2: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:03:07.75 ID:ttCbVaun0
第三部 あらすじ 

第1話:縄張りに近づくべからず 
 →人間とモンスターの間に不穏な空気が流れているユクモ村 
  ハンターの、ハンマーと太刀は、そんな中、渓流に現れたジンオウガの討伐を頼まれます 
  しかし、そのジンオウガには妻と子供がいました 
  ジンオウガは、ハンターから分捕った、「未来を見通せるお守り」でドスジャギィの暴挙を予知しますが…… 

第2話:轟竜迎撃戦 
 →妻と子供の安否を知るため、お守りをなくしてしまったジンオウガは、火山のウラガンキンの元に向かいます 
  そこに、彼を知るティガレックス亜種が攻め込んできます 
  火山で対峙するジンオウガとティガレックス亜種 
  そこに、ハンマーとオトモアイルーの小鉄も参戦しますが…… 

第3話:戦慄の進軍 
 →シュレイド地方の金リオレイア、銀リオレウスに拾われたジンオウガ妻と仔ジンオウガ 
  仔ジンオウガは、「未来を見通せるお守り」を飲み込んでしまっていました 
  一方、ティガレックス亜種との戦いで大怪我を負った小鉄の治療のために、ポッケ村に戻ることを提案するハンマー 
  そんな彼らに、夜中、奇妙なハプルボッカが襲い掛かります 

第4話:今そこにある恐怖 
 →ジンオウガ妻の協力をすることになった少女達 
  続々とシュレイド地方のモンスター達が集まってきます 
  その最中、彼女達を、死んだはずのティガレックス亜種、そしてデュラガウア達が襲います 
  迎撃するモンスター達でしたが、ジンオウガ妻が犠牲になってしまい…… 

以下続刊です


引用元: ・ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」

3: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:11:46.51 ID:ttCbVaun0
5.フラッシュフラッド

天国なんて存在するのか?
地獄なんて存在するのか?
死んだらどうなってしまうのか
残された彼には、それは分からないことだった

4: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:12:20.92 ID:ttCbVaun0
大雨の中、彼は立ち尽くしていた
突然の土砂降りの中、彼はただ呆然とそこに立ったまま、動けないでいた
目の前には、無残に切り裂かれた、見慣れた父と母の姿しかなかったから
だから、彼は動くことが出来なかった

5: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:13:07.10 ID:ttCbVaun0
目の前のそれを、現実と認識することが出来なかったから
いつもの通り、家に帰って、いつもの通り、家族で食事をして、一緒に寝て
そしてまた、いつもの明日が来ると、彼はそう信じていたから
雨が血を流していくのにも気づかず、彼は漫然と立ち尽くしていた

その日、彼は生まれて初めて一人になった

6: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:14:05.21 ID:ttCbVaun0
―樹海、イャンクックの巣<朝>―

弓 「ちょ……小鉄、何してるの……?」
小鉄 「あ、旦那さん。紹介するニャ。今日からオイラの義弟になった、迅雷ニャ」
迅雷 「グォウ」
ハンマー 「小鉄が……ジンオウガに乗っている……」
太刀 「油断も隙もない猫ね……いつの間に手なづけたのかしら……」

7: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:15:23.33 ID:ttCbVaun0
小鉄 「手なづけたとか、不穏なことを言わないで欲しいニャ」
小鉄 「オイラは、身寄りのないこいつを引き取ってやったんだニャ」
小鉄 「二匹で黒いティガレックスに復讐することを誓った仲だニャ!!」
小鉄 「迅雷も何とか言うニャ」
迅雷 「ゴゥウ」
ハンマー 「その……大丈夫、なのか? 流石に一概には信じられんが……」

8: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:22:37.92 ID:ttCbVaun0
太刀 「オトモアイルーのくせにジンオウガの義兄になったつもりなわけ?」
小鉄 「どこまでも失礼な奴らだニャ! オイラとこいつはもはや兄弟ニャ!」
小鉄 「てゆうか『くせに』って何だニャ! オトモ軽視の発言は聞き逃せんニャ!!」
弓 「…………」
迅雷 「グォウ」
少女 「本当のことだよ。この子の名前は迅雷。小鉄ちゃんの弟だって言ってる」

9: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:23:03.15 ID:ttCbVaun0
ハンマー 「そうなのか……小鉄、どんな卑劣な手段を使って騙した?」
小鉄 「やかましいニャ! どうして話をそういう方向に持っていこうとするニャ!」
小鉄 「迅雷、あの馬鹿をかみ殺してしまえニャ!!」
迅雷 「ゴウ!」
ハンマー 「何だ? やる気か?(ガシャコン)」

10: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:23:40.22 ID:ttCbVaun0
ティガレックス弟 「あの猫、どっか兄者に似てるな……」
ティガレックス兄 「グガァァアアアア!!! Zzz……!!!!」
少女 「ちょっと、やめて、小鉄ちゃん、迅雷。こんなところで喧嘩しないで」
迅雷 「兄貴の言うことは聞かなきゃ。お前は関係ないから見逃してやるぞ!」
小鉄 「ダッハッハだニャ! そうだニャ! オイラたちコンビに勝てる奴などいないニャ! 邪魔をするでないニャ!!」
テオ・テスカトル 「…………(ズン、ズン……)」

11: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:24:12.17 ID:ttCbVaun0
小鉄 (ビクッ)
迅雷 (ビクッ)
テオ・テスカトル 「ふむ………………」
テオ・テスカトル 「まず構えがなっておらぬ。ここを、こうだ(グイ)」
迅雷 「な…………何だよ……?」
テオ・テスカトル 「口の利き方もなっていない。点数もつけられんな」

12: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:24:49.82 ID:ttCbVaun0
小鉄 「な……何だニャ! 何か文句があるのかニャ!?」
ナナ・テスカトリ 「まぁまぁ、小鉄さんとやら。少しは朝ですから、静かにしたらいかがですか?(ズイッ)」
小鉄 (ビクビクゥッ!)
ナルガクルガ 「何だ? 喧嘩か?」
紫ガミザミ 「いや、馬鹿猫が、何故かジンオウガにまたがって阿呆言ってるだけじゃ」
小鉄 「そこの蟹! しっかり聞こえてるニャ!!」

13: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:25:15.27 ID:ttCbVaun0
ナナ・テスカトリ 「戦うと言っても、戦い方も知らないでしょう? ジンオウガさん」
小鉄 「迅雷だニャ。こいつには由緒正しき英猫、小鉄がつけたカッコいい名前があるニャ」
ナナ・テスカトリ 「まぁ……モンスターに名前ですって……?」
テオ・テスカトル 「奇特なことだな」
イャンクック 「面白いことを考える。今まで、そんなことは考えたこともなかった」
少女 「そうだねぇ」
イャンガルルガ 「まぁ……いいんじゃねぇのか。本人が満足してればな……」

14: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:26:32.51 ID:ttCbVaun0
迅雷 (ビクビク)
ナナ・テスカトリ 「私達を怖がるようでは、お父上とお母様の仇をとることなどできませんよ」
テオ・テスカトル 「左様。迅雷……とか言ったか? お前は、まだ戦う術も何もない。まずはそれを『勉強』しなければ」
迅雷 「勉強……?」
テオ・テスカトル 「ああ、そうだ」
小鉄 「迅雷にはオイラが全てを教えるニャ! 余計なことを吹き込むなニャ!!」

15: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:27:08.04 ID:ttCbVaun0
ナルガクルガ 「本当だな……あの猫、ジンオウガに乗ったら急に態度が大きくなったぞ……」
ティガレックス弟 「猫のクセに中々面白いじゃねーか」
小鉄 「そこのナルガクルガにティガレックスも、陰口は全部聞こえてるニャ!!」
小鉄 「無敵の小鉄様に対して猫軽視の発言は許せんニャ!!」
イャンガルルガ 「増徴しすぎだぞお前……」

16: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:27:38.86 ID:ttCbVaun0
ハンマー 「と……とりあえず、少女。小鉄は何を言っているんだ?」
少女 「よく分かんない……」
弓 「小鉄、降りてきなさい! 危ないわ!!」
小鉄 「旦那さん!! オイラはこいつを手に入れたから無敵になったニャ!!」
弓 「馬鹿なこといってないで!! それに、手に入れたって言っても、まだ子供のジンオウガじゃない!」
弓 「それ以上、このモンスターたちを刺激すると、私達もどうなるか分からないわ!!!!」

17: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:28:59.15 ID:ttCbVaun0
小鉄 「………………」
テオ・テスカトル 「………………」
ナナ・テスカトリ 「………………」
ナルガクルガ 「………………」
ティガレックス兄 「グガアアアアアアアアア!!! Zzzzz!!!!!!」
ティガレックス弟 「………………」
紫ガミザミ 「………………」
イャンクック 「………………」
キリン 「………………」
イャンガルルガ 「………………」

18: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:29:35.25 ID:ttCbVaun0
ハンマー 「………………」
小鉄 「お前なんでそっちサイドにいるニャ!?」
ハンマー 「まぁ……落ち着けよ小鉄。お前、ここで死にたいのか?」
小鉄 「そんな古典的な脅しに屈する小鉄様だとでも思ってるのかニャ!(フンス)」
ハンマー 「俺はいいんだ。でもこのモンスター達を止めることは出来んぞ」
小鉄 「………………」

20: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:33:25.92 ID:ttCbVaun0
>>19
はじめまして。これからよろしくお願いしますm(_ _)m
ずっとこのスタイルでやってきたので、ご了承ください……
なるべく見やすくなるよう、努力させていただきます

お時間がありましたら、サイトの方もご一読くださいね
お話が長いので、あらすじがカオスになってしまい申し訳ありません(汗)

21: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:34:43.51 ID:ttCbVaun0
小鉄 「(よじよじ)と……とりあえず降りるニャ」
ハンマー 「それがいい」
迅雷 「あ……兄貴……?」
小鉄 「じ……迅雷。とりあえず今はこいつらの言うことを聞いておくニャ。隙を見て逃げ出せば済む話ニャ」
イャンガルルガ 「丸聞こえだぞ」

22: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:35:49.14 ID:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「……迅雷、お前の母上のことは、守れなかった私達にも責任がある」
テオ・テスカトル 「それはすなわち、お前を私達の仲間に迎え入れたいということだ」
オテ・テスカトル 「お前の心を重視するが、どうだろうか。私達の元で勉強するつもりはないか?」
迅雷 「仲間……あんた達が?」
迅雷 「(キッ)母さんを助けられなかった奴らの仲間になんて、なりたくないね!!」
小鉄 「ようし、よく言ったニャ迅雷」

23: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:36:21.66 ID:ttCbVaun0
ナナ・テスカトリ 「…………」
テオ・テスカトル 「ふむ……まぁ、お前の言うことも一理ある」
小鉄 「一理どころじゃないニャ。全理あるニャ」
小鉄 「こんだけ頭数がそろっていながら、何で迅雷の母ちゃんを助けられなかったニャ?」
小鉄 「それすなわち! お前達が弱いからだニャ!!」
俊足ガーグァ(物陰) (駄目だ……旦那、死んだな…………)

24: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:36:54.83 ID:ttCbVaun0
小鉄 「だから迅雷はオイラが育てるニャ。そもそもお前達は胡散臭くて信用できんニャ」
小鉄 「ティガレックスはいびきうるさいし」
ティガレックス弟 「あンだとォ?(ズイッ)」
小鉄 「ひぃ! 迅雷、雷を落とすニャ!!」
迅雷 「まだ落とし方が分からないよ!!」
ナルガクルガ 「よくもまぁ、命の恩人達に対してそこまで増徴できるものだ」
ナルガクルガ 「猫にしてはよくやる。もはや才能のひとつだな」

25: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:37:26.84 ID:ttCbVaun0
小鉄 「そこのナルガクルガ! 猫軽視の発言は一切認めないニャ!!!」
キリン 「どうしたものでしょう……説得に応じる気配がありませんが……」
イャンガルルガ 「ケケ……好きにさせときゃいいんだよ」
キリン 「そんな……」
イャンガルルガ 「それで死んだとしても、こいつらの本望なんだろ。だったらむざむざ死なせてやれよ」
ティガレックス弟 「全くだぜ」
ナナ・テスカトリ 「コラ、貴方達。なんてことを言うんです」

26: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:38:48.55 ID:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「分かった。ならば仲間になれとは言わぬ」
テオ・テスカトル 「しかし少なくとも、お前は戦い方の技術、生き抜く術くらいは学ばねばならぬ」
小鉄 「オイラを無視して話を進めるなニャ!!」
テオ・テスカトル 「猫、お前もだ」
小鉄 「ニャ!?」
テオ・テスカトル 「何かを育てるというのは、お前が思っている以上に大変なことだ」
テオ・テスカトル 「迅雷のためを思うならば、お前も色々と学ぶべきものがあるはずだ」

27: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:40:57.10 ID:ttCbVaun0
小鉄 「ぬぬ……」
迅雷 「あ……兄貴、どうするの?」
小鉄 「完全に包囲されてるニャ。卑劣な奴らだニャ」
ティガレックス弟 「丸聞こえだぜ」
ハンマー 「いい加減にしろ小鉄(ガシッ)」
小鉄 「頭を掴むなニャ…………!!!」
ハンマー 「少女、炎帝は何と言っているんだ?」

28: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:41:46.77 ID:ttCbVaun0
少女 「迅雷と小鉄ちゃんに、勉強の必要があるって。戦い方とか、生活の知恵とか……」
太刀 「勉強?」
少女 「そうだよ。テオ先生達は、私達の『学校』の先生なの」
弓 「プッ……学校? モンスターが……?」
弓 「この子、本当に頭大丈夫?」
少女 「………………でも……本当だもん…………」
ハンマー 「少女の言うことは本当だ。この炎帝は、他の若いモンスターを教育している」
小鉄 「頭を離せニャ……!!(ジタバタ)」

29: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:44:01.47 ID:ttCbVaun0
ハンマー 「まずは小鉄。お前、炎帝にきちんとお礼を言ったのか?」
小鉄 「ニャ!? お礼?」
ハンマー 「お前に古龍の血を与えて、傷を治してくれたのはこのモンスターなんだぞ」
小鉄 「傷? そういえば全然痛くないニャ!」
ハンマー 「今まで全く気が付かなかったのか……」
ハンマー (というか、あの傷で動けていたのもおかしい……)
ハンマー (こいつが首から下げている、あのお守りのせいか?)
ハンマー (スキを見て奪い取った方がいいかもしれないな……)

30: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:45:43.95 ID:ttCbVaun0
小鉄 「そうだったのかニャ……オイラは古龍の血でここまで回復したのかニャ……」
小鉄 「だ……だとしたらあんたさんがたは命の恩人、いや、恩モンスターだニャ……」
ティガレックス弟 「やっと分かったか」
イャンガルルガ 「てめーは何もしてねーだろうが」
小鉄 「だけど、それとこれとは別問題だニャ!」
ナナ・テスカトリ 「……そうですね」
小鉄 「オイラの命を救ってくれたことには感謝するニャ。でも、それならなんで迅雷の母ちゃんを助けられなかったニャ!?」
迅雷 「……! そうだ! そんなに強いなら……!!」

31: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:46:42.33 ID:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「すまない。古龍の血も万能ではないのだ」
小鉄 「所詮その程度だニャ! 親を亡くした子供の気持ちが、お前たちにわかるのかニャ!!」
小鉄 「仲間になれとか、笑わせるニャ! 親だニャ!? 親が死んだんだニャ!!」
小鉄 「ちょっとは迅雷の気持ちも考えるニャ!!」
迅雷 「あ……兄貴……」
テオ・テスカトル 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「確かにお前の言うとおりだ、猫よ」

32: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:47:18.22 ID:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「ならば、我々はこれからどうすれば良い?」
小鉄 「ニャ!?」
テオ・テスカトル 「お前の言うとおりだが、感情論で物事が運ぶほど、世界は甘くはないぞ」
テオ・テスカトル 「そこまで言うからには、お前にも解決策があるのだろう?」
テオ・テスカトル 「それとも、二匹で黒いティガレックス達……に挑んで、返り討ちに遭うつもりか?」
テオ・テスカトル 「冷静になれ。お前の火照った頭では、迅雷をさらに危険にさらすだけだ」

33: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:48:00.39 ID:ttCbVaun0
小鉄 「ぐぬぬ……」
テオ・テスカトル 「今のところは我々と行動するのが一番良い。少なくとも……迅雷がきちんとした力を身に着けるまでな」
キリン 「雷の落とし方なら教えてあげますよ」
ティガレックス弟 (ビクッ)
ナナ・テスカトリ 「戦い方も教えてあげましょう」
迅雷 「雷……」
迅雷 「兄貴、僕、雷を落としてみたい」
迅雷 「もっと強くなりたいよ」

34: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:48:41.32 ID:ttCbVaun0
小鉄 「迅雷……」
小鉄 「ええい仕方ないニャ。あんた達の世話になってやるニャ!!」
ナルガクルガ 「何故こいつはこんなに態度がでかいんだ?」
紫ガミザミ 「分からぬ。並々ならぬ猫じゃな……」
キリン 「ふふ……元気があって良いではないですか」
小鉄 「てゆうか頭を離すニャ!! いい加減にするニャ!!(ジタバタ)」
ハンマー 「話はついたのか?」

35: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:50:40.86 ID:ttCbVaun0
小鉄 「こいつらの世話になることにしたニャ。偉大な小鉄様がここまで譲歩してやったんだから、頭を話すニャ!!」
少女 「ハンマーさん、離してあげないと頭がもげそうだよ」
弓 「小鉄を離して……!」
ハンマー 「ああ。まぁ話がついたんならいいだろう(パッ)」
小鉄 「(ドサッ)ギニャ!」
弓 「小鉄!」
迅雷 「グルルル!!!」
弓 「!!」

36: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:52:00.15 ID:ttCbVaun0
小鉄 「やめるニャ迅雷! あの人間だけは襲っちゃいかんニャ」
少女 (他はいいんだ……)
迅雷 「でもハンターの格好をしてるよ!」
小鉄 「あの人間は、オイラのご主人様だニャ。お前も旦那さんと呼ぶニャ」
迅雷 「うん……分かった!」
弓 「小鉄……大丈夫? 近づいても……」

37: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:53:02.15 ID:ttCbVaun0
小鉄 「大丈夫だニャ。旦那さん、迅雷は分かる子だニャ」
迅雷 「グル……」
弓 「本当……ジンオウガが私の手を舐めてる……」
ハンマー 「驚いたな。本当にてなづけたようだ」
太刀 「いずれ騙されてることに気付くわよ、あのジンオウガ」
小鉄 「迅雷、あの人間二匹は襲っていいニャ。隙あらばヤレニャ」

38: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:55:20.92 ID:ttCbVaun0
少女 「………………っていうことを小鉄ちゃんは言ってるよ」
小鉄 「頭を離せニャ!!!(ジタバタ)」
太刀 「あんたには恩を感じる脳みそもないわけ?(ギギギ)」
小鉄 「ず……頭蓋骨が割れる…………ニャ…………」
弓 「小鉄をいじめないで!!」
太刀 「うるっさいわね! こういう傲慢なオトモには初期教育段階でヤキを入れとかなきゃいけないのよ!!」
太刀 「あんた、監督不行き届きなんじゃないの!?」
弓 「何ですって……!!!?」

39: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:56:07.89 ID:ttCbVaun0
ハンマー 「おい太刀、やめろ。ジンオウガが動き出した」
太刀 「え? 何何?」
迅雷 「兄貴を離せ! 人間!!(バッ!!)」
太刀 「!!」
ハンマー 「(ガシッ)ふん……子供のジンオウガなら、武器を使うこともあるまい……!!」
迅雷 「(グググ)……な……何だよ、この人間……」
太刀 「ジンオウガを手で抑え込んでる……赤ん坊だけど……」

40: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:57:13.91 ID:ttCbVaun0
テオ・テスカトル 「ほう……ナナ、あれは本当に人間か?」
ナナ・テスカトリ 「だと思いますが……」
小鉄 「拘束が緩んだニャ!!(バッ)」
太刀 「あ! コラ馬鹿猫!!」
小鉄 「(ゲシッゲシッ!!)迅雷を離すニャ!!!」
ハンマー 「仕掛けたのはお前だろ!!」
迅雷 「兄貴! 痛いよ!!!」
小鉄 「待ってるニャ迅雷! 今こいつにビッグブーメランを……」

41: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:58:12.71 ID:ttCbVaun0
少女 「小鉄ちゃん、仲良くしようよ……」
小鉄 「! お前は、モンスター語を話す変な人間!!」
少女 「誰も怖い人はいないよ。だから、仲良くしようよ」
少女 「迅雷のお母さんのことは、あなたも悲しいし、私も悲しいよ」
少女 「だから、一緒に生きていこうよ」
小鉄 「………………」
小鉄 (この人間、見ず知らずの他モンスターのために泣いてるニャ)
小鉄 (ぐぬぬ……)

42: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 22:59:26.92 ID:ttCbVaun0
小鉄 「……迅雷、とりあえず今のところはやめておくニャ」
迅雷 「兄貴?」
小鉄 「とりあえずオイラ達が譲歩しないと話が進まないっぽいニャ」
小鉄 「少し大人になるニャ」
迅雷 「う、うん、分かった……」
イャンガルルガ (よく言うぜ……)
ハンマー 「! ジンオウガが下がった!」

