(クッ...バカみたいに緊張したせいで眠れん...)」

嬢「寝れない?」パチクリ

男「っっー!.....い、いきなりびっくりするだろ」

嬢「むぅ 私も寝付けない」

男「そりゃ嬢の家のベッドと質が違うからな」

嬢「んーん なんか、......ソワソワ?する」

男「ソワソワしますか」

嬢「ん する」

648: 名無しさん 2015/09/22(火) 03:45:52 ID:puRtdg36
嬢「昨晩も眠れなかった」

男「何でだよ」

嬢「男の家にお泊まりするから......」

男「(おいおい遠足かよ)」

嬢「色々想像していたらあまり眠れなかった」

男「想像?」

嬢「......ん」ジーッ

男「(暗くてよく見えないが物凄く見られている気が...)」

嬢「.......」ジーッ

男「なんだよ」

649: 名無しさん 2015/09/22(火) 03:51:26 ID:puRtdg36
嬢「てっきり」

男「?」

嬢「襲われるものだと」

男「あぁ......はい......」

嬢「覚悟していた」

男「いや、まぁ、うーん、はい」

嬢「動揺してる」

男「してますよ はい」

657: 名無しさん 2015/10/18(日) 00:46:02 ID:j2XMY.no
嬢「..........」

男「..........」

嬢「..........」

男「(こ、ここはやはり俺から手を出すべき場面なのか....!)」

嬢「..........」

男「(え、え、えっとやっぱりまずキスから?だよな)」

嬢「.......zzz.....zzz.......」

男「.........えっ?」

嬢「スゥー.....zzz.....スゥー....zzz....」

男「...........ブフッ 寝てやんの」

嬢「ムニャ......」

男「(心の底から可愛い奴...)」

658: 名無しさん 2015/10/18(日) 00:51:13 ID:j2XMY.no
男「ま、急ぐ必要なんてないからな」

嬢「....男......ンニャ.....」グイッ

男「(胸が腕に!!)」
男「これが....生殺し.....」

嬢「ムニャ......」

男「おやすみ」ナデナデ

嬢「オッケーイ!!セカンショート!ゲッツー体制よ!!!」

男「俺も眠くなってきた....」

659: 名無しさん 2015/10/18(日) 00:58:23 ID:j2XMY.no

翌朝

男「嬢」

嬢「...........ッ.........にょ.....」

男「朝だ」

嬢「............なぜ?」

男「何故?何故って朝だから朝なんだが」

嬢「また、先に起きられてしまった」

男「まあ俺の家だし」

嬢「寝顔 見た?」

男「たっぷりな」

嬢「あぅ」

男「そう不貞腐れないでくれよ」

嬢「なら貴方も今ここで寝顔を晒すべき」

男「いやそんなこと言われても...」

嬢「不公平不平等の撤廃にはそれしか方法は無い」

660: 名無しさん 2015/10/18(日) 01:07:57 ID:j2XMY.no
男「これは実力で勝ち取った寝顔なんだ」

嬢「むう」

男「嬢の家では嬢の方が早く起きれること多いじゃん」

嬢「恥ずかしい」

男「可愛かったぞ」

嬢「涎垂れてなかった?」

男「ナイナイ」

嬢「寝言は?」

男「ナイナイ」

嬢「変な所触った?」

男「ナ・・・・イナイ」

嬢「む」

661: 名無しさん 2015/10/18(日) 01:12:02 ID:j2XMY.no
嬢「セクシャルハラスメント」

男「違っ」

嬢「寝込みを襲われてしまった」

男「嬢が俺の腕に抱き着いてきたんだろ」

嬢「む」

男「不可抗力だ」

嬢「......もう朝」

男「寝ちゃったからな」

嬢「....男はしたかった?」

男「ゴッフォ!?な、なにをだ?」

662: 名無しさん 2015/10/18(日) 01:15:12 ID:j2XMY.no
嬢「そういうこと」

男「したくないって言ったらウソになるけどな」

嬢「ん」

男「別に焦って早歩きする必要、俺達には無いだろ」

嬢「ん」

男「これからもまた泊まりに来るんだろ?」

嬢「.......貴方は、」

男「?」

嬢「貴方は私の事が好き」

男「そ、そうですね」

嬢「困ったものです」

670: 名無しさん 2015/11/08(日) 00:51:33 ID:veMcNEtc







嬢「ショッピングモール?」

男「そ、暇つぶしにはちょうどいいかなーって」

嬢「買い物をするの?」

男「デパートってわかるだろ」

嬢「ん」

男「それのまぁもっと規模の大きい施設と言えばわかりやすいな」

嬢「聞いたことはある 田舎唯一の娯楽施設」

男「おいやめろ怒られるぞ」

671: 名無しさん 2015/11/08(日) 00:55:50 ID:veMcNEtc

・・・・バスの中

男「そういや嬢って服とかはどこで買うんだ?」

嬢「たまに母と買いに行く」

男「へぇ(きっと高いところなんだろうな)

嬢「男は?」

男「俺?俺は適当に...」

嬢「私が貴方に似合う服を買う」

男「い、いやいいよ」

嬢「任せて」

男「いやいい」

嬢「男はケチ」

672: 名無しさん 2015/11/08(日) 00:59:51 ID:veMcNEtc

男「ここが去年できたイヲンモールだよ」

嬢「学校より大きい」

男「そりゃあな」

嬢「人が多い」

男「土曜日ですから」

嬢「ん」

男「じゃ、行こうぜ」ギュ

嬢「.....!」

男「はぐれたら面倒だからな」

嬢「確かに男はすぐ迷子になる」

男「君がね」

673: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:03:12 ID:veMcNEtc
男「ここらへんはアパレルが多いな」

嬢「ん」

男「こっちはー って........ん?」

嬢「....」ジーッ

男「気になるのか?」

嬢「ここは何?」

男「無印良品だよ」

嬢「むじるし?」

男「雑貨メーカー?みたいなもんだ 見た目が質素なのが売りの店だよ」

嬢「ん」

男「気になるのか?」

嬢「ん」

674: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:07:14 ID:veMcNEtc
嬢「このクッションは何?」

