161: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:11:46.34 ID:cQRlUPtqo
凛「うん。加蓮と奈緒と話しててさ」 

武内P「何故、私にその質問を?」 

凛「別に……ただ、何となく」 

武内P「……」 

凛「ねえ、プロデューサーの理想のデートってどういうの?」 


武内P「――笑顔です」 


凛「……」 

凛「まあ、言うと思ってたけど」


引用元: ・武内P「泥酔、ですか」

162: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:14:52.57 ID:cQRlUPtqo
凛「デートしたら、笑顔になるものじゃないの」 

武内P「ええ、そうですね」 

凛「楽しかったら、笑顔になるでしょ」 

武内P「いえ、そういう意味ではなく……」 

凛「? どういう意味?」 


武内P「――思い出したら、笑顔になれる」 

武内P「そんなデートが出来れば、理想ですね」 


凛「……ふーん」 

凛「具体的じゃないけど……悪くないかな」

163: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:18:12.77 ID:cQRlUPtqo
  ・  ・  ・ 

凛「――って、プロデューサーは言ってたかな」 

奈緒「思い出したら笑顔になれる、って……全然わかんないぞ!?」 

凛「まあ、プロデューサーらしい答えではあるよね」 

奈緒「……まあ、確かにそれもそうか」 


加蓮「……んふふっ」ニマニマ 


凛・奈緒「……」 

凛・奈緒「……加蓮?」

164: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:22:33.70 ID:cQRlUPtqo
加蓮「……ん? あっ、何の話だっけ?」 

凛「いや、理想のデートの話だけど」 

奈緒「っていうか、さっきから自分の手を見て……何なんだ?」 

加蓮「あー……手じゃなくて、爪、ネイル」 

凛「ふーん?」 

奈緒「だ~か~ら~、ネイルがどうしたって言うんだよ?」 


加蓮「……良い色でしょ?」 

加蓮「これ、プレゼントして貰ったんだよねー……」ニマニマ 


凛・奈緒「……プレゼント?」

165: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:28:01.02 ID:cQRlUPtqo
奈緒「プレゼントって……誰に貰ったんだよ?」 

加蓮「んー、秘密♪」 

凛「そんな言い方されると、気になるんだけど」 

加蓮「えー? そう?」 


凛・奈緒「……加蓮?」 


加蓮「あははっ! ハイハイ、わかりましたよ」 

加蓮「んー……年上で、背が高くて……」 

加蓮「見た目が怖いって、よく言われてる人だね」 


奈緒「……なあ、それって」 

凛「……ふーん」

166: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:34:29.26 ID:cQRlUPtqo
  ・  ・  ・ 

武内P「はい、確かにお話の通りです」 

凛「……職務質問を受けそうになって」 

武内P「北条さんに助けていただきました」 

凛「……それで、そのお礼に、って?」 


武内P「ショッピングの途中だったようなので……はい」 

武内P「北条さんに、若者の好みも知っておくべきだ、と言われまして」 

武内P「同行を許可して頂き……その御礼も兼ねて、ですね」 

武内P「……購入を悩んでいた様子でしたが」 

武内P「きっと、似合うだろうと思ったので……私から」 


凛「……」 

凛「……ふーん」

167: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:37:23.59 ID:cQRlUPtqo
  ・  ・  ・ 

凛「――って、プロデューサーは言ってたけど」 

加蓮「んー?」ニマニマ 

凛「……ねえ、ちょっと」 

加蓮「……あ、ゴメン。何?」 


奈緒「……んふふっ」ニヤニヤ 


凛・加蓮「……」 

凛・加蓮「……奈緒?」

168: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:43:17.62 ID:cQRlUPtqo
奈緒「……ん? あっ、な、何だよ?」 

加蓮「いや、私のデートの話だけど」 

凛「そんなんじゃないでしょ。ただの買い物だから」 

加蓮「ねえ、奈緒? さっきから、何見てるの?」 

凛「それ……キーホルダー?」 


奈緒「い、いや……これは……!」 

奈緒「なっ、何でも無い! 気にするなって!」 

奈緒「あ、あはははは……!」 


凛・加蓮「……」

169: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:47:47.97 ID:cQRlUPtqo
加蓮「何でも無い、って感じじゃなさそうだけどー?」 