43: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:00:24.37 ID:ttCbVaun0
小鉄 「てゆうか俊足ガーグァとモンジロウ、そんな隅っこで何してるニャ」
俊足ガーグァ 「旦那……生きてるのが不思議ですぜ……」
モンジロウ 「こてっちゃん……あんたは猫の中の猫、いや、雄の中の雄だニャ……!!」
小鉄 「??」
小鉄 「いいからこっちにくるニャ」
俊足ガーグァ 「あんた……炎帝を前にしてなんて不遜ぶりだ……」
モンジロウ 「しかもジンオウガまで味方につけちまった……! これは世界中に広めるべき大ニュースだニャ!」

44: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:01:11.98 ID:ttCbVaun0
ハンマー 「とりあえず小鉄は落ち着いたのか?」
少女 「そうみたい。もう大丈夫みたいだよ」
ハンマー 「泣くな。どんな生き物にも天が定めた時間というものがある。迅雷の母親が死んだのは、お前たちのせいではない」
少女 「うん……」
テオ・テスカトル 「少女。この人間達と少し話をしてくるといいだろう」
イャンクック 「!!」
ナナ・テスカトリ 「イャンクック様、ここは……」

45: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:01:53.99 ID:ttCbVaun0
少女 「分かった。おじさん、ちょっと行ってくるね」
イャンクック 「う……うむ。気を付けて行きなさい……」
少女 「? うん」
ハンマー 「何だ?」
少女 「テオ先生が、みんなと少し話をしてきなさいって言ってる」
弓 (本当にモンスターと会話してるのね……最初はからかってるのかと思ってたけど…………)
ハンマー 「それでは雪山の俺のテントに行くか。弓も太刀も、ここでは落ち着かないだろう」

46: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:02:23.91 ID:ttCbVaun0
太刀 「あはは……そうね。ティガレックスとナルガクルガが一緒にいることでさえ悪夢だわ」
太刀 「しかも寝てる方のティガレックス、洞窟からはみ出てない?」
少女 「あれは太ってるだけだよ」
太刀 「そうなんだ……」
ハンマー 「とりあえず、炎帝には世話になったと伝えてくれ。それと、小鉄はどうするんだ?」
少女 「小鉄ちゃんは、迅雷と一緒にここに残れって」
ハンマー 「そうか。じゃあな小鉄。短い間だったが、お前みたいな馬鹿なオトモにはもう二度と出会わないだろうな」

47: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:04:24.74 ID:ttCbVaun0
小鉄 「お前のケツに、いつかビッグブーメランを突き刺してくれるニャ……」
弓 「小鉄が残るなら、私も……」
ハンマー 「やめておいた方がいい」
弓 「!」
ハンマー 「ここはモンスター達の縄張りだ。一晩は過ごしたが、本来俺たちがいていい場所ではない」
少女 「大丈夫だよ。雪山とここはあんまり離れてないから」
弓 「小鉄……一人で大丈夫?」
小鉄 「すぐに勉強とやらを終わらせて、迅雷と一緒に行くニャ」
小鉄 「心配無用だニャ!」

48: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:04:50.58 ID:ttCbVaun0
弓 「小鉄がそう言うなら……」
ハンマー 「まぁ、死んでも死なないような猫だ。こんな地獄のような環境でも、当たり前のように生き残るさ」
小鉄 「今更褒めても何も出ないニャ」
太刀 「褒めたの?」
ハンマー 「もういい。行くぞ(ガチャリ)」
キリン 「少女ちゃん、行くの? 私が乗せて行ってあげるわ」
少女 「お姉ちゃん、ありがとう!!」

49: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:05:53.75 ID:ttCbVaun0
太刀 「何? もしかしてキリンも一緒に来んの!?」
テオ・テスカトル 「待ちなさい、キリン……」
ナナ・テスカトリ 「あなた様、もう少女ちゃんはキリンちゃんに乗ってしまいましたわ……」
テオ・テスカトル 「少女が人間と単独で接触できる機会を作りたかったのだが……」
イャンクック 「キリンちゃんは心得ていると思います。それに、あの異様なモンスター群も気になる……」
イャンクック 「あの子を守るためにも、多少の戦力は必要なのでは……」
テオ・テスカトル 「ふむ……確かにそうだな……」

50: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:07:19.18 ID:ttCbVaun0
ティガレックス弟 「じゃあ俺が……」
イャンガルルガ 「馬鹿かお前は」
ティガレックス弟 「何ィ!? 馬鹿って言った奴が馬鹿なんだぜ!!!」
ナルガクルガ 「俺が行こう。隠密行動ならお手の物だ」
イャンガルルガ (……チィ)
紫ガミザミ 「尾行じゃな。楽しそうじゃ。わしも行くぞえ」
ナルガクルガ 「そうか。頭に乗れ」
テオ・テスカトル 「分かった。ならばお前たちに任せよう。さりげなく少女を守ってやってくれ」
ナルガクルガ 「了解した」
紫ガミザミ 「うむ」

51: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:07:58.68 ID:ttCbVaun0
弓 「小鉄……」
小鉄 「旦那さんはゆっくり怪我を治すニャ!」
弓 「うん、分かった。小鉄も気をつけてね……」
ハンマー (弓の怪我は、ついでに炎帝から拝借した血で治っているのだが、言わない方がよさそうだな……)
ハンマー (それにしても、小鉄があそこまで怒るとは……あいつも、もしかして過去に……)
弓 「…………」
少女 「どうしたの? ハンマーさん」
ハンマー 「いや、なんでもない。行こう」

52: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:09:36.72 ID:ttCbVaun0
―5年前、人里離れたアイルーの村<夜>―

子アイルー (ふら……ふら……)
子アイルー (ドサッ)
子アイルー 「…………」
子アイルー (体中から力が抜けていくニャ……)
子アイルー (父ちゃん、母ちゃん…………)
子アイルー (待ってるニャ……今、オイラが行くニャ…………)

53: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:10:10.05 ID:ttCbVaun0
子アイルー (………………)
 >ザァァァァァァ―ッ!!
子アイルー (ハッ!!)
子アイルー (うう……雨が冷たいニャ……)
子アイルー 「!! 父ちゃん! 母ちゃん!!」
子アイルー 「か……体が動かんニャ…………」
子アイルー 「頑張るニャおいら……もうすぐ村だニャ……」

54: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:10:52.91 ID:ttCbVaun0
子アイルー 「………………」
子アイルー 「な……何だニャ……これは…………」

彼が見たのは、ボロボロに壊れた、自分が育った村だった
すべてが粉々に砕け散っていた
そして散乱する、猫だったもの
隣の家族。村長さん
知っている顔がたくさんいた

たくさんいた

誰も、もう動かなかった

55: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:11:57.96 ID:ttCbVaun0
子アイルー 「父ちゃん!! 母ちゃん!!」
父アイルー 「…………」
母アイルー 「…………」
子アイルー 「しっかりするニャ! 今薬草をつけるニャ!!」
子アイルー 「…………血が……血が止まらんニャ!!!」
子アイルー 「誰かー!!! 誰かいないかニャ!!!!」
子アイルー 「父ちゃんが!! 母ちゃんが!!!」
子アイルー 「おいらの父ちゃんと母ちゃんだニャ!! 助けてくれニャー!!!」

56: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:12:39.40 ID:ttCbVaun0
子アイルー 「誰か―!!!!!!!」
 >グルルルルルルル……
子アイルー (ビクッ)
子アイルー (な……何か村の奥にいるニャ……)
子アイルー (でっかい何かが…………)
子アイルー (こっちを見てるニャ…………)
××××××× 「グルルルルルルルルル…………」

57: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:13:19.37 ID:ttCbVaun0
子アイルー 「だ……誰でもいいニャ!! 父ちゃんと母ちゃんが……」
子アイルー 「い……い、息をしてないんだニャ!!!!!!」
子アイルー 「見てないで助けてくれニャ!!!」
子アイルー 「お願いだから助けてくれニャ!!!!」
××××××× 『クク…………カカ…………』
子アイルー 「!! 何がおかしいんだニャ!!!! 助け……」
××××××× 『カカカカカカカカカ!!! クク……ハハハハハハハハハハ!!!!!!』
子アイルー (ビクッ!!!)

58: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:13:48.18 ID:ttCbVaun0
××××××× 『息がない? 助けろ? 何故?』
××××××× 『お前に、そこまでのリスクを背負うだけの覚悟はあるのか?』
子アイルー 「お……お前……お前が…………!!!」
××××××× 『猫ごときにお前呼ばわりされる筋合いはない』
子アイルー 「な……何でだニャ!? オイラ達が何か悪いことをしたかニャ!!」
子アイルー 「何でこんなこと……こんなひどいこと……」
子アイルー 「お前には心がないのかニャー!!!!!!!」

59: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:14:43.12 ID:ttCbVaun0
××××××× 『心……?』
××××××× 『ほう……面白いことを言う猫だ』
××××××× 『ならば問おう。心とは何だ?』
子アイルー 「ごちゃごちゃうるさいニャ!!! お前を倒して、父ちゃんと母ちゃんの手当てをするニャ!!」
子アイルー (ふら……ふら……)
子アイルー 「ここから出ていくニャー!!!!」
××××××× 『ふん……答えを期待した我が馬鹿だったか……』
 >ヒュバッ!!!
子アイルー 「ギニャアアアアア!!!」
 >ドゴッ!!!!

60: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:16:32.78 ID:ttCbVaun0
子アイルー (ズルズル……)
子アイルー (ドサッ……)
子アイルー (か……風……?)
子アイルー (すんげぇ突風が……オイラを吹っ飛ばして…………)
子アイルー 「父ちゃん……」
子アイルー 「母ちゃん…………」
父アイルー 「…………」
母アイルー 「…………」
子アイルー 「うおおおおお!!!!!」

61: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:17:19.38 ID:ttCbVaun0
××××××× 『ほう……まだ立ち上がるか』
子アイルー 「やかましいニャこの外道!!!」
子アイルー 「オイラは……オイラは絶対にお前を許さないニャ!!!!」
××××××× 『クク……カカカカカカッ!!!』
××××××× 『すぐに殺してやろうかと思ったが、なかなかどうして、良い憎しみを持っている』
××××××× 『生かしてやろう』
××××××× 『我を憎め。憎みつくせ。それが我の力となり糧となる』
子アイルー 「どうして……どうしてみんなを……」
子アイルー 「みんなを……殺したニャー!!!!!!!!」
子アイルー 「答えろぉぉぉぉおお!!!!!」

62: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:18:04.09 ID:ttCbVaun0
××××××× 『どうして?』
××××××× 『ふむ……どうしてだろうな……』
××××××× 『暇つぶし……か?』
子アイルー 「暇つぶし…………?」
子アイルー 「…………暇つぶし…………?」
子アイルー 「暇つぶし……!!!!!!!?」
子アイルー 「く……ぐ……(ギリギリ)」
子アイルー 「うおおおおおお!!!!!!(バッ!!!)」

63: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:18:32.66 ID:ttCbVaun0
××××××× 『良い目だ。憎しみで張り裂けそうになっている』
××××××× 『我を憎め、猫よ。お前の友人と、家族を殺した我を憎め』
××××××× 『我の声を、忘れるな』
××××××× 『さすれば、いつかまた会いまみえる時が来る』
子アイルー 「やかましいニャアアア!!!!」
 >ビュゥゥゥゥッ!!!!
子アイルー 「ギャアアア!!!!」
××××××× 『そのまま海まで飛んで行け……』
××××××× 『運が良ければ助かるだろう』
××××××× 『運が良ければ……な』
××××××× 『クククク……カーハッハハハハハハハハハハ!!!!!!』

64: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:19:10.29 ID:ttCbVaun0
どれだけ海を漂っていたのか分からない
彼は、もう自分は死んでしまうのだと思った

それも、またいいのかもしれないと彼は思った
父や母、そして仲間達がいる場所にいけるのであれば、それもまたいいのではないか
彼はそう思った

しかし、彼の体は意思に反して水面を目指していた
どうして水面を目指すのか、それは彼にも分からなかった
それは、憎しみから来るものだったのか
それとも、ただ単に生きたい、それ一念だったのか
彼には、よく分からなかった

65: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/03/21(月) 23:19:36.96 ID:ttCbVaun0
意識が段々と下に落ちていく中、彼の体は上を目指していた
上に
もっと上に
沈み行く体は、意に反して動き続けていた

脆弱な猫の体で、彼は、何故か必死に生きようとしていた

何時間……いや、何日経った頃だか、彼にはよく分からなかった
気づいた時、彼は見知らぬ人間に抱えられていた

97: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:24:46.19 ID:oINlOJ7X0
第5話 フラッシュフラッド 中編

子アイルー 「………………」
ハンター 「……目が覚めた……」
子アイルー 「……!! お前は……!!(ズキッ) ギニャ……!!」
ハンター 「…………動かない方がいいよ。足が、折れてる…………」
子アイルー 「(ズキズキ)う……うぅ……」
子アイルー 「な……何だニャ……ここは……」

彼が見たのは、見慣れぬ高い天井
そして、暖かい火がともっている暖炉
何もかもがのサイズが大きい、まるで別世界の家の中だった

98: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:25:21.73 ID:oINlOJ7X0
ハンター 「今、スープを温めるから……」
子アイルー 「何なんだニャお前……! 人間……!!?」
ハンター 「人間の言葉が分かるのね……どこから来たの……?」
子アイルー 「や……やかましいニャ! おいらを早く……村のところに……」
ハンター 「?」
子アイルー 「父ちゃんと、母ちゃんが……死んじまうニャ!!!!」

99: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:25:58.21 ID:oINlOJ7X0
ハンター 「どういうこと?」
子アイルー 「おいらは……行かなきゃならんニャ…………(ドサッ)」
ハンター 「ちょっと……動かない方が……」
子アイルー 「触るんじゃないニャ!!(バシッ!)」
ハンター 「!!」
子アイルー 「おいらが行かなきゃ……行かなきゃいかんのニャ…………」
子アイルー 「父ちゃんは厳しいけど、本当は優しくて……」
子アイルー 「母ちゃんはおっちょこちょいだけど、お人よしで……いい猫で……」
子アイルー 「でも、おいらがいないとダメな……家族なんだニャ!!」

100: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:26:29.50 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「父ちゃんと母ちゃんは、おいらを守ってくれたニャ……」
子アイルー 「だからおいらは……今度はおいらが……」
子アイルー 「父ちゃんと母ちゃんを、守らなきゃいけないんだニャ!!!」
ハンター 「…………」
ハンター 「そう……お父さんと、お母さんを……」
ハンター 「あなた、亡くしたのね」
子アイルー 「!!!!!!」
ハンター 「…………」

101: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:26:59.72 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「な……何を言ってるニャ…………」
子アイルー 「おいらは家に帰るニャ……」
子アイルー 「家に帰ったら、父ちゃんと母ちゃんがいて……」
子アイルー 「村長さんや、情報屋もいて……」
子アイルー 「長屋も、大きくなって、村のみんなも増えてきて……」
子アイルー 「だから……だから……」
子アイルー 「村は、まだこれからだニャ……」
子アイルー 「これから、村は………………」
子アイルー 「………………村は………………」

102: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:27:27.09 ID:oINlOJ7X0
ハンター 「………………」
子アイルー 「そうだニャ! これからだニャ!!!」
子アイルー 「あんな化け物にやられるおいら達じゃないニャ!!」
子アイルー 「父ちゃんは強いんだニャ! 村の中でも一、二を争う豪腕なんだニャ!!!」
子アイルー 「母ちゃんの料理は世界一なんだニャ!!」
子アイルー 「みんな、みんな一生懸命生きてたニャ!!!」
ハンター 「………………」
子アイルー 「だから……」
子アイルー 「だから、みんなが…………」
子アイルー 「みんなが………………」

103: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:28:27.52 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「みんなが死んだなんて、そんなの嘘だニャ!!!!」
子アイルー 「嘘だニャ!!!」
子アイルー 「嘘だニャー!!!!!」
ハンター 「………………」
子アイルー 「はぁ……はぁ…………(ズキズキ)」
ハンター 「うん……そうだね……」
子アイルー 「!!!」
ハンター 「よく分からないけど……きっとそうだよ……」
ハンター 「大丈夫だよ……」
ハンター 「大丈夫だから……」

104: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:29:13.47 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「お……お前に……お前なんかに、何が分かるニャ!!!」
子アイルー 「お前に、おいらの気持ちが分かるわけがないニャ!!!」
子アイルー 「そもそもお前は何だニャ!!!」
ハンター 「私は弓。このあたりを中心に狩りをしているハンターよ……」
子アイルー 「ハンター…………」
子アイルー 「お、お願いがあるニャ!!!」
子アイルー 「おいらを村まで連れてってくれニャ!!」
子アイルー 「父ちゃんと、母ちゃんが待ってるニャ!!!!!」

105: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:29:48.16 ID:oINlOJ7X0
弓 「………………」
弓 「…………そうだね…………うん、分かった」
子アイルー 「!! 本当かニャ!?」
弓 「いいよ……それで、君の気持ちがおさまるなら」
子アイルー 「今すぐ行くニャ!! グズグズするなニャ!!!!!」
弓 「………………」
弓 「…………うん」

106: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:30:23.67 ID:oINlOJ7X0
 >ザァァァァァ――ッ!!!
子アイルー 「す……すんげぇ土砂降りの雨だニャ…………」
弓 「私の装備を体に巻いていきなさい。冷えると、傷に触るわ……」
子アイルー 「父ちゃん……母ちゃん……!!!」
弓 「………………」
弓 「スープと食料を持ったから……大丈夫。行くよ……ちゃんと背中に乗ってて」
子アイルー 「やかましいニャ!! さっさと行くニャ!!!!」
弓 「………………うん」

107: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:31:01.98 ID:oINlOJ7X0
数時間進んだ先
そこには、何もなかった

倒れた家屋も
猫だったモノも

父も、母も
誰もいなかった

ただ、巨大な竜巻になぎ払われたかのように
地面がえぐれ、木々が薙ぎ倒され
全てが、なくなってしまっていた

108: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:31:34.04 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「……………………」
弓 「…………君が目を覚ますまで、一週間かかったわ」
弓 「その間、この地方では頻繁に竜巻が起こってた」
弓 「近くの村もいくつか、やられたわ……」
弓 「人間の村でさえ、跡形もなくなっているの……」
弓 「………………」
子アイルー (ドシャ)
弓 「あなた、足が…………」

109: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:32:13.93 ID:oINlOJ7X0
子アイルー (ふらふら)
子アイルー 「父ちゃん……母ちゃん…………」
子アイルー 「村長さん…………情報屋………………」
子アイルー 「みんなどこに行ったニャー!!!!!!」
子アイルー 「みんなー!!!!」
子アイルー 「みん……(ズキッ)…………うっ!! ゲホッ…………ゲホッ…………」
弓 「…………これ以上雨に当たると、傷に良くないわ…………」
子アイルー 「……………………」

110: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:33:12.38 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「どうしてだニャ…………」
弓 「………………」
子アイルー 「おいらたちが何か悪いことをしたかニャ…………」
子アイルー 「おいらたちが…………何かをしたのかニャ………………」
子アイルー 「…………おいらたちは……ただ、一生懸命村を発展させようとして…………」
子アイルー 「一生懸命………………」

 >×××××××『ククク……ハハハ………………カーハッハッハッハッハッハ!!!!』

子アイルー 「何がおかしいニャ!!! うわああああ!!! 何がおかしいニャー!!!!」
子アイルー 「村を返せニャー!!! おいらたちの村を!!! 返せニャー!!!!!」

111: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:33:48.00 ID:oINlOJ7X0
弓 「………………」
弓 「あなた、大きな……本当に大きな、白い竜を、見たことがある……?」
子アイルー 「!!!」
弓 「その白い竜に、何かを言われた……?」
子アイルー 「お前……」
子アイルー 「お前、あいつの…………!!!!」
弓 「違うわ」
子アイルー 「……!」
弓 「私も……あの竜を、憎む者の一人なの…………」

112: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:34:15.62 ID:oINlOJ7X0
弓 「随分前の話になるけど……私の村も、ここと同じように消えたわ……」
弓 「あなたと、丁度同じように……」
子アイルー 「………………」
弓 「だから、私……あなたの気持ちが何となく……分かる」
子アイルー 「………………」
弓 「つらいよね……苦しいよね…………」
弓 「憎いよね……」
弓 「あの竜が……憎いよね…………」

113: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:35:03.79 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「…………あの日は…………」
子アイルー 「母ちゃんの、誕生日だったんだニャ…………」
子アイルー 「おいらは…………母ちゃんの好きな、ドスビスカスを取りに行って……」
子アイルー 「そこで、竜巻に、吹っ飛ばされたニャ…………」
子アイルー 「……………………」
子アイルー 「おいらは…………」
子アイルー 「おいらは強くなりたいニャ…………」
子アイルー 「おいらは…………もっともっと強くなりたいニャ…………!!!!」

114: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:35:33.85 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「もっともっと強くなって……」
子アイルー 「おいらは……あの白い竜に……」
子アイルー 「復讐するんだニャ!!!!!!!!」
弓 「……………………」
弓 「うん……そうだね……」
弓 「じゃあ、約束しようか……」
子アイルー 「約束……?」
弓 「それまで、私と一緒にいよう」
弓 「あなたが強くなって、復讐できるまで、私があなたの家族になってあげるよ……」

115: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:36:02.45 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「何でおいらがお前なんかの家族に…………」
弓 「だから、約束……」
子アイルー 「…………?」
弓 「男の子は、もう泣かない……」
子アイルー 「!!!」
弓 「泣かないで……(ぎゅ)」
子アイルー 「………………」
弓 「今だけは許してあげるから……」
弓 「これからは泣かない……」
弓 「私と約束……できる?」