男「これか?このクッションに座るとケツと体重に合わせて沈むんだよ」

嬢「....?」

男「だからー これに腰を掛けると変形してイスみたいになるんだって」

嬢「座ってみて」

男「えっ」

嬢「ん 実演」

男「(結構周りに人がいて...)」

嬢「早く」ワクワク

675: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:09:34 ID:veMcNEtc
男「.....見てろよチクショウ それっ ボフッ」

嬢「.....」

男「.....」

周り「......」

男「.....ま、こういうことです」

嬢「男」

男「なんだ」

嬢「早く立ち上がったほうがいいと思う」

男「......知ってる」

676: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:12:22 ID:veMcNEtc

お昼

嬢「食堂?」

男「あぁ 二階はフードコートなんだよ」

嬢「?」

男「レストランなら一階にあるけど」

嬢「んん こっちがいい」

男「へ そうなんか?」

嬢「楽しそう」

男「ならいいけど...」

677: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:15:03 ID:veMcNEtc
夕方

男「もうこんな時間か」

嬢「....」

男「そろそろ帰らないとな」

嬢「....」

男「ほらこれ」

嬢「?」

男「ちょっと早いけどマフラーだよ 買っておいた」

嬢「私に?」

男「他に誰がいるんだよ」

嬢「ん」

男「まだこれが必要になるのは先だけどさ」

嬢「嬉しい」

678: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:18:53 ID:veMcNEtc
嬢「私は貴方に何も買ってあげていない」

男「いやいいって 俺がいつものお礼に買っただけだし」

嬢「....」

男「そろそろ帰らないとさ」

嬢「なら貴方が私の家に泊まりにくればいい」

男「いやそうはいかないでしょう嬢さん...」

嬢「明日は日曜日」

男「急すぎますよ」

嬢「貴方のお母様とお姉様にはライン送る」

男「そうは言っても.....ッッッッえ?」

嬢「?」

男「今何?らいん?えっ?おっおおおっお送る?」

嬢「ん 昨日交換した」

679: 名無しさん 2015/11/08(日) 01:30:48 ID:veMcNEtc
男「おま、ラインやってないだろ」

嬢「お姉様が何やら設定していた」

男「グッッ!!!!くそめ!!」

嬢「おーけーをもらった」

男「早ッ!!!」

嬢「これは確かに便利」

男「あーはいはい素晴らしいですね」

嬢「......」

男「どうした?」

嬢「怒った?」

男「怒ってないよ 驚いたけど」

嬢「」

690: 名無しさん 2016/01/09(土) 00:38:44 ID:UI37pNNU
男「で」

嬢「上がって」

男「(結局嬢の家に来てしまった)」

嬢「早く」

男「あい」






嬢「男」

男「どうした」

嬢「ご飯」

男「ご飯?」

嬢「ん 作る」

691: 名無しさん 2016/01/09(土) 00:43:21 ID:UI37pNNU
男「.......?」

嬢「れっつ くっきん」

男「あぁ!嬢が作るというわけか」

嬢「あなたも」

男「おっけーおーけー」


━━━━厨房

嬢「何もなかったので作る」

男「............」

嬢「?」

男「エプロン似合うな」

嬢「むう」

692: 名無しさん 2016/01/09(土) 00:47:24 ID:UI37pNNU
男「からかってるわけじゃなくって」

嬢「男はスケベさん」

男「何だよそれ しかも謎のさん付け」

嬢「男はケチ」

男「はいはい で、何を作るんだ?」

嬢「?」

男「え?」

嬢「決めていない?」

男「こっちのセリフなんですが」

693: 名無しさん 2016/01/09(土) 00:52:27 ID:UI37pNNU
嬢「!」

男「どうした」

嬢「私があなたに食べられる?」

男「んんんん、一応聞いておくがカニバリズム的な意味なのか情交的な意味なのか」

嬢「卵はたくさんある 赤魚とメリケン粉とかもある」

男「スルーすんな」

嬢「卵焼き、好き?」

男「好きだよ」

嬢「?」

男「好きだって」

嬢「好き?」

男「さっきから言ってるだろ」

694: 名無しさん 2016/01/09(土) 00:55:45 ID:UI37pNNU
嬢「ん 男は私が好き」

男「......」

嬢「赤魚は煮る」

男「できるのか?」

嬢「ん」

男「煮魚できるってすごいな」

嬢「しょ、それほどでもにゃい」

男「料理教わってるんだっけ」

嬢「ん」

男「ま、嬢は覚えが早いし悔しいけど器用なところはあるからな」

嬢「才能の塊」

男「すぐ調子に乗るけど」

嬢「む」

779: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:18:00 ID:KM2dQw36
ーーーー高校3年に進級前の春休み

【嬢の家】

男「よし、宿題終わり」

嬢「頑張った」エッヘン

男「途中俺の答え写すだけだったよな」

嬢「?」

男「ったく」

嬢「ねえ」

男「何だ?」

嬢「今日は帰るの?」

男「えっ、と……」

嬢「……」ジーッ

男「泊まるよ…」

嬢「ん」

780: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:23:53 ID:KM2dQw36
男「いやーでも宿題終わったし一段落だわ」

嬢「まだ」

男「へ?他に何かあったか?」

嬢「ん、これ」ペラッ

男「あぁ 進路希望のやつか」

嬢「まだ書いてない」

男「進学だよそりゃ」

嬢「どこ?」

男「大学だけど」

嬢「どこ?」

男「ま、まだ具体的には決まってないよ」

781: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:27:17 ID:KM2dQw36
嬢「そう」

男「嬢も進学だろ?」

嬢「うん」

男「お互い希望が叶うといいな」

嬢「叶える」

男「頑張ろうな」

嬢「ん、これからも男と一緒にいる」

男「っ」

嬢「それが私の叶えたい希望」

男「あ、あのまあ、はい…恥ずかしいです」

782: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:30:46 ID:KM2dQw36
嬢「男は私が」

