1: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:41:11 ID:wijO
warning!!warning!!
このSSは以下の要素を含みます。それでもよいという方はご覧ください。

・地の文有
・智代子がPをオカズにオナニーしちゃう話
・ちょっとキャラ崩れてるかも
・pixivにも投下予定です
・セックスはしません
・セックスはしません(大事な事なので二度いいました)
・おーぷん2chは初めてです。やらかしたら教えて下さい。


あ、これ私の妄想の話ね! つまりそういうこと

引用元: ・【R18シャニマスss】園田智代子「あ、これ私の妄想の話ね!」

20190311094415
2: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:43:02 ID:wijO
「――はぁッ」



 どちらの息かはわからない。けれど、大きな息だった。
 吐息は、お互いのもの。
 雰囲気は二人のもの。
 この場所と、この時間と、この距離は、きっとお互いだけのもの。
 けれど私には急すぎて、近すぎて、なんだか怖くなってしまう。だって、さっきまでみんながいた。
 果穂と。樹里ちゃんと。夏葉ちゃんと。凛世ちゃんと。明日のことや今日のレッスンのこと、いろんなことを喋ったばかりだ。こんな、自分の恋の話なんて一つもしていないのに。
 差し込んだ夕日がもう誰も来ないことを教えてくれている。もし間違いが起こったって黙っていればバレることなんてない。

3: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:43:28 ID:wijO
 秘密を作る、なんて。
 アイドルなのに、なんて。
 ――このまま叶ってしまうのかもしれない、なんて。
 だから、身を捩ってしまう。引き返せる場所でいいんじゃないかって、足を止めたくなった。

「――無駄だぞ」

 けれど、この太い腕は私くらいの力じゃびくともしない。
 やだ、やだと、自分でもびっくりするくらい弱々しい声がでた。もしかして受けれてしまっているんじゃないかって不安になってしまう。
 やめてなんていえない。いいたくない。でもせめて、置いてきぼりの私が追いつくまで待ってほしい。もっと、ロマンチックなのがいい。
 なのにその太い腕は決して離してくれなくて。むしろ私の自由を奪ったまま、触れられると気持ちいいところへ伸びてくる。

「やめてほしいのか?」

 だから、この問いには答えられない。

4: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:45:24 ID:wijO
 目の前が滲んでいく。喉からは声がでない。さっきまで、あんなに元気な声が出てたのに。
 必死に目で訴えた。けれども彼はじっと私の目を見つめるだけで、その先を口にしない。
 Pさんはこういうときいじわるだ。わかっているくせに言わせたがる。
 必死に弱々しいふりをした。全部ポーズだ。強引なまま続けられたら、抵抗も拒絶も、それどころか自分からいいよって言ってしまうに違いないのに。
 それで後日やりなおしを迫るのだ。あのときはちゃんとできなかったからって。


 ――もしも私から口にしてしまえば、どろどろにかき混ぜられてしまう。

5: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:45:38 ID:wijO
 初めてのやりなおしなんてもうどうでもよくなってしまう。
 なし崩しで言葉にできない関係でもいいやって思ってしまう。
 だんだん強くなる鼓動と腕が私を傾けていく。
 いつの間にか腕は檻じゃなくて揺りかごになっていた。
 身を預ければ融けてしまいそう。そのたくましさに何もかも委ねてしまいそうになる。


「してもいいか?」

 答えられない。



「したい」

 ――Pさんはずるい。

6: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:45:55 ID:wijO
 ああ、もう止まらない。
 それでまた、私は息を止める。
 唇、ほっぺ、それで、耳。
 くすぐったさと、えっちな感じがして息が漏れてしまう。
 このまま、私は口にするのだろうか。
 このまま、キスをしてくれるのだろうか。
 このまま、このまま最後まで――


「ふぁっ」
 甘くて。

「濡れてるぞ」
 熱くて。

「世界最強最愛つかみたい」
 うるさくて。









 ――――うるさい?

7: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:46:06 ID:wijO

―――
―――――
―――――――
―――――――――

8: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:46:22 ID:wijO
「夢ぇええ……?」

 七時のアラーム。見てみれば、二回目のスヌーズに入っていてちょっとだけ寝坊してる。

「うるさい、って……これかぁ……」

 スマホのアラームをきると、ようやくどきどきが収まってきた。
 このまま微睡みながら慰めるような時間はないだろう。いい加減起きないとお母さんがやってきて、余計にいたたまれなくなることうけあいだ。
 窓をみやれば白い朝日が差し込んでいる。夢の中のオレンジはどこからやってきたのだろうか。現実にはがっかりだ。

「でもさぁ……いいじゃん、最後までさ……」

 ぶーたれるように寝返りをうつとじゅぐりと音がした。
 間違いなく濡れてる。
 パジャマごとパンツを引き伸ばして、あそこに手を入れてみるとぬちゃりとした感触がした。……クロッチまで濡れているのだから相当だ。
 おかげで、さっきの夢を思い出した。

9: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:46:44 ID:wijO
 キスだ。それも妄想の。

 息をつまらせるくらい、目一杯の。

 それで最後に濡れてるとか言われてた。

 実際、唐突にキスするなんてありえない。あの人は多分もっと優しく、ロマンチックなのだ。

 そもそも? 無言でキス迫るとか多分しないし? 多分ドギマギしながらキスしてもいいかとかそんなこと聞いたのちにっていうかOKサインだしても触ること自体聞いてきたりしてキスも触るのもおそるおそるだろうし。

 それにここは私の部屋でPさんなんていない。
 だからさっきのは、Pさんとキスをするただの夢……だけど。

「ン……」

 愛液がぐじゅりと指にまとわりつく。
 このままかき回してしまったら。

「……本当に、しちゃったら」

 もっと、大変なことになってしまうんじゃないかって。



 アイドル、園田智代子。十七歳。
 Pさんに絶賛片思い中。

10: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:47:10 ID:wijO
Chapter2:ものすごく恥ずかしいこと

