226: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:10:37.77 ID:B0ZNW+2Po
アーニャ「プロデューサーは、甘いものが好き、ですね?」 

武内P「はい、そうですが……」 

アーニャ「ハラショー♪ アーニャも好き、です♪」 

武内P「あの……それが、どうかしたのでしょうか?」 


アーニャ「マーマが、とっても美味しいバターを送ってくれました」 

アーニャ「そのバターで、ホットケーキを食べて欲しい、です♪」 


武内P「成る程……そういう事でしたか」


引用元: ・武内P「泥酔、ですか」

227: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:16:32.67 ID:B0ZNW+2Po
アーニャ「カフェのキッチンを、借りられるよう、お願いしています」 

武内P「アナスタシアさんが、ホットケーキを焼く、と?」 

アーニャ「ダー!」フンス! 

武内P「しかし、そこまでして頂くのは……悪い気がします」 


アーニャ「ニェート! それは、違います!」 

アーニャ「私は、プロデューサーに、喜んでもらいたい!」 

アーニャ「だから、言って欲しい言葉は……違いますね?」 


武内P「……そう、ですね」 

武内P「ありがとうございます、アナスタシアさん」 


アーニャ「ダー♪ 楽しみにしていて、ください♪」ニコッ!

228: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:21:42.97 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

カフェ、店内 

アーニャ「――いらっしゃいませ♪」ニコニコ! 


武内P「アナスタシアさん……その格好は?」 

美波「ふふっ♪ メイドさんの衣装、似合ってますよね♪」 

武内P「はい。とても、似合っています」 


アーニャ「スパシーバ♪」ニコニコ! 

アーニャ「今日のアーニャは、二人のためのアーニャ、です♪」ニコニコ! 


武内P「……成る程」 

美波「ホットケーキ、楽しみですね!」 

武内P「はい、食には関心があります」

229: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:27:48.39 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

アーニャ「――お待たせ、しました」 

アーニャ「アーニャの、アー、特製ホットケーキ、です♪」 


武内P「これは……とても、上手に焼けていますね」 

美波「もしかしてアーニャちゃん、寮で練習したの?」 


アーニャ「ダー♪ 失敗しないよう、練習してきました!」 

アーニャ「……プロデューサー、美波!」 

アーニャ「あったかい内に、食べてください♪」 

アーニャ「今から……フフッ♪ バターを乗せます♪」ニコニコ! 


武内P「……良い、香りです」 

美波「それじゃあ、お言葉に甘えて……」 

武内P・美波「いただきます」 


アーニャ「召し上がれ♪」ニコニコ!

230: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:35:33.25 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

武内P「――ごちそうさまでした」 

アーニャ「……どう、でしたか?」 

武内P「はい。一口目を食べた時にも言いましたが――」 


武内P「練習したと言っていた通り、ホットケーキの絶妙な焼き加減」 

武内P「そして、新鮮なバターの絶妙な塩気」 

武内P「……とても、美味しかったです」 


アーニャ「……ウラー♪ やりました♪」ニコニコ! 

アーニャ「喜んでもらえて、アーニャも嬉しい、です♪」ニッコニコ! 


美波「――駄目よ、アーニャちゃん」 


武内P「……新田さん?」 

アーニャ「……美波?」

231: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:41:16.55 ID:B0ZNW+2Po
アーニャ「駄目……? 美波、何が駄目ですか?」 

美波「確かに、とっても美味しいホットケーキだったわ」 

アーニャ「ダー! プロデューサーも、喜んでくれました!」 

美波「……ええ、そうね」 


美波「――でも、このホットケーキは……未完成!」 

美波「本当は、もっと美味しくなれるの!」 


アーニャ「ダーティシトー!? アー、本当ですか!?」 

アーニャ「美波! どうすれば、もっと美味しくなりますか!?」 


美波「――シロップよ」 


アーニャ「シロップ……!?」 


武内P「いえ、あの……」 

武内P「私は、十分に美味しく感じましたので……」

233: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:46:34.46 ID:B0ZNW+2Po
美波「アーニャちゃん、このシロップは……普通の市販のものよね?」 