116: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:36:37.43 ID:oINlOJ7X0
子アイルー 「う……う…………(ボロボロ)」
弓 (ぎゅ…………)
子アイルー 「うわあぁあああ!!!! うわぁああああああん!!!!」
弓 「いい子だから……泣かないで…………」

降りしきる雨の中、彼の鳴き声はどこまでも、ずっと遠くまで響いていた
その日、彼はかけがえのないものを失い、そして、かけがえのないものを得た

117: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:37:24.45 ID:oINlOJ7X0
―樹海、イャンクックの巣<夜>―

小鉄 「……………………(ハッ)」
小鉄 「…………」
小鉄 (嫌な夢を見ちまったニャ…………)
迅雷 「グゥ…………グゥ…………」
小鉄 (こいつのせいだニャ…………)
小鉄 (こいつがあまりにも弱そうで…………)
小鉄 (あまりにもかわいそうで…………)
小鉄 (………………)

118: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:37:58.64 ID:oINlOJ7X0
イャンクック 「どうした、小鉄さんとやら。寝付けないのか?」
小鉄 「お前は……変な鳥!!」
イャンクック 「はは。いや、いろいろな者にそう言われるよ」
小鉄 「何だニャ。おいらを叩いても何も出ないニャ」
イャンクック 「何もとって食べようというわけじゃない。少し話をしようとしただけだよ」
小鉄 「ふぅむ……」
小鉄 「あのでっかい古龍夫婦と、ティガレックス二匹が帰ってくれたおかげで大分広くはなったニャ」
小鉄 「何より、ティガレックスのいびきがないせいで、やっと住める環境になったニャ」

119: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:38:29.78 ID:oINlOJ7X0
イャンガルルガ 「先生達を悪く言うことは許さねぇ。小鉄、お前はこれから、先生達に教わることが沢山あるんだぜ」
小鉄 「ふんッ! オイラが教わることなどもう何もないニャ」
イャンクック 「まぁ、そう意固地になることもあるまい。明日から授業に出てみるといい」
小鉄 「うるさいニャ。てゆうか黒い鳥。何でお前がここにいるニャ」
イャンガルルガ 「どこにいようが俺の勝手だろうが」
小鉄 「それもそうだけど、ここはイャンクックとやらの巣じゃないのかニャ」
イャンクック 「ああ、そうだ」
小鉄 「ひょっとして、あのちっこい人間にくっついていきそびれたのかニャ」
イャンガルルガ (ピクッ)

120: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:39:02.00 ID:oINlOJ7X0
小鉄 「モンスターのくせに人間と仲良くしてるなんて変だニャ」
イャンガルルガ 「やかましい(ギギギ)」
小鉄 「あ……頭を噛むなニャ……頭蓋骨が……割れるニャ…………」
イャンクック 「まぁいいじゃないか。ガルルガ君も乱暴はやめたまえ」
イャンガルルガ 「ケッ(パッ)」
モンジロウ (ガクガクブルブル)
俊足ガーグァ (ガクガクブルブル)
小鉄 「てゆうか二人とも何してんだニャ」

121: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:39:42.23 ID:oINlOJ7X0
モンジロウ 「すげぇ……頭をかじられてもビクとも動じてねぇニャ……」
俊足ガーグァ 「旦那は神とやらの加護に守られてるとしか考えられねぇ……」
イャンクック 「もっとこっちに来たらどうだ? そこでは隙間風が入ってくるだろう?」
モンジロウ 「い、いや、あっしはここで……」
俊足ガーヴァ 「俺も……」
小鉄 「いいから来るニャ」
イャンガルルガ 「……………………」
モンジロウ 「…………」
俊足ガーグァ 「…………」

122: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:40:29.70 ID:oINlOJ7X0
モンジロウ 「じゃ……じゃあお邪魔するニャ…………(モゾモゾ)」
俊足ガーグァ 「俺はもうおしまいだ……ここで食われるんだ…………(モゾモゾ)」
イャンガルルガ 「てめーみてぇな得体の知れねぇ鳥を食うか。てゆうか共食いじゃねぇか」
俊足ガーグァ 「言われてみれば……って、得体の知れないのはお互い様ですぜ……」
イャンクック 「ガルルガ君は、本当に少女についていなくていいのか?」
イャンガルルガ 「ビッグボスの野郎がいやがるからな……俺はどうも、あいつと馬があわねぇ」
イャンガルルガ 「それに……」
迅雷 「…………」
イャンガルルガ 「少し、気になることがある」

123: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:40:58.91 ID:oINlOJ7X0
イャンクック 「(にこり)そうか……」
小鉄 「何だニャ。オイラを無視して話を進めるなニャ」
イャンガルルガ 「だから、何でてめーはそんなに態度がでけえんだよ」
小鉄 「体の大きさで力を決めるのは馬鹿のすることだって父ちゃんが言ってたニャ」
小鉄 「だいたい、お前らを怖がるようじゃ、由緒正しきオトモアイルーは勤まらんニャ」
イャンガルルガ 「よく言うぜ。人間の使いッ走りのくせによ」
小鉄 「今の発言は聞き逃せられんニャ。オトモ軽視の発言は許せんニャ!!」
イャンガルルガ 「あーはいはい」

124: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:41:45.92 ID:oINlOJ7X0
イャンクック 「とにかくまぁ、寝れないようなら、落ち着いて話でもしないか?」
小鉄 「ふんッ。迅雷の母ちゃんを助けられなかった連中と話すことなど何もないニャ」
イャンクック 「皆、何かしらの理由で家族を亡くしている。迅雷の気持ちを分かってやれると思うがな」
小鉄 「…………」
モンジロウ 「それにしても、その黒いティガレックスは何だったんでしょうかニャ」
俊足ガーグァ 「俺も気になってたんですがね。聞いたことねぇな」
小鉄 「モンジロウも俊足ガーグァも知らないのかニャ」
イャンクック 「ここの地方のティガレックス君達と顔かたちがそっくりだったが……かなり巨大なモンスターだったな」
イャンクック 「それに、土に溶けたようにも見えた。いずれにせよ、尋常なモンスターではないだろう」

125: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:42:15.37 ID:oINlOJ7X0
小鉄 「あの黒いティガレックスは……確かに倒したはずだニャ」
イャンガルルガ 「お前が? カカ……ハハハハハ!! 変な冗談を言う猫だぜ!!」
小鉄 「わ、笑うなニャ! 確かに倒したのはオイラじゃないけど……」
迅雷 「……グゥ……グゥ……」
小鉄 「………………あのティガレックスは、迅雷の親父さんが倒したはずなんだニャ」
モンジロウ 「こてっちゃんが倒したんじゃないのかニャ?」
小鉄 「オイラの頑張りは五割ってとこだニャ」
イャンガルルガ 「よく言うぜ」
イャンクック 「と、すると……迅雷のお父さんは、その黒いティガレックスと相討ちに?」
小鉄 「…………」

126: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:42:46.71 ID:oINlOJ7X0
小鉄 「………………(ぎゅ)」
小鉄 (あの時ジンオウガにもらったこのお守り……)
小鉄 (あのジンオウガは、オイラに迅雷を頼むって言ったのとほぼ同じだニャ)
小鉄 (だから、オイラには迅雷を守って、立派なジンオウガにする義務があるニャ……)
小鉄 (おいらを助けてくれた、あのジンオウガみたいに……!!!)
イャンクック 「………………」
イャンクック 「よく分からないが、並々ならぬ事情があるようだな」
小鉄 「お前達には関係ないことだニャ」

127: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:50:25.83 ID:oINlOJ7X0
イャンガルルガ 「ふん、気にくわねぇな」
小鉄 「な……何だニャ」
イャンガルルガ 「いや……てめぇを見てると、どうも昔を思い出してな」
イャンガルルガ 「安心しろ。てめぇのようなアホな猫は嫌いじゃねぇ」
小鉄 「アホとは何だニャ。アホとは!」
モンジロウ 「さて……と。こてっちゃんも復活したことだし、あっしは仕事があるから、これで失礼させていただきやすぜ」
小鉄 「モンジロウは忙しいからニャ。でも、あのハプルボッカみたいに変なモンスターにまた襲われたらどうするつもりだニャ」
モンジロウ 「ぐ……そういえば……」
俊足ガーグァ 「俺が送っていきますぜ。樽よりは速い自信がある」
モンジロウ 「そいつはありがてぇニャ。世界にこてっちゃんの勇姿を広めなきゃいかんニャ」
小鉄 「とりあえず伝えて欲しいことはいろいろあるニャ。今から要点を言うニャ」

128: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:50:52.72 ID:oINlOJ7X0
小鉄 「………………という、オイラの武勇伝を託すニャ」
モンジロウ 「任せてくれニャ」
イャンガルルガ 「こうやっていらねぇ伝説ってのが作られてくんだな……」
イャンクック 「はは。まぁ、どこまでが本当か分からないが、面白い猫だ。小鉄君」
小鉄 「オイラの話は全て真実だニャ! 面白くない鳥達だニャ」
イャンガルルガ 「あーはいはい」
小鉄 「~~!!」
モンジロウ 「それじゃ、こてっちゃん、くれぐれも気をつけてユクモ村に戻ってくるんだニャ!(シュバッ)」
俊足ガーグァ 「あんたのことは忘れねぇよ!」

129: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:51:38.96 ID:oINlOJ7X0
小鉄 「任せるニャ。旦那さんと迅雷がひと段落着いたらすぐに戻るニャー!!」
モンジロウ 「………………!! …………!!!」
俊足ガーグァ (ドドドドドドドドドドドド)
イャンガルルガ 「速ェな……」
イャンクック 「もう姿が見えないとは。モンジロウ君が何を言っていたのか、全く聞き取れなかったぞ」
イャンガルルガ 「…………さて、猫。お前一匹になったわけだが」
小鉄 「猫と言うなニャ。オイラには由緒正しき小鉄という名前があるニャ」
イャンガルルガ 「ふてぶてしさは変わらずか……」
イャンクック 「しかし、先ほど小鉄君が話していたことが本当だとすると、あの黒いティガレックスは、一度死んでいるということになる……」
小鉄 「確かにあれは、溶岩に落ちたティガレックスだニャ。オイラの目に狂いはないニャ」

130: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:52:13.65 ID:oINlOJ7X0
イャンガルルガ 「信用できるかよ。第一、一度死んだ者はもう二度と生き返らねぇんだ」
イャンガルルガ 「二度とな」
イャンクック 「………………」
小鉄 「そ、そんなの、言われなくてもおいらも分かってるニャ」
小鉄 (でもあの黒いティガレックスは……)
小鉄 「うーん…………」
イャンクック 「分からないな……もしかしたら、砦ドラゴンのような力を持つ存在がいるのかもしれない」
イャンガルルガ 「そんなのがいたら、世界が破滅だぜ。やりたい放題じゃねぇか」

131: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:52:46.52 ID:oINlOJ7X0
小鉄 (あの……あの笑い声……)
小鉄 (あの白い竜…………)

 >助けろ? 何故? お前にそこまでのリスクを背負う覚悟があるのか?

小鉄 (ギリ……)
イャンガルルガ 「………………?」
小鉄 「と……とにかく、死んだ者が生き返らないことぐらい言われなくても知ってるニャ」
イャンガルルガ 「でもさっきは自信満々に、溶岩に落ちたティガレックスだって断言したじゃねぇか」
小鉄 「それは……そうなんだけどもニャ……」
イャンクック 「もしかしたら、溶岩の中からティガレックスだけ脱出したのかもしれないな……」
イャンクック 「彼らは鱗が厚い。少しならば溶岩に耐えられるはずだ」
イャンガルルガ 「それはいいが、あの妙なモンスター達も気になる……」
イャンガルルガ 「倒した途端土くれになりやがった。まるで化け物だぜ」

132: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:53:18.55 ID:oINlOJ7X0
イャンクック 「ふむ……」
イャンクック 「とりあえず、今日のところは休むことにしようか。小鉄君も疲れているだろう? 気は少し紛れたかい?」
イャンクック 「寝る前に君達二人に、とっておきのこれを飲ませてあげよう」
イャンガルルガ 「それは……ツチハチノコの酒か?」
イャンクック 「ああ。だが、十年物だ。少女がいるときは強すぎるので出さないようにしていたのだが、君達ならいいだろう」
イャンクック 「キングがこのまえこれをくれてね。何、寝る前に一杯やるといい夢が見れるんだ」
イャンガルルガ 「ほう(グビッ) ……ン、これは美味いな」
小鉄 「オ、オイラにも寄越すニャ(ゴクゴク)……プハァアア~~!!」
小鉄 「こりゃたまらんニャ!!」

133: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:53:51.59 ID:oINlOJ7X0
イャンクック 「はは、気に入ってもらえてよかったよ」
小鉄 「も、もっと寄越すニャ」
イャンクック 「これは強すぎるからね。また明日、飲ませてあげよう」
小鉄 「ケチだニャ」
イャンガルルガ 「体が温まってきた。確かにこりゃ、いい夢見れそうだぜ」
イャンクック 「そうだろう。ガルルガ君は傷を受けている。古龍の血で治ったといえ、今日はあまり動かない方がいい」
イャンクック (古龍の血か…………)
イャンクック (今日も、ナナ様が少女に血を分け与えてしまった)
イャンクック (これで少女が、益々人間から遠ざかってしまわなければいいが……)

134: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:54:19.27 ID:oINlOJ7X0
―ユクモ地方、火山<朝>―

アオアシラ弟 「ふぅぅぅ~~……あっついなぁココは…………」
ウラガンキン 「まぁそう言わずに。ほら、水を持ってきた。飲むといい」
アオアシラ弟 「ヒィィィッフゥ! いただくぜ!(ゴクゴクゴクゴクゴク)」
アオアシラ弟 「フゥゥゥ!! 生き返ったァ!!!」
ウラガンキン (………………火山の中から、ジンオウガさんの遺体は引き上げることができたが……)
ウラガンキン (ティガレックス亜種の死骸だけがどうしても上がらない……)
ウロコトル達(親衛隊) 「殿下、下のエリアにも潜ってまいりましたが、やはり……」
ウラガンキン 「そうか……」

135: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:55:05.56 ID:oINlOJ7X0
ウラガンキン 「それと、亜種……弟は……?」
ウロコトル達(親衛隊) 「溶岩の中に、完全に身を隠してしまわれているようです。追跡してはいるのですが……」
ウラガンキン 「ふむ…………」
ウラガンキン (あの地震を引き起こしたのは、確かに、弟……亜種の顎によるものだ)
ウラガンキン (事件以来、弟は逃げまわって僕と顔をあわせようとしない……)
ウラガンキン (………………)
ウラガンキン (それよりもティガレックス亜種……どうにも気になる……)
ウラガンキン (奴はやはり、まだ生きているのか……? )

136: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:55:38.76 ID:oINlOJ7X0
アオアシラ兄 「おぉぉぉ~~い、王様~~~~!!」
アオアシラ兄 「連れてきたぞ~~~!!!」
ウラガンキン 「! 来たか!」
アオアシラ弟 「ンン? 熱気でよく見えねぇ。兄ちゃんか? 本当に兄ちゃんかァ?」
アオアシラ兄 「兄ちゃんだ! お前の兄ちゃんだぞ!!」
アオアシラ弟 「本当の兄ちゃんならこれが言えるはずだぜ! ハチミツがないなら!!」
アオアシラ兄 「ロイヤルハニーを食べればいいじゃない!!」
アオアシラ弟 「うわっはぁ! 超傲慢!! 兄ちゃんだー!!!! やっぱり兄ちゃんだー!!」

137: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:56:29.62 ID:oINlOJ7X0
ウラガンキン 「………………」
ウラガンキン 「ええと……良く来てくれた。ナルガクルガ三兄弟」
ナルガクルガA 「いやぁねぇ。こんなあっついところに呼び出して」
ナルガクルガB 「あたしたちの魅力的なウ・ロ・コがとろけちゃうじゃないの」
ナルガクルガC 「でもあたしたちの心は、既にあなたに」
ナルガクルガ三兄弟 「「「く・ぎ・づ・け」」」
ナルガクルガ三兄弟 「「「とろけちゃってるのぉ」」」
ウラガンキン 「………………」
ウラガンキン 「うん、そうだな」
ウラガンキン 「で、話なんだが」

138: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:57:04.39 ID:oINlOJ7X0
ナルガクルガA 「なぁに、いきなり仕事の話? つれないわねぇ」
ナルガクルガB 「あたし達と、これから旧密林でランデブーしない?」
ナルガクルガC 「今ならお姉ちゃんもいないしぃ」
ウラガンキン 「ああ、それはまた今度」
ウラガンキン 「今回君達を呼び出したのは、他でもない、先日の一件に関しての事なんだ」
ナルガクルガA 「先日の一件って……ジンオウガちゃんがアレしてこうなっちゃったって件?」
ナルガクルガB 「全く、男ってホント野蛮で嫌だわぁ」
ナルガクルガC 「あ、でもウラちゃんだけは別。あなたはあたし達の」
ナルガクルガ三兄弟 「「「と・く・べ・つ・な・の・よ」」」
ウラガンキン 「ああ、そうだな」
ウラガンキン 「で、話を戻すけど……」

139: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:57:40.05 ID:oINlOJ7X0
ウラガンキン 「孤島の、ドボルベルク様のところに行って欲しいんだ」
アオアシラ兄 「孤島! 魅力的な単語だぜ!!」
アオアシラ弟 「ロイヤルハニーあるかなぁ」
ナルガクルガA 「お爺ちゃんのところにぃ?」
ナルガクルガB 「あんなクサレポンチのところに行ってどうするっていうの?」
ナルガクルガC 「それよりあたし達と旧密林でランデブーしましょうよ」
ウラガンキン 「これは重要な話なんだ。聞いてくれたら、君達の言うことを何でもひとつ、約束してあげるよ」
ナルガクルガA 「きゃっ! 約束ですって!」
ナルガクルガB 「どうするお兄ちゃん? 約束ですってよ」
ナルガクルガC 「困ったわぁ。ウラちゃんが約束してくれるって言うなら、話を聞くしかないじゃない」

140: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:58:28.57 ID:oINlOJ7X0
ウラガンキン 「時は一刻を争うかもしれない。君達の迅速な足があれば、非常に助かる」
アオアシラ兄 「迅速だなんて照れるぜェ」
アオアシラ弟 「兄ちゃんスゲー! じんそくって何だ?」
ナルガクルガA 「分かったわ。じゃ、ちゃんと約束しましょ。仕事が終わったらあたし達と旧密林でランデブー。いいわね?」
ナルガクルガB 「あんなことやこんなこともしましょうね!」
ナルガクルガC 「夢が広がるわ! あぁあ! ムズムズが止まらないぃ!」
ウラガンキン 「いいよ、よく分からないけど分かった」
ナルガクルガ三兄弟 「「「ヒャッハァァァァアア!!」」」
ウラガンキン 「仕事の話に戻そう。すぐにドボルベルク様のところに行って、起こったことをお伝えしてきて欲しいんだ」
ウラガンキン 「実は、僕の持っている古代のお守りがひとつ、なくなっている」
ウラガンキン 「ずっと昔だけど、ドボルベルク様は、お守りのことを感じ取ることができるという話を聞いたことがあるんだ」

141: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:59:13.12 ID:oINlOJ7X0
ウラガンキン 「そして、もしドボルベルク様が、僕のお守りを感じ取ることができたら……」
ウラガンキン 「君達の足で、そのお守りの後を追って欲しいんだ」
ウラガンキン 「僕は今、火山を離れるわけにはいかない。お願いできるね?」
ナルガクルガA 「お願いも何も、ウラちゃんとのランデブーのためなら、あたし達は何でもやるわよぉ」
ナルガクルガB 「そこの馬鹿二人! ちゃんと聞いてたわね!?」
アオアシラ兄 「ああ! ちゃんと聞いてたぜ! 何を?」
アオアシラ弟 「聞いてたよ!! で、何が?」
ナルガクルガC 「この通り証人もいるわ。あたし達との約束、ぜぇぇったい守ってね!」
ウラガンキン 「心配しなくても約束は守るよ。すぐ出発して欲しい」
ナルガクルガ三兄弟 「「「ヒャッハァ! おまかせあれ!!(シュバババ!!)」」」

142: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/04/12(火) 21:59:42.91 ID:oINlOJ7X0
アオアシラ兄 「あっ! ちょ、置いてくなよ!!!」
アオアシラ弟 「どこに行くんだっけ? 兄ちゃん」
アオアシラ兄 「とりあえず腹が減ったなぁ」
ウラガンキン 「ご苦労だったね。こっちに火山イチゴがある。沢山食べていくといいだろう」
アオアシラ兄 「ヒィィィッフゥ! 火山イチゴ!!」
アオアシラ弟 「イチゴ! イチゴ!!」
ウラガンキン 「………………」
ウラガンキン (ナルガクルガ三兄弟……上手くやってくれるだろうか……)
ウラガンキン (僕は、亜種のこともあるからここを離れるわけにはいかない……)
ウラガンキン (最悪の事態だけは避けられるといいんだが…………)

201: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:04:15.40 ID:9XGikTup0
―孤島<朝>―

