245: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/01/04(月) 23:48:16.27 ID:T14JnM3t0

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††懺悔室YAZAWA††



にこ「ここは懺悔室にこ」人

にこ「己の罪を反省し、悔い改めたい罪深き仔羊が懺悔して神の許しを請う場所にこ」人


にこ「懺悔に来た子羊を、ラブにここと、このにこにーが神の愛(ラブ)を伝えるにこ」人

にこ「なお、子羊が自分の罪を言いやすいよう、子羊とにことの間は衝立があって、誰が来ているのかは分からないにこ」人

にこ「なむ・・・」人



にこ「早速子羊が来たようだにこ」


ガチャ


???「・・・・・・・」


にこ「座りなさい」


ストン


???「・・・・・・・」

にこ「私からはあなたの顔は見えません。誰か分かりません。ですから臆さず、話しなさい」

???「・・・・・はい」

???「・・・・・私を罪を犯しました」

???「神は許してくれますか?」

にこ「あなたの罪とは?」


???「・・・・・・・」

???「・・・・・・・」

???「私には大切な友達がいます。その友達に酷い事をしました」

にこ「酷い事とは?」

???「その友達はとても恥ずかしがり屋さんなんです。だから、なかなか短いスカートを履いてくれません。・・・とっても綺麗な脚を持ってるのに・・・」

にこ「ふむ」

???「でも! 私はどうしても可愛い彼女の姿が見たかったんです! 彼女の太ももが見たかったんです! あわよくば恥ずかしがる海未ちゃんを見たかったんです!」バンバン

にこ「落ち着きなさい」

???「あっ・・・ごめんなさい」

にこ「あなたという人が良く分かりました。確かにあなたは欲にまみれた罪深き人ですね。欲に囚われる人に神は手を差し伸べません。しかし、今懺悔をしたことによって」

???「話はまだ終わってません」

にこ「ごめんにこ」

???「そこでは私は一計を案じました」

???「うm・・・・彼女はチャイナドレスに密かに憧れていたんです」

にこ「ふむ」

???「私は閃きました」

???「私は一見普通のチャイナドレスを作りました。彼女はとても素晴らしい衣装だと言ってくれて、喜んで着てくれました」

???「しかし、私はそのチャイナドレスのスリットの部分はわざと弱く縫っていました」

引用元: ・海未「何ですか、それ?」

246: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/01/04(月) 23:56:37.39 ID:T14JnM3t0


???「そして彼女がチャイナドレスを着てステージに立って踊った時。私の思惑通り、スリットが深くなりましたっ!」

???「ピへへぇ/// じわりじわりと露わになる海未ちゃんの太もも! 最高のエロス! ことりはもう、その太ももから目を離せませんでした! そして、ようやくスリットに気が付いた海未ちゃん! 慌ててその場にへたり込んで顔は真っ赤に染めて恥ずかしがる海未ちゃん!」

???「スリットの部分を手で隠して 『ことりー! 助けてくださいー!』って! マケミちゅーん!! たくさんの写真とフルHD動画を撮って、その夜はたくさんちゅんちゅんしちゃった! 今日もするちゅん!」

???「海未ちゃん海未ちゃんんみちゅぅぁん!!」ピヘェピヘェ

にこ「ラブにこアタック!」ドゴォ

???「ぢゅん!?」

にこ「これが神の応えにこ」




にこ「次の子羊が来たようだにこ」


カチャ


??「・・・・・・・」


にこ「座りなさい」


ストン


??「・・・・・・・」

にこ「聞きましょう」

??「私には大切な友達がいます」

にこ「ふむ」

??「その友達はとにかく人を舐めるのが好きなんです。手だろうが足だろうが、差し出せばすぐに舐めてくれるんです」

にこ「変わった人だにこ」

??「そこで私は閃きました」

??「花陽は膝立ちになって、おもむろにパンツを降ろし

にこ「ラブにこキ~ック!!」ドゴォ

??「パナ゙ァ?!」





にこ「次。入れにこ」

ガチャ

??「私には大切な後輩がいるんです」

にこ「ふむ」

??「その後輩にエロ本を読ませました」

にこ「ラブにこ百烈脚!」ドゴォ

??「ヂカァ?!」



にこ「次」

?「チョコ作ってる時に粉砂糖と間違ってお塩を振りかけちゃったんだけど、捨てるのもったいないからお父さんに食べさせたにゃ。バレンタインだったからとっても喜んでたにゃ」

にこ「ラブにこビ~ム!」ドゴォ

?「に゙ぁ!!」


247: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/01/05(火) 00:02:17.45 ID:GMmQ1eN60



?「なー、にこっち。やっぱり神の愛とか、そういうのウチの役目やない?」

にこ「ラブにこタックル!」ドg...ポヨヨン  にこ「!!??」

?「なんでやねん」




???「おまんじゅう飽きた」

にこ「ラブにこ漢字テスト!」怒号

???「おこる・・・ごう・・・?」




??「大切なお友達を無理矢理押し倒し、花陽は膝立ちになって、おもむろにパンツを降ろし

にこ「ラブにこ置きっぱなし式ブレーンバスター!」ドゴォ




にこ「家族を騙して自分が超人気アイドルって言ってて・・・」

にこ「ラブにこスルー!」ニ゙ゴォ




??「大好きな先輩がいるんだけど素直になれなくって・・・」カミノケクルクル

にこ「らっ、らぶにこキッス・・・///」チュ




??「えっ? 私ですか? う~ん・・・。懺悔するようなことは特にありませんが・・・」

にこ「ラブにこアローシュート!」バーン



253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:17:21.54 ID:to0eMn910

?「近所の大きなホームセンターの駐車場の2階がグレーチング構造(格子状の鋼鉄)の床になっています。日曜日の朝早くに車でそのホームセンターに行き、1階に車を停めて、早々と買い物を済ませて車に戻り、シートを倒してのんびりとガラス越しに上を眺めます。日曜なのですぐに駐車場が一杯になります。すると2階に駐車して車から降りてきた人のs

にこ「・・・・・・」ドゴォォオオおおオオンン!!!!!!!110







?「中学生の頃、音楽の授業で自分のリコーダーを机の中にしまっていたのを忘れていて、席を外していた隣の女子のリコーダーを自分のと間違えて手に取って、その後隣の女子が戻ってきてリコーダーが無いことに気が付いて、先生に言って、すぐに先生が生徒全員に向かって『○○さんのリコーダー知りませんか?』って言ったんだけど、その時に自分のリコーダーが机に中にある事を思い出して、自分が今手に持ってるリコーダーが隣の女子のリコーダーだと気が付いたけど、みんなが見てる中言い出せなくて、そのまま家に持って帰っちゃって、厳かにp

にこ「・・・・・・」オシテポチリ

254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:18:52.16 ID:to0eMn910

255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:19:30.74 ID:to0eMn910





にこ「良い子はこんなの見てないで、さっさと寝ろにこ」




256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:32:37.91 ID:to0eMn910
メモ帳




ラブライブ!
 ・・・生徒会Aを演じる橘田いずみ

橘田いずみオフィシャルブログ「いずの餃子」
 ・・・橘田いずみの "女王" という呼称

ミルキィホームズの特別授業
 ・・・徳井青空が腕相撲対決で優勝
 ・・・橘田いずみが三森すずこのお尻をガン見した話
 ・・・温泉旅館で徳井青空の裸を見たがる橘田いずみ
 ・・・撮影中にも関わらず、百合漫画"百合男子"を読み耽る橘田いずみ
 ・・・死んだふりをしている徳井青空に覆いかぶさる橘田いずみ
 ・・・徳井青空に精神攻撃を仕掛ける橘田いずみ
 ・・・ハンマーゲームで優勝した橘田いずみ
 ・・・カブトムシの絵を描く橘田いずみと徳井青空
 ・・・体を洗うときはタオルで強く擦るように母親に教えられた徳井青空
 ・・・文学部卒業なのに、ことわざクイズで全問不正解の橘田いずみ
 ・・・電車やエスカレーターで女性のスカートの中が見える見えないについて語る橘田いずみ

燃えろ!ミルキィホームズ
 ・・・三森すずこの口にポッキーを突っ込んで、片方を咥える橘田いずみ
 ・・・徳井青空の頭にハンガーを挟んで遊ぶ橘田いずみ
 ・・・徳井青空の鼻の穴に突っ込んだポッキーを三森すずこに食べさせる橘田いずみ

【Blu-ray発売記念】特番!浦安鉄筋家族〜アニメ一挙放送もあるよ〜
 ・・・楠田亜衣奈の目を手で覆い、チョコレートフォンデュに付けた稲荷寿司を食べさせる橘田いずみ

鷲崎健の2h
 ・・・橘田いずみから冷蔵庫を譲り受けた話をする三森すずこ

ワタモテRADIO
 ・・・橘田いずみのクリスマスの過ごし方について

ラブライブ! μ's広報部 ~にこりんぱな~
 ・・・徳井青空の一人称「ボク」
 ・・・徳井青空と久保ユリカは飯田里穂を笑わせるためだけに存在すると語る久保ユリカ
 ・・・久保ユリカのプライベート「部屋で一人で雑誌読んでる」「壁の写真を撮った」「お帰りなさいって言って欲しくて一人でメイド喫茶に行ってた」等
 ・・・飯田里穂、久保ユリカ、徳井青空が自身の財布の中に入っている電器店のポイントカードを数えた所、徳井青空が一番多く、そのことについて久保ユリカに「そらはオタクだからたくさん持ってるんだよ」と言われる
 ・・・為替レートにあまり詳しくない久保ユリカ
 ・・・エヴァンゲリオンの映画にコスプレして行く徳井青空と久保ユリカ

ラブライ部 ニコ生課外活動 〜ことほのうみ〜
 ・・・小学校から中学生にかけて、友人とお笑い芸人を目指していた徳井青空
 ・・・マーライオンを描く久保ユリカ
 ・・・アルパカを描く久保ユリカ

μ’s全員集合ニコ生特番
 ・・・穂乃果を描く久保ユリカ

「橘田いずみのザ・餃子出版記念」~餃子は我が人生! 生まれる前から好きでした~
 ・・・徳井青空がご飯と一緒にギョウザを食べようとすると、橘田いずみが不機嫌になる

ニコ生ラブライブ!アワー えみつんファイトクラブ
 ・・・(仮想)の巨大生物や電車に対して、圧倒的なパワー見せる新田恵海
 ・・・生放送なのにパーソナリティである新田恵海が体調を崩してしまい、出演はするもしゃべれなくなってしまう。代わり司会進行を務めたのがゲストのはずの久保ユリカ

ニセコイラジオ
 ・・・東山奈央に壁ドンをする佐倉綾音
 ・・・佐倉綾音(年下)の東山奈央(年上)への呼び方「なお」

なれる!SE ~萌えるSE相談所~
 ・・・東山奈央の佐倉綾音に対する印象「全部が好き」等

もじゃ先輩とさくら君
 ・・・百合雑誌の中で百合のマニア度をランク付けするコラムがあり、その中の最高ランクである "百合マスター" の条件をクリアしていた佐倉綾音。利根健太朗「あやねるは百合マスターよりもっとすごいと思うけどな」
 ・・・佐倉綾音「百合の限界はデコちゅー」
 ・・・佐倉綾音の東山奈央に対する印象「なおちゃんにならデコちゅーできる! 何杯でもいける!」「相思相愛ですよ! なおちゃんとは『ダーリン♪』『ハニー♪』と呼び合う関係ですよ!」等。利根健太朗「それは、なおちゃんの方は友達同士くらいにしか思ってないんじゃ?」 佐倉綾音「えっ・・・?(絶句) ・・・今度確認します。私の事どう思ってるの?! って」

こえバナ!~女性声優だらけの大忘年会~
 ・・・東山奈央「あやねる、私の事なんて呼んでたっけ?」 佐倉綾音「ダーリン!」 東山奈央「うそだー。初めて聞いたー」

矢作紗友里・東山奈央のRADIO:XBLAZE
 ・・・22歳の東山奈央が「一日10分程度でできるドリルありませんか」と本屋の店員に尋ねた所、中学生のコーナーに通され、「高校受験かな?」と聞かれた。東山奈央は中3でちょうどいいやと思って、そのまま中学3年生5科の10分間基礎ドリルを購入

ラジオ シドニアの騎士~綾と綾音の秘密の光合成~
 ・・・洲崎綾「あやねるのブラジャー付けてみたり」
 ・・・洲崎綾「急なお泊りだったから下着とか無くて、あやねるからすっごい綺麗なパンツをもらった。もっときったないあやねるのパンツないの?」
 ・・・佐倉綾音「アタシの下着入れずーっと探ってるの」 洲崎綾「もしサイズが合ってるのあったら持って帰ろうと思って見てた」

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:38:55.60 ID:to0eMn910

ラジオどっとあい 佐倉綾音のかけだし、さくら前線。
 ・・・浴衣を着た花澤香菜のうなじを想像して発作を起し、奇声をあげる佐倉綾音
 ・・・百合について熱く語りまくって、周りの大人たちを苦笑いさせる佐倉綾音 
 ・・・佐倉綾音が "花澤香菜のひとりでできるかな?" を聴いている際に、自身の名前が出てきたという話をした所、佐倉綾音が興奮し、奇妙な笑い声を上げて、キモいと言われる
 ・・・CDが売れ始めてポニーキャニオンに対してお寿司をごちそうしてもらえることを期待した佐倉綾音「じゅるじゅる」

矢作・佐倉のちょっとお時間よろしいですか
 ・・・女性リスナーから「寒い時に女性の先輩からブレザーを掛けられてトゥンクした」というお便りを受け取り、それに対して矢作紗友里の「ブレザーは薄いからマフラーの方が良かった」という意見に、佐倉綾音は「違いますー! 布の厚みじゃないんですー! 先輩の顔の紅潮とかで温まちゃうんですー! 論破ー!」
 ・・・身だしなみを整える時間が一般的な女性より遥かに短い佐倉綾音

じょしらく
 ・・・佐倉綾音「つまんねーこと聞くなよ!」

女子落語協会一門の女子トーーーク!
 ・・・クリスマスでイチャつくカップルにイライラするというトークを繰り広げる南條愛乃と佐倉綾音

佐倉綾音 Ayane*LDK
 ・・・佐倉綾音の橘田いずみに対する印象「めっちゃスタイルいいわぁ・・・」等
 ・・・女性が髪を耳に掛ける仕草が好きと語る佐倉綾音

橘田いずみ ツイッター
 ・・・洋服屋で佐倉綾音に偶然出会う橘田いずみ

ガンガンGAちゃんねる
 ・・・佐倉綾音「綺麗なお姉さんの夢を見るにはどうすればいいのだろう? → 写真集を枕の下に置いて寝たらいいんじゃない? 三森すずこさんとか」

ご注文はラジオですか?
 ・・・佐倉綾音と水瀬いのりがお互いの好きな所を交互に言い合うというテーマで、水瀬いのりが「笑顔!」と言った所、佐倉綾音が悶絶して紅潮し、水瀬いのりが「佐倉さんチーク濃くなってきた?」と指摘
 ・・・佐倉綾音が中学生の頃、一人称が "ボク" なのをクラスメイトにバカにされ、だんだんと変わっていったという話

ご注文はうさぎですか??
 ・・・佐倉綾音の咆哮(`0言0́*)<ヴェアアアアアアアア

花澤香菜のひとりでできるかな?
 ・・・佐倉綾音が花澤香菜に対して花澤香菜の魅力を教えるというテーマで佐倉綾音が話し始めるが、その際の花澤香菜の反応が「やだやだ! 気持ち悪いこの人!」「怖いよー!」「なんなのあやねるは! どうしたいんだ私を!?」「重いよー! 愛が重いよー!」と言いつつも嬉しそう

麻雀最強戦2012
 ・・・徳井青空「友達いない」「メンツ集められない」
 ・・・徳井青空が言った「買うーピン」というダジャレ

魔法少女★自宅ちゃん
 ・・・徳井青空のマンガ

PileちゃんのチャンネルPile
 ・・・Pileの三森すずこに対する印象「大の仲良しなんですわ」
 ・・・出演するお渡し会の会場を間違えるPile

魔法笑女マジカル☆ウッチー
 ・・・28歳の内田彩が自身の事を "少女" だと主張し、魔法少女に変身する


三省堂 大辞林
しょう じょ せうぢよ [1] 【少女】
①年若い女の子。普通,七,八歳から一五,六歳くらいまで。おとめ。 → 少年
②律令制の年齢区分で,一七歳以上二〇歳以下の女子の称。



Pileオフィシャルブログ「☆きらきら まいにっち☆」
 ・・・Pileの過去

百合男子 ドラマCD オーディオコメンタリー
 ・・・百合漫画 "百合男子" について語る佐倉綾音

百合魂-ゆりイズム-
 ・・・百合漫画 "百合男子" について語る橘田いずみ
 ・・・三上枝織から「7秒間見つめられると恋に落ちる」と聞き、実践する橘田いずみ

東京レイヴンズDVD オーディオコメンタリー
 ・・・ "雨の日に自販機の横で泣いている女の子" について語る橘田いずみと佐倉綾音
 ・・・佐倉綾音の橘田いずみへの呼び方「いずみねーさん」

【ガールズ落語ラジオ】じょしらじ
 ・・・登場キャラクターの百合カップリングの妄想について熱心に語る佐倉綾音

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:51:24.17 ID:to0eMn910

RADIOアニメロミックス ラブライブ!~のぞえりRadio Garden~
 ・・・メカトロン(ボイスチェンジャーを使った楠田亜衣奈の変な声)
 ・・・南條愛乃と楠田亜衣奈が鎌倉へ遊びに行った帰り、都内で文房具屋へ行く → 約束ノート
 ・・・回を重ねるごとに、楠田亜衣奈が南條愛乃のあだ名(なんちゃん)を呼ぶ回数が多くなり、丁寧語が少なくなっていく
 ・・・南條愛乃と楠田亜衣奈との腕相撲対決で、圧倒的なパワー見せる新田恵海
 ・・・年齢を意識させられるから「先輩」と呼ばれたくない南條愛乃
 ・・・楠田亜衣が、新田恵海と共に、神田明神、ライブ、銚子、箱根に行った話しをする
 ・・・楠田亜衣奈と一緒にうなぎを食べに行ったのを忘れていた南條愛乃
 ・・・南條愛乃のPileに対する初対面の印象「セレブ感半端ねえ」
 ・・・南條愛乃の久保ユリカに対する初対面の印象「隅っこの方でカーディガンを肩からかけて、小説みたいのを読んでた。すげえ美少女がいるけど、ちょっとしゃべりかけられないなあ」
 ・・・ラブライブについて、当初は「こんなにさあ、長くなるコンテンツだと思ってなかった」と語る南條愛乃
 ・・・南條愛乃「硝子の花園やる前日の夕食、くっすんとめっちゃ近くなるのに、『くっすんごめんね』って言いながら餃子とニラ入ってるあんかけの何かを一杯食べちゃった」
 ・・・「ハラショー」という発音はカタカナで構わないと指示を受けていた南條愛乃だったが、それに対して佐倉綾音は本来のロシア語を真似て巻き舌を効かせた「ハラショー」を発音していたという

ニコ生ラブライブ!アワー のぞほの☆バラエティボックス
 ・・・大変仲が良い新田恵海と楠田亜衣奈
 ・・・過去に新田恵海が骨折してしまった時の話。自転車に乗っている時に、遠くにいる友人に手を振ったところ、バランスを崩して、畑に落ちて脚の骨を折った新田恵美

今日もいい天気だよ。
 ・・・南條愛乃が飼っている猫について
 ・・・徳井青空にお菓子を与えて餌付けする南條愛乃

南條一間
 ・・・南條愛乃「貧乏だったよ。コンビニ弁当買えなくて、カップ麺も買えなくて、ひもじくてコンビニで泣いたよ」

麦穂あんな 公式ブログ*O CHI RA TO*
 ・・・仕事に対する真摯で誠実な姿勢を書き綴る麦穂あんな
 ・・・デジモンの声優になりたい麦穂あんな
 ・・・島根県出身の麦穂あんな
 ・・・うなぎを提供するお食事処の大将と交流のある麦穂あんな
 ・・・『チベット犬物語~金色のドージェ~』犬と人間が対等な立場で描かれている作品。麦穂あんなが出演
 ・・・声優の志望理由について書き綴る麦穂あんな
 ・・・自身のプロフィールに犬と書いている麦穂あんな

ラブライブ! μ's First LoveLive!
 ・・・久保ユリカが観客の事を気遣い「ケガをしない、させない」との注意喚起をする。以降ライブがある毎に同じ注意喚起を行う

ラブライブ! μ's New Year LoveLive! 2013
 ・・・ "Mermaid Festa Vol.2, Passionate" にて、タオルを振り回しながら歌う新田恵海と飯田里穂

ラブライブ! μ's 3rd Anniversary LoveLive!
 ・・・リボンを付ける忘れる内田彩
 ・・・二名ずつのカップリングを組む "WILD STARS" にて、一人余った三森すずこがセンターを務める。内田彩「穂乃果ちゃんはことりが取っちゃったから」
 ・・・ "まほうつかいはじめました!"  にて、メガホンを持ちながら歌う徳井青空

ラブライブ! μ's Go→Go! LoveLive! 2015 〜Dream Sensation!〜
 ・・・腕を組んで歩く久保ユリカと飯田里穂

みるみるミルキィ
 ・・・徳井青空が初めて橘田いずみの家にお泊りした際、色々戸惑ってしまった話しをする
 ・・・自身の著書を宣伝する橘田いずみ
 ・・・梅干しは、塩分濃度が高い程甘いと誤解していた橘田いずみ
 ・・・バレンタインデーの企画の中で、徳井青空が橘田いずみに壁ドンをする

ふじびじインフォMAX
 ・・・ヘアケアアイテム "CLEAR" を紹介する新田恵海とPile

放課後ラブライブ!
 ・・・三森すずこのデューク東郷の顔真似

ブシナビ
 ・・・ヴァンガードの初心者講習会の打ち上げ及び新入社員の歓迎会の席にて、ブシロード関西地区営業担当 大野祐佳 に対し、橘田いずみが寄り添い「私達、結婚しました。私、こちらの新入社員の大野さんの事がお一目惚れしまして―――」

探偵オペラ ミルキィホームズ
 ・・・橘田いずみが演じるコーデリア・グラウカのご先祖様役を演じる井上喜久子

探偵オペラ ミルキィホームズDVD 映像特典
 ・・・食器を片づける橘田いずみに対し、徳井青空「早く洗ってくんなぁい?」 橘田いずみ「元ヤン怖い。南房総市怖い」

2.5次元てれび
 ・・・金田朋子のトークが面白すぎて、南條愛乃「お弁当吐きそう」

ヴァンガードラジオG
 ・・・橘田いずみの井上喜久子に対する印象「ほわーっと、いつも幸せオーラをぶち撒いている」「歩いた跡はお花が咲き乱れている」等
 ・・・橘田いずみが自分の汗を三森すずこに嗅がせる話
 ・・・橘田いずみが新田恵海の誕生日に牛タンをプレゼントする
 ・・・橘田いずみの新田恵海への呼び方「ニータ」

259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 19:57:46.57 ID:to0eMn910

井上喜久子 魅惑のおしゃべりメロン
 ・・・井上喜久子が "そらまる" を「そらまめ」と言い間違えそうだと語る
 ・・・女性の肩甲骨が好きで、三森すずこの肩甲骨を写真に収めたと話す橘田いずみ
 ・・・橘田いずみに「お姉ちゃん」と呼ばせる井上喜久子(17)
 ・・・橘田いずみと三森すずこを前にして「スタジオがお花畑みたい」と喜ぶ井上喜久子
 ・・・三森すずこが井上喜久子に対して、橘田いずみの事を「いず様はちょっとドSな所があって」と紹介する
 ・・・橘田いずみ「ツンデレは、男性にツンツン、女性にデレデレする言葉だと広めたい」
 ・・・徳井青空「埼玉スーパーアリーナではヲタ芸を禁止されているんですけど、関係者席は割とスペースがあったので、サイリウムをバルログ持ちして思いっきり楽しみました」 佐々木未来「後ろ姿が完全にガチオタクでした」

It's a Voiceful World〜ラジオショーへようこそ!〜
 ・・・日高のり子が子供の頃に魔法少女に憧れていた時の事を語る

ブシモのテレビ
 ・・・スクールアイドルフェスティバル内の称号を考えるというテーマで "にこまきまきにこ" 、 "のぞうみうみのぞ" を提案する橘田いずみ

金朋声優ラボ
 ・・・妹が親友の内田彩
 ・・・パンツが嫌いな橘田いずみ
 ・・・可愛い人の前でカッコつける橘田いずみ
 ・・・背の高い女性にしか興味が無い橘田いずみ
 ・・・他人の目尻等のしわが好きな橘田いずみ
 ・・・日高のり子のモノマネが上手な新田恵海「メイのバカッ!」
 ・・・金田朋子「井上喜久子さんは私が唯一つっこめる声優さんですから」


明日は明日の朋ちゃんねる
 ・・・気軽に買えるお勧めのお菓子はなんですか? という質問に対して、井上喜久子「ちっちゃいチョコレート系の100円くらいで売ってるのは大体バックに入ってる。色んな種類が好きだけど、特に中がサクッとなってるチョコレートが好き」

ああっ女神さまっ
 ・・・女神のキャラクターを演じる井上喜久子。コスプレもこなす

トランスフォーマー アドベンチャー
 ・・・人の精神を乗っ取る女王蜂のキャラクターを演じる井上喜久子


260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 22:54:50.91 ID:to0eMn910


最終話:赤い糸
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穂乃果部屋

いつものように集まっているいつもの三人。



海未「何ですか、それ? 赤い糸?」

穂乃果「そう! これはねー、夢の赤い糸なの!」

ことり「夢の赤い糸?」

穂乃果「自分と相手、お互の指をこの夢の赤い糸で結ぶの。すると先に眠った人が未来の夢を見るんだって! そして、後に寝た人が先に寝た人の夢に入り込むことができるの!」

ことり「未来が見られるの?! すごい!」

海未「いやいや、すごいってもんじゃないですよ、それ。競馬とか株目的で使用したらどうなるんですか」

穂乃果「あー、違うよ。そういう感じで使えるんじゃなくってね」

穂乃果「未来ってほんの些細な事で無限に分岐するから、未来というよりは、その人が今、将来叶えたいと思っている“夢”を夢として見るようなものなんだって」

海未「なるほど。それはそれで面白そうですね」

ことり「例え見られるのが“夢”だとしても、将来実際に叶う事だってあり得るし、やっぱり未来を見られる機械だよ! でも、どうしたのそれ? またロボット部の人が作ったの?」

穂乃果「うん」

海未「私思うんですけど、我が校のロボット部の方々は、コンテストの書類審査云々より、そろそろノーベル賞の2~3個はもらって教科書に載ってもいいんじゃないでしょうか」



穂乃果「それじゃあ、早速、今夜海未ちゃんとことりちゃんの未来を穂乃果が見てもいい?」

海未「ええ、構いませんよ」

ことり「うん! 見て見て! 未来の私がどんなか知りたい!」

穂乃果「ありがとう! 楽しみ!」

海未「でも、穂乃果。そんなこと言って先に寝てしまったりしませんか? 未来を見させてもらうのは私の方かもしれませんね」クスクス

穂乃果「うっ・・・。こ、コーヒーたくさん飲むもんね!」

ことり「穂乃果ちゃん、おねしょしちゃうよ・・・」



---------------
夜10時


海未「すー、すー・・・」zzz

穂乃果「コーヒー飲むまでも無かったよ」

ことり「あはは・・・。海未ちゃん、いつも朝5時にはもう剣道の朝稽古してるもんね」


穂乃果「それじゃあ、早速海未ちゃんの小指と、穂乃果の小指を、この夢の赤い糸で結んでっと」キュ

穂乃果「これでよし!」

ことり「なんか/// 運命の人同士みたい・・・///」



261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 22:58:06.45 ID:to0eMn910

穂乃果「あっ/// い、言われてみれば・・・///」

穂乃果「えっと/// と、とにかく横になろっと」

穂乃果「この糸、あんま長くないから、くっついて寝ないと」

穂乃果「海未ちゃん、しつれいしま~す」ゴソゴソ

海未「すー、すー・・・」zzz

穂乃果「それじゃ、おやすみー」

ことり「はい、おやすみ~」


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジャジャン―――
ジャン, ジャン―――

穂乃果「・・・・・・」ポワー

穂乃果「三味線の・・・・音・・・?」ポワー

穂乃果「はっ! こ、ここはっ?」キョロキョロ

穂乃果「あー、海未ちゃんちの道場だった」




『しーほーにぃーめぐーぅるぅーうーうーうーぅぅ』~♪

ジャジャジャジャジャン―――

『おーーーうぅぅぎぃいいーいーのーとぉぉもぉぅうえぇ』~♪




穂乃果「歌・・・? 日舞の曲かな・・・?」



海未「・・・・・・・・」スー、スー...クルッ.....



穂乃果「あっ、海未ちゃんいた。・・・あれっ? あの人、う、海未・・・ちゃん? だよね?」

穂乃果「舞ってるけど、海未ちゃんあんなに大人っぽくないよね。それじゃ、あの人は海未ちゃんのお母さんかな」



海未「・・・・・・・・」スー、スー――バッ....



穂乃果「でも、海未ちゃんの気がするんだけど・・・」

穂乃果「それにしては、なんか・・・扇子持って舞ってる姿が、すごく、優雅っていうか・・・・・・落ち着いてて、かっこよくて・・・」ポー




ジャン, ジャン,ジャン,ジャン―――

『ふぅううーーーぐぅぅーーううるぁぁああまぁのぉおおおーーー ゆぅううるしーのーーおー いーぉぉおろぉー もー きーぃのーぉぉ きょぉぉぉおおーうう』~♪


海未「・・・・・・・・」スー、スー――....




穂乃果「ほわー・・・・きれー・・・」ポー...



---------------

262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 23:04:55.96 ID:to0eMn910

『いーーーくぅよぉお↑のぉおお はぁぁぁぁああああるぅぅぅぅううううぅぅぅ、』~♪


海未「・・・・・・・・」スー、スー――


『やあぁぁあ、あーーーーぁぁああああーー、にーほーーぉおおおおふぉぉぉ』~♪


海未「・・・・・・・・」....スー.... クルッ,サッ


『ルァらーーーーーんーーーーんんーーーーイヨッ!』ポコンッ


海未「・・・・・・・・」ペコリ




穂乃果「ほわー・・・・」ポワー....タラン....

海未「ふぅ・・・」ムクリ

海未「・・・んっ? なんですか穂乃果、だらしないですよ。涎が垂れてます」

穂乃果「ほー・・・・・・・ふぇあ?!」ジュル,ゴシゴシ

穂乃果「あっ! やっぱり海未ちゃんだった!」

海未「やっぱりとはなんですか、やっぱりとは」

穂乃果「だって最近はみんなとスクールアイドルの明るい曲ばっかり歌って踊ってるから、そっちのイメージが強くなっちゃってて」

穂乃果「でも! こっちが本当の海未ちゃんなんだよね。それに、なんかいつもより大人っぽくて、なんだか海未ちゃんのお母さんみたいだったよ! すごかった! きれーだった!」パチパチパチ

海未「そ、そうですか・・・/// しかし、穂乃果もおかしなことを言うのですね。私達がスクールアイドルをしていたのは、最近じゃなくて、もう随分昔の事じゃないですか」

穂乃果「へっ? 昔・・・? あっ、そうか、今これって海未ちゃんの未来なんだった」

穂乃果「ほえー。海未ちゃんて、将来こんな人になるんだ。でも、想像通りって感じ! 小さい頃からずっと長い黒髪で、可愛くてかっこいいままで、大人になってる! 美人! 凛々しい! やまとなでしこ!」

海未「も、もう/// なんで穂乃果はいつもそうやってなんの戸惑いも無く素直に人を褒められるんですか・・・///」

穂乃果「思ってること言ってるだけだよ~」

海未「・・・その、嬉しいですけど/// ・・・道場内でそのような発言は控えてください」

穂乃果「どうして?」

海未「道場内では規律と礼節が大事です。それに、私も弟子達にとって見本となるべき身ですから、そんな私が浮足立ってしまうと弟子達に示しがつきませんので・・・」

穂乃果「弟子? 海未ちゃんが海未ちゃんのお母さんの弟子じゃないの?」

海未「数年前に私が家元を受け継いだじゃないですか・・。穂乃果? 熱でもあるんですか?」

穂乃果「・・・えっ? あっ! ああ、そっか! うんうん、そうだよね! ちょっとうっかりしちゃってたよ!」


穂乃果(ほえー。海未ちゃん日舞のお師匠さんになるんだ)

穂乃果(海未ちゃんの未来は、美人な日舞のお師匠さんかあ。うん! ぴったりだね!)

穂乃果(でも、なんか想像通り過ぎるというか、意外性が無さすぎて、ちょっとあっけないなー)

穂乃果(海未ちゃんらしいといえば、海未ちゃんらしいなあ。ずっと堅実にしっかりと生きいくんだろうなあ)

穂乃果(それはそれで簡単な事じゃないよね。やっぱり海未ちゃんはすごいなー)

穂乃果(いずれにせよ・・・・なるほど。これが海未ちゃんの未来か。よく分かった!)



海未「そろそろ行きましょうか」

穂乃果「ほぇ? どこに?」

海未「どこって・・・。いつものお稽古の後は一緒に食事をしているじゃないですか」

穂乃果「へっ? 穂乃果と? そうなんだ。分かった! 行こう!」



263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 23:08:26.16 ID:to0eMn910

---------------
園田家 居間


ことり「あっ! ご主人様! おかえりなさいませ!」ニコッ

穂乃果「あれっ? ことりちゃん、メイド服着て何やってるの?」

ことり「えっ・・・・?」

海未「なにやってるって・・・。ことりは私の専属でご奉仕頂いているメイドではありませんか・・・。穂乃果? 今日は一体どうしたのですか」

穂乃果「ええっ!?! ことりちゃんが海未ちゃんのメイドさん?!!! なんでええ?!」

ことり「なんでって・・・。あ、あのっ・・・」オロオロ

ことり「私、何か粗相をしてしまったでしょうか・・・。申し訳ございません・・・・」シュン

穂乃果「あっ! 違うの! 違うの! ことりちゃんはいつものことりちゃんだよ!」アセアセ

穂乃果「おかしいのは穂乃果の方だから! ごめんね!」ペコッ

ことり「ああっ! そんな、頭を下げていただくなんてもったいないです!」オロオロ

海未「いいのですよ、ことり。私のことりを不安にさせた穂乃果に非があるのです」

ことり「で、でもぉ・・・」オロオロ

海未「気にしなくていいです。それより、食事の方は」

ことり「あっ! はい! 只今お持ちいたします!」タタッ

海未「はい、お願いしますね」


海未「全く・・・。穂乃果、何があったのか分かりませんが、あまりことりを悲しませないでください」

穂乃果「う、うん。ごめんね」


穂乃果(ほえー・・・。びっくりしたなー・・・。海未ちゃん、将来はことりちゃんを専属メイドさんにしちゃうんだ)

穂乃果(一体どういう経緯でメイドさんになったんだろう。気になるなあ)

穂乃果(それにしても、和風なお家の海未ちゃんちだけど、洋風なメイド服のことりちゃんが働いていると、ちょっとアンバランスな気もするけど・・・まあ、いいか)

穂乃果(あっ、そういえば、ことりちゃんの雰囲気は、いつものことりちゃんだったなあ。海未ちゃんは大人だったのに。穂乃果もいつも通りだし。未来の姿になるのは夢を見ている本人だけなのかな)


ことり「お待たせいたしました! チャーハンと餃子、それと穂むらのおまんじゅうですっ!」トン トン トン

穂乃果「お、おお・・・・・! 黄金色のチャーハン! これ、海未ちゃんが作るチャーハンじゃない?」ジュルリ....

