1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/19(火) 22:34:47.69 ID:gfSUKYrj0
男「キミみたいな若い娘はけっこう値が張ったが……まあ良いだろう」ジロリ 

少女「………」ビクッ 

男「………さて、まずはそのボロをどうにかしないとな、ついてきなさい」スタスタ 

少女「………はい……」ヨタヨタ 

男「………」チラッ 

少女「……っ…」オドッ 

男(かわいい)ポッ 

少女(………こわい…) 


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/19(火) 22:50:13.44 ID:gfSUKYrj0
浴場。

男「丁度湯は張ってあるようだし入りなさい、着替えるにもその体の臭いと汚れは落とさんとな」

少女「えっ、で…でもこんな立派な所なんて奴隷のわたしが……」

男「気にしなくていい、風呂はここしか無いしな」

少女「……じゃ、じゃあ入ります……えと…」

男「…………」ジー

少女「………」

男「…………」

少女「………っ……」モソモソ

男「……」ジー

少女(……じーっと見てる……やっぱり裸になるの見せなきゃダメなんだ……そうだよね、わたしは今この人の奴隷なんだから)シュル

男「うっ…ダメだ刺激が……とりあえず上がったら居間まで来なさい、良いね?」ヨロヨロ

少女「へっ?あっ、はい…」キョトン

バタンッ

少女「…………んん?」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/19(火) 23:15:46.28 ID:gfSUKYrj0

バタンッ

男「………ふぅ」

メイド「若旦那様?」ヒョコ

男「おおぅ!?な、なに?!」ビクッ

メイド「奴隷をご購入なさるなんて珍しいというか初めてですけど、どうなさったのです?」

男「い、いやなんというか……気紛れ?」

メイド「まあ良いですけれど、あの年頃の娘ならかなり高額だったのでは?」

男「ま、まあそれなりに」

メイド「……………私のお給金大丈夫なんですかね?最近切羽詰まってるとぼやいていたのに」ジトッ

男「うぐっ……だ、大丈夫だよ仕事は最近は真面目にやってんだから」

メイド「それなら構いませんけど……嫌ですからねお給金わ代わりにあんな貧乳の激チビ渡されたりしたら」

男「買ってきたばっかりというか給金を奴隷払いにとかしないからね?渡すなら家の貴重品渡すから!!」

メイド「質屋に流すの面倒なんでちゃんと現金化して渡して下さいね?」

男「メイドさんは金の話ばっかりだね……」

メイド「当たり前です、大旦那様と違って若旦那様は商才が無いので家計は火の車ですから、私以外のメイドや執事はやめてもらったのをお忘れですか?」

男「………」

メイド「………さて、話はこれくらいにしてあのチビ娘に着替えを用意すれば宜しいのですよね?若旦那様はお仕事でもなさっていて下さいまし」スタスタ

男「う、うん…」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/19(火) 23:28:41.43 ID:gfSUKYrj0
数十分後。

メイド「若旦那様、激チb…ごほんっ…彼女の支度を終えましたのでこちらに通しますね?」

男「あ、ああうん、ありがとう」

少女「……えと、良いのでしょうかこんな高そうな服を…」

男「そのぐらいは身なりを正して貰わないとこの家に居るのに相応しくないからな、当然だろう?」

メイド「…………なにを気取った口調で話しているのですか」

男「……………」ビクッ

少女「………?」

男「………とりあえず食事にしようか?支度を」

メイド「………まあ良いでしょう、かしこまりました」ペコリ

男「キミはとりあえず座っていなさい」

少女「あ、はっはい…」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/19(火) 23:41:27.09 ID:gfSUKYrj0
少女「……あ、あのっ」

男「なんだ?」

少女「……わ、わたしはこのお屋敷で何をすれば?」オドオド

男「…………ふむ……そうだな…」

少女「……………」

男「………」ジー

少女「………うっ……」

男(かわいい)ポッ

少女(………こわい……)

男(しかし困った、させることか………何も考えてなかった……気がついたら財布の紐を握ってた筈がこの子の首輪についた鎖握ってたからな……まあすぐに首輪は外したが)ウーム

男「………得意な事は?」

少女「えっ、その……奴隷としての事はやったことないから分からないです……」ビクッ

男「……そうなのか?」

少女「は、はい……奴隷として売られ初めて一時間もしない内にあなた…じゃないご主人様が私を買ったので……」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 00:06:03.05 ID:DZFF4d4F0
男「そのわりには反抗的じゃないな、奴隷なら誰でも最初は反抗的なもんだと思うが」

少女「………そうですか?えと……そうなのかな、よく分からないですけど」

男「…………」

少女「逆らったら酷いことされるって聞いたし……逃げられないですし」

男(あっ、抱き締めたいめっちゃ抱き締めたい、抱き締めて優しくそんなことしないよって頭撫でながらベットに押し倒したい)

少女「………?」

男(ちょっとぐらい良いかな?俺ご主人様だしちょっとぐらいなら大丈夫だよね?うん平気すっごくやさしくするから大丈夫)ハァハァ

メイド「なにをハァハァ言ってるんですかロリコン」

男「」ビクッ

少女「あっ…えと、ろり…?」キョトン

メイド「………まあ若旦那様がお買いになったものですしどう扱おうと私には口出し出来る権利はございませんけれどね?」ジトッ

男「………メイドさんは何を勘違いしているのかな?俺がそんな変態な訳無いだろう?彼女はあれだ、流石にメイドさん一人じゃこの家の仕事を全部こなすのは大変だろうからって僕が考えたからでね?べ、べべ別に変な事をしようとして買った訳じゃ」

少女「は、はぁ」

メイド「そうですか、てっきり若旦那はロリコンなのかと思っておりましたからとんだ勘違いを致しました…申し訳ありません」ペコリ

男「ど、どどどっ、どうしてそんな勘違いをするかな?ふはははは……」

メイド「……いえ、だって、ねぇ?」ボイン

少女(わっ…すごい、よく見たらすごく美人だしスタイルも……)ドキドキ

男「へ?」

メイド「…………チッ…お食事の用意が出来ましたので食堂の方へおいでください」ペッ

男「主人に唾吐くメイドってなんなの……まあいいけど……それじゃ食事にしようか」

少女「は、はい」

メイド「冷めない内にお召し上がり下さいね?」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 20:43:29.56 ID:DZFF4d4F0
男「それじゃあいただきます」

メイド「いただきます」

少女「同じテーブルで頂いて良いのでしょうか?」

男「へ?他に何処で食べるの」カチャカチャ

メイド「使用人である私だって同じ場所で頂いているのでそんな心配はしなくてもいいですよ」

男「ていうか家って親父やじいさんの代から使用人全員丸ごと俺達と同じ場所で食べてたよな?」

メイド「そうですね、世間的には異端ですけれど良いのではないですか?それとも今から離れましょうか?若旦那様独りで食べる事になりますけれど」

男「……いやなんか寂しいし勘弁して」

少女「………」ジー

男「食べないの?」

少女「あ、いえいただきます!!」カチャカチャ

メイド「たくさんあるので遠慮せずにどうぞ」


24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 20:57:08.55 ID:DZFF4d4F0
少女「……っ…んく…」モソモソ

男「………少食っぽいな、あんまり進んでないし」モグモグ

メイド「見た目どうりですね、そんな事じゃ大きくなれませんよ?」

少女「えっ、あ、はいすいません…」

男「良いからもっと食べなさい、成長期は栄養取らないと」

メイド「そうですよ、大きくなりませんよ色々と」モリモリムシャムシャ

男「……メイドさんは育ち過ぎでしょ」

メイド「何か不都合でも?」

男「…………伸長俺より高いし」

メイド「若旦那様がチビなだけではないですか、女でも170ぐらいは普通です」モリモリ

少女「えと、成長期ですか?」

男「ああうん……キミはそうだろう?ほどほどに大きくなるためにしっかりね、食べなさい」

少女「え、いや……たぶん成長期は終わっていると……わたし小さいけどもう18になりますし……」

男「は?」

メイド「えっ」

少女「うっ…えと」ビクッ

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 21:08:10.55 ID:DZFF4d4F0
少女「え、えと……ダメだったでしょうか?」オドオド

男「いやいやちょっとまって?18歳?」

少女「は、はい」

メイド「えっ……お、同い年?」

少女「へ?」

メイド「並んで立ったら頭が私の胸の下ぐらいに来そうなのに同い年?」

少女「あれ?メイドさんも18歳なんですか?」

男「うん、そうだよ、俺の二つ下……」ジー

少女「………そうなんですか……」

メイド(そうは見えない……てっきり12かそこらかと……)ジー

少女(……見えないなぁ、てっきり25ぐらいなのかなって)ジー

男(合法ロリ!!合法ロリ!!いや奴隷に合法も非合法も基本関係無いけど気分的に合法ロリ!!)ハァハァハァハァ

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 21:27:06.65 ID:DZFF4d4F0
メイド「隣ではあはあ言うのはやめて下さい若旦那様」ジロッ

男「な、ななんのこと?」ビクッ

メイド「……まったく、変な事を考えていないで少しは彼女の事を真面目に考えてあげたらいかがなんですか」

男「ふぇ?」キョトン

メイド「…………この歳でここまで幼いなんて、ようは奴隷だからというのがあるでしょう?違いますか?」ヒソヒソ

少女「………?」

男「……あ、ああそうか……成長期に極端に栄養が不足してしまうと体格が変わらないまま大人になってしまうらしいからな……事実幼少の頃から奴隷身分の者はその殆どが体が小さく体力も低い……だから過酷な労働に身をおく事の多い奴隷は……」

少女「……えと…?」

メイド「………」ウルッ

男「……ふぐぅ!!」ボロボロ

少女「え、あの、ええ?」オロオロ

男「……分かった、キミはもう大丈夫だ、何も心配しなくていい!!だからたくさん食べなさいまだ間に合う!!」ガタガタ

メイド「ミルクも用意しましょう、大丈夫ここに居れば少なくともお腹を空かせる事なんかないですから、ねぇ若旦那様?」グスッ

少女「え、あの……だからわたしは奴隷にはなったばかりで以前は普通の暮らしを……えと、小さいのは元からで……」オロオロ

男「いいから!!大丈夫ちゃんと大きくしてあげるから!!」

メイド「さあミルクです、ジョッキで用意しましたからどうぞ、おかわりもありますよ」ドンッ

少女「……あ、あぅ……」オロオロ

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 21:53:15.91 ID:DZFF4d4F0
………

