427: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:26:09.93 ID:xviVpdK+o
美嘉「欲しいっていうかさ、おかしくない?」 

武内P「何が、でしょうか?」 

美嘉「アタシってさ、まぁ、ギャルで売ってるワケじゃん?」 

武内P「そう、ですね」 

美嘉「なのに、カレシが居ないって……おかしくない?」 

武内P「……はあ」 


未央「……アイドルだから、おかしくないよね?」 

凛「おかしいのは、話の持って行き方だと思う」


引用元: ・武内P「あだ名を考えてきました」

428: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:30:13.87 ID:xviVpdK+o
美嘉「ギャルってさ、小悪魔的な魅力があるって事でしょ?」 

武内P「そう、ですね。そういった面もあるかと」 

美嘉「小悪魔ってコトはさ、たぶらかすよね★」 

武内P「……はあ」 

美嘉「誰をたぶらかすの?」 

武内P「……ファンの方、でしょうか」 

美嘉「アタシ、ファン多いよ? それじゃ、大悪魔じゃない?」 

武内P「……」 


未央「……まあ、確かにファンは多いよね」 

凛「うん。あの姿を見せないだけ、十分たぶらかしてると思うけど」

429: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:34:06.74 ID:xviVpdK+o
美嘉「だからさ、考えたワケ★」 

武内P「……」 

美嘉「まずは、特定の男の人をたぶからそう、ってね★」 

武内P「その結論が……彼氏、だと」 

美嘉「どう? アタシ、間違ったこと言ってる?」 

武内P「ですが……城ヶ崎さんは、アイドルですので」 

美嘉「あー、タンマ。それはさ、ホラ、ちょっと置いとこ、ね?」 

武内P「……」 


未央「……なんか、もう話の前提が崩れてない?」 

凛「未央、止めてあげて。あんな美嘉、見てられない」

430: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:37:42.27 ID:xviVpdK+o
美嘉「小悪魔ギャルが、男の人をたぶらかしました★」 

武内P「……」 

美嘉「その男の人、チョーメロメロになると思うっしょ? なるよね?」 

武内P「そう……ですね」 

美嘉「トーゼン、付き合いたいと思う。ここまでオッケー?」 

武内P「……はあ」 

美嘉「小悪魔だけどさ、願いは叶えるべきじゃん? 契約だし」 

武内P「……」 


未央「……いつ、契約の話した?」 

凛「強引さが、ちょっと悪魔っぽくはあるけど」

431: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:41:16.93 ID:xviVpdK+o
美嘉「そうしたら、付き合うしかないの。良い?」 

武内P「……」 

美嘉「付き合ったら、アタシはカノジョ★ 男の人はカレシ★」 

武内P「……」 

美嘉「カレシ……か、彼ぴっぴ★」 

武内P「……」 

美嘉「ね? カリスマJKアイドルとしては、彼ぴっ……カレシが居て、トーゼン★」 

武内P「……」 


未央「……言い直した」 

凛「あの呼び方、さすがに恥ずかしかったみたいだね」

432: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:45:23.66 ID:xviVpdK+o
美嘉「居てトーゼンなのに、居ないって変じゃない?」 

武内P「……」 

美嘉「あー、変なのは嫌だなー、カレシ欲しいなー★」チラッチラッ 

武内P「……申し訳、ありません」 


武内P「その願いは、私には叶える事が出来ません」 


美嘉「……なんで?」 

武内P「……」 


未央「……やばい、見てらんないよ」 

凛「プロデューサーの力を大きく越えた願いなら、しょうがないかな」

433: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:48:28.43 ID:xviVpdK+o
美嘉「ねえ……なんで?」 

武内P「それは、貴女がアイドルだからです」 

美嘉「で、でも……カリスマだよ!? ギャルJKだよ!?」 

武内P「ですが、アイドルです」 

美嘉「……!」 

武内P「私は、貴女の担当ではありませんが――」 


武内P「――交際の許可を出すことは、出来ません」 


美嘉「……」 

美嘉「ん?」 


未央・凛「ん?」

434: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:53:13.83 ID:xviVpdK+o
美嘉「許可って……はっ? えっ?」 