奈緒「な……何だよ?」 

凛「それ、奈緒が好きなアニメのキャラだよね」 

奈緒「そう! ついに劇場版が公開され……」 


凛・加蓮「……奈緒?」 


奈緒「……あああもう! わかった、言うよ!」 

奈緒「かっ……買って貰ったんだよ!///」 

奈緒「別に良いだろ!?/// 嬉しかっ……違う!///」 


加蓮「……ねえ、それって」 

凛「……まさか」

170: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:53:18.02 ID:cQRlUPtqo
  ・  ・  ・ 

武内P「はい、確かにお話の通りです」 

凛「……また、職務質問を受けそうになって」 

武内P「神谷さんに助けていただきました」 

凛「……うん、それで?」 


武内P「映画を見に行く途中だったようなので……はい」 

武内P「神谷さんが、神アニメだから絶対みるべきだ、と言われまして」 

武内P「同行を許可して頂き……その御礼も兼ねて、ですね」 

武内P「……さすがに子供っぽすぎるか、と悩んでいた様子でしたが」 

武内P「買わずに居たら、後悔されるだろうと思ったので……私から」 


凛「……」 

凛「……ふーん」

171: 名無しさん 2019/03/28(木) 20:58:37.22 ID:cQRlUPtqo
凛「プロデューサー」 

武内P「? はい、どうかされましたか?」 

凛「二人共、喜んでたよ」 

武内P「それは……はい、良かったです」 


凛「うん、本当にね」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」 


凛「ふざけないでよ!!!!!!!!!!!」 


武内P「っ!?」ビクゥッ!

172: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:04:05.15 ID:cQRlUPtqo
凛「アンタ! 私の! プロデューサー! でしょ!?」 

武内P「し、渋谷さん……!?」 

凛「アンタ! 私の! プロデューサーぁぁぁあああ!?」 

武内P「は、はい! その通りです!」 


凛「…………何なの?」 


武内P「えっ!?」 


凛「何なの!!? ねえ!! 何なの!!?」 


武内P「えっ!? ぷ……プロデューサーです!」 

武内P「私は、渋谷さんの、プロデューサーです!」

173: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:08:46.73 ID:cQRlUPtqo
凛「……そうでしょ?」 

武内P「は……はい!」 

凛「あり得ないから。この状況、おかしいから」 

武内P「な……何が、ですか?」 


凛「はっ?」ギロッ! 


武内P「っ!?」ビクッ! 


凛「ねえ……何がおかしいか、わからない?」 


武内P「えっ?」 

武内P「……えっ!?」

174: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:17:16.57 ID:cQRlUPtqo
武内P「か、考えられる可能性は……有ります、が……」 

凛「何、それ?」 

武内P「ですが、その……」 

凛「言って」 


武内P「その……トライアドの、北条さんと神谷さん」 

武内P「お二人は、私の担当で無いにも関わらず……」 

武内P「……親しくし過ぎではないか、と」 


凛「! そう!」 


武内P「今後は、プロデューサーとアイドル」 

武内P「そこをしっかりと意識し、適切な距離をおくべきだ、と」 

武内P「……そういう事ですね?」 


凛「!? そう!?……いや、ちょっと待って!」 

凛「それだと……待って、ストップ!」

175: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:25:07.38 ID:cQRlUPtqo
凛「……プロデューサーの、理想のデートは!?」 

武内P「えっ?」 

凛「プロデューサーの! 理想のデートは!?」 

武内P「お、思い出したら……笑顔になれる……」 

凛「そう! それじゃあ――」 


凛「わ、私をスカウトした理由は!?///」 


武内P「……笑顔です」 


凛「つまり!?/// わかるでしょ!?///」 


武内P「…………」 

武内P「……?」 


凛「何なの!!?」

176: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:33:12.00 ID:cQRlUPtqo
武内P「渋谷さん……一つ、質問があるのですが」 

凛「何!?」 

武内P「……間違っていたら、申し訳ありません」 

凛「どうせ正解しないから、早く言えば良いでしょ!?」 


武内P「渋谷さんは……貴女が、笑顔になれる」 

武内P「私の理想のデートの様に……思い出しても、笑顔になれる」 

武内P「……そんなデートをプロデュースしろ、と」 

武内P「……そう、仰っしゃりたいのでしょうか?」 


凛「……」 

凛「そう……! そう、それ……それ!」コクコクコクコク!

