化物語

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    1: 名無しさん 2021/07/16(金) 20:52:53.31 ID:HHo7aQtFO
    唐突ではあるが、出任せを語らせて貰おう。

    日頃の行いのせいか、四六時中、嘘ばかりついていると思われがちな可哀想な俺であるがごく稀に、本当のことを口にする時がある。

    俺が真実を口にする状況は限られており、周りが絶対に信じないような場合のみ、嘘みたいな本当の話をまるで嘘のように語るのだ。

    たとえば今この時、俺が置かれている状況などは、まさにうってつけであると言えよう。

    時は大正。場所は吉原遊廓。男と女の見栄と愛憎渦巻く夜の街。そんな嘘みたいな空間に俺は存在していて、ひとり酒を呷っていた。

    遊廓という界隈がどのような場所で、どんなことをするところなのか気になったならば、両親に訊いてみるといい。近いうちに兄弟が増えるかも知れない。無論、真っ赤な嘘だ。

    俺を呼び出したのは忌々しい臥煙伊豆子だ。
    先程顔を見せたが奴は遊廓にも関わらず遊女の格好をしておらず、そのことに憤慨して思わず酒をかけて追い出そうとした俺に向かって、臥煙伊豆子は上司気取りでこう命じた。

    「富岡義勇を一晩足止めして彼の命を救え。あとは余計なことをするな。わかったね?」

    はて、余計なこととは、何のことだろうか。
    賃金代わりのつもりか何人か部屋によこした遊女に「五月蝿い。黙れ。話しかけるな」と吐き捨てて追い出したのは余計だったのか。

    しかし、安く見られては今後に支障を来す。
    こう見えても俺は専門家であり、仕事をさせようものならば報酬はそれなりに高くつく。

    遊廓から出る際、窓辺に佇む臥煙の視線を背中に感じながら、俺は仕事場へと向かった。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1626436373

    引用元: ・貝木泥舟「竈門炭治郎? 誰だそいつは。知らん」

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    1: 名無しさん 2021/07/13(火) 22:46:59.83 ID:BpNphpLIO
    僕に2人の妹が居ることは今更説明する必要はないことだけど、それぞれ強烈な個性を持つ妹たちがどのように人格を形成していったのかについて詳細を知る者は少ないだろう。

    多くの人たちにとって出会った当初から火憐ちゃんは火憐ちゃんで、そして月火ちゃんは月火ちゃんかも知れないが、あいつらだって産まれた瞬間にフルマラソンを走れたわけではなく、誰にも教わらずに着物の着付けを完璧に習得していたわけでもないのだ。

    残念ながら妹たちが産まれた瞬間の記憶は長い年月によって忘却してしまったが、僕より遅く産まれたという事実だけはどれほどの歳月が経っても変わることはない。

    妹たちの記憶について1番古い記憶を探ると、どちらも至って普通の女の子であり、今みたいに奇人変人、あるいは超人の類いではなかったと記憶している。

    妹たちと交わした会話について1番記憶に残っているのもまた、ありふれたものだった。

    『お兄ちゃんはどっちの方が好き?』
    『どっちと結婚したい?』

    ロリというかペドの域を出ない幼女たちに詰問されて僕は兄として真剣に悩んだものだ。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1626184019

    引用元: ・阿良々木月火「もうお兄ちゃんうるさい!!」阿良々木火憐「ぶっ飛ばすぞ!!」

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    1: 名無しさん 2020/09/08(火) 22:36:31.22 ID:lUuaoiGOO
    月の裏を見たことがあるか。

    多くの人たちにとって、その質問自体が意味不明だと思うけれど、ある程度の趣旨はわかる。
    月は自転と公転周期が同期しているーー要するに常に同じ面を地球に向けているので、地球上では肉眼で月の裏側を観測することが出来ないことから質問として成り立っている。

    無論、科学や工業が進歩を遂げた現代ならば、探査機やら有人ロケットを打ち上げて月の裏側を観測することか容易なのは言うまでもない。

    それらの手段を用いて撮影された画像は現代人ならばインターネットなどですぐに見つけられるのだけど、それを実際に肉眼で見た者は宇宙飛行士に限られ、極々少数であると言えよう。

    興味がある者はそれを見てみたいという理由だけで宇宙飛行士を目指しても良いくらいロマン溢れる話ではあるけど、興味のない者にとってはネットで画像検索するだけで済む話である。

    この物語はそんな理屈で私、羽川翼が観測したーーいや、希望的観測を基に綴ったーー阿良々木暦の裏側にまつわる物語なので、やはり興味のある者だけが読むべきものだと、そう思う。

    「どうか、私の血を吸ってください」

    あの日。高校2年の最悪で最低で最高の春休み。
    吸血鬼となった阿良々木くんに自らの首筋を差し出したその瞬間から、物語は幕を開ける。

    阿良々木暦の裏側。裏の顔。夜の王の、素顔。

    私はそんな物語を望んで、彼の眷属となった。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1599572191

    引用元: ・羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」

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    1: 名無しさん 2020/05/16(土) 23:09:40.13 ID:Gzf81c1XO
    「今日は阿良々木くんのお尻を開発します」
    「唐突だな」

    両親も妹も不在だった、ある日のこと。
    自宅に遊びに来ていた交際相手の戦場ヶ原ひたぎが突如僕の尻穴の開発に乗り出した。

    これまで僕は自分の尻の穴の可能性というものついてそれほど深く考えたことはなく、単なる排泄器官としてこれからも末長く使っていくのだろうと漠然と思っていた。

    とはいえ、知識としてならば他の使い道があるらしいということは知ってはいたのだが、怠慢な僕はそれを実際に試したことはなく、ましてや試そうと考えたことすらなかった。

    「というわけで、まずは浣腸をしましょう」

    浣腸。
    要するに、尻から直接下剤をぶち込む行為。
    字面的には恐ろしいことこの上ない蛮行ではあるものの、便秘に苦しむ人々にとってはまさになくてはならない特効薬である。

    「阿良々木くんは浣腸したことがある?」
    「小さい頃にあるかな。覚えてないけど」
    「その時に処置した看護師が羨ましいわ」

    どういう意味だろう。複雑な気持ちになる。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1589638180

    引用元: ・阿良々木暦「僕がひたぎさんを嫌う未来なんてない」

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    85: 名無しさん 2010/02/23(火) 11:19:16.60 ID:UxyoXCEo
    火憐「兄ちゃん、デートしよう」

    暦「……は?」

    火憐「デートだよ、デート。逢引。ランデヴー」

    暦「ちょっと待て火憐ちゃん。一つ致命的な要素が抜けていると兄は愚考する」

    火憐「なんだい愚兄ちゃん」

    暦「その言い方は勘弁してくれよ! いくら可愛い妹だからってその言い方は傷付く!」

    火憐「あたしは昔兄ちゃんの言葉で自殺を考え」

    暦「そのネタももう勘弁してくれ! 全面的に僕が悪かったから!」

    火憐「あんまり引っ張っても読者がまだ進まないのかって言い出すから本題に入ろうよ」

    暦「先に振ったのは火憐ちゃんじゃないか!」

    火憐「感嘆符ばっかり使って疲れない?」

    暦「ああ言えばこう言う!」

    火憐「こう言えばああ言う」

    暦「あー!」

    火憐「うん」

    暦「今日も冴え渡ってるな火憐ちゃん」

    火憐「兄ちゃんほどでもない」



    引用元: ・>>1「ぴぃ!?」なんだかんだで4回目

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