バタン

少女「……けふっ……お、お腹が……」

メイド「少々食べさせ過ぎましたね……私としたことがごめんなさいね?いきなりあんなに食べさせたら贅肉になってしまうのに」ハァ

少女「だ、大丈夫ですあんまり太らない体質ですし……それより本当に良いんですか?こんなに良くして貰って……」

メイド「構いませんよ、若旦那様は見ての通りゲスい小者の変態ですが基本お優しい方ですから」

少女「は、はぁ」

メイド「………それより、貴女はどの部屋を使うように言われました?」

少女「へ?えと、ご主人様の寝室の隣が空き部屋らしくてそこを使うようにと」

メイド「却下ですね、どうせ直接手を出す根性は持ち合わせていないでしょうが夜中に忍び込んで変な事をこっそりするぐらいはもしかしたらあるかもしれませんし」

少女「へ、変な事?」

メイド「………私の口からはちょっと」フイッ

少女「そ、そうですか……でも、夜にそういう……えと、お相手させていただくのも私のお仕事なんじゃ……」

メイド「……」クワワッ

少女「あぅ」ビクッ

メイド「……若旦那様にそうハッキリと言われたのならそうでしょうけれど、言われてませんよね?」

少女「………えと」

メイド「言われてませんよね?」クワワッ

少女「い、言われてません」ビクッ

メイド「……よし、でしょうねなら無用の心配ですから大丈夫」フゥ

少女「……は、はぁ」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 22:12:23.17 ID:DZFF4d4F0

少女「……えと、それはわかりましたけど……お部屋はどうすれば?一応ご主人様にお話を…」

メイド「私の使っている部屋を相部屋にしましょう、今から家具を動かしたり準備すれば休む時間までには形になるでしょうし手伝って下さい」スタスタ

少女「あ、はい!!」トタトタ

メイド「ついでにメイド見習いとして色々と教えますね?丁度良いですし」

少女「わかりました、お願いしますメイドさん」

メイド「こちらこそ」ニコリ


…………

男「色々と話でもして仲良くなろうとしたらメイドさんに少女ちゃん取られた……はぁ…」


男「………まあ良いか……今の内に少女ちゃんの寝室に鍵を壊し…もとい危険が及んだらすぐに駆けつけられるように準備しておこう」ソワソワ

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 22:31:58.34 ID:DZFF4d4F0
……夜。

メイド「………ふぅ、ベッドは流石に重い…!!」ドンッ

少女(…………木製のだけど一人で持てる重さなのベッドって!?め、メイドってこんな力必要なの!?)ガーン

メイド「どうしました?」キョトン

少女「あ、いえ……力持ちですね……」

メイド「ああ……昔からお転婆と言われる程度には力任せに男の子とケンカとかしていましたし、その名残でしょうか?」ウーン

少女「お、お転婆というよりは男勝りでは?」

メイド「その表現はちょっと不快なので避けてるだけですけど……しょっちゅう言われていました」プイッ

少女「そ、それより……あの、メイドって力仕事なら私勤まるか分からないです…」シュン

メイド「ああメイドとしての仕事にこんな男の人を呼ばなくては出来ない仕事はないですからね?ただ私が出来るというだけで」

少女「は、はぁ」

メイド「力仕事なんてあるにはありますけど女の手で出来るものに限りますから大丈夫、貴女でも勤まりますよ」

少女「が、かんばります」


32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/20(水) 23:12:16.69 ID:DZFF4d4F0
ねる

登場人物3人のスペック



二十歳、身長166cm体重51kg

性格はメイドの評価通りゲスい小物の変態。

少女

十八歳、身長141cm体重38kg,B67W49H69

おとなしく従順な性格、よく人に騙される。

メイド

十八歳、身長175cm体重、3日断食断水すれば若旦那よりは軽量。
B 92W62H86

性格はデレるタイミングを見失って数年経過しちゃったツンデレという感じ。


じゃ(´・ω・`)また明日

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/21(木) 21:54:25.70 ID:dqPgihRW0

翌日。

メイド「おはようございます若旦那様」

少女「お、おはようございます」ペコリ

男「……おはよう」

少女「………?」

メイド「どうやら気分が優れないようですが?」

男「……いや、体調が悪いわけではないんだけどね?あのさ、昨日って……」

メイド「ああ……そう言えば伝え忘れておりました、この子は私と同じ部屋を使わせますのでそのように」

男「……昨日は一緒に居るんだろうと思って何も言わなかったけどこれからもなの?折角部屋用意したのに」

少女「あ、えと……」

メイド「それは申し訳ありませんでしたが女同士同じ場所の方がなにかと都合もいいので」

男「い、いやでも夜くらいはプライベートタイムというかなんというか一人の時間とかあっても良いんじゃないかなーって……」

メイド「ふむ……一理ありますが、どうおもいますか?」

少女「へ?えと、あの、わ…わたしはそんなお部屋なんて戴ける身分じゃないので…」オロオロ

メイド「だそうです、無用の心配ですね」

男「遠慮してるだけでしょそれは!?そこは遠慮しないで大丈夫ですよっていってあげるところでしょ!?」


49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/21(木) 22:22:06.23 ID:dqPgihRW0

男「と、とにかく部屋は別々にしてあげなってば、ね?」

メイド「何故です?」

男「い、いや何故と言われたらその方が良いだろうぐらいしか言えないが」フイッ

メイド「大した理由がないならそこまで不満に思う事ないと思いますが」ジー

少女「……あ、あのメイドさん?ご主人様が別にしろと言うのなら私は……」オロオロ

男「……っ!!」ピクッ

メイド「ダメです」プイッ

少女「えっ…」

男「ダメですってメイドさんがなんで決めるのさ!?理由は!?」

メイド「夜一人だと寂しいので、私が」

男「……」

少女「……えと」

メイド「恐がりなので」

男「なにいってんの、凶器持ったムキムキの暴漢にも怯まず向かってくほど度胸あるクセに」

少女「ええっ?」

メイド「お化けとか幽霊とかが怖いので」プイッ

男「なにいってんの、子供の頃嫌がる俺を無理矢理引きずって近所の墓場に幽霊見つけに行くって三日三晩居座っ痛ででででで痛い痛い手首がネジ切れるぅ!?!?」

メイド「昔の事ですし」ギチギチ

少女「あ、えーと……」

メイド「もちろん貴女が嫌なら別々で構いませんが、どうします?」

少女「その……一緒で大丈夫です」コクリ

メイド「そうですか、よかった」ニコリ

男「」

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/21(木) 22:52:37.99 ID:dqPgihRW0
メイド「ところで若旦那様、朝食を済ませたら仕立て屋へ行ってこようと思うのですが」

男「仕立て屋?なんで?」

メイド「この子に合うサイズのメイド服がないので、仕事着ですからお古のボロではちょっと…」

男「ああそういう事か、サイズ的にはメイドさんの子供の頃のが残ってるだろうけど、メイドさんの言うとおり仕事着だから新品じゃないとすぐ傷んで着れなくなるよね」

少女「メイド服ですか……」ジー

メイド「そうですよ、その格好では捗らないでしょうし」

男「………ふむ、服か……わかった、俺が連れて行くよ」

メイド「………は?」

男「いやだってメイドさん忙しいでしょ、普段から一人で切り盛りしてるから出掛けてる暇なんてなかったぐらいなのに、それなのに仕立て屋へのお使いまで頼めないでしょ、ねぇ?」ウンウン

メイド「…………くっ……ですが!!」

男「今日は俺仕事も大して無いから大丈夫だし」

メイド「……………わ、わかりました、お気をつけて」ヒクッ

男(よし、勝った)ニヤリ

メイド「……………」

少女「………?」

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/21(木) 23:18:24.38 ID:dqPgihRW0

………

男「それじゃあ行こうか」

少女「あっ……はい」トタトタ

メイド「…………お気をつけて」ジトッ

男「じゃ、夜までには帰るからそのつもりで」

メイド「………かしこまりました」ムスッ

少女「い、行ってきます!!」ペコリ

バタンっ


メイド「………………」


メイド「……………………」


メイド「………うがぁぁあぁムカつくぅぅぅぅぅッッ!!!!なぁにデレデレしてんのよあのゲスちんは!!」ダンダンダンッッ!!

メイド「変なことしようとしてんの丸わかりなのよ元々寝かせようとしてた部屋は鍵壊れてたし!!ていうかあんなナイチチの激チビに欲情すんのかアイツは!!」ムカムカ

メイド「………あの子自体はいいこみたいだけど」

メイド「…………後つけようかな……でも仕事あるし……はぁ……」


メイド「あたしもちっちゃくなれればなぁ………無理か、育ち過ぎたのあたしだし」イジイジ

メイド「…………………はあ」トボトボ

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/21(木) 23:33:20.08 ID:dqPgihRW0

…………


男「人が多いな、はぐれたらいけない、手を繋いで歩こう」キリッ

少女「え?あんまり多くないと思いますけど……まだ朝ですし」

男「………」

少女「えと……」

男「…………」

少女「………じゃあ、えと…失礼します」ギュ

男(………おおぅ、ええ子や……なんてええ子なんだ)ジーン

男「………メイドさんならしねゴミクズブタ野郎って罵り返されてる所やでぇ」シンミリ

少女「へ?メイドさんならですか?」

男「あ……いや気にしないで、子供の頃の話だから」

少女「はぁ」キョトン

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/21(木) 23:50:45.82 ID:dqPgihRW0

少女「あの、聞いても良いか分からないですけど……良いですか?」

男「ん?」

少女「メイドさんとはその、恋人というかそういった関係なんでしょうか?」

男「」

少女「……あ…すいませんやっぱり聞いたらいけなかったですよね……」

男「あ、ああいやそれはいいんだけどなんでそう思ったのかを逆に聞きたいんだが…」

少女「えーと、主人とメイドっていう関係にしては仲が良い……すごく近い関係に見えたので」

男「あー、なるほど……確かにキミの言うとおりかも」

少女「それじゃあ……」

男「いや、子供の頃は好きだったけど今はそうだな……妹みたいに感じてるかな、それこそ物心つく頃から一緒に居るから」

少女「幼馴染みなんですね」

男「そうだね、最近は落ち着いたけど前は悪鬼羅刹のごとく跳ね回る男勝りな娘だったから遊び相手だった俺はオモチャにされて苦労したよ……」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 21:54:40.76 ID:H5K3LLGJ0

