861: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:26:44.01 ID:74LoEOXMo
卯月「は、はいっ! お誕生日パーティーです!」ソワソワ! 

武内P「成る程。では、当日は早めに帰れるように……」 

卯月「えっ!?」 

武内P「えっ?」 


卯月「プロデューサーさん、来てくれるんですか!?」パアッ! 


武内P「……えっ?」 


未央「しまむー、今から誘うんじゃなかったっけ?」 

凛「うん。完全に早とちりしてるね」








引用元: ・武内P「泥酔、ですか」

862: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:30:01.11 ID:74LoEOXMo
卯月「あっ!? も、もしかして……!」 

武内P「し、島村さん?」 

卯月「な、何でも! 何でもありません!」ブンブン! 

武内P「はぁ……?」 


卯月「サプライズゲストなんですもんね!」ニコッ! 

卯月「……あっ、言っちゃった!」ガビーン! 

卯月「ご、ごめんなさい! 何でも無いです!」ニマニマ! 


武内P「……えっ?」 


未央「しぶりんや。私としては、もうちょっと見てたい」 

凛「卯月の表情がコロコロ変わって……ふふっ、可愛いしね」

863: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:34:18.47 ID:74LoEOXMo
卯月「えへ……えへへへっ♪」ニコニコ! 

武内P「あの……島村さん?」 

卯月「はいっ♪ 島村卯月、頑張ります♪」ニコッ! 

武内P「……」 


武内P「その日は、収録時間が遅くなる予定の――」 

武内P「――新田さんの仕事が、入っていまして」 


卯月「はいっ♪」 

卯月「……」 

卯月「っ!?」ガツンッ! 


未央「……あちゃ~、仕事だったかー」 

凛「期待してた分……衝撃が、遅れて来たみたい」

864: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:37:24.15 ID:74LoEOXMo
卯月「あ、あはは……そうなんですね……」 

武内P「……ええ」 

卯月「だったら、一緒に付いてて上げないとですもんね!」ニコッ! 

武内P「……はい」 


卯月「お仕事、頑張って下さいっ♪」ニコッ! 

卯月「わ……私も、頑張ります……」 

卯月「頑張って、頑張って、笑顔で……誕生日頑張ります……」 

卯月「あ、あれ? 頑張らなくても誕生日はくるから……あれ……?」 


武内P「し、島村さん!?」 


未央「よし、助けに行こう」 

凛「うん、ちょっとまずそう」

865: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:41:32.21 ID:74LoEOXMo
未央「はいはーい! ちょっとごめんね!」 

武内P「ほ、本田さん?」 

凛「良いから、私達に任せて」 

武内P「渋谷さん……お、お願いします……」 


未央「しまむー、落ち込むこと無いって! 大丈夫だから!」 

凛「卯月。今度の17歳の誕生日は、何回目?」 


卯月「えっ? ええ、と……」 

卯月「……」 

卯月「ごっ、ごめんね二人共! 心配かけちゃって……!」ペコペコ! 


未央・凛「気にしないで良いよ」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」

866: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:47:15.48 ID:74LoEOXMo
未央「でもさ……プロデューサー、何とかならないの?」 

武内P「えっ?」 

凛「美波の収録って、絶対に付いていかなきゃ駄目なの?」 

卯月「み、未央ちゃん!? 凛ちゃん!?」 


武内P「絶対……という訳では、ありませんが」 

武内P「新田さんは、まだ未成年ですし……」 


卯月・未央・凛「……」 


武内P「――収録終了後に軽く食事に、と」 

武内P「……そう、言われていまして」 


卯月・未央・凛「……」 

卯月・未央・凛「えっ?」

867: 名無しさん 2019/04/24(水) 21:53:00.32 ID:74LoEOXMo
未央「ま、待って待って!? どういう事!?」ワクワク! 

武内P「えっ? そのままの意味ですが……」 

凛「ふざけないでよ!! アンタ、私のぷるぅおおおあああ!!?」ギロォッ! 

武内P「渋谷さん!? 何故、急にアクセル全開に!?」 

卯月「え、えと……あ、あはは……」ヘラッ… 


卯月「そ、それは……楽しみですね♪」ニコッ! 


未央・凛「!?」 

未央(しまむー……この状況で、笑顔に!?) 

凛(う、卯月……どうして笑ってられるの!?) 


武内P「はい、とても」ニコリ! 