ことり「はいっ! ご主人様から教えて頂いたレシピ通りに作りました!」

穂乃果「それと・・・うちのおまんじゅう、かあ」

海未「これがとてもおいしいんです」ヒョイ, パク

穂乃果「うーん・・・そうかなあ・・・もう食べ飽きたよ・・・」ヒョイ, パク

穂乃果「んんんんっ?!!」ビクッ

穂乃果「なにこれっ?!! めっちゃうまい!!」

海未「ええ。昔から変わらないこの味、本当に絶品です」

穂乃果「うちのおまんじゅうってこんなにおいしかったんだ・・・毎日食べてるけど知らなかった・・・」

264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 23:15:41.97 ID:to0eMn910

穂乃果「あ、いやいや、それはおかしいって。これ本当にうちのおまんじゅう?」モグモグ

ことり「穂むらのおまんじゅうですよ~」

穂乃果「うーん・・・。確かに、この餡子の煮加減、砂糖の量、皮の厚さと柔らかさ。それに、材料も全部国産だね。この作り方は間違いなくお父さんだなあ」モグモグ

穂乃果「お父さん頑固だから、ほむまんだけは絶対に作り方を変えないはずだけど・・・。なんでこんなにおいしくなってるんだろう?」

穂乃果「・・・あ、多分、今は海未ちゃんの夢の中だから、これが海未ちゃんがいつも感じてるうちのおまんじゅうの味ってことなのかなあ?」

穂乃果「これだけおいしく感じてたら、海未ちゃんがうちのおまんじゅう好きって言いたくなる理由も分かるなあ」



海未「さっきからなにをブツブツ言っているのですか」

穂乃果「あ、ううん、何でもない」

海未「ところで穂乃果。昔に約束した、これを超える新作の和菓子の進捗はどうですか?」

穂乃果「あ、ああ・・・うん・・・。えっと・・・結構難しくって、もうちょっと待っててね・・・えへへ」

海未「はい。楽しみです。いつまでも待ちます」

穂乃果「う、うん。ごめんね」

穂乃果(まいったなあ・・・。海未ちゃん、お父さんが作るうちのおまんじゅうがこんなにおいしいって感じていたなんて、想定外すぎる・・・。これを超えるなんてできるのかなあ・・・)

穂乃果(でも、約束だもんね。がんばらなきゃ・・・!)グッ



穂乃果「あっ、海未ちゃんに釣られて、ついおまんじゅうを先に食べちゃってた」

穂乃果「ね! ね! チャーハンと餃子の方も食べてもいいよね!」ジュルル

海未「はい。頂きましょう」

穂乃果「やった! いただきまーす!」

ことり「はいっ。召し上がってください♪」




海未「あの、ことり。ちなみに、こちらの餃子は・・・」コソッ

ことり「はいっ。もちろん、奥様の栄養管理を考慮して、細かくしたピーマンを入れてありますよっ」コソッ

海未「そ、そうですか、ありがとうございます・・・///」




穂乃果「ングング ムシャムシャ」

穂乃果「んー! やっぱり海未ちゃんのチャーハンだ! おいしー!」

ことり「ご主人様の味を再現できて良かったです/// ありがとうございます///」テレテレ

海未「ふふっ。穂乃果がおいしそうに食べる姿は見てて癒されますね」


穂乃果「こっちの餃子は」モグモグ

穂乃果「おおっ! この前食べた餃子だ! あれ、おいしいと思ってたんだよねー!」

海未「最初にこの餃子を作った時は私の分まで食べられてしまって驚きましたが・・・」

穂乃果「うっ、ご、ごめんね」

海未「ま、まあ・・・あんなに夢中になって食べてくれて、悪い気はしなかったですから・・・//」


海未「それにしても・・・穂乃果がこれを食べていると思い出しますね・・・///」ポッ

穂乃果「ふぁにお?(何を?)」モグモグ

ことり「あっ! 知ってますよ! 奥様がご主人様にプロポーズした時の事ですよね!」

265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/12(土) 23:20:51.61 ID:to0eMn910

海未「こ、ことり!/// そ、そんなはっきり言わなくても・・・///」モジモジ

穂乃果「・・・・・?」モグモグ

穂乃果「・・・・・・・・・・・」モグモ...

穂乃果「・・・・・・・・・・・」シーン

穂乃果「・・・・・・・・・・・」


穂乃果「・・・・・・・・・・・」


穂乃果「・・・・・・・・・・・」


穂乃果「・・・・・・・・・・・!!??!」

穂乃果「ゴホッ! ウッ! ゴホッゴホッ!」

海未「ほ、ほのかっ?! 大丈夫ですか?!」

ことり「あわわわわ」オロオロ

穂乃果「ゴホッ・・・。う、うん・・・・ごめんね。大丈夫だよ」

海未「もう・・・。動揺しすぎです・・・///」

ことり「あはは! いつになってもらぶらぶですねっ♪」

海未「こ、ことり!///」


穂乃果「あ、あはは・・・・」ヒクヒク



穂乃果(海未ちゃん・・・けっ、けけ、けっこん・・・してたの・・・・・・?!)

穂乃果(今まで海未ちゃんと毎日会って何気なく過ごしてたけど・・・結婚なんて考えたことも無かったのに・・・)

穂乃果(・・・・・・・・・・でも)

海未(そっか。海未ちゃんが結婚かあ・・・)


ズキッ


穂乃果(ま、まあ・・・。大人になってたら結婚してるのも不思議じゃないかあ・・・)

穂乃果(相手は誰なんだろう・・・?)

穂乃果(いつ頃から付き合い始めたのかなあ・・・・?)

穂乃果(少なくとも高校卒業してからだろうなあ・・・。だって、今は、海未ちゃんがお稽古してないときは、穂乃果かことりちゃんがずっと傍に居るし・・・。だから、そんな感じの人の影は今の所全くないし・・・)

穂乃果(海未ちゃん、いつも忙しいから、海未ちゃんのお母さんに『お稽古減らさないと、海未ちゃんはスキがなさすぎて彼氏もできないから跡継ぎだってできないですよ~』って言おうと思ってたけど・・・。そんなことするまでもなく海未ちゃんは・・・)




ズキズキ




穂乃果(・・・・・・・・・・・・・・) 

穂乃果(・・・・・ことりちゃん、奥様がご主人様にプロポーズしたって言ってたよね)

穂乃果(ってことは、海未ちゃんからプロポーズしたんだ・・・・)

穂乃果(相手は海未ちゃんがプロポーズしちゃいたくなるような人なんだ・・・。あの恥ずかしがり屋の海未ちゃんが・・・・? 信じられないなあ・・・・。プロポーズされた人、ちゃんとした人かな・・・・? 海未ちゃんが選んだ人だもん。ちゃんとした人なんだと思うけど・・・・)

穂乃果(そんなちゃんとした人と結婚したのなら幸せだろうなあ・・・)

266: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/12(土) 23:23:40.24 ID:to0eMn910

穂乃果(実際、今目の前にいる海未ちゃん。すっごく幸せそうだし・・・)




ズキンズキン




穂乃果(でも・・・・なんでだろう・・・・)モヤモヤ

穂乃果(海未ちゃん、幸せなはずなのに・・・・なんか・・・すっきりしない・・・。なんか複雑な気分・・・・・・)



キュゥ



穂乃果(ううっ・・・。なんか・・・胸の中が気持ち悪い・・・)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


穂乃果「・・・・・・・あっ」パチッ

ことり「すー、すー」zzz

海未「すー、すー」zzz


穂乃果「起きた」ムクッ

穂乃果「真っ暗・・・」



穂乃果「ふぅ・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・」ジワッ

穂乃果「あ、あれ? なんで涙が・・・・」

穂乃果「・・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・ううん!」ブンブン

穂乃果「こんなの穂乃果じゃない! ファイトだよっ!」グッ

海未「んっ・・・・」モゾッ

穂乃果「おっと、静かにしないと」

穂乃果「海未ちゃん起こすと怖いから・・・」ヒヤヒヤ



穂乃果「海未ちゃん・・・・・」ジー

海未「すー、すー」zzz


穂乃果「・・・・・・少なくとも、高校生の間なら、穂乃果がずっと傍にいてもいいよね」

穂乃果「海未ちゃん・・・」ギュ

海未「すー、すー」zzz

穂乃果「・・・・・・」ギュー

267: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/12(土) 23:27:30.73 ID:to0eMn910

海未「すー・・・ふふっ」ニコ....zzz

穂乃果「海未ちゃん幸せそう・・・」

穂乃果「この、幸せそうな海未ちゃん・・・・」

穂乃果「誰にも渡したくない・・・・」ギュゥ


穂乃果「はっ?!」バッ

穂乃果「な、なに考えてるの私!」ブンブン

穂乃果「海未ちゃんには海未ちゃんの人生があるんだから・・・」

穂乃果「・・・・・・・・」モヤモヤ

穂乃果「あーもうっ・・・!」

穂乃果「他のこと考えようっ」



ことり「すー、すー」zzz


穂乃果「あっ、そうだ、ことりちゃんの未来も見ないと」

穂乃果「今が寝てる、チャンス!」

穂乃果「この夢の赤い糸を結んで、っと」キュ

穂乃果「よしっ、後はもう一度寝るだけ」

穂乃果「おやすみー」




・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


穂乃果「・・・・・・」ポワー

穂乃果「んっ・・・」

穂乃果「ことりちゃんの夢の中に入ったかな」

穂乃果「ここ、どこだろう? なんか見覚えがある場所だけど」キョロキョロ

穂乃果「あれ? また海未ちゃんちかな?」


海未「ことり・・・・」


穂乃果「あっ、海未ちゃんまた出て来た。いつもの海未ちゃんだ」

海未「また出て来た? どういう意味ですか」

穂乃果「ううん。なんでもない。それより、ことりちゃんどこ?」

海未「それが、まだファッションデザイナーの仕事から帰ってこないのです・・・・」

穂乃果「あっ、ことりちゃんファッションデザイナーやってるんだ」

海未「ああっ、心配です・・・。やっぱりことりを一人にするべきではありませんでした・・・。私が片時も離れず守っていないといけないのに・・・」オロオロ

穂乃果「う~ん・・・? ちょっと過保護すぎじゃない? ことりちゃんも子供じゃないんだし」

海未「そんなことありません! ことりはか弱い女の子なんですよ!」

268: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/12(土) 23:43:46.34 ID:to0eMn910

穂乃果「それはそうだけど・・・」

海未「それだけではありません!」

穂乃果「ふぇっ?」ビクッ

海未「キラキラした綺麗な髪、柔らくて白い肌、スラッとしていて女性らしい体、大変な仕事でも文句を一切言わず人知れずこなしてくれる優しさ・・・・ことりは素晴らしい女性なんです! 私の大切な妖精さんなんです!」

穂乃果「よ、妖精・・・? う、うん・・・?」タジタジ

穂乃果(海未ちゃんどうしたんだろ・・・? 海未ちゃんこんなキャラだっけ・・・?)

海未「ああっ! 私の妖精さん・・・。ことりの美しい姿に劣情をたぎらせて不埒な行為を考え巡らす下劣な生物がことりに近づいてしまわないかと思うと・・・。気が気じゃありません!」

穂乃果「・・・・・・・・・」




ことり「やんやん♪ 遅れちゃいました~」




穂乃果「あっ、ことりちゃん来た」

穂乃果「大人のことりちゃんだあ」

穂乃果(大人の海未ちゃんは海未ちゃんのお母さんみたいになってたから、ことりちゃんもことりちゃんのお母さんみたいに理事長らしいしっかりした感じの大人の女性になるかと思ってたけど・・・)

穂乃果(ちょっと理事長とは雰囲気違うなあ。大人っぽくはあるんだけど、優しそうなタレ目はそのままで、ちょっとお茶目そうな大人の女性って感じ)

穂乃果(ことりちゃんのお母さんがメイド服着てたら、ちょっときついけど、大人のことりちゃんだったらメイド服が良く似合ってる)

穂乃果(・・・・それより、海未ちゃんの中の未来のことりちゃんに続いて、ことりちゃんの中の未来のことりちゃんもメイド服だけど・・・。なんでだろう?)



海未「ことり!」タタッ

ことり「わわっ、どうしたんですか-?」



海未「どうしたではありません! もう心配で心配で・・・。大丈夫ですか? 何も無かったですか?」オロオロ

ことり「はい♪ ことりは大丈夫ですよ♪ ご安心ください、お嬢様♪」

海未「良かったです・・・」ホッ

海未「もう! 心配したんですよ! 私の傍から離れないでください!」

ことり「はいっ・・・。申し訳ございません、お嬢様・・・」シュン

海未「あっ! い、いえっ、すいません・・・きつく言ってしまいました・・・」

海未「私の方こそすいません・・・。私はことりが傍に居て頂かないと、ダメダメになってしまって・・・」

ことり「大丈夫ですよ! 海未ちゃんはことりがしっかりサポートしますからっ♪ お任せください♪」

海未「はいっ! ずっと傍に居てくださいね」

ことり「えへへ///」






270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 21:11:47.54 ID:EO5XcUA50


海未「あら? ことり、リボンが付いていませんね」

ことり「あっ、急いでいたから、リボン付け忘れちゃいましたー」

海未「慌てん坊さんですね。どうせなら服も付け忘れちゃって良かったのですよ。私の妖精さん♪」

ことり「や~ん♪ 海未ちゃんのえっち☆」

海未「えっちなのはどっちですかね~? ん~? そんなこと言っていることりこそ、妄想ばっかりしていたんでしょう?」ズズイ

ことり「わわっ/// 妄想なんてしてないですよー!」

海未「ふふ、相変わらず、メイド服が似合っていますね」サワッ

ことり「きゃ。今、何をしようとしたんですかー?」

海未「さて、何でしょう?」サワサワ

ことり「やっ/// くすぐったいですよ~///」

海未「全く、年を重ねるごとに魅力が増していくんですから。ハレンチですね」サワサワモミ

ことり「ふわっ/// ふあー///・・・そんなことされたら・・・///」

海未「そんなことを? されると? どうなっちゃうんでしょうねぇ? ん~?」サワサワミモミモ

ことり「ちょ、ちょっとここでは・・・・・ふぁ/// 我慢してください///」

海未「何故です? ここは私の家ですよ? なんで我慢する必要があるのでしょう?」サワサワサワペロッ



穂乃果「・・・・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・・・」

穂乃果「・・・・なっ、なにこれ?///」ドキドキ



ことり「ふあ//// ・・・こ、これ以上は妄想の中だけにしてくださいっ///」バッ

海未「ふふっ。それでは今夜に、ですね・・・♪」ウィンク

ことり「//////」カァ

ことり「そっ、それよりお嬢様っ! 今はあのお約束、守ってくださいよ~っ」

海未「うっ、あれですか・・・。ほ、本当にやるんですか・・・?」

ことり「もちろんですっ♪」

海未「わ、分かりました・・・約束してしまいましたし・・・」

ことり「ありがとうございますお嬢様♪ それじゃあ早速―――」


ことり「はいっ、オスカル様の衣装ですっ! 着てくださいっ♪」スッ

海未「おおっ! 中世ヨーロッパの衛兵の軍服ですね。・・・でっ、ですが・・・いくらなんでも格好良すぎますっ! やっぱり私には荷が重いですよ!」

ことり「着てくれないのぉ・・・?」ウルッ

海未「うっ・・・・」タジッ

ことり「・・・・そっかぁ・・・。カッコイイ海未ちゃんが見たくって・・・。海未ちゃんにはオスカル様の衣装が絶対似合うって思ってがんばって作ったけど・・・・」

海未「あ、あの・・・ことり」オロオロ

ことり「・・・・うん、分かった。海未ちゃんが嫌がることはしたくないから、ことり、我慢するね」涙目ニコォ

271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 21:19:35.24 ID:EO5XcUA50

海未「!!!!」

海未「いっ、いえ! 嫌なんて事は決してありません! 一武人として、この軍服! 喜んで着こなしてみせます!!」

ことり「ほんとお? やったあ!」ケロッ

ことり「それから、はいっ! 穂乃果ちゃんはアンドレ様の衣装ねっ♪」スッ

穂乃果「えっ、えっ? 穂乃果も? それより、こんな立派で大きな衣装、ことりちゃんどこから出してるの?」

ことり「メイド服は収納がたくさんできて形も崩れない素晴らしい服なんですよっ!」

穂乃果「すごーい。四次元ポケットみたい」 

海未「着替えましょう。穂乃果、こっちです」オズオズ

穂乃果「あ、海未ちゃん待って~・・・」タッ



---------------

ことり「まだかな~」ワクワク


ガチャ


ことり「あっ、きたっ!」


海未「・・・・・・・・・///」モジモジ

オスカル様の衣装を着た海未ちゃん。
※海未ちゃんSID 51ページ参照

ことり「やぁぁぁぁぁん! 海未ちゃんかっこいい!」

海未「そっ、そうですか・・・?/// あ、ありがとうございます・・・///」テレテレ

ことり「はぁぁぁぁあああぁぁぁあああん!! 隊長さまああああああ!! 守られたぁぁぁぁああああぁぁぁああい!!!」

海未「恥ずかしいですが・・・。ことりにそこまで喜んで頂けたら、私も嬉しいです・・・///」

ことり「うんうん! やっぱり海未ちゃんはオスカル様の衣装が絶対似合うって思ってた!」


海未「・・・・・・・・・・・コホン」

海未「・・・・・・・・・・・・・」キリッ

ことり「海未ちゃん?」

海未「・・・・・・・・・・・・ことり」ダキッ ギュ

ことり「ひゃ?!/// うっ、海未ちゃん・・・?//」ドキッ

海未「『ことり、色んなことがあったな。色んなことが・・・』」イケボ

ことり「海未ちゃ・・・?」ドキドキ

海未「『こうしていると、色んなことが走馬灯のように思い出される。初めてお前が来た日など、昨日の事のように』」イケボ

ことり「んみちゃ・・・」ドキドキ

海未「『ことり、私はお前に礼を言わなければならぬ』」イケボ


ことり「んみちゅぅぇあ・・・? どうしたの・・・あらたまって・・・」ドキドキ

海未「『お前は、理事長に連れられて初めてこの屋敷に来たときからずっと、いつも私をかばってくれた。考えてみれば、今日まで私が生きてこられたのは、お前のおかげだ。ことり・・・・ありがとう・・・。改めて、礼を言うぞ』」ニッコリ

ことり「!!?///」トゥンク

海未「『ことり、私はお前が必要なんだ。これから先もずっと私のそばにいてくれ・・・。どこへも行かないと約束してくれ・・・・!!』」

ことり「は、ひゅ///」ドキドキ

海未「・・・・・」キリッ ジー

ことり「あ・・・えっと・・・・」ドキドキ

ことり「・・・・・・・・・・ど、どこへ? 海未ちゃん・・・。わたしの いくところが ほかにもあると おもってるの・・・?///」

海未「『ことり?』」

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 21:28:10.71 ID:EO5XcUA50

ことり「しんぱい しないでください。しぬまで そばに います・・・///」ドキドキ

海未「『ありがとう・・・・。それ程、お前は、私が好きか?』」

ことり「・・・・すっ、すきですっ・・・!///」ドキドキ

海未「『愛しているか?』」

ことり「あっ、あいして、まっ・・・す!///」ドキドキ

海未「『私の存在など、巨大な歴史の歯車の前では無にも等しい。誰かにすがりたい・・・。誰かに支えられたいと・・・。そんな心の甘えを、いつも自分に許している人間だ。それでも愛してくれるか? 私だけを一生涯、愛し抜くと誓うか?』」

ことり「ちかう・・・。ちかい・・・ますっ!」

海未「『ことりっ!』」


ことり「千の誓いが ほしい ですか・・・? 万の誓いが ひつよう ですか・・・!? 命を懸けた言葉をもう一度 いえというのですかっ?」


ことり「・・・・私の言葉はただ、ひとつ・・・です」



ことり「愛している・・・。愛していますとも・・・!」

海未「『ことり・・・・。私を抱け・・・・』」

ことり「うみちゃ?!!」ドキンッ

海未「『愛しているなら何故抱かぬ?』」

海未「『お前の愛がどんなものか・・・・。さあ・・・私に見せてくれ・・・!!!』」

ことり「いっ、いけません・・・。うみちゃ、は、園田道場の跡取り娘で・・・。わ、わたしは ただのメイド・・・です・・・。身分がちがいすぎ ます、から・・・。私は、愛すだけ・・・ですっ」

海未「私のことり!!」

ことり「はひっ?!」

海未「忘れてください今は! 私が園田道場の跡取り娘であることを!」ギュゥゥ!

ことり「ふぇぇあ!/// ・・・えへへ/// 海未ちゃん好き・・・///」ギュ


ガチャ


ことり「あっ! 穂乃、か・・・チャ....?」ポカーン

穂乃果「ど、どうかな・・・?」ダルーン...

海未「うーん・・・・・。随分とぶかぶかですね。男性であるアンドレの服ですからそうなってしまうのでしょう」

穂乃果「そっか・・・。やっぱり穂乃果には似合わなかったね・・・たはは・・・」シュン


ことり「・・・・・・・・・・・・・」

ことり「・・・・・ホノカチャン....脱いで」

穂乃果「へっ?」

ことり「いいから脱いで!」グイグイ

273: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 21:30:06.37 ID:EO5XcUA50

穂乃果「えっ、あ、ちょ/// あ~れ~~」

ことり「胸下からお腹に掛けてバスタオル巻いて、その上からコルセットで胸ごと強引に抑えつける! これでくびれが無くなるから!」マキマキ,グイッ,ギュム!

穂乃果「ぐぇ」

ことり「それから、肩パッド付けて肩幅広くしてっ」

穂乃果「ほ~」

ことり「ズボンは、ベルトをかなり上の方で止めて、それから底の厚いブーツ履いてっ。これで脚が長く見えるからっ」

穂乃果「へ~」

ことり「髪もといて、後ろで束ねて」

穂乃果「うん」ファサ, キュ

ことり「これで上を着てくださいっ!」

穂乃果「はーい」モソモソ



274: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 21:31:31.42 ID:EO5XcUA50
no title

275: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 21:32:25.89 ID:EO5XcUA50
no title

276: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 21:32:52.89 ID:EO5XcUA50
no title

277: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 21:33:52.82 ID:EO5XcUA50

278: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 21:37:18.89 ID:EO5XcUA50

ことり「!!!!!!!!」

穂乃果「ど、どうかな・・・?」ドキドキ

海未「おおっ! とても凛々しくて良いですよ」

穂乃果「そ、そう・・・?///」テレテレ

海未「それに、体つきが本当に男性の様ですね。手足が長くて背が高くなって、肩幅も広くなってますし」

穂乃果「ありがと/// ことりちゃん、どうかな・・・?」



ことり「・・・・・・・・」ポー



海未「ことり? どうしました?」

穂乃果「ことりちゃーん?」



ことり「・・・・・・・・」ポー



穂乃果「・・・・・?」

穂乃果「そうだっ」ピコン


穂乃果「・・・・・・・・・・・コホン」

穂乃果「・・・・・・・・・・・・・」キリッ


穂乃果「『俺は・・・・』」イケボ

ことり「!!?」ドキン

穂乃果「『和菓子屋の娘として・・・』」

穂乃果「『子供の頃よりことりだけを見つめてきた。さながら―――』」グッ



マントバサッ!


壁ドンッ!



ことり「ちゅん!!?///」

穂乃果「『ふたご座のカストルとポルックスのように、お前はいた、お前はいた』」イケボ

ことり「!!?!!?!?//////」キュゥゥゥゥン

顎クイッ
顔近づけ

穂乃果「『また、光と影のように寄り添ってきた』」イケボ

ことり「はぅぅ/////////////////////」クラクラ



海未「『くっ!』」イライラ


海未「『穂乃果! いい加減にことりから離れろ!』」

穂乃果「『何故貴族の海未が出てくる?! ことりだって平凡な女性としての幸せを欲しいと思っているはずだ!』」

海未「『愛は、愛おしい人の不幸せを望まないものだ! 身分の違いなど関係ない!』」

穂乃果「『なんと身勝手な考えだ・・・!』」

海未「『引けっ! 穂乃果! ・・・だが、私にも、妻を慕う召使いを妻のそばにおいてやるくらいの心の広さはあるつもりだ。君さえよければ―――・・・あっ!!』」

279: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 22:17:38.01 ID:EO5XcUA50

穂乃果「『その餡子が熱くなかったのを幸いに思え!』」

海未「『何をする!?』」

穂乃果「『お前に・・・・! お前にことりを掛けて決闘を申し込む!』」シャキン

海未「『ほう・・・。穂乃果なら相手にとって不足は無い! ・・・この海未、見事に受けてたとう!』」ジャ シャキン

穂乃果「『くっ! 良く言う! お前から一本取った事は一度もないが・・・。それでも引くつもりは、一切ない!』」

海未「『・・・・お前と剣を交えるのは一年ぶりか』」ジリッ

ことり「やめてっ! 私のために争わないで!」

海未「『ことり! この戦闘が終わったら結婚式だ!』」

穂乃果「・・・・・・」ジリッ

海未「・・・・・・・」ジリッ

ことり「・・・・・・」オロオロ








ことほのうみ「・・・・・・プッ」




ことほのうみ「「「あははっ!」」」



海未「ふふっ。全く、ことりはなんと罪深いメイドさんなんでしょう」

穂乃果「ホントホント! ことりちゃん、にくいね~。このっこのっ」肘ツン

ことり「そんなっ///」テレテレ

穂乃果「それに、海未ちゃん! オスカル様がはまり役すぎだよっ」

海未「そういう穂乃果もノリノリだったじゃないですか」

ことり「あははっ、二人ともすっごく似合ってた!」

穂乃果「いや~。今さらだけど、ことりちゃんが一番似合ってると思うなあ!」

海未「そうですね。ことりが一番メイド服を着こなせていますもんね。そこで穂乃果と私がこれを着たものですから、全員中世ヨーロッパの服装で統一されて、役に入りやすかったと言いましょうか」

穂乃果「そうそう、楽しかった! ことりちゃん、衣装着させてくれてありがとう!」

ことり「ううん/// こっちこそ、穂乃果ちゃん、海未ちゃん、衣装を着てくれてありがとう///」


穂乃果「あっ、そういえばさ、穂乃果がこんな風に男役やってると、“WILD STARS”を踊っている時のこと思い出すよねえ」

ことり「あっ! それじゃ、穂乃果ちゃんのカップリングはことりだっ!」

海未「えっ・・・。それでいくと私は・・・・」←“WILD STARS”ではセンター(カップリング無し)

ことり「きまっぐぅれなひーかーりでー♪ あなったをーみつけーる よー♪////」ギュ

穂乃果「わっ。えへへ、みつけられちゃった」ヨシヨシ

海未「ちょ、ちょっと! ことり!」

ことり「ごめんね、海未ちゃん。穂乃果ちゃんはことりが取っちゃったから☆」

海未「もうっ。しょうがないですね」

にこ「海未ちゃんやさしー!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

280: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 22:27:52.64 ID:EO5XcUA50




「ホノカチャン.....ホノカチャン....」



穂乃果「・・・・んんっ?」ムニャムニャ



「穂乃果っ!」ユサユサ



穂乃果「ほぇ・・・?」

海未「やっと起きましたか。もう朝ですよ」

穂乃果「ふあー・・・・」コシコシ

ことり「おはよう♪ 穂乃果ちゃん」

穂乃果「おはよー・・・・」

ことり「穂乃果ちゃん。昨日は私達の未来見られたの?」

穂乃果「あっ! うん! ばっちり見られたよ!」

海未「そうですか。では、聞かせてもらえますか? 私、夢を見ていたという記憶はあるんですけど、具体的にどんな夢を見ていたのか、起きた瞬間に忘れてしまって・・・」

ことり「私もー。なんか楽しい夢を見てたというのはなんとなく覚えてるんだけど、起きたらわかんなくなっちゃった」

穂乃果「そうなんだ。夢ってそんなもんだよねー。でも! 見させてもらった穂乃果はちゃんと覚えてるよ!」

ことり「教えて教えてっ。楽しかったこと思い出したい♪」

海未「はい。私も気になります」


穂乃果「うん。まずは海未ちゃんなんだけどね」

穂乃果「最初に大人になった海未ちゃんが出て来たよ!」

海未「大人の私ですか。どんな風になってました?」

穂乃果「そりゃあもう想像通りというか。今の海未ちゃんのお母さんに似てたよ!」

海未「母のようにですか・・・/// なんか、恥ずかしいですね・・・///」

ことり「大人の海未ちゃんは何してたの?」

穂乃果「日舞のお師匠様をやってたよ!」

海未「そうなんですか。今でも武道家になろうか迷っているのですが、結局日舞の方に進んでいましたか。やはり、μ’sでの活動で音楽や踊りが好きになっているからでしょうか。・・・・ちょっとだけ、父に申し訳ないような・・・」

穂乃果「海未ちゃん、日舞を舞っていたんだけど、もうね! すごかった!」

海未「すごい・・・とは?」

穂乃果「美人でね! 凛々しくてね! かっこよくてね! とにかくきれーだった!」

海未「そ、そうですか・・・///」テレッ

ことり「今の海未ちゃんでも日舞を舞っている時はすごく綺麗だけど、将来はもっと綺麗になるんだ。楽しみ♪」

穂乃果「あっ! それとね! それとね! なんと、びっくりすることにね・・・」

海未「なんですか。もったいぶらずに教えてください」

穂乃果「海未ちゃんちで、ことりちゃんをメイドさんとして雇ってた!」

ことうみ「!!!!!??///」ビクッ

穂乃果「礼儀正しくて、お料理が上手で、とっても献身的で。ことりちゃんらしかったなあ」


ことり「・・・・・・///」モジモジ チラッ

海未「・・・・・・///」モジモジ チラッ

ことうみ「!!///」ビクッ

281: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 22:32:14.43 ID:EO5XcUA50


穂乃果「一体どういう経緯でことりちゃんが海未ちゃんのメイドさんになったんだろう? ねえ、今の海未ちゃんとことりちゃんに分かる?」

ことり「え、えへへ/// 実はnんむぎゅ?!」口抑えられ

海未「こっことり!///」グイッ

ことり「んー」モゴモゴ






海未「何言おうとしてるんですかっ! 二人きりの時だけと約束したじゃないですかっ!///」ボソボソ

ことり「ぷはっ。え~? だって見せたのは海未ちゃんの方じゃん」ボソボソ

海未「そ、それはそうですが・・・。で、ですがっ! 今はまだあくまで夢の話ですからっ! 現実じゃありませんから!」ボソボソ

ことり「む~・・・。分かりましたっ・・・」

海未「・・・・・ことりは、私だけのメイドなんですからっ。他の人に知られて、万が一にも取られたくないんですからねっ・・・・///」ボソッ

ことり「!!! うん!」






穂乃果「何話してるの?」

海未「あっ! い、いえっ! なんでもないですっ」

穂乃果「?」キョトン

海未「あっ・・・。あのっ! ほ、穂乃果! 他には? 他には何かありませんでしたかっ?」アセアセ

穂乃果「他はね~。あっ、そうだ! 海未ちゃんがけkk―――・・・あっ、えっと・・・」シュン

海未「私が? なんです?」

穂乃果「・・・・・・・・・・」

海未「穂乃果? どうしました?」

穂乃果「・・・・・・・・・ううん。ごめんなんでもない」

穂乃果「私が見た海未ちゃんはこんな感じかな」

海未「そうですか。ありがとうございます。絶対の未来ではないにしても、将来の自分が知れて、面白かったです」

ことり「海未ちゃん! ことりのこと大事にしてねっ!」

海未「え、ええ//」

ことり「ねえねえ、穂乃果ちゃん。ことりの夢の中の未来はどうだった? やっぱり海未ちゃんのメイドさんになってた?」

穂乃果「あっ、うん! やっぱりことりちゃんは海未ちゃんのメイドさんやってたよ!」

ことり「えへへっ/// そっかぁ/// ことり、将来“も”海未ちゃんのメイドさんになっちゃうんだぁ////」

海未「こ、ことりっ/// ・・・もうっ・・・///」

穂乃果「それでね、大人のことりちゃんはね、ことりちゃんのお母さんみたいに、しっかりした感じの大人になってるかと思ってたんだけど、ちょっと違くてね、大人っぽくはあるんだけど、優しそうなタレ目はそのままで、ちょっとお茶目そうな人になってたよ!」

海未「なるほど、今と同じ、可愛らしいまま成長するんですね。容易に想像できます」

穂乃果「うんうん! 大人になってもメイド服がすごく似合ってた!」

ことり「そ、そう・・・?///」テレテレ

ことり「ねえ、穂乃果ちゃん。他にはなにかあった?」

穂乃果「他にはねえ。海未ちゃんがオスカル様の衣装着て、穂乃果がアンドレ様の衣装を着て、色々遊んだよ!」

海未「はぃぃぃいい?!///」

ことり「それ本当?!!」ガタッ

穂乃果「うん。貴族の海未ちゃんとメイドのことりちゃんが身分違いの恋をしたり、穂乃果と海未ちゃんが、ことりちゃんを取り合って決闘したりしたよ~」

282: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 22:34:30.91 ID:EO5XcUA50

ことり「何それ?!! 詳しく!!!」ガタガタ!

穂乃果「あわあわ」ガクガク

海未「やめてくさいっ!/// 私がオスカル様の衣装なんて・・・。絶対に似合いませんっ///」

ことり「そんなことない! ことり、ずっと前から思ってた! 海未ちゃんはオスカル様みたいにカッコよくて凛々しいの! だから絶対似合う! 今度オスカル様の衣装作るから着て見せて!」

海未「着ませんっ!///」

ことり「着てよっ!!」

穂乃果「あれ~? でも、海未ちゃんはオスカル様の衣装を着るって、ことりちゃんと約束したって言ってたけど」

ことり「!!!! したしたしたしたした約束した!!!」

海未「そんな約束はしてませんっ!!」

ことり「したよ! 約束した! 誓約書も書いたよね?!」

海未「確かに、ネコミミを着用する誓約書は書きましたが・・・。オスカル様の衣装の件はないですよっ!! ねつ造しないでくださいっ!!」

ことり「じゃあ今書いて! ほら書いて! さあ書いてええ!!! オスカル様の衣装着るのお!!」グイグイ!