男「好きだよ」

嬢「む、被せた」

男「嬢は?」

嬢「ん」

男「ん?」

嬢「ん」

男「逃げたか」

嬢「ん」

男「(そこで目を瞑るのは反則だろ)」チュ

嬢「……勝っっんむッー!?」

男「はい俺の勝ち」

783: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:44:37 ID:KM2dQw36



その頃 春休みの高校
【図書室】

教師「図書室をご利用の皆さん、間もなく15時になります」

友「げっ」

教師「貸出を希望の方はー」かくかく然々

友「(早いな……もう15時か)」

美女「ねえ」

友「うわっ」

美女「む! うわっ とは何よ」

友「いやビックリしただけだよ」

美女「彼女の気配に気づかない何て……」

友「ごめんって」

784: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:48:05 ID:KM2dQw36
美女「(ま、たっぷり横顔堪能させて貰ったからいいけど)」

友「それでどうした?」

美女「あ、えっと、その、あの……」

友「?」

美女「こ、これからその、宜しければウチに来ない……?かしら……一緒に勉強とか……」

友「ごめん」

美女「ぐっ」

友「帰らなきゃなんだ」

美女「はぅ、そう……」

785: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:50:54 ID:KM2dQw36
友「洗濯物仕舞わないといけないし」

美女「(洗濯物に負けたのね…)」ガックシ

友「ていうか勉強なら俺の家でもできるけど」

美女「そうね……」ガックシ

友「そうねって」

美女「あなたの家でもできるものね……」ショボーン

友「じゃあ帰ろっか」

美女「そうね……」

786: 名無しさん 2019/07/23(火) 21:53:53 ID:KM2dQw36





美女「それじゃ…」

友「それじゃって、俺の乗る電車はこっちだよ」

美女「え、えぇ」

友「?」

美女「?」

友「ん?一緒に勉強するんじゃないの?」

美女「…………!!! す、するっ!!するわよっ!!!」

友「き、急に大声だね」

美女「オ,オホン」

友「何か考え事してたの?」

美女「ええ、でも取るに足らない憂いだったわ」

友「そ、そうなんだ(さっきとテンション違いすぎないか?)」

787: 名無しさん 2019/07/23(火) 22:01:35 ID:KM2dQw36
美女「(まままって緊張してきたわ私)」

友「美女、顔赤いけど平気か?」

美女「気にしないで」

友「?」

美女「少し暑いだけよ」

友「そ、そか」

美女「ねえ」

友「どうしたの?」

美女「本当にお邪魔していいの?」

788: 名無しさん 2019/07/23(火) 22:07:26 ID:KM2dQw36
友「言うて俺独り暮らしだし」

美女「ええ存じ上げているわ」

友「美女と一緒のが捗るし」

美女「でしょうね」

友「ていうか」

美女「?」

友「これなら最初から俺の家で一緒に勉強していればよかったのか」

美女「!」

789: 名無しさん 2019/07/23(火) 22:10:24 ID:KM2dQw36
友「でもそれだと美女が面倒だもんな」

美女「いいえ」

友「へ?」

美女「もっと早くからそうしておくべきだったわ」

友「え、えぇっと勉強?」

美女「そう勉強。これからも朝から貴方の家ですればいいのよ」

791: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:12:45 ID:0tE4Eg1E
友「朝から!?」

美女「あら?アルバイトだってもう殆どしてないでしょう?」

友「まあそうだけど」

美女 「迷惑かしら?」

友「いや全然」

美女「……あなた、これから恋人を家に招くわりには冷静ね」

友「え?結構緊張してるけど…」

美女「本物かしら?」

友「なんかまだこう実感が湧かないというか」

美女「ふうん」

792: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:28:52 ID:0tE4Eg1E




いくらか前のこと 二年生前の春休み

先輩「美女ちゃんすらっとしてて姿勢いいよねえ」さわさわ

美女「ちょっ」

先輩「モテるでしょ?」

美女「いや、別にそんな…」

「美女さんはかなり人気ありますからねー」
「うんうん」
「この間も3年の先輩に告白されてましたよね!」

美女「い、いやその」

先輩「美女ちゃん美人だけど可愛いからねえ」

美女「あぅ」

先輩「ね、友くん!」

友「え?あーはい」

793: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:31:53 ID:0tE4Eg1E
先輩「またまた興味無さそうなフリしてー!」

友「いや別にそういうわけでは」

先輩「美女ちゃん可愛いよね?」

美女「も、もう先輩ってば」

友「まあ美人だとは思いますけど」

美女「っ」

先輩「そこは可愛いと言いなさい可愛いと!」

友「さ、俺はバイトに行くんで」

先輩「はーい、お疲れ様」

友「お先に失礼します」

794: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:35:53 ID:0tE4Eg1E
先輩「行っちゃった」

美女「……」

先輩「友くんはあれかな?ツンデレ?」

美女「あの方は単純に無愛想なだけだと思いますけど」

先輩「えー?そうかなあ」

美女「そうですよ」

先輩「でも結構美女ちゃんのこと気にかけてるんだよ?」

美女「いやいやそれは無いと思いますが」

先輩「うちは同好会で無理に人引っ張ってきてるところあるけど」

美女「(無理に引っ張ってるのは貴女だけです)」

先輩「美女ちゃん辞めないかなー?とか無理して同好会来てないかな?とか気にかけてるんだよ」

美女「あの人が?ですか?」

795: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:39:33 ID:0tE4Eg1E
先輩「友くんは本当は優しいからね」

美女「あまりそうは思えませんが…」

先輩「……あー」

美女「?」

先輩「美女ちゃんってさ、友くんのことどこまで知ってるの?」

美女「ど、どこまで?と言われましても…ただのクラスメイトなだけで……」

先輩「なるなる」

美女「知ってるというなら、憎いことに私よりも成績が良い」

美女「家があまり裕福ではない」

美女「くらいでしょうか?」

先輩「あー、うん」

美女「まあ裕福で無いというのは少し卑下した言い方だったかもしれません」

796: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:43:03 ID:0tE4Eg1E
先輩「裕福じゃないわけじゃない……って言ったら良いのかな?」

美女「?」

先輩「……んー、そか、美女ちゃんはそんなに友くんとは話さないんだね」

美女「えぇ、まあ」

先輩「うーん……うーん……」

美女「何かこう、ワケ有りな方なのですか?」

先輩「まぁ…」

男「どもー」

先輩「やあやあ男くん」

男「あれ?友います?」

797: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:45:20 ID:0tE4Eg1E
先輩「友くんならさっきバイトに行っちゃった」