少女「は、はぁ…オモチャですか…」

男「サンドバッグとも言うね、今はそれほどでもないけど嫌われてたからねぇ……ははは…」

少女「へっ?メイドさんにですか?」

男「他に誰が居るの」

少女「えっ、いやでも」

男「………うーん、あんまり人に言うのは恥ずかしいんだけど、子供の頃にその、愛の告白というのを言ってみた事があるんだよ、うん」

少女「はい」

男「………その時のメイドさんが放った言葉は今でもハッキリと思い出せる……「あたしはあんたなんか好きじゃないし!!勘違いしないでよねバカっ!!」……と、まだ純粋な少年だった俺さんは心を深く抉られてしばらく枕を夜な夜な濡らしたのさ」フッ

少女「は、はぁ…」

男「まあ昔の話だけどねー、メイドさんも見ての通り昔の事なんて気にせずケロッとしてるでしょ、いや昨日来たばかりのキミにはよく分からないかもしれないけど」

少女「……………来たばかりのわたしにも丸わかりでしたけど」ボソッ

男「ん?」

少女「いえ何でもないです」フルフル


65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 22:10:21.50 ID:H5K3LLGJ0

…………

男「この子の寸法を計ってメイド服を」

店員「かしこまりました、ではこちらへ」スッ

少女「は、はい」

男(ちっ、店員は女か……男の店員なら堂々とスカート短めにしたりとか胸元を無駄に大きく開けたりとか色々特殊なメイド服も注文出来るのに)

店員「それでは奥で計らせて頂きますので男性の方は少々お待ち下さい」

男「お願いします」

男(くそ、これではわざわざ俺が連れて来なくても良かったのか?このままでは特殊メイド服どころかボンテージもビキニも初等学院の指定制服も運動着も注文出来ないじゃないか!!)ワナワナ


67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 22:33:59.45 ID:H5K3LLGJ0

仕立て屋主人「おや?」

男「ん?」

主人「やっぱりそうか、街の離れの屋敷の坊っちゃんでしょう?」

男「えーと………ああ、2年前までは屋敷に直接来てもらってましたよね、お久し振りです」

主人「大旦那様の葬儀以来ですかね?いつもは使用人の方が訪れるのにわざわざお越しとは何か特別なご用でも?」

男「いや、ただの人手不足ですよ……父の代に比べたら細々とやっておりますし自分も雑用ぐらいはこなさないといけないので、はは……」ハッ

主人「左様ですか、まだお若いのに苦労なさっているようで……」ペコリ

男「いや、待って下さい特別な用件はあった、うん、ありました」クワワッ

主人「はい?」

男「…………いま寸法取っているんで……ゴニョゴニョ……で、あと……ゴニョゴニョ……」

主人「ふむ……ほう?……なんと!?」クワワッ

男「お願い致します」ガシッ

主人「喜んでお引き受け致しましょう、坊っちゃん…いいえ旦那様もずいぶんとお好きなようで」ガシッ

男「お褒めに与り光栄です」フッ

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 22:49:45.41 ID:H5K3LLGJ0

………

男「では後日屋敷の方に届けて貰えるように手配を」

店員「かしこまりました」

主人「またのご贔屓を」ペコリ

男「さて、用事は済んだし行こうか」

少女「はい、ありがとうございますっ」ペコリ

男「いやいや、服が無ければ色々捗らないからね、うん」

少女「はい、頑張ってご奉仕します」コクッ

男「もう一回言って?服を着て?」

少女「………?ご主人様に買っていただいた服を着て頑張ってご奉仕します」キョトン

男「………ふぅ」

少女「ご主人様?」

男「いやなんでもない、早く出来ると良いねぇ」シミジミ

少女「そうですね」トタトタ

主人(あっぱれなほど好き者ですな)

店員「ありがとうございましたー」

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 23:09:05.66 ID:H5K3LLGJ0

男「……丁度昼を取る時間か、折角だし何か食べていこうか」

少女「え、よろしいのですか?」

男「メイドさんには夜までに帰るって言ったから昼は用意してないと思うし………そうだな、あの店に入ろう」

少女「はい」

…………

イラッシャセー

男「なんでも頼んで良いよ、遠慮しないで良いから」スタスタ

少女「はい………あれ?」クルッ

イラッシャセー

男「どうかした?」

少女「あ、いえなんでもないです……」フルフル

男(女の子と二人で店で食事って何気に初めてだなぁ……家ではメイドさんと一緒にいつも食べてるけど)ソワソワ


少女(………後から入って来た人……メイドさん?……じゃないよね、お屋敷でお留守番してるはずだし)チラッ


女「…………」コソコソ

ウェイトレス「あの、お客様お席はどちらが………」

女「……さっき入ってきたロリコンと女の子の近くの席で二人から絶妙に死角になっている席で」

ウェイトレス「はい?」

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 23:33:15.91 ID:H5K3LLGJ0

少女「おいしいですね、こういうお店にまた入れるなんて思ってなかった……」

男「……ん?ああ、そっか」

少女「………昨日はまだよくわからなかったですけど、ご主人様はいい人みたいですし、もう怖くないです」

男「………あ、まあそうか、そりゃ自分を買った人間だし怖がられても仕方ないか」

少女「メイドさんもいい人ですし、わたし幸せですね…」

女「…………」ジー

男「…………そう感じてくれるなら良かったかな、あまり奴隷制度自体は好きじゃないから嫌遠してたんだが」

少女「ご主人様はどうしてわたしを?わたしは良かったですけど、他にもたくさん奴隷は売られていたし、わたしなんかよりお役に立てる人だって……」ジッ

男(キミが汚れていても輝く宝石のような瞳だったからさ)キリッ

少女「ご主人様?」

男「き、キミが…っひょ、よご……」オドオド

少女「………えと」

男「なんとなく」フィ

少女「は、はぁ……」

女「………………」ジトッ

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 21:33:01.24 ID:Z2D6l16H0
男(………ふっ……落ち着け俺よ、慌てる事はない、彼女は逃げたりしないのだし別に格好つけた台詞なんて言わなくても良いだろう?)ブンブン

少女「…………?」

男(そうだ手を握ろう手を握って真っ直ぐに見つめるんだ男と女は見つめあうと恋に落ちると言うじゃないかそうだろう諸君?)カッ!!

少女「???」

男「………ち、ちょっとてててて手をだひて?」キョロキョロ

少女(……め、目が泳いでる)スッ

男「………」ソロソロ

少女「……………」ジィ

女「………………………………」

男「け、血色の良い健康そうな手だね、うん」フイッ

少女「へ?ああはい……そうですか」


女(……後なんかつけなくても良かったわねあいつどんだけ根性無しなのよ……)ハァ

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 21:59:52.80 ID:Z2D6l16H0
男「………」ダラダラ

少女「…………えと」



女「……………」ジー


男(………想いを伝えるのって……困難な事だと思いませんか?ええ、俺は既に心がへし折れてしまいましたよ諸君……え?早いって?何を言うんですか不肖わたくし、これでも頑張った方なんですよ、ええ……だって女の子に告白はしたことありますけど口説こうとしたのは初めてですから……え?同じ事じゃないかって?何を言うんですか全然違いますよ異論は認めません)ウルウル

男(ええ分かっていますよ皆さま方、彼女はお前の奴隷なんだから命令して従わせれば良いだろうっていうんでしょう?でも違うんですよわたくしが求めるのは絶対服従の肉便器じゃなくて、、愛に溢れた子作りえっちな訳ですよお分かりですか?それには愛を語り合うシチュエーションが必要なのですよフラグをコツコツ立てていかなくてはならんとですよでもわたくしちっとも上手く出来ないから泣きそうです)ウルウル

少女「………えと……ど、どうかしたんでしょうか?」ソワソワ

女「…………アホくさ、ばれる前に帰ろっと」ガタッ

男「……なんでもない、ちょっとトイレで泣いt…ゴホン、お花を摘みに行ってくる」ガタッ

女「え、あっ」ギクッ

男「ん?あれ?メイドさん?」キョトン

女「……うぐっ…」ダラダラ

男「……なんで居るの?」

少女(……さっきの女の人やっぱりメイドさんだったんだ……)

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 22:20:24.11 ID:Z2D6l16H0

男「………えーと、メイドさんは確か家で仕事をしてる筈では?」

女「………じ、自主休暇です」フイッ

少女「………えと、もしかしてずっと着いてきてたんでしょうか?」

女「何を言うんですか!!か、仮にも私を雇って下さっている若旦那様の後をつけるような無礼な真似などす、するはずが無いでしょうに!!」

少女「で、でも……」ビクッ

男「まあまあ、偶然居合わせただけなのは分かってるから落ち着いて、別にメイドさんは普段からよく働いて貰ってるし自主休暇なんてものも取りたくなるだろうし怒らないよ」

女「……む、むぅ……」

少女「………えと、ご主人様はホントに偶然だと?」

男「違うの?そもそもつける理由が無くないかな、だって行き先はちゃんと伝えてたしいくら何でも白昼堂々変な事はしたりしないよ俺は」

少女「………………………」

女「…………そうです理由がありませんたまには羽を伸ばそうとこのお店で昼食にしようとしたら偶然若旦那様達も居たというだけです、ええ今まで居たのすら気づきませんでしたとも」

男「俺も気づかなかったなぁ、近くに座ってたのに角度的に見えないもんねあの席」

少女(……………え、えぇぇ……?)