海未「ちょっとことりっ?!」

ことり「“園 田 海 未 は オ ス カ ル 様 の 衣 装 を 着 用 し ま す” ・・・!!」グギギギギ

海未「ええっ!!? 無理矢理私にペンを持たせて強引に何を書かせてるんですかっ!!」

ことり「“オ ス カ ル 様 に な り き っ て セ リ フ を た く さ ん 言 い ま す” ・・・・!!!」グギギギギギギギギ

海未「ちょぉお?!!/// ついでに何書いてるんですかっ?!!// 恥ずかし過ぎて私にオスカル様のセリフなんて言える訳ないですよおお!!!」

ことり「“決 し て 嫌 が っ て 逃 げ 出 し た り し ま せ ん” ・・・やったあ!! これで絶対にオスカル様になってくれるよね!!!? ンミチュゥァァァァアアアアアアアア!!!!!」

海未「なぜですかぁっーー!」







穂乃果「二人の未来を見られて面白かったな~。他の人の未来も見たいな~」







----------------------------------------



~~中略~~




クルクルクルクル....

絵里「がっっっっしゅくよ!」ババーン




~~中略~~



----------------------------------------
西木野邸 別荘



8人「すー、すー・・・」zzz

穂乃果「こんばんは~・・・・。高坂穂乃果ですっ!」コソコソ

穂乃果「こっそりみんなの未来を見ちゃうもんね~」

283: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:02:07.41 ID:EO5XcUA50

穂乃果「きっと、みんな未来の中で輝いてるよね」

穂乃果「早速いこう。まずは~」



花陽「くー、すー・・・」zzz



穂乃果「よしっ、花陽ちゃんからだっ」

穂乃果「穂乃果と花陽ちゃんの小指を、この夢の赤い糸で結んでっと」キュ

穂乃果「よしっ、後は寝るだけ」

穂乃果「おやすみー」

花陽「くー、くー・・・」zzz





・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


穂乃果「・・・・・・」ポワー

穂乃果「んっ・・・」

穂乃果「花陽ちゃんの夢の中に入ったかな」

穂乃果「ここは・・・」キョロキョロ

穂乃果「学校? ・・・アルパカ小屋の近くだ」



花陽「ふわふわ・・・もこもこ・・・ふわふわ・・・えへへ」



穂乃果「あっ! 花陽ちゃんみっけ。アルパカに抱き着いてる。行ってみよう」タッ





穂乃果「お~い、花陽ちゃーん」

花陽「穂乃果ちゃん! こんにちは」

アルパカ「こんにちは」

穂乃果「こんにちは。アルパカのお世話してたの?」



穂乃果(あれれっ? 花陽ちゃん、いつもの花陽ちゃんだ)

穂乃果(海未ちゃんとことりちゃんは大人になってたのに。なんでだろ)



花陽「うんっ。でも、今終わったところで、アルパカさんに触らせてもらってたの」

アルパカ「毛がフカフカして気持ちいいでしょう?」

穂乃果「嫌がられずに触れるなんて、やっぱり花陽ちゃんはアルパカ使いだね~」

花陽「えへへ。それほどでも」

アルパカ「花陽さんになら、いくら触られても構いませんよ。むしろ触られて嬉しいです。それなのに、いつも世話までして頂いて、本当にありがとうございます」

花陽「いえいえ。私、飼育委員ですし」

穂乃果「すごいな~花陽ちゃん。アルパカと会話してるみたい」

花陽「アルパカさんはしゃべれないよー。でも、もし本当におしゃべりできたら、いっぱいお話ししてみたいなあって思ってるの。すっごく楽しいだろうなあ」

284: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:15:04.43 ID:EO5XcUA50

穂乃果「そうだねー。ねぇ、花陽ちゃん。花陽ちゃんはアルパカさんとお話しができるとしたら、どんなお話がしたい?」

花陽「う~ん。どこか行きたいところはありますか? って聞いてみたいかも。いつも小屋の中に居てもらって、お散歩も校庭の周りだけだから。行きたいところがあれば、そこまで連れて行ってあげたい」

穂乃果「おおー。優しいねえ、花陽ちゃん」

アルパカ「湖に行ってみたいです」

花陽「そうですか。ここからだったら、上野の不忍池(しのばずのいけ)が一番近いですね。都心にありながら、のどかな場所です。せっかくなので行きましょうか」

アルパカ「ありがとうございます。穂乃果さんも一緒に行きませんか?」

穂乃果「そうだねー。天気もいい・・・しっ・・・?」

アルパカ「はい、今日はいいお天気。春は過ごしやすい季節ですね」

穂乃果「あわあわあわわ」ガクガク

花陽「穂乃果ちゃん、どうしたの?」

アルパカ「・・・・? 私の顔に何か付いていますか?」

穂乃果「あっ、あっ」パクパク

花陽「んっ?」

アルパカ「・・・・・?」




穂乃果「アルパカがしゃべってるうう?!!」




花陽「・・・・? あっ、そういえば、アルパカさん。さっきからしゃべってますね」

アルパカ「はい? 私は初めて花陽さんにお会いしたその日からずっとしゃべっていますけど」

花陽「ごめんなさい。全然気が付きませんでした」

アルパカ「気が付いていなかったんですか。それは意外です。花陽さんはいつも、私のして欲しい事をしてくれているので、私の言っていることを理解してくれる数少ない人だと思ってました」

花陽「そうですか」

アルパカ「そうなんです」



穂乃果「はわわわわわわわ! しゃべるアルパカ! これは大発見だあ・・・・!」

穂乃果「ああ・・・・いやいやいやいやいや待て待て待て・・・」

穂乃果「今は花陽ちゃんの未来を夢の中で見てるんだから・・・。これは夢・・・。えっ? だけど、夢は夢でも、未来を見てる夢なんだから・・・、ということは、未来のアルパカはしゃべれるってこと・・・? いや、そんなまさか・・・。でも、もしかしたら・・・」モンモン

穂乃果「ううぅ・・・頭痛くなってきた」

アルパカ「穂乃果さん大丈夫ですか? あなたはあまり頭が良くないのですから、深く考えるだけ無駄ですよ」

穂乃果「・・・・・・そっか・・・うん・・・・そうだね  穂乃果  考える  やめる」

花陽「アルパカさんははっきりと物を言いますね」

アルパカ「私は人間ではありませんから、社交辞令というものが分かりませんので」

花陽「そうですか」

アルパカ「そうなんです」



285: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:17:53.46 ID:EO5XcUA50



花陽「ねえねえ。アルパカさん、アルパカさん。アルパカさんにお名前はありますか?」

アルパカ「ぽちって呼んでください」

花陽「ぽち? 犬みたいですね」

アルパカ「私、実は犬なんです」

花陽「そうですか」

アルパカ「そうなんです」

穂乃果「ええっ?! そうだったの?!」

アルパカ「はい。よろしくお願いします。ワンワン」

穂乃果「ほえぇ~・・・。うちにも犬いるけど、いつかはこんなに、ふわふわ、もこもこになって、お馬さんくらいの大きさにまで成長するんだあ・・・・・・」


花陽「アルパカさんに趣味はありますか?」

アルパカ「お散歩が好きです。日向ぼっこが好きです」

花陽「そうですか。いつも小屋の中に居てもらってすいません・・・」

アルパカ「気にすることはありません。いつも校庭をお散歩させてもらってますし。それ以外で出たいときは勝手に出させてもらっていますから」

花陽「そういえば、そうですね。でも、突然出られてしまうと、学校の人達は大慌てになってしまうのです」

穂乃果「そうなんだよ。アニメ一期一話でも、さりげなく脱走してたよね。スクフェスでは神社まで逃げてたし。・・・あっ! 思い出した! そういえばその時、穂乃果のお弁当食べちゃったよね?!」

アルパカ「その節はどうも、お弁当ありがとうございました。葉っぱ、とてもおいしかったです」

穂乃果「もー! あの時は大変だったんだからね! ぷんぷん!」

アルパカ「食べ物の話をしていたら、なんだかお腹すいてきませんか?」

穂乃果「えっ? んー・・・。そうだねー。何か食べたくなってきたかも」

花陽「それでは、お弁当を持って湖へ行って、そこで食べませんか?」

アルパカ「それは良い考えです」

穂乃果「おおっ、やろうやろう!」

花陽「アルパカさんは好きな食べ物はありますか?」

アルパカ「うな重が好きです」

穂乃果「へっ?! うな重て・・・・あんた・・・」

花陽「困りました。ウナギは手元にありません」

アルパカ「でしたら、ウナギ抜きのうな重でもいいですよ」

花陽「それなら作れそうです。花陽の得意料理です」

アルパカ「はい。お願いします。あっ、山椒は欲しいですよ」

花陽「もちろん。山椒は欠かせないですよね」

アルパカ「そうですよね」

花陽「そうですね」

花陽「作って来ますので、少し待っていてください」

アルパカ「はい。ありがとうございます」

穂乃果「ウナギ抜きのうな重・・・? うう~ん・・・」アタマカカエ

アルパカ「穂乃果さん。先程考えるだけ無駄と申しましたよね。もう忘れたのですか。ニワトリ以下のミジンコ脳みそですね。脳みその大部分はお母さんのお腹の中に置いてきちゃたんですか? 代わりにその頭の中には脳みそじゃなくて餡子でも詰まってるんですか? その頭はアンパンなんですか? 取り換えたら元気100倍になるんですか?」

286: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:20:13.06 ID:EO5XcUA50

穂乃果「ううっ・・・・。ほのか かんがえない」

アルパカ「それでいいのです」



穂乃果「ねえねえ、アルパカさん。聞いてもいい?」

アルパカ「はい、なんでしょう」

穂乃果「この前ことりちゃんがアルパカさんにお手をやってもらおうとがんばってたけど、結局やってくれなかったよね。なんでやってあげなかったの?」

アルパカ「私犬じゃないんすよw見ればわかるっしょww芸なんて覚えられる訳ないじゃないですかwwwバカなんすかwwwwwww死ぬんすかwwwwwwwwwww」プークスクスw

穂乃果「えっ。さっき犬って言ってなかった・・・? あっうん、いや、別に何でもないよ。 穂乃果   考えないもん」

花陽「アルパカさん、お手はしてなかったけど、代わりに舐めてばっかりでしたよね。つまり、できないことをやらせようとすることりちゃんのことを、アルパカさんは“嘗めて”舐めていたんですね」

アルパカ「お上手ですね。でも、そんなつもりじゃないですよ。ことりさんは可愛いくて柔らかそうでいい匂いがする女性として大変魅力的でしたので普通に純粋に甘そうな桃を目の前にした時のようなそこはかとない欲求に従って舐めただけです」

穂乃果「そ、そうなんだ・・・。そんなに事細かく心情を語られると、なんだか急に変態さんに見えてきちゃった・・・」

アルパカ「私が変態さん? ハハッ、御冗談を。私はただのビーストですよ。そんな高級な嗜好は持ち合わせていません。ことりさんprpr。穂乃果さんもprprしますね」

穂乃果「えっと、あはは・・・・」アトズサリ



穂乃果「おっ、そういえば花陽ちゃん、お弁当できたんだ」

花陽「はい。これです」

穂乃果「おおっ。立派な重箱だあ。中身は」

花陽「ウナギ抜きのうな重です」

穂乃果「わーいたのしみだなー」



花陽「それじゃあ、湖まで行きましょうか」

アルパカ「宜しければ、私の背中に乗って行きませんか」

穂乃果「えっ?! いいの!? すっごく乗りたい!!」

花陽「!! わ、わたしも乗りたいですっ!!」

穂乃果「花陽ちゃんもかあ。・・・・分かった、じゃあ、花陽ちゃん乗せてもらいなよ」

花陽「えっ、いいのっ?」

穂乃果「うん! 私先輩だもんね! 譲っちゃう」エッヘン

花陽「ありがとうっ・・・!!」

アルパカ「そんなご遠慮なさらず。お二人一緒に乗ってください」

穂乃果「ええっ! 二人も乗せられるの?」

アルパカ「女の子二人くらいどうってことないですよ。大丈夫です」

穂乃果「イェーイ! やったね花陽ちゃん!」ハイタッチ

花陽「うんっ!」ハイタッチ


穂乃果「それじゃ、乗させてもらうね」

アルパカ「はい、どうぞ」

穂乃果「あっ、花陽ちゃん前でいいよ」

花陽「ホント!?」パァ

穂乃果「おっけ、おっけ」v

花陽「穂乃果ちゃん、ありがとう!」


287: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:23:28.21 ID:EO5XcUA50


花陽「それでは失礼して・・・」フサッ

花陽「わぁ・・・。アルパカさん、モコモコ、フワフワ・・・。幸せ・・・」ギュ

穂乃果「花陽ちゃん。アルパカさんの背中に乗って、首に抱き着いてる。気持ちよさそう」

アルパカ「お気に召して頂いたようで、光栄至極でございます」

穂乃果「アルパカさん。次に穂乃果も乗るけど、大丈夫?」

アルパカ「楽勝よ、バッチこいや、てやんでい」

穂乃果「ん、それじゃ乗るね。よっと」

穂乃果「わぁ、フワフワだあ。でも、アルパカさん本当に大丈夫? 重くない?」

花陽「そうです・・・私、最近食べすぎちゃってて・・・」

穂乃果「そ、そうなんだよね・・・。実は、私達μ’sの中でも・・・」

アルパカ「あれ? お二人共もう乗ってるんですか? 産毛の小鳥達が私の背中で羽休めしている時くらいの重さしか感じないんですけど」

穂乃果「やだなにこのイケメン////」

花陽「アルパカさん力持ちですね! さすが南米のアンデス山脈のご出身です」

アルパカ「恐縮です」


アルパカ「それでは、動きますけど、お二人ともしっかりと掴まっててくださいね」

花陽「はいっ」ギュ

穂乃果「穂乃果は花陽ちゃんに抱き着くね」ギュ

花陽「どうぞっ」





アルパカ「行きますよ・・・!」グッ

┏( ^o^)┓ドコドコドコドコ┗( ^o^)┛ドコドコドコドコ

アルパカ「コケコッコー! パカラッ パカラッ」ノソノソ...





花陽「わー。アルパカさんに乗って移動するなんて夢みたいです」

穂乃果(・・・・・意外と遅い)




アルパカ「気分がいいですね。歌でも歌いましょう」

穂乃果「おおっ。そういえばアルパカさんはことりちゃんとの特訓でタカラモノズが歌えるようになったよね」

アルパカ「Rollin', rollin', rollin'♪」

穂乃果「ろーれん?」

アルパカ「牛を追いかける時の掛け声ですよ」

穂乃果「へー、そうなんだ。どういう歌なの?」

アルパカ「西部開拓を歌った歌ですよ。人を乗せたのが久しぶりで、つい思い出してしまいました」

アルパカ「懐かしいですねえ。あの頃は蒸気機関車が出始めた頃で、まだまだ動物に乗るのが人の主な移動手段でした。私もよく鞭で叩かれ牛を追いかけたものです」

花陽「アルパカさんも御苦労されていたのですね・・・」

アルパカ「ええ。確かに血の気の多い人ばかりでしたけど、今より人と動物の触れ合いが多かったのも事実ですから、花陽さんみたいな人もたくさんいましたよ」

穂乃果「へー」

288: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:32:58.51 ID:EO5XcUA50



アルパカ「Rollin', rollin', rollin'♪」

花陽「ろーれん♪」

穂乃果「ろーれん♪」

アルパカ「Rollin', rollin', rollin'♪ Rawhide!」

アルパカ「Keep rollin' rollin' rollin' Though the streams are swollen―――」





----------------------------------------
上野
不忍池(しのばずのいけ)




アルパカ「Hi-yo Silver!」

アルパカ「到着です」

花陽「お疲れ様です」

穂乃果「ありがと! アルパカさん。・・・よっと」タッ

穂乃果「ここ、この前ツバサさんと来たっけ」

アルパカ「のどかな場所ですね」カシャ, カシャ

穂乃果「えっ!? アルパカさん何やってるのっ?」

アルパカ「何って、写真を撮ってるだけですよ。ブログにうpするんです」

穂乃果「へ、へぇー・・・。急に二足歩行になったかと思ったら、前足でバズーカみたいなカメラ構えてるもんだからびっくりしちゃった・・・。意外と器用だね・・・」

アルパカ「ダンスも得意ですよ」

アルパカ「やっ、ほっ」フリフリ

花陽「歌って踊れるなら、アイドル研究部に入りませんか?」

アルパカ「舎に持ち帰って検討致します」

穂乃果「アルパカさん・・・。なんかもう、なんでもありだね・・・。そろそろ変形合体して空でも飛んじゃうんじゃない?」

アルパカ「変形合体はしませんが、デジモンみたいに進化したりデジクロスはしたいですね」

穂乃果「でじもん?」

アルパカ「デジモンですよデジモン。デジタルモンスターの略」

穂乃果「???」

アルパカ「最近の若い子、それも女の子は知らないでしょうねえ。デジモンになることが私の夢なんですが」


穂乃果「あっそうだ! 夢で思い出した!」

穂乃果「花陽ちゃん。花陽ちゃんの“夢”ってなに?」

花陽「夢?」

穂乃果「うんうん。花陽ちゃんが将来叶えたいと思っている“夢”」

花陽「“夢”・・・・。うーん・・・・。なんだろう・・・?」

穂乃果「やっぱりプロのアイドルになりたいの?」

花陽「ええっ?!! いやいや! 花陽がプロのアイドルなんて恐れ多いよお!!」ブンブン

穂乃果「えっ? どうして? 花陽ちゃんアイドル大好きでしょ?」

289: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:37:37.38 ID:EO5XcUA50

花陽「好きだけど・・・。プロのアイドルなんて花陽には無理だよぉ!」

穂乃果「そうかなあ? 今だって、すっごく可愛くて、踊れるし、歌も綺麗だし」

花陽「それは、スクールアイドルだからやれているだけで・・・。プロは本当に残酷な格差社会だから・・・」

穂乃果「それでも花陽ちゃんならやれるはずだよ! ファイトだよ!」

花陽「そ、そんなあ! 無理なのおお」ブンブン

穂乃果「“夢”は叶える物だよ! 諦めちゃだめ!」

花陽「うっ、うぅぅ。無理だってばあ! 誰か助けてー!」


アルパカ「ちょっと待っててください。まずは穂乃果さん。落ち着いてください。“夢”は他人から強制されるものではありませんよ」

穂乃果「強制って・・・そんなつもりじゃないんだけど・・・」

アルパカ「花陽さんも落ち着いてください」

花陽「う、うん・・・・」


アルパカ「落ち着いて考えてみてください。“夢”とはつまり、 “やりたい” と思っている事です」

花陽「やりたい・・・?」

アルパカ「それから“夢”は100人の人がいれば、100の形があるんです。みんな自由な“夢”を持っていていいんです」

花陽「みんな・・・自由な“夢”・・・」


花陽「あの・・・・・アルパカさんの“夢”を聞いてもいい?」

アルパカ「はい。私の“夢”は、デジモンになることです」

花陽「・・・・デジモン? ・・・・その理由も聞いていい?」

アルパカ「デジモンになりたいと思っているのは、恩返しをしたいという想いから来ています」

花陽「恩返し?」

アルパカ「はい。恩返しです。私は色々な人のお世話になりました。学校で手厚く保護して頂いている理事長様。毎日欠かさず水や食事を持ってきて、掃除をして下さる飼育員の方々。風雨を防ぐ小屋を建ててくださった大工様。牧草を栽培してくれる農家の方々。安全な水を生産してくださる水道局の職員様」

アルパカ「私は色々な人達から恩を受けました。もちろん、花陽さんもその内の一人です」

穂乃果「すごい・・・。そんなこと考えもしなかったけど、言われてみれば、私にも同じことが言えるなあ」

花陽「恩返しなんて・・・。私は、アルパカさんはそこに居てくれるだけで嬉しいよ」

アルパカ「ありがとうございます。でも、私の “やりたい” は、居るだけの事ではないんです」

アルパカ「そこでデジモンです。デジモンは、最初の内は弱々しい存在ですが、人からの愛や情熱、人との友情や信頼、そういったものの積み重ねで成長し、進化して、大きな力を身に付けます」

アルパカ「人から支えられえて成長し、身に付けた力で人を支えたい。支え、支えられて、さらには色んな人の力を借りて、一緒に輝ける何かを築いていきたい。誰かの心を動かす何かに、少しでいいから貢献したい」

アルパカ「それができるデジモンになりたい。私の“夢”です」


花陽「・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・びっくりしちゃった。アルパカさん。すごくしっかりした考えを持っているんだね」


アルパカ「さて、私の“夢”は語り終えました。今度は花陽さんの番です。花陽さんの“夢”をお聞かせください」

花陽「う、うん・・・そうだね・・・」

アルパカ「“夢”というと、どうしても大層な物をイメージしてしまいがちですが、そうである必要はありませんよ。ただ、単純に “やりたい” と思っていることで構いません」

花陽「 “やりたい” かあ・・・・」

アルパカ「特技や好きな事ですよ」

花陽「好きな事・・・。私は、絵を描くのが、好きかな」

穂乃果「絵! それなら画家かな?!」

アルパカ「穂乃果さん。結論を急ぐのは良くないですよ。花陽さん。画家になった自分をイメージしてください。それで、心が興奮して躍動するのを感じますか?」

花陽「画家もいいけど・・・う~ん・・・・・」

290: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:41:27.66 ID:EO5XcUA50

アルパカ「それじゃあ、今、何か描きたい絵はありますか?」

花陽「描きたい絵・・・・」


花陽「・・・・・・・・・」



花陽「アルパカさんが、描きたい」

アルパカ「はい。描いてみてください」

花陽「うん」

花陽「アルパカさん」サラサラ....



---------------

花陽「描けました」

穂乃果「ホント! 見せて見せて」

アルパカ「拝見させていただきたく候」

花陽「ちょっと、恥ずかしいですけど・・・ど、どうぞ」オズオズ

穂乃果「おおっ。穂乃果と花陽ちゃんが笑顔でアルパカさんに乗ってるよ!」

アルパカ「クレヨンで描かれたのでしょうか。とても温かみがあって可愛らしい絵ですね」

花陽「えへへ。照れちゃいますよぉ//」

穂乃果「うん! すごく可愛い絵!」



穂乃果「あっ! いいこと思いついちゃった! こういう絵をもっとたくさん描いて、絵本にしたらどうかな?」



アルパカ「おっ、それいいですねぇ。私が穂乃果さんと花陽さんを乗せて、色々な所を冒険する・・・そんなストーリーを添えたら面白そうですね」

花陽「・・・・!」パァ

花陽「うん、うん! 私ももっとアルパカさんと色々な所へ行きたいです! 行ってみたいです!」

アルパカ「賛成です。私、他にも行きたいところがたくさんあるんです。・・・海の向こうや雲の上、ピラミッド、アマゾンの大森林の奥地。そして我が故郷である島根の砂丘etc...。私の羽毛や肉は島根の原住遊牧民の方々にとても重宝されたんですよ。人と力を合わせて―50℃の厳寒を耐えたものです。そういった人々の触れ合いや助け合いも織り込まれた心温まるいストーリーだと素晴らしいと思うんですけど、どうでしょうか」

花陽「はいっ!! すごくいいですっっ!!!」

穂乃果「おおっ。夢がひろがるねぇ」

アルパカ「夢・・・。“夢”・・・・。あの、花陽さん。できれば動物と人が対等な立場で描かれている作品して頂けないでしょうか・・・。動物と人が対等、そんな世界が私にとっての理想で、それもまた、私の“夢”でもあるんです」

花陽「もちろんです! 花陽は動物が大好きですから!!」

アルパカ「ありがとうございます」

花陽「早く描かなきゃ! 描きたい!!」

花陽「まずは・・・・・そうだっ。まずはアルパカさんがアルパカ小屋にいる時の絵を描こう! ここが物語のスタートにしたいのっ」カキカキ


穂乃果「花陽ちゃんイキイキしてるねぇ。楽しそう。本当に絵を描くのが好きなんだね」


291: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:48:04.72 ID:EO5XcUA50




花陽「~~♪」カキカキ スラスラ .....スー



穂乃果「・・・・・? えっ、あ、あれ・・・・?」



花陽「~~♪」.....スー



穂乃果「気のせいかな・・・? 穂乃果の目が疲れてるのかな」ゴシゴシ



花陽「~~♪」.....スー



穂乃果「花陽ちゃん。絵を描きながら・・・・」



花陽「~~♪」.....スー



穂乃果「ちょっとづつ姿が成長してるような・・・?」



花陽「~~♪」.....スー



穂乃果「・・・・・やっぱり。見間違えじゃない。既に20歳は超えたくらいの見た目になってる」


穂乃果「すごく優しそうなお姉さんだ。でも、本人は何事も無かったかのように、夢中で絵を描き続けてる」


穂乃果「これは・・・どうして・・・?」



アルパカ「――――――穂乃果さんが今まで見ていたのは、彼女の未来でもなく、彼女の叶えたい“夢”でもなく、ただの普通の夢だった」

穂乃果「えっ?」

アルパカ「未来の可能性は叶えたいと思っている“夢”で決まります。ですから、“夢”が明確に決まっていない人は、明確な未来がありません。明確な未来とはつまり、発生確率の高い未来の事です。ある一定以上の発生確率がある未来がないと、夢の赤い糸は正確に機能しません」

穂乃果「う、うん・・・?」

アルパカ「でも、今の彼女を見てください。あれは未来の彼女の姿です」

穂乃果「そう・・・だよね・・・? 花陽ちゃんの未来は決まってないのに、あの花陽ちゃんは未来の花陽ちゃんなの・・・?」

アルパカ「彼女は子供の頃に絵本作家になりたいという“夢”を、漠然としてではありますが、持っていました。しかし、それは、高校生に至るまでに、徐々に薄れてしまっていたようです」

アルパカ「その薄れてしまった“夢”を、蘇らせる出来事が、今日たまたま起こりました。それは、夢の中で私の背中に乗り、その様子を絵に描くというものです。さらに決め手となったのが穂乃果さんの一言」


アルパカ「“絵本にしたらどうかな?”」


アルパカ「そのおかげで、彼女は忘れかけていた“夢”を思い出したのでしょう」

アルパカ「彼女の“夢”が蘇り、そして発生確率の高い未来が生まれました」

アルパカ「そして、穂乃果さんが見ている今の景色は、夢の赤い糸の機能により、彼女の夢から“夢”・・・つまり、未来に変わったのです」


穂乃果「ほー・・・?」

穂乃果「そ・・・っか。分かったような・・・分かんないような・・・。少なくとも、あれが未来の花陽ちゃんなんだよね?」

アルパカ「そうですよ」

穂乃果「そっか。それなら良かった。花陽ちゃん。あんなに楽しそうに、絵を描いてるんだもん。輝いている。幸せに生きていけるって分かっただけでも、穂乃果は嬉しいな」

292: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/13(日) 23:57:56.83 ID:EO5XcUA50

アルパカ「穂乃果さんは優しいのですね。そんな貴女だから、多くの人が貴女を慕うのです。これからもその性格は大切にしてくださいね」

穂乃果「・・・? えっと、うん」



穂乃果「ああっ! そうだっ!」

アルパカ「どうしました急に?」

穂乃果「さっきまで見えていたのは花陽ちゃんの普通の夢なんだよね? でも今のこれは、花陽ちゃんの未来なんだよね?」

アルパカ「はい」

穂乃果「・・・・今まで考えないようにしていたけど・・・・」

アルパカ「なんです?」

穂乃果「・・・・・・・・アルパカさん、やっぱりしゃべってるよね?」

アルパカ「夢の赤い糸の機能で未来の姿になるのは、使われている人に限られるのでしょうね。ですから、その人の周りは、割と適当なんですよ。多分。そういうことにしておいてください」

穂乃果「ああっ・・・そういうこと。まあ、そう言われれば、海未ちゃんとことりちゃんの未来を見ている時も、本人以外はいつも通りだったし」

アルパカ「そういうことです。夢の赤い糸を使えど、所詮は私は花陽さんの夢の中の存在です。夢というのは大抵は支離滅裂な内容なものです」

穂乃果「うん。そうだね。アルパカさんがしゃべる訳ないし」



アルパカ「いいえ、その認識は間違ってますよ」

穂乃果「えっ?」

アルパカ「穂乃果さん、ロボット部の人に言われましたよね。『未来とはほんの些細な事で無限に分岐する』・・・と」

穂乃果「そうだけど・・・。だからってアルパカさんがしゃべるようになるとは思えないけど・・・」

アルパカ「穂乃果さんは無限の意味を正しく理解していますか?」

穂乃果「無限? それは・・・・あれ? えっと、無限ってなんだっけ・・・? 限りがない・・・?」

アルパカ「そうですね。例えば10個のサイコロを同時に振って全てが1の目になる確率はいくつだと思いますか?」

穂乃果「うーん・・・。すごく低い・・・?」

アルパカ「(1/6)^10=1/60466176です。穂乃果さんの言う通り、これは物凄くすごく低い確率です。限りなく0に近いです。しかし0ではない」

アルパカ「0でなければ、無限回数だけサイコロを振れば、確実に全ての目を1にすることができます」

穂乃果「そうなの・・・・?」

アルパカ「では、この世は無限と有限、どちらだと思いますか?」

穂乃果「えっ? うーむ・・・」

アルパカ「地球から460億光年の範囲の外、つまりObservable Universeより先の宇宙を人類が観測することは物理的に不可能ですが、それより先には無限の宇宙が広がっています。もっと言ってしまえば宇宙の数も一つではありません」

穂乃果「えっ、えっ? 宇宙の、数・・・?」

アルパカ「宇宙と宇宙は隔絶されておらず、それらはブラックホールで繋がっています。そう言った意味で、この世は無限です。無限であるから、どんなに確率が低い事象でも発生し得ます。10個のサイコロを同時に振って全ての目が1になることもあり得れば、さらに、穂乃果さんと同一の原子配列を持った物体、つまり穂乃果さんと全く同じ人間が複数人、この世には存在し得ます」

穂乃果「穂乃果と・・・? えっ???」

アルパカ「よって、人語をしゃべるアルパカがこの世に居ても、なんら不思議ではないのです」


※参考記事:Newton 2016年3月号 『宇宙空間が膨張するとは,どういう意味か』


293: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 00:00:56.85 ID:b/cZTfgr0


穂乃果「ええっ?! そうなの?? とにかく、なんか、よく分からないんだけど・・・。つまり、なんでアルパカさんはしゃべれるの・・・? そんな訳ないのに・・・。無限? だと? あーもう! わかんないよお! あうー・・・頭痛くなってきた・・・」プシュー

アルパカ「ですから最初に考えるだけ無駄だと申し上げたのですが」

穂乃果「うん・・・」



穂乃果「・・・・・・・・」

穂乃果「ね、ねえ・・・・」

アルパカ「今度はなんですか」

穂乃果「ちょっと気になってさ・・・・」

穂乃果「無限とかさ、宇宙がどうのこうのって、穂乃果には訳が分かんなかったけど・・・・」

アルパカ「そうですね。それについて真面目に考えるのは物理学者だけで十分ですよ」


穂乃果「アルパカさんは花陽ちゃんの夢の中のアルパカさんなんだよね?」

アルパカ「はい」

穂乃果「さっき、夢は支離滅裂な内容って言ってたけどさ・・・。それにしたって、花陽ちゃんが知らない事は、夢の中では出てこないんじゃない?」

アルパカ「・・・・・・」

穂乃果「アルパカさんが話してくれたような難しい事を、花陽ちゃんが普段から考えているとは思えないんだけど・・・・」

アルパカ「・・・・・・」

穂乃果「アルパカさん、実は花陽ちゃんの夢の中のアルパカさんじゃない、ってことはない?」


アルパカ「・・・・・・」


穂乃果「ねえ、教えて。アルパカさんは一体何者? あなたはどこから来たの?」


アルパカ「・・・・・・・」


アルパカ「・・・・・・・」



アルパカ「・・・・・そうですね。それは―――」

穂乃果「それは・・・・」ゴクリ




アルパカ「おっと、そろそろ、お別れの時間の様です」

穂乃果「えっ? ええっ?!!」

アルパカ「いずれ、じっくりお話しできる機会があるといいですね」

穂乃果「ちょ、ちょ、ちょっとまってよー!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



294: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 00:12:27.03 ID:b/cZTfgr0



穂乃果「うぅ・・・・まってぇ・・・」

穂乃果「う~ん・・・・・はっ?!」ガバッ

穂乃果「ああっ、起きちゃった・・・」

穂乃果「・・・・・・・アルパカさん、一体何者・・・?」

穂乃果「うん、やめよう。深く考えちゃダメだよね」

穂乃果「なんかずっとアルパカさんと訳の分からないお話しをしてた気がするけど・・・一番の目的は花陽ちゃんの未来を見る事だったんだし」



花陽「すー・・・」zzz



穂乃果「花陽ちゃん。もし明日起きて、さっき見た夢を忘れちゃってても、穂乃果がちゃんと教えてあげるからね」

穂乃果「だから、絵本作家を目指してね」

花陽「すー・・・」zzz




穂乃果「さ~って、次は誰の未来を見よっかなー」



凛「にゃー・・・すー・・・にゃー・・・」zzz



穂乃果「おっ、凛ちゃんが隣にいた」

穂乃果「凛ちゃん、君に決めたっ!」

穂乃果「凛ちゃん、可愛いお洋服が好きな女の子だもんね。きっと可愛いお洋服が似合うような可愛い女性に成長しているだろうなあ」


穂乃果「早速、夢の赤い糸を結んで・・・」キュ

穂乃果「できたっ。そんじゃ、おやすみ~」モソモソ



・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・



穂乃果「よっと」

穂乃果「よし、凛ちゃんの夢の中に入ったかな」

穂乃果「はてさて、未来の凛ちゃんはどこだ~」キョロキョロ

穂乃果「この場所はどこ? 外で、えーっと、見覚えがあるけど・・・」

穂乃果「あっ、分かった。花陽ちゃんちの近くだ」




凛「かよちんは歩道側歩いてね」

花陽「うん。ありがとう、凛ちゃん」




穂乃果「あっ! 凛ちゃん発見! 花陽ちゃんと一緒だ」

穂乃果「近くで見よっと」タタッ



295: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 00:17:06.46 ID:b/cZTfgr0