11: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:47:32 ID:wijO
Chapter2.1




「ン、んん、んッ」

 未だ外は騒々しい。熱気冷めやらぬまま誰も彼もが口々に興奮を述べている。
 終わった後ですらこの熱量。舞台でそれ以上を受け取ったこの体が火照りだすのは必然だ。

 ああ、熱い。あつい。はじけるように汗が出る。
 必死に口を抑えても、体からは隠しきれない興奮の色が出る。きっと、こんな姿を見られたら犯されてしまう。

『――抵抗してもいいんだぞ?』

 事実、私は犯されていた。
 ぐりぐりと。くちくちと。浅いところを人差し指でいじりながら、クリトリスを親指で弄ばれる。
 私の右手は絡めるように握られていて、もしここがベッドの上ならときめいてしまっていただろう。しかし今は自分を飼いならすための枷だ。こんな風に握られてしまえば振りほどくことなんてできやしない。
 第一、今はそれどころじゃない。

「ンンっ、んっ、んんんッ」
『ほら、突き飛ばせるだろ?』
「声、でちゃッ……!」
『左手、空いてるじゃないか』

 必死に指を噛んだ。入れられている指と同じ、人差し指と中指。親指も、輪郭にそうように縮こまっている。

「人っ、来たらッ」
『来ないさ。来たって、声を我慢すればいいだろ?』

 指が気持ちいいところを荒らし回る。無造作で、めちゃくちゃで、なのに動く度に弱いところを叩き続けるのだ。

12: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:48:00 ID:wijO
 ばらばらに動く二つの指は知ってか知らずか、ずっと私の膣内を蹂躙していた。
 声を我慢とか、そんな話じゃない。今だって声が抑えられない。外の声に負けないくらい、私の嬌声は、はっきりと自己主張している。

 気持ちいいって、聞こえてる。
 気持ちいいって言わされてる。

 関係者用のトイレは家のと違って下も上もがらあきだ。そもそも声を抑えてくれそうなものなんて、何一つとない。声をあげればあげただけ外に伝わってしまう。
 それに。

「やめっ、んんっ」
『やめない』

 ぐちぐちと。くちくちと。私から鳴る、この音が。

「聞こえちゃ……うぅぅッ」
『聞こえない。大丈夫だよ』

 愛撫は一層激しくなる。あそこはもう見るまでもなくぐちょぐちょで掻き回す度に音を出す。

13: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:48:10 ID:wijO
 くちくちと。ぐちゃぐちゃと。
 ぐちぐちと。じゅぷじゅぷと。

14: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:48:28 ID:wijO
 いじられている音がだんだん咀嚼の音へ変わっていく。
 自慰なんてぼかしたものなんかじゃなくて、もっと卑猥で過激なものになっていく。

『すごいな……ほら、見てみろ。糸引いてる』
「やだっ、やめてくださいっ」
『やめない。それに、智代子はこっちのほうが好きだろ?』

 Pさんはまるで精液みたいな私の糸を、そのまま目の前でいじくり回していた。
 自覚してしまう。わかってしまう。
 こんなにどろどろで、ねばねばで、いやらしい。
 私がどれだけ必死に声を抑えたところで、興奮しきった証が黙ることを許さない。
 声がでなくたって、プロデューサーさんはきっと私のいやらしさを証明してしまうだろう。

 もしも。もしも、それを人に聞かれたら――

15: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:48:48 ID:wijO
 ――がちゃり、と。
 私の心を見透かしたようにドアが開いた。

16: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:49:03 ID:wijO
「!?!??!」

『ああ、来ちゃったな』

「き、来ちゃったなじゃないですよ! はやくこんなことやめてください!」

『どうして?』

「ど、どうしてって……」

 焦る私とは対照的に、プロデューサーさんは笑っている。
 先程まで弄っていた手を見せつけるように、ゆっくり、ゆっくりと私の秘所へと戻した。

「ま、まだするんですか……?」

『口、塞がなくていいのか?』

「だ、だめです! 声、出ちゃいます!」

 話し声、言い訳、理由、理屈。
 いくら並べたところでやめてはくれない。

『――続けるさ。だって、智代子はまだイってないだろ?』

「そ、そんな! こんな事してる場合じゃ――」

『それに、智代子はこんなにどろどろのままで戻れるのか?』

「あ……」

17: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:49:25 ID:wijO
 どろり、どろりと。私のあそこからは、また一つ濃いのが流れ出る。
 さっきのとは別の新しい興奮の証。

『人が来て、本当に聞かれるかもしれないのにこんなのが出るんだ?』

 ああ、やっぱり。プロデューサーさんは、いじわるだ。


『このまま、あそこから気持ちよかったって汁垂れ流してさ』


 隠しきれない。


『今のとろとろの顔のまま、ユニットのみんなのところまでもどってさ』


 ごまかしきれない。


『――オナニーしてましたって、説明できる?』


 私、絶対にえっちな顔してる。


「――」
『耳、塞ごうか』

 絡めていた指がほどかれて、そのまま私の耳が塞がれた。
 片方は指で。
 もう片方は舌で。

18: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:49:42 ID:wijO
『両手で口を塞いで。絶対に声を出しちゃだめだ』

 イく。

『いまから、手っ取り早くイかせるから』

 イく。イく。

『じゃあ、スパート』



 騒々しい。ライブの熱気冷めやらぬまま。
 自分の声と、自分の音が体の中で暴れまわって。
 ぐちぐちと。じゅぷじゅぷと。全部かき回されながら。


(イ、く。イく……!)


「~~~~~ッッ!!」

19: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:49:52 ID:wijO

―――
―――――
―――――――
―――――――――

20: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:50:04 ID:wijO
「ふー……っ、ふー……っ」

 乱れた息が、体を冷ます。それで、少しずつ周りが見えてきた。
 スマホを見ると、つい5分前にプロデューサーさんからチェインが来ていた。
 文面を見ると、どうやら心配……心配。

 はっとなって時計をみると、もう30分も経っていた。

(30分もトイレで離れてたら心配するよねぇ……! というか私ずっとオナニーしてたんだよね……!)