81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 22:38:23.87 ID:Z2D6l16H0
男「まあ、偶然にせよ3人で外出って形になったならさ、もういっそのこと遊んでから帰ろうか」

女「え、いえ……私は帰って色々……」

男「今日くらい良いって、というかそのつもりでサボったクセに」

女「さ、サボタージュというつもりは……」モジモジ

男「いいからいいから、分かってるから」ポンッ

女「……………」カァ

少女「……ふふっ…」ニコリ

男「あ、でも今月の休暇日は1日削るからね?」

女「」ピキッ

少女「……………」

男「メイドさん一応日当制だし、下手に給金減らしたくないでしょ、えーとメモメモ…」カキカキ

少女「ご主人様って色々残念な人なんですね、なんとなく把握してきました」ジトッ

男「え?なんで!?」ガーン

女「…………はぁ……」

82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 23:04:48.81 ID:Z2D6l16H0
……その日の夜

メイド「………はぁ……今日は結局こんな時間まで遊んでしまって………明日やる事が増えて大変なのに」ハァ

少女「で、でも楽しかったですし……お買い物や公園に行ったり、見世物屋にまで連れていってくれました」パタパタ

メイド「……そうですね、私も楽しかったです」ニコリ

少女「あの大きな鳥……なんて言うんでしたっけ?」

メイド「鳥ですか?えと、あれは確かダチョウという飛べない鳥ですね、この国には居ない種類の鳥だから珍しいと若旦那様も言っていました」

少女「鳥なのに飛べないんだ……だから捕まっちゃったのかな……」

メイド「………どうでしょうね、ですがダチョウは飛べない代わりに凄い早さで走るそうですよ、馬にもひけをとらないらしいですが」

少女「……へぇ……そうなんですか……凄いなぁ…」

メイド「………どうかしました?」

少女「いえ、今さらですけど……そんなに早く走れても人間には捕まっちゃうんですね」ウトウト

メイド「………」

少女「わたしじゃ逃げ切れなくても仕方なかったのかな………zzZ 」スゥ…スゥ…

メイド「……………寝ちゃったか……まったくもう……」バサッ

メイド「……憎むに憎めないわよこんな子……はぁ…」ガシガシ

83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 23:28:09.71 ID:Z2D6l16H0
数日後

仕立て屋店員「ごめんください
仕立て屋ですが!!」コンコン


メイド「はい、お待たせいたしました」ガチャ

店員「先日頼まれていたものの仕立てが終わりましたのでお届けに参ったのですが旦那様はおりますでしょうか?」

メイド「主人は留守でございますが……仕立ての事なら私も存じておりますので受け渡しは私で構いませんが?」

店員「あ…いや、主人に必ず若旦那様に直接お渡ししろとキツく言われてまして……まいったな…」

メイド「…………ふむ、絶対にですか?」

店員「若旦那様以外の者に受け渡したらクビにするとまで言われてます……」

メイド「困りましたね……若旦那様は隣り街の商会に出向いていて数日は戻らないのですが……それにその仕立てしていただいた物も今すぐ必要なのですよ」

店員「そ、そうですか……どうすればいいかな……」

メイド「ではこうしましょう、届け荷はお引き受けします、ですが貴方は店主に若旦那様にきっちりと受け渡したと報告してください」

店員「ええ!?で、でもそれじゃそちらの旦那様が怒るんじゃ……話が違うってクレーム入れられたら自分仕事をうしなってしまいますよ!!」

メイド「わたくしめの旦那様はそんな器の小さい御方ではございません、笑って許して頂けます」キリッ

店員「……ほ、ホントにですか?」

メイド「ええ、絶対に貴方に責が及ぶような事にはなりません、というかさせません」コクリ

店員「……わ、わかりました……ではここにサインを、ああ旦那様の名前でお願いしますね?」

メイド「もちろん、はいどうぞ」サラサラ

店員「ではお願い致します!!絶対ですからね!?」

メイド「ご心配なさらず」ペコリ

85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/23(土) 23:40:01.90 ID:Z2D6l16H0

少女「あ……仕立てしていただいた私のメイド服が届いたんですか?」

メイド「ええ、これでやっとキチンとした服装で仕事が出来ますね」

少女「はいっ」ニコリ

メイド「ですが、それにしては異常な量です、届けにきた店員も妙な事を言っていましたし……」

※メイドさんは仕立て屋での下りを見てはいたが話の内容までは把握してませんでした。

少女「予備……にしては多いですか、メイドさんの分もあるとか」

メイド「それは無いと思いますが……まあとにかく確認しましょうか」

少女「はい」コクリ

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 00:02:46.71 ID:2Zj1Ev4N0

少女「」

メイド「」

少女「………………あの、これは?」

メイド「胸が丸出しになるメイド服ですね」プルプル

少女「じゃあこっちは……」

メイド「ヒモで出来た下着ですね、もはや下着の意味は存在しない代物ですが」ヒクッ

少女「…………」スッ

メイド「ボンテージです」

少女「……………」スッ

メイド「バニースーツです」

少女「…………………」スッ


メイド「街にある初等学院の指定制服と鞄です」

少女「………うぅ……」スッ

メイド「ビキニアーマーと鋼の剣のレプリカです」

少女「サイズが大小2セットづつ揃ってます……」

メイド(あたしにまで着せるのか?え、どういう事よ!?)


ヒラッ…

※手紙

「僭越ながらもう一人の使用人の方の寸法も当店で計った事がありましたのでお仕立て致しました、今後とも当店にこの手の仕立てもお任せ頂けますようにとの些細なお客様へのご奉仕でございます。それではまたのお越しを心よりお待ち申し上げておりますー●●洋服店・店主ー」

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 00:04:51.26 ID:2Zj1Ev4N0
ねる(´・ω・`)おやすみ

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 19:17:27.38 ID:2Zj1Ev4N0

メイド「…………」

少女「…………」

※手紙にはまったく気付かずの二人



少女「こ、これを着なさいって事なんですよね?」

メイド「………うっ……」

少女「試着とかした方が良いんでしょうか?」

メイド「ま、待って下さい試着ですか?こんな破廉恥極まりないものをわ、私に袖を通せと!?」

少女「袖が無いやつの方が多いですけどね」

メイド「そんなツッコミしないで良いですから!!」クワッ

少女「はぅっ…す、すいません」ビクッ

メイド「と、とにかく普通のメイド服以外はいらないですから、試着もしなくてよろしい!!」バンッ

少女「で、でも……いざこれを着ろって言われた時の為にも試着は……その、ご主人様に命令されたら従わないといけませんし……」オロオロ

メイド「着させませんからご安心を」カッ

少女「え、えと…わたしも着るのは確かに恥ずかしいから嫌ですけど……」

メイド「なら良いでしょう?これは全部雑巾にしましょうか丁度大掃除をしたいと思っていたので」

少女「いいんですか?」

メイド「責任は私が持ちますので大丈夫」コクリ

少女「………でもちょっともったいないような……これ金額的にすごい事になっているんじゃ……」

メイド「む……確かに……特注でしょうし」

少女「なら、えと……ご主人様を説得して
返金とか質屋に持っていくとかした方が良いのでは……お金に余裕ある訳じゃないってご主人様もメイドさんもぼやいてましたよね?」

メイド「…………一理あります……しかし、こんなもの若旦那様に素直に受け渡すのは……説得に応じたつもりでこっそり保管しそうですし」




99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 19:37:10.90 ID:2Zj1Ev4N0

メイド「それではこうしましょうか、若旦那様には報告しますが明け渡さず私が保管して返金や質に入れる目処が付いたら返却し監視の意味を込めて手放す瞬間に同行する、これで行きましょう」グッ

少女「……徹底してますね」

メイド「当たり前です、変態には屈しませんから、私は」フンッ

少女「………でも、メイドさんの分もあるのはちょっと意外ですね」

メイド「……むっ、それはそうですけど………どうしてです?」

少女「………あ、その……言っていいのかな…」モジモジ

メイド「……え……な、なんですか…」

少女「いやその……先日ご主人様がメイドさんの事を言っていましたので」

メイド「…………なんと言っていたか教えて下さい、内緒にしますから」ガシッ

少女「はぅ……えと、ご…ご主人様はメイドさんの事を妹みたいに思ってるって…!!」ビクッ

メイド「…ああなんだ、それですか……知ってますよ」ハァ

少女「……あ、えと、そうですか…」

メイド「はい、昔から一緒に居ましたし」

少女「幼馴染みなんですよね」

メイド「…………そうですね、昔から主人だというのは変わりませんけど」

少女「……その、でしたらどうしてって思って」

メイド「何がでしょうか?」

少女「妹のように思っているのでしたら……えと、こんなのメイドさんの分まで頼まないのでは?」

メイド「へっ?」

少女「いやですから、妹みたいに思っている人にこういう特殊な衣装を着せるのはおかしいんじゃないですかって……」オロオロ

メイド「」


100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 19:53:10.03 ID:2Zj1Ev4N0

少女「……あ、あのメイドさん?」

メイド「」

少女「………もしもし?」ツンツン

メイド「」

少女「め、メイドさんってば」ユサユサ

メイド「はぅあぁ!?!?!?」ビクゥ!!

少女「ひぅ!?」ビクッ

メイド「な、なななな何を言い出すんですか貴女はアイツは只の変態ロリコン野郎ですよわ、わわわわわたしわたわたあたしの事なんかい、いいいまさら何とも思ってないだろうしきっと何かの間違いよそうに違いないわだってアイツ告白してきたのだってぺしゃんこの時だし最近じゃあたしの下着とか落ちてても「これ落ちてたぞー」って無表情無関心な感じでふっつぅーに手渡ししてくるほど何とも思ってないオーラ全開なのよ!?そ、そそそしょしょんな奴があたしがこんなの着ても喜ぶはずないし!!!!」バタバタ

少女「え、あの、め、メイドさん?」オロオロ

メイド「……あっ!!」ハッ

少女「えと…」

メイド「失礼しました、少々取り乱してしまったようです、ごめんなさいね?」ペコリ

少女(………けっこう無理してクールなメイドさんを演じてるのかな……)ジー

メイド「………////」プイッ

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 20:56:19.97 ID:2Zj1Ev4N0

少女「えと…メイドさんって元は口調違うんですか?」

メイド「うぐっ……実ははい……矯正しました」

少女「……無理しなくても良いと思いますけど、ほら…今はご主人様も居ないですし」

メイド「……むぅ…」

少女「それにわたし相手にかしこまっていたら息も詰まると思いますよ?だって部屋も一緒ですし」

メイド「……そういうなら、そうするけど……口調がかしこまってるっていうならあなたもでしょ、まったく…」

少女「わたしはこれが素なので特に苦労してませもん、えへへ」

メイド「………はぁ…性格の問題なのかな、まあいいけど」

少女「それじゃあわたし着替えてきますね?よいしょ…」ハシッ

メイド「へ?ちょっと待った!!あ、あなたそれ着るつもり!?試着はしなくて良いって言ったのに!!」

少女「へ?いや違いますよ、普通のメイド服の方に着替えてきます」

メイド「あ……そ、そっか本来そっちが目的の仕立てだもんね……そうよね、うん……」

少女「………あの」

メイド「なによ?」

少女「……やっぱり着てみませんか?ほら、一度も着ないのは一応ご主人様にも失礼になるかなって」

メイド「……いやぁ……失礼かまそうとしてんのは向こうな訳だから気にしなくても……」

少女「え、えと…ご、ご主人様の趣味はともかくですね?その、えっと……め、メイドさんが思っているような……なんにも感じてないなんてたぶん……じゃない絶対無いと思います!!」