凛「にゃ、木の枝が道にはみ出てる」

凛「凛が抑えてるから、かよちん通って」

花陽「うん。ごめんね」

チャリンチャリン

凛「自転車が来たにゃ。かよちん、凛の後ろに入るにゃ」

花陽「うん、ありがとう。いつもごめんね」





       <ブォーン....
   / ̄ ̄\__
  └-○--○-┘  __水たまり__ 
 


凛「かよちん危ない!」バッ

花陽「えっ?」


ビシャー


花陽「凛ちゃん大丈夫?! 水が跳ねたよ?!」

凛「凛は兵器にゃ。かよちんは水掛ってない?」

花陽「花陽は大丈夫だけど・・・」オロオロ

凛「良かったにゃ」ニコッ

花陽「良くないよっ! 早く着替えないと風邪引いちゃうよぉ」オロオロ

凛「大げさだよ~。ズボンにちょっとかかっただけだもん」


穂乃果「ほえー・・・。凛ちゃん、花陽ちゃんを守るボディガードみたい」

凛「あっ! 穂乃果ちゃんだ!」

花陽「穂乃果ちゃん! こんにちは」

穂乃果「こんにちは」

穂乃果「んんっ? 凛ちゃん、いつもの凛ちゃんだね」

穂乃果(ってことは、凛ちゃんには今の所将来叶えたいと思ってる“夢”が無いのかな)

凛「にゃ? 凛はいつもの凛だけど」

花陽「えっと・・・・? とりあえず、私タオル持ってるから、とりあえず、これで軽く拭いて」

凛「ありがとにゃ」フキフキ

花陽「それから、早く着替えないと」

穂乃果「あ、そっか、ごめんね引き留めちゃって。凛ちゃん早く家に帰った方がいいよ」

凛「大丈夫なんだけどなー」

花陽「ダメなの! 凛ちゃんは女の子なんだから!」

凛「む~・・・。分かったにゃ。かよちんがそこまで言うなら・・・」

花陽「真っ直ぐ帰ってね」

凛「うん。それじゃ、かよちん、穂乃果ちゃん、じゃーねー。かよちん、タオル洗って返すねー」タタッ

穂乃果「ばいばい」

花陽「またね」

296: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 00:48:40.57 ID:b/cZTfgr0



穂乃果「凛ちゃんと別れちゃった。うーん・・・。結局凛ちゃんの“夢”は分からなかったなあ・・・」

穂乃果「あっ、そうだ。花陽ちゃんなら分かるかも」

花陽「うん?」

穂乃果「凛ちゃんが将来叶えたいと思っている“夢”って、花陽ちゃん知ってる?」

花陽「凛ちゃんの“夢”? うーん・・・。子供の頃はサッカー選手になりたいって言ってたけど」

穂乃果「サッカー選手! すごいねえ! かっこいい! なでしこジャパン!」

花陽「でも、中学生くらいの頃からあんまり言わなくなったから、今は別の“夢”があるかも」

穂乃果「そうなの? 花陽ちゃんも分からない?」

花陽「うーん・・・。μ’sに入る前は、凛ちゃん陸上部に入ろうとしてたけど」

穂乃果「凛ちゃん、運度神経いいもんねえ。それじゃあ、今は陸上選手になりたいのかなあ」

花陽「μ’sに入ってくれた時点でそれは無いかなあ・・・」

穂乃果「陸上選手も違うの? それじゃあ・・・花陽ちゃんのボディガードとか?」

花陽「えっ///」

穂乃果「さっきも一所懸命に花陽ちゃんのこと守ってたからさ」

花陽「た、確かに凛ちゃんはいつも花陽の事を守ってくれてるけど・・・///」

花陽「それは、将来の“夢”とはちょっと違うんじゃないかなあ・・・?」

穂乃果「そう?」

穂乃果(どっちにしろ、さっきの凛ちゃんは、いつもの凛ちゃんで、大人になってなかったし)

穂乃果「そっかあ。じゃあ、凛ちゃんの“夢”ってなんだろう・・・?」

花陽「私いつも凛ちゃんの傍にいるけど、言われてみると、凛ちゃんの“夢”知らないなあ・・・」

穂乃果(やっぱり凛ちゃんには“夢”が無いのかなあ)

穂乃果(どうしよ。このまま起きたんじゃつまんないなあ。う~む・・・)


穂乃果「そうだっ」

花陽「?」

穂乃果「私、ちょっと凛ちゃんの跡つけてみるね」

花陽「えっ、どうして?」

穂乃果「ふふふ。ちょっとねー」

花陽「??」

穂乃果(しばらく凛ちゃんの夢の中で凛ちゃんを見ていたら、その間に、アルパカさんに乗った花陽ちゃんみたいに、夢の中で“夢”ができるかも知れないもんね)

花陽「あの、私も付いて行っていい? 凛ちゃんまっすぐ帰るかちょっと怪しいから・・・」

穂乃果「いいよー。一緒に凛ちゃんを尾行しよう!」

花陽「うん! 探偵みたい」




---------------

凛「くるっと♪ くるっと♪ くるっと♪」テクテク タオルクルクル

凛「回ろう~♪」テクテク タオルクルクル


 ...∞ ヒラヒラ


凛「にゃ! あれはアサギマダラだ!!」タタッ

凛「まってにゃー!」

297: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 00:52:43.06 ID:b/cZTfgr0


凛後方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

穂乃果「わわっ? 凛ちゃん急に走り出したよ?」

花陽「え? え? ちょっと凛ちゃんどこに行くの~?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




---------------

凛「む~・・・見失ったにゃ~・・・・」

凛「おっと、今の内にメモしておこっと」

凛「“珍しい渡り蝶のアサギマダラを見つけたにゃ! でも逃げられちゃった~・・・” これでよしっ!」メモメモ



凛後方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

穂乃果「ふぅ・・・・。やっと追いついた・・・。あれ、凛ちゃん、何か書いてる」

花陽「はぁ・・・ひぃ・・・」ヨタヨタ

穂乃果「あっ、花陽ちゃん大丈夫? 凛ちゃん足速くて追いかけるの大変だよねえ・・・」

花陽「う、うん・・・」ゼェハァ

穂乃果「花陽ちゃんの言った通りだよ。凛ちゃん真っ直ぐ家に帰らない・・・。注意する?」

花陽「そう・・・だね・・・」ゼェゼェ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ニャー


凛「あっ! あの猫ちゃんかわいい!! まってにゃー!!」ダダッ


ニャ?!
 
タタッ

凛「にゃ! にゃ! にゃ!」ダンッ, タッ, ピョン





凛後方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

花陽「りんちゃ?!」

穂乃果「ほぇぇ・・・・。凛ちゃん。塀に上って壁の向こうに逃げた猫ちゃんを追っかけていっちゃった。あの身のこなし。すごいなあ。凛ちゃんが猫ちゃんみたい・・・」

花陽「りんちゃーん・・・・。待ってよー・・・。おぇ」グッタリ

穂乃果「大丈夫花陽ちゃん? 歩いて回り道しよっか」

花陽「・・・・うんっ」ヨロヨロ

穂乃果「ゆっくりでいいから、行こう」

花陽「ごめんなさい・・・」

穂乃果「謝ることは無いよ。真っ直ぐ帰らない凛ちゃんが悪いんだから」

花陽「ううん。あれでいいの。凛ちゃんはいつも元気であちこち跳ね回っているのが、一番凛ちゃんらしいから」

穂乃果「そりゃあ、元気があるのはいいことだけど・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

298: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 00:56:03.42 ID:b/cZTfgr0



---------------



   ニー
 ニュー   フニョー
  にゃー♪
 ニィニィ  ナォー
    ンォー




花陽「あっちから猫ちゃんの声がたくさん聞こえるよ」

穂乃果「行こうっ!」タタッ




凛「あははっ♪ くすぐったいにゃー♪」




穂乃果「やっと見つけたー。あの木の近くで、凛ちゃん、猫ちゃん達に囲まれて遊んでる」

花陽「あっ、あの椿の木は・・・・・」

穂乃果「いち、に、さん、し、ご、ろく! 六匹の猫ちゃんに囲まれてるよ。凛ちゃんモテモテだねー」

花陽「凛ちゃん・・・・」


穂乃果「うらやましい! 穂乃果も混ぜてもらおう!」

花陽「あっ! 待って!」

穂乃果「えっ?」

花陽「・・・・・あの猫ちゃん達と凛ちゃんだけで・・・たくさん遊ばせてあげて」

穂乃果「うん? 分かった」



スリスリ

凛「にゃっ。このー、お返しだー。こちょこちょ」ナデナデ

ゴロゴロー

凛「気持ちいのー? もっと触ってあげるっ」ナデ゙ナデ



穂乃果「あれっ? そういえば凛ちゃん、猫アレルギーじゃなかったっけ?」

花陽「うん。凛ちゃんは猫アレルギーだよ」

穂乃果「そうだよね・・・・。凛ちゃん大丈夫かな・・・」オロオロ

花陽「大丈夫だよ。あの子達なら、アレルギーにならないと思う」

穂乃果「えっ? どうして?」



花陽「・・・・・・・・」


花陽「・・・・・・・・」


穂乃果「花陽ちゃん?」

花陽「・・・・それはね」

花陽「・・・・・まず、さっきから凛ちゃんの指をチロチロ舐めてる2匹の小さい猫ちゃんを見て」

穂乃果「あの白い猫ちゃんと、ぶち模様の猫ちゃん? 小さくて可愛いね」

299: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 01:02:12.74 ID:b/cZTfgr0

花陽「あの二匹はモモちゃんとナナちゃん」

穂乃果「可愛い名前だね。花陽ちゃんと凛ちゃんが付けたの?」

花陽「うん。それから、あれを見て。椿の木の根本」

穂乃果「んー? 木の板が二枚並んで立ててあるね。あれは?」

花陽「あれはね・・・・・。お墓なの」

穂乃果「お墓・・・・?」

花陽「そう・・・・。モモちゃんとナナちゃんのお墓・・・・」

穂乃果「えっ・・・・?」

花陽「・・・・あの猫ちゃん達の中で一番大きい白い猫ちゃんがチロちゃんという名前。他の5匹は、モモちゃんとナナちゃんを含めて、みんなチロちゃんの子供」

穂乃果「親子・・・・・?」

花陽「うん。・・・・チロちゃんの子供達は、私と凛ちゃんが小学生の頃、冬で雪が降っているとても寒い日に、花陽の家の物置小屋で産まれたの」

花陽「その日は本当に寒くて・・・・。このまま日も照らない寒い寒い物置小屋にいたら死んじゃうから、凛ちゃんが助けたの。温かい家に入れて、ホットミルクを飲ませたりしてお世話をしたんだけど・・・・」

穂乃果「・・・・・・・」

花陽「まだ目も開いてない程小さかったモモちゃんとナナちゃんは助からなくて・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・」

花陽「凛ちゃんと私はすごく悲しくて悲しくて、たくさん泣いて・・・。そしてあの椿の木の根本に埋めて、お墓を作ったの」

穂乃果「・・・・・・・そう・・・だったんだ」

花陽「他の3匹は助かって、凛ちゃんが『この子たちのママになる!』と言ってくれたんだけど、その後で凛ちゃんが猫アレルギーだって分かって・・・・」

花陽「それで花陽の家で飼おうと思ったけど、既に文鳥を飼ってたから、ダメで・・・」

花陽「結局、ここから遠い郊外に住んでる花陽の親戚の人にもらわれたの」

穂乃果「・・・・・・・」

花陽「凛ちゃん、もらわれていった3匹の猫ちゃん達のこといつも気にしてた」

花陽「凛ちゃんは本当に猫ちゃんが好きで。だから、いつか絶対猫アレルギーを治すって言ってた。猫アレルギーを治して、猫と暮らしたいって」





ニャー

ニャァアア

凛「にゃははー♪」





穂乃果「・・・・亡くなったはずの猫ちゃんと遊んで、もわれた猫ちゃんと会って、猫アレルギーを治す・・・・それが凛ちゃんの“夢”だったのかな」

花陽「うん。そうかも・・・・だから、今だけは、凛ちゃんは思いっきりあの猫ちゃん達と遊んでほしい」

穂乃果「そうだね。凛ちゃん、とても楽しそう。邪魔しないようにしないと」





300: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 16:22:47.74 ID:/YYURaru0





ゴロゴロー♪

凛「にゃーん♪」





花陽「ふふっ」

穂乃果「花陽ちゃん?」

花陽「えっとね。違くて、もしかしたら、凛ちゃんの“夢”は猫ちゃん達と遊ぶことじゃなくて、猫そのものになることかなあ。・・・・なんてっ ちょっと思っちゃった」

穂乃果「あははっ。確かに、今の凛ちゃん、本当の猫みたいだもんね」

花陽「そうだよねっ」

穂乃果「でも、凛ちゃんらしいなあ」

花陽「もし凛ちゃんが本当に猫ちゃんになったら、家猫としてうちで一緒に暮らしたいな♪」

花陽「家猫☆凛ちゃん!」





凛「にゃー♪」尻尾ニョキ





穂乃果「ん? んんっ?!」





凛「にゃ♪」ネコミミニョキニョキ






穂乃果「え? え!? 凛ちゃんにネコミミと尻尾が生えてきたぁあ!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



穂乃果「・・・・わっ?!」ガバッ

凛「すー・・・にゃー・・・」zzz


穂乃果「あ、凛ちゃん、尻尾とネコミミ生えてない・・・」

穂乃果「当たり前か・・・」

穂乃果「だけど、最後の方、確かに尻尾とネコミミが生えていたような・・・?」

穂乃果「凛ちゃん、もしかしたら、将来本当に猫になっちゃうってこと・・・?」

穂乃果「花陽ちゃんの夢を見ていたときも、花陽ちゃんは途中から姿が変わっていったけど・・・・」




穂乃果「いや、そんなまさか・・・」


穂乃果「・・・・・・・・・」


301: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 18:13:25.75 ID:/YYURaru0



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アルパカ「彼女は忘れかけていた“夢”を思い出したのでしょう」

アルパカ「彼女の“夢”が蘇り、そして発生確率の高い未来が生まれました」

アルパカ「そして、穂乃果さんが見ている今の景色は、夢の赤い糸の機能により、彼女の夢から“夢”・・・つまり、未来に変わったのです」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



穂乃果「・・・・・・・・・・」

穂乃果「・・・・・まさかね」

穂乃果「凛ちゃんが見ていたのはただの夢だよね・・・」

凛「んにゃ・・・」zzz



穂乃果「つ、つぎっ!」

穂乃果「よしっ、次に行こう。絵里ちゃんにしよっと」キュ

穂乃果「絵里ちゃん、しつれいしまーす」モゾモゾ


絵里「すー・・・」zzz


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

穂乃果「よしっ。絵里ちゃんの中に入った」

穂乃果「ここは・・・?」キョロキョロ


ンモー

メェー

ブヒブヒ


穂乃果「動物がいる。牧場なのかな」

穂乃果「あっ、思い出した。確か、ここはオトノキの新聞部の企画でBiBiが来たところだったっけ」

穂乃果「緑が多くてのどかな所。んー」ノビー



ブモォォォオオオ

ウンメェェエエエ

ブヒィィイイイン



穂乃果「元気いっぱいだねえ」

穂乃果「お世話している人がいいのかな?」

穂乃果「牧場で働いてる皆さん。お疲れ様です」ペコリ



穂乃果「さて、絵里ちゃんは、この牧場のどこかにいるのかな」キョロキョロ

穂乃果「あっ、あそこになんかおしゃれな建物がある。行ってみよう。」トコトコ


---------------


302: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 19:26:56.02 ID:/YYURaru0


穂乃果「ここは・・・・喫茶店?」

穂乃果「お店の名前は」


“ ~Cafe~  Old Cherry Tree ”


穂乃果「古い? 木?」

穂乃果「なんにしても、ここ、喫茶店だよね。入ってみよう」


ガチャ

チリン チリン


絵里「いらっしゃいませ」

穂乃果「えっ・・・わわっ!?///」ドキッ

絵里「あら、穂乃果じゃない。久しぶりね」

穂乃果「う、う、う、う、う、ううう・・・・!」

絵里「う?」



穂乃果「うううぅぅぅぅえりちゃぁぁぁぁああん!?//」

絵里「はーい。絵里よ」ニコッ

穂乃果「わわっ///」ドキンッ

絵里「クスクス。どうしたの? おかしな穂乃果ね」ニコッ

穂乃果「っ/// 」ドキドキ

穂乃果「・・・・あ、あのね!」

絵里「んっ?」ニコリ

穂乃果「!!/// 絵里ちゃん! え、えっとね/// ・・・すっごい美人になったね!! パリコレのモデルさんかと思ちゃったよ~」

絵里「あら? もしかして、私口説かれてるのかしら?」クスッ

穂乃果「へっ!?/// えっと、そんなつもりは・・・///」ドキドキ



希「おー? それは聞き捨てならんなあ」



穂乃果「あっ! 希ちゃんも!」

希「ふふ。いらっしゃい穂乃果ちゃん。ゆっくりしていき」

穂乃果「うん! ありがとう」


穂乃果「いやー。それにしてもシックでオシャレなお店だね~」キョロキョロ

絵里「ありがとう」

絵里「内装は赤茶色を基調にして、なるべく自然の光を取り入れるようにしているの」

穂乃果「へえ」キョロキョロ

穂乃果「わあ、あの飾ってある食器、綺麗だねー。他にも色々見慣れない小物があって、なんだか新鮮!」

303: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 19:33:16.40 ID:/YYURaru0

304: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 19:41:24.30 ID:/YYURaru0

絵里「ロシアのあばあ様から頂いたロシアの民芸品なの。だけど、一番見てもらいたいのはキルトのアクセサリや小物かしら」

穂乃果「キルトの小物?」

絵里「例えば、あの壁に掛けてある花とか、テーブルの上に置いてあるコースターとか。私が手編みで作ったのよ」

穂乃果「ええっ!? 絵里ちゃんの手作り! すごーい!」

絵里「その日の天気や気分で色々変えたりもするの」

穂乃果「へえ! 色とりどりで華やかでいいねえ!」

絵里「ふふっ、ありがとう」


穂乃果「ねえねえ、ここって希ちゃんと二人でお店やってるの?」

絵里「ええ、そうよ」

穂乃果「大変じゃない? こんなに素敵な場所だったら、たくさん人が来そうだし。うちでも、雪穂とお母さんと三人で店番やってても手が足りない時があるんだよ。古いばっかりで華やかさの欠片もない上に、和菓子しか扱ってない店なのに」

絵里「随分と穂むらに対してネガティブなのね・・・。私はそういう風には思えないわよ。穂むらには歴史、味、信頼があるじゃない」

穂乃果「そうかなー?」

絵里「それと、素敵な看板娘もいるしね☆」ウィンク

穂乃果「看板娘? ・・・・・あっ///」

絵里「ふふっ、そんな穂むらに比べたら私のこの店なんて、足元にも及ばないわ。だから、希と二人だけで大丈夫よ。大丈夫どころか、むしろ、のんびりしてることが多いわね。いつも希がおいしい物を作ってくれるから、それを頂きながら優雅に毎日を過ごしてるわ。ふふっ」

穂乃果「ええっ。いいなー」

絵里「いいでしょー」


希「こらー、絵里ちー。よくないやろ-。ちゃんと働きー」


絵里「あら、怒られちゃった。はい、これがメニューね」

穂乃果「あはは。ありがとう」

絵里「牧場から分けてもらった取れたての牛乳を使ったメニューもあるの。よかったらどうぞ」

穂乃果「本当!? おいしそう!」ペラッ


穂乃果「ええと、なになに。紅茶、ほうじ茶、カモミールティ、・・・和風なのか、洋風なのか・・・なんか統一性が無いような・・・」

穂乃果「んっ? ほうじ茶が有料なの? うちは和菓子を店内で召し上がるお客さんには無料でお出ししてるけど」

絵里「あ、あら、そうなの・・・? ちょっと考えなすわね」アセアセ


穂乃果「それから、グランマの故郷のペリメニ、ごろごろ野菜のボルシチ、おうどんさん・・・んんっ? これじゃ喫茶店じゃなくて定食屋さんみたい・・・」

穂乃果「他には、“希手作りチョコタルト?!” わお! おいしそう!」

穂乃果「あっ。“取れたて牛乳から作ったクレープ”・・・・?!!!」

穂乃果「これ! 絵里ちゃん! これ! これ食べたい! 絶対おいしいでしょ!! お願い! ください!」

絵里「あらあら、穂乃果ったら。クスクス」

希「ふふふ。そう言うと思って準備してあるで。ほい、召し上がれ」

穂乃果「おおっ! さすが希ちゃん! いただきますっ!」

絵里「はい、召し上がれ」

穂乃果「あ~~・・・・んっ」パクッ

穂乃果「んー! おいしー―――・・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



305: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 19:53:44.71 ID:/YYURaru0


穂乃果「―――い・・・・・い?」パチッ

穂乃果「・・・・・・・・え。起きちゃっ・・・・た?」ムクッ

穂乃果「・・・・・・・・・・」


絵里「すー、すー・・・・」zzz


穂乃果「そ、そんなー・・・・」ガビ-ン

穂乃果「それはないよー・・・ぅえりちゃーん・・・」グスン

穂乃果「ううっ・・・、食べたかった・・・・」


絵里「すー、すー・・・・」zzz


穂乃果「・・・・・・・でも」

穂乃果「まあ、いっか」

穂乃果「だって、あれは絵里ちゃんの未来なんだから、いずれ、現実でも食べられるってことだよね」

穂乃果「むふふ。だから、絵里ちゃん。穂乃果、楽しみに待ってるからね! そのときは! 今度こそ! 絶対に食べさせてよね!」


絵里「すー、すー・・・・・んんー・・・すー・・・」zzz


穂乃果「さって、どんどん、いくよ。次は希ちゃん」キュ

希「すー、すぴー、りー・・・・」zzz

穂乃果「おやすみ~」



・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


穂乃果「ほっ、と」

穂乃果「希ちゃんの中に入ったね」

穂乃果「ここはどこかなー」キョロキョロ


ザザ-ン......


穂乃果「どこかの住宅街かな・・・・?」


ザザ-ン.......


穂乃果「昼間だけど、周りは家に囲まれてるから薄暗いし、道路も狭いから、なんだか窮屈な場所・・・」

穂乃果「あっ、あそこに交差点がある。名前がある。なになに、」

穂乃果「・・・”星の井通り”って言うんだ。きれいな名前」


ザザ-ン.......


穂乃果「んっ? 波の音・・・?」

穂乃果「あっ! 向こうの方は明るい! それに・・・・何かがキラキラ光ってる。行ってみよう」トコトコ


ザザーン......


穂乃果「わぁ・・・・・・」パァ


306: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 19:59:17.75 ID:/YYURaru0

307: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 20:06:11.10 ID:/YYURaru0

穂乃果「あったかい太陽に照らされて、青い海がキラキラ光ってる。昼間なのに星を見ているみたい。きれい・・・・」

穂乃果「まるで、穂乃果と海未ちゃんみたい・・・」

穂乃果「へっ?!/// やだ、歌詞担当でもないのに、私、なに言ってるんだろう・・・・////」

穂乃果「あっ! 海未ちゃんで思い出した。ここ、鎌倉の海岸だ。オトノキの校内新聞に載った場所だっけ。それに、うた∽かたとか、青い花とか、ハナヤマタとか、TARI TARIの舞台なんだよねえ」

穂乃果「東京駅から横須賀線一本でここに来られるんだよね。東京から一番近い天然の砂浜! サーファーの聖地! こんなにいい場所なのに、来やすくていいよねー」


ザザーン......


穂乃果「広い青空、爽やかな潮風の香り、穏やかな湘南の海・・・」

穂乃果「素敵な場所だなー」

穂乃果「んー・・・・」ノビ-

穂乃果「すー・・・・、はー・・・・」

穂乃果「ふぅ・・・。落ち着く」


穂乃果「少し歩いてみよう」タッ


穂乃果「ん~・・・」トコトコ

穂乃果「清々しくてきもちーなー・・・」

穂乃果「砂浜もきれい。桜貝探したりしたいなー。それから走ったり、泳いだりもしたい」

穂乃果「湘南の砂浜を走るのって、すごく青春って感じ!」


穂乃果「どこか喫茶店にでも入ってゆっくり満喫したいなあ」


穂乃果「おっ・・・・?」キョトン

穂乃果「あれなんだろう・・・?」

穂乃果「真っ黒い大段幕みたいなのに覆われた建物・・・。あっ、看板が立て掛けてある。なになに?」


“ ~喫茶~ SPIRITUAL ”


穂乃果「・・・・・」

穂乃果「希ちゃんがすごく好きそうな雰囲気・・・」

穂乃果「あっ! 忘れてた、私、未来の希ちゃんを見に来たんだ」

穂乃果「この中に入れば何か分かるかな。入ってみよう」


ガチャ

チリンチリン


穂乃果「おじゃましま~す・・・」オソルオソル

穂乃果「うっ、薄暗くて不気味・・・・」

穂乃果「ここ、本当に喫茶店なのかな・・・? 勝手に入って大丈夫だったかな・・・?」ビクビク




「いらっしゃい・・・・」




穂乃果「ひっ?!」ビクッ

黒ずくめの衣装を身に纏いフードを目深に被った謎の女性 「・・・・・・」水晶玉スリスリ



308: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 20:10:32.92 ID:/YYURaru0

穂乃果「えっと・・・・?」

謎の女性 「・・・・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「・・・・?」オロオロ ビクビク


絵里「いらっしゃいませ。どうぞお掛けください」キリッ


穂乃果「あっ! ぅ絵里ちゃん!」

穂乃果「んんっ? 絵里ちゃん、なんでタイトスーツ着てるの?」

絵里「・・・・」ニコリ

謎の女性 「ふふふ・・・・賢そうやろ?」ニヤリ

穂乃果「う、うん。かっこいいけど・・・」

絵里「お冷やです。ごゆっくりどうぞ」キリッ コトッ

穂乃果「えっ。お冷やだけでゆっくりしていいの?」

絵里「あっ///・・・・こ、こちらがメニューになります。お決まりになりましたらお呼びください」ペコリ ササッ

謎の女性「ふふふ・・・・ぽんこつやろ」水晶玉スリスリ

穂乃果「うん」ペラ


穂乃果「開運カモミールティー、招福ハーブティー、商売繁盛ローズヒップティー、良縁爆発レモングラスティー。おおっ、接頭語を指で隠せば、絵里ちゃんのお店よりまともそうなメニューだ」

穂乃果「う~ん。どれにしようなー・・・」チラッ

謎の女性 「・・・・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「・・・・・」ソワソワ チラッ


謎の女性 「・・・・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「・・・・・」ソワソワ チラッ


穂乃果「あの・・・・」

謎の女性 「・・・・なんや?」水晶玉スリスリ

穂乃果「の、のぞみ・・・ちゃん? だよね?」

謎の女性 「・・・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「よかったら、そのフード取ってくれない? 今のままだと口元しか見えないんだもん。未来の希ちゃんがどんな大人になってるか見たいんだけど・・・」

謎の女性 「ふふふ・・・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「あ、あの、えっと・・・」オロオロ

謎の女性「・・・・・・・・」水晶玉スリスリ


穂乃果「えっと・・・・」ソワソワ

穂乃果「・・・の、のぞみちゃんはどうしてここに喫茶店を開こうと思ったの?」アセアセ


謎の女性「それはな・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「う、うん」



謎の女性「鎌倉はな・・・」水晶玉スリスリ

穂乃果「うん・・・」ゴクリ



謎の女性「スピリチュアルやからなんよ」水晶玉スリスリ

穂乃果「う、うん・・・?」

309: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 20:17:13.74 ID:/YYURaru0


謎の女性「 ―――古寺のくち木の梅も春雨にそぼちて花もほころびにけり」


穂乃果「?????」キョトン


謎の女性「・・・・・・・・」


謎の女性「オススメのメニュー教えたろか」水晶玉スリスル

穂乃果「えっ? あ、う、うん」


謎の女性「ズバリ、のんちゃんスピリチュアルブレンドティーやで」

穂乃果「ほー。どんなお茶なの?」

謎の女性「まずはルイボスを丸一日かけて淹れるんや。その一日の間は、2~3時間毎に沸騰させる。そして最後の沸騰後、火を止めて、仕上げにレモングラスを加えて、5分蒸らす」

穂乃果「おおっ、なんか手間かかってる」

謎の女性「そうやで。舌触りが良くて、ルイボスの香ばしい匂いとレモングラスの甘酸っぱい匂いがお互いを殺さず、同時に楽しめて、なおかつ、ミネラルを豊富に含んでいながら、砂糖やカフェインは入っていない・・・スピリチュアル健康茶なんよ!」

穂乃果「へえ! すごそう! それじゃそれでお願いします」

絵里「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」ペコリ ササッ


謎の女性「今のうちに運勢を占ってあげる」水晶玉スリスリ

穂乃果「本当? お願いっ!」ワクワク

謎の女性「ほな・・・」ゴトッ シャッシャッシャッ

穂乃果「えっ、タロットカード? さっきまで意味ありげに触ってた水晶玉は脇に置いちゃったけど、そっち使わないの?」


ピラッ


謎の女性「あーなるほどなー」

穂乃果「ど、どう? 穂乃果の運勢は」

謎の女性「遠くない未来に、穂乃果ちゃんに辛いことがありそうやね」

穂乃果「えっ?! 辛いこと・・・・?」

謎の女性「いや・・・待ち。正確には穂乃果ちゃんの身近な人に辛いことが起こる」

穂乃果「み、身近なひと? 誰だろう・・・? 家族かな? それとも友達?」

謎の女性「むっ、これは・・・」

穂乃果「ど、どうしたの?」

謎の女性「違う・・・。その人は・・・もう既に辛く、苦しんでいる・・・」

穂乃果「えっ・・・・」

謎の女性「一人でもがき苦しみ続けている。一見は何にもないように見えるかもしれへんけど、その実は、迫り来る恐怖に怯え、苦しみ続けている。けれども、何とかする手段がなく、どうすることもできずにいる・・・」

穂乃果「や、やだ・・・怖い・・・・」

謎の女性「・・・恐怖に抗うこと半ば諦めていて、苦しみ続けることを受け入れようとしている・・・・」

穂乃果「そ、そうなの?! だれなのっ?! 早く助けないと・・・!!」アセアセ

謎の女性「まあ、落ち着き」


穂乃果「うう・・・・」

謎の女性「その人は・・・・。ほぅ・・・相当深い闇を抱えておるなぁ・・・」

謎の女性「これじゃあ、助けようとしても、穂乃果ちゃんじゃ力不足やな」


310: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 20:20:46.30 ID:/YYURaru0

穂乃果「えっ・・・・・」

穂乃果「そん・・・・な・・・・」

謎の女性「・・・・・・」

穂乃果「ううっ・・・・」

穂乃果「ねえ、希ちゃん・・・・。穂乃果はその人をなんとかして助けたい・・・! どうしたらいい?! 教えて! お願いっ!!」グイッ

謎の女性「・・・・・・・」

穂乃果「希ちゃん・・・・。お願い・・・」



謎の女性「・・・・・・・」

謎の女性「・・・・・・・」

謎の女性「・・・・穂乃果ちゃんが何かをせんでも」

謎の女性「・・・・・良かれ悪かれ、いずれは時間が解決する」

穂乃果「それは・・・・・。そうかもだけど・・・・」

謎の女性「やったら、穂乃果ちゃんは、何も関わらん方がええんやない?」

穂乃果「えっ?」

謎の女性「穂乃果ちゃんの近くに、辛くて苦しんでいる人がいたとしても、放っておくんや。穂乃果ちゃんじゃどっち道力不足なんやから」

謎の女性「二人が苦しむより、一人が苦しんでいた方が、全体的にはマイナスが少ないやろ」

穂乃果「・・・・・・・」

穂乃果「そう・・・なのかな・・・・」ウツムキ

穂乃果「・・・・・・・」

謎の女性「・・・・・・・」


シ-ン.....


謎の女性「・・・・・占いはこんなもんやな」

穂乃果「・・・・・・・」


穂乃果「・・・・・・・」


穂乃果「・・・・・・・!!」 フルフル.....!