ドボルベルク翁 「ぬ」
ドボルベルク嫗 「じいさんや~……どうかしたんかいのぉ~」
ドボルベルク翁 「……また邪悪の気配じゃ……(ズシン……ズシン……)」
ドボルベルク嫗 「どこへ行くとな? じいさんや」
ドボルベルク翁 「ラヴィエンテ様のところじゃ。ばあさんも来るとええ」
ドボルベルク嫗 「んっとこしょ。じいさんはいつも突然じゃからのぉ。しゃぁねぇ、行くとすっかのぉ」

202: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:04:49.05 ID:9XGikTup0
ドボルベルク嫗 「邪悪の気配っつったってなぁ、この世はいつも邪悪にまみれておるからのぉ」
        「あっしはいつの頃からか、何が邪悪で、何が邪悪じゃないのか分からんくなってのぉ」
ドボルベルク翁 「……少なくともいいものではないのぉ」
ドボルベルク嫗 「どんなもんだいのぉ?」
ドボルベルク翁 「生きていてはならんものじゃ……」
ドボルベルク嫗 「ほう。それは興味深い……」

203: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:05:41.21 ID:9XGikTup0
ドボルベルク翁 「それと、深海の主が何かを拾い上げた……」
ドボルベルク嫗 「ふむ……奴がのぉ」
ドボルベルク翁 「わしの感じられる範疇の外まで運んでいきよった……よほど重要な何かなのじゃろう」
ドボルベルク嫗 「それで、ラヴィエンテ様に相談というわけじゃなぁ」
ドボルベルク翁 「んじゃ……それに……」
ドボルベルク嫗 「それに?」
ドボルベルク翁 「ジンオウガが死んだ」
ドボルベルク嫗 「! ……そうかえ。いい子じゃったがな……」

204: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:06:12.22 ID:9XGikTup0
ドボルベルク翁 「そういうさだめじゃったと考えるほかはあるまい……」
ドボルベルク嫗 「そうじゃなぁ」
ドボルベルク翁 「何か、起こってはならぬことが起こっておる……わしらの、考えもつかぬようなことが、起こっておるのかもしれぬ」
        「妙な胸騒ぎもしてなぁ……」
ドボルベルク嫗 「よいよい。ラヴィエンテ様に相談してみるとええ」
ドボルベルク翁 「ばあさんは余計な心配はせんでええ……気にするなやぁ」
ドボルベルク嫗 「うむ……」

205: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:06:42.43 ID:9XGikTup0
ドボルベルク翁 「……ここじゃ……」
ドボルベルク嫗 「ラヴィエンテ様の気を察知できたかぇ?」
ドボルベルク翁 「うむ……少し待っておれ……」
ドボルベルク嫗 「む。確かに大地の気が集中しておる。爺さんはよう見つけるのぉ」
ドボルベルク翁 「恐れながらご相談したいことがございます、我らが主よ……」
ドボルベルク嫗 「どうぞ我らの声をお聞きくださいまし……」
ドボルベルク翁 「我らが主よ……」

206: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:07:16.40 ID:9XGikTup0
―シュレイド地方、雪山、ハンマーのキャンプ―

少女 「そうだったんだ。大変だったんだね」
ハンマー 「ああ。あの黒いティガレックスは、俺たちと戦った奴に非常に良く似ていた」
太刀 「少女ちゃんは何か感じなかったの?」
少女 「うん、何だろう……」
   「何だか、変な胸騒ぎがしたの」
ハンマー 「胸騒ぎ?」
少女 「うん。これ、ということはないんだけれど」
   「何ていうのかな……凄く深い違和感みたいなのを感じたよ」
ハンマー 「違和感か……確かに、あのモンスター達は、普通ではなかったからな……」

207: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:07:42.23 ID:9XGikTup0
弓 「…………」
キリン 「…………」
少女 「弓さん、お姉ちゃんに乗りたいの?」
弓 「……お姉ちゃん?」
  「モンスターのことを姉扱いするなんて、あなた変よ」
少女 「でも……お姉ちゃんはお姉ちゃんだもん……」
弓 「あなた人間なの? それともモンスターなの?」
少女 「…………」
ハンマー 「おい弓……」

208: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:08:17.30 ID:9XGikTup0
キリン 「クルルル……」
少女 「うん、分かる。分かってる」
ハンマー 「どうした? キリンは何と?」
少女 「もう休んだ方がいいって。今日は私、お姉ちゃんと寝るよ」
ハンマー 「ああ。キリンに入り口にいてもらえると、テントの中に雪風が入らずにすむ」
太刀 「はい、もうこの話はお仕舞い。寝ましょう」
弓 「…………」
  「モンスターの近くで寝るなんて、考えたこともなかった」
  「ユクモ村のみんなが見たら、腰を抜かすわ」

209: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:08:56.86 ID:9XGikTup0
ハンマー 「ははっ、だろうな」
     「だが、ここにいるモンスター達は皆、悪いもの達ではない。それは俺が保障しよう」
     「かつて俺は、何度もこいつらと一緒に戦ったことがある。同じ敵を討つ、同志としてな」
     「だからこそ言える。モンスターにも人間と同じ心がある。同じように苦しみや悲しみも感じる心がな」
     「小鉄だってそうだろう?」
弓 「小鉄はモンスターじゃないわ」
ハンマー 「モンスターなのか、モンスターじゃないのか、そんな些細なことはどうでもいいんだ」
     「大事なのはその者が持つ心だと俺は思うがね」
太刀 「もう、そんな話はやめようって言ったじゃん」
   「少女ちゃん、はいこれ」
少女 「何これ?」
太刀 「ユクモ村から持ってきたの」
弓 「それは……ユクモミルクコーヒー……!」

210: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:09:24.71 ID:9XGikTup0
太刀 「あっためておいたからみんなで飲みましょう」
ハンマー 「ありがたい(グビッ)うむ。あの村独特の風味だ」
弓 「どういう意味よ」
ハンマー 「美味いという意味だ(グビッ)」
少女 「(コクッ)あ、美味しい……」
弓 「…………」
  (笑ってる顔は人間なのね……)
キリン 「クルルル……」

211: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:09:54.04 ID:9XGikTup0
少女 「……どうしたの?」
キリン 「少女ちゃん、何かに見張られている気がするわ」
少女 「何かって?」
キリン 「分からない……でも、何か良くないものであることは確かよ。何か感じない?」
少女 「うーん……(コクリ、コクリ)」
キリン 「少女ちゃん?」
ハンマー 「何だ、少女、キリンが何か言っているのか?」
少女 「……(コクリ)スゥ……」
太刀 「あら寝ちゃった」
ハンマー 「お前、ミルクコーヒーに酒でも混ぜたんじゃないだろうな」
太刀 「そんなことしてないって。あったまったからじゃない?」

212: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:10:21.30 ID:9XGikTup0
キリン 「…………」
キリン (少女ちゃんは少し無理をしすぎているわ)
キリン (疲れを起こしてもおかしくない……)
キリン (私がこの人間達……いえ、少女ちゃんを守らなきゃ)
キリン (スクッ)
太刀 「わ、キリンが立った!」
弓 「何? やる気?」
ハンマー 「いや、待つんだ。古龍の大宝玉が反応している。何か来る!」
 >ドドドドドドドドドド

213: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:10:55.71 ID:9XGikTup0
太刀 「な、何!?」
ハンマー 「外に出るんだ!」
弓 (ガシャコン)
  「またモンスターの襲撃!?」
ハンマー 「そのようだ。だが、この振動は俺の知らない振動だぞ!!」
太刀 「わ、私は?」
ハンマー 「弓も太刀も、少女を連れて横の穴の中に入っていてくれ。そこなら安全だ」
太刀 「分かった!」
少女 「すぅ……すぅ……」
弓 「…………」
  「私も戦う……!!(キッ)」

214: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:11:25.19 ID:9XGikTup0
ハンマー 「無茶だ、こんな夜に……キリンの光で周りがやっと見えるくらいなんだぞ。その武器では不利だ」
弓 「話している暇はないんじゃないかしら。来るわよ!」
 >ドッォォォォォォォォンッ!!!
キリン 「……くっ!(ドガァァァァッ!!!)」
太刀 「キリンが、突進してきた何かを受け止めた……!!」
キリン 「誰ですか!? こんな夜中に、この場所で暴れるとは……ここはあなたの縄張りじゃないでしょう!!」
ボルボロス亜種 「コヒュ、コヒュ、コヒュ!!」
キリン 「……ボルボロスさん!?」

215: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:11:59.57 ID:9XGikTup0
ボルボロス亜種 「シャアアアアアア!!!」
 >ドドドドドドドドドド!!!
ハンマー 「くっ……何だこのスピードは!!」
     「ボルボロスじゃないか!!」
弓 「違うわ、これは亜種、凍土にしかいないはずなのに、どうしてこんなところに……!!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ハンマー 「キリン、下がれ! また何か来るぞ!!」
キリン 「!!!!
 >ドッゴォォォォォォォォォ!!!
キリン 「きゃあああああ!!!」

216: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:12:31.92 ID:9XGikTup0
ハンマー 「キリンが吹き飛ばされた!!」
アグナコトル亜種 「シャ、シャ、シャ、シャ!!!」
太刀 「な……何なのあのモンスター達。見たことない!!」
弓 「今度はアグナコトル亜種まで……!! どうして!?」
ハンマー 「あのモンスターも、ユクモ地方のモンスターなのか!?」
弓 「ええ! しかもあれは……私達が昔、協力して倒したはずの……」
ボルボロス亜種 「シャアアアア!!」
アグナコトル亜種 「キシャアアアア!!!!」

217: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:13:16.71 ID:9XGikTup0
キリン 「く……ぅうう……!!(よろよろ)」
    「何を……するのですか。ボルボロスさんではないのですか……?」
    「あちらは……アグナコトルさん……?」
    「どういうこと……?」
ナルガクルガ 「(シュバッ!!)ボヤボヤするな!!」
紫ガミザミ 「キリン何をしておる!!」
キリン 「お二方!! 助けに来てくださったのですか!!」
ナルガクルガ 「あの咆哮だ。直に地獄兄弟も起きてくる」
       「だが、その前に始末するぞ!」
キリン 「でもあれは……」
ナルガクルガ 「姿は似ているが全くの別物だ! 来るぞ!!」

218: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:13:55.56 ID:9XGikTup0
アグナコトル亜種 「シャアアアアア!!!(ズズズズズズズ)」
キリン 「潜った……!!」
ハンマー 「ナルガクルガか! 助太刀する!!(バッ!!)」
弓 「私も……きゃあああ!!!!」
ハンマー 「弓!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
弓 「くっ! 足元……から……」
キリン 「……!!!(シュバッ)」
  >ドッゴォォォォォォォン!!!!

219: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:14:23.90 ID:9XGikTup0
ハンマー 「弓ー!!!!」
太刀 「凄い雪……何も見えない……!!」
少女 「え……な、何……?」
太刀 「少女ちゃん! 何か変なモンスター達がまた襲ってきたんだよ!!」
少女 「!! お姉ちゃん!!」
キリン 「…………はぁ……はぁ…………」
弓 「…………!!!!」
弓 「私……生きてる……!!!」
キリン (私……今、一瞬であの距離を跳んだ……)
キリン (私、何をしたの……?)
弓 「モンスター……キリン……」
  「キリンが、私を助けた……?」

220: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:14:54.30 ID:9XGikTup0
ハンマー 「うおらあああああ!!(バッ)」
ナルガクルガ 「キシャアアアア!!!(バッ)」
ボルボロス亜種 「!!!!」
ハンマー 「喰らえええええ!!(ブゥゥゥゥゥン!!!)」
ナルガクルガ 「フン! 相変わらずいい動きをする!(シュンシュン)」
ハンマー 「とぉりゃああ!(ズンッ!!!)」
ナルガクルガ 「カァ!(ドッォオオオン!!!)」
ボルボロス亜種 「ガ……ガアアアアアア!!!!(ふら……ふら……)」
 >ズゥゥゥゥゥン……!!!

221: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:15:22.79 ID:9XGikTup0
ハンマー 「次は!!」
ナルガクルガ 「人間……! 後ろだ!!」
ハンマー 「……!!!」
ハンマー (古龍の大宝玉が反応した! くっ……だが間に合わない……!!!)
 >ドッォォォォォォン!!!!!
ハンマー 「ぐぅおおおおおお!!!」
紫ガミザミ 「あの馬鹿人間、真下から出てきた奴に吹っ飛ばされよった!!」
ナルガクルガ 「お前も吹き飛ばされないように、しっかりつかまっていろ!(シュンッ!)」
アグナコトル亜種 「!!!」
ハンマー (この落下の衝撃を利用して……)
ハンマー 「ふんっ!! うおおおおお!!!!! (グググググググ!!!)」
ナルガクルガ 「ほう……いい根性だ」

222: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:16:57.67 ID:9XGikTup0
ハンマー 「はぁ……はぁ……(ごろり)」
少女 「ハンマーさん!(ダッ)」
太刀 「あ、少女ちゃん、危ないよ!!!」
ナルガクルガ 「……少女、来るな!!!」
アグナコトル亜種 (ググググググ……)
 >ゴォォォォォォォォォォッ!!!!!
キリン 「少女ちゃんー!!!!」
紫ガミザミ 「氷の水鉄砲が、少女に……!!! 逃げるのじゃー!!!」
少女 「……(キッ!!)」
   「ここから……出て行けえええ!!!」
 >ゴォォォォォォォォォッ!!!!

223: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:17:26.69 ID:9XGikTup0
ハンマー 「しょ、少女の体が白く光って……」
弓 「竜のブレスを……跳ね返している……!!?」
少女 「あなたたちはここにいてはいけない! 元の世界に戻りなさい!!」
   「戻りなさい!!!!」
ボルボロス亜種 「……!!!!!!」
アグナコトル亜種 「……!!!!!!」
キリン 「そんな……睨んだだけで、モンスターがひるんでる……」
紫ガミザミ 「しょ、少女……?」
ナルガクルガ (古龍の力の発現か……!? だがまだ早すぎる!!)

224: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:17:53.65 ID:9XGikTup0
ボルボロス亜種 「グオォォォ……(ボロボロボロボロ)」
アグナコトル亜種 「オオオオオオ……(ボロボロボロボロ)」
太刀 「二匹が砂になって消えてく……」
ハンマー 「少女、もういい、もうやめるんだ!(ガシッ!!)」
少女 「駄目! 今やめたら、あの二人、ずっと元に戻れない!!」
   「そんな気がするの!!」
ハンマー 「だがこのままではお前は……」
ハンマー 「お前は人間ではなくなってしまうぞ!!!」
少女 「…………(ギリ……)」

225: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:18:20.07 ID:9XGikTup0
ボルボロス亜種 「………………(ボロ……サラサラサラ……)」
アグナコトル亜種 「………………(サァァァァァァ……)」
少女 「…………はぁ! はぁ……はぁ……」
太刀 「少女ちゃんの体から……光が消えていく……」
弓 「…………」
ハンマー 「あのモンスター達も消滅した……」
     「何だったんだ……」
弓 「(キッ!!)……!!(ガシャコン)」
ハンマー 「弓、何をする!!」
弓 「その子から手を離しなさい! その子は人間じゃない、モンスターよ!!」

226: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:18:48.06 ID:9XGikTup0
ナルガクルガ 「シャッ!!(シュバッ!)」
キリン 「クルル!(シュッ!!)」
紫ガミザミ 「……キシャ!!」
太刀 「モンスター達が……少女ちゃんを守るように……」
弓 「どうして……? どうしてみんなその子を庇うの……?」
  「どうしてよ!!!」
ハンマー 「落ち着くんだ弓。気が動転しているのは分かるが……」
弓 「どうして……そんな特別な力を持っている子が……この世にいるのよ……(ボロリ……)」
 >ドサッ
太刀 「武器を落とした……」

227: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:19:16.56 ID:9XGikTup0
少女 「弓さん……」
弓 「何も出来なかった……私……何も……」
太刀 「気にすることないって。ハンマーと少女がちょっと人間離れしすぎてるだけだからさ……」
ハンマー 「…………」
     「弓、お前にはお前の思うところがあるのかもしれない」
     「だが、少女にも、思うところは沢山あるんだ。同じ人間だ」
少女 「…………」
ハンマー 「だから、分かってやろうじゃないか。俺たちが分かってやらなければ、誰がわかってやるというんだ」
弓 「そんな風に割り切れない……」
  「割り切れないよ……」

228: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:19:56.16 ID:9XGikTup0
ティガレックス兄 「何だ何だァ? どでっかい音と光がしたぞ」
ティガレックス弟 「カチ混みか? いいぜ相手になるぜェ!」
ティガレックス兄 「その前にションベン……」
ティガレックス弟 「俺も……」
ナルガクルガ 「貴様ら、テオ先生達を呼んでこい!」
ティガレックス兄 「あぁァん!? ンだコラァ!!」
ティガレックス弟 「ヤんのかコルァ!! ……ってナルガクルガか」
キリン 「おふたりとも、いいところに!」
ティガレックス兄 「……ってキリン、何かお前でかくね?」
ティガレックス弟 「ほんとだ。お前ちょっとでかいぞ」

229: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:20:27.78 ID:9XGikTup0
キリン 「あ……あら。本当。私、ちょっと成長したみたいです」
ナルガクルガ 「そんなことはどうでもいい。すぐに先生達をここに呼んでくるんだ」
ティガレックス兄 「何でンなことテメーに命令されなきゃいけんのだよ」
ティガレックス弟 「自分で行け自分で。お、少女じゃねーか!!」
少女 「はぁ……はぁ……(ぐったり)」
   「……(ドサッ)」
ティガレックス弟 「少女!?」
キリン 「少女ちゃん!!」
ナルガクルガ 「古龍の力の使いすぎだ。俺は少女の護衛を任されてる。とっとと行ってこい!」
ティガレックス兄 「わ、分かったよ(バサッ)」
ティガレックス弟 「チィ(バサッ)」

230: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:20:56.50 ID:9XGikTup0
キリン 「私も……何だか力が抜けて……(ドサッ)」
ナルガクルガ 「急に成長したせいだろう。しばらくはその虚脱状態が続く」
キリン (私の……新しい力……)
紫ガミザミ 「少女! おい、少女!!」
少女 「(ブルブル)…………」
ハンマー 「どけ蟹。太刀、少女をテントの中で暖めるぞ。迅竜、それで構わないか?」
弓 「モンスターに話しかけて……通じるわけが……」
ナルガクルガ 「…………グルルル」
弓 「…………!!」
ハンマー 「ありがとう」

231: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/27(木) 01:21:23.46 ID:9XGikTup0
ハンマー 「…………」
     (少女のあの力……)
     (古龍の大宝玉が強く反応していた)
     (少なくとも、人間が持っていていい力ではない……)
     (だが少女は……)
     (…………)
     (俺は……)
     (どうすればいい……)

239: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:40:19.79 ID:veqilnkN0
6.青と白の挽歌

―樹海、ヤマツカミの住処、外―

オオナズチ 「うーん……し、師匠が……だ、誰も中に入れるなって……」
キリン 「少女ちゃんは大丈夫かしら……」
オオナズチ 「大丈夫……お、俺、見た」
キリン 「(ホッ)よかった……」
テオ・テスカトル (しかし、竜のブレスを跳ね返すとは……人間離れするにも程がある)
         (何も反動がなければいいのだが……)
ティガレックス兄 「そんなことよりもよぉ、少女は一体どうしたんだってよ」
ティカレックス弟 「フツーの人間じゃねぇーとは思ってたが、ひょっとしたら俺らより強いのかもしれねぇぞ」
ティガレックス兄 「マジかよそれ。半端ねぇな世界」

240: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:41:11.68 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「今はヤマツカミ様が少女の治療に当たっている。お任せする他はないだろう」
         「ナナがラオシャンロンのところにも行っている。ひとまずは安心のはずだ」
ティガレックス兄 「ちょっと俺らにもわかるように説明してくれよ」
ナルガクルガ 「…………古龍の血の発現だ」
ティガレックス兄 「???」
ナルガクルガ 「少女は、今に至るまでに、古龍の血を体に取り込みすぎた」
テオ・テスカトル 「…………」
ナルガクルガ 「先生達と俺は、いつかこうなるのではないかという懸念の話をしていた」
ティガレックス兄 「ケネン? 食えるのかそれ」
ティガレックス弟 「俺らにもわかるように話をしろよ。ヤんのかテメェ」

241: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:41:44.51 ID:veqilnkN0
紫ガミザミ 「まぁ落ち着け、馬鹿二匹。わしが分かるように解説してくれよう」
ティガレックス兄 「バカ? バカっつったな! バカって言う奴がバカなんだぜ!!」
ティガレックス弟 「ギャハハハ! バーカバーカ!」
紫ガミザミ 「いいから聞くのじゃ。少女は、目が見えなくなったことがあったな?」
ティガレックス兄 「あーそういえばな。あったようななかったような」
ティガレックス弟 「あったか?」
紫ガミザミ 「あったんじゃよ……それを治すために、テオ先生達、古龍の血を多く飲み続けてきた」
紫ガミザミ 「また、色々な怪我や危機を脱するために、やはり古龍の力を使ってきたのじゃ」
紫ガミザミ 「さて、お主らは今の少女が人間なのか、それとも古龍なのか、どちらか答えることができるかの?」

242: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:42:21.07 ID:veqilnkN0
ティガレックス兄 「どっちかって……なぁ?」
ティガレックス弟 「ンなこと聞かれてもなぁ。少女は少女だろ」
紫ガミザミ 「まぁ、確かにそうなのじゃが、人間が、少女のような力を持っているものだと、お主らは本当にそう思うのか?」
ティガレックス兄 「う……ウゥーン……」
ティガレックス弟 「…………」
紫ガミザミ 「わしは……いや、わしらは、少女は『もう』人間ではなくなってしまっているのではないか、と考えておる」
キリン 「そんな……! モンスターに?」
紫ガミザミ 「そうじゃ。現に、少女からは人間特有の臭いが、最近では全くせんではないか」
キリン 「!!!」
ナルガクルガ 「……喋りすぎだ」

243: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:42:49.56 ID:veqilnkN0
紫ガミザミ 「じゃが…………」
ナルガクルガ 「分かったか、馬鹿二匹。問題はそこだ」
ティガレックス兄 「で、でもよ。少女が血の飲みすぎでモンスターになっちまったからって、何が問題なんだよ」
ティガレックス弟 「だよな。今までどおり、俺達と暮らせばいいだけだろ」
テオ・テスカトル 「そうはいかぬ」
ティガレックス兄 「何でだよ先生」
ティガレックス弟 「少女は何も悪いことしてねぇぜ。むしろ俺達の鱗を磨いてくれたりしてるいい奴だ」
         「第一、元々は人間の方があいつを捨てたんだろう?」
         「いーじゃん。モンスターになったって」
         「そのほうが絶対楽しいぜ」
ティガレックス兄 「そーだそーだ」

244: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:43:17.91 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「…………」
         「お前達の言うことも一理はある」
         「だが、少女はいずれ人間の里に戻さねばならぬ」
ティガレックス兄 「だから何でだよ!」
ティガレックス弟 「俺達にはさっぱりわかんねーぜ!」
テオ・テスカトル 「分からぬか? 少女は人間であり、モンスターにはなれない。それは人間としてあの子が生まれた時に決まっていることだ」
         「第一、お前達は、あの子が大人になって、普通に恋をして、モンスターと結ばれて、子をつくれると思うのか?」
ティガレックス兄 「子供ォ!? 冗談だろ?」
ティガレックス弟 「…………」
ティガレックス兄 「む、無理なもんは無理だけどさァ……でも、それで俺達が仲間はずれにしちゃ、少女はどこに行けばいいってんだよ」
ティガレックス弟 「……だよ。そん時はそん時でさ。俺は少女ともっと遊びたいぜ。先生達の話は難しすぎてよくわからねぇ」
テオ・テスカトル 「…………」

245: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:43:53.43 ID:veqilnkN0
オオナズチ 「ちょ……ちょっといいかい?」
キリン 「どうしたの、オオナズチ君?」
オオナズチ 「お……俺達のせい、かな……少女……変わったの……?」
      「だったら……悪いこと、した。怒られるのは、俺達……だな」
キリン 「あなたは何も悪いことをしてないわ。自分を責めちゃ駄目よ」
オオナズチ 「う、うーん……」
テオ・テスカトル 「そうだ。君は何も悪くない。誰も、悪い者なんていないんだ。だから、そこが問題なのだよ」
オオナズチ 「…………」
ナルガクルガ 「……!」
イャンクック (バサッ! バサッ!)
イャンガルルガ (バサッ! バサッ!)