武内P「貴女は、とても素晴らしいアイドルです」 

美嘉「えっ……あ、うん」 

武内P「お付き合いをしたいという気持ちも、理解出来ないではありません」 

美嘉「……」 

武内P「ですが……申し訳ありませんが、お断りしてください」 

美嘉「それって……どういう?」 


武内P「――告白を……されたのでしょう?」 


美嘉「……」 

美嘉「……!?」チラッ 


未央「……やめて、美嘉ねぇ。こっち見ないで」 

凛「美嘉が告白されて迷ってるって……勘違いしてる?」

435: SSまとめマン 2018/05/03(木) 22:59:04.66 ID:xviVpdK+o
美嘉「えっ……と」オロオロ 

武内P「その様子……当たっている、ようですね」 

美嘉「当たってるっていうか……」 

武内P「しかし、今は、貴女はアイドルとしてとても大事な時期です」 

美嘉「……だから、カレシは作っちゃ駄目、って?」 

武内P「差し出がましいとは思いますが……」 

美嘉「……あ」 


美嘉「アタシが……誰かと付き合うのが嫌、ってコト!?」 


武内P「そうですね……はい、その通りです」 


美嘉「……」 

美嘉「そっかー★ アンタ、アタシが誰かと付き合うの嫌なんだー!★★★」 


未央「美嘉ねぇ!? まさか、喜んでるの!?」 

凛「……」

436: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:04:27.84 ID:xviVpdK+o
美嘉「そっかそっか……そっかー!★」 

武内P「申し訳、ありません」 

美嘉「独占欲ってヤツ?★ そういうコト?★」 

武内P「……そう、なるでしょうか」 

美嘉「はー★ へー★ ほー★」 

武内P「……」 

美嘉「そこまで言われちゃ、しょーがないかなー★」 

武内P「……申し訳、ありません」 

美嘉「良いって良いって!★ マジ、気にしないでオッケー!★」 

武内P「……はあ」 


未央「……うっわ、めっちゃ喜んでる」 

凛「……」

437: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:11:03.78 ID:xviVpdK+o
美嘉「いやー!★ アタシカレシ作っちゃ駄目だってさー!★」 

未央「いや、うん……思いっきり聞こえてたから」 

美嘉「誰にも……渡したく、ありませんから……だって!★」 

未央「美嘉ねぇ? 落ち着いて、そこまで言ってないよ?」 

美嘉「アタシ、案外束縛されるのも、アリかも」 

未央「美嘉ねぇ? 落ち着いて、そこまで行ってないよ?」 

美嘉「小悪魔ってつらいな―★ ギャルってしんどいなー★」 

未央「……あー……うん、そだね」 


凛「ねえ、プロデューサー」 


武内P「はい、何でしょうか?」 


未央「……そうだよね、しぶりんは行くよね」 

美嘉「ヤバイヤバーイ★ カリスマ溢れそうなんだケドー★★★」

438: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:15:17.95 ID:xviVpdK+o
凛「私、彼氏が欲しいんだけど」 

武内P「……渋谷さん?」 

凛「ほら、私って、二つのプロジェクトを掛け持ちしてるでしょ?」 

武内P「そう、ですね」 

凛「精神的に、結構キツかったりするんだよ、実は」 

武内P「っ!? それは……申し訳ありません、気付きませんでした」 

凛「良いよ、プロデューサーが鈍いのは、知ってたから」 


武内P「スケジュールを調整し、こちらの仕事を……減らそうと思います」 


凛「だから、精神的な支えが欲し――」 

凛「……」 

凛「えっ?」 


未央・美嘉「あっ」

439: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:19:56.57 ID:xviVpdK+o
凛「待って。ねえ、どうしてそうなるの?」 

武内P「渋谷さんは、アイドルとしてとても大事な時期です」 

凛「うん」 

武内P「ですが、まだ、十五歳の……高校生でもあります」 

凛「うん」 

武内P「貴女に、精神面で負担をかけていたとは、気付きませんでした」 

凛「うん」 

武内P「……申し訳、ありません」 

凛「それで?」 


武内P「これからは、クローネ中心の活動w」 


凛「ふうううぅぅぅん!」ジタバタ! 


武内P「っ!? 渋谷さん!?」 


未央・美嘉「……あー」

441: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:26:47.28 ID:xviVpdK+o
武内P「一体何が……渋谷さん!?」 

凛「……ごめん。今の、忘れて」 

武内P「そこまで、貴女に精神的な負荷が……!?」 

凛「……まあ、ある意味では、そうかな」 

武内P「っ……!?」 

凛「だから、その支えとして、彼氏が――」 


武内P「――わかりました」 

武内P「私としては非常に残念ですが……」 


武内P「渋谷さんには、クローネの活動に専念していただきます」 


凛「……よいしょ、っと」 

…ゴロンッ 


武内P「? 渋谷さん? あの、床に寝転んで……何を?」 


凛「ふううううううぅぅぅぅぅんんんああああああああ!!!」ジタバタ! 