 控室からここまで5分もない。
 もどって来なくて心配するのもさもありなん。

「というか私ライブ終わった後でしかもこんなところで何してるの……!」

 衣装も脱がずにやってしまった罪悪感がすごいことになってる。手袋はびしょびしょだ。
 どうしよう。みんなの顔みれない……!

21: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:50:17 ID:wijO
「園田さーん? いらっしゃいますかー?」
「ひゃいっ!?」
「あ、良かった。どうかしましたかー?」
「ななななな何でもないです! 大丈夫ですっ!」
「はーい! 283プロのプロデューサーさんがお探しでしたのでお返事してあげてくださーい!」


 この後、プロデューサーさんと顔を合わせるのもちょっとつらいかもしれない。

22: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:51:19 ID:wijO
Chapter2.2



 あたりはすっかり真っ暗で、さっきまでの熱が嘘みたいに空気が冷たかった。
 あのステージ、あのライブの熱気がなんだかもう遠い昔の話みたい。自分の頬にふれるとちょっぴり冷たくて、かすかに香る性臭が熱気の残り香になった。

 ……やっぱり手、洗ってくればよかったなぁ。

 慌てて戻ったから最低限身だしなみを整えるくらいのことしか出来ていなくて後悔している。
 でも今更車を止めてもらうのも忍びない。

「――やっぱり疲れたか?」

 すこしだけ、ぶーたれていると声がかかった。

「あ、はい。ほんのちょこっと、ですけど……」

「はは、やっぱり大きい舞台だと緊張するもんなぁ」

 違うんです。いやライブの疲れもあったんだけど、それにとどめを刺すように自分でオナニーしちゃったんです。
 もちろんそんなことは言えないし、言えるわけもない。お茶を濁す。

「あ、あはは……。ライブの最中はすっごい楽しかったんですけどね」

23: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:51:34 ID:wijO
「キラキラしてたもんな。実は衣装の手袋、結構好きなんだ」



(すみませんそれえっちな汁で汚してましたぁぁー!!)



 濁した矢先に刺されるような言葉が飛んだ。

「スタッフの人たちもお客さんもみんな褒めてたぞ。一番盛り上がったって」

 プロデューサーさんはそこから、いっぱい私と、私達をほめそやす。
 だからやっぱり感じてしまう。

(――これ想像以上に気まずいやつ!!)

 だってそんなに褒めてくれる間に一人えっちしてたんだもん……!

24: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:51:45 ID:wijO
「智代子?」

「ひゃいっ!?」

「やっぱり疲れてるか? ごめんな。今日のライブ、本当に良かったからさ」

「え、ええっと……」

「あと20分くらいだ。寝てても大丈夫だぞ」

「は、はぃぃ……!」


(気まずい!!)


 褒めてもらえるのはうれしい。多分、家に返ってベッドの中で思い出したら思わず一人えっちしちゃうくらい嬉しい。
 嬉しいけどそれに比例するように気まずい……!

25: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:52:06 ID:wijO
 バックミラー越しに、プロデューサーさんを見る。にこにこと笑っていて、さっきの言葉がより染みた。
 今日のライブは、本当にすごかった。これまでで一番大きな会場で、ステージに立つと残っていた黄色やピンクや青や紫が、ぱっとオレンジに変わっていった。
 聞こえてくるのは張り裂けそうなくらい大きな声で。
 振り回すタオルやペンライトは精一杯って感じで。
 そんな、そんな熱量を受けて私は。

(ひとりえっちシてたとか本当になんなの……!)

 思い出されるのは強引なプロデューサーさんと、いじめられて悦んじゃってる自分の姿。
 またくちり、と音が出そう。

 でも、仕方がないじゃん。えっちな気分だったんだもん。

 みんな、本当に笑顔で。泣いてくれる人までいて。
 特別で、大切で、そんな気持ちを受け止めて、熱くなった。
 火照った体はまだ残り火を灯してる。くすぶった熱はまだ火傷しそうなほど熱い。

26: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:52:18 ID:wijO
『ご褒美、ほしい?』

 ――ほしい。

『じゃあ、声我慢して』







 悪魔が、誘惑した。

27: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:52:28 ID:wijO

―――
―――――
―――――――
―――――――――

28: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:52:46 ID:wijO
 想像の中で私はスカートをたくし上げていた。
 助手席にわざわざ座り直して、プロデューサーさんの手が届きやすいように、できるだけ足を広げる。

『で、どうやって触ってほしい?』

 爪ですりつけるように、すじをなぞられる。
 パンツはすでに濡れていて割れ目を隠しきれない。
 張り付いた下着がそのまま陰唇を彩っている。

『爪だけ? 脱がしたほうがいい? 激しく?』

 ひとつひとつに首を振ったり頷いたり。
 ご褒美なのに、私をいじめるようにわざとらしい。

『指で、パンツの上から、激しく、か』

 言い直さなくていいのに、わざわざ確認してくるなんていじわるだ。
 少し迷って、こくりと頷いた。

『やっぱり、さっき智代子の本気汁で遊んだのが恥ずかしかったか?』

 かぁっと、耳が熱くなる。
 ねちねちとした、精液みたいな自分のそれ。すっごい興奮したときにしか出てこない、快楽の証。
 暗に「さっきのも気持ちよかったんだろ」って問いただされて私は首を動かせない。

『何を恥ずかしがってるんだ?』

 だって、だって。

『――今、もっとすごい状況なのに』

 さっきまで、いじっていた手が車の外を指し示した。

29: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:53:01 ID:wijO
 人が、いる。
 すれ違うときに時折こっちを見てる。

30: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:53:14 ID:wijO
「ひっ――」

『声、我慢するんだろ?』

 とっさに口を塞がれて悲鳴は行き場を失った。
 けれど、けれどけれど!