男「マジか、入れ違いだなこりゃ」

美女「……」

男「あ」

美女「ご機嫌よう」

男「猫だ」

美女「どういう意味かしら?」ギロリ

男「ひえっ、そういう意味です…」

先輩「あっそうだ男くん」

男「? 何でしょか?」

先輩「そのー、美女ちゃんに友くんのこと話してあげてよ」

798: 名無しさん 2019/07/24(水) 13:49:45 ID:0tE4Eg1E
男「友のこと?」

先輩「うん、というか話していいのかなって」

男「あー…」

美女「ちょ、ちょっとそこまで言われるともうすごく気になるのだけど」

男「まあそうだよね」

美女「別に彼に興味が有るというわけではなくてね?」

男「えぇー?かなりライバル視してるじゃん」

美女「それはあくまで学力テストでの話でしょう?」

男「友もかなり美女さんの事ライバル視してるからね」

美女「本当!?」

男「う、うん(露骨に)」

先輩「嬉しいそうだね」

美女「ッ、オホン」

799: 名無しさん 2019/07/24(水) 15:47:15 ID:0tE4Eg1E
男「まあでもこういうのって俺から話していいもんなのかなーって思うんだよね」

先輩「まあね」

美女「もう!そこまで言われると余計気になるんですが!」

男「友に直接聞けば?」

美女「えっ」

先輩「ま、それが一番いいかもね」

男「俺とかにも普通に話してくれたし」

美女「別に何も直接聞くほど……興味があるわけでは……」

男「友のバイト先教えようか?」

美女「結構です」

男「そんな事言わずにさ」

美女「……」

800: 名無しさん 2019/07/24(水) 15:55:50 ID:0tE4Eg1E



美女「ハァ……」

美女「(結局来てしまった…)」

美女「喫茶店とは聞いていたけど……」

美女「チェーン店じゃないわよねこれ。個人経営かしら?」

美女「…………」ドキドキ

美女「(何ためらってるのよ!)」カランカラン

友「いらっしゃッー……まぁせ……」

美女「……」

友「……」

801: 名無しさん 2019/07/24(水) 15:59:45 ID:0tE4Eg1E
美女「…………」

友「お一人様?」

美女「ん!」コクン

友「じゃこちらへどうぞ」

美女「ん!」ツカツカツカ

店主「おや」

友「俺の同級生」

店主「これまたべっぴんさんですね」

美女「し、失礼します…」

友「えーと……何か飲むの?」

美女「え、えと、んーと」

友「ぶふっ、何でキョドってるの?」

美女「えっ?えっ!?えっと……」

802: 名無しさん 2019/07/24(水) 16:03:17 ID:0tE4Eg1E
友「甘いの好き?」

美女「は、はい……」

友「それじゃ作ってくる」

美女「はい……」

美女「(裏に行っちゃった……)」

店主「フフフ」

美女「どどどうも」

店主「友くんの同級生が来るのは男君以来だね」

美女「そう、なんですか」

803: 名無しさん 2019/07/24(水) 16:07:01 ID:0tE4Eg1E
店主「一応聞くけど、どういう関係かな?」

美女「ど!同級生です!」

店主「フフフ そうかい」

美女「ごめんなさい大きな声出しちゃって」

店主「まあ友くんは貴婦人からも人気あるからね」

美女「はぁ……」

店主「どうしたの?」

美女「いや、その……彼の笑った顔初めて見たので」

店主「フフフ 言われて見れば私も久しぶりに見たかもしれないな」

804: 名無しさん 2019/07/24(水) 16:11:13 ID:0tE4Eg1E
美女「そうですか」

店主「嬉しかったんじゃないのかな?同級生さんがお店に来て」

美女「そう……いう仲では無いし、むしろ迷惑かなー?って」

友「お待たせ」

美女「あっ」

友「俺特製のキャラメルスチーマー」コト

美女「ん」

店主「さて、今日は夕方営業はやらないから閉めようかな」

美女「えっ」

店主「私は用事があるから友くん戸締まりお願いね」

友「はい」

店主「床は汚れてないし、シンクだけやっといてね」

友「はい」

店主「それじゃ美女さん、ごゆっくり」

美女「あ、はい」

805: 名無しさん 2019/07/24(水) 16:20:21 ID:0tE4Eg1E
美女「……」

友「コーヒー飲も」

美女「……」

友「それ、甘すぎたりしてない?」

美女「ん……美味しい……です」

友「何故敬語」

美女「あの」

友「男から聞いたの?」

美女「聞いたんじゃなくて、聞いてもないのに教えてきたのよ!」

友「そっか」

美女「め、迷惑だったわよね」

806: 名無しさん 2019/07/24(水) 16:26:17 ID:0tE4Eg1E
友「いやビックリはしたけど……」

美女「これはあれよ、偵察!そう偵察なの」

友「??」

美女「別にストーキングとかそんなじゃないですからね!」

友「う、うん」

美女「ちょっと気にかかっただけよ」

友「宿敵のバイト先が?」

美女「それもあるけど」

友「?」

美女「貴方ってどこか掴めないところがあるのよね」

807: 名無しさん 2019/07/24(水) 23:34:30 ID:0tE4Eg1E
友「そうかな?」

美女「そうよ」

友「美女さんもなかなか掴めないところあると思うけど」

美女「っ、女性はそのくらいが丁度いいのよ」

友「そう、かな?」

美女「……美味しい、コレ」

友「でしょ?糖分補給の切り札なんだよね」

美女「男君がね」

友「?」

808: 名無しさん 2019/07/24(水) 23:42:28 ID:0tE4Eg1E
美女「何か気にかかるような事を言ってきたの」

友「?」

美女「貴方について」

友「あー……なんとなく理解した」

美女「そう」

友「男から何て聞いたの?」

美女「何も聞かされてないから とてつもなく引っ掛かってるのよ」

友「…そっか」

美女「そ、そのごめんなさい。男君も何か気をつかって話してこなかったみたいだし」

友「いや、別に気をつかわれるのもアレなんだけど」

809: 名無しさん 2019/07/25(木) 00:07:28 ID:G6NaCR/6
美女「貴方の触れられたくないトコロに迂闊に入り込んだのなら謝るわ」

友「別にそういうのじゃないよ」

美女「じゃあどういうのかしら?」

友「まあでも男以外には殆ど話してないか……」

美女「先輩は?」

友「先輩は俺の事を前から知ってたからね」

美女「そう」

友「隣いいかな?」

美女「ど、どうぞ」

810: 名無しさん 2019/07/25(木) 00:23:58 ID:G6NaCR/6
友「えっと、やっぱりその、あんまり周りに言いふらしてほしくない、かな?」