246: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:44:25.38 ID:veqilnkN0
ナルガクルガ 「来たか……」
イャンクック 「ナルガ! 少女はどこだ!?」
ナルガクルガ 「落ち着け。無事だ。今、ヤマツカミ様がお一人で治療に当たられている」
イャンガルルガ (ガッ!)
ナルガクルガ 「!!」
イャンガルルガ 「てめぇ……」
        「てめぇがついていながら、どうしてあいつに力を使わせた!!!」
        「この役立たずめ!」
ナルガクルガ 「随分と大きな口を叩くようになったな。小坊主」
イャンガルルガ 「ンだとォ!?」
ナルガクルガ (シュンッ!)
 >ドゴォ!

247: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:44:55.72 ID:veqilnkN0
イャンガルルガ 「ガッ!」
ナルガクルガ 「十年早い。出直して来い」
イャンガルルガ 「チィ……クソ!!!」
テオ・テスカトル 「やめないか。ヤマツカミ様の御ン前だぞ」
イャンクック 「テオ殿。しかし本当に大丈夫なのか? 話では、無理に不思議な力を使って倒れたとか……」
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ様が問題ないと申されていた。大丈夫だ。命に別状はない」
イャンクック 「そうか……(ホッ)」
       「大丈夫か、ガルルガ君(グイッ)」
イャンガルルガ 「フン! 触るな!!」
小鉄 「はぁ……はぁ……お前ら、オイラを置いていくんじゃないニャ!!」
迅雷 「はぁ……! はぁ……!!(ドドドドドドド)」

248: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:45:30.91 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「小鉄に迅雷か……しかし猫がモンスターに乗るとは……」
ナルガクルガ 「ついてきたのか。この聖域に猫を入れる始末か……」
イャンクック 「す、すまない。気が動転してしまって、気付かなかった……」
小鉄 「や、やっと追いついたニャ!」
迅雷 「ゼハー……ゼハー……」
紫ガミザミ 「変な猫じゃな。何しに来たのだ?」
小鉄 「オイラ達に隠れて、みんなで美味いものでも食べようったってそうはいかんニャ!」
   「……? 『変な猫』? 猫軽視の発言は許せんニャ! 変な蟹!!」
迅雷 「あ……兄貴。来たのはいいけど……どこ、ここ……?」
小鉄 「オイラが知るはずはないニャ(フンス)」

249: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:45:56.77 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「……ム?」
 >キラリ
テオ・テスカトル 「小鉄、お前が胸に下げている、そのお守りは……」
小鉄 「コレかニャ? いいだろーだニャ。これはすっげぇ大切なものなんだニャ!」
   「借り物だけどニャ!」
テオ・テスカトル 「…………」
小鉄 「それよりみんなで何してるニャ。オイラ達をハブろうったってそうはいかんニャ!」
ティガレックス兄 「とんでもねぇ猫だな……」
ティガレックス弟 「ちょっと親近感を覚えてきたぜ」
迅雷 「はぁ……疲れた……」
テオ・テスカトル 「……子供のモンスターを長距離走らせるとは。小鉄、お前は少し状況を鑑みた方がいいな」
小鉄 「ニャ!? 何か文句があるのかニャ!」

250: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:46:28.19 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「迅雷はお前の道具ではないぞ。走れば当然疲れる。無理をさせすぎたな」
迅雷 (ぐったり)
紫ガミザミ 「はぁ。これで戦うとかほざいておったのか。先が思いやられるな」
小鉄 「何だとゥだニャ! おいら一人でもこのビッグブーメランがあれば……」
オオナズチ (ズィッ)
小鉄 「だニャ!!?(ビクッ)」
オオナズチ 「…………だ、駄目だ。人間、臭すぎる…………」
小鉄 「人間臭いのの何が悪いニャ!」
オオナズチ 「こ、ここ……モンスターにとって……聖なる場所……人間は……駄目だ、駄目なんだな」
小鉄 「でもあの少女とかいう人間のにおいが奥からするニャ」
小鉄 「(トテトテトテ)ここから中が覗けそうだニャ」

251: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:47:00.59 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「おい小鉄!!」
小鉄 「中に何を隠してるニャ~」
   「!!」
   「で……」
   「でっかいタコがいるニャ!!!!!!」
ナルガクルガ (ぐいっ)
小鉄 「何をするニャ! 頭を離すニャ!!」
ナルガクルガ 「……本当だ。人間臭すぎてどうしようもないな」
小鉄 「だからそれの何が悪いニャ!」
ナルガクルガ 「このまま噛み砕いてもいいんだぞ、猫」
小鉄 「…………」
   「さて、ちょっと落ち着こうかニャ」

252: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:47:29.08 ID:veqilnkN0
テオ・テスカトル 「小鉄は、ここに入る前に川で少しでも人間の臭いを落として来い」
小鉄 「ふむぅ。仕方ないニャ」
   「で、あのでかいタコは何だニャ」
オオナズチ 「タコ……?」
キリン 「タコって何かしら」
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ様に無礼は許さん。このあたり一帯を統べる神だ」
小鉄 「ふぅ~ん。神様って意外にフツーにその辺にいるもんなんだニャ」
ティガレックス兄 「違ェねぇ。ガハハ!」
ティガレックス弟 「まぁ、言われてみれば確かにな」

253: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:47:56.86 ID:veqilnkN0
小鉄 「そうと決まったら行くニャ、迅雷。ハチミツでも見つけて食べれば、元気になるニャ」
迅雷 「疲れたよ兄貴……」
小鉄 「もうちょい頑張れニャ」
   「……そうそう。でかい古龍」
テオ・テスカトル 「テオだ」
小鉄 「テオ、オイラのご主人達を知らんかニャ? 来てないのかニャ?」
イャンガルルガ 「呼び捨てかよ……」
テオ・テスカトル 「人間達なら、人里に一旦降りたぞ」
         「あの人間はお前よりも気遣いが上手いようだな」
小鉄 (ムッ)
テオ・テスカトル 「言っておくが、迅雷を連れて村に降りるような真似はするな」
小鉄 「そんなことくらい分かってるニャ。行くニャ迅雷」
迅雷 「ふぁ~い……(ズン、ズン)」

254: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:48:26.91 ID:veqilnkN0
―樹海、ヤマツカミの住処、中―

ヤマツカミ 「…………」
      「少女よ……目を覚ますのじゃ……」
少女 「…………」
ヤマツカミ (駄目か……この子の中の、古龍の血と人間の血がせめぎ合って戦っている……)
      (それに、別の龍の力も感じる……)
      (この子の存在としての『定義』自体が曖昧になってしまっている……)
      (このまま古龍として迎え入れるべきか……)
      (人間に戻す努力をすべきか……)

255: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:48:55.64 ID:veqilnkN0
―ポッケ村、夜―

ハンマー 「久しぶりだな……ここに来るのも」
太刀 「本当久しぶりよね! でも良かったの? モンスター達に少女ちゃんを任せちゃって」
ハンマー 「樹海の奥には、別の古龍がいるらしい。少女が前に言っていた」
     「山を掴めるほどの、巨大なモンスターだ」
弓 「山を……掴める……?」
ハンマー 「俺達人間が入り込んでいい場所と、悪い場所というところがあると、俺は冒険家として考える」
     「だから、任せていいと思うんだ」
     「それに炎帝は、下手な人間よりはよほど深い愛を持っている」
     「共に戦ったから、それが分かるんだ」

256: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:49:27.84 ID:veqilnkN0
ネコート 「ハンマーか……戻ったのかい」
ハンマー 「ネコートさん! お久しぶりです!!」
ネコート 「見ない顔が混じってるね」
弓 「何? この猫」
ハンマー 「馬鹿、この村を裏から支えているお方だ」
弓 「村長さん……ですか?」
ネコート 「そのようなものだ」
弓 「ユクモ村から来ました、弓といいます。ハンマー達とは、奇妙な縁で……」
ネコート 「まぁ、立ち話も何だ、私の家に来るがいい(スタスタ)」

257: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:49:57.31 ID:veqilnkN0
―ネコートの家―

ネコート 「少し人間には手狭かもしれんがな」
ハンマー 「お邪魔します」
ネコート 「好きにくつろぐがいい。お前達が来ることは、占いで既に知っておった」
太刀 「いつもながら、ネコートさんの家の中、理解不能だわー。変なものがいっぱい」
弓 「水晶玉……? そんなベタな……」
ネコート 「ベタな方法ほど一番役に立つものさ。座りなさい」
     「今、ツチハチノコの地酒でも出そう」
     「酒は飲めるかい?」
弓 「ええ」

258: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:50:50.98 ID:veqilnkN0
ハンマー 「……………………というわけで、ここにいるモンスター達も戸惑っているようでした」
     「ネコートさんに何か心当たりがないかと思い、立ち寄ったわけです」
ネコート 「ふむ……」
     「古龍についての知識は浅いが、聞いたことはある」
ハンマー 「と、申しますと?」
ネコート 「死なす力を持つ古龍が存在する。それは知っているな?」
ハンマー 「死を司るモンスターですね。少女から聞きました」
ネコート 「逆に、死した者を蘇らせることが出来る古龍が存在している、ということまでは知っている」
弓 「…………!!」

259: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:51:18.72 ID:veqilnkN0
ネコート 「ユクモ村からここまで、お主たちを追ってきたと考えた方がいいだろう」
ハンマー 「しかし……目をつけられるようなことはしていないつもりですが……」
ネコート 「ここには来ていない、ユクモ地方の者がいるではないか。占いではそう出ていた」
ハンマー 「……小鉄と迅雷か!!」
弓 「どういうこと!? その古龍は、どうしてあのジンオウガと小鉄を狙うの!?」
ハンマー 「分からない……でも、俺は小鉄が見たこともないお守りを持っていたのを知っている」
     「もしかしたら迅雷……あのジンオウガというモンスターにも、何か秘密があるのかも……」
弓 「……こうしてはいられないわ! 早くあの子達を助けに行かないと!!」
ネコート 「落ち着け、娘」

260: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:51:46.84 ID:veqilnkN0
ネコート 「お前が行ったとて、何かが変わるわけでもない。かえってモンスターの秩序を乱し、状況を悪化させるだけだ」
弓 「でも……!!」
ネコート 「……気になるのは、少女……ハンマーが言っている、かつて我らが捨てたという女の子のことだ」
ハンマー 「…………」
ネコート 「モンスターの攻撃を生身で防ぐとは、人間離れしすぎている」
     「もはや人間には戻れないと見た方がいいだろう」
ハンマー 「では……」
ネコート 「ああ。その子はもはや人間ではない。モンスターだ」
太刀 「そんな……」
ネコート 「モンスターはモンスターと暮らす方が幸せだと、私は思う。無理に連れ戻そうとするな」

261: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:52:14.68 ID:veqilnkN0
ハンマー 「…………」
ネコート 「お前の気持ちは分かる。だが、モンスターの言葉を介し、砦蟹を消し去り、龍の攻撃を生身で防ぐ人間がどこにいる?」
ハンマー 「ですが、ネコートさん」
     「少女は、やはり人間ではないかと思うのです」
ネコート 「ほう。その根拠は?」
ハンマー 「同じ心を持っている。同じ形をしている。俺たちと」
     「仲間です」
ネコート 「形にこだわっていては、駄目だ」
     「姿かたちなど、何の意味も成さん。古龍の世界ではな」
     「そこから解き放たれたものが古龍なのだからな」
ハンマー 「……そうなのですか……」

262: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/10/29(土) 00:52:44.25 ID:veqilnkN0
ネコート 「まぁ、邪悪な気配は今は消えている。少し休むがいいだろう」
ハンマー 「…………分かりました」
太刀 「少女ちゃん、人間には戻れないのかぁ……」
   「そう考えると、何か複雑。モンスターと恋するのかな……」
ハンマー 「…………」
弓 「……ネコートさんは、その邪悪な古龍は、小鉄の何を狙っていると思うの?」
ネコート 「分からん。命か、はたまた所持しているものか」
     「もう一度そいつに会ったら、ここに連れてくるといい」
     (……しかし、ただの猫を古龍が相手するとは考えにくい)
     (もう一体のモンスターの方にも、何かあるのかもしれぬ)

275: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:00:58.79 ID:c0ewPbEI0
―ラオシャンロンの住処―

ナナ・テスカトリ 「そんな……そんなことが……」
ラオシャンロン 「そうです。古龍の血を取り入れる前に、少女は既に人間とは別のものだったのだと思います」
ナナ・テスカトリ 「ですが、前のあの子からは人間の臭いがしていました」
ラオシャンロン 「…………そこまでは分かりませんが…………」
        「私達ではない別の古龍の力を感じます。シェンガオレンを消し去ったあの力も、その古龍のものでしょう」
        「それが何なのかまでは、私でも推し量ることは出来ません」
        「ただ、私は、だからこそ少女をモンスターの中に置いておくことを許容しました」
ナナ・テスカトリ 「少女は人間ではなく、もうモンスターだと、そう仰るのですか?」
ラオシャンロン 「そうです。おそらくは、ヤマツカミ殿もそう言うでしょう」

276: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:01:47.02 ID:c0ewPbEI0
ナナ・テスカトリ 「何てこと……わたくしたちは、少女を人間の里に戻さなければいけないというのに……」
ラオシャンロン 「ナナ殿、それは間違っている」
ナナ・テスカトリ 「……?」
ラオシャンロン 「戻す、戻さないではなく、少女がそれを選択すべきなのです」
ナナ・テスカトリ 「…………」
ラオシャンロン 「私達が決めるのではない。少女が自分の意思で、戻るのか、戻らずに留まるのか、それを決めなければ何の意味もない」
ナナ・テスカトリ 「お言葉を返すようですが……それは詭弁では……」
ラオシャンロン 「確かにそうとれるかもしれません。しかし、真実の前にあるべきなのは心です。そして心とは我々をつくる中核となるものです」
ナナ・テスカトリ 「中核……」

277: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:02:16.66 ID:c0ewPbEI0
ラオシャンロン 「心がそれを選択するまで、私達は待つべきではないかと思うのです」
ナナ・テスカトリ 「ではもし、少女がここに留まることを選んでしまったら……あの子の幸せは、どこに行くというのでしょう?」
ラオシャンロン 「幸せか、不幸せかということを決めるのは、主観的なものであって客観的なものではありません」
ナナ・テスカトリ 「……それは……そうですが……」
ラオシャンロン 「やはりそれも、少女が選択せねばならないことなのでしょう」
        「アゴ美とキバ代にも相談してみましょう」
        「少し、お時間をいただけませんか? それと、少女が目覚めたら、ここに連れてきてください」
ナナ・テスカトリ 「……わかりました。お時間をとらせました」
ラオシャンロン 「いいえ。あなたも、どうか気負わずに……」

278: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:03:01.64 ID:c0ewPbEI0
―ユクモ地方、孤島―

ドボルベルク翁 「ふむ……そうなのか……」
ドボルベルク嫗 「うぅむ……」
ドボルベルク翁 「ラヴィエンテ様の仰ることに嘘はない。ならば、かの話は本当だと信じるしかない……」
ドボルベルク嫗 「新しい古龍の誕生と、その鍵を担う者を排除するために……奴が動き出したと……?」
ドボルベルク翁 「ああ……恐ろしい話じゃ……」
ドボルベルク嫗 「すぐに皆にも知らせねばならぬ」
ドボルベルク翁 「うむ」

279: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:03:27.63 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ぬ」
ドボルベルク嫗 「ぬ」
 >ザザザッ!!
ナルガクルガA 「さすがね。あたし達の気配を感じ取るとはね」
ナルガクルガB 「油断のならないジジババねぇ」
ナルガクルガC 「でも、アタシ達前よりも少し近づけるようになったんじゃない?」
ドボルベルク嫗 「やはりオカマ三兄弟かえ……」
ドボルベルク翁 「たわけ共め……貴様らの気配など、孤島に入る前から感じ取っておったわ」

280: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:04:03.32 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガA 「キィ! その見下したような態度が気に食わないわ、クソジジィ!」
ナルガクルガB 「やぁよ、お姉ちゃん怒っちゃダーメ。ジジィは放っておいてももうじき寿命がくるもの」
ナルガクルガC 「未来ある若者であるアタシ達とは違うのよ?」
ナルガクルガA 「そうだったわ……アタシ反省」
ドボルベルク翁 「で、何用じゃ?」
ドボルベルク嫗 「貴様らと話すことなど何もないじゃ」
ナルガクルガA 「何よ! 折角ウラガンキンちゃんに頼まれてここまできてあげたっていうのに!」

281: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:04:32.32 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ほう。あの若造が……」
ドボルベルク嫗 「自分で来んかい」
ナルガクルガA 「ムキィ! どこまでも癪に障るジジババね!」
ナルガクルガB 「自慢の瘤を叩き割ってもいいのよ! ウラガンキンちゃんを馬鹿にするとタダじゃ置かないわ!」
ナルガクルガC 「フゥ……待ってお姉ちゃん達。ジジババの腐りかけた脳みそでも分かるように説明してあげるわ……」
ドボルベルク翁 「能書きは良い。はよう言え」
ドボルベルク嫗 「んじゃ」

282: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:05:00.76 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガC 「……………………というわけで、ウラガンキンちゃんは今、火山を離れられないのよ」
ドボルベルク翁 「………………」
ドボルベルク嫗 「どうするえ、じいさんや」
ドボルベルク翁 「やはり、何事か起きているという予感は的中したようじゃな……」
ナルガクルガA 「何なのよ、何自分達だけで納得してるの?」
ナルガクルガB 「アタシ達にも分かるように説明しなさいよ!」
ナルガクルガC 「折角分かりやすく説明してあげたっていうのに、説明損じゃない!」

283: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:05:31.96 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ええいかしましい! 同時に喋るんじゃない!!」
ドボルベルク嫗 「……未来を見通せるお守りかえ。そんなものが存在していたとはな……」
ドボルベルク翁 「うむ……もしそんな力を、モンスターが手に入れたとしたら、それはもはやモンスターではあらぬ」
        「古龍じゃ」
ナルガクルガC 「どういうことよ?」
ドボルベルク翁 「わしらのほうでも、邪悪な気配を感じ取っておった。先ほどラヴィエンテ様と対話もいたしたところじゃ」
ドボルベルク嫗 「ラヴィエンテ様は言っておった。新たな古龍が『二匹』誕生するとな」
ナルガクルガA 「二匹……?」
ナルガクルガB 「さっぱり意味が分からないわ!」

284: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:06:07.13 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「結論から言おうぞ……死したジンオウガの子供は生きておるじゃ」
ドボルベルク嫗 「おそらく、その子供が、お守りを持っておる」
ナルガクルガA 「なぁんですってぇ! どこにいるのよ!?」
ドボルベルク翁 「深海の主が動いた。わしらの力の及ばぬ場所に運び去りよった」
ナルガクルガB 「力の及ばない場所って……どこ? 海の向こう?」
ナルガクルガC 「そうなるわね……クソジジババの力だけは本物ですもの……」
ドボルベルク翁 「そして、邪悪な古龍が、その二匹の古龍の誕生を阻止せんと動いておる」
        「このままでは、その新たなる古龍が危ないじゃ」
        「急ぎ、古龍の力の覚醒を守らねばならぬ」

285: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:07:17.72 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガA 「でも……居場所が分からないんじゃどうにもならないじゃない」
ナルガクルガB 「そうよそうよ」
ナルガクルガC 「海の向こうまで追っていくって言っても、場所も分からないんじゃ、飛びようがないわ」
ドボルベルク翁 「安心せよ。わしらの力の及ばぬ場所でも、ラヴィエンテ様は感知することができなさる」
ドボルベルク嫗 「その話をしておった。察せよ馬鹿共」
ナルガクルガA 「ムッキィ! 何よその態度!」
ドボルベルク翁 「ここから太陽の沈む方角にある地方じゃ」
        「そこに、深海の主は古龍……いや、『古龍の卵』を運び去った」

286: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:07:46.85 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガC 「お待ちなさいな……ジジババ達、さっき、二匹の古龍の誕生とか言ってたわよね?」
ドボルベルク翁 「…………」
ドボルベルク嫗 「…………」
ナルガクルガC 「もう一匹は何? 一匹がジンオウガの子供じゃ、もう一匹足りないわ」
ドボルベルク翁 「分からぬ」
ドボルベルク嫗 「ラヴィエンテ様にも力が及ばぬ場所にいる古龍らしいじゃ。我らは、全モンスターの力をかけて、守らねばならぬ」
ナルガクルガB 「守るって……そんな得体のしれないものを?」
ナルガクルガA 「でもウラガンキンちゃんとの約束よねぇ。それに……」
ナルガクルガC 「やるならとことんやる! があたしたちの」
ナルガクルガ達 「「「信条なのよね!!」」」

287: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:08:16.82 ID:c0ewPbEI0
ドボルベルク翁 「ええいユニゾンするな! うっとぉしい!」
ドボルベルク嫗 「お前達では心もとなし。我らは飛べぬ。ラヴィエンテ様が使いをお寄越しになると仰っておられたが……」
 >ズッ……
 >ズゥゥゥゥゥゥンッ!!!
ナルガクルガA 「な、何!?」
ナルガクルガB 「この地震……まさか……」
ナルガクルガC 「あいつよ、あいつ!!」
 >ドォォォンッ!!