卯月・未央・凛「笑顔!?」

868: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:02:22.52 ID:74LoEOXMo
未央「えっ!? そんなに楽しみなの!?」 

武内P「ええ……恥ずかしながら」 

凛「恥ずかしい事をさせるのが、そんなに楽しみなわけ!?」 

武内P「あの……意味が、よく」 

卯月「はっ……ふ、む……」ワナワナ…! 


卯月「――む~ね~キュンで、はにかんで♪」ニゴォッ! 

卯月「右手を振ぅった~け~れど~~♪」ピクピク! 

パシパシパシパシ! 


武内P「っ!? 島村さん!?」 

武内P「何故、高速で左胸を叩いているのですか!?」 


未央「ギブ!? ギブアップって事なの、しまむー!?」 

凛「待って! きっとあれ、心臓マッサージも兼ねてるから!」

869: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:07:52.10 ID:74LoEOXMo
未央「しまむー! とりあえず、歌うのやめよう!?」 

卯月「チャ~ンス~を~追い越し~た青春~の道~♪」ギギ…ギ…! 

凛「卯月! アイドルがしちゃいけない顔してるから!」 


卯月「――む~ね~キュンで、はにかんで♪」ニコッ! 


未央・凛「! 持ち直した!」 


卯月「――かっ、カヒューッ! ヒューッ!」グチャァッ! 


未央・凛「息ができないくらい!?」 


武内P「島村さん!? 一体、どうしたのですか!?」

870: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:13:12.15 ID:74LoEOXMo
  ・  ・  ・ 

卯月「うぅ……ん……!」 


未央「……とりあえず、寝かせておこうか」 

凛「……うん、そうした方が良いかも」 

未央「いやー、しまむーの体がくの字に曲がってたよね」 

凛「私と未央のダブルボディー、綺麗に決まったからね」 


武内P「……本田さん、渋谷さん」 

武内P「――暴力は、いけません」キリッ! 


未央・凛「……何て?」ギロッ! 


武内P「……」 

武内P「今日は少し寒いので、毛布をかけておきましょう」

871: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:16:16.30 ID:74LoEOXMo
未央「まあ……しまむーの気持ちもわからないでもない」 

武内P「えっ?」 

凛「だって、卯月の誕生日パーティーより……その……」 

未央「みなみんとの、デー」 

凛「美波と食事に行くのが、楽しみなんでしょ」 

未央「……まあ、仕事の後だけどね」 

武内P「……その、ですね」 


武内P「――美味しいハンバーグのお店を知っている、と」 

武内P「……そう、仰っていまして」 


未央・凛「……」 

未央・凛「はい?」

872: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:22:31.04 ID:74LoEOXMo
未央「ハンバーグ?」 

武内P「はい。上にかかっている、トマトソースが絶品らしく」 

凛「それだけ?」 

武内P「いいえ。その上に、なんと……チーズまで」 

未央・凛「……」 


武内P「――ハンバーグを切った時に出る、肉汁」 

武内P「それをトマトソースと絡め、チーズと一緒に」 

武内P「……深夜になりますので、新田さんは遠慮するとの事ですが」 

武内P「一口だけ分けてくれれば十分だ、と」 

武内P「……そう、言っていました」 


未央・凛「…………」 

未央・凛「……」 


未央・凛「だから何!!?」

873: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:29:21.69 ID:74LoEOXMo
未央「誕生日パーティーより、ハンバーグ優先って事!?」 

武内P「えっ?」 

凛「ちゃんと説明して! でなきゃ、納得出来ない!」 

武内P「……」 


武内P「――笑顔です」 


未央「……おっけー、みなみんにLINE入れといた」 

凛「何て送ったの?」 

未央「……ほら、こんな感じで」 

凛「うん……ハンバーグは今度にする、って言ってるね」 


武内P「!?」

874: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:36:37.53 ID:74LoEOXMo
未央「さて……仕事も、一人で平気って言ってるし」 

武内P「待ってください! 新田さんに、何と!?」 

凛「プロデューサーは知らなくていいから」 

武内P「いえ、しかし……!?」 


未央「予定が空いたんだからさ……わかるよね?」 

凛「あのさ……全部言わなきゃ、わからない?」 

未央・凛「ねえ、プロデューサー?」 


武内P「っ……!?」

875: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:41:01.81 ID:74LoEOXMo
武内P「いえ……ですが……!」 