美女「断じて洩らさないと誓うわ」

友「気をつかわれると逆に疲れるからさ」

美女「ええ」

友「なんかいざ誰かに話すってなると緊張するな…」

美女「貴方でも緊張するのね」

友「するよそりゃ……まあ、俺さ」

美女「えぇ」

友「こっちに来る前は宮城に住んでた」

美女「宮城県に?あっ……」

友「察しが早いと話が進めやすいね」

811: 名無しさん 2019/07/25(木) 00:32:23 ID:G6NaCR/6
美女「震災ね」

友「うん」

美女「……」

友「あの日家も学校も全部流されたんだ」

美女「貴方は無事だったのね」

友「俺さ、アーチェリーの強化指定選手に選ばれる予定だったんだ」

友「たまたまあの日に試験というか試合があってさ。学校休んでそっちに行ってたんだよね」

友「そしたら地震がきて……」

美女「そうだったのね」

友「後はよく覚えてない。家が あったはずの場所 には辿り着けたけど」

友「親も妹も近所の家も学校も」

友「どっか行っちゃったんだ」

美女「……」

友「月に1回はカウンセリング受けたりとかもしてるけど」

812: 名無しさん 2019/07/25(木) 00:37:49 ID:G6NaCR/6
美女「あ、あの胴着って」

友「妹のだよ。アーチェリーの一式は別の体育館に置いてあってさ」

美女「そそそれ形見みたいなものじゃない!」

友「まあ……そっか」

美女「そっか、って……」

友「受け入れられてないんだよ」

美女「……」

友「そりゃ国から何やら見舞金とか入ってきたよ。でも手を付けてないんだよね」

美女「受け入れられないから……ね」

友「うん」

美女「それで過度な節約をしたりしていた、ということね」

友「その通り」

813: 名無しさん 2019/07/25(木) 12:25:54 ID:G3CIKQWE
友「別にお金がどうこうっていうより……とにかく考える暇もなく動いてないと……何か駄目でさ」

美女「でも無理は良くないわよ」

友「うん」

美女「まあ確かにこの話を聞いたら下手に気を使われるのは間違いないわね」

友「でしょ?何かそういうのも駄目というか嫌でさ」

美女「でも私はこの話を聞けて良かったわ」

友「そう?なら俺も良かった」

美女「あなたは勉学に勤しんでいるけれども、何か目指すところはあって?」

友「まだそういうのは見えてこないかな?美女さんな?」

美女「私のことは別にいいのよ」

814: 名無しさん 2019/07/25(木) 23:02:01 ID:MCFDIjEA
美女「さっき店主さん?が仰っていたけどここにはクラスメイトさんは来ないの?」

友「あぁ、叔父さんなんだあの人」

美女「親戚の方なのね」

友「うん。うちの学校は男くらいかなあ?先輩も知ってるけど来たことないよ」

美女「そう」

友「お客さんが来ない時は勉強できるし」

美女「なるほどね…あ、店じまいなんでしょう?お幾らかしら」

友「あぁお金はいいよ。だから叔父さんも出掛けたわけだし」

美女「それはいけないわ!こんなに美味しい飲み物を頂いておきながら…!」

友「いいっていいって 俺が勝手に出したんだし」

美女「な、ならせめて洗い物くらいはさせて頂戴?いいわよね?」

友「いや……と断ってもあれか」

美女「わかってるじゃない」

815: 名無しさん 2019/07/27(土) 20:32:38 ID:VMSHe4Ts




翌日(春休み中)