メイド「え、えーとつまり?」

少女「だ、だから!!その、メイドさんを妹みたいに感じてるっていうのはご主人様が
嘘ついてるんじゃないかって!!その、えと………あぅぅ…」カァァァ

メイド「」

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 21:18:32.55 ID:2Zj1Ev4N0
少女「ど、どうでしょうか?」

メイド「……な、ないわよ、ないない」ブンブン

少女「……でも」

メイド「………絶対ないってば、来たばかりのあなたよりはあいつの事は分かってるし」

少女「でもご主人様はメイドさんの事をちっとも分かってないですし」ジー

メイド「んん?ど、どういう意味?」

少女「だってメイドさんご主人様のこと好kふむぐっ!?」ジタバタ

メイド「な、何を言おうとしてるのよ勘違いよ勘違い!!それだけはない!!」グイグイ

少女「むぐっ!?んん!?」ジタバタ

メイド「ま、まったく……」パッ

少女「はぁ…はぁ…で、ですけど…」

メイド「……」しわクワッ

少女「はぅっ、で、でも素直になった方が絶対良いですし…」オロオロ

メイド「……………………………」


少女「ご、ご主人様だって絶対メイドさんの事好きですし!!」オロオロ

メイド「でもアイツロリコンだし、チビでぺしゃんこしか興味ないし」

少女「………え、えーと……でも現にこうしてメイドさんの衣装もありますし、ほらあれですよ!!」ワタワタ

メイド「………あれって?」

少女「…うぐっ…」

メイド「…………」ジィ

少女「…………お、女の子ならなんでもいい?」オドオド

メイド「ごめん殺意が沸くわそれ」

少女「じゃ、じゃなくてえと!?なんて言えば良いのか分かんないですけど…え、えーと!?」オロオロ

メイド「………分かったわよ、言いたい事は何となく分かったから大丈夫よ、ありがと」クスッ

少女「そ、そうですか?良かった…」ホッ

メイド「………それじゃちょっとだけ来てみよっか?見せるかどうかは分かんないけど」

少女「はいっ」

103: 前レス途中のしわクワッは無視してくれ 2015/05/24(日) 21:28:07.37 ID:2Zj1Ev4N0

………


男「何故だろう、嫌な予感が過ぎたと思ったら一生に一度あるか無いかのチャンスを逃したような予感がしてきた、何だろうか?」ウーム

商人「どうかしました?」

男「あ、いえ話を続けましょう……ではこのルートでの搬入が難しいならこちらからはどうでしょうか?日数は掛かりますけど安全なルートですし」

商人「それならばいっそ海路で大量に運んでしまった方が利益も出ますし時間も掛かりませんな……」

男「それは承知していますがそもそも船で運搬する程の量を仕入れるのは難しく……」

………

……



104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 21:46:33.08 ID:2Zj1Ev4N0

………夜、酒場

男「………んだぁぁぁ仕事めんどくせぇぇぇぇぇ!!!!早く帰りてぇぇぇぇぇぇ!!!!」ジタバタ

男「………あ"ー……少女ちゃん連れてこれればウキウキわくわくドキドキお泊まりデェートやったんに……またしてもメイドさんに取られたもんなぁ……仕事教えるって事だから仕方ないけど」ブツブツ

男「………人間、恋に堕ちると他の事が手に付かないって言うだろう諸君?まさにそれなのさ」フッ

豪商「……相変わらずぶつくさへんな事を言っとる坊っちゃんだな」

男「ん?」ガタッ

豪商「久しぶりだねぇ、覚えとるかね?」

男「……あんたは親父の…」

豪商「そう、旦那の仕事仲間だ……坊っちゃんがここの商会に顔出したって聞いたんで挨拶にな」

男「そうですか、なら用は済みましたよね、それでは……」スクッ

豪商「まだ話は終っとらんぞ、一応昔の知り合いなんだ、最後まで聞いても良いだろう?」

男「………聞く必要がないので」

豪商「………ふん、苦労しとるみたいだから旦那のよしみで儲け口紹介してやろうってのに」

男「………失礼します」スタスタ

豪商「ふん」


105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 21:52:34.91 ID:2Zj1Ev4N0
………

男「………くそ、気分が悪い……飲みすぎたかな」スタスタ

男「…………っ…」ガシガシ



男「…………俺は親父とは違う、あんな外道死んで当然だ」


男「誘われたって奴隷商なんかするかよ、糞…!!」ガンッ





106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:07:09.22 ID:2Zj1Ev4N0

………数日後。

男「………さて、滞りなく仕事を終えて今、ようやくわが家の玄関前まで戻った訳だが諸君、聞いてくれ、俺は大事な事を失念していた……」

男「……………仕立て屋に頼んだ例のブツ……届くの仕事の行ってる間だってのすっかり忘れてた……」


男「どうしようどうしようメイドさんの事だから何か感づいて受け取ってるかもでも店主にはメイドさんだけには絶対渡すなって念を押しといたしでもメイドさん普段わりとポンコツなクセにそういう時だけ妙に鋭いしどうしようどうしようどうしよう……」オロオロウロウロ

少女「あっ、お帰りなさいませご主人様っ!!」ヒョコッ

男「ぴぃ!?」ビクッ

少女「……玄関前でうろうろしてどうしたのですか?入らないのでしょうか?」キョトン

男「」

少女「ご主人様?」

男「……め、メイド服だね」ヒクッ

少女「はいっ、似合うでしょうか?」クルッ

男「……うん、とっても似合うよ、ステキダヨ」フラッ

少女「…えへっ、ありがとうございますっ、それじゃあわたし、お庭のお掃除中なので」ペコリ

男「……ウン、ガンバッテネ」ヒラヒラ


少女「はいっ」トタトタ


男「……ダメだ、死んだな」フッ

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:21:31.67 ID:2Zj1Ev4N0

男「………まて、いくらメイドさんでも命までは取らないさ、この程度の事いままでもあったろう?でも俺は生きている、そうだろう諸君?」クルッ

男「……どうやら東洋に伝わる秘伝技……DO・GE・ZAを再び使う時が来たようだ…さて、最悪全治1ヶ月程度にしてもらわねば」

ガチャ

男「………た、ただいまぁーー…」ドキドキ



(JSっぽい制服の)メイド「………お、お帰りなさいませ若旦那様…」ペコリ

男「」

(ランドセル付き)メイド「…………」モジモジ

男「すいません屋敷を間違えました」

バタン!!


108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:33:16.43 ID:2Zj1Ev4N0

男「………はて、おかしい、ここはわが家のはず……おーい少女ちゃーーん?」クルッ

少女「はいっ!!お呼びですか?」トタトタ

男「うん、やっぱり少女ちゃんだよね?俺を惑わす妖精さんとかでなくちゃんと人間だよね?」

少女「はい?」キョトン

男「いや、いいんだごめんよ掃除の邪魔をして」

少女「いえ、そろそろ終わりなので構いませんけど、どうかしたんですか?」

男「いや、扉の向こうに未知の何かがたたずんでいたから」フルフル

少女「へ?でも……」

男「まああれだ、きっと疲れて幻覚でも見たんだろう、だってメイドさんが○学生の格好とか笑えないというかむしろどん引きでしょ、ははは……」ガチャ

メイド「」

男「oh」

少女「あ、あれ?で、でもご主人様がメイドさんに着せたくて頼んだんじゃ…」オロオロ

男「はい?」

少女「えっ?」

メイド「」プルプル


109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:46:32.37 ID:2Zj1Ev4N0
………

男「………なるほど、二人は気付かなかった?この手紙」

少女「………これは…」

男「……まあそれはいいか、それよりだ、メイドさんはなんであれを着る気になったんだ……」

少女「……そ、それはわたしの口からはちょっと…」

男「まだあるぞ、数ある衣装の中からどうしてもっともメイドさんにはミスマッチと言える初等学院の制服を選んだんだ、もっと他にあるだろ、バニーとかボンテージとかビキニとか!!流石の俺も多少童顔ではあるけどセクシー系であるメイドさんに○学生の格好させて悦ぶ趣味はないよ!?誰が得したのさあんなメイドさん!?」

少女「…い、いや……他のは露出が激しくて無理ってメイドさんが……私もあれはやめた方が良いんじゃないかとは思ったんですが」

男「………メイドさんけっこう恥ずかしがりだからね、露出嫌がったのは納得だけど……ないわー」

少女「め、メイドさんも勇気だしたんですよ!?そこは認めてあげて下さいよぉ!!」バタバタ

男「そ、そお?うーん?」

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:51:24.83 ID:2Zj1Ev4N0
男「……ところでそのメイドさんはどうしたの」

少女「部屋に籠っちゃいました……」

男「…………布団にでもくるまってそうだな、仕方ないな」

少女「えっ?どうするんです?」

男「ほっとくと長いんだよ、だからちょっとね……」スタスタ

少女「はぁ…」トタトタ


111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:22:51.99 ID:2Zj1Ev4N0

コンコン

男「メイドさん、入るよ」ガチャ

布団「………」

男「………拗ねると布団にくるまるのは子供の頃から変わんないな、さっきは悪かったってば、ちょっと驚いただけだよ」

布団「………………」

男「………うーん、いまいちよく分かんないから何て言えば良いのか迷うけど、俺に怒ってるなら遠慮しないで煮るなり焼くなりして構わないよ」

布団「………」

男「………えーと……なんだかな…ちょっと座るよ?」ポスッ

布団「………」シュッ

男「げほぁっ!?」ミシッ

メイド「…………」ムクリ

男「あばらが!!あばら骨がっ!?」ジタバタ

メイド「……女性のベッドに許可なく腰掛けるのは誉められた行為ではありませんよ」ムスッ

男「ひぃ……ふぅー…!?だからってタイムラグゼロで蹴りを入れるのはやめてっ!!」ウルウル

メイド「煮るなり焼くなり好きにしろとの事でしたのでまずはあばらを数本頂こうかと、ちょっと浅かったですが」

男「ものの例えじゃん!!まさかマジで暴力に訴えるなんて思わないじゃん!!なにさ慰めてやろうって思ってもいっつもこれだよ!!」シクシク

メイド「もう平気です、先程の恥は若旦那様がキレイに忘れれば問題ありませんし」ボキボキ、バキッポキポキ…

男「武闘派の人みたく指をパキポキ鳴らしながら言わないで、分かった、ぼくわすれたよメイドさん」コクコク

メイド「よし、なら良いのです」

少女「な、慰め…?」

男「………メイドさんわりと直情型で脳ミソ筋肉タイプだからね、とりあえずなんか殴れば気が済むの、主に俺をだが……」ヒソヒソ

少女「は、はぁ…」

メイド「なにか?」

少女「い、いえ!!」ブンブン

男「なんでもないっす」ブンブン

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 19:07:37.61 ID:VVl8BRsY0
……………