288: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:08:42.42 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガA 「そ……空から降ってきたわ……」
ナルガクルガB 「あたりの木が全部なくなってるわよ……」
ドボルベルク翁 「来てくれたか」
ドボルベルク嫗 「遅うかったのう」
ルコディオラ 「………………」
       「貴殿ら、説明は要らぬ。話は我が師より拝聴している」
       「某(それがし)は往く」
ナルガクルガA 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
ルコディオラ 「……某に何か用か?」

289: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:09:17.94 ID:c0ewPbEI0
ナルガクルガB 「なぁんでアンタなのよ!」
ナルガクルガC 「この古龍になりたてのスットコドッコイがアタシ達と一緒に行くの?」
ナルガクルガA 「じょーうだんじゃないわよーう。こいつといるとロクなことがないのよ!」
ルコディオラ 「貴殿らも共に往くと言うか。良かろう。なれば某の後を追従せよ」
ナルガクルガA 「あぁもう、やっぱり話聞いてない!」
ナルガクルガB 「あたしこんな奴と一緒に行くの御免よ! これまで何回死にそうになったか……」
ナルガクルガC 「いいルコディオラ!? アンタを育てたのはアタシ達なんだからね! 言うことはキッチリ聞けるの?」

290: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:09:45.86 ID:c0ewPbEI0
ルコディオラ 「…………」
       「承知した」
ナルガクルガC 「何をよ!?」
ナルガクルガA 「あんたをラヴィエンテ様に預けて、久々の育ての親に対しての言葉がそれかい!」
ルコディオラ 「某は古龍としての覚醒を果たした。貴殿らには感謝しているが、昔の某ではない」
       「往くのか、往かないのか。きかり決めよ」
ナルガクルガB 「駄目だわ……全然昔と変わってない……」
ナルガクルガA 「ラヴィエンテ様に預ければ少しは性格改善されると思ったんだけどね……」
ルコディオラ 「話は以上か。それでは某は往くとする」
ドボルベルク翁 「うむ。頼んだ」
ナルガクルガA 「ちょ……待ちなさいよルコ!」
 >バサッ!!

291: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:10:18.19 ID:c0ewPbEI0
ルコディオラ (バサッ! バサッ!!)
ナルガクルガA 「あぁもう! 最悪!(バサッ!)」
ナルガクルガB 「ルコ! ちょっと話を聞きなさい!!(バサッ!)」
ナルガクルガC 「……フゥ……頭が痛くなってきたわ(バサッ!)」
 >バサッ!! バサッ!!
ドボルベルク翁 「………………行ったか……騒々しいことじゃ……」
ドボルベルク嫗 「ルコディオラがおる。あ奴は能力は未熟じゃが、力がある。何とかなるじゃろう」
ドボルベルク翁 「うむ……」
        (しかしこの胸のざわめきは何じゃ……)
        (何事もなく無事に古龍を保護できれば良いが……)

292: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:10:46.61 ID:c0ewPbEI0
―シュレイド地方、樹海、夜―

 >バッシャァァ!!
小鉄 「プハァ! 寒いニャ!!」
迅雷 「(モグモグ)ハチミツ美味いよ!」
小鉄 「(ガクガクブルブル)火……火を起こすニャ……(カチカチ)」
 >ボワッ
迅雷 「うわ、火がついた! 兄貴、それ何?」
小鉄 「これはオトモ必須のアイテム、火打石ニャ。前に旦那さんと拾ったニャ」
迅雷 「いいなー」

293: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:11:19.61 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「お前が持ってても使えんニャ。それより火に当たるニャ」
迅雷 「うん」
小鉄 「ふぅ。あの古龍、偉そうにしてて嫌だニャ」
迅雷 「偉そうにしてる奴は駄目なの?」
小鉄 「大概偉そうにしてる奴ってのは信用できないニャ。よく覚えておくニャ」
迅雷 「分かった。あいつは信用できないんだね」
小鉄 「あいつに限らず、世の中は厳しいニャ。これから迅雷には、それを沢山教えてやるニャ」

294: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:11:53.61 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「……その前に、これをくすねてきたニャ(バッ)」
迅雷 「それ何?」
小鉄 「あの変な鳥が持ってたツチハチノコの酒だニャ。迅雷も飲むニャ」
迅雷 「うん!」
小鉄 「(ゴクゴク)プハァ! たまらんニャ!」
迅雷 「ゲェ。何か辛いよ」
小鉄 「迅雷にはちょっと早かったかもしれんニャ」

295: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:12:17.08 ID:c0ewPbEI0
迅雷 「そんなことないよ。ほら(ゴクゴク)」
小鉄 「そんなに一気に飲むもんじゃないニャ」
迅雷 「(フラフラ)……グゥ」
 >ズゥゥン
小鉄 「寝ちまったニャ」
   「光ってる蟲が集まってるニャ……」
 >ムンズ
小鉄 「何だニャこの蟲は……何かピリピリしてるニャ。食べるのは危険そうな気がするニャ」

296: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:12:45.33 ID:c0ewPbEI0
―迅雷の夢の中―

迅雷 「…………」
   (兄貴……)
   (兄貴! ……あれ? 声が出ない……)
   (どこだ、ここ……)
   (樹海……?)
   (兄貴……? ン? あそこにいるのは、兄貴だ!)

迅雷 (兄貴ー!!)

小鉄 「迅雷逃げるニャ!!」
迅雷 「兄貴ー!!」

迅雷 (!?)

297: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:13:33.69 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「何してるニャ、迅雷、早く逃げるニャー!!!」
迅雷 「兄貴を置いて逃げられるわけがないよ!!」

迅雷 (あそこにいるのは……俺? ジンオウガの……)

小鉄 「こいつにはまだかなわんニャ! 助けを呼んでくるニャ!!」
××××××× 『…………』
小鉄 「逃げるニャー!!」

迅雷 (な……何だあれ……)
   (見たこともない龍だ……白くて……風をまとってる……)
   (で、でも見てると何だか嫌な気分になる……)
   (あれは……)
   (絶対にいい奴じゃない……!!)

298: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:14:04.43 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「仕方ないニャ! 迅雷には指一本触れさせんニャ! ビッグブーメランを喰らえニャ!!」
××××××× 『…………』
 >ビュォオオオオ!!!
小鉄 「ギニャ!(ドガッ!)」
迅雷 「うわ! (ドゴッ! ゴロゴロゴロ……!!)」

迅雷 (何だ……凄い突風みたいなのが、兄貴と俺に……)

××××××× 『太古の宝玉を持っているのはどちらだ……いや、どちらでも良い……』
        『二匹とも灰にすれば済む話だからな……』

 >ズズズズズズズズ

299: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:14:34.60 ID:c0ewPbEI0
迅雷 (!!!)

ティガレックス亜種 「おいおいボスゥ。そりゃちょっと話が違うんじゃねぇか?」

迅雷 (土の中から、黒い龍が出てきた……!!!)
迅雷 (あの龍は……!!)

××××××× 『…………』
ティガレックス亜種 「あのお守りは、俺のものだ。成敗したら俺に寄越すと、そういう話だったんじゃねぇのか?」
小鉄 「そ……そんな……」
   「黒い龍! そんな……! お前はあの時にジンオウガが殺したはずだニャ!!」
ティガレックス亜種 「アァン? ンだァ……この猫は……」
小鉄 「……ッ! そんな話はどうでもいいニャ! ならもう一度、ぶっ殺してやるだけニャ!!」
ティガレックス亜種 「フン……おもしれぇ」

300: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:15:00.97 ID:c0ewPbEI0
迅雷 (兄貴、駄目だ!! くそ……動け、俺……!! 動け!!)

迅雷 「…………(ガクガクブルブル)」
小鉄 「うおニャアアアア!!!(ブゥン!)」
ティガレックス亜種 「(ガチィィン!)…………」
小鉄 「お……おいらのビッグブーメランが効かない……!!」
ティガレックス亜種 「(シュバッ!)死ね!(ガチィィィン!!)」
 >ザクッ!!
小鉄 「ぐぅおおおお!!!!」

迅雷 (兄貴いいいい!!!)

301: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:15:27.31 ID:c0ewPbEI0
―シュレイド地方、樹海、夜―

小鉄 「グゥ、グゥ……」
迅雷 「……ッハ!!!!」
   「ハァ……ハァ……」
   「何だ……あの夢…………」
   「妙に現実味があって……まるで本当のことみたいに……」
   (うう……あの変な飲み物を飲んだせいか、体が上手く動かないよ)

302: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:15:55.13 ID:c0ewPbEI0
迅雷 (ハッ)
   (そういえば、ここはあの夢で見た景色と同じだ!!)
   (何だか……嫌な予感がする!)
   「兄貴! 兄貴起きてよ!(ユサユサ)」
小鉄 「ン……んん……何だニャ迅雷……もう少し寝かせるニャ……」
迅雷 「そんなことを言ってる場合じゃないよ! ここから早く逃げなきゃ!」
小鉄 「ンニャ? 逃げるって何からだニャ?」
   「くだらないこと言ってないで、迅雷もだいぶ遅いから、今日はここで野宿ニャ」
   「もう一回火をつけるニャ(カチカチ)」

303: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:16:21.91 ID:c0ewPbEI0
小鉄 「…………(ゾクッ)」
迅雷 「…………(ゾクッ)」
小鉄 「な……何だニャ。この悪寒は……」
   「この悪寒は……確か……」
迅雷 「兄貴……!」
小鉄 「迅雷、オイラの後ろに隠れるニャ!!」
 >ヒュゥゥゥゥゥゥッ
迅雷 「か……風が集まっていく……」

304: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:16:49.34 ID:c0ewPbEI0
小鉄 (クッ……暗くて良く見えんニャ)
   (迅雷の体が光ってるから、何とか見えるくらいだニャ)
   (でも、この感覚は知ってるニャ。これは……こいつは……)
   「白い龍!!」
××××××× 『クク……フハハハハ!』
        『生きていたか……小さき者よ』
小鉄 「う……うおおお!!(ダッ!)」
迅雷 「兄貴!」

305: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/17(木) 23:17:23.30 ID:c0ewPbEI0
××××××× 『…………』
 >ビュゥゥゥゥゥッ!!
小鉄 「ギニャー!!」
迅雷 (兄貴が凄い風に吹き飛ばされてきた!)
   「ふんっ!(ガシッ)」
小鉄 「す……すまんニャ迅雷……」
迅雷 「…………」
小鉄 「迅雷?」
迅雷 (あれは……夢の中に出てきた龍だ……!!)
   (どうして……俺……)

317: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 22:58:21.90 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (オイラ一人で逃げることは出来るニャ……)
   (オイラは猫だから、地面に潜っちまえばいいんだニャ)
   (でも……そうしたら迅雷が……)
   「…………!!」
    >ダダダダッ

小鉄 「迅雷逃げるニャ!!」
迅雷 「!!」
小鉄 「こっちだニャ! オイラが相手してくれるニャー!!」

迅雷 (これは……!!)
   (夢の中と同じ……!)
   (ということは、この後、黒いティガレックスが出てきて、兄貴が……!!)

318: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 22:59:03.32 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「何してるニャ、迅雷、早く逃げるニャー!!!」
迅雷 「兄貴を置いて逃げられるわけがないよ!!」

迅雷 (夢の中と……同じことを……!!)

小鉄 「こいつにはまだかなわんニャ! 助けを呼んでくるニャ!!」
××××××× 『…………』
小鉄 「逃げるニャー!!」

迅雷 (に……逃げられるわけ……ない!)
   (だってこの後……兄貴は……!!)
小鉄 (迅雷……! 初めての戦闘で動けないんだニャ!)
   (オイラが守るしかないニャ!!)
   「仕方ないニャ! 迅雷には指一本触れさせんニャ! ビッグブーメランを喰らえニャ!!」
××××××× 『…………』
 >ビュォオオオオ!!!
小鉄 「ギニャ!(ドガッ!)」
迅雷 「うわ! (ドゴッ! ゴロゴロゴロ……!!)」

319: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 22:59:54.43 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『太古の宝玉を持っているのはどちらだ……いや、どちらでも良い……』
        『二匹とも灰にすれば済む話だからな……』

 >ズズズズズズズズ

小鉄 (な……何かが土の中から出てきたニャ……)
   (あれは……あいつは!!)

ティガレックス亜種 「おいおいボスゥ。そりゃちょっと話が違うんじゃねぇか?」
××××××× 『…………』
ティガレックス亜種 「あのお守りは、俺のものだ。成敗したら俺に寄越すと、そういう話だったんじゃねぇのか?」
小鉄 「そ……そんな……」
   「黒い龍! そんな……! お前はあの時にジンオウガが殺したはずだニャ!!」
ティガレックス亜種 「アァン? ンだァ……この猫は……」
小鉄 「……ッ! そんな話はどうでもいいニャ! ならもう一度、ぶっ殺してやるだけニャ!!」
ティガレックス亜種 「フン……おもしれぇ」

320: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:00:31.26 ID:DyIqbrAP0
迅雷 「…………(ガクガクブルブル)」
   (あれ……? 兄貴を助けなきゃいけないのに……)
   (怖くて……足が動かない……)
   (動け! 動け!!)
   (俺の脚!!!)

321: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:01:47.90 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (猫のオイラが、逆立ちしてもティガレックス亜種になんて……かなうはずはないニャ……)
   (でもここで退くわけにははいかんニャ!!)
   (おいらは……おいらは……)
   (迅雷の兄貴だニャ!!!)
   (おいらは、うそつき猫にだけはなりたくないニャー!!!)
   「うおニャアアアア!!!(ブゥン!)」
ティガレックス亜種 「(ガチィィン!)…………」
小鉄 「お……おいらのビッグブーメランが効かない……!!」
ティガレックス亜種 「(シュバッ!)死ね!(ガチィィィン!!)」
 >ザクッ!!
小鉄 「ぐぅおおおお!!!!」

322: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:02:16.80 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「このまま、真っ二つに噛み千切ってやる……!!」
小鉄 (あれ……? 全然痛くないニャ……)
   (これならイケる……! やれる気がするニャ!!!)
   「舐めるなニャアアア!!!(ブンッ!)」
ティガレックス亜種 「!!!」
 >ザンッ!!!
ティガレックス亜種 「グア……!!」
小鉄 「目ン玉にビッグブーメランを刺されて、平気な奴はいないニャ!!」
ティガレックス亜種 「グ……てめぇえええ!!(ギリギリ)」
小鉄 「ぐぅおおおお!!!」

323: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:02:49.49 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (痛くはないニャ……でも体の血と力が抜けていくニャ……)
迅雷 「…………(ガクガクブルブル)」
小鉄 「じ……迅雷逃げるニャ……!!」
ティガレックス亜種 「死ね、猫」
小鉄 「ぐああああ!!!!」
迅雷 「(ギリ……)兄貴から……」
   「兄貴から………………」
   「兄貴から離れろおおお!!!!(バリバリバリバリ)」
 >チュッドォォォンッ!!!
ティガレックス亜種 「ゴオオオアアア!!!!」

324: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:03:22.38 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『ほう……』
ティガレックス亜種 (プスプス……)
          「て……てめぇ…………」

325: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:03:57.24 ID:DyIqbrAP0
 >ボロリ
小鉄 「ギニャ!(ドサッ)」
   「じ……迅雷……」
迅雷(超帯電) 「(バリ……バリ……)お前なんて……お前なんて怖くない!」
        「怖くないぞ!!!(バリバリバリ)」
ティガレックス亜種 「……ケケ……」
          「その割には足が笑ってるぜ……」
迅雷(超帯電) 「!!」
        (まともに相手をしちゃ駄目だ……!)
        (兄貴の怪我がひどいよ……!)

326: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:04:30.65 ID:DyIqbrAP0
迅雷(超帯電) 「(シュバッ)兄貴!」
小鉄 「じ……迅雷、早く逃げるニャ……」
   「まだ一度も戦ったことがないお前じゃ……無理だニャ……」
   「誰かを呼んでくるニャ…………」
迅雷(超帯電) 「逃げる……?」
        「俺……逃げるの……?」
小鉄 「……?」
迅雷(超帯電) 「あいつ……父さんと、母さんを……」
        (殺 し た 奴 だ ろ……!!)
小鉄 「!!」

327: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:05:15.36 ID:DyIqbrAP0
迅雷(超帯電) 「うわああああ!(シュッ!)」
小鉄 「迅雷! 駄目だニャー!!!」
ティガレックス亜種 「ケケッ、そう来なくちゃな。面白くねぇ」
          「だが、餓鬼は所詮餓鬼だな!(バシッ!)」
迅雷(超帯電) 「(ゴロゴロ)ギャッ!」
        「い……痛い……痛い! 血が、俺の顔から、血が……!!!」
ティガレックス亜種 「血ィくらいで何ィ言ってんだ餓鬼? てめぇはこれから(ドガッ!)」
迅雷(超帯電) 「ガッ!」
ティガレックス亜種 「死ぬよりもつらい目に!(ゴッ)」
迅雷(超帯電) 「ウガア!」
ティガレックス亜種 「遭わせてから殺してやるんだからよ!!(ドゴォッ!)」
迅雷(超帯電) 「(ゴフッ)……うああ……あ……(ガクガクブルブル)」

328: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:05:54.83 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「う……うおニャアアア!!!(ジダダダダダ)」
迅雷(超帯電) 「!! 兄貴!? 動けるの!?」
ティガレックス亜種 「……?」
          (何だ……? あの猫。致命傷のはずだ。どうして動ける……?)
          (まさか、俺達と同じ……?)
××××××× 『…………』
小鉄 「迅雷には……もう指一本触れさせないニャー!!!」
   「痺れ貫通ブーメランを喰らえニャ!!」
 >ブンッ
ティガレックス亜種 「……!」
 >ズガガガガガガガッ!
ティガレックス亜種 「ガッ……チィ。目の傷を狙いやがったな……!!」
小鉄 「もう一発だニャー!!」
ティガレックス亜種 「そんな子供だまし通じるかよ!(ガチィ!)」
小鉄 「クッ……は、離すニャ!!(ジタバタ)」
ティガレックス亜種 「このまま噛み千切って飲み込んでやるぜ」

329: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:06:42.39 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (い……いかんニャ。痛くはないけど、本格的に意識がなくなってきたニャ……)
   (もう……ここまでかニャ……)
ティガレックス亜種 「ケッ。たかが猫が手こずらせる」
          「クソガキと猫の始末に俺が呼び出させるとはな」
          「クソの親もクソだったが、どうせお前の親もカスみてぇな猫だったんだろうな!」
小鉄 「!!」
迅雷(超帯電) 「!!」
ティガレックス亜種 「猫とクソに生まれたことを後悔して死ぬんだなァ! ゲハハハハ!!」
迅雷(超帯電) 「父さんと……父さんと母さんを……」
        「侮辱するなあああ!!!」

330: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:07:28.18 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「…………アァン?」
          「……いいかぁクソガキ。この世は強ェ奴が一番偉いんだよ」
          「死ぬ前に教えてやるよ。弱い奴は生きてる価値がねぇ。存在自体が許されねぇ」
          「猫に何が出来る? 俺にかなわなかったクソの子供が何が出来る!!」
          「お前に俺が倒せるか? お前らに俺を殺せるか?」
          「ヒーギャハハハ!! いいか? お前らは カ ス だ」
          「塵にもなりゃしねぇカスの分際で、この俺に楯突くんじゃねぇええ!!!!!!」
迅雷(超帯電) 「そ……そんな……そんな……」
        「俺……俺は……」
ティガレックス亜種 「ヒャハハハハハハハハ!!!」
小鉄 「…………」
   (ググググググ)
   「ユクモ刀虎徹っちゃんを喰らうニャ!!!」
  >ザンッ!