『えっちな顔、見られてるかもな』

 やだ。やだよ。そんな、痴女みたいな。

『ご褒美っていっただろ? ――ここから、自分で弄って』

 なのになんで。

『……溢れてるな』

31: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:53:23 ID:wijO
―――――――――
―――――――
―――――
―――

32: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:53:35 ID:wijO
「ついたぞ智代子」

「わっひゃい!?!?!?」

 妄想が飛び散った。
 飛び散るついでに飛び起きて家が目に入る。我が家だ。

「お、おお? すまん、寝てたのか?」

「い、いいえ! 大丈夫です! 全く! 大丈夫です!」

「あ、ああ。そうか」

 プロデューサーさんはこちらの様子に気付いてない。社内は真っ暗だ。
 おかげで、ぐじゅりとすでにとろけている下半身には全く気づかれていないらしい。……というか。



(プロデューサーさんがいる車の中でオナニーしてるとか本当に何してるの私……!)

33: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:53:51 ID:wijO
 そう、シちゃってた。途中から記憶がないしいやそもそもいつまでパンツの中に手を入れてるのもとに戻れ!


「疲れてるのにごめんな。本当はもう少し寝かせてあげたかったんだが……」

「だだだ大丈夫です! 本当に大丈夫ですから!」

「そうか? とりあえずドア開けるからちょっと待ってな」

プロデューサーさんが車を降りた。その隙に佇まいをなおす。

(ああああもうどうしよう……どうしよう……)

 バレてない。バレてない。でもまた気まずいことが増えた。やばい。

 幸い、幸い? イく前だったから、汚れてるのはパンツの中だけだ。明るい場所で見られたら流石にアウトだろうけどそんなこと起きない。
 本当に垂れてないよね? この車みんな使うのに自分のがついてるとか嫌すぎる。
 必死に濡れた形跡を探しているとドアが開いた。

「本当にお疲れ様。今日はゆっくり休んでくれ」

「ひゃ、ひゃいっ! プロデューサーさんもお疲れ様でした!」

 開いたドアから車を降りる。
 振り返ってみたが忘れ物(垂れたところ)はない。多分。

34: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:02 ID:wijO
「おおおお送ってくれてありがとうございました!」

「ああ。明日、また事務所でな」

 見送るつもりらしく、プロデューサーさんは車のそばで立っていた。
 これ以上顔をあわせるのは気まずくて、慌て気味に門扉の中に入る。
 うわやばい。どうしよう。恥ずかしい。
 頭の中にはそれしかなくて。ちょっとおざなりになった言葉を後悔する。
 今日はベッドでばたばたしちゃうくらい恥ずかしい。

35: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:12 ID:wijO
「智代子!」


――さっきのことで頭はいっぱいで、けれどその声は特別だったから。

 ドアノブに触れたまま振り返る。
 プロデューサーさんは、これ以上ないくらいやさしい顔だった。
 たった数歩の距離。別に、今である必要はないのかもしれない。
 それでも、どうしても今じゃないとだめだって、そんな風に。

36: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:19 ID:wijO
「ありがとう。今日のライブ、すごかった」

「――成長してる。また、やろうな」

37: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:26 ID:wijO
 そこから、どうやって自分の部屋に入ったか覚えてない。
 多分、お母さんが晩ごはんを用意してくれてるけど、後がいい。



 その日、ベッドでバタバタするんじゃなくて。

 オナニーの回数が一回増えた。

38: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:35 ID:wijO
Chapter2.3……?

39: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:44 ID:wijO







智代子「――というわけでプロデューサーさんのことを考えてオナニーしちゃうんだけど、どうすればいいと思う?」

夏葉「」アタマカカエ











40: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:54:58 ID:wijO
智代子「?」

夏葉「そこで小首をかしげないで智代子。結構エグめの質問で大分困ってるの。お願いだから少し考える時間を頂戴」

智代子「そ、そんなにエグいかな……?」

夏葉「あのね! いきなり相談があるって言われて、もっとデートするときのコーディネイトとかそういうものだと思っていたの!! それがいきなりプロデューサーへのセクハラになりかねないものだった時に私はどういう顔をすればいいの!?」

智代子「ご、ごめん夏葉ちゃん! でもこんなの他の人に相談できないんだよぅ!」

夏葉「わかるけど! わかるけどいきなりはやめて! せめて少しは匂わせて!」

智代子「匂わせたらへたれちゃうじゃん!」

41: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:55:11 ID:wijO
夏葉「最低限! 最低限よ!? 心構えくらいさせて!」

智代子「……ご、ごめんなさい」

夏葉「……それで。智代子はどうしたいの?」

智代子「あ、えーと……その……」

夏葉「……一応、もう心構えくらいはしてるから」

智代子「……か、彼女になりたい、かな……?」

夏葉「………………………………………………想いを伝えるべきじゃないかしら?」

智代子「お願い、すっごい苦々しそうな顔で言うのやめて」

42: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:55:26 ID:wijO
夏葉「実際にその……それだけの関係を持ちたいとしたら想いを告げる以外に考えられないもの。まさか体だけの関係なんて望んでるわけじゃないでしょう?」

智代子「……も、もしさ。振られちゃったら……」

夏葉「……ごめんなさい。軽率だったわ」













智代子「NTRでシちゃうかもしれない……」





夏葉「離れて! オナニーから離れて! なんでそっちにばかり目が行くの!?」

智代子「だ、だって頭から離れないんだもん! ぷ、プロデューサーさんが他の人ととか、実は既に結婚してる人がいたとか! クセになっちゃったらどうすればいいのかわかんないよぅ! 毎日薬指に指輪はめてないかなって見ちゃうんだよ!?」

43: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:55:44 ID:wijO
夏葉「そのときはせめて胸を張らないとダメよ! 悔しさでシてしまったとして何が残るの!?」