アーニャ「ダー。その通り、です」 

美波「良い? よく考えてみて」 

アーニャ「シトー……?」 


美波「ホットケーキは……練習して焼いたもの」 

美波「つまり、アーニャちゃんの愛情が詰まってるの」 


アーニャ「ダー!」 


美波「バターも……アーニャちゃんのお母さんが送ってくれたもの」 

美波「つまり、親子愛……愛情が詰まってるわ」 


アーニャ「ダー!」 

アーニャ「……っ!?」 

アーニャ「シロップには……愛情がありませんね!?」 


武内P「あの……本当に、美味しかったですから……!」

234: 名無しさん 2019/03/30(土) 21:52:45.45 ID:B0ZNW+2Po
アーニャ「……ニェート! ニェニェニェニェ――ット!」 

美波「わかったでしょう? まだ、未完成だった……って」 

アーニャ「プラスチーチェ パジャールスタ……許してください……」ションボリ… 

武内P「い、いえ! お気になさらないでください!」 


美波「――プロデューサーさん」 

美波「ちょっと、お願いがあるんですけど……良いですか?」 


武内P「新田さん?」 

武内P「あの……何でしょうか?」 


美波「――まだ、ホットケーキは食べられますか?」 


武内P「……えっ?」 

アーニャ「……美波?」

235: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:02:24.71 ID:B0ZNW+2Po
美波「アーニャちゃん……完成品、食べて貰いたいわよね?」 

アーニャ「ダー! プロデューサーに、喜んで欲しい、です!」 

美波「……ふふっ! そうこなくっちゃ!」 

アーニャ「アーニャは、アー、完成品を食べて欲しい、です!」 


美波「――プロデューサーさん」 

美波「良ければ……もう一回、チャンスを貰えますか?」 


武内P「チャンス、ですか?」 


美波「このホットケーキに相応しいシロップ……」 

美波「それを手に入れて、戻ってきますから」 

アーニャ「ズドーラヴァ! とってもいい話、です!」 

アーニャ「プロデューサー、お願い、します!」 


武内P「……ええ、わかりました」 

武内P「私は体が大きいので……かなり、食べる方ですから」ニコリ

237: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:10:15.09 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

武内P「……あの」 


美波「はぁ……はぁ……お待たせしました///」 

アーニャ「……///」 

美波「ちゃんと、シロップは手に入りましたよ!///」 

アーニャ「だ……ダー……///」 


武内P「……妙に、顔が赤く」 


美波「すみません、急いだので……///」 

アーニャ「アー……ウー……///」 

美波「それじゃあ、待ってくださいね///」 

アーニャ「ほ、ホットケーキ……や、焼いてきますね……///」 


武内P「……待ってください! すみません、待ってください!」 

武内P「あの……不穏な感じが! あのっ、お二人とも!?」

238: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:18:08.34 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

美波「――上手に焼けたわね、アーニャちゃん♪」ニコッ! 

アーニャ「ダー♪ さっきよりも、美味しそう、です!」ニコッ! 


武内P「え、ええ……そう、ですね……!」 


美波「最初ので、ここのキッチンのコツを掴んだのかな?」 

アーニャ「とっても、アー、自信作! フワフワですね♪」 


武内P「はい……とても、美味しそうです、ね……」 


美波・アーニャ「ふふふっ♪」ニコッ! 


武内P「……!」

239: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:22:35.75 ID:B0ZNW+2Po
武内P「……新田さんは、食べないのでしょうか?」 

美波「はい。せっかくですけど、食べ過ぎになっちゃいますから」 

武内P「そう、ですね……はい」 


アーニャ「バターをのせますね♪」 

…ほわ~ん 


武内P「……良い、香りです」 

美波「もう、この時点でさっきよりも美味しそうですよね」 

武内P「……はい。なので、普通のシロップでも――」 


美波「さあ、アーニャちゃん!」 

美波「シロップ、たっぷりかけてあげましょう♪」ニコッ! 


アーニャ「……だ……ダー///」 


武内P「っ……!」

240: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:26:05.09 ID:B0ZNW+2Po
武内P「あ、あのっ!」 


美波「プロデューサーさん?」 

アーニャ「どうか、しましたか?」 


武内P「そのシロップは……どんなシロップなのでしょうか……!?」 


美波・アーニャ「……」 

美波「それは――勿論、愛情たっぷりの♡」 

アーニャ「と……特製シロップ……です♡」 


武内P「……こ」 

武内P「答えに……なっていないのですが……!?」

242: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:35:19.95 ID:B0ZNW+2Po
武内P「あの! 入手方法や、成分は一体……!?」 

美波「ふふっ♡ それは、内緒です♡」 

武内P「えっ!?」 

アーニャ「アー、隠し味、です♡」 


アーニャ「フフッ♡ たくさん、かけます♡」 

とろとろっ… 


美波「あっ、ヤダ……アーニャちゃんったら♡」 

美波「そんなにいっぱいかけちゃうだなんて♡」 

美波「……もうっ、愛情たっぷりすぎるわ♡」 


美波・アーニャ「ふふふっ♡」ニコニコ! 


武内P「……良い、笑顔です」 

武内P(何故……『♡』まみれなのですか!?)