卯月「……――ハンバーグ」 

…むくっ 


武内P・未央・凛「!?」 


卯月「ハンバーグには……自信があります」 

卯月「……頑張ります! 頑張ります! 頑張ります! 」 

卯月「島村卯月、一生懸命頑張ります! ハンバーグ!」 


未央「しまむーが得意なの、ロールキャベツだよね!?」 


卯月「――ママのお手伝い、頑張ります!!」 


凛「……あー、そう言えば得意って言ってたね」

876: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:47:24.95 ID:74LoEOXMo
卯月「だから……プロデューサーさん!」 

武内P「島村さん……」 

卯月「私のお誕生日パーティー、来て下さい!」 

武内P「……ですが、しかし」 


卯月「ハンバーグの上に、黄身がトロッとした目玉焼きものせます!」 


武内P「――笑顔です」 

武内P「貴女の誕生日パーティーに、私が出席して……」 

武内P「……笑顔になれるのでしたら、喜んで」ニコリ! 


卯月「~~っ! はいっ♪」ニコッ! 


未央・凛「……」 

未央・凛(良い笑顔なんだけど……なんか……なんか!)

877: 名無しさん 2019/04/24(水) 22:55:17.51 ID:74LoEOXMo
卯月「……えへへっ♪」ニコニコ! 

未央「良かったじゃん、しまむー!」 

凛「誕生日パーティー、楽しみだね」 

卯月「未央ちゃん、凛ちゃん……はいっ♪」ニコッ! 

武内P「あの……場所は、どこの予定なのでしょうか?」 


卯月「私の家です♪」ニコッ! 

卯月「プロデューサーさんも誘う、って言ってあって……ですね///」モジモジ! 

卯月「ママも、パパも――ベレッタちゃんも!」 

卯月「とっても楽しみ、って言ってます♪」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」 


未央・凛「……」 

未央・凛(……ベレッタちゃん?)

878: 名無しさん 2019/04/24(水) 23:04:58.38 ID:74LoEOXMo
未央「ねえ……しまむーって何か飼ってたっけ?」ヒソヒソ 

凛「いや……それは無いと思うけど」ヒソヒソ 

未央「盛り上がってるし……携帯で一応調べてみようか」ヒソヒソ 

凛「そうだね。卯月、凄く幸せそうだし」ヒソヒソ 


卯月「ママも、プロデューサーさんが来るならおめかししないと、って!」 

武内P「そう……なのですか?」 

卯月「パパも、ベレッタちゃんをピカピカにしておかないと、って!」 

武内P「はあ……」 


未央・凛「……」 

未央・凛「ベレッタ社――イタリアの大手銃器メーカー」ボソッ 

未央・凛「……」 

未央・凛「ベレッタちゃん!?」

879: 名無しさん 2019/04/24(水) 23:10:49.70 ID:74LoEOXMo
未央「しまむー!? その……ベレッタちゃんって生き物!?」 

卯月「えっ? 違いますよ?」 

凛「卯月! ベレッタちゃんって……ねえ、ちょっと!?」 

卯月「はい?」キョトン 


卯月「あっ、そうだ!」 

卯月「パパが、‘おいしそうな’ひき肉を用意する、って言ってました!」 

卯月「だから……ハンバーグ、楽しみにしててくださいね♪」ニコッ! 


武内P「それは……はい、楽しみですね」ニコリ 


未央・凛「ストップストップ!」 

未央・凛「ちょっと、二人共その笑顔スト――ップ!」

880: 名無しさん 2019/04/24(水) 23:17:32.33 ID:74LoEOXMo
  ・  ・  ・ 

卯月「はぁ……」 

未央「も、もー! 元気だしなよ、しまむー!」 

凛「そ、そうだよ卯月! せっかくの誕生日なんだから!」 

卯月「……はい、そうですね!」ニコッ! 


卯月「やっぱり……先に約束してたのは、美波ちゃんですし」 

卯月「17歳の誕生日は、また来年もありますから♪」ニコッ! 

卯月「来年は、誕生日パーティーに来て貰えるように……」 

卯月「……島村卯月、頑張ります♪」ニコッ! 


未央・凛「……」 

未央・凛「うん、そうだね!」

881: 名無しさん 2019/04/24(水) 23:28:21.95 ID:74LoEOXMo
未央「……でも、危なかったよね」 

凛「……うん、色々と」 

未央「みなみんと食事って、別に二人きりじゃなかったみたいだもんね」 

凛「まあ……よく考えてみれば、そうかな……って」 


卯月「未央ちゃ~ん、凛ちゃ~ん!」 

卯月「どうかしたんですか~?」 


未央「ごめんごめん、しまむー!」 

凛「すぐ追いつくから!」 


未央・凛「……まあ、時計の針は止まってるけど」 



おわり