智代子「何も残らないから相談してるんだよぅ!」

夏葉「ああもう! とにかく今日から自慰禁止よ! ピンクな思想から離れなさい!」

智代子「そんなぁ!?」

夏葉「プロデューサーの事が好きなんでしょう!? セックスしたいたけじゃないんでしょう?!」

智代子「でも乙女としては押し倒されたり押し倒したりうふんあはんしたいんだよ! 抵抗できない力で手首を握られてちょっと怖いなって顔で見上げたら必死そうな顔してるプロデューサーさんとか見えちゃうの!」

夏葉「デート! デートして! 最低限キスとか手をつなぐとかいきなりABCのZから始めないで!」

智代子「Zじゃないもん!」

夏葉「えっ」

智代子「え?」

夏葉「……こ、これ以上何をするの?」

智代子「そ、それは……」

44: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:55:51 ID:wijO
智代子「外とか後ろとか胸とかお尻とかその、いっぱい?」

夏葉「お願いだから想像の埒外はやめて!」

45: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:55:59 ID:wijO
SubChapter:――足りないの

46: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:56:10 ID:wijO
 鏡の前で、ほとんど裸。





「う、うわぁ……これ想像以上にえっちなやつだ……」
 紐にフリル。本当にこれだけ。
「ま、丸見えだよ……隠してないもん……! お、おっぱいとか、あそことか……! フリルがなかったらただの紐だよこれ……!」
 誘ってるとしか思えない、セックス用にしか見えないそれ。
「あ、やだ……なんで興奮しちゃってるの……?」
 こんなの、だめになる。

47: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:56:20 ID:wijO
「ぷ、プロデューサーさんが見たらなんて言われちゃうんだろ……」

「か、かわいいとか?」

「……似合ってる……?」

「うーん……なんかしっくりこないなぁ……」

「……」

48: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:56:29 ID:wijO
「…………へん、たい?」

 ぞくり。

「……………………へんたい」

 ぞくり。ぞくり。

「い、淫乱……変態……!」

 どろり。
 心が融ける音がした。

49: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:56:39 ID:wijO
 えっちな下着は、着ているだけで興奮してしまう。
 触れてすらいない秘所はもうどろどろになっていて、うけとめるクロッチがない分だけダイレクトに部屋とベッドを汚し始める。
 オナニーを我慢してもう一週間。そろそろ性欲も煮えたぎっていて、我慢できそうになかった。
 けれども触れてしまえば我慢が台無しになってしまう。
 だから。




「ち、乳首だけならオナニーじゃないもん……!」



 つまんでみるとえっちな感じがした。

50: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:56:47 ID:wijO
Chapter???

51: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:57:01 ID:wijO
「へん……たい……っ! 乳首で感じるなんて……っ!」

 擦った乳首からはぞわぞわとした感じがした。
 人差し指で円を書くように。ぐるぐる回る乳頭が、指から逃げて捕まらない。
 追いかけるたび、逃げるたびに擦れた乳首が快感を訴えた。

「ふあっ、あっ、んんっ、あああっ」

 やさしい刺激が怖くて、今度は爪をたててみる。
 爪でほじれば痛いのに、その中にしっかりと快楽を感じる。
 整えた爪は角もないのに傷ができてしまいそうなくらい。
 突き立てれば突き立てるほどに沈み込んで、普段こんなものが自分についてるだなんて信じられなかった。

「ふあああっ」

 痛くした後で、また優しく指でつまんでみる。――直に体温が伝わった。
 爪より熱くて火傷してしまいそう。
 なにより、意地悪された後で優しくされたら気持ちいいに決まってる。今私をいじめているのはきっと悪い男の人なのだ。
 こんな風に、こすって、つついて、つまんだりして。
 乳首をえっちなものに変えてしまうようなことをきっとされてしまう。

「こするのも……っ、つまむのもだめ……っ」

 せめて、痛い方がマシかもと爪を立てる。押し込む。また、声が出る。

「痛いのにっ、痛いのにぃ……っ」

 痛いほどにいきりたつ自分の胸が、なんだかいやらしいものにしか見えなくなってしまう。
 寒くもないのに勃ってしまった乳首は快感を求めていた。

52: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:57:13 ID:wijO
「ぷろ、でゅーさーさん……」


 ――私の胸、どうですか?


 口から出そうになった言葉を必死に飲み込んだ。

「こんな……こんなの……」

 指が止まる。

「へん、たい……! へんたいだよぉ……っ!」

 鏡には自分がいる。

53: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:57:27 ID:wijO
「痛いのに、乳首、痛いのに……! おっきくしちゃってて……っ、おっぱいもじんじんじて……!」

 おっぱいはずっとえっちなままで。

「つ、爪たてただけなのに……おまんこ、ぬれぬれになっちゃって……っ」

 いつもよりずっと濡れていて。

「――ごめん、なさい」


 お仕置きを期待した。

54: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:57:33 ID:wijO
++++

55: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:57:55 ID:wijO
「ふぎゅっ、いいいいぃっ」


 ベッドの中で悲鳴を噛み殺す。今、私はお仕置きされているのだ。


「ごめんっ、なさいっ! 乳首ぃっ、痛くされてっ! 気持ちよくなっちゃってごめんなさいっ!」

 謝罪をものともせず、私は自分の乳首を潰しにかかる。

「はぎっ、んうっ、んぅぅううううっ!」

 
 利き手側、加減なし。思っきり潰した乳頭がぐにゃぐにゃと形を変えながら、有り余る激感を伝えていた。


「ごめんっ、なさいっ! 乳首っ、潰されるのっ、気持ちいいですっ」

 ぐりぐりと。

「あふっ、左側っ、自分でしますからぁっ、もっとつねってぇ……っ」

 ぐりぐりと。

「ひゃううううんっ!? ひっぱるのっ、あああっ!」

 潰したままの手が、おっぱいの形を変えるくらい引っ張って。

「おっぱいっ、えっちでごめんなさいっ! えっちな体でごめんなさいっ!」

 つられて、本音が出てしまう。

56: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:58:14 ID:wijO
 そうだ。だって、一週間しか我慢できなかった。
 プロデューサーさんにめちゃくちゃにされたくて。なのに体はむらむらと興奮してしまって。
 プロデューサーさんのこと、そういう目で見ちゃってた。