男「………昨日は大変だった…まあなんとかメイドさんも持ち直したからいいものの」スタスタ

男「………メイドさんには行くなと言われたがここは文句を言ってやらないと気がすまん!!ごめんください!!」ガチャ

仕立て屋主人「おや?ようこそいらっしゃいませ」

男「やい仕立て屋!!よくもあんなありがた迷惑なサービスしてくれたな!!」プンスカ

主人「あ、いや旦那さま少々お待ちを……せ、先客がおりますので」

男「うるさいやいっ!!いい仕事するくせに需要と供給を丸っきり理解してないあんぽんたんめ!!何故メイドさんの分はセーラー服とかブレザーとチェックのスカートに黒か紺のハイソックスにしなかったんだ愚か者め!!あんなの誰も幸せにならないじゃないか!!」プンプン

主人「で、ですから先客がおりますので」オロオロ

イケメン「構わぬ店主よ、そちらを優先してもよい」

男「む?」チラッ

主人「……しかし」

イケメン「構わぬと言っておるのだ、その者の言う需要と供給というものも気になるのでな」

主人「は、はぁ…畏まりました」スッ

男「あらやだ、超イケメン……」

124: 大丈夫だった(´・ω・`) 2015/05/25(月) 19:36:50.44 ID:VVl8BRsY0

イケメン「どれ、私の事は気にせず申してみよ、聞かせて貰いたいのでな」

男「え、えーと……なら遠慮しないで………仕立て屋さんありゃないよさっきも言ったけど、サービスは嬉しいけど少女ちゃんの衣装と丸っきり同じにする?バニーだってどっちも黒だし普通ちっぱいは白でおっぱいは赤でしょう!?」

主人「なんですと?それは聞き捨てなりませんぞ!?バニーちゃんは黒が至高にして究極、そして基本ですぞ!!」

男「な、なんだとう!?」

イケメン「ふむ、黒が基本なのは間違い無かろう、だがその他の色を蔑ろには出来ぬ」

男「ん?」クルッ

イケメン「私の事は気にしなくてよいぞ」

男「……まあバニーはそれで良いとして、次はあの丸だしメイド服だ!!俺は丸出しにしろなんて注文はしていないぞあんなのチラリズムへの冒涜じゃないか!!」

主人「何を申されますか!!チラリズムなど通常のメイド服の丈をちょっと短くすれば事足りるもの!!ならば特殊メイド服は限界以上に布を排除してドエロの極みへと挑むべきではございませんか!?」

男「ぐ、ぐぬっ…で、でもあんないかにもなメイド服じゃそもそも着てくれないじゃん!!丸だしは大好物さ!!でも着てくれないなら宝の持ち腐れじゃないか!!」

イケメン「ふむ、確かにちょっとエッチな服を恥じらいながら着てくれるのがもっとも素晴らしいからな、突き抜け過ぎると相手にされぬだろう、そしてそんなものを嬉々として着る売女など願い下げだ」

男「………あんた、わかってるじゃないか」ニヤリ

イケメン「お主こそ中々の漢のようだ」ニヤリ

主人「お二方ともお若いのに好き者のようで」ニヤリ

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 20:03:47.90 ID:VVl8BRsY0

主人「旦那様の言いたい事は解りました、どうやら私の差し出がましい行いでとんだご迷惑をお掛けしたもようで…」

男「……いや、わかってくれるなら良いんですよ、メイドさんの分は無料な訳だし」

イケメン「ほう?店主よ、お主なかなか太っ腹のようだな?商人が利益を考えずサービスするなどそうそう出来ぬだろうに」

主人「いえいえ、確かに最初は志を同じとする同志への些細な贈り物でございましたがこれがなかなか顧客を増やすのに絶妙な手段でございまして、ははは」

男「……へぇ、そうか……確かにサービスが豊富な方が客は利用してくれるからな」フム

イケメン「ほう?ではこの店は我等の同志の行きつけということか?」

主人「ええまあ、この国はもとより近隣諸国の貴族や大商人……果ては王族の方々にもご贔屓にされておりまして」

男「……す、すごいな、そんなに大きな店じゃないのに」

主人「…………ここだけの話、南の女王国に仕える女戦士団の正式衣装、デザインは私でございまして……」ヒソヒソ

イケメン「なにぃ!?まことか!?あの防御力完全無視したような最低限大事な所だけ隠しとけば良いと割りきっているあの破廉恥極まりない戦闘服を店主……貴様が!?」ガーン

男「マジですか!?あのずらしたらすぐポロリしちゃうような最早服ですらないただの布を貴方が!!なんて偉大な方なんですかあなたは!?」ガーン

主人「ふふ……あれは良いものでしょう?」

イケメン「おお……まさに歴史に残る偉業を成し遂げた賢者だ、なんという素晴らしい出会いか」ガシッ

男「男として最大限に尊敬致します、先程は無礼な発言をして申し訳ありませんでした」ガシッ

主人「いえいえ、私はただ本能の赴くままに仕事をしたに過ぎません」ガシッ

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 21:34:16.57 ID:VVl8BRsY0
男「ところで兄弟、あんたは何処の人なんだ?この街に住んでる人?」

イケメン「ふむ、私か?この街の人間ではない」

男「へぇ、じゃああんたはこの店にわざわざ出向いて来たのか」

イケメン「ここに寄ったのはついでだ、腕のよい変態仕立て屋があると家しn…ゴホン、風の噂で聞き及んだのでな」

男「ふーん?そっか、街に用があるなら何処に行くのか教えてくれよ兄弟、それなりに詳しいし助けられるぜ?」バシバシッ

主人「ちょっ、旦那様そういう無作法は!?」オロオロ

男「へ?」

イケメン「いやよいのだ店主よ、我等は兄弟であり友であり、そして同志であろう?ならばこんなもの無作法でもなんでもないわ、はっはっはっ!!」バシバシッ

男「んん?」

主人「殿k…ゴホン、あなた様がそう仰るならばよいですが」ソワソワ

イケメン「うむ」ニカッ

男「……なに?もしかして貴族の方?」ソワソワ

イケメン「気にするな!!先程も言ったが我等は兄弟であり友であり同志であろう?今さら怖じ気づかれる方が私は悲しいぞ?それに高貴な身分など肩書きにすぎんしな!!はっはっはっ!!」

男「そ、そっすか?えへへ……」ヘコヘコ

イケメン「だから気にするな!!傾国の美男子と謳われてはいるがな!!はっはっはっ!!」

男「け、傾国の美男子って確か……」

イケメン「あっ、しまった」ハッ

主人「あ、あー…」

男「………もしかして、この国の王子様すか?」

イケメン「……………」

主人「……で、殿下……なに自分からばらしているのですか…」

イケメン改め王子「………はっはっはっ!!お忍びできていたのだがバレてしまったのなら仕方ない!!兄弟よ私がこの街に来ている事は他言無用に頼むぞ!!しかし男にも通り名が広まっているというのは意外ではあったな、はっはっはっ!!」

男「は、はぁ……」


128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 21:56:55.70 ID:VVl8BRsY0

男「なんつーか、噂通りのお方のようですね…」

王子「ほう、噂か?どのように広まっているか聞いておきたい所だな、やはり大陸一の美男子として数々の女を虜にしたという逸話も広まっているのかな?」

男「……あーいや、なんつーか、王子さま?傾国の意味はご存知でしょうか」

王子「知らん、誰が言い出したのかは分からぬがカッコいいからそのまま通り名として使っておるがな」キリッ

男(噂通りのバカ王子だった、次の国王になったら国が傾きかねないほどバカだから傾国の美男子って蔑称つけられてんのにも気づいとらん、誉められてると思ってやがる………)

王子「さて、そろそろ行かねばならん……別れは惜しいが永遠の別れというわけでもない、また会おう!!」バサッ

男「あ、はい、またいつか」フリフリ

主人「またおいでくださいませー」フリフリ


王子「さあ行くぞ我が愛馬、グレートファイナリティシンドロームエクスプロージョン号よ!!」シュバッ!!

白馬「………ヒン」ブルル

男「……折角の白馬が台無しの名前だ!!」

王子「では兄弟!!また会おう!!はっはっはっ!!」パカラッパカラッパカラッ………


シーン


男「………濃いお方だったな、何しに街に来たんだ」

主人「さあ、それは存じてませんが……悪い方ではないですよ?あんなんですが」

男「まあねぇ?アホな話するバカ友達には丁度いい性格の人だったが……大丈夫なのかこの国は」


129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 22:17:07.92 ID:VVl8BRsY0

……………

男「………ふぅ、しかし王子様か、なんとかツテ作って王宮に仕事ねじ込むのも悪くなかったなぁ、いやダメか……話をする間もなく走り去っていったしそもそもスゲェバカだったし」ハァ

少女「……あっ、お帰りなさいご主人様」オロオロ

男「…んん?どうかしたの?」

少女「いえ、あの……白馬に乗った変態さんがメイドさんに……」

男「……は?なに?白馬?」

少女「は、はい……先程尋ねて来てメイドさんを見るなり変な事を」

白馬「……ヒヒーン!!」ブルル

男「……こ、こいつはグレートファイナリティシンドロームエクスプロージョン号!?」

少女「なんですそれ、変な名前……」

男「なんでバカ王子がここに!?メイドさんに何を…」

少女「あっ、いえメイドさんに被害は無いです、返り討ちに合いましたから」

王子「」ボロッ

男「」

少女「それで、メイドさんがわたしに「馬に縛って引き回しの刑にしておきましょう、ロープの端を馬の鞍にくくりつけて走らせてきて下さい、よろしく」って」

男「おぉぉぉぉぉぉぉじぃぃぃぃぃっっ!?!?」カビーン

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 22:43:03.98 ID:VVl8BRsY0
王子「はっはっはっ!!いやぁすまない、あまりにも美しい女性だったもので思わず求婚してしまったのだ、私としたことが先走った真似をした、すまなかった!!」ボロッ