絵里「お待たせしました。のんちゃんスピリチュアルぶれんd




穂乃果「やっぱりダメぇええ!」ダンッ

絵里「チカっ?!」ビクッ

穂乃果「ダメったらダメ!」

謎の女性「・・・・・・」


穂乃果「穂乃果じゃ力にならなくても・・・・」

穂乃果「それでも・・・・!!! 家族や友達だったら放っておくなんてできないよ!!!」

穂乃果「だって・・・。少し前に・・・・私、自分の事ばっかりで周りが見えていなくて・・・。それで悩んで、苦しんで、辛い思いをしていることりちゃんの事を気が付いてあげられなかった・・・・。早くに助けらなかった・・・・!」

謎の女性「・・・・・・」

穂乃果「もう二度と同じことは起こさせない!」


311: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 20:37:02.73 ID:/YYURaru0

穂乃果「私は・・・・穂乃果はっ! 力不足で助けにならなくてもっ! 大切な人とは一緒に苦しむ! 一緒に悩む! そして、少しでも楽しいこと見つけて、一緒に楽しむ! そうやって少しでも苦しみを和らげる!」

謎の女性「・・・・・・」

穂乃果「だから・・・・・。だから・・・! お願い希ちゃん! その人が誰か教えて!!」

謎の女性「・・・・・・」


穂乃果「はっ、ふぅ」ゼェハァ

謎の女性「・・・・・・」

謎の女性「苦しむんは結構やけど・・・。それはうぬぼれやないかな」

穂乃果「うぬぼれ・・・?」

謎の女性「そうやって、何でもかんでも背負おうとする。やればなんでもできると思ってる。自分の力を過信している」

穂乃果「そ、そんなつもりは・・・」

謎の女性「確かに穂乃果ちゃんは大きな力を持っている」

謎の女性「いつも明るく元気なんが穂乃果ちゃんのええところや。ウチはそんな穂乃果ちゃんが好きやし、きっとみんなそうや」

穂乃果「えっ、そ、そうかな・・・・?」テレッ

謎の女性「それに、想いを同じにする子達を強引にでもかき集めて、そして、みんなを引っ張っていくカリスマ性がある」

穂乃果「か、かりすま・・・えへへ///」テレテレ

謎の女性「バカでドジで間抜けだから、いつも思いつきで行動して、それでみんなを振り回す。いつも後先を考えず突っ走っては誰かに迷惑をかける」

穂乃果「えへへ/// バカで/// ドz/・・・えっ、ド、えっ。ま、まぬ・・・・」

謎の女性「穂乃果ちゃんは爆弾みたいに危なくって、関わると、思っても無いことまでさせられちゃう」

穂乃果「・・・・・・・う、うん」

謎の女性「いっつも海未ちゃんや雪穂ちゃんに、おーんなじことで怒られとるおバカさん」

穂乃果「はい、そうです・・・・・・」シュン


謎の女性「だけどな、そんな大きな力を持ってるんは穂乃果ちゃんだけじゃないんよ」

穂乃果「えっ・・・?」

謎の女性「穂乃果ちゃんがみんなを結びつけるよりずっと前から・・・ずっと、ずっと、長い間強い想いを胸に秘めて・・・暑い夏も、寒い冬も、仲間を全て失っても、ずっと耐え続けて・・・・。そして、その想いが、才能として、この世の誰より大きく、美しく、力強く、花開こうとしている子がおる」

穂乃果「そんなすごい子が・・・?」

謎の女性「人と人を繋ぐ穂乃果ちゃんの力とは少し種類が違うけど、それでもとてつもなく大きな力や」

謎の女性「・・・・そんな風に。穂乃果ちゃんの周りには、穂乃果ちゃんが繋げてくれた力で大きく成長できた子がたくさんおる。そういった子らは、穂乃果ちゃんの仲間や。・・・やから、仲間たちは穂乃果ちゃんと同じ気持ちだと言うことを自覚せな」

穂乃果「えと、えっと? ごめん・・・なんかよく分からなくなってきちゃった・・・。確かにμ’sのみんなはすごいけど・・・。具体的に、穂乃果はどうすれば・・・? 何もせず誰かに頼るって事・・・?」



謎の女性「・・・・・」

謎の女性「穂乃果ちゃんは、近い未来に出会うであろう、辛くて苦しんでいる子の存在に気がついたら・・・・。穂乃果ちゃんは優しいから、放っておけず、助けようとする。でも、力不足でなんにもできへん」

312: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 21:49:14.79 ID:/YYURaru0

穂乃果「う、うん・・・・・」

謎の女性「どうしたら、助けられるだろうって、 最初のうちは色々考えちゃって、考え過ぎて、それでも答えは出なくて、なんにもできへんやろうな。悩んじゃうやろうな」

穂乃果「・・・・・」


謎の女性「でもな、」


謎の女性「そんなの、穂乃果ちゃんらしくないやん」


謎の女性「さっき言った通り―――」


謎の女性「穂乃果ちゃんはバカなんや。考えたところで、答えなんか出えへん。だから、いつも通り、後先考えないで、やりたいと思ったことで突っ走ったらええ」

穂乃果「・・・・・・・・・ううん」フルフル

穂乃果「それは、違うよ・・・・」

穂乃果「確かに今までの穂乃果はそうだった・・・・。そのせいでことりちゃんは・・・」

謎の女性「ことりちゃんがどうなった?」

穂乃果「だから、ことりちゃんは、留学するかどうかでずっと悩まされてて・・・・」

謎の女性「それから?」

穂乃果「えっ?」

謎の女性「悩んでいたことりちゃんは、その後どうなった?」

穂乃果「・・・・? 私に相談できなかったことりちゃんは留学を決めて、海外に・・・」

謎の女性「行ってないやん」

穂乃果「そ、それは・・・・海未ちゃんにわがままを通せって言われて、穂乃果が、空港まで追いかけて、強引にことりちゃんを引き留めて―――」

謎の女性「ほら、おったやん」

穂乃果「えっ?」

謎の女性「頼れる仲間が」

穂乃果「あっ・・・・・」

謎の女性「海未ちゃんは、穂乃果ちゃんと同じ気持ちだったから、穂乃果ちゃんの背中を押したんとちゃう?」

穂乃果「う、うん。そう、だと思う」

謎の女性「色々あったかもしれへんけど、その結果、今のことりちゃんは、悩んでいるのを乗り越えたやろ? μ’sの活動を毎日楽しそうにしているんとちゃう?」

穂乃果「・・・・・・うん」

謎の女性「今のことりちゃんは、いっぱい、いっぱい笑ってるんとちゃう?」

穂乃果「・・・・・・・・・うん。うん!」


謎の女性「確かに、穂乃果ちゃんは、後先考えず突っ走って、正しい道から足を踏み外すこともあるかも知れへん。そのせいで、ことりちゃんが遠くの存在になりかけて、海未ちゃんにぶん殴られて・・・そんなことがあった穂乃果ちゃんやから、今は何をするにも、慎重になりたくなる気持ちは、よぉ分かる」

謎の女性「でも、穂乃果ちゃんの周りには、穂乃果ちゃんに正しい道を指し示す人がおる。それでも道を踏み外した時は、正してくれる仲間が絶対におるんや。海未ちゃんみたいにな」


謎の女性「穂乃果ちゃんは、そんな周りの人の事をもっと信頼せな。・・・・・それがちゃんとできたのなら・・・それが・・・・」


穂乃果「それが・・・・?」


謎の女性「それが、穂乃果ちゃんにとっての最高や」


穂乃果「・・・・・!」


313: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 21:52:26.99 ID:/YYURaru0


謎の女性「そんな最高の穂乃果ちゃんが行き着いた先が、最善の答えや」



謎の女性「やから。穂乃果ちゃんは、いつでも、やりたいことやって、突っ走って、みんなを引っ張りまわすんが、正解なんよ」ニコッ


穂乃果「・・・・・・」

穂乃果「―――誰かが立ち止れば、誰かが引っ張る。誰かが疲れたら、誰かが背中を押す・・・・」


謎の女性「ええ事言うやん」


穂乃果「・・・・・・そっか」



穂乃果「いつでも、無理に悩まないで、穂乃果は、穂乃果らしくいればいいってことなのかな・・・」

謎の女性「せや」

穂乃果「・・・・・・うん」

穂乃果「うん! わかったよ希ちゃん!」

穂乃果「だって、穂乃果はそれしかできないもん! 穂乃果はバカだもん!」

謎の女性「せやね」

穂乃果「穂乃果は、テストの点数だって、海未ちゃんとことりちゃんに一杯勉強を教えてもらって、やっとギリギリ赤点取らないくらいのバカだもん!」

謎の女性「せやね」

穂乃果「穂乃果は自転車に乗ってる時に、離れたところに居た海未ちゃんに手を振ったら、転んで畑に落ちて骨折しちゃうドジだもん!」

謎の女性「せ、せやの・・・?」

穂乃果「穂乃果はトークイベントがあるのに風邪引いちゃって、ミッフィーマスクを付けさせられちゃって、ゲストのはずの花陽ちゃんに司会と告知の全部をやってもらっちゃう間抜けだもん!」

謎の女性「せ、せなんや・・・・・・難儀やったな・・・」


穂乃果「ありがとう希ちゃん!」

謎の女性「きばりや」水晶玉スリスリスリ

穂乃果「それにしても希ちゃんすごいや! 占いしてる時の希ちゃんかっこいい!」
 
謎の女性「まあ、占いなんてそれっぽい雰囲気出して、当たり障りの無いことを言っとけば、大体なんとかなるもんやけどね」水晶玉スリスリスリ

穂乃果「ええっ・・・・。そんな身も蓋もないこと言わないでよ・・・・。穂乃果の決意を返して・・・・」



謎の女性「さあ、そろそろお別れの時間や」

穂乃果「そうなの? ・・・・なんだか不思議な時間だったよ」

謎の女性「ふふふふふ・・・・。スピリチュアルやね」

穂乃果「何年先になるか分からないけど、また来るからね! その時に、もう一度穂乃果のこと、インチキでもなんでもいいから、占ってね!」

謎の女性「ふふふ。まかしとき。待っとるで」



謎の女性「おっ、そうや。最後に餞別や。受け取っとき」

314: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 21:54:21.57 ID:/YYURaru0

穂乃果「え、なになに?」ワクワク

謎の女性「まずは立ち上がって」

穂乃果「うん」スクッ

謎の女性「背中をこっちに向けて」

穂乃果「こう?」クルッ

謎の女性「ほな、いくでぇ・・・・!」

穂乃果「えっ、ああっ・・・・! こ、これはまさか?!」

謎の女性「スピリチュアル! パワー! たーっぷり ちゅーにゅー!!」ガシッ

穂乃果「はひぃぃっ!?」

謎の女性「はーい! ぷしぁわしわしわしわしわし!」ワシワシワシワシワイ

穂乃果「んぎゃー?!////」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


ワシワシワシワシワシ


穂乃果「あっ/// んん//// ・・・・・はっ?!」ガバッ

希「すー、すぴー・・・・」ワシワシワシワシワzzzワシワシワシzzzワシワシワシワシワシzzzz

穂乃果「ちょおお?!// 希ちゃん寝ながらなにやってるのおお?!///」グイッ

希「すぴー・・・」zzz

穂乃果「もうっ・・・///」


穂乃果「でも・・・・・。穂乃果、元気出たよ。穂乃果、自分の思う通りに頑張るからね!」

希「すぴー・・・」zzbz


穂乃果「ふふっ、みんな違った“夢”を持ってるから、見させてもらうの楽しいなあ」


穂乃果「よしっ、あと二人。次は~」

真姫「すぅ、すぅ・・・・」

穂乃果「真姫ちゃんにしよっと」

穂乃果「真姫ちゃんは医者になりたいって言う“夢”を持ってたから、きっとお医者さんになってるよね」

穂乃果「そして、きっとすっごい美人な女医さんだろうなあ! 今でもこんなにスタイルが良くて美人なんだもん」

穂乃果「未来の真姫ちゃん、楽しみっ!」


穂乃果「それじゃ早速~」キュ

真姫「すぅ・・・・んっ・・・・」

穂乃果「おやすみ~」モソッ


315: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 21:56:19.75 ID:/YYURaru0


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


穂乃果「・・・・・・」ポワー

穂乃果「ふぅ」

穂乃果「真姫ちゃんの夢の中に入ったね」


穂乃果「ここは・・・」キョロキョロ

穂乃果「どこだろ? 広くて白い建物の中で、椅子がたくさんある」

穂乃果「うーん・・・?」

穂乃果「まあいいや。真姫ちゃんどこかな」キョロキョロ



ピンポーン


『高坂さーん。高坂穂乃果さーん』



穂乃果「えっ?! あっ、はい!」起立


『レントゲン室までお入りくださーい』


穂乃果「えっ? えっ? なんでですか?」

穂乃果「あっえっと・・・」オロオロ

穂乃果「と、とにかく呼ばれてるから行かないと。待たせちゃ悪いよね」



---------------
しばらくして
再び待合室


穂乃果「う~ん・・・・。なんで穂乃果はレントゲンを撮ったんだろう・・・?」キョトン



『高坂さーん。高坂穂乃果さーん』

『13番診察室までお入りくださーい』



穂乃果「あっ、また呼ばれた」

穂乃果「はーい、今行きますよー」トコトコ



---------------
13番診察室


穂乃果「しつれいしまーす・・・」オズオズ

真姫「はい、こんばんは。今日はどうされましたか」

穂乃果「あっ! 真姫ちゃんみっけ!」

真姫「え? あら、穂乃果じゃない。貴女何しに来たの? ここは病人が来る場所よ。バカの貴女が病気になる訳無いんだから」

穂乃果「ええ?! どういうことー! 穂乃果おこっちゃうよー! ぷんぷん!」

真姫「ほら、健康じゃない」

穂乃果「うん! 穂乃果は元気だよ!」

316: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:00:18.19 ID:/YYURaru0

真姫「マッタクー。まあ、いいわ。レントゲン撮ったのよね。一応見てあげる」ペラッ

穂乃果「うん。どうっ? どうっ? 穂乃果、異常ない?」

真姫「ふむ・・・・。むっ!」

穂乃果「えっ!? な、なに?!」ドキッ

真姫「ふーむ・・・」

穂乃果「大丈夫だよね?!」ドキドキ

真姫「心臓が・・・・」ムムム

穂乃果「えっ? 心臓!? もしかして穂乃果の心臓が動いてないとか?!」ドキドキ

真姫「この影は・・・」

穂乃果「影!? 影って何?! もしかしてパンの食べ過ぎで、パンが心臓に引っかかってるとか?!」



真姫「穂乃果の心臓に・・・・」ゴクッ

穂乃果「穂乃果の心臓に・・・・?」ゴクッ
















真姫「・・・・・・毛が生えてる」


穂乃果「それめっちゃ強くていいやつだから!!!」






真姫「そういうことよ」

穂乃果「もー真姫ちゃん、びっくりしたじゃんー!」

真姫「どうでもいいけど、忙しいんだから冷やかしに来ないでよ」

穂乃果「えへへ。ごめんね。真姫ちゃんを一目見たくって」

真姫「ここはアイドルの握手会場じゃないのよ。・・・・ま、まあ、私の美貌を一目見たくなるその気持ちは分かるけど?」カミノケクルクル

穂乃果「あははっ。真姫ちゃんらしい」

真姫「どういう意味よ。・・・・まあいいわ。今日はもう貴女で終わりだから、この後どっか食事にでも行く?」

穂乃果「うんうん! 行こうっ! 真姫ちゃんとお話ししたい」






317: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:03:30.59 ID:/YYURaru0






----------------------------------------
どっかのイタリア料理店



真姫「ここ、パスタがおいしいのよ」

穂乃果「へー!」

真姫「特にタッリアテッレを使った、トマトパスタは食べごたえがあってお勧めね」

穂乃果「ホント?! それ食べたい!」

真姫「そう。注文するわね」




穂乃果「さてさて。真姫ちゃん、最近どう? もうかりまっか? なんちゃって」

真姫「医者は儲からない方がいいのよ」カミノケクルクル

穂乃果「あはは。確かにそうだね」


真姫「まあ、そうねえ・・・・」

真姫「脳神経外科医になって問診を受け持つようになったんだけど―――」

・・・・・・・・・・・・・

真姫「関係ない症状で診察に来る人が多くて多くて・・・。『慢性的に頭が痛いんです』だの、『脳卒中かもしれなくて怖いんです』だの・・・。本当に大変な病気なら、病院まで歩いてこれないし、会話だってまともにできないってのにね」

・・・・・・・・・・・・・

真姫「だから、患者のほとんどが、脳神経外科じゃなくて、心療内科の分野なわけ。心的原因をなんとかしてくれないと、内科に何かを求められても何にもできないの」

・・・・・・・・・・・・・

真姫「まあ、万が一という事もあるから、診察に来る人を拒むつもりは無いし、MRIとMRAはやってあげるんだけど、それにしたってもっと良い仕組みづくりできないかしら。軽い気持ちで来られると医者の労力と医療財政を圧迫するんだから」

・・・・・・・・・・・・・

真姫「具体的にこういう症状だったら来てください、って広めたらどうって? それはできないわね。脳卒中のような大変な病気の具体的な症状を広めちゃったら、変に不安を煽ってしまう可能性があるもの。だから、テレビのバラエティ番組でやっているような病気に関する放送は、医者から見ると、正直言って迷惑なのよね」

・・・・・・・・・・・・・

真姫「やたらと薬をよこすよう言う人もいるんだけど。薬は用法容量を守らないと危ないのよ。よくドラマや映画なんかで、睡眠薬を多量に服用して自殺するシーンがあるけど、あれ、別に睡眠薬でなくも、風邪薬とかでも多量に服用したら死んじゃうんだから」

・・・・・・・・・・・・・




穂乃果「へ、へぇ・・・大変だねー・・・」

穂乃果(ど、どうしよ・・・。真姫ちゃんのお話難し過ぎて全然分からない・・・)

穂乃果(な、なにかないかな・・・? 話題を変えたい・・・)キョロキョロ






テレビ『にっこにっこにー!』



318: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:08:53.41 ID:/YYURaru0




穂乃果「あれ?! ねえ真姫ちゃん! テレビ見て! あれにこちゃんじゃない?!」

真姫「あら、ホント。最近やっと売れ出したって言ってたから」

穂乃果「へー。テレビに映るなんてにこちゃんすごいなあ」

真姫「高校卒業してしばらくは、アキバ地下のライブ会場で細々と活動してたみたいだけど、最近はちょくちょく地上波でも写るようになってきたみたいね」

穂乃果「そっかあ。にこちゃん、アイドルに物凄く憧れて、頑張ってたもんね」

真姫「そうね。プロのアイドル・・・そんなことが本当にできるのかなって、私ちょっと疑ってたわ。プロのアイドルになることに疑いの目を向けていたのは私だけじゃなかったと思うけど、にこちゃんはそんな周りの疑いに惑わされず、ひたすらに努力を続けてきたものね。すごいわ」

穂乃果「うんうん。にこちゃん、もっと活躍できるといいね」



穂乃果「ところで真姫ちゃん」

真姫「何?」

穂乃果「真姫ちゃんには将来の“夢”ってないの?」

真姫「はあ? 何言ってるのよ貴女。私の夢は子供の頃から医者になる事よ」

真姫「そして、その夢は今叶って、実際医者として仕事してるの。貴女だってさっき見たでしょ」

穂乃果「ふーん?」

真姫「なによ」

穂乃果「それ、ウソだよね」

真姫「・・・・どういう意味?」

穂乃果「だって、今の真姫ちゃん、いつもの真姫ちゃんなんだもん」

真姫「いつもの私? ますます意味が分からないわ」

穂乃果「今のままじゃ、真姫ちゃんお医者さんになれないよ」

真姫「だから、意味が分からないんだけど。さっきまで私、診察室で医者として仕事してたでしょ。何回も言わせないで」

穂乃果「・・・いや。真姫ちゃんは頭がいいし、お医者さんになれると思う。・・・だけど、それでも真姫ちゃんはお医者さんになるべきじゃない」

真姫「穂乃果、貴女頭大丈夫? もう一度診察してあげましょうか?」

穂乃果「もしかしたらだけど、真姫ちゃんはお医者さん以外の何かになりたい そういうの あるんじゃない?」


真姫「・・・・・何が言いたいの?」


穂乃果「例えばさ、真姫ちゃんはピアノがとても上手だよね。ピアニストになりたいって思ったこともあったんじゃない?」

真姫「それはもう終わったの。やめて」

穂乃果「μ’sの活動を通じて、あのテレビに映っているにこちゃんみたいになりたいって思ったことは無い?」

真姫「やめて」

穂乃果「あのね。真姫ちゃんて、なんとなく海未ちゃんに似ているなって思うことがあるの。海未ちゃんも結構箱入り娘で、子供の頃から園田道場の跡取り以外の事を考えない人だったんだけど」

真姫「・・・・・・・・・・・・」

穂乃果「海未ちゃん、高校生になって、μ’sをやって、世界が広がったみたい。色んな自分の可能性が見えて、本当に楽しそうなの。それは真姫ちゃんも一緒だよね?」

319: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:12:23.48 ID:/YYURaru0


真姫「・・・・・・・・・・・・」


穂乃果「そんな似た者同士の海未ちゃんと真姫ちゃんだけど、大きく違う点がある」


真姫「・・・・・・・・・・・・」


穂乃果「それは、世界が広がって、色んな自分の可能性を感じた海未ちゃんだけど、それでも海未ちゃんは自分の意思で園田道場の跡を継ぎたいって思ってるよ。だけど、真姫ちゃんはどう?」


真姫「・・・やめて」


穂乃果「確かに真姫ちゃんの子供の頃の“夢”はお医者さんになる事だったかも知れない。だけど、μ’sとしての今を過ごして、今でもその気持ちは一緒?」


真姫「・・・・・・・・・・・・やめてよ」


穂乃果「真姫ちゃんは美人だしスタイルだっていいし、歌も上手くてピアノも弾けて、作曲もできる。音楽の才能は本当にすごい。真姫ちゃんはそのことに自信を持ってるでしょ。それを活かしたいって思ってるでしょ」




真姫「・・・・・・・・・・・・・・ヤメテ」



穂乃果「やめないよ」

穂乃果「だって。“夢”は叶えなきゃ」

穂乃果「 だから  真姫ちゃん 」

穂乃果「本当の“夢”を思い出して」

穂乃果「花陽ちゃんは自分の“夢”を思い出して未来の姿を穂乃果に見せてくれたよ」



穂乃果「それと同じように、穂乃果に未来の真姫ちゃんを見せて」

真姫「!!!?」ドクンッ



穂乃果「大丈夫。真姫ちゃんなら、きっとできるよ」

真姫「はー・・・・ふぅー・・・・」タラタラ...




穂乃果「さあ・・・“夢”を抱きしめて」



真姫「・・・・・・・・・・・んっくっ?!」ビクン



穂乃果「そうしたら、真姫ちゃんの世界が 大きく変わるよ」



真姫「・・・・・・・・うっ、くっ」ギリッ   スー....





穂乃果「そのまま。本当の自分を取り戻して」

穂乃果「変わることを恐れないで。だって、真姫ちゃんは一人じゃないから」

穂乃果「そう、 “夢” を叶えるのはみんなの勇気」

穂乃果「一緒に頑張ろう。負けない心で明日へ駈けよう」ニコッ

320: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:15:44.76 ID:/YYURaru0




真姫「・・・・・・・・・・・くぅ、ううぅ」スー....





真姫「はぁー・・・! ふぅー・・・!」スー...スス

真姫「・・・・・・・・っ!!」スー....シュン




穂乃果「あっ・・・もどちゃった・・・」



真姫「・・・!!!」ワナワナッ

ガタンッ!!!

穂乃果「!?」ビクッ



真姫「だからやめてって言ってるでしょ!!!」

穂乃果「ま、真姫ちゃん・・・・・?」

真姫「いい加減にしてよ! 私の夢は医者になる事! 私のやるべきことは医者! パパの後を継がなきゃいけないの! それ以外は何もないの!」

穂乃果「・・・・ “夢” は他人から強制されるものじゃないんだよ。“やるべきこと” とか “ならなきゃいけない” って、それは真姫ちゃん自身が決めたこと?」

真姫「っ・・・!!」フルフル

真姫「仕方ないでしょ!! 私にはこれしかないの!!! 他の何かをやりたいって思ってもその先に道は無いの!!! だって私が医者以外になることを、パパは絶対に認めてくれない!」

穂乃果「・・・・・」

真姫「毎日やりたいことやって生きてっ! 好きな事で頑張れる貴女にっ!! この気持ち分からないでしょうね!!!」

穂乃果「っ・・・・・」ズキッ



真姫「はぁ・・・はぁ・・・」



真姫「はぁ・・・はぁ・・・。うっく・・・」ウルッ


真姫「 “夢” を叶えるのはみんなの勇気・・・ね」

真姫「高校生の間のμ’sの活動だって、本当は禁止されてるの。貴女も知ってるでしょ。だけど、みんなでパパを説得して、やっと許してもらった・・・・・・。そのみんなの勇気には驚いたし、そのおかげで、私はμ’sをやりたいっていう夢が叶った。本当に感謝している。心の底からありがとうって言いたい」

真姫「だけど・・・・・・・。ううん だから それ以上は・・・ それ以上を願うのは・・・・無理なの。だって、私はもう、子供じゃないの。わがままを言っちゃいけないの・・・。うぅ・・・ぐすっ・・・」



真姫「高校を卒業したら―――」

穂乃果「・・・・・・」ズキズキ

真姫「医者を目指す」

穂乃果「・・・・・・」ズキズキ


真姫「お願い・・・分かって・・・。余計な事を言って、私を悩ませないで・・・」



穂乃果「真姫ちゃん・・・・」



真姫「私に・・・ “夢” を思い出させないで・・・」ポロポロッ


321: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:31:11.32 ID:/YYURaru0



・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



穂乃果「・・・・あっ」ムクッ

穂乃果「・・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・はぁ」


穂乃果(真姫ちゃん・・・)



真姫「・・・・・・」zzz ツー...

穂乃果(真姫ちゃん・・。涙が出てる・・・・)スイッ

真姫「んっ・・・・」モゾッ



穂乃果(真姫ちゃんの本当の“夢”ってなんだったんだろう・・・・)

穂乃果(仮にそれが分かったところで、穂乃果に何ができるんだろう・・・)

穂乃果(・・・・・・・・・・)

穂乃果(・・・・・・・・・・)

穂乃果(・・・・・・何も思いつかないや)



穂乃果「叶え。みんなの夢・・・か」ボソッ



穂乃果(・・・・・・・・)


穂乃果「はぁ・・・」

穂乃果(“夢”を叶えるって何・・・? それができる根拠って何なの・・・?)

穂乃果(分かんないよ・・・。分かんない・・・)

穂乃果(私って、本当に無責任。無責任で・・・無力だなあ・・・)

穂乃果(真姫ちゃんを支えられる力も無いくせに、真姫ちゃんが誰にも触られたくないと思っている領域に土足で踏み込んで―――)



穂乃果(真姫ちゃんに辛い思いさせた・・・・)



真姫「・・・・んん」zzz

穂乃果(真姫ちゃん・・・辛かったよね・・・)

穂乃果(ごめんね。ごめんね・・・)



穂乃果(本当にごめん・・・なさい・・・・)



穂乃果(こんな辛い思いをさせちゃうなんて思いもしなかった・・・・。軽々しい気持ちで人の未来は見ちゃいけなかったのかな・・・・)

穂乃果(・・・そうだよね、だって輝かしい未来だけとは限らないから・・・。知られたくないと思っている事があるかもしれない・・・。それだけじゃない。あまりにも辛すぎて、知らなきゃよかったなんて事もあるかもしれない・・・)


322: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:44:44.05 ID:/YYURaru0

穂乃果「はぁー・・・・・」ウツムキ


にこ「すー、くー・・・」zzz


穂乃果「あっ・・・・・」

穂乃果(まだにこちゃんだけ未来を見てなかった・・・・)


穂乃果「・・・・・・・・」

穂乃果(でも、にこちゃんはアイドルになりたいっていう“夢”を絶対に持ってるよね)

穂乃果(にこちゃんにはアイドルになっているという輝かしい未来が持ってるよね)



穂乃果(よね・・・・?)



穂乃果「・・・・・・・」


穂乃果(にこちゃん・・・。アイドルに対する想いはだれよりも強い。だから、アイドルになるためには、どんな努力だってする人・・・。だと思ってるけど・・・)

穂乃果(花陽ちゃんが言ってた『アイドルは残酷な格差社会』・・・それは、努力したからって、必ずしも報われるとは限らない、という意味だよね・・・)

穂乃果(生まれつきの才能とか、体のスタイルとか、可愛さとかがあるからかな・・・)

穂乃果(その点にこちゃんはどうかな)

穂乃果(才能は・・・。どうなんだろう・・・? 才能と言われて真っ先に思い浮かぶのは、凛ちゃんと花陽ちゃんだなあ。凛ちゃんはバネと運動神経が全国レベルで、花陽ちゃんは声がすっごく綺麗で。にこちゃんは・・・うう~ん・・・)

穂乃果(体のスタイルは・・・。これもやっぱり、絵里ちゃんや希ちゃんの事が真っ先に思い浮かんじゃうなあ・・・。絵里ちゃんや希ちゃんと、にこちゃんを比べると・・・・・・ううう~~~んん・・・・)

穂乃果(可愛さは・・・かわいい。うん! にこちゃんはかわいい!)

穂乃果(他にもきっと何かあるよね)

穂乃果(え~っと、例えば。例えば。・・・た、たとえば・・・・?)

穂乃果(・・・作詞は海未ちゃん、衣装はことりちゃん、作曲は真姫ちゃん・・・・・)

穂乃果(にこちゃん・・・にこちゃん・・・。ううう~~~ん・・・)アタマカカエ


穂乃果「・・・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・・」

穂乃果(にこちゃんに負けないくらいアイドルが好きな花陽ちゃんは、アイドルになることより、絵本作家になることを選んだ・・・・)

穂乃果(好きなだけじゃだめなんだよね・・・・。アイドルが大好きで、アイドルについて良く知っている花陽ちゃんだけど、プロのアイドルではない別の道に行くことを考えている)

穂乃果(プロのアイドルはスクールアイドルとは違って、きっと茨の道・・・。それは、アイドルに関しては一番詳しいにこちゃん自身が一番良く知っている事だよね・・・」

穂乃果(だから・・・。もしかしら、にこちゃんも・・・・)

穂乃果(アイドルが大好きで大好きで、プロのアイドルになることの難しさと現実を知っているにこちゃんだからこそ・・・)

穂乃果(プロのアイドルになりたいとういう、本当の“夢”を押し殺して、辛い想いをしている・・かも・・・・)

穂乃果(―――真姫ちゃんと同じように・・・・・・)


323: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:50:07.91 ID:/YYURaru0


穂乃果(花陽ちゃんには、絵本作家っていう、プロのアイドル以外の“夢”があったから良かったけど・・・)

穂乃果(にこちゃんには他に何かあるのかな・・・・?)

穂乃果(もし何も無かったら・・・・)


穂乃果「・・・・・・・・・・・」


穂乃果(未来のにこちゃんは見たい・・・・・・・)

穂乃果(だけど・・・。叶えたい“夢”があるけど、叶えられない・・・もし、にこちゃんがそんな辛い想いを抱えていたとして、それを私が知って、私に何か助けてあげられるかな・・・? 真姫ちゃんに何にもしてあげられない私なのに・・・)

穂乃果(だから・・・もしかしたら、にこちゃんに辛い想いを思い出させちゃうかもしれない・・・・)



穂乃果(そんなことになるくらいなら・・・)




穂乃果(もう、やめておこうかな・・・・)




穂乃果「・・・・・・・・・・・・」



穂乃果「・・・・・・・」ウツムキ







シーン.....



















希「クチュン!」






穂乃果「!!?」ビクッ


希「んん~・・・・・。すぅ~・・・・」zzz


穂乃果「のぞみちゃん・・・・」







324: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:56:19.69 ID:/YYURaru0


~~~~~~~~~~~~~~~~


謎の女性「やから。穂乃果ちゃんは、いつでも、やりたいことやって、突っ走って、みんなを引っ張りまわすんが、正解なんよ」ニコッ


~~~~~~~~~~~~~~~~





穂乃果「・・・・・・・・・・・・」



穂乃果「・・・・・・・そっか」

穂乃果「ついさっき教えてもらったこと、もう忘れてたよ。バカだなぁ私・・・」




穂乃果「・・・・・というわけで。にこちゃん」ジリッ...



にこ「すー・・・・」zzz



穂乃果「もんどうむようだよ!」キュ

バサッ

穂乃果「おやすみっ!」





・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・



穂乃果「入った・・・。もう後戻りはできないよ」



穂乃果「どんなにこちゃんが出てきても、穂乃果は全力でぶつかるからね!! 覚悟しててね!」



穂乃果「・・・・・と、思ったけど」

穂乃果「ここ、なんか薄暗くって、何がなんだかよく分かんない・・・・」

穂乃果「ここどこだろう? にこちゃんどこかな」キョロキョロ

穂乃果「おっ? 暗くてよく分からないけど、正面にステージみたいなのが見える気がする」

穂乃果「暗い・・・ステージ・・・」

穂乃果「そういえば、真姫ちゃんが、にこちゃんはアキバの地下ステージで活躍してたって言ってたっけ。ここがそうなのかなあ?」

穂乃果「そうだとしたら・・・。あはは・・・」

穂乃果「お客さん全然いないじゃん・・・・」



穂乃果「・・・・・ううん!」グッ

穂乃果「穂乃果一人だけでも、精一杯声で出して応援するもんね!」

325: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 22:58:22.31 ID:/YYURaru0



穂乃果「それにしても暗いなあ・・・。周りが良く見えないよ」

穂乃果「照明もうちょっと強くできないのー?」クルッ





穂乃果「・・・」


穂乃果「・・・・・」



穂乃果「・・・・・・・」




穂乃果「・・・・・・・・・」





穂乃果「・・・・・・・・・・・」





穂乃果「・・・・・・・・・・・・・」













穂乃果「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
















326: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:00:44.60 ID:/YYURaru0



http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira103765.jpg


Star-Forming Region S106.

Distance from the Earth : 2000 light years
Constellation : Cygnus

NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)・HST WFC3/UVIS・STScI-PRC11-38



327: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:06:53.64 ID:/YYURaru0





穂乃果「・・・・・・・・・・・・な、なに・・・・あ れ・・・?」

穂乃果「天井の・・・・模様・・・?」


穂乃果「・・・・・・・・・・・・だけど、」



穂乃果「それにしては・・・・・・・」



穂乃果「奥行があって・・・・」



穂乃果「・・・神秘的で・・・・・壮大で・・・」



穂乃果「あんな造形がこの世にあるなんて・・・・信じられない・・・・」




穂乃果「吸い込まれそう・・・・」ポー....




モゾッ....




穂乃果「わっ?」

穂乃果「何か体に当たった気がする」

穂乃果「んんっ・・・・?」ジー



   モゾモゾ...         モゾモゾ...       モゾモゾ...
 モゾモゾ... モゾモゾ...    モゾモゾ...     モゾモゾ...
         モゾモゾ...      モゾモゾ...
     モゾモゾ...     シコシコ...      モゾモゾ...
                モゾモゾ... モゾモゾ...
モゾモゾ...       モゾモゾ...    モゾモゾ...           
    モゾモゾ...        モゾモゾ...     モゾモゾ...
  モゾモゾ...     モシモシ...       モゾモゾ...
     モゾモゾ...
 モゾモゾ...         モゾモゾ...      モゾモゾ...
    モゾモゾ...     モゾモゾ...




穂乃果「あれれっ?」ジー

穂乃果「薄暗いからよく分からなかったけど・・・。良く見たら」ジー

穂乃果「なんか周りが、全体的にちょっと動いているような・・・?」


パッ!