331: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:07:56.36 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「ガ……チィ! まだ動けたのか!」
          「てめぇ……俺の傷ついた片目を……」
          「クソッ! クソがああああ!! 真っ二つにしてやるああ!!!」
  >ググググググ
小鉄 「(ゴフッ)……!!(ギリギリ)」
ティガレックス亜種 「手を離せええええええ!!!!」

332: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:08:40.81 ID:DyIqbrAP0
迅雷(超帯電) 「あ、兄貴ィィィィ!!!!」
小鉄 「絶対に…………」
   「…………絶対に…………」
   「ぜぇえええったいに、手を離さないニャアアアアア!!!(ギリギリギリ)」
ティガレックス亜種 「グアアアア!!!!」
迅雷(超帯電) (あ……兄貴の胸に下げたお守りが……薄く光ってる……!!!)
小鉄 「迅雷! よく見るニャ!!!」
   「上を見るニャ! 迅雷! 下を向くなニャ!!」
   「オイラ達はカスでもクソでもないニャ! いや、お前は誇り高きジンオウガの息子だニャ!」
   「そして!!!」
   「この小鉄の! このカッチョいい無敵の猫、こてっちゃんの、義弟(おとうと)だニャー!!!!!」
 >ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!

333: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:09:26.11 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「な……何だ!? 血が……! 俺の目から血が出てやがる!!!」
          「畜生がああ! 早く死ね猫おおおおお!!!!」
 >ギリギリギリギリギリ
小鉄 「オイラは……死なん……ニャ!!!」
迅雷(超帯電) 「!!」
小鉄 「オイラも、迅雷も、お前を倒して、無事に帰るニャ!!」
   「諦めないニャ!!!」
   「オイラは猫だニャ! 誇り高い猫だニャ!! 猫で何が悪いニャアアア!!!!」
   「オイラは……オイラ達は、自分を信じるニャ!! だからお前に……貴様に何を言われようと!」
   「絶対に諦めないニャアアアアアアア!!!!!!」
 >ピカアアアアアアッ!!!
迅雷(超帯電) 「兄貴のお守りが……強く光ってる……!!」
 >ドクンッ
迅雷(超帯電) 「……!!!!(俺の胸の中でも……何かが燃えてる……!!)」
        (体が熱い……)
        (俺…………俺の体の中……心に何かが……)
××××××× 『ほう……(ニヤリ)』

334: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:10:00.44 ID:DyIqbrAP0
 >ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
ティガレックス亜種 「血がとまらねェ!! ボス! 何が起きてるゥ!!?」
××××××× 『ククク……ハァーハッハッハハハハハハハハ!!!!!』
        『貴様らか……不完全な二個の魂が合わさり、一つの強力な古龍となりえる者とは……』
        『見つけた……見つけたぞ!!!!』
ティガレックス亜種 「ボス! 畜生があああ!!!」
小鉄 「貴様の相手は……オイラだニャアアアアアア!!!!!」
 >ギリギリギリギリギリギリ
ティガレックス亜種 「ガアアアアアアア!!!」
          (か……体が……体が焼ける……!!!)
          (俺の体が……俺の無敵の……)
          (無敵の力が……!!!!!!!!)

335: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:11:20.31 ID:DyIqbrAP0
 >ピカァァァァァァァァァァ!!!!

ティガレックス亜種 「……!!!!」

迅雷(激帯電) 『…………』
 >バリッ…………バリッ…………
 
ティガテックス亜種 (ゾクッ) 

336: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:11:53.66 ID:DyIqbrAP0
ティガレックス亜種 「な……!!!!!!!!!」
          (何だあれは……!!)
          (ジンオウガか……!? いや違う!!!!!)
          (雷……!? 雷の集合体か!!!!!!!!?)
          (何が起きてる!!??)

337: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:12:27.40 ID:DyIqbrAP0
迅雷(激帯電) 『………… 兄 貴 ヲ、ハ ナ セ ……!』
ティガレックス亜種 「…………グ…………(ズリ……ズリ……)」
          「!!」
          (俺が……この俺様が……後ずさり!? 下がった……!!!?)
          (この俺が後ずさり!!?)
迅雷(激帯電) 『 ハ ナ セ エ ェ エ エ エ エ エ !!!!!!』
 >ブゥゥゥゥゥンッ!!!
ティガレックス亜種 (尻尾が……長く伸びて……)
 >チュッドォォォッォォォォォォォオオオオオン!!!!!
ティガレックス亜種 「ギャアアアアアアアアアア!!!!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小鉄 「……(ドサッ)」
小鉄 「じ……迅雷……」
   (あれは迅雷……!?)
   (キリンみたいに真っ白くなってるニャ……!!!)
迅雷(激帯電) 『……………………(バリッ……バリッ…………)』
        『 殺 シ テ ヤ ル 』
        『 貴 様、殺 し て ヤ ル ……!!!!』
        『 塵 芥 モ 残 ラ ヌ ト 思 エ 』
        『 死 刑 ダ 』

338: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:13:09.49 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (違う……!)
   (迅雷じゃ……ない……!!!)
迅雷 『…………(シュンッ!!!)』
 >チュッドォォォォォォォォォォォン!!!!!
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ティガレックス亜種 「がああああああああああああああ!!!!」
          「痛ェ! 痛ェエエエエエエ!!!!」
          「何でだ!? 無敵じゃなかったのか!?」
          「俺は……俺様はァ……!!! 無敵じゃなかったのかアアアアア!!!!!」

339: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:13:36.83 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「(よろ……よろ……)迅雷……」
迅雷(激帯電) 『………………殺 シ テ 殺 シ テ 殺 シ テ 殺 シ テ』
小鉄 「迅雷!!!!」
迅雷(激帯電) 『……!!(ハッ)』
小鉄 「意識を乗っ取られるなニャ! その力は、お前のものだニャ!!!」
   「諦めるなニャ! 願うニャ! 望むニャ! そしたら絶対……ぜええったい、何もかもがかなう! かなうニャ!!」
   「その力は、諦めなかったお前の力だニャ!!!」
迅雷(激帯電) 『……ア ニ キ……?』
小鉄 (キッ)
   「貴様らを……成敗するニャ――ッ!!!!」

340: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:14:09.79 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『クク……ハハハハハハハハ……ハァーハッハッハハハッハッハハ!!』
小鉄 「……(ギリギリ)」
××××××× 『カカカ……いい見世物だった』
        『笑いが止まらぬ』
        『笑いが止まらぬよ……!』
小鉄 「(バッ!)……(シュタッ)」
迅雷(激帯電) 『………………』
小鉄 (迅雷に乗っても、オイラは全然痺れないニャ。乗れるニャ!!)
ティガレックス亜種 「ガアア! どういうことだ! ボス!!! 殺させろ! あいつらを殺させろォォォォ!!!」
××××××× 『貴様はもういい……戻れ……』
ティガレックス亜種 「なっ……俺はまだやれるゥ! 俺はァアア!!!」
 >ボロボロボロボロ
小鉄 (黒いティガレックスが……土になって消えていくニャ!!!)
ティガレックス亜種 「チィィィィィ!!!!!!」
          「ケケ……ゲハハハハハ!!!!!!」
          「顔は覚えたぞ……猫……餓鬼……クソ共オオオオ!!!!」
 >サラサラサラサラサラ

341: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:14:40.68 ID:DyIqbrAP0
小鉄 「迅雷、一緒にいくニャ!!」
迅雷(激帯電) 『ウ……ン!!!(ダッ!!)』
××××××× 『馬鹿め……』
 >ドヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウッッッ!!!!
迅雷(激帯電) 『!!!』
小鉄 「グッ……」
   「すげぇ風だ……ニャ…………前に一歩も………………進めんニャ……………………」
迅雷(激帯電) 『グ……ウウウ…………!!!!!』
小鉄 「!!? これは……風じゃないニャ! 竜巻……だニャ!!!!」
   「迅雷……離れる……ニャ!!!!!」
迅雷(激帯電) 『ガ……アアア!!!!!』

342: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:15:22.22 ID:DyIqbrAP0
××××××× 『我の名はアマツマガツチ』
アマツマガツチ 『冥土の土産に教えてくれよう。我は偽りの生を司る古龍なり』
        『この世の新たな力の誕生を阻止せんと動く者の一角なり』
小鉄 「何を……訳分からんことを……ごちゃごちゃと…………」
アマツマガツチ 『貴様らは危険すぎる。封印させてもらおう』
        『その力を我のものとしてな!!!』
        『我を憎め! 憎んで憎んで憎しみ尽くせ! それが我の力となり血と肉となる!!!』
迅雷(激帯電) 『ガ ア ア ア ア ア ア ア!!!!』
 >バキィッ!!!!!
小鉄 (じ……迅雷の腕が……風圧で折れた……!!!!)
迅雷(激帯電) (ガクッ……!!)

343: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:15:54.57 ID:DyIqbrAP0
アマツマガツチ 『そうだ憎め……憎しみこそが…………』
        『…………!』
        『来たか……「もう一匹」が……』

344: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:16:22.25 ID:DyIqbrAP0
―上空―

ヤマツカミ (ふわふわ)
      「風で何も見えぬ! だが、あの中に三匹の気配を感じる!!!」
少女 「………………」
ヤマツカミ 「少女よ、何が起きている? お前が起きるなり連れてきて欲しいと言うから、皆を置いて飛んできたが……」
      「これは、どうしたことだ!?」
      「邪悪な気配を感じる!! これ以上ないほどの邪悪な気配じゃ!!」
少女 『I…………c…………h、b……i……n…………l…………a…………u………………t』
ヤマツカミ 「何じゃと?」
      (この子、古龍語を……!!!)
      (それに、体が白く光り輝いておる!!!)
少女 『Vers…………ch……wi…………n…………de…………n、S………………i…………e!!!』

アマツマガツチ 『……!!!!』

 >カッ!!

345: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:16:50.22 ID:DyIqbrAP0
―地上―

小鉄 「ギニャ!!!」
迅雷(激帯電) 『…………!!!!』
小鉄 (すげぇ光が降って来て…………)
   (風が……やんだ…………ニャ…………)
 >フッ
小鉄 (迅雷の体の光が消えたニャ!!)
迅雷 (ふらふら……)
   (ドサァ……ッ!!!)
   「……………………」
小鉄 「迅……雷!!!」
   (あの白い龍は……!!!!)
   (いない……!?)

346: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:17:28.74 ID:DyIqbrAP0
小鉄 (く……迅雷…………)
   (もう声が……出ないニャ…………)
   (オイラは…………オイラは……死なんニャ………………)
   (約束したニャ……迅雷を守るニャ…………)
   (死なんニャ……死な………………)
   (……………………)

347: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:18:11.15 ID:DyIqbrAP0
―上空―

ヤマツカミ 「……あれは……猫とジンオウガというモンスターじゃな……」
少女 「ケホッ……ゲホッ! ゲホッ!!」
ヤマツカミ 「少女!」
少女 「う……うう……うああああ!!!!」
 >ズズズズズッ!
ヤマツカミ 「!!!」
少女 「はぁ……! はぁ……!!!」
ヤマツカミ (少女の額に……小さな角が…………!!!!)
 >バサッ! バサッ!!
テオ・テスカトル 「ヤマツカミ様!!!」
イャンクック 「少女ー!!!!」
イャンガルルガ 「クソジジイ! 少女をどうしやがった!!!」

348: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/11/27(日) 23:18:40.98 ID:DyIqbrAP0
少女 「私は大丈夫……それより、小鉄ちゃんと迅雷を……ゲホッ……」
 >バサッ! バサッ!!
ティガレックス兄 「何だァ? すっげぇ音がしたぞ」
ティガレックス弟 「雷でも落ちたかァ? すっげぇ光だったぞ?」
ナルガクルガ 「尋常な事態ではないようだな……」
紫ガミザミ 「少女ー!! 大丈夫かえ!?(バッ)」
少女 「(ガシッ)だ……大丈夫……」
イャンクック (遠くからだったからよく見えなかったが……)
       (あれは、シェンガオレンを消した時と同じ力だ……!!!)
       (それに、少女の額に……モンスターの……)
       (…………モンスターの、角が!!!!!)

364: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:19:41.09 ID:kv4pFety0
―数時間後、ヤマツカミの住処、朝―

ヤマツカミ 「ふむ……困ったことになった」
イャンクック 「説明してください。少女に何が起こっているんですか?」
ヤマツカミ 「…………」
少女 「おじさん、これはね……」
イャンクック 「お前は黙っていなさい」
少女 「……おじさん……?」
イャンクック 「ガルルガ君、少女を外に出してくれないか。私はヤマツカミ様と二人で話がしたい」
イャンガルルガ 「……ああ(グイ)」
少女 「ちょ……引っ張らないで……」
イャンガルルガ 「いいから行くぞ」

365: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:20:27.65 ID:kv4pFety0
イャンクック 「…………あの力は、以前何度か見たことがあります。しかし今回は別です」
       「少女の体に、劇的な見て分かる変化があったのは初めてのことです」
       「何かご存知なら、隠さず教えていただきたい」
       「私は……私は、あの子の『親』だ」
ヤマツカミ 「ふむ……」
      「見て分かる変化と、お主は申すが、そもそもからして、あの子がモンスターの言葉を介することがおかしいのだ」
      「それが既に劇的な変化なのだ」
イャンクック 「どういうことですか?」
ヤマツカミ 「あの子は、ここに来たときから既に古龍の力を得ていた。しかしそれが、時期が遅れて今発現したまでのこと」
      「もう少し遅らせることができるかと思ってはいたのだが、こんなに早く古龍化が進行するとは思わんかったのだ」
      「実は、だいぶ前から少女から、その力についての不安は聞いていた」

366: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:22:18.47 ID:kv4pFety0
イャンクック 「何ですって……!? 少女は、私にはそんなことは一言も……」
ヤマツカミ 「おそらく、お主を心配させたくなかったのだろう。あの子自身にも分からぬ力なのだ」
      「だが、あの子が覚えているのは、『白い羽の生えた子猫』だそうだ。黒い猫と、赤い猫が親でいるらしい」
      「更に、灰色の猫とも対話したとも言っていた」
イャンクック 「猫……アイルーですか?」
ヤマツカミ 「いや、違う。それは仮の姿じゃ。それら全てが古龍だとすると、少女は既に、その得体の知れない古龍四体と接触していることになる」
      「わしは、昔先代から聞いたことがある」
      「古龍の力を司る、太古のモンスターが存在したことがあると」
イャンクック 「古龍の力……」

367: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:23:21.94 ID:kv4pFety0
ヤマツカミ 「世の中がもっと単純で、もっと精気に満ち溢れていた時代、生きていた古龍がいた」
      「今いるわしのような古龍は、その眷属か、他のモンスターとの後輩で生まれた、いわば亜種じゃ」
      「それとは違う、もっと純粋な古龍が存在しておる」
      「わしは、会ったことはないが……」
イャンクック 「では、少女をあんな姿に変えたのは、その古龍たちの力だと、あなたはそう仰るのですか?」
ヤマツカミ 「わからん……じゃが、少女に何らかの力が働いているのは事実じゃ」
      「そして、その力を引き出す引き金をつくってしまったのは、他ならぬ我々なのだ」
      「あの子を、力を使わざるを得ない状況に置き過ぎた。それに、我らの血を与えすぎた」
イャンクック 「それが悪いことだというのですか? ならどうしろと!」
       「古龍の血を与えなければ、あの子は死んでしまっていたのですよ。それに、体に受けた色々な傷も治癒しなかった!」
       「私は……私は、どうすればよかったのですか!」

368: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:24:00.65 ID:kv4pFety0
ヤマツカミ 「…………」
      「もうあの子を人里に返す計画は、水泡に帰した」
      「諦めるのだ、イャンクック」
イャンクック 「だが、あの子は人間だ……」
       「私達とは違う!」
ヤマツカミ 「…………皮肉なものだ」
      「一番最初に少女を受け入れたお主が、真っ先に少女を否定するとは」
      「何故だ?」
イャンクック 「あの子が……娘だからこそです」
       「私の娘は、私が幸福にする。それは、貴方であろうと邪魔はさせない!」
       「少女は人間の里に帰します。必ず。必ずだ!」
ヤマツカミ 「…………」

369: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:24:49.88 ID:kv4pFety0
イャンクック 「……?」
イャンガルルガ 「…………チッ」
少女 「…………」
イャンクック 「……! ガルルガ君、少女は外に連れて行ってくれと……」
イャンガルルガ 「フン、所詮てめぇもそこまでのモンスターだよ」
        「散々保護者面しておいて、本音はそこか!!」
イャンクック 「違う! 私は……私は!」
少女 「おじさん……」
イャンクック 「!」
少女 「私は……ここにいちゃいけないの……?」

370: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:25:21.35 ID:kv4pFety0
イャンクック 「違うんだ少女、聞いてくれ。私は、お前のことを……」
イャンガルルガ 「黙れ偽善者め! 行こうぜ少女。俺は今までこいつのことを買いかぶっていたようだな」
イャンクック 「…………」
少女 「…………(スッ)」
ヤマツカミ 「どこへ行くと言うのだ、イャンガルルガよ」
イャンガルルガ 「こいつがモンスターとして暮らすしかないなら、モンスターとして生きていける場所を探すだけだぜ!」
ティガレックス兄 「(ぞろぞろ)ヘヘッ。面白そうなことになってるじゃねぇか」
ティガレックス弟 「(ぞろぞろ)少女! いいじゃねぇーかその角! 今のお前、最高にイカしてるぜ!!!」
ナルガクルガ 「待て馬鹿共! 勝手に中に入るな!!」
紫ガミザミ 「戻るのじゃ馬鹿達!!」
ティガレックス兄 「ケッケッケ、馬鹿って言った方が馬鹿なんだぜ!!!」

371: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:25:51.75 ID:kv4pFety0
ティガレックス兄 「何だか良くわからねぇが、ここから逃げたいんなら、俺達が手を貸すぜ!」
ティガレックス弟 「行くぜ!!」
イャンガルルガ 「フン、お前らもノッてきたみてぇだな!!(ガシッ)」
少女 「ちょ……ちょっと……!!」
ヤマツカミ 「待て、まだ少女は……」
ティガレックス兄 「フンッ!(ドッゴォォォォ!!!!)」
ヤマツカミ 「ぐぅおおお!!」
ナルガクルガ 「ああ! ヤマツカミ様になんてことを!!!」
ティガレックス弟 「今のうちだ。俺達のスピードに追いつける奴はいねぇ」
イャンガルルガ 「ケケケケ!! やっぱ俺はこっちの方が性に合ってる!!」

372: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:26:23.94 ID:kv4pFety0
ティガレックス兄 (シュバッ!!)
ティガレックス弟 (シュバッ!!)
イャンガルルガ 「じゃーなクソ野郎ども。二度とその面見せんじゃねぇ!(シュバ!!!)」
イャンクック 「少女!!!」
少女 「おじさ…………(シュン!)」
イャンクック 「く……」
 >バサッ! バサッ!!
テオ・テスカトル 「何だ!? 何が起こった!!(ドドド)」
ヤマツカミ 「………………」
紫ガミザミ 「少女ー!!!」
ナルガクルガ 「くそ、あいつら勝手なことを! すぐに追います!!」

373: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:26:57.03 ID:kv4pFety0
ヤマツカミ 「…………よい。好きにさせるがよい」
ナルガクルガ 「し、しかし……!!」
テオ・テスカトル 「まさかティガレックス兄弟とイャンガルルガ君が、少女を連れて逃げるとは……」
         「何があった!?」
イャンクック 「…………私が悪いのだ」
ナルガクルガ 「何をしている、追わんか!!」
       「(ガシッ)お前は……お前はあの子の父親ではなかったのか!?」
イャンクック 「…………」
ナルガクルガ 「……くっ!! 俺はお前を過大評価していたようだ」
紫ガミザミ 「何をしている、はよう飛ばんか! 少女が連れ去られてしもうだのじゃぞ!!(ガジガジ)」
ナルガクルガ 「ええい耳を掴むな!!」

374: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:27:35.13 ID:kv4pFety0
イャンクック 「………………」
       (何をしている……追え、追わんか……私は……!!)
       (何をしているんだ!!)
ヤマツカミ 「…………若い者に、託してみるのもいいかもしれぬ」
      「この先、あの子達が、あの子達自身の手で未来を切り開いていかねばならぬ」
      「わしら老いぼれが、あれやこれやと指図するのは、最初から間違っておったのやもしれぬ」
テオ・テスカトル 「しかし……」
ヤマツカミ 「この件に関しては、なかったこととする。あの子達を追うことは禁ずる」
      「じゃが、あの子達が、あの子達自身の意思でここに戻ってきた時」
      「その時は、その時でわしは受け入れようと思うのだ」
イャンクック 「………………」
       (私は……少女が幸せに……)
       (それで………………いいのか………………?)