メイド「…………求婚?あれが?」ジトッ

男「め、メイドさんやめろ!!この人王子だから!?これ以上はやばい!!」オロオロ

メイド「……むっ…さ、先程は失礼致しました」ペコリ

王子「いや、構わぬよ、女性に暴行されるなど刺激的な経験だった」ポッ

メイド「………うっ…」ササッ

男「………少女ちゃん、王子様はメイドさんにどんな求婚を?」

少女「…えっ、その……」モジモジ

男「ふむ?」

少女「……耳を…」ゴニョゴニョ

男「……なになに?
きなり抱きついて?ふむ……?愛にまみれた●●●や〇〇〇で[ピーーー]?」

少女「………い、言わないで下さい…」カァァァ

男「………メイドさん、責任は持つからもっと懲らしめて上げなさい」

メイド「………構わないのですか?最悪国外逃亡をするはめになりますが?」ゴキッバキバキッ

王子「おお?まだ続くのは嬉しいのだが待って欲しい、先程はつい本題を忘れたが用件を済ませねば」

メイド「……うっ…なんなんですかこの人は」ゾワッ

男「バカで変態な上にマゾの王子様なのか……」

少女「……顔はカッコいいのに…」ササッ

王子「ふっ、誉めても今は何も出せぬぞ?」

男「誉めてないほめてない」ブンブン

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 17:41:09.08 ID:XbRPj5uH0

男「………用件、ねぇ?俺に用があるんですか?」

王子「うむ、仕立て屋で出会った同志が目的の人物だとは思わなかったがな」

男「……うーん、私のような者になんのご用が?」

王子「………詳細はこの書簡に記されている」チラッ

少女「へっ?」キョトン

王子「そこの娘、キミは何処の生まれだ?」

男「…………」ピクッ

少女「えと、この国から西にある小さな国ですけど……」

王子「正確には北西の……森と湖の国か?」

少女「あ、はいそうです」コクリ

王子「やはりか、うむ……どうやら間違いなくそなたのようだな同志よ、受け取ってくれ」

男「………外で話す内容では無さそうだ、客室へ案内します王子」スタスタ

少女「………あ、あの……!!」

男「少女ちゃん、これは仕事の話になるだろうから客室へは話が終わるまで近付かないで、メイドさんもそうしてくれ」

メイド「え、ああはい……お茶の用意は…」

男「俺が自分でやるから大丈夫、とにかく大事な話だから、ごめん」スタスタ

王子「……ふむ、では失礼するよ」スタスタ

少女「………あ……」シュン

メイド「………仕事の話は前からあたしにも言ってくれないのよ、今回もそうなんだと思うけど」

少女「……」

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 17:58:44.65 ID:XbRPj5uH0
………

王子「さて、話をするにも実は私もよく分かっておらんのだ、ただ我が妹に小間使いにされたようなものなのでな、はっはっはっ!!」ニカッ

男「妹?王女殿下ですか」

王子「うむ、我が妹が言うには「にいさまは普段から国中をふらふらしてバカな事をしているから逆に誰にも怪しまれず堂々と交渉してこれる、バカだから」と二度もバカ呼ばわりされたが、我が妹が言う通り堂々とそなたに会いにこれた、流石我が妹だな」コクリ

男「………ふむ、じゃあちょっと失礼して」ガサッ

男「………確かに王族の印で封をしてありますね……どれどれ?」

王子「なんと書いてあるのだ?」ウロウロ

男「……内容これっぽっちも把握してないんすか王子…」

王子「いかにも」コクリ

男「…………まあいいか、えーと?」


……………


154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 18:14:44.00 ID:XbRPj5uH0
………

男「……………ふぅ…」

王子「読み終えたら返事を貰ってこいと言われているのだが、どうなんだ我が同志よ」

男「……………すぐには返答出来かねますね、正直俺には大事過ぎる」

王子「うむ、そうか」

男「ひとつ聞きます、どうして俺の事を?」

王子「……む?そなた、割りと有名なのを自覚しておらぬのか?ここ数年商人達の注目のまとだと聞いたのだが」

男「…………そうですか……はぁ…」

王子「我が妹に聞いた事だが見事な才覚で物流、金銀の為替……あらゆる事で確実に利益を出し若輩ながらにして大商人として頭角を表した天才……そして……」

男「……利益の大半を奴隷の解放なんて事に使っている変わり者、でしょう?」

王子「うむ、そう聞いている、違わぬな?」

男「…………はい、俺の事です」ガシガシ

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 19:00:16.73 ID:XbRPj5uH0
王子「ふむ……何故そのような事を?」

男「………理由までは……すいません」

王子「明かせぬ理由があるのか」

男「……何かを企んでいるという訳ではありませんが……仰る通りです」

王子「そうか、ならば良い……そなたは信用できる」コクリ

男「………」

王子「こちらの話は以上だ、依頼に対しての返答を貰えぬ以上、詳しく話す訳にもいかぬからな、請け負って貰えるならこちらの書簡も渡せと言われていたのだが」

男「そっちにはなにが?」

王子「計画の細かい概要だそうだ、私にはよくわからんが」

男「申し訳ありません、王子…いや、殿下直々にいらっしゃって下さったにも関わらず……」

王子「構わぬと言っておるだろうに?元々無理強いは出来ぬ事だ」ガタッ

男「………最後に、聞きたいことが」

王子「うむ?」

男「王子は先程、少女ちゃんに国の事を聞いていましたよね?」

王子「聞いたな」

男「その訳をお聞きしたいのですが」

王子「…………少々長くなるが、良いか?」

男「はい、お願いします」

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 19:16:23.97 ID:XbRPj5uH0
王子「まず初めに確認するが……我が父、現在の国王についてどう思っている?」

男「国王、ですか……政治に優れた名君だと思っていますが」

王子「間違ってはおらんな、我が父は優れた為政者であり、事実民の暮らしは安定し、我が国の国力はこの大陸随一と言える……だが…」

男「………」

王子「我が父は名君ではあるが、同時に暴君でもある」



王子「……我が国がこうも安定し、力がある理由は、他国へ常に攻め入り、人々を奴隷として狩りたてているからだ……労働力はもとより、戦奴としての捨て駒として」

男「……知っています」

王子「……あの娘の故郷、森と湖に囲まれた美しい土地だったそうだが、今はもう存在せぬ」

男「………」

王子「1ヶ月ほど前に我が父が派兵した軍と同行した奴隷商どもに蹂躙され、若く労働力になりうる男女はこの国へ奴隷として連れて来られた、あの娘はその一人だ」

男「……………」


………………

…………

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 19:47:26.29 ID:XbRPj5uH0
…………

男「……金貨300、か……上々な仕事だったな……」

その日、かなりの大口の仕事をやり終えて、金貨の詰まった袋を担ぎ、男は街を歩いていた。

金貨500。

値打ちとしては一般的な平民の平均生涯収入を凌ぐほどの大金だったが、その青年はそれを1週間程度の短い期間で稼いできた。

だが、こんなものではまるで足りない……否、例えこれが万を超す量だとしても、足りる事はないのだと青年は知っていた。

男「………えーと?まずメイドさんへの給料だろ?それと生活費と次の仕入れの準備費用と……」

指折り数えながら歩みを進めるが、進む道は屋敷への帰路では無かった。屋敷で帰りを待っていてくれている使用人……幼い頃から共に暮らす女性には自分がこんな荒稼ぎをしている事を教えていない。

男「………ざっと金貨50ってところかな、後は貸金庫っと」

青年は、荒稼ぎした利益の大半を奴隷の解放に使っていた。それを使用人である彼女には知られたく無かった。

自分が奴隷という存在に関わっている事実を知られたく無かった。それが例え解放するという事であっても。

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 20:07:54.27 ID:XbRPj5uH0

男(………次の競売は来週だったよな、その前にあと100は最低でも稼いどきたいな)

奴隷の売買は通常、月に一度か二度行われる奴隷専用の競売によって競りに掛けられる。

青年はそこに参加して可能な限り多くの奴隷を競り落とすつもりだった。

金貨500ならば多ければ100人以上は解放出来る。しかし、その日競りに掛けられるであろう奴隷の数は200はいるはずだった、どうあがいても全員解放するのは無理だった。


男「………………」

もちろん手持ちの金額でも解放する人数を増やす事は出来る。

それは、価値の低い奴隷ばかりを解放する事だ。

年老いた者、怪我や病気に掛かった者……そういった者ばかりを選び、価値の高い若く力の強い男、若く美しい女等は選ばない……そうすれば、解放される奴隷は多くなる。

そして青年は、ずっとそうしてきた。

全てを選べないから、切り捨てて、選ばなかった奴隷達の事は見て見ぬふりをしてきた。

自分にはそうすることしか出来ないからと割り切りながら2年もの間そうしてきたのだった。

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 20:32:20.63 ID:XbRPj5uH0

彼が解放してきた奴隷は、数えれば四桁を軽く越えるだろう。

だが、この国から奴隷が居なくなる事はない。あまりにも奴隷という存在は数多く存在していた。

男「……………あーあ、たまにはメイドさんにお土産でも買っていこうかなぁと……」

あまり考え過ぎると次の仕事に支障をきたすほど参ってしまうので無理矢理にでも考えを切り替える、しかし切り替えたはいいが何を買っていけば良いのかとまた悩む、メイドさん最近仏頂面が板についてきてちょっと困っている、笑えばかわいいのに。

何を買っても怒られそうだなぁと思いつつ肩に担いだ袋を持ち直す。

その時、路地の正面から数台の馬車が向かって来ているのに気が付く。

荷台は鉄格子で囲まれ、中に薄汚れた男女が無理矢理詰め込まれたようにひしめいている。

男「………奴隷……か…」

恐らく、次の競売に出品される『商品』の一分だろう、ざっと見て30人は詰め込まれているようだった。

男「…………………」

青年は袋を握る拳に力が籠るのを自覚した。

自覚して、その馬車に乗っている奴隷達を自分が解放することはないだろうとも確信していた。

馬車に詰め込まれている奴隷達は、皆若く、どう見ても『商品』としては一級品だったから。

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 20:53:08.44 ID:XbRPj5uH0
青年はただ、その馬車達が過ぎ去るのを眺める。