穂乃果「うわっ?! 急に強い光が・・・?!」目閉じ

穂乃果「眩しい!! 何だろう・・・?」オソルオソル


328: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:09:44.48 ID:/YYURaru0


((ドドドド))

(((ドドドドド))


穂乃果「えっ、わっ?!」



(((ドドドドドドド ド ド ド )))


((((ドドドドドドド ド ド ド ┣¨┣¨┣¨ ┣¨・┣¨・┣¨))))



(((((ドドドドドドド ド ド ド ┣¨┣¨┣¨ ┣¨・┣¨・┣¨)))))




((((((ドドドド ド ド ド┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨・┣¨・┣¨))))))





(((((((ドド ド ド ド ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・┣¨・┣¨)))))))






((((((((┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・┣¨・┣¨))))))))







(((((((((┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨・┣¨)))))))))







穂乃果「わっ?! わっわっわわわわ??!!!」ビクッ



穂乃果「な、なに?!! この地響き!!? 地震!!!?」








にこにこ♪ にこぷり♪








穂乃果「!!!?」

穂乃果「ああっ!! ステージに・・・・!!!」








329: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:12:15.16 ID:/YYURaru0












にこ『『大銀河スーパーアリーナのみんなああ!!!』』



\\うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!//






にこ『『そして、ライブビューイングのみんなあああああ!』』



\\わあああああああああああ!!!!!!!!//




穂乃果「うわわわ!?」耳塞ぎ

穂乃果「すっごい声!!」

穂乃果「すごい・・・すごい!!」

穂乃果「それに、ここって、よく見たら・・・・・・!!!」キョロキョロ




穂乃果「ムチャクチャ でっっっっかい ライブ会場だぁぁあああ!?!!」






にこ『『はーい!!』』

にこ『『今年一番可愛い声で、一緒に言ってくださいね!』』

にこ『『いきますよー』』

にこ『『それではみなさんご一緒に!』』

にこ『『にっこにっこにー!』』




330: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:13:24.24 ID:/YYURaru0




こころ「にっこにっこにー!」

ここあ「にっこにっこにー!」

にこママ&虎太郎「にっこにっこにー!」 にー」

真姫「にっこにっこにー!」

穂乃果「えっ!? あっあっ、えっとえっと、・・・に、にっこにっこにー!」

希「にっこにっこにー!」

絵里「にっこにっこにー!」

ロシア人「にっこにっこにー!」

トルコ人「にっこにっこにー!」

ギリシャ人「にっこにっこにー!」

金星人「にっこにっこにー!」

火星人「にっこにっこにー!」

エウロパ星人「にっこにっこにー!」

エンケラドゥス星人「にっこにっこにー!」

グリーゼ667Cc星人「にっこにっこにー!」

ケプラー438b星人「にっこにっこにー!」

ケプラー186f星人「にっこにっこにー!」

アンドロメダ星人「にっこにっこにー!」

WISE J224607.57-052635.0星人「にっこにっこにー!」

MACS0647-JD星人「にっこにっこにー!」

その他どっかの星人×100兆「にっこにっこにー!」




にこ『『えー? きこえなーい!』』




観客「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう・・・・・・・・・!!」

酸素濃度 21% → 19%


331: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:17:01.69 ID:/YYURaru0






























にっこ































332: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:40:53.63 ID:/YYURaru0

333: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:42:00.97 ID:/YYURaru0

334: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:43:09.27 ID:/YYURaru0













にこ『『大銀河宇宙~~???』』










観客「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう・・・・・・・・・!!」

酸素濃度 19% → 17%












335: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:48:02.31 ID:/YYURaru0
no title

336: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:49:22.45 ID:/YYURaru0
no title

337: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/14(月) 23:50:21.09 ID:/YYURaru0

338: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:07:10.58 ID:RDm79wnX0
no title

339: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:08:07.12 ID:RDm79wnX0

340: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:10:25.43 ID:RDm79wnX0



にこ『『ありがとうございます!』』

にこ『『矢澤にこでーす!!』』


\\ FOOOOOOOOOOOO //

\\ くぁいいよおおおおおおおおおお!!!!! //

\\うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!//

\\にこにー! にこにー! にこにー! にこにこにー!!!!//

\\にこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこに//

\\\ 宇 宙 の Y A Z A W AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!! ////

   \\\ S P A C E ☆ Y A Z A W A ////

          \\\ S T A R ////
        \\\ Y A Z A W A ////







穂乃果「ほわあ・・・・」

穂乃果「すごい人・・・すごい声・・・」ポー

穂乃果「鼓膜破れそうだった・・・・」ポー


穂乃果「だけど・・・・・・」ポー


穂乃果「なんだか・・・・」ポー



穂乃果「みんなで大きな声を合わせるのって・・・・」ポー



穂乃果「ちょー、きもちいい・・・・」ポー



341: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:20:39.84 ID:RDm79wnX0




---------------





にこ『『たっん じゅん でっしょ?』』 ~♪

\\ えいっ! //



にこ『『つぅーぎぃーのじゅもんー』』 ~♪



にこ『『えーがーおーのじゅもーん』』 ~♪



にこ『『みんなでーしあーわせにー』』 ~♪



にこ『『にっこりーのじゅもんー』』 ~♪



にこ『『えーがーおーのじゅもーん』』 ~♪



にこ『『きょーぉもー あーしたもー』』 ~♪



にこ『『にっっこ にっっこ にっこにこーだーよー』』 ~♪

\\ にっこ にっこ にっこにこーだーよおおおおおおお!!! //




にこ『『 ほ・ら!  嬉しく なぁったー?』』 ~♪

\\ ドキッ! //



ギター < ジャーン ジャーン ジャ- ジャ, ジャ, ジャーン ジャーン ジャ- ジャ, ジャ~~♪

ギター < ジャッジャジャラッララララ ジャッジャジャラッララララ ~~♪





\\ おーっはい!//






\\ おーっはい! //







穂乃果「おーっはい!」彡

穂乃果「なにこれ! すごく楽しい!!」

穂乃果「すごい盛り上がり!」



342: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:23:10.45 ID:RDm79wnX0


穂乃果「そういえば、私ってアイドルのライブを観客として生で見に行ったことなかったっけ」

穂乃果「観客側も、アイドルがこんなに楽しかったなんてもっと早く知りたかった」

穂乃果「にこちゃんと花陽ちゃんがはまるわけだ」

穂乃果「せっかくだし、もっと全体の雰囲気を知っておこうかな」キョロキョロ




\\ おーっはい!//





\\ おーっはい! //






穂乃果「みんなピンクのサイリウムを持ってる」

穂乃果「手が無い人は、サイリウムを口で咥えてたり、髪で持ってたり、目に突っ込んで首を振ってたり、超能力で浮かしてブンブンしてる」

穂乃果「身分も国境も関係なくて、にこちゃんのライブを見たい人が集まって全力で楽しんでいるんだ」

穂乃果「声出して、体を動かして、ピンクのサイリウムを振って。全身でにこちゃんのライブを楽しんでる」

穂乃果「辺り一面がピンクの草原で、それが無限に広がっているみたい・・・・」




\\ おーっはい!//





\\ おーっはい! //





343: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:33:02.20 ID:RDm79wnX0



穂乃果「あっ、そういえば、叫ぶのに夢中で、にこちゃんの事ちゃんと見てなかった」

穂乃果「大人のにこちゃんはどんな風になってるかな?」



穂乃果「んん・・・。にこちゃんすごい遠くて見えないな」

穂乃果「あっ、あっちの巨大スクリーンでアップで写ってる」



穂乃果「いつものにこちゃんと変わらない・・・?」

穂乃果「・・・・いや。違う」

穂乃果「顔も身長もおっぱいも変わってないけど、あれは大人のにこちゃんだ」

穂乃果「努力で高校生の頃のにこちゃんを維持している・・・。穂乃果には分かるよ」

穂乃果「すごい・・・」



穂乃果「にこちゃん・・・・」

穂乃果「お腹の底から声を出して・・・」

穂乃果「お客さんとの息もぴったりで・・・・」

穂乃果「一生懸命踊って・・・」

穂乃果「あんなに汗を飛び散らせて・・・」

穂乃果「それでいて、本当に心の底から嬉しそうな表情・・・」

穂乃果「光に包まれながら、歌って、踊って・・・・。きれい・・・」

穂乃果「可愛いを通り越して・・・なんだか―――」

穂乃果「神々しい・・・・神秘的・・・・・」



穂乃果「物凄く盛り上がっている会場にいるわたし・・・」

穂乃果「なんだろう・・・この気分・・・。周りは物凄く騒がしい筈なのに、気持ちよくって・・・・体がふわーってして・・・・・不思議な感覚・・・・・」



穂乃果「にこちゃん・・・・・」



穂乃果「世界と穂乃果の境目があやふやになっていくような・・・」

穂乃果「にこちゃんを中心に、世界が渦を巻きながら吸いこまれているような・・・・」



穂乃果「すごい・・・・・・」


穂乃果「ほー・・・・・・・・」ポー



穂乃果「・・・・・・・・」ポー



穂乃果「・・・・・・・・」ポー



344: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:34:47.51 ID:RDm79wnX0



\\ おーっはい!//


\\ おーっはい! //


\\ おーっはい! //


\\ おーっはい! //


\\ おーっはい! //






にこ『『はいっ! はいっ! はいっ! はいっ! はいっ!』』


\\ ( ゚∀゚)o彡°ハイ!( ゚∀゚)o彡°ハイ!( ゚∀゚)o彡°ハイ!( ゚∀゚)o彡°ハイ! //







ギター < トッロルロルロルロルロルロルロルルルルルルウィ~~~―――♪






にこ『『それじゃ、いっくよー!』』



みんな「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう・・・・・・・・・!!」


酸素濃度 17% → 15%


















きゃんばれーーー!!!!


















345: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:39:31.09 ID:RDm79wnX0

346: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:43:13.07 ID:RDm79wnX0

NGC 2841.
Unbarred spiral galaxy.

Distance from the Erath : 46 million light years
Constellation : Ursa Major

NASA, ESA, and the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration





347: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:45:24.26 ID:RDm79wnX0




穂乃果「・・・・にこちゃん」


穂乃果「・・・・・・・・・・・かっこいい」ホワー---.....



キュン




穂乃果「!!!!?////」ドキッ

穂乃果「なにいまの!?!///」ドッキンドッキン

穂乃果「・・・・・・はぅ////」バックンバックン クラッ

穂乃果「あ、あれ?」クラクラ

穂乃果「はっ////、はっ、はっ、はっふぅ///。息がっ、はっ、ふっ」スーハー

穂乃果「めまいがして・・・。体が熱くて・・・・////」クラクラ カァ

穂乃果「胸がドキドキして・・・頭がクラクラする・・・・なんで・・・」ドキドキ クラクラ



穂乃果「これって、もしかして・・・・」ドキドキ クラクラ スーハー





にこ『『えがおのまほうつぎのまほう』』 ~♪

\\ 笑顔の魔法次の魔法! //



にこ『とどけまほうみんなをしあわせに』』 ~♪

\\ 届け魔法みんなを幸せに! //



にこ『『えがおのまほうつぎのまほう』』 ~♪

\\ 笑顔の魔法次の魔法! //



にこ『とどけまほうみんなを し・あ・わ・せ・にーーー・・・・・・・・・・』』 ~♪

\\ 届け魔法みんなを幸せにぃぃぃぃいいいい! //





穂乃果「これは・・・・」ドキドキ クラクラ ハァハァ

穂乃果「・・・・穂乃果、笑顔の魔法にかかっちゃったのかな///」ドキドキ クラクラ  ← ※酸欠の症状


穂乃果「・・・・・・にこちゃん///」バクバク





にこ『『いえー!』』


\\ Y E A H ! ! ! ! //




348: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 00:51:17.18 ID:RDm79wnX0





穂乃果「かっこいいよおお///////」キュキューン バクバクバク


穂乃果「ハァ・・・ハァ・・・ハァ、ハァハァ」



穂乃果「にこちゃん・・・・///」フラフラ

穂乃果「にこちゃん・・・」

穂乃果「にこちゃん」


穂乃果「にこちゃん」


穂乃果「にこちゃん」



穂乃果「にこちゃん」




穂乃果「もっと・・・・近くで・・・///」フラッ



穂乃果「にこちゃぁぁああん///////」フラフラ



のしっ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



(・8・)<チュンチュン




「・・・ほの・・・!」ユサユサ


穂乃果「・・・・・んっ」


「・・・・・のか!」ユサユサ


穂乃果「んぇ・・・?」パチ


にこ「さっさと起きなさい!」ペチペチ


穂乃果「・・・・・・・???」ポー

にこ「はぁ、やっと起きた」




海未「穂乃果、そんなうつぶせで寝ていて息苦しくないんですか」

希「にこっちのおっぱいまくらじゃ寝心地悪そうやしな~」

にこ「どういう意味よ!!」



349: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 04:10:10.01 ID:RDm79wnX0



穂乃果「にこちゃん・・・・ ?」ポー

にこ「にこよ」ムスッ

穂乃果「えっ・・・?」

にこ「ねえ、早くそこからどいてくれる? 重たいんだけど」

穂乃果「はれ? にこちゃん、なんでこんなに近くに? さっきまであんなに遠くにいたのに・・・・?」プワプワー

にこ「はあ?! 何寝ぼけてんのよ! あんた、私の上に乗っかってんのよ! どんだけ寝相悪いのよ!」

穂乃果「ほぇっ・・・・・???」ポー



にこ「はぁーあ・・・。すごく良い夢を見てた気がするんだけど、途中からアルパカに押し潰される夢に変わって、それしか覚えてない・・・・・・」

穂乃果「・・・・・・・夢?」ポワー

にこ「ああもう! あんたのせいよ! さっさとどきなさい!!」ゲシゲシ



穂乃果「・・・・・・・・はっ?!」ガバッ

ダダダッ

チョコン

にこ「な、なによ・・・・? 飛び起きたと思ったら、部屋の隅っこまで走って壁の方に向かって正座しちゃって」

穂乃果「////////」ドキドキ ウツムキ

穂乃果(さっきまであんなに遠かったにこちゃんが・・・・!/////)ドキドキ ウツムキ

穂乃果(すごくかっこよかった大銀河宇宙No.1スーパーアイドルのにこちゃんが・・・・!/////)ドキドキ ウツムキ

穂乃果(穂乃果みたいな一般人なんかが、あんなに近づいちゃって・・・!/////)ドキドキ モジモジ



穂乃果(・・・・)チラッ



にこ「????」キョトン



穂乃果(!!!!!///)ドキンッ

穂乃果(ま、ま、まっ、まだ、あんなに近くにいるよぉぉお!?/// しっしかもこっち見てるいらっしゃるぅぅう?!//// どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしy)ドキドキドキバクバク



にこ「穂乃果??」キョトン

穂乃果「はんっ!!?//////」ビクンッ

穂乃果(ほっ、ほっ、ほほほ穂乃果の名前呼んだぁぁあ?!///)バクンバクン


海未「・・・・・・・・?」

ことり「(・8・)?」


にこ「なんなの? まあいいいわ。朝ごはん作るわね」ムクッ スタスタ


穂乃果「・・・・・・・////」チラチラッ

穂乃果(にこちゃ・・・・////)ドキドキ


350: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 11:57:55.32 ID:RDm79wnX0


希「お~? なんや、なんや~穂乃果ちゃん。恋する乙女みたいに顔赤らめちゃって」ニヤニヤ

凛「ああ~。これはメスの顔ですわにゃ~」ニヤニヤ

希「かわいいやん」ニヤニヤ


海未「・・・・・・・・」 .....ギリッ

ことり「 (・8・) 」



---------------
食卓


花陽「ごはん炊けたよ~!」ホカホカ

凛「かよちんの炊いたごはん!」

にこ「アジの開き、納豆、ひじき煮、豚汁・・・まあ、適当に作ったから好きに食べて」

海未「んっ、焼けた魚の香ばしい匂いが良いです。とても美味しそうです。さすがにこですね」

穂乃果「わわっ/// にこちゃの手料理だぁ・・・/// しゅ、しゅごい・・・///」モジモジ

希「んん~? 穂乃果ちゃん、パンの方がいいとか言わんの~?」ニヤニヤ

にこ「なによっ、文句あんの?」ムスッ

穂乃果「とととっと、とんでもない!!」ブンブン

穂乃果「にこちゃんが作った料理だよ!!! ちょープレミアじゃん!」

真姫「なにそれ、意味分かんない」カミノケクルクル

にこ「プレミアって・・・。そんなハードル上げられても困るわよ。簡単に作ったものばっかりだし」

絵里「なんでもいいわ、早くいただきましょう」




いただきま~す

もぐもぐ

このひじき、煮すぎやない? 歯ごたえがないんやけど

豚汁もちょっと薄味な気がする

消化によいヘルシー重視なのよ! アイドルは食事にも気を使わなきゃダメでしょうが! あんたらアイドルとしての自覚あんの?!

にこちゃんの料理すごくおいしいよ! 特にこの納豆!

あ、いや、それは普通の市販のやつ・・・




海未「そういえば、穂乃果」

穂乃果「ふぁぁに? (なーに?)」モグモグ

海未「朝起きたとき、布団の横に夢の赤い糸が落ちていましたが、昨晩は誰かの未来を見ていたのですか?」

穂乃果「あっ、うん! みんなの見せてもらったよ!」

海未「みんな? ということは夜中に何度も起きたと言うことですか」

穂乃果「う、うん・・・、そ、そうなるかな~?」

ことり「夜更かしはだめですよ~。早寝早起きが健康の秘訣ですっ」

穂乃果「えへへ。ごめん」


351: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 12:01:13.51 ID:RDm79wnX0


凛「なんの話してるの~?」

穂乃果「えっとね。ロボット部の人に夢の赤い糸っていう機械をもらったの。それを使うと、使われている人の未来を夢として見ることができるの」

凛「未来が見られる?! すげーにゃ!!」

真姫「またとんでもない物を作ったわね・・・」

花陽「みんな? ・・・ということは、は、花陽の未来も見ちゃったの・・・? は、恥ずかしい・・・」

海未「そうですよ穂乃果。本人の許可もなく夢を見るなど、プライバシーの侵害ですよ」

穂乃果「そ、そっか・・・・。うん、そうだよね。ごめんね、みんな・・・。それに、軽々しく未来を見るのってよくないこともあるんだよね・・・・・」

海未「・・・・? 何かあったのですか?」

穂乃果「あっ・・・えっと、別に・・・・」

花陽「で、でも未来は気になるよ! 私って引っ込み思案でなかなか決断できないから、将来ちゃんとやっていけるか不安だし・・・」

花陽「ねえ! 穂乃果ちゃん教えて、未来の花陽はどうなってた?」

穂乃果「あっ、うん! 花陽ちゃんは大丈夫だよ! 絵本作家さんになってた!」

花陽「ええっ?! 絵本作家にナッチャウノ゙ォ゙」

凛「絵本作家! かよちん昔なりたいって言ってたよね!」

花陽「えっ、えっ・・・。で、でも、花陽なんか・・・・」ウツムキ

ことり「 "なんか" なんて言っちゃダメ! 花陽ちゃん絵が上手だし、ぴったりだよ!」

にこ「そうね。この前花陽が家に来た時、絵を描いたり折り紙を折ったり色々して楽しそうにチビ達と遊んでくれてたし。絵本作家なら、そんな風に子供の視点で物事を見られるのって大事じゃない? 」

絵里「そうそう。それに花陽は、凶暴なアルパカも手なずけられるものね」

真姫「凶暴・・・? それは単にエリーが嫌われてるだけでしょ。っていうか、それはあんまり関係ないんじゃない?」

穂乃果「ううん! それが関係あるんだよ! 花陽ちゃんの夢の中の出来事なんだけど、花陽ちゃんと穂乃果が、アルパカさんの背中に乗ってお散歩したんだよ!」

花陽「アルパカさんの背中に!!?」パァ

ことり「わぁ、素敵♪」

希「ええなあ。楽しそうやん」

穂乃果「うんうん。すごく楽しかったよ。それでね、アルパカさんは花陽ちゃんを背中に乗せて、世界中の色々な場所に行って色々な人と触れ合いたい、って思ってて、じゃあそれを絵本にしようってことになったの! あっ! それと、人と動物が対等な世界が良いとも言ってたよ!」

真姫「アルパカの背中に乗った花陽の世界旅行記ってとこかしら? なによそれ、物凄く面白そうなんだけど」

絵里「ええ、本当にそんな絵本があったのなら、今すぐにでも読みたいわ」

ことり「私も読みたい♪ 世界中の色んな景色を背景に、その国々の色んな人々と動物が楽しくお話ししたりする心暖まる優しい物語になるんだろうなあ♪」

希「世界中の色んな景色を見て回るお話かあ。 そうしたら、まずは花陽ちゃん自身が世界旅行しないとだね。何か必要な事があったら、ウチが全力でバックアップしてあげるよ」

凛「かよちん!! どこか行くときは凛も連れて行ってね! 一緒に絵本作りたいにゃー!」

海未「楽しみですね。花陽が描いた絵本、出版されたらすぐに買わせて頂きますね」

花陽「・・・・・・」ズモモモモモ......

海未「んっ・・・? 花陽どうしましたか?」

花陽「・・・・・・・!!」グワッ

海未「きゃ?! は、はなよ・・・?」

352: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 13:44:36.79 ID:RDm79wnX0

花陽「ああああ!! インスピレーションが止まりませんんん!!!」

花陽「紙とペン! 紙とペン! 誰か! 誰かあ! 誰か紙とペン貸してぇぇええ!!」

凛「凛持ってるよ。自分の夢をメモしようと思って持ってたやつ。これ使って」

花陽「ありがとう凛ちゃん!!!」ズバババ

希「ありゃりゃ、花陽ちゃんスイッチ入っちゃった」

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

絵里「は、花陽・・・。程ほどにね。今、朝食中なんだから」

花陽「う、うん! ごめんね! 少しだけだから!」ズババババ


凛「ねえ、ねえ、穂乃果ちゃん。凛の夢も見たの?」

穂乃果「あっうん! 見たよ!」

凛「そうなんだ。凛ね、いっつも見た夢を起きた瞬間に忘れちゃうんだ。でもね、覚えておきたいから、忘れないように夢の中にメモ帳とペンを持って行こうって決めてるんだけど、朝起きたら、やっぱりメモは真っ白なんだにゃー」

穂乃果「ああ、そういえば夢の中の凛ちゃんもメモ帳とペン持ってたなー」

真姫「それで? 未来の凛はどうなってるの?」カミノケクルクル

穂乃果「うん、凛ちゃんはね。・・・・あー。凛ちゃんはねー・・・」

真姫「なによ? なんか歯切れ悪いわね。悪いやつにでもなってたの?」

凛「ええ?! そうなの穂乃果ちゃん?!」

穂乃果「ううん!」ブンブン

穂乃果「そんなことは無いんだけど・・・」

穂乃果「凛ちゃんはね・・・えっと、花陽ちゃんと一緒にいてね」

凛「うん! 凛はかよちんといつも一緒にゃ!」

穂乃果「それと・・・・凛ちゃんは花陽ちゃんのことを守ってあげてて」

凛「うん! かよちんを守るのが凛の生き甲斐だにゃ!」

真姫「花陽のことばっかりね。他には何かなかったの?」

穂乃果に「他にはねー・・・・。えーっと・・・」シドロモドロ

凛「他には?」ワクワク

穂乃果「・・・・猫ちゃんと遊んでたかな」

凛「本当?! 凛は猫ちゃんが大好きにゃー!」

穂乃果「そ、そうだよね。よかったよね・・・・・・」

真姫「・・・・・・。それで、未来のりn
穂乃果「あっ! つ、次はね! 絵里ちゃんの未来を見たの!」

絵里「あら本当? 未来の私は何をしてた?」

真姫「・・・・・・・・」カミノケクルクル


穂乃果「あのね、すっごくおしゃれな喫茶店やってた!」

絵里「いいじゃない! 実は希と一緒に喫茶店開きたいなーって思ってたの」

希「ちょ// え、絵里ち・・・/// 」

絵里「私がキルトのアクセサリーを編んでそれを飾ったり。あっ、そうだ! おばあさまからロシアの民芸品を送って頂いて、それも飾りたいわね。それから、店内はなるべく明るくして、ロシアン喫茶みたいにしたいわね」

希「ちょっと絵里ち。明るいロシアン喫茶でもええと思うけど、占いもできる喫茶店にしたいって言ってたやろ」

353: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 13:46:11.08 ID:RDm79wnX0

絵里「そうだけど。ロシアン喫茶に何か問題でも?」

希「別に、問題って程じゃないんやけど・・・。なんちゅーかなぁ・・・」

穂乃果「あっ、そうそう。希ちゃんの未来も見させてもらったよ。希ちゃんも喫茶店やっててね」

希「ほう。どんな雰囲気だった?」

穂乃果「えーっと、ね・・・・。なんだか店内が薄暗くって・・・。こんな事言ったら失礼かもだけど・・・。不気味だった・・・」

希「おおっ! それでいいんよ!」

絵里「なんでよ! 薄暗くて不気味な喫茶店なんて聞いたことないわよ! 」  

希「そっちの方がスピリチュアルパワーが集まるんよ!」

絵里「スピリチュアルパワー?!」

希「開運グッズもぎょうさん置いて運気上昇、商売繁盛間違いナシやな!」

絵里「ちょっと! 変な物置かないでよね!」

希「なんでや!」

絵里「だって不気味な雰囲気にしたら、なんだか怪しい宗教施設みたいじゃない! その内、ご利益があるとか言って、木魚とか鈴(りん)を持ち出して『チーン』って鳴らしながら接客するつもりじゃないでしょうね!?」

希「なんでや! 阪神関係ないやろ!」

絵里「関係ないわよ!」


穂乃果「ま、まあまあ、二人とも・・・。お店の内装は絵里ちゃんの方が、穂乃果は良かったと思うし、メニューの内容は希ちゃんの方がまともそうだったよ。だからさ、今度落ち着いて話し合ってさ、二人の意見の良い所を組み合わせたらいいじゃないかな・・・?」

絵里「んん・・・」

希「むう・・・・」

穂乃果「ほ、ほらっ、穂乃果の家も、一応喫茶店みたいな事もやってるからさ! 何かあったら穂乃果に相談してよ!」

絵里「・・・・・そうね」

希「まあ、穂乃果ちゃんがそういうなら、今回はこの辺で勘弁しといたる」


354: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 15:46:46.68 ID:RDm79wnX0


穂乃果「じゃ、じゃあ、次に・・・」

穂乃果「次に見たのは、真姫ちゃん!」

真姫「ふーん」カミノケクルクル

穂乃果「真姫ちゃんはね―――・・・・あっ、えと・・・」

真姫「何よ? 医者になってたでしょ」

穂乃果「えー・・・っとね・・・・」シドロモドロ

穂乃果(ど、どうしよう・・・・。真姫ちゃんは、本当はお医者さんになりたくないと思ってる・・・ってそんなことみんなの前で言っちゃだめだよね・・・)

穂乃果(どうしたらいいんだろう・・・・)

穂乃果(真姫ちゃんにとって正しい将来ってなんだろう・・・)

真姫「穂乃果?」

穂乃果「あっ、そのっ、あのっ」アセアセ

穂乃果(とっ、とにかくに、何か言わなきゃ・・・)アセアセ

穂乃果(で、でも、何を言えば・・・・)アセアセ





希「穂乃果ちゃん。でっかい病院の待合室まで行けたはよかったけど、診察室がたくさんあり過ぎて、どこに真姫ちゃんいるか分からんかったんとちゃう?」


穂乃果「へっ?  ・・・・あっ! うっ、うん! いやー、実はそうなんだよねー! 100室くらい診察室があってさー・・・!!」シドロモドロ

真姫「何よその病院。パパの病院でもそんなに診察室無いわよ」

穂乃果「そうだったっけー? いやー・・・それでも未来の真姫ちゃん見つけられなくって・・・・ごめんね、たはは・・・」アセアセ

真姫「まあ、なんでもいいわよ。私は医者になる以外ないんだから」

穂乃果「うー・・・・んむ・・・・」ウツムキ

真姫「そういえば、希はどうして穂乃果の見た夢の内容を知っているの?」

希「スピリチュアルやろ」

真姫「・・・?」



穂乃果「えっと・・・! つ、次は誰だっけ!」キョロキョロ

にこ「・・・・・・・」モグモグ

穂乃果「次は・・・・はっ?!///」

にこ「・・・・・・・」ズズッ ゴクッ



穂乃果「あーっと、うーっと・・・・///」チラッチラッ

にこ「・・・・・・ふー」コトッ  ...イライラ




希「なんや、穂乃果ちゃん、難しい顔してたと思ったら、今度はやけに嬉しそうな顔になって。忙しいなあ」ニヤニヤ

凛「ああ~。このメスイヌ発情してますわにゃ~」ニヤニヤ

穂乃果「えっ// そ、そうかな?///」モジモジ

海未「・・・・・・・・・・・」

ことり「 ┌(┌^8^)┐ 」ホノォ


355: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 15:51:12.44 ID:RDm79wnX0


穂乃果「・・・・えっと///」モジモジ

にこ「・・・・・・」イライラ



穂乃果「・・・・・/////」ウツムキ モジモジ

にこ「・・・・・・」イライラ


穂乃果「・・・・・・」チラッ

にこ「・・・・・・」イライラ

穂乃果「!!///」バッ ウツムキ

穂乃果「//////」ドキドキ

にこ「ちょっと!」


穂乃果「ひんっ!///」ビクッ

にこ「にこはどうだったのよ?!」

穂乃果「に、にこちゃんは・・・・・//」ドキドキ

にこ「にこの未来も見たんでしょ!」

穂乃果「・・・・・ぅん//」モジモジ

にこ「だったら教えなさいよ! そりゃあ、アイドルにはなってるだろうけどさ! 念のため、一応! あんたが見た私の未来を聞いておいてやってもいいって言ってるの!」

穂乃果「そ、そうなんだ・・・・///」ドキドキ モジモジ

にこ「大人のにこにーはどんなアイドルだったの!? 教えなさい!」

穂乃果「うん・・・・。すごく、かっこよかった・・・///」ポッ

にこ「やっぱりねー。にこのイケメンスマイルで老若男女問わずメロメロに~・・・って! かっこいいって何よ! にこは可愛いでしょ!」

穂乃果「かっこよかった・・・//」ポー

にこ「もうっ! まあ、それもでいいわ。それで、お客さんは何人くらいいた?」

穂乃果「えっと・・・お客さんは・・・・///」

真姫「いいとこ10人くらいでしょ」カミノケクルクル

にこ「そんな訳ないでしょ!」

にこ「どうなの?! 穂乃果!!」ズズイ

穂乃果「!!!?!////// にこちゃ、ちかぃちかぃちかぃ////」ドキドキドキドキドキドキ

海未「・・・・・にこ。すこし はなれて ください ほのか が 怖がってます」

にこ「なんでにこが怖いのよ!」

にこ「なんでもいいから教えなさいよ! にこの集客力を! 穂乃果あ!」ガクガク

穂乃果「あふぅ///」ドキドキ



穂乃果「・・・・・・・・・・ひゃく」ボソッ

にこ「えっ! 100人?!」

真姫「ふーん。まあまあ多い方じゃない? よかったわね、にこちゃん」

にこ「ぬぅぁんでよ! にこはそんな程度の器じゃないわよ!」

にこ「ねえ! 穂乃果! もっといたでしょ! ちゃんと教えて!」

穂乃果「・・・・・・・・・・ちょう////」ボソッ

356: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 16:01:55.81 ID:RDm79wnX0

にこ「えっ? ちょう???」

真姫「超ってこと? 100超? 100人とちょっとってこと?」

穂乃果「ううん////」フルフル

にこ「じゃあ、どういう事よ?」キョトン



穂乃果「100兆人くらい・・・いたよ///」



にこ「100兆!!!?!!」ズババーン

絵里「あはは・・・それは穏やかじゃないわね」

希「ぶっとんでるな~」

凛「凛知ってるよ。地球の全体人口は70億人くらいなんだよ」

花陽「凛ちゃんはかしこいね。よしよし」ナデナデ

凛「にゃ~ん/// ゴロゴロ」

真姫「そうよ。微生物じゃあるまいし、100兆なんて人間どっから湧いてくるのよ。仮に居たとしても、集まれる場所が無いじゃない」カミノケクルクル


穂乃果「・・・・・・・いたもん」ウツムキ

にこ「なんだっていいわよ! にこは絶対に100兆人集めるスーパーアイドルになってやるんだから!!!」


海未「100兆人かどうかはさておき・・・。にこはプロのアイドルを目指すのですか。しかし、色々大変ではありませんか? いつだか、花陽が『アイドルは残酷な格差社会』だと言っていましたが」

ことり「そうだよねえ・・・。世間一般で活躍しているプロのアイドルと言ったら、早くて小学生くらいの頃からデビューしている子が多いってイメージがあるし」

にこ「年齢が何よ!! 今どきのアイドルに年齢は関係あるようでないわよ! 50歳過ぎてからも、露出の多いコスプレして歌ってる人だっているんだからね!」

真姫「っ?!」ビクッ

花陽「にこちゃん。それはそうだけど・・・・。プロのアイドルのオーディションはね、数万人の応募があって、合格するのはたった数人・・・。不合格だった人はほとんどがアイドルを諦めてしまう・・・。仮に合格しても人気が出るかどうかは別問題。人気が無くてアイドルを挫折してしまう事も珍しくない。コンスタントに活躍できるプロのアイドルは本当にわずか。にこちゃんなら良く知ってるよね・・・?」

にこ「にこがそのわずかの内の一人よ!」

絵里「花陽の言うことももっともね。あ、いや、別に、にこがプロのアイドルを目指すのが間違っていると言うつもりじゃないのよ?」

絵里「ただね・・・・にこ。そのプロのアイドルになれる根拠・・というか自信はどっから湧いてくるのかしら? と思って・・・」

にこ「にこはスーパーアイドルになる運命だからよ!」

絵里「そ、そうなの・・・」

凛「なんにしろ、100兆人を集めるアイドルになるなんて無理なもんは無理にゃ~。真姫ちゃんもそう思うよね?」


357: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 16:14:38.37 ID:RDm79wnX0

真姫「・・・・・・・」

凛「真姫ちゃん?」

にこ「どいつもこいつもにこのこと疑ってくれちゃって! ねえ! 真姫ちゃんなら、にこが100兆人を集める大銀河宇宙No.1アイドルになるって信じてくれるよね!?」

真姫「・・・・・・・」

にこ「なによ。真姫ちゃん、黙っちゃって。にこの話、聞いてる?」


真姫「ええ、聞いてるわよ。にこちゃんが、荒唐無稽な“夢”を持ってて、それを叶えられるかどうかよね」

にこ「そうそう! 真姫ちゃんは応援してくれるよねっ!」

真姫「そうね・・・・。ねえ、にこちゃん、一つ質問してもいいかしら」

にこ「質問?」

真姫「ええ。にこちゃんが、その馬鹿げた“夢”を叶えられるかどうかが分かる質問」

にこ「馬鹿げたってなによ! でも、いいわ、なんでも質問なさい! 絶対に正解してやるんだから!」

真姫「質問というよりは、ケーススタディーみたいなものなんだけどね」

真姫「これは、実際にあった事なんだけど、それを今から話すわね。それで、もし、その状況に立たされたとして、にこちゃんだったらどうするか、それを答えて」

にこ「へえ、いいわよ」

希「お? なんやなんや。面白そうやん」

絵里「そうね、面白そう。私もやってみようかな」

凛「凛も知りたいよ!」

海未「私も気になりますね」


真姫「そう。それじゃ話すわね」



真姫「昔ね、オーケストラの指揮者に、レナード・バーンスタインという人がいたの」

真姫「バーンスタインはとても激しい曲調で演奏する指揮者として有名だった。その独創性から、クラシック音楽が好きな人だったら、バーンスタインの名を知らない人はいない程に有名で、それこそ歴史に名を残すほどに偉大な人物だったの」


真姫「ある時、そんなバーンスタインの元に指揮者志望の青年がやってきて、こんな質問をしたの」

真姫「『私はあなたに憧れています。私もあなたのような指揮者になれるでしょうか?』ってね」

真姫「・・・・ちなみに、穂乃果」

穂乃果「んっ?」

真姫「ここまでの話で、指揮者の部分をアイドルに変えて、後輩が『私も高坂先輩のようなアイドルになれるでしょうか?』って聞いてきたら、なんて答える?」

穂乃果「ええっ/// 照れちゃうなあ///」

真姫「例え話よ。穂乃果がトップレベルのアイドルだと仮定して考えてみて」

穂乃果「そうだねえ、どう答えるかなあ・・・。多分『絶対なれるよっ!』って言って励ますかな?」

凛「穂乃果ちゃんらしい! 凛も同じこと言うと思うよ」

真姫「なるほどね」

穂乃果「その有名な指揮者さんも、同じことを言ったの?」

真姫「いいえ。バーンスタインは青年に、こう即答したらしいわ」



真姫「無理だね」



穂乃果「えっ・・・・?」

凛「ひどい・・・・」

絵里「なによそれ・・・」

358: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 16:29:12.42 ID:RDm79wnX0


にこ「・・・・・・」

絵里「意味が分からないわ。だって、バーンスタインは青年とは初対面だったんでしょ? なんで即答できたの? 指揮者になる才能があるかどうか、演奏を聴いたりしないと判断できるわけないじゃない」

海未「武道であれば、対峙した時に、相手の構えや呼吸、目つき、耳の形などを一目見ただけで相手の実力を察する事ができます。それと同じように、バーンスタインも青年の指揮者としての才能を一瞬で見破ってしまったのでしょうか?」

真姫「花陽はどう思った? トップアイドル、例えばツバサみたいな人に『あなたはアイドルになれない』って言われたらどうする?」

花陽「ええっ?! そ、そんなこと言われたら・・・立ち直れないかも・・・・」グスッ

真姫「・・・にこちゃんはどう思う? もしツバサに、『あなたはアイドルになれない』って言われたらどうする? やっぱり花陽のように自信を無くしてしまう?」

にこ「別に、どうもしないわよ。誰になんと言われようと、私はアイドルを続けるに決まってるじゃない! 第一、私だったらそもそも聞かないわよ。相手がツバサだろうが、世界一のアイドルだろうがね!」

真姫「!?」

凛「聞かないって?」

にこ「自分がアイドルになれるかどうか、って所よ! だって、にこは宇宙一のアイドルなのよ? 宇宙一のアイドルが、その他の格下のアイドルに『にこは~、アイドルになれますか~?』なんて聞くわけないじゃない!」

凛「にこちゃんはバカだにゃ~。にこちゃんはただのスクールアイドルでしょ~」

にこ「バカでもなんでもいいわよ! 今はスクールアイドルかもしれないけど、それと同時に未来の宇宙No.1アイドルでもあるんだから!」



真姫「・・・・そう」

真姫「・・・・にこちゃんならそう言うと思った」

にこ「どういう意味よ?」

真姫「話の続きなんだけど、青年も絵里と同じ疑問を持ったの。演奏を聴いた訳でもないのに、なんで即答したのか。だから青年はバーンスタインに聞き返したの。『どうしてですか? 私には才能がありませんか?』ってね」

絵里「そう。そこが気になるわ。なんて答えたの?」

真姫「バーンスタインはこう答えた『あんたの才能のことなど知らん。あんたが指揮者になれないのは、私にそんな質問をしたからだ』」

絵里「才能は関係ないってこと・・・・? えっと、どういう意味かしら?」

真姫「これは、つまり、こういう風に解釈できるわ」

真姫「その道を極める事ができる人物は、常に自分を信じて、周りのどんな疑問の目にも惑わされず、更に、どんな悪い環境であっても、自分を高め続けて、やがて誰にも到達できない領域に辿りつくってこと」

穂乃果「・・・・・・・・・・」

真姫「青年が “自分は指揮者になれるだろうか?” ということを他人に聞いてしまったのは、自分を信じていないって事。だから、その時点で、青年は指揮者になれない、とバーンスタインは判断したわけね」

絵里「な、なるほど・・・。深くて、納得できる話だわ。・・・・ん? 待ってよ! ということは、にこは・・・」

真姫「そう。この逸話を正とするならば、にこちゃんはバーンスタインと同じで、頂点に立てる考え方を持つ人ってことね」

にこ「えっ?!////」ドキッ

絵里「さすがにこね!」


359: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 21:42:07.88 ID:RDm79wnX0


穂乃果「う、うん。にこちゃんは確かにすごい・・・・けど」ボソボソ

海未「ええ、真姫のお話、とても興味深い物でした。確かに、偉人というのは有名になるまでは、周りからは変な目で見られることが多いと聞きますし」

ことり「にこちゃんはやっぱり100兆人を集めるアイドルになれるってこと!」

花陽「私もそう思います! 一緒にスクールアイドルやってて、にこちゃんて本当にすごい人だって思うもん! にこちゃんと会えて本当に良かった!」

凛「えっと、えっと! とりあえずここ! 凛のパジャマにサインして! 今の内にサインもらっておかないと!」グイッ



穂乃果(真姫ちゃん・・・・今のお話・・・。“夢”を叶えるためだったら、どんな事があっても周りに惑わされないってことだよね・・・? それが例え家族であっても・・・)

穂乃果(真姫ちゃんは・・・そこまで分かっているなら、どうして自分の本当の“夢”には蓋をしちゃうの・・・?)