「やぁっ、やだっ、キスもしたいよぉっ」

 キスしてほしい。

「首筋っ、噛んでぇっ」

 傷つけてほしい。

「ふあぁっ、おっぱいだけじゃやだぁ……っ!」

 処女を奪ってほしい。

 全部妄想の中の出来事で。全部全部プロデューサーさんに奪ってほしくてしょうがない。













「乳首だけじゃないんですっ、ちゃんと全部プロデューサーさんに全部っ、全部ぅ……っ!」

57: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:58:30 ID:wijO
 石臼みたいにすりつぶす。
 ペンチみたいに挟んで潰す。
 おもちゃみたいに引っ張って。

「――足りない、よぉ……っ!」

 自分の力じゃ限界だった。
 十分に痛い。ひどいことしてると思う。でも、こんなものじゃないと確信していた。
 ――まだ、気持ちいいから。

「お願い、だから……もっと……」

 ――触れてほしい。

58: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:58:43 ID:wijO
 これまでずっと、オナニーするたびに虚しくて悲しかった。
 だって、結局自分だから。
 プロデューサーさんのことを考えてオナニーして、気持ちよくなっても結局それは自分で。
 要するに、触れられたかったのだ。

59: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:59:11 ID:wijO
 手袋越しじゃなくて、素手で手をつないだらどうなるんだろう。


 キスされたら、どうなってしまうんだろう。


 きっと、口を塞ぐ手はもっと力強いんだろう。


 私をいじめてくれる手はごつごつで。


 セックスしたら、もっと太くて。


「――ごめん、なさい……っ」


 こんな風に謝りながらイっちゃったら、もっと。


 上がる息が意識を少しずつクリアにしていく。
 あそこは、触れてもないのに震えていた。

60: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:59:16 ID:wijO
++++++

61: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:59:35 ID:wijO












(何がっつりオナニーしちゃってるの私ぃいいーっ!!)


 えっちな下着は脱いでタンスの奥底にしまった。
 今つけてるのは普通のブラとショーツだ。

「なんで私乳首ならオナニーじゃないって思っちゃったの……!」

 ベッドで脚をばたばたさせる。掛け布団が舞い上がってホコリがきらきらした。
 お母さんたちはまだリビングのはずだ。多分何もいわれないだろう。けど問題はそこじゃなくて。

62: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)11:59:49 ID:wijO
「うぅ……しかも、擦れるとちょっとえっちだよぉ……!」

 思いっきり性欲を発散していた。しかも自分のこと罵りながら。ごめんなさいとか言って。
 挙げ句乳首だけでイっちゃうとか何なの? 変態じゃん。
 激しい自慰の代償か、ブラをつけてるはずなのに敏感になってしまっている。

「擦れてまた気持ちよくなっちゃうと困るんだよぅ……!」

 こんなことだと、抱きしめられた時とか困る。すごくこまる。今うつ伏せで寝るの怖いもん。毎日えっちな夢みちゃったらどうしよう。
 ばたばた。ばたばた。
 言いようのない不安をベッドにぶつけていると、段々と頭は冷静になってきた。

63: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:00:09 ID:wijO
「……プロデューサーさんはそんなことしないもん」

 きっと、優しくしてくれるのだ。
 だからこんなのは自分の妄想で、プロデューサーさんを勝手に使ったひどい妄想だと思う。

「……ごめんなさい、かぁ……」

 最中のことではないけど、ちゃんと謝りたくなってしまう。
 だって、セクハラだし。夏葉ちゃんドン引きさせちゃうし。










「……虚しいなぁ」

64: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:00:50 ID:wijO
Chapter3:ゆめうつつ

65: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:01:06 ID:wijO
「そろそろ事務所か」
「鍵は……ん……? ああ、チョコレートか。一つだけもらったんだったな」
「みんなはもう食べたかな。珍しいチョコレートだって聞いたんだが」
「……ん?」
「んんんん?」
「……これ、ウィスキーボンボンか?」
「……あちゃあ、やってしまったか」
「いや、でもそんなにお酒入ってないし。多分大丈夫だろ」
「智代子も途中で気付いてるだろうし」
「……あれ、なんで智代子の靴がまだあるんだ?」
「今日、午後からのレッスンだけだったよな……」




どたどたどた。



「もぉおおお! プロデューサーさんおそいですっ!」



 ――まったくもって大丈夫ではなかった。

66: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:01:29 ID:wijO
「きいてまふか! きいてるんれふかっ!」

 結論から言えば、智代子は酔っていた。
 しかも、酔って服をはだけていた。

「き、聞いてる! 聞いてるから!」

「じゃあなんれわたしの顔見ないんれふかっ!」

「近い近い近い!!」

 体格差から、必然と視線は下へ向けることとなる。
 そうなれば当然はだけた胸も見えてしまう。
 酔った智代子は赤ら顔で、なんだかもう暴走しているのがわかってしまうくらいだった。

(というかウィスキーボンボンってそんな酔う要素あったか……!?)