武内P「っ!?」

442: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:32:33.97 ID:xviVpdK+o
  ・  ・  ・ 

ちひろ「――なるほど。それで、凛ちゃんがああなっちゃったんですね」 

武内P「……はい」 


凛「……」 

ゴロンッ 


武内P「あの様に、床に大の字に寝て動こうとせず……」 

ちひろ「何か、言葉をかけたりは?」 

武内P「その……大声を出し、暴れてしまうので……」 

ちひろ「なるほど」 


凛「……」

443: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:39:17.90 ID:xviVpdK+o
武内P「……彼女をあそこまで、追い詰めてしまっていたとは」 

ちひろ「そうですね。ある意味では、その通りです」 

武内P「……これも、全て私の責任です」 

ちひろ「そうですね。ある意味では、その通りです」 

武内P「ですが……渋谷さんは、とても素晴らしいアイドルです」 


凛「……」ピクッ 


ちひろ「だったら、貴方が言うべき言葉は、決まってますよね?」 

武内P「はい。クローネに専念とは、甘い考えでした」 


凛「……」ピクピクッ 

…ムクリッ 


武内P「クローネに専念して貰いつつ……」 

武内P「――私に変わる、渋谷さんの専属のプロデューサーを立てます」 


凛「ふううううううぅぅぅぅぅんんんああああああああ!!!」ジタバタ! 

ゴロゴロゴロゴロッ!

444: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:46:47.04 ID:xviVpdK+o
武内P「っ!? これだけでは、まだ、足りないと!?」 


凛「――全然違う! アンタ、何もわかってない!」ジタバタ! 

ゴロゴロゴロゴロッ! 


武内P「し、渋谷さん! 転がるのは! 転がるのはやめてください!」 

武内P「……わかりました」 

武内P「貴女をアイドルの道に引き入れたのは……私です」 


凛「……だから?」 

……ピタッ! 


武内P「そして、貴女を追い詰めてしまったのも……私ならば」 

武内P「その責任として、辞表を提出し――」 


凛「ふざけないでよ! アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」 


武内P「っ!?」

445: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:52:22.21 ID:xviVpdK+o
ちひろ「凛ちゃんの言う通りですよ、プロデューサーさん」 

武内P「千川さん……?」 

ちひろ「二つのプロジェクトで、精神的な負担がかかってるのよね?」 


凛「……」 

…モゾリ 


ちひろ「だったら、プロデューサーさんが、支えてあげれば良いんですよ」 

武内P「……私が、ですか?」 

ちひろ「プロダクションをあげての企画なので、クローネ優先もわかります」 

ちひろ「……だけど、凛ちゃんは、どっちも続けたいのよね?」 


凛「ちひろさん……」 

モゾモゾッ……スッ 


ちひろ「凛ちゃん? 一万円を差し出さなくても良いのよ?」

446: SSまとめマン 2018/05/03(木) 23:57:29.14 ID:xviVpdK+o
武内P「……私は、貴女の精神的な支えになれるでしょうか?」 

凛「……」コクリ 

武内P「! 申し訳、ありませんでした!」 

凛「……うん、反省して」 

武内P「はい。先程までの言葉は、全て、忘れて頂けますか?」 

凛「……うん」 

武内P「貴女が、精神的な負担を感じているならば――」 

凛「……」 

武内P「私は貴女を支え、これからも、貴女の姿を見続けていきたいと……」 

武内P「……そう、思います」 

凛「……ふーん」 


凛「まあ、悪くないかな」ニコッ 


武内P「良い、笑顔です」

450: SSまとめマン 2018/05/04(金) 00:07:15.64 ID:DR0zXIkSo
ちひろ「ふふっ、これで一件落着ですね♪」 

武内P「ありがとうございます、千川さん」 

ちひろ「それにしても、精神的な支え……かぁ」チラッ 

武内P「貴女には……いつも、助けられています」 

ちひろ「うふふっ♪……あー、私も、なんだか彼氏が欲しくなっちゃったなー」チラッチラッ 


武内P「……頑張って、ください」 


ちひろ「……それだけですか?」 

武内P「……」 


武内P「笑顔で、頑張ってください」 


ちひろ「……」 


武内P「千川さん? あの……笑顔で……千川さん?」 

武内P「その表情は……笑顔? あの、どうして何も仰って……千川さん?」 

武内P「っ!? 待ってください! あの、千川さん!?」 


武内P「千川さん!?」 



おわり