177: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:37:29.68 ID:cQRlUPtqo
凛「えっ!?/// 何なの!?///」 

武内P「? 何が、でしょうか?」 

凛「何か……急に、察しが良くなってない!?///」 

武内P「……はい」 


武内P「――渋谷さん」 

武内P「私は……貴女のプロデューサーですから」 


凛「ちゃ……ちゃんと見ててにぇにぇ!?///」 


武内P「はい?」 


凛「……!///」

179: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:42:03.44 ID:cQRlUPtqo
凛「待って……ちょっと、考えがまとまらない……!///」 

武内P「だ、大丈夫ですか?」 

凛「大丈夫……!/// いや、わからない……!///」 

武内P「あの……渋谷さんは、何か希望がありますか?」 

凛「きっ、希望って何の!?///」 


武内P「理想のデートの、です」 


凛「でっ――!?///」 

凛「えっ……とぉっ……///」オロオロ

180: 名無しさん 2019/03/28(木) 21:56:45.63 ID:cQRlUPtqo
  ・  ・  ・ 

凛「――ねえ、この間の話の続きなんだけど」 


加蓮・奈緒「ん?」 


凛「二人にとって、理想のデートってどういうの?」 

凛「その……出来れば、具体的な希望とか」 


加蓮・奈緒「……凛?」 


凛「参考までに……じゃなくて」 

凛「いや、ほら……あるでしょ?」

181: 名無しさん 2019/03/28(木) 22:10:01.92 ID:cQRlUPtqo
奈緒「そりゃ……無い事も無いけどさぁ」 

加蓮「どうしたの? 何かあった?」 

凛「別に……ただ、なんとなく」 

加蓮・奈緒「……」 


加蓮・奈緒「――!」ピーンッ! 


凛「……無いの?」 


奈緒「あ……あたしは、お任せで……///」 

加蓮「うん……アタシも、お任せで……///」 


凛「……ふーん」 

凛「それも、まあ……悪くないかな……///」

182: 名無しさん 2019/03/28(木) 22:17:23.61 ID:cQRlUPtqo
  ・  ・  ・ 

武内P「……?」 

ちひろ「プロデューサーさん、どうかしましたか?」 

武内P「いえ……渋谷さん、北条さん、神谷さんからLINEが来て……」 

ちひろ「? 三人、それぞれですか?」 

武内P「はい」 


武内P「スケジュールの空いている日と……」 

武内P「――お任せします」 

武内P「……と言う文が送られて来たのですが……」 


ちひろ「? なんですか、それ?」 

武内P「さあ……?」

183: 名無しさん 2019/03/28(木) 22:27:56.79 ID:cQRlUPtqo
ちひろ「三人から、っていう事は……」 

武内P「トライアドで、何か……という事でしょうか?」 


ちひろ「……ふふっ♪」 

ちひろ「案外、どこか遊びに連れていけー、って」 

ちひろ「……そういう事かも知れませんよ?」 


武内P「成る程」 

武内P「そう、ですね……だとすると……」 

武内P「……私も含め、全員がオフの日があります」 


ちひろ「あら、良いじゃないですか!」 

ちひろ「休日出勤しないよう、見張って貰えますね♪」 


武内P「……そう、ですね」

184: 名無しさん 2019/03/28(木) 22:50:19.37 ID:cQRlUPtqo
武内P「では、後ほど返事を返しておきます」 

ちひろ「今じゃなくて、ですか?」 

武内P「いえ、色々と考えなくてはなりませんし」 

ちひろ「……ふふっ、真面目なんですから♪」ニコッ! 


武内P「……ええ」 

武内P(――理想のデート) 

武内P(皆さんが、それをはっきりと思い描けるようになれる) 

武内P(……そんな計画を立てられれば良いのだが) 


武内P「現実問題、難しいですから」 



おわり