「プロデューサーさんっ! なんで見てくれないんですか! 見てくれないの!!」

「見てる! 見てるから! ただ胸はだけてるし目のやり場に困ってるんだよ!」

67: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:01:51 ID:wijO
「! 困ってまふか!」

「困ってる!」

「どうしてれすか!」

「服ちゃんと着てくれ!」

「そうじゃないでーしょおおお!」

 ふんすふんすとより鼻息を荒くしている。どうすればいいんだと聞きたい。
 そもそもまだ3月だというのになぜタイとセーターを脱ぎ捨てているのだろうか。
 シャツも第二ボタンどころか第三、第四くらいまで開けられていて、その豊満な胸から肌色がちらちらと見えている。

「服きてないかられふか!」

「そうだよ!」

「違いますっ!」

「違わないって!」

「むぅうううう! そこに座ってくらさいっ!」

「いやその前に」

「座るの!」

「……くっ」

68: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:02:10 ID:wijO
 勢いで押されている。いや、もう少し冷静になってほしい。
 酔っているとはいえ……いや酔っているのは俺のせいなんだけど!

「……なんで怒ってるんだ……?」

「ふふふふふ、座りましたね……?」

「……一体なにを、って智代子!?」

「んー……」

 太ももをまたぐように。智代子は俺の膝に座っていた。しかも抱きつくように。

「ちょ、近い! 近いから!」

「すんすん……プロデューサーさんいい匂い……」

「嗅ぐなよ!?」

「……嗅いでいいれすよ……?」

「いいわけないだろ!?」

 あんなにしっかりした智代子がなんでこんなことに……!

「……背中に手を回さないでくれ。というかいい加減に」

69: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:02:23 ID:wijO










「おなにー、したことありますか?」









 一瞬だった。
 たった一瞬、一言で、この場が彼女に掌握される。

70: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:02:42 ID:wijO
「わたし……しました」

 艶めかしい。先程までの様子が嘘のよう。
 回された手が、少女のものから女のものへと変わっている。
 赤く、熱っぽい吐息が耳をなぞって、襟元を落ちていく。


「プロデューサーさんのことかんがえて……毎日、毎日……10回しちゃったこともあるんれすよ……?」


 ――熱だ。これは、熱いのだ。
 言葉が灼けて、音を立てる。
 少量とはいえアルコールが入ったからだろうか。そのせいにしたい。それほどまでに、彼女の告白は熱かった。


「事務所で、家で……外でも、なんあらといれでも……プロデューサーさんが、いじめてくれること、かんがえてたんですよ……?」

 言葉を継げない。だってそれは。

「プロデューサーさんにされたら、なんだって気持ちよくなっちゃうんです……だめですか……?」

71: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:02:57 ID:wijO
「だめ、とか……そういう話じゃないだろ」

「えへへ……良かったんですね」

「だからそういう話じゃ……!」

「――乳首、つねると気持ちいいですよ?」

 太ももを挟まれる。押し付けられている胸はぐにぐにと形を変えていて、今にも自慰の道具になってしまいそうだ。

「きもちよかったんです……プロデューサーさんに、変態って。淫乱っていわれながらつねられると、すごく……クセになっちゃったんです」

「言ってない……! ただの想像の話だろ!」

「いわれました。じゃなきゃ、気持ちよくなれないです」

 智代子は片手で俺のシャツのボタンを外した。
 外した後はなぞるように。胸元を流れていく。
 まだ背中に残っている手は愛撫のようになでこすり、本懐を今か今かと待ち構えているようだ。

72: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:03:06 ID:wijO
 ――プロデューサーさんにおしおきされたり、叩かれたり、つねられたり、いじめられたり。

73: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:03:13 ID:wijO
 ――プロデューサーさんの手だって思うだけで気持ちよくなっちゃうんです。

74: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:03:28 ID:wijO
 ――だって、プロデューサーさんのこと、好きですから。

 ――好きなんです。デートして、手をつないで、キスをして。そのまま抱きしめられて。

 ――そんなこと考えてたらいつのまにかえっちなことも考えちゃって。

 ――初めてはやさしくしてくれて。

 ――スカートからパンティを抜き取って、恥ずかしがってる私をかわいいって。

 ――その後、安心させるためにキスしてくれて。

 ――両手をつなぎながらセックスするんです。

75: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:03:40 ID:wijO
 ――おちんちん、おっきくなってますね。興奮してくれたんですか?

 ――えへへ、えへへへっ、はじめておちんちん、触っちゃいました。

76: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:03:57 ID:wijO
 ――プロデューサーさん、好き。好きです……夢に見ちゃうくらい。プロデューサーさんでオナニーしちゃうくらい……抱きしめられると、濡れちゃうくらい、大好きなんです……。

 ――私、我慢してたんですよ? えっちなことだけじゃ嫌われちゃうかもって、一日に何回もしちゃうオナニー、ここ一ヶ月もずっと我慢してたんですよ……?

 ――ずっと、ずーっとプロデューサーさんのこと考えて、こりこりしたりすりすりしたり、じゅぷじゅぷーって入り口のところで出し入れしたり。

 ――おっぱいも大変だったんですよ? ブラつけてるのに、擦れて気持ちよくなっちゃうまで自分でしちゃったんです。

77: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:04:20 ID:wijO
 ――プロデューサーさんでえっちなこと考えて、たった一回オナニーしちゃっただけなのに……ずっとじんじんって、気持ちよくなっちゃうえっちなおっぱいになったんですよ?

 ――プロデューサーさんは、えっちなおっぱい、嫌いですか?

 ――……! えへへへ、嬉しいですかぁ? おっぱい、ぐにぐにってされるの、気持ちいいですか?

 ――実は、さっきから当ててるんですけど……気持ちよくて、もう乳首おっきくなっちゃってるんです……?

78: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:04:34 ID:wijO
 ――プロデューサーさん、たくましくて、強くて……ぐいぐいってすると、固くて、擦れちゃうんです。

 ――ふともも、じっとりしてますか?

 ――わかるんです、見なくても。……今、すごく興奮しちゃってます。

 ――おまんこ、濡れちゃってるんです。

 ――わぁ……おまんこって言ったら、ぴくってしましたよ!

 ――……プロデューサーさん、興味、あるんですか?