ーーー嬢の家

美女「と、いうわけ」

嬢「押しかけ」

美女「違うわよ。男くんに無理矢理行けって言われたのよ!(嘘)」

嬢「戦果は?」

美女「まあ手強きライバルの強さの源を知ることができたわね…」

嬢「まだライバルなんだ」

美女「まだとは何よ」

嬢「私はてっきり付き合っているのかと思った」

美女「はぁ?私と彼が?」

816: 名無しさん 2019/07/27(土) 20:40:11 ID:VMSHe4Ts
嬢「ん」

美女「付き合うどころか好きでもなければ恋愛対象外よ」

嬢「そうかな?」

美女「私の理想とはかけ離れているわ」

嬢「また出た……」ハァ

美女「な、何よ」

嬢「漫画の見すぎ」

美女「っさいわね!悪い!?」

嬢「今日も例の喫茶店行くくせに」

美女「何で知ってるの!?」

嬢「ほら」

美女「ッ!何言わせるのよっ」

817: 名無しさん 2019/07/27(土) 20:44:34 ID:VMSHe4Ts
嬢「美女は素直な方が可愛い」

美女「間抜けな方がって言いたいんでしょ!」

嬢「私はそっちの美女のほうが好き」ツン

美女「あん ツンツンしないで」

嬢「ツンデレ」

美女「誰が?」

嬢「あなた」

美女「ツンとしてる?」

嬢「してる。実は押しに弱いくせに」ツンツン

美女「ひゃん!も、もうやめなさいってばぁッ……」

818: 名無しさん 2019/07/27(土) 21:18:07 ID:VMSHe4Ts

ーーー喫茶店

嬢「何故私も」
美女「いいじゃない」

カランカラン

友「いらっしゃ……ませ」

美女「……」
嬢「二人」ぺこ

友「じゃあこっちのテーブル席でいい?」

美女「え、えぇ」
嬢「……」

友「ほい、ご注文は決まってる?」

美女「そそれじゃ昨日のやつ……」
嬢「私はホットのココア」

友「かしこまりました」

819: 名無しさん 2019/07/27(土) 22:34:56 ID:VMSHe4Ts
嬢「昨日のやつ?」

美女「キャラメルスチーマーよ。昨日彼が淹れてくれたの」

嬢「そう」

美女「なによ」

嬢「別に、それよりもあれ」

美女「あれ?」

嬢「カウンター席、女性ばっかり」

美女「……む」

「あら?お知り合い?」
「彼女?」
「まさか……」

友「同級生です」

「姉妹?ですか?めちゃくちゃ可愛いですね」
「てっきり彼女さんかと」
「珍しいですのね、同級生さんがたがいらっしゃるなんて」

美女「なんか」
嬢「敵視されている」

820: 名無しさん 2019/07/28(日) 07:40:40 ID:bKTq8s1Q
友「はい、お待ちどうさま」

美女「あ、ありがとう」
嬢「ありがとう」

友「そういえばもうすぐ男が来るよ」

嬢「!!」

友「元々昨日会う予定だったんだけどさ」

美女「そう、良かったわねぇ」
嬢「ん」

「友くーん、珈琲おかわりいい?」

友「はい!」

美女「何テンション上がってるのよ」
嬢「上がってない」
美女「バレバレよ?」
嬢「むう」

821: 名無しさん 2019/07/28(日) 19:33:08 ID:bKTq8s1Q
ーーーカランカラン

友「あ」

男「よっ」

友「よ」チラッ

男「ん?」

嬢「……」ジーッ
美女「ハァ」

男「あれ?何してんの?」

嬢「コーヒーブレイク」
美女「ココアでしょ」

友「男はどっち座るんだ?」

男「え?あぁ、嬢隣いいか?」

嬢「ん」

822: 名無しさん 2019/07/28(日) 19:38:30 ID:bKTq8s1Q
友「アイスコーヒーガムシロ1でいいよな?」

男「さんくす」

「あ、友くんのお友達じゃなくて?」
「男くんでしたっけ?」

友「彼はあっちの恋人と一緒の席です」

「えぇ!?」
「……!!」

嬢「……」

男「昨日教えたから来たの?」

美女「き、昨日伺ったのよ」

男「おぉ連チャンですか」

美女「素敵な雰囲気の喫茶店だわ」

男「友は看板フットマンだからな」

823: 名無しさん 2019/07/28(日) 19:41:43 ID:bKTq8s1Q
美女「何やらそれ目当てのお客さんもいるみたいね」

男「俺も何度かここ来てるけど結構ファン多いみたいだからな」

美女「あら?あなたも他人事では無いんでなくて?」

男「はい?」

嬢「男」

男「何だ?」

嬢「今度からこのお店に一人で来ちゃ駄目」

男「えっ何で?」

嬢「悪い虫がつく」

男「つかねーよ」

嬢「駄目」

男「いやいや……」

824: 名無しさん 2019/07/28(日) 19:45:43 ID:bKTq8s1Q
嬢「返事は……?」ジーッ

男「は……はい……(顔近い!)」

美女「チッ!」

男「いやそんな露骨な」

美女「あなた、嬢には弱いのね」

嬢「それでいい」

男「クッ,言い返せない」

友「お待たせ」コト

男「おおサンキュー」

友「おかわりあったら呼んでくれ」

825: 名無しさん 2019/07/28(日) 19:55:56 ID:bKTq8s1Q
男「あー美味しっ」

美女「ねぇ、貴方はどうしてここに?」

男「いや友の叔父さんに本借りてたから返しにきた」

美女「そう」

男「んで友から色々話聞いた?」

美女「えぇ、まあ」

男「まあそういうことです」

美女「えぇ……」

男「どうかした?」

美女「あの眼鏡」

男「?」

826: 名無しさん 2019/07/28(日) 19:59:39 ID:bKTq8s1Q
美女「あの眼鏡の子は何?」

「えー?友くんは珈琲飲まないのねー」

男「あー……まあ友ファンってとこだね」

美女「ふぅん」

男「もしかして友に仲良く話しかけてるから」

美女「違うわよ」

嬢「敵視してくる」

男「敵視?」

美女「さっきからこっちにガン垂れてくんのよあの眼鏡が」

嬢「美女、言葉」

美女「あらやだ!私ったらお下品なこと!」

828: 名無しさん 2019/07/31(水) 23:26:41 ID:UZFtccpE
男「ま、友は眼中にないでしょ」

美女「ふぅん」

ーーーーーーーーー

美女「それじゃ、貴方は嬢を送っていってあげてね」

男「もちろん」

美女「じゃあね、嬢」

嬢「うん」

男「……なあ」

嬢「なに?」

男「美女さんは友の事好きなのかな?」

嬢「んーー……私からみるとそういう感情は無いように見える」

男「そうかなあ」

嬢「だけどあるようにも見える」

829: 名無しさん 2019/07/31(水) 23:33:36 ID:UZFtccpE
嬢「美女は負けず嫌いだから」

男「嬢と似てるな」

嬢「む……まあよく言われる」

男「俺はお似合いだと思うんだけどなあ」

嬢「男は私が好き」

男「な、なんだよ急に」