そして、その檻の中の一人と目が合った。

男「…………ぁ……」

その瞳は宝石のように光り輝いて見えた。奴隷達の多くは瞳から光を失い、まるで死んだように虚ろな眼差しの筈なのに、その瞳だけは確かに輝いて、美しかった。

その後の数分はよく覚えていない。気がついたら馬車の前に躍り出て引き留めていた……きっとがむしゃらに追い掛け、人目も憚らず追い掛けたのだろう。

男「…ぜ、ぜぇ…ぜぇ!!ま、待て、ちょっと待ってくれ……!!」

行者「なんだ貴様?」

馬車の馬を操る行者に睨まれる、だがそんな事はどうでもよかった。

今から自分は、割り切っていた筈の感情に訴えてバカな事を言おうとしている。

男「……おいあんた、こ、この奴隷……」

行者「……あぁん?」

やめろ。考え直せ。今使うべきじゃ絶対に無い。

理性的な部分が今から行うであろう愚行を止めるべく……脳裏にふつふつとせめぎ上がってくる。


………だが、もう遅い。


男「言い値で買う!!この馬車の奴隷全部置いていけ!!」

自分で自分がよくわからなくなったが……不思議と高翌揚感に溢れていた。

後から考えたら、それは一目惚れというものだったのだろうと思い付き、恥ずかしくなった。ちょっとだけ。

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 21:20:19.70 ID:XbRPj5uH0

金貨300

若者が多く、価値が高いとはいえ一人につき金貨10枚というのは相場の3倍以上だった。

男「……………………や、やっちまった……」

ちょっと時間が過ぎて頭が冷えるとかなりアホな事を感情に任せてやっちまったと項垂れ地面に膝を付いた。

相場の3倍という事は本来ならここにいる3倍以上の奴隷を解放出来たという事なのだ、考えるまでもなくどちらがいいかなど一目瞭然だった。

奴隷「あ、あの……」

男「……ん?」

地面にのの字を書いていじけていると奴隷の一人が話し掛けてきた。この奴隷達の中では年長なのだろう、自分より幾つか歳上そうな男だ。

奴隷「わ、我々は競売に掛けられる筈と聞いていたのですが……いったい何が……」

どうやら状況が分からず困惑しているのだろう。他の奴隷達もそのようでこちらに目を向けている。

男「………あー、あんたらは俺が買った、競売に出される前に破格でな」

奴隷「…………」

別に隠す必要も無かったので、素直に答える。まだ鎖に繋がれたままの奴隷達はどよめき、怯えていた。

それはいつもの奴隷の態度だ、解放する前は自分がどのような悲運に去らされるのかと怖れ、怯えた反応。

男「ひとつ聞くが、あんたら何処の国の人達だ?たぶんみんな同じだとは思うが」

同じ馬車に乗せられていたという事は恐らく……ごく最近にまた奴隷狩りの名目で攻めいった国から集団で連れ去られた人達なのだろうと当たりを付けた。

奴隷「…北西にある森と湖の国の者ですが」

男「全員?」

奴隷「恐らく、ほとんどの者が兄弟や友人だと繋がりがある者のようですし」

そうか、と答えながら青年はそれならこのまま解放しても大丈夫だろうと判断する。

例え異国でも信頼できる仲間が居るならばこの国に住み着くにせよ、故郷の国へ帰るにせよどうにかなる。

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 21:37:02.33 ID:XbRPj5uH0

男「よし、分かった……それじゃああんたらは自由だ、鎖は外すから好きにしてくれ、帰るなりこの国で仕事を探すなりどうしたっていい」

一人一人にまず金貨を1枚づつ握らせてから錠を外していく。

驚く者、呆けたような顔をする者、笑顔を見せる者泣き出す者……様々な感情がその場に溢れる。

そして、口々に感謝の言葉を紡いで頭を下げてくる。

男「………良いんだよ、お礼はいらない」

感謝されるのは悪い気分じゃないが、それをさせたいが為にこんなことをしているのではないから、と言い訳じみた事をいつも思うが口には出さない。

自分がこんな事をする理由は、もっと後ろめたい理由のせいなのだから。

そんな事はこの人達には関係の無い、だから言う必要も無いだろう。

奴隷「……あの」

男「ん?」

先程と同じ男が話し掛けてくる。

奴隷「すいません、どうやらあの子だけは兄弟も友人も一緒ではないようで……小さな子だから我々でどうするかも決めかねているんですが……」

男「………」

その奴隷だった男の指差す先に居たのが、先程馬車を引き留める原因となった少女……あの宝石のような瞳の小さな娘だった。

165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 22:02:27.28 ID:XbRPj5uH0

奴隷「……我々としても同郷の者ですし、ついて来られるなら連れていきたいのですが……」

少女「…………」

本来はそれが良いんだろう、そう思った。だが………

男「………キミ、この中に家族は?」

少女「いません…」

男「友達も?」

少女「……はい」

男「………そっか」

なら、この娘はもう独りだろう。

この国なら、あの暴君なら連れて来られた奴隷以外は皆殺しにしている。

奴隷「………やはり、ここは私がこの娘の家族を探す為も含めて故郷へ……」

男「……いや」

無駄だろう。森と湖の国の事は知っていた。本当に小さな国で、村や集落と言っても差し支えない程、小規模な国だった。人口は百人前後だった筈の国………そんな国がこの国の暴君に狙われたのだ、既に滅んでいる。

奴隷「……え?ですが……」

男「この子気に入った、俺が連れて帰るよ」

少女「………え……」

だけど、それを今この子に……ここにいる奴隷だった人達に告げるのは酷だと思う……もう少し、時間な置かないといけないと思う。

男「帰りたいだろうけど、今俺の屋敷に使用人が不足しててね、キミも帰るまでにまとまったお金があった方が良いと思うよ?………お父さんとお母さんは?」

少女「………生きてると思う……いいえ、生きてます」

男「…………そうか、でも家はもう無いと思うよ、今帰っても探せないかもしれない」

……嘘だ。確認しなくとも分かる、この子には何も残っていない。

少女「……………」

少女はそう告げると悲しそうな顔をしたが……やがてゆっくりと頷いた。

少女「……わかりました、ついていきます、ご主人様」

男「……うん、よろしく」


166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 22:23:07.28 ID:XbRPj5uH0

その少女は可愛かった。とんでもなく可愛かった。改めて見なくとも可愛かった。

どストライクも良いところだった。

男「」

少女「………?あの?」

話している最中はこの子の処遇やなんかを色々考えていたからなんとかなったがいざ区切りがついて話が落ち着いたらまともに顔も見れないぐらいにどストライクだった。

メイドさんの幼少時と比肩するっっ!!!!

決して今の出るところの出てナイスバディーなメイドさんが
魅力的でない訳ではない、今のメイドさんは可愛いと言えば可愛いが分類的にはセクシーなおねえさんである、年下だけど。

自分、ぶっちゃけロリに興味津々です。

男「………えと、その……」

少女「………?」

さっきまではよく動いた口がまったく動かないので仕方なくクールを装う事にした、テンパってる姿をこの子に晒すのは死ぬより辛い。

男「………キミのような若い娘はそれなりに値が張ったが……まあ良いだろう」ジロリ

少女「……っ」ビクッ

クールにもなりきれず何故か威圧感満載の言葉を放ってしまった。ごめんよ脅かして。

男「…………」

いたたまれず先を歩く、するとちゃんとついてくるではないか、刷り込みされた小鳥の如く。

男(かわいい)ポッ

少女(……こわい)

………こうして、少女ちゃんを大枚叩いて衝動買いしてしまい、現在に至る。


……………

………

168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 22:44:28.63 ID:XbRPj5uH0

……………

少女「…………王子様は、どうしてわたしに国の事を聞いてきたんでしょうか……」

メイド「………やっぱり気になる?」

少女「……はい、あの後どうなったのか、知りたいですし」コクリ

メイド「そっか、そうよね……」

少女「…………」

メイド「………こっそり聞いちゃう?」

少女「えっ、でも……」

メイド「気になるんでしょ?アイツもさ、たぶん探してくれてるとは思うんだけど、きちんと見つけるまで話してくれないと思うのよ、アイツそういう奴だから」

少女「………わたしの両親をですか?」

メイド「いるんでしょ?あたしと違って」

少女「………」コクリ

メイド「なら、絶対に探してくれてるよ……アイツ変態だけどさ、そんな事の為だけにあんたをここに置いといてる訳じゃないのは分かってるし、言ってくれないけどね?」

少女「………そう…ですね……ご主人様、優しい人ですし」

メイド「もしかしたら王子様との話であんたのお父さん達の話題とか出るかもしれないし、ちょっとだけね」

少女「…はいっ、ありがとうメイドさん」ペコリ

メイド「あっ、でもこっそりよ?近づくなって一応言われてるんだから」スタスタ

少女「はいっ」トタトタ

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 23:03:06.76 ID:XbRPj5uH0

………

メイド「………んー……聞こえる?」ピタッ

少女「……は、はい少しですけど…」

メイド「………ん……アイツがあんたの国の話題振ったわね…」ヒソヒソ

少女「……っ……」ギュ


……………


王子「…………彼女はその内の一人だ」


男「…………」

王子「……あの娘、あの様子では伝えてはおらんようだな、その方が良いだろうが」

男「………もう少し、時間が必要だと思います、まだ一ヶ月足らずしか経っていない」

王子「………ふむ……」

男「王子、一応確認します……あの国の人達はどうなりましたか?」

王子「………………………」

男「……王子」

王子「我が妹が入念に調べたそうだ、国民の人口が記された帳簿が奇跡的に焼け残っていたらしく、そこに記された数字が、連れて来られた奴隷の数と死体の数が一致したと言っていた」

男「……………」

王子「そなたの予測通りだ、皆殺しにされたよ、老人から女……赤子に至るまで」

男「…………………そう、ですか……」


………………


メイド「………………ぇ……あ……」

少女「……え…?」

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/26(火) 23:16:25.66 ID:XbRPj5uH0

王子「………すまぬな、我が父の所業……許される物ではない」

男「…………ええ、そうですね……」ギリッ

ガタッ


男「っ!!」バッ

王子「何者だ!!」

男「………っ……」ガチャ


メイド「……ぁ……ご、ごめんなさ……」ジワッ

男「………メイドさん、近づくなって言っただろ」

メイド「…………っ……」ポロポロ

男「………少女ちゃんは?」

メイド「…………」ギュ

男「メイドさん」

メイド「………さ…さっきまで一緒に……うくっ……い、いま走って……」

男「……………………………そう……分かった……」

メイド「ごめんなさい……だ、だって……気にしてたから……!!」ポロポロ

男「………そうだね、メイドさんには言っといた方が良かった……俺のミスだ」ガンッ!!

メイド「っ…!!」ビクッ

王子「友よ、どうするのだ?」

男「………俺が知りたいですよ」



男「売られてた奴隷にガチ惚れして衝動買いしてしまった」(後編)に続く