穂乃果(・・・・・・・分かっているからこそ・・・なのかな?)

穂乃果(勝手に自分で限界を作っちゃって、それで“夢”が叶わないと、諦めちゃっているの・・・・?)



穂乃果(・・・・・・・・・・・・・でも、大丈夫だよね!)

穂乃果(だって、未来の希ちゃんが言ってたもん! 穂乃果はなんの役にも立たないかもだけど・・・。真姫ちゃんは絶対なんとかなるからね!!)グッ

真姫「な、なによ、穂乃果。こっち見て・・・?」



希「にこっちは頂点に立てる・・・か。それはホンマやろなあ・・・。これはお世辞なんかやないんよ。にこっちのその自信は絶対嘘じゃないって言えるもん」

希「こんなこと言ったら失礼かもしれんけど、にこっちのお家はお世辞にも裕福な家とはいえんよね。そんな中で、働いているお母さんに代って、にこっちは家事や妹さんたちの世話もせなあかんから、忙しい。それでもにこっちはずっと、アイドルを目指してたんよね」

にこ「別に、そんなの当たり前のことじゃない」

希「それだけじゃないよ。にこっちは、一人っきりになっても、ラブライブの前にμ’sが解散しかけた時も、諦めず、ずっと、ずっとアイドル研究部を廃部にしないで守ってくれたやん。そんな環境でアイドルを目指し続けるなんて、普通の人には絶対真似できへんよ」

にこ「も、もう昔の事はいいでしょ! そんなこと、大したことじゃないんだから・・・」

にこ「ただ、自分でも良くやったと思うのは・・・。たまたま舞い込んで来た、穂乃果っていうチャンスに賭けて、その賭けに勝った所かなって・・・!/////」プイッ

穂乃果「へっ?!」ビクッ

穂乃果「ほ、穂乃果?」キョトン

ことり「クスクス」

海未「穂乃果。にこに褒められているんです。素直に喜んでください」

穂乃果「えっ? そうなの? えへへ/// そ、そんな恐れ多いよぉ///」テレテレ

凛「おお! にこちゃんが誰かを褒めるなんて珍しいにゃ!!」

にこ「う、うるさいっ!///」


希「あのな、にこっち、たまたま舞い込んで来たチャンスって言うたけどな、神様はな、諦めない人にしかチャンスを与えんのよ。だからこそ、そんな諦めなかったにこっちの所に穂乃果ちゃんがやってきた。そして、みんなが集まった」

絵里「そうね。私はにこよりずっと恵まれた環境だったと思うけど、バレエを途中で諦めてしまった・・・。でも、にこはずっとアイドルを諦めなかったものね・・・。ちょっと悔しいけど、私じゃにこの足元にも及ばないわね」

にこ「希・・・絵里・・・」

希「諦めなければ、これからも一杯一杯チャンスがあるはずや。それを掴んで、そして・・・将来は絶対に宇宙No.1アイドルになるんよ・・・・!」

にこ「な、なによ・・・あんたたち・・・」

にこ「今までさんざん、にこのことからかってたくせに・・・・」

絵里「別にからかうつもりなんてなかったわよ」

360: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 21:48:28.09 ID:RDm79wnX0

凛「そーにゃ、そーにゃ。にこちゃんには芸人魂があるんだもん、仕方ないよ」

にこ「そうそう、芸人魂ね。渾身のイタイにこにーボケで、どーんな強面のおじさんでも、たちどころに、にっこり笑顔に―――ってぇ! にこのどぉこが芸人でイタくて裏表があって腹黒なのよ!」

凛「そーいうノリ突込みに抜群のキレがあるところ!」

絵里「ふふ、そうやって笑わせることって大事だと思うわ。真姫と花陽もそう思うわよね」

真姫「えっ? あ、ああ、そうね」カミノケクルクル

花陽「うんうん! 歌って踊るだけのアイドルはもう時代遅れです! 黒歴史とヤケド覚悟でボケをかましていなかきゃ!」

にこ「あーもう! 分かったわよ! 笑顔にすることができるんだったら、お笑いでも芸人アイドルでもなんだってやってやるわよ!」

絵里「ふふっ。にこったら。ええ、きっとできるわ」

真姫「・・・そうね、ただこうやって話しているだけで、私、すごく面白いし・・・///」ボソボソ



希「ほんまにね、にこっちは面白いなあ・・・」グスッ

希「あら? おかしいな、なんか涙出て来た」グスッ

にこ「は、はぁ? なんで急に泣いてんのよ・・・」

希「にこっちが面白すぎるからだと思うんよ、あはは」グスグス

絵里「私も涙出てきちゃった・・・」ウルッ

にこ「だ、だからなんでよ・・・」

絵里「なんでかしらね・・・・・。多分、大きな夢を語るにこを見ると、急に遠く行ってしまったような気がしたから、かしら・・・。そう思うと、卒業と同時ににこは手の届かない存在になってしまいそうで・・・」ギュ

希「うん・・・。にこっちの事を考えれば考える程、にこっちって立派な人だなあって思って、するとなんか、にこっちが雲の上の人のように気がしてな・・・」ギュ


にこ「な、なんなのよあんたたち。抱き着かないでよ・・・・暑苦しいじゃない」


希「ええやろ、にこっちはウチにとって一番の友達なんやから・・・」ギュ

絵里「私、もっと早くにこと友達になれなかったことが、悔しい・・・」ギュ

絵里「にこ・・・・。今まで、見て見ぬふりして、つらいときに支えてあげられなくて、本当にごめんなさい・・・。私、生徒会長だったのに、生徒一人支えてあげられなかった・・・」ポロポロ

希「にこっち・・・本当に、ありがとう・・・。みんなが集まるまで、アイドル研究部を、あの場所を、作って、そして守ってくれてありがとう・・・。たった一人で、こんな小さい体で、長い事背負って、大変やったろ・・・」グスグス

にこ「小さいってなによ! ・・・・私は、ただ・・・みんなの前で歌って、ダンスして、みんなと一緒に盛り上がって、明日からまた頑張ろうって、そういう気持ちにさせるアイドルが大好きで・・・その想いだけで・・・・・・そ、そう! 自分のためよ! 自分のために好き勝手に今までやってきただけなんだから!」フイッ

にこ「だっ、だから、私は、あんたらに感謝されたり謝られる筋合いはないのよ!」グシグシ

絵里「ううん。私は、にこに『アイドルは笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事』だって、その身を以て教えてくれた・・・。それで私、にこにたくさん笑顔にしてもらった・・・。感謝してもしきれない」

希「ずっと一人だったウチに、にこっちは夢のような時間をたくさん与えてくれたんよ・・・ううん、ウチだけじゃないやろうな。だから、にこっちがなんと言おうと、にこっちがやってきたことは、みんなのためになった」

にこ「しつこいわねぇあんたらも・・・・。もういいわ、好きなだけ勝手に泣いてれば? ふんっ」ゴシゴシ

希「ああ、にこっち、にこっち・・・。これからもにこっちとは離れたくないなあ・・・」






海未「・・・・・・・・・」ウツムキ

ことり「・・・・・・・・・」ウツムキ

花陽「・・・・・・・・・」ウツムキ

真姫「・・・・・・・・・」ウツムキ

凛「なんか寂しくなってきちゃったにゃあ・・・・」

361: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 21:50:38.83 ID:RDm79wnX0











穂乃果「あー!!!」

にこ「わっ?! な、なによ、急に大声出して」

穂乃果「今ままでの事とか、なんとかって! そういう懐かしさにひたるのはやめようよ! この中の誰かが遠くの存在になったとしても、私達は会いたいって思ったら絶対にまた会える! 何かがあって離れそうになっても、また会えると笑いあいたい!」

穂乃果「だから、例え卒業とかで離れ離れになる時が来ても・・・さよならは取っておいておこうよ! もしもの時まで!」



穂乃果「私は! いまはいまの楽しさで! はしゃぎたいな! みんなと!」



凛「穂乃果ちゃん・・・」

花陽「・・・・・・・・・」

真姫「・・・・・・・・・」


海未「・・・・・・・・・ふふっ」

海未「相変わらず、なんて無茶苦茶な事を言うのでしょう、穂乃果は」

ことり「穂乃果ちゃんらしくて、私は大好きだよ♪」

真姫「私達は腐れ縁みたいなものなんだから、離れようと思っても、できないんじゃない? ・・・って、思わナクモナイケド」ボソボソ カミノケクルクル

花陽「うん! 真姫ちゃんの言う通りだと思うな」

凛「我々の絆は永遠に不滅にゃー!」


希「みんな・・・」

絵里「・・・・そうね。いつまでもわがままを言って、にこの足かせになっちゃダメだものね」

絵里「ごめんなさい、私ったらみっともない所を見せてしまって」グシグシ



にこ「・・・・・・・」






362: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 21:59:52.36 ID:RDm79wnX0





にこ「・・・・・!」グッ


バッ バッ


絵里「えっ?」

希「にこっち?」


ギュム! ギュム!


絵里「きゃ?!」グイッ

希「んむっ?!」グイッ



にこ「・・・・こちょこちょこちょ」コチョコチョ



絵里「ちょ、ちょっとにこ?! んっ?! くっ、うっ、ふっ、うっふっ」ピクピク

希「あっ/// んっ/// 脇はあかーん!」ビクビク




にこ「・・・・・足かせでもなんでもいいわよ」

絵里「えっ?」


にこ「私の傍に居たきゃ、そうすればいい。傍に居たくなきゃ、離れればいい」

にこ「私はどんなことがあったって大銀河宇宙No.1のスーパーアイドルになるから」


にこ「だけど、これだけは忘れないで」


にこ「悲しい時、寂しい時、笑いたい時・・・。そんな時は私を見なさい。絶対に笑顔にしてみせるんだから」

にこ「距離も時間も関係ない。いつだって、宇宙のどこに居たって、私はみんなの事を笑顔にする。今みたいにね」


にこ「それが矢澤にこというアイドルの使命だから」



絵里「・・・・・・・・・・・」ポカーン

希「・・・・・・・・・・・」ポカーン



にこ「な、なによっ」



絵里「にこっ・・・すてきっ///」ポッ

希「濡れてもうた。にこっち、抱いて」ズイッ


にこ「なっ!?/// そ、そういうのはダメ!/// にこはみんなのモノ!」





364: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/15(火) 22:05:19.26 ID:RDm79wnX0


海未「は、破廉恥ですぅ!///」

ことり「あははっ。絵里ちゃんも希ちゃんも、にこちゃんには敵わないね☆」

花陽「にこちゃんすごい・・・・!! あっという間にみんな笑顔にしちゃった!! あれが大銀河宇宙No.1アイドルの実力・・・・・!!!」

真姫「・・・・まるで魔法ね」カミノケクルクル

穂乃果「!!! うん! そう! にこちゃんはまほうつかいなんだよ! 笑顔を届けるにっこりの魔法でみんなを笑顔にしてくれるの! 幸せにしてくれるの!」

真姫「ふーん・・・」カミノケクルクル

凛「そういう真姫ちゃんは不機嫌そうだね?」

真姫「ヴぇつに・・・」カミノケクルクル

凛「あーわかったー。にこちゃんに構ってもらンガッ?!!」口抑えられ

真姫「・・・・・ふんっ」



希「なあ、にこっち。ライブが決まったら、そのチケット、ウチに頂戴な?」

にこ「ええ、もちろんよ。100億万円の価値がある最前席チケットを、と・く・べ・つ・に! 用意してやるわよ!」


真姫「!! わっ、私にもそのチケット・・・頂戴・・・よネッ!///」ボソッ

にこ「え~? 真姫ちゃんは~、自分で買えるんじゃ~?」

真姫「なによっ!」

にこ「冗談! ちゃんと真姫ちゃんにも用意するから! 楽しみにしてなさいよねっ!」ニコッ

真姫「/// あっ、当たり前よっ!///」プイッ

真姫「・・・・・・・・・・・アリガト///」ウツムキ



365: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/21(月) 17:04:23.50 ID:wOqE2sAw0

ことり「にこちゃんかぁっこいい♪」ギュ

にこ「ことり?」

凛「あ! ずるいにゃ!」ガバッ

にこ「わあ?! 危ないじゃない!」

凛「今の内ににこちゃんにいっぱい触っておきたいの!」ギュウ

花陽「に、にこちゃん・・・・私も///」ギュ

にこ「花陽まで~。もうっ、しょうがないわねー」ギュ

真姫「・・・・・・・・」にこ袖ギュ

海未「にこ・・・。宇宙No.1アイドルになるのはいいですが、そのために、まずは地道な練習の積み重ねが必要なはずです」

にこ「海未?」

海未「ですから・・・。その・・・。差し出がましいかもしれませんが・・・。まだ、今は、少なくとも卒業するまでは・・・。もっと、たくさん、私達と一緒に練習して、一緒にライブ、してください・・・・・・ね///」ニギ

にこ「もちろんよ!」


にこ「あんた達との時間はスーパーアイドルにこにーの原点。そして・・・みんなのために、いずれ私は―――」



にこ「アイドルの高見。必ず立ってみせるわ!」グッ



絵里「にこ///」スリスリ

希「にこっち~」ワシワシ

にこ「あっ?!/// ちょ、ちょっと! どさくさにまぎれて何やってのよ! んっ/// や、やめなさいってのぉ!」ジタバタ



穂乃果「にこちゃん・・・・!」

穂乃果(みんなに囲まれてる背の低い可愛いにこちゃん。そんな、にこちゃんだけど―――)

穂乃果(どうしてかな、夢を語った今のにこちゃんは、すごく大きく見える。逞しく見える。真っ直ぐな眼差しが、眩しいくらいに輝いてる。かっこいい)


366: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/21(月) 17:09:33.10 ID:wOqE2sAw0


穂乃果(にこちゃんはやっぱりすごい)

穂乃果(根拠なんてないけど、にこちゃんだったら、本当になんでもできるって、そう思える。確信が持てる)


穂乃果「あっ・・・」


穂乃果(そっか・・・。私分かったよ)

穂乃果(“夢”を叶えるのに根拠なんていらないんだ。理屈じゃないんだ)

穂乃果(人間その気になれば、なんだってできる!)

穂乃果(そっか・・・。そっか! やっぱりあれは間違ってなかった!)

穂乃果(にこちゃん! 教えてくれてありがとう!)




穂乃果「にこちゃーん!!!」ガバッ

にこ「ああもう! 穂乃果までぇ! あんた達、重いっての! もう離れなさ―い!」











叶え! みんなの“夢”! ☆彡。.:・*゚











おわり



369: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 15:31:27.83 ID:gh46qSlQ0


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 


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三月末日
アイドル研究部 部室




ガチャ

にこ「あっ! 何よこれ!」

にこ「穂乃果と絵里が付けてた変な片メガネ、可愛くなるヘアバンド、賢くなる帽子、広島弁になる小刀・・・他にも一杯!」

にこ「せっかく片付けたのに! 誰よガラクタをこんなに散らかしたのは!」プンプン

にこ「ん? 書置きがある。なになに?」

“ちょっと置いてるだけだから! 捨てないでね!  by穂乃果”

にこ「穂乃果ね! もー! 許さないわよ! ガツンと言ってやる! ・・・・・」


にこ「・・・・・・やっぱいいか」


にこ「もう、私は部長でもなんでもないんだし。口出ししちゃだめよね。あの子らには、あの子らのやり方があるんだから」

にこ「それに、最後、最後って言い訳して・・・未練がましく今日来ちゃった私なんかが、偉そうな事言えないわよね」

にこ「・・・・・・・」

にこ「はあー。まったく、こんなんで大丈夫なんでしょうねえ穂乃果は」

にこ「まあ、海未あたりが黙ってないでしょうから、大丈夫かな」クスッ

にこ「・・・・・・・・・・」


トコトコ

ストン


にこ「・・・・・・・・・」

シーン....

にこ「静かね・・・・」

にこ「部室に一人いるこの感じ、久しぶり。一年ぶり・・・ってとこかしら」

にこ「でも、あの時と、なんか違うのよね」

にこ「なんでかしら。あの時は運動部の子達の声とか、遠くから聞こえてたりしてたけど、それが無いからかしら」

にこ「それにここにあった、ポスター、雑誌、DVDも全部持ち帰って、すっきりしちゃったし」

にこ「・・・・ううん。それだけじゃないかな。ラブライブの優勝旗とトロフィーがあるし、そしてなにより・・・・」

にこ「今は傍にはいないけど、私はもう一人じゃないから」


にこ「そう思うと、なんだか、すごく、胸が温かい・・・」キュ

にこ「心地よい・・・・」

シーン....

にこ「本当に静か・・・。まるで学校そのものが眠ってるみたい」

にこ「後数日もすれば、学校が目を覚まして、在校生とたくさんの新入生を向かい入れるのね・・・」

にこ「ふふっ、私ったらロマンチストね」

シーン....

にこ「・・・・・学校が眠ってる・・・・か」

370: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 15:37:35.05 ID:gh46qSlQ0

にこ「あっ、そうだ」

にこ「穂乃果が置いたガラクタの中に・・・」ガサゴソ

にこ「あった。これ、確か夢の赤い糸って言ってたわよね」

にこ「これを眠った相手に結んで、自分も眠ると未来の夢を見られるとか」

にこ「眠っている “学校” に対しても使えるのかしら・・・?」


にこ「・・・・・使えたとして、未来って、見てもいいものなのかな」

にこ「軽々しく未来を見るのって、よくない・・・。穂乃果がそんなこと漏らしてた気がする」

にこ「もしかしたら、知らなきゃ良かったなんて思えるような辛いことがあるかもしれない・・・」



にこ「・・・・・・」

にこ「・・・・・・」

にこ「・・・・・・いいよね」

にこ「私はアイドル研究部の創部者として、例え辛い未来があったとしても、それを見届ける義務がある!」

にこ「よしっ、使っちゃお」

にこ「えーっと、まずは私の小指に結んで、もう片方は・・・。どこに付ければいいのかしら」

にこ「学校に取り付けるってどうやるのかしら? 壁とかかな? でも、壁に結ぶのってどうやったら・・・??」

にこ「うーむ・・・」


ヒラッ....



にこ「あっ、桜の花びらが、部室に入って来た」



ヒラッ, ヒラッ



にこ「きれい・・・・」

にこ「音ノ木坂学院には桜の木がたくさんあるものね」

にこ「桜の木・・・・」

にこ「音ノ木・・・・」

にこ「・・・・あっ! そうだ!」タタッ


---------------



にこ「この学校が、始まった時からある、桜の古木」

にこ「桜の花、きれい・・・・満開ね」

サザー....

にこ「んっ、風が・・・」


ヒラ   ヒラ  ヒラ ヒラ 
  ヒラ  ヒラ
 ヒラ  ヒラ  ヒラ

371: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 15:41:20.54 ID:gh46qSlQ0


にこ「わぁ・・・。桜吹雪が・・・・。きれい」

サザー....

にこ「春風も、暖かくて、いい匂いで、気持ちい・・・・」



にこ「・・・・噂があったわね」

にこ「この桜の大木は、音ノ木坂学院の歴史そのものと言える古木。廃校と同時に力尽きて倒れてしまうんじゃないかって」

にこ「・・・・こんなのにも立派な桜吹雪を降らせているのに、力尽きるとは思えないんだけど」

にこ「何より、もう廃校からは救われているんだから、大丈夫よね?」


サワサワ....


にこ「よっと」タッ

にこ「・・・・改めて近くで見ると、本当に大きな桜の木ね。古いけど、すごくしっかりしてて、なんか見てるだけで心強く感じる」

にこ「さて、どこかに夢の赤い糸を結べそうなところは・・・」マジマジ

にこ「あら、こんな所に新しい枝木が生えてる?」


にこ「・・・・・ふふっ」

にこ「誰よ、枯れるなんて言ってたのは」

にこ「なんか嬉しい。廃校から救ったから、生えてくれたみたいで」


にこ「ちょっとの間だけ、軽く糸を結ばせてもらうわね」キュ

にこ「それから、座ってと。背中を寄りかからせてね」ストン

にこ「よし、これで後は私が眠れば、未来の学校を見られるはず」



サワサワ.....



にこ「すー・・・、はー・・・」

にこ「春の暖かい良い匂い・・・」

にこ「木漏れ日と、桜吹雪に包まれて・・・・」

にこ「それに、周りはとても静かで、枝が風に揺れる音だけが聞こえて、それが心地よい・・・。とても穏やかな気分・・・・」

にこ「すぐに・・・・眠れそ・・・・・」

にこ「・・・・・・すぅ」



372: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 15:48:22.70 ID:gh46qSlQ0

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・





にこ『・・・・・・・』

にこ『・・・・・・・』


にこ『・・・・んっ』

にこ『んんっ・・・・・?』

にこ『あ、あれ? いつのまにか、私、部室に戻ってきちゃった?』


ガチャ


凛「あれ~? 部室、こんなに寂しかったっけ・・・。がら~んとしてるにゃぁ・・・」

にこ『り、凛?!』ビクッ

にこ『なんであなた、いまここに・・・』

真姫「ここにあったポスター、雑誌、DVD類は全部にこちゃんが持ち帰ったじゃない」

凛「そっかあ・・・。あるのはラブライブの優勝旗とトロフィーだけ・・・じゃない?!」

花陽「何か見覚えがある物がたくさん置いてあるけど・・・」

にこ『ね、ねえ、あなたたち、ちょっと』

凛「あっ! この前遊んだオモチャだにゃ! あー、穂乃果ちゃんが置きっぱなしにしたんだ。よーし! うーみーちゃんにー、言―ってやろー♪」

真姫「あのくだらない機械ね。せっかっく片付けたのに散らかさないで欲しいわ!」


にこ『真姫、花陽・・・』

にこ『・・・・私が見えてないの?』

にこ『私はここにいるけど・・・いない』

にこ『おかしい・・・でも、おかしいとは思えない』

にこ『・・・・なんだろ。この感覚・・・。ふわふわして・・・学校全体が見える・・・感じられるような・・・』

にこ『不思議・・・』


花陽「あはは・・・。とりあえず、これは端っこに置かせてもらおう。代わりにこっちを」ドサドサッ

凛「それは何?」

花陽「家にある資料を持ってきたの♪」

凛「おおっ、かよちんちにあったポスター、雑誌、DVDだね! これを置けば元通りにゃー!」

真姫「ちょっとー。部室、せっかくすっきりしてたのに、またごちゃごちゃにするの? 私は嫌よ」カミノケクルクル

凛「ほらほら真姫ちゃんも出すの手伝うにゃー!」

真姫「ちょっと聞いてるの?! ・・・・もうっ! まったくー、しょうがないわねー!」


雪穂「あっ! あのっ! 手伝いますっ」

亜里沙「私もやります!」


花陽「そんな悪いよぉ。入学式が終わったばかりなのに」

雪穂「い、いえ! 無理言って部室を見させて頂きましたし、なにより後輩としてお手伝いするのは当然ですから!」ガチガチ

亜里沙「そうですっ!」ガチガチ

凛「二人ともー! なんでそんなに緊張してるのー? ミュ―――ア、アイドル研究部に先輩後輩は無いんだから!」ニコッ

373: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 15:58:27.51 ID:gh46qSlQ0

雪穂「それは、頭では分かってるんですけど・・・。な、なんというかやっぱり恐れ多いです・・・!」

凛「えー? なんでー?」

雪穂「皆さんと同じオトノキの制服を着て、オトノキの部活動を新しく一緒にやるんだと思うと、やっぱり先輩だなって意識してしまって・・・。それに皆さんは本当にすごい人達ですし!」

亜里沙「うんうん!」コクッコクッ

凛「そんな///」テヘテヘ


花陽「ありがとう、雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん。でも、やっぱりお手伝いはいいよ」

凛「あ、うん! だってね、これから来週にある新入生歓迎会でやるライブの作戦会議もやるの! だから二人は早く行った行った!」

雪穂「えっ、でも・・・」

花陽「その気持ちは嬉しいよ。でも、ご家族の人待ってるんじゃない? 穂乃果ちゃんの生徒会長の仕事もそろそろ終わる頃だし。写真とか撮りたいでしょ」

雪穂「写真・・・!」

雪穂「そうですね・・・。私、お姉ちゃんと一緒の制服着て、家族で一緒に写真に写るのが“夢”だったんです」

花陽「うん」ニコッ

花陽「その“夢”早く叶えきゃ」

真姫「早く行かないと、桜散っちゃうわよ」ニコッ

雪穂「・・・・・はい。はい! では、すいません! し、失礼します!」

亜里沙「しつれいします!」

花陽「うん、また明日ね」

真姫「またね」

凛「ライブ、楽しみにしててねー!」

ゆきあり「「はいっ!」」

雪穂「亜里沙、行こう!」

亜里沙「うんっ!」


ガチャ
タッタッタッ....


花陽「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん。可愛くって、とっても元気」

花陽「よかったあ・・・少なくとも、そんな二人は絶対アイドル研究部に入ってくれるから・・・」

真姫「なに? もしかして、アイドル研究部に入ってくれる新入生が全然いないんじゃないかとか、そんな心配してたわけ?」

花陽「うん・・・・・」

真姫「私達、あんなに目立ったのよ? きっとたくさんの新入生が入部してくれるわよ」

花陽「そうだといいんだけど・・・」


凛「・・・・・・・なんか、足りない」

真姫「凛? なんかってなによ。また部室ごちゃごちゃにするのに」

凛「そうじゃなくてさぁ・・・」

凛「そうだ、にこちゃんだ」

真姫「にこちゃん?」

凛「そうそう、一年生組と言ったら、凛とかよちんと真姫ちゃんとにこちゃんにゃ」

真姫「ああ・・・確かに4人で一緒にいる事は多かった気がするわね」

凛「はぁー・・・・。飽きるぐらい一緒にいたはずなのになー・・・いざいなくなると・・・」グテー

374: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 16:05:48.53 ID:gh46qSlQ0

真姫「そうね・・・。凛の言う通り、物足りないわね・・・」

にこ『ちょっと! あなた達はもう一年生じゃないし! そもそも私はあなた達より上級生なんだけど! 失礼ね!』

真姫「いつまでも引きずるのはやめましょう。これから忙しくなるんだから」

凛「そうだね。気持ちを新たにしないと」


凛「あっ! そうだ! 気持ちを新たにってことで、新しい部の基本方針! みたいなの決めない?」

真姫「あらいいわね、それ。音ノ木坂スクールアイドルをする上での信念みたいなやつね」

花陽「信念かぁ・・・・。あっ!」

花陽「だったらあれしかないよ!」

凛「なになに?」

花陽「アイドルは笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事!」

にこ『あ、あら/// 花陽、分かってるじゃない///』

凛「えー? またそれー? 毎日聞かされてたから飽きたにゃー・・・・」

花陽「それだけ大事ってことなの!」

凛「うーん・・・。かよちん部長がそう言うなら・・・」

真姫「まあ、それが第一にあってもいいけど・・・。もっと、他にも無いかしら。私達らしい色っていうか、そういうのを出していきたいんだけど」

凛「そーにゃ! そーにゃ! アイドル研究部はかよちん部長の部なんだから、かよちん部長が新しく何か考えなきゃ!」

にこ『一理あるわね。いつまでも私の真似をしてたんじゃ進歩しないわよ』

花陽「えっ? そ、そうかなあ・・・?」

真姫「新しい基本方針、作りましょうよ。何かない? アイドルをするときに心がけるべきことでいいんだけど」

花陽「えっと・・・。それじゃあ、穂乃果ちゃん達の意見を―――」

真姫「花陽。それは待った」

花陽「えっ?」

真姫「確かに穂乃果達の意見を聞くのは重要。だけどね、生徒数が一気に増えた今、生徒会の運営は絵里が生徒会長をやっていた頃よりずっと忙しくなると思うの。ということは、アイドル研究部の運営は事実上私達だけでやらないといけなくなる」

真姫「これからは、何かあったら私達だけで判断して、こなさなきゃいけないことがたくさんあると思う。だから、今からでも穂乃果達に頼るのは、極力やめない?」

花陽「で、でも、上級生を差し置いて勝手にやるのは・・・」

凛「いいの! 穂乃果ちゃん達は確かに上級生だけど、アイドル研究部の部長はかよちんなの! だから、ここではかよちんが一番偉いんだから、だれも文句言わないよ!」

花陽「だ、だからって、私なんかが決めなくても・・・」

にこ『いい加減にしなさい花陽! 私はあなたを信じて部を託したのよ! あなたを信じたのはあなたのアイドルの知識だけじゃない、助けてくれる仲間がいるからなのよ! だから、そんな仲間の言う事にこれ以上耳を傾けないなんて許さないわよ!』

花陽「!」

375: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 16:47:52.08 ID:gh46qSlQ0

花陽「・・・・・・・あっ」

真姫「あった?」

花陽「うん・・・・」

凛「どんなの? 教えて教えて!」

花陽「全力投球・・・かな?」

真姫「全力投球? ・・・あらっ? それは・・・ふふっ、いいじゃない」ニコッ

凛「凛はライブの時はいつも全力投球だよ?」

花陽「私もそう。だけど、それより大事なのは、全力投球になる理由かなって」

凛「理由?」

花陽「うん。もちろん、一番の理由は、私達自身がアイドルをやりたいって気持ち。でも、それだけじゃダメ」

花陽「ライブってね、アイドル自身だけじゃ成り立たないの。衣装を作ってくれる人、作詞してくれる人、作曲してくれる人が必要なのはもちろん、お客さんの目の付かないところにも、音響さんがいて、照明さんがいて、お客さんの誘導をしてくる人がいて、・・・それ以外にも、私達が気が付かないだけで協力してくる人ってたくさんいると思うの。そのみんなが人生の大事な時間を使ってね・・・そして、素晴らしいライブを作り上げていく」

花陽「そういった人達の輪の中に私がいるって想うと、すごく幸せ。だから、私は手を抜けない。私にできることが少しでもあれば、それに全力投球したい」

凛「かよちん部長・・・!! すごいにゃ! 感動したにゃ!」

花陽「う、うん。だけど、ごめんね。これ、私自身の考えじゃなくて、実は受け売りなんだ・・・」

真姫「そんなの関係ないわ。花陽は長年アイドルを見続けてきて、アイドルの表面じゃなくて、裏側も良く知っている。そんな花陽らしい考えだと思う」

にこ『花陽・・・! いいじゃない! さすが私が見込んだだけの事はあるわ』ホロリ

凛「うん! これで部の基本方針が決まった!」

凛「でも、アイドルの裏側だったら、にこちゃんもよく知ってそうだけど、そんな大事な事、どうして今まで同じ部長だったにこちゃんは教えてくれなかったんだろうね?」

にこ『!?』ギクッ

花陽「多分、穂乃果ちゃん達が最初はメンバー集めや協力者集めとかの全くのゼロからスタートしたから、わざわざ言う必要は無いって思ってたんじゃないかなあ」

凛「そうかなー?」

にこ『そ、そうよ! 私だってゼロからスタートしたんだから良く分かってたけど、言わなくても分かってるだろうからあえて言わなかったのよ!』

真姫「今のにこちゃんが聞いてたら、きっと震え声で、『そ、そうよ! 私だってゼロからスタートしたんだから良く分かってたけど、言わなくても分かってるだろうからあえて言わなかったのよ!』とか言ってそう」