嬢「男は誰が好き?」

男「嬢だよ……」

嬢「フ、私の勝ち」

男「何だよそれ」

嬢「ご褒美」ピト

男「ぬおっ!?(う、うう腕を組んだらおっぺぇが!おっぺぇが!!)」
嬢「帰ろ?」
男「あ、うん」
嬢「泊まる?」
男「いやいやいや……」

831: 名無しさん 2019/08/12(月) 21:32:48 ID:JaMD4ATg


(過去編)新学期が始まり 二年生

友「うーん」

美女「あら?どうかしたの?」

友「なんかケータイが調子悪いみたいでさ、すぐ電源落ちるし」

美女「そろそろ買い換えたらどうかしら?」

友「寿命かね」

美女「スマホに替えるべきね」

友「ケータイ屋さんに行けばいいのかなこれ」

美女「あら?貴方にも疎いところがあるのね」

友「あんまりケータイ自体使わないし……」

832: 名無しさん 2019/08/12(月) 21:44:10 ID:JaMD4ATg
美女「ケータイ会社の販売店に行けばいいのよ」

友「直してくれるかな」

美女「スマホにした方が安いわよ」

友「そうなの?」

美女「何も知らないのね……私が付き添ってあげてもいいけど」

友「え?助かる」

美女「っ、感謝してほしいところね」

友「何もわからんからさ」

ーーーー

友「スマホか」

美女「慣れればガラケーより使い易いわよ」

友「だろうね」

833: 名無しさん 2019/08/12(月) 21:52:08 ID:JaMD4ATg
友「うーん……」タップスワップ

店員「どちらの機種になさいますか?」

友「うーん」

美女「ね、ねえ」

友「?」

美女「その、どうせなら私と同じ機種にしたら
……どうかしら」

友「美女さんのと?」

美女「そしたらわからない事とか教えやすいでしょう?」

友「言われてみれば…」

店員「でしたら彼女さんと同じ機種にされますか?」

友「っ、っ、あ、じゃ、はい」
美女「っ」

店員「ではこちらご用意させて頂きますね」

美女「……」

友「……」

834: 名無しさん 2019/08/18(日) 23:01:19 ID:O2E2QIY6
友「ご、ごめんその流れで」
美女「オホン」





購入後、カフェ

美女「どう?」

友「すごいね、これがスマホ…」

美女「あなた、SDカードは持っていたのね」

友「え?あぁうん」

美女「何かデータでもあるの?」

友「見られるんだっけ?」

美女「画像とかなら入ってるのは見られるわよ」

友「そっか」

835: 名無しさん 2019/08/18(日) 23:08:10 ID:O2E2QIY6
友「…………」

美女「データ、あったの?」

友「…………うん」

美女「?」

友「いや、ごめん 妹の写真とかあったから」

美女「っ、そう……」

友「これってデジカメとかのも見られるのかな」

美女「SDカードのは見られるわよ」チラッ

友「そっか」

美女「……それ、妹さん?」

友「うん」

美女「あなたに似て利発そうね」

友「利発だけどうるさいくらい活発だったな」

836: 名無しさん 2019/08/18(日) 23:12:04 ID:O2E2QIY6
美女「妹さんの画像たくさんあるわね」

友「撮って撮って煩かったからね」

美女「そう」

友「でも、撮っておいて良かったのかなって……まあ、思う」

美女「……こちらの方は?」

友「っ」

美女「?」

友「恋人」

美女「ッー!?」

友「隣に住んでた幼馴染でさ」

美女「隣に……ってことは」

友「うん、そういうこと」

838: 名無しさん 2019/09/12(木) 21:06:37 ID:Nw6wwdls
友「結構画像あるな……」

美女「……」

友「ありがとう、美女さん」

美女「え?わ、私何もしてないけど…」

友「そう?……かな? いやでもなんかお礼言いたかったから」

美女「ね、ねえ」

友「ん?」

美女「その、えっと……連絡先!」

友「あっ美女さんの知らないもんな」

美女「そ、そうね せっかくスマホにしたのだし」

友「えっと……これはどうすれば……」

美女「貸してみて」

839: 名無しさん 2019/09/12(木) 21:13:16 ID:Nw6wwdls
※タイムパラドクスなところがあるが許してください




美女「はい」

友「これでOKなの?」

美女「えぇ、大体はこのLINEというアプリでみんな交流するのよ」

友「うわ、なんか一杯きた」

美女「貴方の電話帳にいる人に情報がいったのよ、貴方がLINEを始めたって登録している人にお知らせがいくの」

友「あ、男だ」

美女「お互いに自動的に友達登録されていくのよ」

友「これは眼鏡さんか」

美女「めっ!?」

友「うちの常連のお客さん」

美女「あ、あら連絡先を交換する仲だったのね」

友「なんか前に交換したんだよね」

美女「ふぅん……」

840: 名無しさん 2019/09/12(木) 21:32:07 ID:Nw6wwdls
友「これスタンプってやつ?」

美女「えぇ、連打すると煙たがられるやつ」

友「通話もできるんだ」

美女「LINE同士は無料なのよ」

友「なんか文字打つの……難しいね」

美女「フフフ、そのうち慣れるわよ」

友「慣れるかぁ」

美女「ね、ねぇ」

友「?」

美女「貴方はここでの生活に、その、慣れた…?」

友「んんん……慣れないよ、そりゃ」

美女「……そう」

友「というかあっという間に時間が過ぎてる感じかな」

841: 名無しさん 2019/09/12(木) 21:49:48 ID:Nw6wwdls
美女「そういえば先月、地元には帰られたの?」

友「んーん、帰ってない」

美女「そう」

友「帰るにしても……まあ、帰る場所というか家があるわけでもないし」

美女「そうよね……」

友「……最近さ」

美女「?」

友「少し、楽しいよ」

美女「あら、それはいいことだわ」

友「だからさっき美女さんにありがとうって言ったのかな?」

美女「わわわ私は別に何もしてないと思うけど……」

842: 名無しさん 2019/09/12(木) 21:57:39 ID:Nw6wwdls
友「いやいや、こうしてスマホの扱いも教えてくれる」シュシュシュシュ

美女「(打つの早ッッ!)」

友「まあテストじゃ負けないけどね」

美女「あら?それは宣戦布告かしら?」

友「ふふ、負けたくないからね」

美女「私こそ(あっ、笑った…)」

友「おっと結構いい時間だな」

美女「! 本当だわ」

友「送るよ」

美女「わわ悪いわよそんな」

友「とりあえず駅まで」

美女「あう」

845: 名無しさん 2019/09/19(木) 21:49:15 ID:5vCIi.EM




翌日(土曜日)