243: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:42:32.46 ID:B0ZNW+2Po
アーニャ「――どうぞ、アー、召し上がれ♡」ニコッ! 

…ふわっ 


武内P「……!」 

武内P(匂いは……メープルシロップと、変わりない!) 

武内P(言動に、少々不審な点があるものの……) 

武内P(これは、普通のシロップなのでは!?) 


アーニャ「美波も、手伝ってくれたシロップ、です♡」 

美波「ふふっ♡ それじゃあ、これは――」 

美波・アーニャ「ラブライカの――ラブシロップ、です♡」ニコッ! 


武内P「……」 

武内P(ネーミングが! ネーミングが、あまりに不穏すぎます!)

244: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:49:50.04 ID:B0ZNW+2Po
美波「? プロデューサーさん、どうしたんですか?」 

アーニャ「食べないと、さめてしまいますね?」 


武内P「そ、そう……ですね……」 

武内P「では……い、いただきます……」 


美波・アーニャ「……///」ジーッ… 


武内P「ん……ん……!」 

武内P(……ままよ!) 

武内P「!」 

…ぱくっ!

245: 名無しさん 2019/03/30(土) 22:58:15.00 ID:B0ZNW+2Po
武内P「――っ!」 

武内P「これは……とても、美味しいですね……!」 

武内P「先程の、普通の市販のシロップには無い……味と匂い」 

武内P「その風味が、バターの塩気と絡み合い、音楽を奏でています」 

武内P「……そう、ですね」 

武内P「ホットケーキというステージの上で行われる、LIVE」 

武内P「まさに、ラブライカのお二人のような」 

武内P「非常に調和の取れた、美しいハーモニーが――」 


アーニャ「ハラショーぉ……♡」…ウットリ 

美波「良かったわね、アーニャちゃん♡」 


武内P「……」 

武内P「…………」

246: 名無しさん 2019/03/30(土) 23:03:51.19 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

武内P「――……ご馳走さまでした」 


美波「どうでしたか? 最初のと比べて」 

アーニャ「美味しくなっていましたか?」 


武内P「……はい、美味しかったです」 


アーニャ「スパシーバ♪ 美波のおかげ、ですね♪」 

美波「いっぱい頑張ったのはアーニャちゃんよ」 

美波「私は、ちょっと手助けをしただけ……ねっ?」 

アーニャ「美波……はいっ♪」 

美波・アーニャ「……ふふふっ!」ニコニコ! 


武内P「……良い、笑顔です」

247: 名無しさん 2019/03/30(土) 23:16:27.04 ID:B0ZNW+2Po
アーニャ「プロデューサー!」 

武内P「……はい、何でしょうか?」 

アーニャ「また、ホットケーキを焼いたら……」 

武内P「……」 


アーニャ「……食べて、くれますか?///」モジモジ! 


武内P「それ、は……」 

武内P「……」 

武内P「何度も、こうやって頂くのは……気が引けますので」 


アーニャ「ニェート! 大丈夫、です!」 

アーニャ「お料理、とっても楽しい♪」ニコッ! 


武内P「そう……ですか……」

248: 名無しさん 2019/03/30(土) 23:24:45.69 ID:B0ZNW+2Po
美波「アーニャちゃん、ちょっと控えた方が良いと思うわ」 

アーニャ「美波? どうして、ですか?」 

美波「ふふっ! だって、次は作り過ぎちゃうと思わない?」 

アーニャ「アー……かも……しれません」 


美波「愛情たっぷりのものって、つい食べ過ぎちゃう……」 

美波「……そういうの、幸せ太りって言うのよ?」 

アーニャ「……ダー! パーパも、言っていました!」 

アーニャ「マーマの料理は、いくらでも食べられる、って!」 


美波「プロデューサーさんの健康の事も考えないと♪」ニコッ! 


アーニャ「ダー♪ 健康は、大切、ですね♪」ニコッ! 


武内P「……ありがとう、ございます」

249: 名無しさん 2019/03/30(土) 23:32:39.00 ID:B0ZNW+2Po
  ・  ・  ・ 

武内P「……」 

武内P(あれから……まだ、ホットケーキは焼かれていない) 

武内P(……確かに、美味しいホットケーキだった) 

武内P(だが……シロップの詳細は、謎のまま) 


武内P「……愛情たっぷり、ですか」 


ちひろ「――あ、あのっ!///」 

ちひろ「スタドリを差し入れする時の、軽い冗談を……ですね?///」 

ちひろ「そう、しみじみ言われると……その……///」 


武内P「……すみません」 

武内P「愛情とは何なのか……少し、考えてしまって」 


ちひろ「…………はい?」 




おわり