にこ『!?』ギクッ

凛「あははっ! 絶対言ってるにゃー!」

真姫「でも、そう考えると、花陽の言ったことは初心を忘れるべからずとも言えるかしら。にこちゃん、プロのアイドルを目指すのはいいけど、有名になって浮かれてしまって、それで支えてくれる人達の事忘れてしまう・・・・そんな人にはなって欲しくないわよね」

にこ『わ、分かってるわよ! 言われるまでも無い!』

花陽「にこちゃんは一杯苦労した人だから大丈夫だよ。だけど、これから入ってる新入生はゼロからのスタートじゃない。メンバーも協力してくる人も既に居る環境が整ってる。だから、新入生達には、全力投球の意味をちゃんと心に留め置いて欲しい」

真姫「賛成」

凛「任せるにゃ! 叩き込むにゃ!」

花陽「そしてね、にこちゃんは遊びに来てくれるって言ってたから、それまでに、にこちゃんだってびっくりするぐらいすごい部にしておきたいな」

凛「にこちゃんだけじゃなくって、希ちゃんと絵里ちゃんも腰を抜かしちゃうくらいのスーパーアイドルグループにするにゃ!」

真姫「そうね。にぎやかな部にするって約束したし」

凛「うん! 早くみんなに会いたい!」

花陽「うん。会いたいね」


376: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 17:11:34.34 ID:gh46qSlQ0


花陽「・・・・ねえ、今から一緒に歌わない?」

真姫「なによ急に」

花陽「会いたいって気分なら歌うのが一番かなって思ったの!」

真姫「・・・・そう。いいわよ。だって、私達はいつでも歌で繋がれるものね。例え遠くにいたってかまわない」

凛「うん! 歌で繋がる! それは、みんなきっと胸の奥でわかりあえている事だからね!」




にこ『真姫、凛、花陽・・・』

にこ『分かってるわよ。私も、繋がれる』

にこ『・・・・・・ありがとう、穂乃果。ここを創部した私だけど、遠くにいても繋がれるみんなをここに連れてきた、そんな奇跡を起こしたのは穂乃果だものね』

にこ『あんたがいなかったら私はみんなと仲間になれなかった』

にこ『ありがとう。穂乃果』


にこ『あれ? そういえば、その穂乃果がここにいないじゃない』

にこ『穂乃果はどうしているのかしら・・・』



---------------




にこ『あれ・・・? ここ、部室じゃない・・・?』

にこ『生徒会室かな』



ガチャ

穂乃果「でぅあー! 緊張したー!!」バタッ


にこ『穂乃果?』

にこ『・・・・んっ? 穂乃果、ちょっと髪伸ばしたかしら? 気のせいかな』


ことり「お疲れ様、穂乃果ちゃん♪ カッコ良かったよ♪」

海未「お疲れ様でした。・・・・それにしても、絵里の言う通りギスギスした雰囲気でしたね。こちらが懇切丁寧に説明しているのに、言葉尻を捉えてはいつまでもネチネチと・・・」

穂乃果「あっ、うんー・・・。A-RISEの人達は私達の事応援して協力してくれる親切な人達だったから、それと同じように和気あいあいとやれると思ってたのになー・・・」

海未「そうはいけませんでしたね。なんだか、あの人達は常に上から目線でしたし。新しい学校というだけでエリート意識でもあるのでしょうか。音ノ木坂のことを古臭い等と見下している感じでしたね」

ことり「ちょっと怖かったよね・・・。そんな音ノ木坂にUTX入学志望の人がたくさん流れたのを良く思ってないのかも?」

海未「ええ、そうでしょうね。その上、UTXの象徴ともいえるA-RISEに勝ったなど、私達が予想以上に活躍されたのも余計に悔しいのでしょう。いい気味です」

ことり「うん・・・。だけど、それはそれで、これからもあんな雰囲気で連絡会をしなきゃいけないって、そう思と、気が重くなるねぇ・・・・」

海未「そうですね・・・・・」

海未「・・・・・・・・」

ことり「・・・・・・・」

377: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 17:17:02.55 ID:gh46qSlQ0


穂乃果「大丈夫」

ことうみ「えっ?」

穂乃果「なんとかなるよ」

海未「なんとかって・・・。またそんな根拠のないことを」

穂乃果「大丈夫なの」

穂乃果「後数カ月。次の生徒会長さんのためにも、がんばって仲良くなろっ」ニコッ

海未「確かに、我が校とUTXの関係を改善したうえで次生徒会長に引継ができれば、それはとても良い事です。しかし、あのUTXの方々は一筋縄でいくとは思えませんが・・・」

ことり「できるよ」

海未「ことり・・・?」

ことり「私は穂乃果ちゃんを信じる」

海未「・・・・・・・・・はぁ」

海未「・・・まったく、ことりは穂乃果に甘いんですから」

ことり「うふふ」ニコッ

穂乃果「UTXの人達だって、きっと毎日努力して真剣にやって来た人ばっかりだよ。だからそれだけ、悔しくなる気持ちも強くなっちゃうんだよ」

海未「穂乃果・・・・」

穂乃果「だからさ、UTXの人達を悪く言うのは、もうやめよう?」

海未「・・・・・・・ええ、分かりました」

海未「関係改善を図るには、まずこちらから手を広げて歩み寄らないといけませんもんね。私が浅はかでした・・・・すみません・・・」

穂乃果「ううん! いいの!」

穂乃果「それじゃあ、海未ちゃんの理解を得られたところで! 練習に―――」

海未「行きませんよ」

穂乃果「へっ?! な、なぜに?! 新年度明けの忙しい生徒会の運営もやっと一息ついた所じゃん!」

海未「穂乃果の前回の小テスト、酷い結果でしたよね」

穂乃果「そ、そうだけど・・・」

海未「そして、もうすぐ中間試験です」

穂乃果「分かってるよぉ・・・。だから、試験前には勉強して赤点を取らないくらいには―――」

海未「赤点を取らなければいいと言うものではありません!」ダンッ

穂乃果「ひぃ?!」ビクッ

海未「貴女は生徒会長なのですよ! 全生徒の模範となるべき存在なのですよ! それが赤点ギリギリでどうするんですかっ!! 去年の今頃の絵里を思い出しなさい!!」

穂乃果「ううぅ・・・だってぇ・・・」イジイジ

海未「だっても何もありません!」

ことり「まあまあ、海未ちゃん。たまにはアイドル研究部の方も少し助けあげないと。ね。」

穂乃果「そうだそうだ!」ブーブー

海未「必要ありません! アイドルの基本知識は花陽が、ダンスレッスンは凛が、歌や音楽の指導は真姫がちゃんとやっています! むしろ私達がいると邪魔になります! だから今は自分の事に集中なさい!」

穂乃果「うう! 海未ちゃんのオニー! アクマー! ペチャパイー! むっつりスケベ―! 変顔げいにーん! お前のかーちゃんびーじーんー!」

海未「・・・・・」ゴゴゴゴゴ

穂乃果「ヒェッ......」

ことり「まぁまぁ、落ち着いて・・・」アセアセ


378: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 17:32:43.39 ID:gh46qSlQ0


にこ『生徒数もすごい増えただろうし、生徒会は大変そうね』

にこ『穂乃果達は、全然変わってないようだけど、大変なりにやっぱり成長してる気がする』


にこ『・・・・・大変かもしれないけど』

にこ『・・・・・・穂乃果! もっと成長しなさいよ!』

にこ『今の音ノ木坂学院の盛り上がりをいっときで終わらせたら承知しないんだから!』


穂乃果「!」

ことり「どうしたの?」

穂乃果「ううん、なんでもない」


穂乃果「・・・・・・・・ねえ、海未ちゃん」

海未「なんですかっ。言い訳は聞きませんよ!」

穂乃果「それと、ことりちゃん」

ことり「うん?」

穂乃果「こっちきて」

海未「なんなんですか、もう」スタスタ

ことり「どうしたの」トコトコ

ギュゥ

ことり「わっ?! ほ、ホノカチャン?///」

海未「あ! ちょ、ちょっと穂乃果/// 何してるんですか!/// こんなことで誤魔化せるなんて思わないでください!///」ギュ

穂乃果「あのね」

穂乃果「私、恩返しがしたいの」

海未「な、何を突然に」

ことり「誰に?」

穂乃果「みんなに!」

海未「みんな? ミュ―――元μ’sのみんなにですか?」

穂乃果「それも含めてもっと大きく! ヒデコ、フミコ、ミカ、理事長、みんなのお父さんお母さん、SUNNY DAY SONGで協力してくれたみんな、ライブで応援してくれたみんな・・・とにかく私達を支えてくれたみんなにお礼をしたいの!」

海未「はぁ・・・。また、突拍子の無いこと言いますね。ですが、恩返しをするというのには賛成します」

ことり「でもどうやるの? また、お餅を作る?」

穂乃果「それもちょっと考えたけど、物凄い量になるからやめた!」

海未「当然です・・・。それで、他に何か考えがあるんですか?」

穂乃果「それはね・・・!!」

ことうみ「「それは?」」

穂乃果「私が成長する!」

ことうみ「「成長???」」

穂乃果「そう! 例えばね、もっと歌えるようになりたい! 英語の歌とか歌えるようになって、もっと色んな人に私の歌を聞いて欲しい!」

海未「それがどうして恩返しになるんですか?」

穂乃果「えっとね―――」

穂乃果「人から支えられえて成長し、身に付けた力で人を支えたい。支え、支えられて、さらには色んな人の力を借りて、一緒に輝ける何かを築いていきたい。誰かの心を動かす何かに、少しでいいから貢献したい」

海未「えっ、あ、あなたは穂乃果ですか?」

穂乃果「私だよっ! ・・・ま、まあ、今のは厳密に言えば、今のは受け売りなんだけど・・・」

海未「ほっ。そうですよね。随分しっかりした言葉でしたから、びっくりしましたよ」

379: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 17:44:17.29 ID:gh46qSlQ0

穂乃果「とにかく! 私はもっと成長したいの! もっと進みたい! もっと活躍したい! もっと飛びたいの! 誰かの心を動かす歌を歌えるようになりたい! それが私達を支えてくれたみんなへの恩返しになると思うの!」

穂乃果「μ’sの夢は叶ったから、これが私の新しい“夢”! だから、海未ちゃん! ことりちゃん!」

海未「はい」

ことり「はーい♪」

穂乃果「二人とも! 私と一緒にやって! お願い!」

ことり「もっちろん! 私は穂乃果ちゃんが行くところならどこまでも付いていくよ♪」

海未「行くって・・・次はどこへ行くと言うんですか、もうっ。・・・しかし、嫌だと言っても穂乃果は無理矢理私達を引きずり込むんですから仕方ありませんね・・・!」

ことり「どこへでも行けるよね! みんなの声でいつまでも飛べるもん!」

穂乃果「そう! 元気いっぱいにね!」

ことり「げんきいっぱい!」

穂乃果「またとーべーるよー!!!」




にこ『支えてくれた人のために恩返し・・・・か』

にこ『支えてくれる人は大事よね』

にこ『花陽も同じような事言ってたわね。ライブは一人じゃできない、協力してくれている人が必ずいる。その人達のために、手を抜かず、全力投球するって』

にこ『私も、支えてくれる人達に恩返しをするつもりで、常に全力投球をしなきゃ』

にこ『・・・こんな、大事な事、私知ってたはずなのに、改めて後輩達に気付かされるなんて、ちょっと悔しいわね』

にこ『でも、逆に言えば、この考えを持ってる穂乃果達や花陽達はこれからも安心ってこと』

にこ『頼むわよ』


にこ『んー・・・。今度は新入生がどんな子達かちょっと気になってきたわ』



---------------


「あ! おねえちゃーん!」タッタッ

「亜里沙、おまたせ」


にこ『・・・・んっ?』

にこ『あら、あの二人、珍しい、金髪の子じゃない。しかもルックスいい』

にこ『おっと、一人は亜里沙ちゃんだった。もう一人は誰かしら。同じく新入生かしら?』


亜里沙「本当に来てくれた! ありがとう! ありがとう!」ピョンピョン

「もうっ、そんなにはしゃがないの。練習前に体力使っちゃだめでしょ」


にこ『もう一人の方、なによあいつ、新入生のくせして、随分態度でかいのね。背も高いし。・・・・おっぱいも大きい。なんかナマイキね』

にこ『絵里を思い出す―――って! あれ、絵里じゃないの!!!!』

にこ『なんで絵里が学校にいるのよ!? 卒業したのになんで普通に登校してんのよ!!』


亜里沙「う、うん。ごめんね。でも、私、嬉しくって・・・!」

絵里「大げさね」

亜里沙「あの・・・っ!」

絵里「どうしたの?」

380: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 17:48:36.87 ID:gh46qSlQ0

亜里沙「本当にごめんなさい・・・・。お姉ちゃんは卒業して次の道に進まなきゃいけないのに、私のわがままに付き合わせちゃって・・・・・」

絵里「亜里沙・・・・」ポンッ ナデナデ

亜里沙「んっ///」

絵里「わがままじゃないでしょ」ナデナデ

亜里沙「お姉ちゃん・・・・」

絵里「亜里沙が本当にやりたいことは?」

亜里沙「・・・うん。亜里沙、どうしても、お姉ちゃんと一緒にライブをやりたい・・・!」

絵里「そう。それでいいの。本当にやりたいことから目を逸らしちゃダメ」

絵里「“夢”は、見る物じゃなくて、叶える物、だから」


にこ『絵里・・・』


亜里沙「で、でも、お姉ちゃん、本当に大丈夫? 迷惑じゃない? 大変じゃない?」

絵里「そんなの知らないわ。大切な妹のためだったら、私は何だってするわ♪」

亜里沙「お姉ちゃん・・・・!」

亜里沙「うん、うん! ありがとうお姉ちゃん!」


亜里沙「あっ! そうだっ!」

絵里「どうしたの?」

亜里沙「ユキホと穂乃果さんにユニット組みませんかって誘ってもいい?」

絵里「あら、いいじゃない。シスターズ ってところかしら? ふふっ」

亜里沙「シスターズ!」



にこ『そう・・・。亜里沙ちゃんは、絵里と歌いたかったのね。それが“夢”だったのね』

にこ『・・・ここは、“夢”が叶う場所。そして新しい“夢”が生まれる場所。絵里、あなたなら良く知っているでしょ』

にこ『だから、絵里』

にこ『あんなにも感動的な卒業式をしてくれた後に、OGが在校生の部活のために学校に何度なく登校するのは、なんかちょっと恥ずかしい気もするんだけど・・・』

にこ『亜里沙ちゃんのためなんだから! しっかりやりなさいよ!』



絵里「!」

絵里「・・・・ふふっ」ニコッ

亜里沙「お姉ちゃん?」

絵里「あ、いえ、なんでもないわ。さ、穂乃果の所に行きましょう」スッ

亜里沙「うん!」ギュ トコトコ



381: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 17:54:49.43 ID:gh46qSlQ0



---------------


にこ『あら、あの音楽室に居る子』

にこ『あの子も新入生かしら』

にこ『エレナみたいな髪質の子』


ポロン~♪

ポロン~♪


にこ『へえ、ピアノ弾けるの』


~~♪

~~♪


にこ『んんっ? あれは・・・バイオリン? も弾けるの。すごいじゃない』

にこ『でも、あの子。なんというか・・・地味ね。地味地味。入部前の花陽並みに地味。誰も居ない音楽室で一人でピアノやバイオリンを弾いてるんだもん。真姫みたい』


~~♪

~~♪


にこ『・・・・でも』


~~♪

~~♪


にこ『うん・・・・。いい』

にこ『私の高性能カワイコレーダーが反応してる。埋もれるアイドルガールって所ね』

にこ『地味だろうがなんだろうが、あんなに楽しそうに音楽に触れているなら、絶対にアイドルに向いてる。磨けば光る。真姫や花陽がそうであったようにね。大銀河宇宙No.1アイドルの私がそう思うんだから間違いない!』

にこ『そこのあんた! 絶対アイドル研究部に入りなさいよ!!!』



梨子「わっ?! だ、だれかいるの・・・?」キョロキョロ

梨子「アイドル・・・?」

梨子「私、地味だし、アイドルなんて向いてないよ・・・・」

梨子「・・・・・・・・・・」


梨子「アイドル・・・・」







---------------



亜里沙「おーい! おはよう!」

雪穂「遅いよ」

亜里沙「えへへ、ごめんね」




382: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 18:58:14.78 ID:gh46qSlQ0


にこ『雪穂ちゃんと、亜里沙ちゃん』

にこ『あれ? なんか急に大人っぽくなったわね。・・・・・なんか、胸も大きいような』

にこ『あっ・・・・二人とも緑色のリボン・・・。そういこと』

にこ『んっ? おかしいわね。この夢の赤い糸で見ている夢の中では、使われている本人以外は未来の姿にならないって穂乃果が言ってた気がするけど』

にこ『・・・・・生徒達は学校の一部ってことかしら』

にこ『・・・そうよね、生徒のいない学校は学校じゃないもんね・・・』


雪穂「いい? まずは一年生に私たちの活動の内容を伝える。もし興味を持ってもらえたら、今度はライブに来てもらう」

亜里沙「大丈夫、任せて!」

雪穂「ほんとかなぁ・・・」


にこ『雪穂ちゃんは、姉に似ないで、クールでしっかりしているわね』

にこ『亜里沙ちゃんの方は・・・。姉に似て、ポンコツな気がする・・・』




雪穂「スクールアイドル、μ's。それは、この音ノ木坂学院で生まれました」

亜里沙「当時、廃校の危機にあった学校を救い、ラブライブ優勝に続きドーム大会と躍進しました」

雪穂「私達は、その想いを受け継いで今まで活動してきました」


にこ『雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん・・・・』

にこ『亜里沙ちゃんが持ってるノート。真姫の作曲ノートよね、あれ』

にこ『μ’sを受け継いで・・・か』グスッ

にこ『しかも、私の作ったアイドル研究部にあんなにたくさん人がいるなんて・・・!』

にこ『穂乃果、花陽、雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん・・・。ありがとう、にぎやかな部にしてくれてありがとう!』

にこ『すごく嬉しい! ありがとう!』

にこ『ありがとうと なんども言ってもまだ足りない ねっ!』



---------------



にこ『桜の木・・・・? 満開だ』

にこ『あっ、私が眠った時間と場所に戻ってきたのかな』

「矢澤部長!」

にこ『はいっ!?』ビクッ

「はい?」クルッ

「矢澤部長―! あははっ」

にこ『えっ? 私が見えてるの?』

「どうしたの?」

「んーん」

「そう。・・・・・その呼ばれ方、やっぱり恥ずかしいですわ」


にこ『なんだ。別の人か。私と同じ苗字の子が、部長になるのかしら』

にこ『・・・・にしても、この二人。なんか見たことある気が・・・』


383: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 19:03:40.67 ID:gh46qSlQ0


「いいじゃん! かっこいいよ!」

「もうっ」

「ねえねえ、にこお姉ちゃんも同じように呼ばれていたのかな?」



にこ『えっ?! にこ? わ、私・・・?』

にこ『・・・・“矢澤部長” “にこ”お姉ちゃん・・・』



「さあ、どうでしょう。当時から先輩後輩は無かったと聞いてますから、そのようなよそよそしい呼ばれ方はされてなかったかもしれませんね」

「そっかあ。とにかく、これからはにこお姉ちゃんみたくならなきゃだよね!」



にこ『えっ? ま、まさか・・・? この二人は・・・・』

にこ『こ、こ、こっ、こころとここあぁぁああ!!??』

にこ『えっ! えっ! うっそ! ホント?!』



こころ「お姉さまみたく・・・ですか。ふぅ・・・・」

ここあ「なーに、そのため息」



にこ『わあ! わあ///』

にこ『二人ともこんなに大きくなって・・・』

にこ『しかも音ノ木坂の制服着てる!!』

にこ『な、なにこれぇ/// やだもぉ///』ニヘラァ



こころ「いえ・・・。少し、プレッシャーを感じてて・・・・」

ここあ「ぷれっしゃー? なにそれ、おいしいの?」



にこ『うふっ///』ニヘ

にこ『うふっ。ふっ・・・うっ、うっ、ううぅ』

にこ『嬉しい・・・・すごい嬉しいよぉ・・・』ウルッ

にこ『毎日もやしばっかりしか食べさせてあげられてないのに、こんなにも大きくなって・・・・』ウルウル

にこ『お姉ちゃんより背、高いんじゃないの? もぉ、悔しいなぁ・・・・。悔しいけど・・・嬉しい。嬉し過ぎるよぉ・・・・えぐっ・・・』グシグシ



こころ「学校を廃校から救って、ライブライブで優勝して、アメリカやドーム大会でもライブをした・・・。そんな伝説的な活動を率いたお姉さまの部が長年代々受け継がれて、そして今度は私がその部を責任を持って背負うんです。しっかりやらないとお姉さまに顔向けできません!」

ここあ「へー」



にこ『こころぉ・・・。しっかり真面目に考えて・・・。責任感があって・・・偉いじゃない・・・』ウルウル

にこ『こころはね・・・いつもおとなしくて、聞き分けがよくて、ホントいい子。そんなこころだけど、それでもアイドル研究部の部長を引き受けたってことは、やっぱり注目されたくないわけじゃないんだよね』

にこ『やっぱり、この子はこころだなあ・・・・嬉しいよぉ・・・』グスグス

384: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 19:09:56.64 ID:gh46qSlQ0



こころ「それだけじゃないです。心配なのは私なんかがでしゃばってお姉さまの名に傷をつけてしまわないか・・・・・・」

ここあ「えー? そこ、そんな気にすること? だって、こころお姉ちゃんはにこにーより美人ってみんな言ってるよ?」



にこ『んん?! 私より美人ってどういうことよ!』

にこ『ま、まあ・・・・・。その通りな気もしなくはないけど///』テレッ

にこ『こころはママ似だもんね。美人だよ。うらやましい』ニコニコ

にこ『美人なんだから、私なんか気にしないでじゃんじゃん目立ってよ!』



こころ「恐れ多いですが、そう言って頂けるのは素直に嬉しいです」

こころ「ですけど・・・。部長に大事なのは皆さんをけん引するリーダー力を身に付ける事なんですよ。お姉さまがそうであったように」

ここあ「うーん? リーダー力って?」

こころ「ええ?! なんでそんなことも知ってないんですか! ここあはお姉さまの何を見ていたんですか!」

ここあ「ご、ごめん」

こころ「いいいですか! リーダー力とは―――」

こころ「まず、第一に誰よりも熱い情熱を持って、みんなを引っ張っていけること!」

こころ「次に、精神的支柱になれるだけの懐の大きさを持った人間であること!!」

こころ「そしてなにより! メンバーから尊敬される存在であること!!!」

こころ「これらがグループを率いるリーダーに求められる能力です!」

ここあ「うーん???」


にこ『えっ。私が部長やってた時って、こんな難しいこと考えたかしら・・・?』

にこ『それに、あんまりアイドルとしての目標が高すぎると・・・・・・いや! こころなら大丈夫よね!』


ここあ「そんなに難しい事ー? こころお姉ちゃんの方こそ、にこお姉ちゃんの事ちゃんと見てなかったんじゃない?」

こころ「むっ。どういう意味ですかっ!」

ここあ「じゃあ、聞くけど、音ノ木坂学院スクールアイドル研究部の第一基本方針は?」

こころ「“アイドルは笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔にさせる仕事!” です。なんでそんな当たり前のこと聞くんですか」


にこ『あ、あら/// まだそれ残ってるの?// ちょっと恥ずかしいわね///』


ここあ「そんじゃ、私のこと、よく見て」

こころ「今度はなんなんですか」ジッ

ここあ「いくよっ!」

ここあ「にっこにっこにー☆」


にこ『あっ、そうそう。私、難しい事あったら、いつもこれで誤魔化してたわ』


こころ「・・・・・・・」

ここあ「にっこにっこにー☆」

こころ「・・・・・にっこにっこにー」

ここあ「ほーら! もっと大きく!」

ここあ「にっこにっこにー!」

ここあ「それじゃ一緒に!」

こころあ「「にっこにっこにー☆」」

386: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 23:27:14.50 ID:gIN885L90




にこ『こころ ここあ・・・・。ふふっ』

にこ『どっちもやっぱりなんだか、私に似てるところがある気がする』

にこ『かわいい、ふたりの元気な妹たち』

にこ『うれしい・・・。うれしいなぁ・・・』





こころ「ふふっ」ニコッ

ここあ「ほら! 嬉しくなったよね! 笑顔になったよね!」

こころ「ええ、ドキッっとしちゃいました。笑顔にさせられちゃいました。さすが魔法の言葉です」

こころ「すいません、私、難しい事ばかりを考えて基本を見失ってました」

ここあ「いいの! にっこにっこにー☆ がすごいってだけのこと!」ニコッ

ここあ「なんたって、にっこにっこにーを一番うまくできるのは、にこお姉ちゃん以外だったら、絶対私達だよね! にこお姉ちゃん直伝だもん! これは大きなアドバンテージじゃない?」

こころ「はい、お姉さまと暮らしてた頃は毎日やっていたものね」

ここあ「うんうん! ・・・・にこお姉ちゃんが居た頃は、・・・・ね」

こころ「・・・・お姉さま、次はいつ会えるのでしょうか・・・・」



にこ『えっ?! な、何その反応・・・。私に全然会えてないの? 未来の私、そんなに忙しいのかしら・・・』



ここあ「うん・・・・」

こころ「十分すぎる程のお金はいつも送って頂いてますけど・・・。お金より・・・」

ここあ「うん・・・・。うん・・・。にこお姉ちゃんのもやしサラダ食べたい。ツナとマヨネーズ入ってるやつ」

こころ「はぁ・・・。私も・・・。シラスチャーハンとかうさぎさん目玉焼きを・・・いえ、贅沢は言いません。せめて、ちょっとだけでも会って頭撫でて欲しいです・・・・・」

ここあ「にこお姉ちゃんと一緒にお風呂入りたい・・・」

こころあ「・・・・・・・・」

こころ「・・・ううん!」

ここあ「?」

こころ「お姉さまは大変忙しいのです! わがままを言ってはいけません!」

こころ「なにより! お姉さまはみんなのお姉さまなんです! 家族だからと言って、私達が独占しては どぅめぇ どぅめぇ です!」ニコォ....

ここあ「そ、そうだね! 今までたっくさん面倒見てもらったもんね! それだでもすごいことだったよね!」ニコォ....



にこ『えっ?! ちょ、ちょっと! 何よこれ!』

にこ『未来の私は何やってるのよ! いくら忙しいからって一番笑顔にさせなきゃいけない大切な家族にこんなぎこちない笑顔をさせちゃダメじゃない!』



こころ「いつもお世話頂いた、そんなお姉さまに、何か恩返しができればいいのですが・・・・」

ここあ「う~ん~・・・。難しいね~・・・。にこお姉ちゃんはすごすぎるんだもん。私達なんかになにができるか・・・」



にこ『恩返し?! 何言ってるの! そんなこと考えなくていい!』

にこ『私がどんなに辛い時でもアイドルを続けられたのはあなた達家族のみんなが応援してくれたからなのに! だから恩返しするのは私の方よ!』

にこ『さっき穂乃果と花陽に気付かされたんだから! 支えてくれる人達に恩返しをするつもりで、常に全力投球をしなきゃって!』

387: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 23:42:37.14 ID:gIN885L90




サザー....

ヒラ   ヒラ  ヒラ ヒラ 
  ヒラ  ヒラ
 ヒラ  ヒラ  ヒラ


ここあ「わぁ・・・。桜吹雪が・・・・。きれい」

サザー....

こころ「春の暖かい良い匂い・・・」

こころ「・・・・噂があったの、知ってる?」

ここあ「噂?」

こころ「この桜の大木は、音ノ木坂学院の歴史そのものと言える古木。廃校と同時に力尽きて倒れてしまうんじゃないか・・・っていう噂が、お姉さまが在学中の頃にあったらしいんです」

ここあ「なーに、それー。ばっかばかしい。今だってこんなにすっごいきれいな桜吹雪を降らせているのにね」

こころ「はい。所詮はただの噂だった訳です」

ここあ「あー、でも。その噂が本当だったとすると、にこお姉ちゃんが廃校から救ったから、枯れなかったのかも?」

こころ「なるほど。そうかもしれません。そういうことだったら、今、この見事な満開の桜を見られるのは―――」

ここあ「にこお姉ちゃんのおかげだね」

こころ「ええ、そうです。やはり、お姉さまはすごいです」




にこ『未来の私が、有名になって浮かれてしまって、それで支えてくれた人達の事を忘れて、家族にも寂しい想いをさせているとしたら・・・・。そんなの、最低じゃない・・・』

にこ『みんなを心から笑顔にさせる事ができないなら大銀河宇宙No.1アイドルになる資格なんてないわよ! 分かってるの私?!』


にこ『・・・・・・・・笑顔にさせたい。・・・ここにいるこころとここあを心からの本当の笑顔にさせなきゃ!』

にこ『実際に二人に会いたい、会わなきゃ! そのためには・・・・ここは未来だから・・・そう! 今の私がずっと覚えておけばいい!』




........コッ, コッ, コッ, コッ,

こころ「あら? 向こうから人影が? 誰でしょう? 入学式はまだ数日後なのに」




にこ『こころとここあが音ノ木学院の制服を着て、桜が満開の日に二人はここにいる! この事はなにがなんでもずっと覚えておく! 二人に絶対に会う! 本当の笑顔させる!』




コッ, コッ, コッ, コッ,

ここあ「先生かな?」


388: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/28(月) 23:46:11.27 ID:gIN885L90


サザー....

ヒラ   ヒラ  ヒラ ヒラ 
  ヒラ  ヒラ
 ヒラ  ヒラ  ヒラ


こころ「んぅ。桜の花びらで良く見えません・・・」

ここあ「んー! 目に入りそ」ブンブン




にこ『こころ! ここあ! お姉ちゃんそこに行くからね! 絶対に笑顔にしてみせるからね!』




サザー.....
ファサァ



こころあ「「あっ・・・・」」


こころあ「「あ、あ、あああ!!////」」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・




カァー、カァー



にこ「・・・・・・・んっ」

にこ「・・・・・・」ムクッ

にこ「あれ? こころ? ここあ? いない」

にこ「あっ、私が起きたのか・・・」

にこ「日が暮れちゃってる」

にこ「・・・・・・・」


サワサワ...


にこ「すー・・・、はー・・・・」

にこ「・・・・・・・・」キョロキョロ

にこ「こうやって改めて見回してみると・・・・いつも通っていた学校が違って見える」

にこ「夕日が綺麗で・・・・学校が金色に染まってるみたい・・・」

にこ「今までずっと部室でパソコンいじってるか・・・その後はうるさいやつらの相手をしてたから、こんなに綺麗だったなんて・・・気が付かなかったなあ」

にこ「3年間、ずっといたのに・・・。こんな最後の最後に気が付くなんて、もったいなかったなあ・・・・」

にこ「・・・・・・・・」



にこ「・・・・・・・・」



389: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/29(火) 00:03:15.36 ID:ku4CKoIL0



にこ「・・・・・・・・3年かぁ」

にこ「長いようで、今思い返すと、ほんの一瞬だった・・・・」

にこ「そんな一瞬でも感動的で、素晴らしくて、夢みたいない一瞬だった・・・」


にこ「・・・・・・・・」


にこ「アイドルになりたいっていう無謀な夢から始まって・・・」

にこ「私みたいな無謀な夢を持った子達が集まって、夢を叶えるために、他学年や先生方も協力してくれて、ママ達や音ノ木坂の人、更には海外からも声がかかって・・・奇跡のようにすべてが繋がっていった」

にこ「一つ一つの事が、急で、大事で、はじめての事ばっかりで、先が見えなくてどうなるんだろうって不安もあったけど・・・」

にこ「ドキドキで毎日が冒険だった・・・」

にこ「でも、ふと振り返ると、いつでもそこには」クルッ


にこ「音ノ木坂学院。そして、学院が始まった時からある桜の木」ピタッ

にこ「ごつごつした木肌ね。だけど、本当にしっかりして、大きくて―――」ナデナデ

にこ「大きくて、古いけど、すごくしっかりしてる。触ってみると、力を貰える気がする」

にこ「それもそのはずだよね」

にこ「穂乃果が言ってた。ここには、穂乃果のひいおばあちゃんもおばあちゃんもお母さんも通ってたって」

にこ「音ノ坂学院には、途方もない歴史があって、それだけ数えきれない程の多くの生徒が通って、その生徒みんなの想いが、ここには詰まってる」


にこ「―――そうよね?」頭コツン

にこ「・・・・今だから言っちゃうけど、私、ホントはアイドルになりたいって理由でUTXに入りたかったの・・・。でも、お金が無くて、仕方なく音ノ木坂に入ったんだ・・・」

にこ「そんないい加減な私でも向かい入れてくれた。私に仲間を与えてくれた。私を輝かせてくれた。私の夢を叶えさせてくれた。そして・・・」

にこ「私も、みんなも、新しい“夢”を目指せるようになった」

にこ「最初はUTXに入ろうとしていた私がこんなこと言うのは、手のひらを返すみたいでカッコ悪いけど・・・・。私、音ノ木坂学院に通えて、本当に良かった」


にこ「・・・・・・・」

にこ「・・・・・・・」

にこ「ここは―――」

にこ「青春が終わらない場所」

にこ「奇跡が集まって、繋がる場所」

にこ「“夢”が叶う場所」

にこ「新しい“夢”が生まれてくる場所」

にこ「・・・・これからもそんな場所であり続けて。私の大切な後輩達のためにね。さっき見せてくれた未来のみんなも輝かせて」

にこ「お願いねっ」ニコッ


サワサワ.....

ヒラッ, ヒラッ


390: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/29(火) 00:09:59.47 ID:ku4CKoIL0

にこ「・・・・・・・・よしっ!」スクッ


スタスタ

クル




にこ「・・・・・・!」キッ


にこ「本当に、今日までありがとうございました!」ペコリ



にこ「・・・・・・・・」

にこ「・・・・・・・・」ウルッ



にこ「・・・・・・ぐすっ」ポロポロ

にこ「・・・・」ゴシゴシ

にこ「・・・・・・」フルフル

にこ「・・・・・・・!」キッ

にこ「私、世界中に・・・・いや、宇宙中に音ノ木坂学院を宣伝するから、これからはもっともっと生徒が来ちゃうんで覚悟しててくださいねっ!」

にこ「・・・・・・それでは・・・失礼しますっ」




クルッ

タッタッタッ....












スッ

理事長「お疲れ様でした、矢澤さん」

理事長「後は任せてくださいね」ニコッ

理事長「ふふっ。旅行に行けるのはまだまだ先ね」


391: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/29(火) 00:11:20.11 ID:ku4CKoIL0




おわり


392: ◆LXjZXGUZxjdx 2016/03/29(火) 00:12:11.38 ID:ku4CKoIL0

これで全部終わりです。

ありがとうございました。