美女「あれ……?うーん……」ガサゴソ

美女「どこにやったかしら……」ピロン

美女「? 友君から?……ハッ!」

LINE「これ美女さんの?」

美女「うぅ、やっぱり置いてきてしまったのね……私のポーチ……」

LINE「お店に置いておく?明後日学校に持っていく?」

美女「ッッッ、たたたたしかあのポーチにはナプキンが入ってたはずッ……」

LINE「俺は夜まで店にいるからいつでもOK」
LINE「スタンプ」

美女「うっ、意外とファンシーなの使うじゃない」

846: 名無しさん 2019/09/19(木) 22:00:13 ID:5vCIi.EM
美女「迂闊すぎたわ…」

美女「はぁおまけに家にあるものじゃ殆どメークできないじゃない」

美女「かと言って万が一中開けられるような事があっても……うぅ……恥ずかしい」

美女「嬢が置いていったものが洗面所にあったっけ?」

LINE「来るのね?」

美女「あるものでなんとかするしかないわね」

美女「せっかく友君に会いに行くのに……」

美女「…………」

美女「ポーチ取りに行くだけよ、そう」

美女「…………」

851: 名無しさん 2019/11/02(土) 07:20:56 ID:TbxFnm7s




店の前

美女「さ、ポーチ貰ったらすぐ帰るのよ」

美女「うん!……そうよ!」

美女「……」カランカラン

店主「おや?」

美女「……どうも」ペコリ

店主「いらっしゃい美女さん」

美女「えっと、あの……」キョロキョロ

店主「友君かな?」

美女「あ、はい 私ここに忘れ物をしてしまって」

店主「? そうなの?」

美女「友君に今日取りに行くってご連絡をしたのですが…」

852: 名無しさん 2019/11/02(土) 07:28:21 ID:TbxFnm7s
店主「友君ならすぐ帰ってくると思うよ。ちょっと買い出しを頼んでいるからね」

美女「そうですか……(あう、気まずい)」

店主「フフフ、それまで中で待っていてね」

美女「は、はい!失礼しますっ」

店主「美女さんはこの後予定あるの?」

美女「へ?いや、特にはございませんけど……」

店主「それならちょっとうちで働いていかない?」

美女「!?」

店主「今日は昼で閉めるからそれまででいいんだけど……お願いできないかな?」

美女「い、いきなりですか!?」

店主「注文取ってメニュー運ぶだけでいいんだ」

美女「わ、わわわたし接客とかしたことないですし…」

店主「へーきへーき!すぐに慣れますよ」

853: 名無しさん 2019/11/02(土) 07:33:51 ID:TbxFnm7s
美女「で、でも……」

友「ただいまー」カランカランチンポロン

美女「あっ」

店主「お帰り。ご苦労様」

友「うおっ」

美女「む」

友「ご、ごめんまさかこんなに早く来るとは…」

美女「わ、悪かったわね……」

店主「友くんさ、今日は雨でお客さんも少ないと思うんだ」

友「確かに……昼閉めまでに何人来るやら」

店主「来たとしても●●さんや▲▲さんが新聞読みに来るくらいかな」

友「フード系は出なさそうだね」

店主「フフフ」

854: 名無しさん 2019/11/02(土) 07:40:48 ID:TbxFnm7s
友「その顔、抜けるつもりでしょ」

店主「フフフ ご名答」

友「まあ別に俺一人でも」

店主「フフフ」チラッ

美女「っ、……えぇ……」

友「?」

店主「さっきね、美女さんに手伝ってもらえないかお願いしたんだよ」

友「えぇ」

美女「ででででも私その接客とかアルバイト経験無いですし……!」アセアセ

店主「オーダー伺って友君に伝えるだけでいいからさ」

友「まあ職場体験の中学生でもできることだからね」

美女「むぅ」

855: 名無しさん 2019/11/02(土) 20:59:14 ID:TbxFnm7s



美女「ありがとうございました」

客「美人さんの淹れた珈琲は美味しかったよ!」

友「入れたのは俺ですよ」

客「アハハ!そうだった!ご馳走さまね!」カランカラン

美女「ふぅ…」

友「どう?」

美女「ま、この程度の事なんて造作も無いわね」

友「緊張してたくせに」

美女「してないわよ」

友「いらっしゃいませの時噛んでたじゃん」

美女「うっ、噛んでないわよ…」

友「さてと……そろそろ閉めようかな」

美女「洗い物させてちょうだい」

友「いいって」

856: 名無しさん 2019/11/02(土) 21:06:33 ID:TbxFnm7s
美女「お給金まで頂いたんだし それくらいさせてちょうだいよ」

友「それじゃお願いします」






友「ゴメンね、忘れ物ついででお店まで手伝ってもらって」

美女「ううん、いい経験をさせてもらったわ」

友「まあでも楽しかったよ」

美女「あら?貴方もそんな事言うのね」

友「一人で店回すより退屈しないし」

美女「意外と寂しがり屋さんなのかしら?」

友「ふふっ、そうかも」

857: 名無しさん 2019/11/02(土) 21:09:26 ID:TbxFnm7s
美女「あっ、(また笑った……)」ドキドキ

友「?」

美女「あ、えっと、その」

友「……?どうかした?」

美女「いや 笑ったなーって」

友「え?」

美女「貴方が笑ったから……」

友「あー、う、うん」

美女「これで3回目」

友「数えてるの!?」

美女「!!!」

友「……(なんか恥ずかしいな)」

美女「…………」

858: 名無しさん 2019/11/02(土) 21:16:42 ID:TbxFnm7s
美女「数えているわよ」

友「な、何でまた」

美女「ウフフ、何でかって?」

友「何でよ…」

美女「あなたに……、惚れたのよ……」ニコッ

友「…………」ドクン

美女「…………えっと……」

友「…………」ドクンドクン ドクン

美女「…………友……くん……?」

859: 名無しさん 2019/11/02(土) 21:22:21 ID:TbxFnm7s
友「…………」ドクン……

「私がね、友くんに惚れたんだよっ!」

友「……ッ」

美女「(泣ッーー!?)」

友「………あれ?……ッ、なんだこれ……」ゴシゴシ

美女「ごごごめんなさい私が急に変な事言うから」

友「違うよ……」ゴシゴシ

美女「へ、平気?」

友「少し……昔の事思い出したから……」

美女「……そう」

860: 名無しさん 2019/11/02(土) 21:29:02 ID:TbxFnm7s
美女「ねぇ友君?」

友「……(ゴシゴシ)、……なに?」

美女「貴方の事、もっと教えてください」

友「……」

美女「話せる事でいいから……私、貴方の事をもっと知りたいの」

友「…………」

美女「えっとそのあの……あんな事言っておいてなんか気まずいけど……」

友「フゥ……長くなるよ?」

美女「!! えぇ、たくさん聞かせてほしいの」

友「……ふふっ、甘いものでも淹れよっか」

美女「フフフ、そうね」