79: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:05:02 ID:wijO
 肩で、呼吸をしている。
 走ってもいないのに息切れしてしまいそうだ。でもそのくらい、血液が速く流れている。
 心臓の音が聞こえる。舌の奥がしょっぱくなる。

80: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:05:13 ID:wijO
「プロデューサーさん……じつは、オナニーする妄想で、一度もしたことがないネタがあるんです」

「ネタ、って……?」

「それはずばり!」





 ――セックス、です。

81: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:05:30 ID:wijO
「く、ふ……っ!」

 流れた手は陰茎へと伸びていた。

「指で、いじめられたり、乳首つねられたり……おしりの穴、なぞったり。でも……セックスだけは、想像しかしてないんです」

 強い力ではない。けれど確かに存在を主張している。
 思えば、きっと快楽目的で自分を弄っていたのだ。それを今初めて男に向けているのだろう。

「ちよ、こ……」

「せっくす、おちんちん……おまんこに、プロデューサーさんのおちんちん入れるのだけは、わからなかったんです」

 潤んだ瞳が見透かすように、問いかけるように。こちらへと向けられていた。
 何が少女だ。女じゃないか。ならば応えてやるのが男だろう。
 そんな風に逃げたくなる。それほどまでに彼女は女の匂いを放っている。
 きっとこれも駆け引きなのだろう。流し目も、手管も、吐息も言葉も仕草も。すべてセックスへ持っていくためのなにかなのだろう。
 ――これが処女と、誰が信じるだろうか。

「……だめだ、だめだぞ。そんな、そんなの」

「おちんちん、ほしい。ほしい……ほしいんです。プロデューサーさんに、愛してるとか、好きって言われながら……ねじ込んでほしいんです」

「やらない。絶対だ。そんなことしない……!」

「だめですか……?」

「だめだ! そんなの……絶対……!」

 否定の言葉が口を衝く。
 だって、認めてしまえば台無しになる。

82: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:05:44 ID:wijO
「……じゃあ、せっくす、しないんですか……?」

「するわけないだろ……! そもそもまだ付き合ってすらいない!」

 智代子はまだアイドルなのだ。だから、こんなところで俺が潰してはいけない。まだ輝きを放っている途中なのに。それを潰すなんてできるわけがない。

 けれども智代子は不服らしい。唇を尖らせながら、さも不満そうに言葉を紡ぐ。

「……じゃあ、おちんちんだけ、見せてくれませんか?」

「だからしないって――」

83: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:05:56 ID:wijO












「ぷろでゅーさーさんとおなじくらいのディルドで、おなにーしますから」

84: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:06:19 ID:wijO
「……は?」

 何、なんて言った?

「ぷろでゅーさーさんのおちんちんじゃなくて、ディルドで初めてしますから」

「ちょ、ちょっとまて、何を」

「プロデューサーさんに、はじめてあげたかったなぁ……」

 曰く。
 ここで俺が手を出さなければ、自らの手で純血を失うと?

85: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:06:36 ID:wijO
「ふ、ふざけるな! そんなこと……!」

「プロデューサーさんには関係ありませーん」

「関係あるだろ! そもそも見せたりしないぞ!?」

「じゃあ手ではかりますぅー!」

 手の動きはいかがわしい。
 そもそもセックスするつもりなのだろう。測るといいながらもやってることは手コキのそれだ。

「いい加減にしてくれ! そんなこと正面から言われていいって言えるわけが……!」

「――なんでなんですか?」

「なんでって、決まってるだろ!」

「プロデューサーだからですか……?」

「それは――」

 違う。

86: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:06:51 ID:wijO
「私のこと、好きですか?」

「だからそういうことじゃ……!」

 そうだよ。

「……好きじゃないなら関係ないじゃないですか」

「だから!」










「好きなんだよ張り型なんぞにくれてやるわけないだろ!」

87: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:07:10 ID:wijO
「ああもう! とにかく! 見せたりもしないしセックスもしないから!」

「じゃあ、どうしたら……」

「どうしたらも、そもそもこんな形でしたらダメだろ!」

「……」

「ほら、離れろ! 忘れるから! その、ちゃんと忘れるから。……もう少し時間をくれ」

「じか、ん……」

「……伝わったし、伝えるから。だから、なんというか」

「ん……」

「……とりあえず、今日は何も聞かなかったし、何も起きてない。というかアルコールが入ったせいだろ。そういうことにしておくから。だから……ん?」

















「……すぅ……すぅ……」

「……寝てる?」

88: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:07:18 ID:wijO
「……まじかぁ……」

89: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:07:25 ID:wijO
Chapter3.????

90: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:07:39 ID:wijO
「あの、わ、わわわ私なにかプロデューサーさんに」

「してないよ」

「で、でも! なんだか色々言った記憶が!」

「夢じゃないのか?」

「ね、寝言とか言ってませんよね!? ですよね!?」

「チョコレート食べたいとか、そういうのしか聞いてないな」

「ああああぁぁぁ……た、助かったぁ……」

「その、すまんな。寝顔、恥ずかしかっただろ?」

「い、いえ! プロデューサーさんですから!」

「……そうか。うん。とりあえず、風邪とか引いてないよな?」

「はい! 全く! これっぽっちも!」

「……じゃあ、また事務所で」

「はい!」


















「……どうしよう。どんな顔でいけばいいのか全くわからん」

91: ◆3xQXQ8weeA 21/04/11(日)12:08:46 ID:wijO
あ と が き

いかがだったでしょうか?
いや、相手でシコってるってバレるとやばいよね。超はずい。お酒怖い。

というか書き上げて仮眠して起きたらss速報落ちててどうしよってなってました。ふぬぬ。




結構おしごと忙しかったりするので週1投稿はまだ守れてない……すまぬ……スマヌである……

ただ構想とかその他もろもろ今作りあげてる途中なのであったかい目で見守ってくだされ




作者ツイッター @2F6WqdOwZ6Cwee6

感想をくれると喜びます。褒めて!力強く!