375: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:28:05.70 ID:kv4pFety0
―テオ・テスカトルの住処、朝―

>チュンチュン
小鉄 「……ハッ!!(ガバッ)」
   「かかってこいニャ!」
   「………………」
   「何だ、夢かニャ……」
ナナ・テスカトリ 「夢ではありませんよ」
小鉄 「ひぃ! お前は、でかい古龍!」
   「でもあの夢の中の古龍の方がでかかったニャ」
   「もうお前なんて怖くないニャ!!」

376: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:28:34.14 ID:kv4pFety0
ナナ・テスカトリ 「ですから、夢ではありませんよ」
         「それにしても……私達の血を与えたとはいえ、驚異的な回復力ですね」
小鉄 「ニャ、アレは夢じゃなかったのかニャ……」
   「あの竜は……あいつは……」
   (ギリ……)
   「オイラ達のアイルー村を壊した奴だニャ!!」
   「仕留めそこなったニャ!!!!」
ナナ・テスカトリ 「まぁまぁ、落ち着いて。これでも飲んで」
小鉄 「うるさいニャ! く……悔しいニャ!!(グビリ)」
   「プハァ! 何だニャこれは!!」

377: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:29:01.29 ID:kv4pFety0
ナナ・テスカトリ 「ドキドキノコから抽出したエキスを使った気付け薬ですよ」
小鉄 「なんてモノを飲ますニャ!!」
   「でも体が熱くなってきたニャ。何かこんころもちいいニャ~」
   (ハッ)
   「迅雷はどうしたニャ!!」
ナナ・テスカトリ 「ここに運びましたよ」
迅雷 「ぐぅ、ぐぅ」
小鉄 「迅雷!!」
   (あの変な変身は解けてるニャ…………)
   (一体何が起きたニャ……)

378: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:29:41.48 ID:kv4pFety0
小鉄 「ニャ、それにしても傷が全然なくなってるニャ!」
ナナ・テスカトリ 「私達の血は、大概の傷は癒してしまいますから。迅雷は、もう少しかかりますが……骨が折れていたようですしね」
小鉄 「ふむぅ、便利な奴らだニャ」
ナナ・テスカトリ 「小鉄さん、よく聞いてください」
小鉄 「何だニャ改まって」
ナナ・テスカトリ 「私達の血を、貴方達にあげるのはこれで最後です」
         「これから先、どんな怪我をしたとしても、私達は貴方達を助けません」
小鉄 「何を言うニャ! この英猫小鉄と迅雷を助けないって、どういったことだニャ!!」
ナナ・テスカトリ 「私達は、貴方達を強くします。でも、これから先、私達の血は、残念ながら貴方達を不幸にしてしまいます」
小鉄 「言ってることがよく分からんニャ」
ナナ・テスカトリ 「貴方達の味方です。信用してくれて構いません。でも、もう血はあげられません」
         「それを良く考えて、行動してください」

379: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:30:21.06 ID:kv4pFety0
―樹海、昼―

小鉄 「暇だニャ……」
   (あのでかい古龍が、迅雷は寝かせとけっていうから外にでてきたけども、やることがないニャ……)
   (旦那さん……無事かニャ……)
   「?」
 >ズッバァァァアンッ!!
小鉄 「ギニャアアア!!!」
   「んな、何だニャ!!?」
   「空から隕石が降ってきたニャ!!!」
ラージャン (ゴゴゴゴゴゴゴゴ)
      「…………」
小鉄 「な……何だニャ……こいつ…………」
ラージャン 「…………」
小鉄 「や、やるのかニャ!? (ジャキィン)」
ラージャン 「何だこの猫は……」

380: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:30:55.21 ID:kv4pFety0
ラージャン 「(ズン……ズン)…………」
小鉄 「………………」
   「………………さっきのでかい古龍の洞窟に入ってったニャ」
   「あれは……ちょっとヤバいニオイがしたニャ…………」
   「…………?」
 >ヒュルルルルルルルル
 >ポーン
小鉄 「!! あの打ち上げ花火は、オトモ直伝の、緊急ヘルプ玉!!!」
   「あっちの方で誰かが助けを求めてるニャ!!」
   (迅雷は……まぁあのでかい古龍がいるから大丈夫だニャ)
   (こんなところにオイラみたいなオトモが来るなんて……)

381: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:31:39.69 ID:kv4pFety0
―樹海の隅、海に繋がる海岸、昼―

小鉄 「…………はぁ、はぁ」
   (さすがにちょっと体が重いニャ…………)
   「ニュ、アレは…………」
剣ニャン丸 「誰か~!! ヘルプミィ~!!」
小鉄 「剣ニャン丸!!!?」
   「(ダダダダ!!)おーい!!!」
剣ニャン丸 「!! あれは…………」
      「こてっちゃん!!?」
小鉄 「剣ニャン丸じゃないかニャ!!!」
   「こんなところで何してるニャ?」

382: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:32:49.00 ID:kv4pFety0
剣ニャン丸 「昨日の夜、大シケがあって、船が難破しちまったんだニャ」
      「じゃなくて、難破しちまったんゼヨ」
      「僕……じゃなくて俺は、それに巻き込まれて、船長さんたちと離れ離れに…………」
      「気がついたら、ここに打ち上げられてたゼヨ」
小鉄 (シケ……昨日の夜って、あのアマツマガツチとかいう古龍と戦ってたときだニャ…………)
剣ニャン丸 「こてっちゃんこそ、こんなところで何を…………」
小鉄 「とりあえず、お互い生き延びててよかったニャ」
剣ニャン丸 「ゼヨ。船長さんたちは、あの生命力だから無事だと思うけど、僕……じゃなくて俺も帰らねばならんゼヨ」
      「ここで会ったが百年目ゼヨ。ユクモ村に戻る方法を教えて欲しいゼヨ」
小鉄 「オイラもそれを知りたいところだニャ」
   「色々複雑なことがあって、戻れなくなってるニャ」

383: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/25(日) 21:33:30.63 ID:kv4pFety0
剣ニャン丸 「うーん…………」
      「ニャ! あれは…………」
      「(ダダダッ!)こてっちゃん! あんなところに打ち上げられた小船があるニャ!!」
小鉄 「(ダダダッ)ホントだニャ。ほとんど傷もついてないニャ」
   (これなら迅雷を乗せて行けるニャ…………)
剣ニャン丸 「少し修理すれば航海に出れそうだニャ。やったゼヨ!!」
      「潮風は俺を見捨てなかったゼヨ!!」
小鉄 「ニャン丸。ちょっと聞いて欲しいことがあるニャ」
剣ニャン丸 「ゼヨ?」
小鉄 「オイラも、ここを脱出するニャ!!」

390: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:49:40.38 ID:zikyzFWa0
7.仄暗い火口の中から

―シュレイド地方、樹海入り口―

ハンマー 「どういうことだ炎帝? 何故俺達を中に入れてくれないんだ?」
テオ・テスカトル 「…………」
太刀 「ちょっとハンマー、不味いんじゃないこれ……何か、少しずつ火を噴いてるし……」
   「あたし、こんなのと戦うのやだよ?」
ハンマー 「もう少し待て。何か理由があるはずだ」
     「くそっ、俺にもモンスターの言葉が分かれば……!!」
弓 「ハンマー、小鉄は?」
  「小鉄はどうしたの? それを聞いて!」

391: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:50:23.52 ID:zikyzFWa0
ハンマー 「分かってる。だが少女がいないと、俺はモンスターと意思疎通をすることができない」
     「何故少女は出てこない? 何かあったのか?」
テオ・テスカトル 「…………」
太刀 「駄目ね……これ以上近づけないわ」
   「ハンマー、出直しましょ。ネコートさんに来てもらえば、何か分かるかも……」
テオ・テスカトル 「! そうだ。ネコートさんも、帰化したとはいえ元はアイルーだ」
         「炎帝と意思疎通ができるかもしれない」
弓 (ギリ……)
  (カシャンッ!)

392: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:51:01.65 ID:zikyzFWa0
ハンマー 「! 何をしてる、弓、やめるんだ!!」
太刀 「ちょ……あいつに武器を向けるなんて、駄目だよ!!」
弓 「答えなさい! 小鉄をどこにやったの!? 何を隠そうとしてるの!?」
  「この……化け物!!」
テオ・テスカトル 「…………」
ハンマー 「やめろ。こいつとは戦ったことはないが、相当強い。多分、ここで戦り合ったら、このあたりの森が火の海になる」
     「ふもとにはポッケ村もある。無駄な争いは避けるんだ」
弓 「……く……」
ハンマー 「とにかくネコートさんに状況を話そう。話はそれからだ」

393: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:51:50.46 ID:zikyzFWa0
―ポッケ村、昼―

ハンマー 「…………ということがあったのです」
ネコート 「ふむ……お前達が樹海に行ったのを見たハンターがいてね」
太刀 「!」
ネコート 「その話は、聞く前から既に知っていた。樹海の入り口に、炎の古龍が立ちふさがっていて、奥に入れないんだろう?」
太刀 「そうなんです。あいつ、少女ちゃんがいる時はすごく協力的だったのに、急に何で……」
ネコート 「分からん。が、それを面白く思っていない者が大半でな」
ハンマー 「やはり……」
ネコート 「炎帝はシュレイド城の防衛線の時、我々を助けてくれた義理がある。が、ハンターは元々モンスターと戦うのが仕事でね」
     「敵としか見ていない者がほとんどなのだよ」
弓 「…………」

394: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:52:31.89 ID:zikyzFWa0
ネコート 「お前達のような者がいることも、少女とやらの存在も、皆は知らぬ」
     「だから、お前達が言っている『モンスターとの話し合い』はできそうにもないな」
ハンマー 「そんな……だが、あいつは悪いモンスターではない」
     「それは確かです」
ネコート 「ふむ……」
     「まぁ、樹海が火の海になっても困る。様子を見に行くくらいならいいだろう」
太刀 「良かった。これで何とかなりそうだね」
ハンマー (……妙な胸騒ぎがする)
     (昨晩、俺の武器の、古龍の大宝玉が強く振動していた)
     (不気味な嵐も、突発的に起こって通り過ぎたが、それに少女は巻き込まれたのではないだろうか……)

395: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:53:20.40 ID:zikyzFWa0
弓 「ネコートさん、小鉄は……」
ネコート 「すまぬが、私は小鉄とやらの顔を知らぬ。一応頭の片隅にはとどめておくが、あまり期待するな」
     「モンスターにとって、猫はたいした存在ではない」
     「普通なら、もう生きてはいないと考えるのが妥当だが」
弓 「そ、そんな!!!」
ハンマー 「待て、弓。小鉄は生きている。俺が保障する」
弓 「そんなことどうして分かるのよ! 人間のあなたが!!」
ハンマー 「分かる。小鉄は不思議なお守りを持っていた。あいつの身に何かあれば、俺の古龍の大宝玉が、何かしらの反応をするはずだ」
     (その何かがあったのかもしれんが……)
弓 「…………」
ネコート 「何をグズグズしている。出るぞ(スタスタ)」

396: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:54:12.95 ID:zikyzFWa0
―樹海、入り口、昼―

ネコート 「ふむ……」
テオ・テスカトル 「…………」
ネコート 「クエストを出す側としては、モンスターと顔を付き合わせることなど、ほとんどないのでね」
     「正直驚いたよ。こんな立派な古龍が、村のすぐ近くまで出てきているとは」
ハンマー 「…………」
ネコート 「お初にお目にかかる。私はネコート。ふもとの人里、ポッケ村の長をしている。貴殿は火山を統べる主と見たが、違うか?」
テオ・テスカトル 「…………」
太刀 「何よ、何にも反応がないじゃない」
ネコート 「いや、言葉は伝わっているはずだ。何か、話したくない訳があるのだろう」

397: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:55:18.93 ID:zikyzFWa0
ネコート 「貴殿の心は分からんが、ここはポッケ村に近すぎる」
     「すまぬが、我々の仲間が、中に入ることを許可してはもらえないだろうか」
     「それが呑まれなければ、私は貴殿の討伐命令を出さなければならぬ」
テオ・テスカトル 「…………」
ネコート 「勝てるとは思わぬが、ここを灰にするよりはいいと思うが。どうだろう?」
ハンマー 「ネコートさん、大丈夫なのですか? 炎帝は何と?」
ネコート 「少し黙っておれ」
テオ・テスカトル 「…………」
         「少女は去った。ハンターにそう伝えよ(クルリ)」
 >ズン、ズン……

398: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:55:49.36 ID:zikyzFWa0
太刀 「あれ……? 行っちゃった……」
ハンマー 「ネコートさん!?」
ネコート 「…………」
弓 「小鉄は? 小鉄はどうなったの?」
ネコート 「村に帰るぞ。炎帝は争う気はないらしい」
     「ただ、お前に伝えろとのことだ。『少女は去った』とな」
ハンマー 「……何だって……!?」
太刀 「去ったって……どこに!?」
ネコート 「分からん。だが、話したくない訳があるようだ」
     「これ以上追うのは危険だ。帰るぞ」

399: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:56:21.91 ID:zikyzFWa0
弓 「……そんな……小鉄…………」
ハンマー 「…………」
     (去ったって……どういうことだ……?)
     (あの子が俺に何も言わずに、どこかに行くとは考えがたい)
     (やはり、昨夜の嵐が原因か!)
ネコート 「しかし、困ったことになった」
太刀 「ネコートさん?」
ネコート 「炎帝は、このあたりをうろついている。人間を拒絶しているようだ。何かを恐れているようにも思える」
太刀 「恐れてるって……何を?」
ネコート 「シュレイド城防衛線前……つまり、ハンマー。お前が少女とやらに遭遇するより前の状況に似ている」
ハンマー 「!」
ネコート 「あの時も、強力なモンスターが人里の近くに出没し、人間を威嚇していた」

400: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:56:56.72 ID:zikyzFWa0
ネコート 「炎帝の言葉に嘘はないだろう。少女とやらがいなくなったせいで、あ奴らは人間、つまりハンマー、お前と交信することができなくなった」
     「人間側の情報が入ってこないため、自分達の身を守るために、ハンターからの盾になろうとしているのだ」
     「私はそう思うが」
ハンマー 「…………俺が、そんな重要な役割を果たしていたなんて…………」
ネコート 「とにかく、確認するだけはしたぞ。その上で危険だと判断する。クエストも当分の間控えよう」
     「死人は増やしたくないからな」
弓 「!!」
ネコート 「行くぞ」
ハンマー 「くそ……」

401: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:57:29.80 ID:zikyzFWa0
―シュレイド地方、巨大湖、上空、夕方―

ティガレックス兄 「(バサッ! バサッ!)ファァアア゛ーッ! ア゛ッ!! しかしノリでついてきたが、どこに行くってンだ?」
ティガレックス弟 「(バサッ! バサッ!)全くだぜ。眠くなってきたな」
イャンガルルガ 「(バサッ! バサッ!)文句言うならついてくんな。別にテメェらなんていなくてもいいんだ」
ティガレックス兄 「ンだとテメェコラ」
ティガレックス弟 「ヤんのかコラァ!」
少女 「………………」
イャンガルルガ 「…………その……何だ」
        「悪いことしたか、俺らは……」
ティガレックス兄 「…………」
ティガレックス弟 「…………」

402: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:58:03.19 ID:zikyzFWa0
少女 「…………」
   「うぅん……このまま飛んで」
   「もっと遠くに行こう」
イャンガルルガ 「! ああ、そうだな!」
ティガレックス兄 「遠出か! 初めてだな!!」
ティガレックス弟 「考えてみりゃ俺ら、あそこの地方を出たことがねぇからな!」
ティガレックス兄 「そういえば何でだろうな?」
少女 「…………」
   (おじさん……どうしてあんなこと……)
   (私のことを……嫌いになったの……?)
   (どうして……)

403: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:58:29.88 ID:zikyzFWa0
イャンガルルガ 「…………」
        「しかし随分飛んだぞ。少し休んでもいいか?」
少女 「え? あ……うん。じゃああそこで休憩しよう」
イャンガルルガ 「だとよ。馬鹿共」
ティガレックス兄 「ヒャァ! 休憩だァ!(バサッ!)」
ティガレックス弟 「馬鹿って言った奴が馬鹿なんだぜ!(バサッ!)」
イャンガルルガ 「何でついてきたんだあいつら……(バサッ!)」

404: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 01:59:33.89 ID:zikyzFWa0
―巨大湖、孤島、夕方―

イャンガルルガ 「カァ! 水が美味ェ!」
ティガレックス兄 「ケェ。ハチミツじゃ腹が膨れねぇ」
ティガレックス弟 「ポポはいねぇのか、ポポは」
イャンガルルガ 「うるせぇ。文句を言うなら消えやがれ」
        (……こんなことになるんなら、ヒプノック達も連れてくりゃ良かった)
少女 「……?」
 >ゴゴゴゴゴ
イャンガルルガ 「おい、何してる!?(グイッ)」
少女 「キャ!」
 >ザッパァァァァンッ!!

405: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:00:13.36 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 「あれ? 誰かと思えば、少女じゃないか!」
少女 「トトスさん!!」
イャンガルルガ 「ゲェ。何だ、知った顔かよ」
ガノトトス 「ここは樹海から随分離れてるけど……どうしたんだい? イャンクックは一緒じゃないのかい? (キョロキョロ)」
翠ガノトトス 「ガノス、どうしたの?」
ガノトトス 「翠、少しこっちに来てくれないか? 珍しいお客さんだ」
翠ガノトトス 「あら……もしかして、あなたが少女ちゃん?」
少女 「あなたは、翠トトスさん?」
翠ガノトトス 「そうよ。ガノスから、あなたのことは沢山聞いているわ。今日はどうしたの? 皆さんそろって遠足?」

406: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:00:42.59 ID:zikyzFWa0
イャンガルルガ 「テメェらと話すことなんざ何もねぇよ。失せろ」
翠ガノトトス 「な……何て言葉遣い……ハァ、私眩暈が……」
ガノトトス 「翠、大丈夫か!? ガルルガ君、翠にきつい言葉をかけないでくれるか。身重なんだ」
イャンガルルガ 「………………」
少女 「ええ、トトスさん、子供ができたの?」
ガノトトス 「卵がね、もう少しで生まれそうだ。全く、この歳でやっとだよ」
少女 「嬉しい! おじさんにも……」
   「………………」
ガノトトス 「……?」
ティガレックス兄 「あァ? 誰かと思えば魚クンじゃねぇか」
ティガレックス弟 「ポポを出せポポを」
ガノトトス 「地獄兄弟か! 久しぶりだなぁ」

407: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:01:25.06 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 「とりあえず、もうじき日が暮れる。ここは危ないから、僕らの洞窟に招待しよう」
ティガレックス兄 「あぁん? 危ねぇって何が?」
ガノトトス 「ここは、休みに来た鳥とか、集まってきた魚を捕る為にみんなが使っている狩場なんだ」
イャンガルルガ 「ああ、だからさっき少女が体を乗り出したら、お前が飛び出してきたわけか」
ガノトトス 「浮島でね。場所も変わる。ついておいで。洞窟は地上に作ってあるから」
ティガレックス兄 「湿ってんだろどーせ」
ティガレックス弟 「だな」
イャンガルルガ 「……とりあえず、俺と少女に食えるものを出せよ。こいつらはどうでもいい」
ティガレックス兄 「ポポを出せ」
ティガレックス弟 「ケルビでもいいぜ」
ガノトトス 「はは、魚でいいならおいで。行くよ(ザパァン!!)」

408: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:01:55.94 ID:zikyzFWa0
―ガノトトスの巣、夜―

ガノトトス 「ここだよ、家族が増えるから、少し大きめに作ったんだ」
少女 「うわぁ。広いねえ」
イャンガルルガ 「(ガツガツ)魚が美味ェ!」
ティガレックス兄 「(ガツガツ)ポポはいねぇのか!」
ティガレックス弟 「(ガツガツ)ほら見ろ、やっぱ湿ってるぜ」
翠ガノトトス 「(コソ)あなた……この野蛮な方々は、本当にあなたの知り合いなの……?」
ガノトトス 「(コソ)残念なことにね……まぁ、悪い奴らじゃないから、居間を貸してあげよう」
翠ガノトトス 「(コソ)気乗りはしないけれど……あなたがそう言うなら……」

409: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:02:59.81 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 「君ら、僕の家の魚を全て食べつくす気かい?」
ティガレックス兄 「酒を持ってこい酒を!!」
ティガレックス弟 「足りるわけがねーだろ魚で!!」
イャンガルルガ 「肉はねぇのか?」
ガノトトス 「ふぅ。まぁいいだろう。翠、昔この子に教えてもらって、試していた干し肉というものがあるだろう。持ってきてくれ」
翠ガノトトス 「ええ。分かったわ」
ガノトトス 「ここが居間だ。好きなところで寝てくれ」
ティガレックス兄 「しみったれた居間だぜ。湿ってやがる!」
ティガレックス弟 「天井から水滴が垂れてくるぜ……」
イャンガルルガ 「少女、悪ィが少し休ませてもらうぜ。俺らは飛びすぎだ」

410: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:03:32.54 ID:zikyzFWa0
少女 「うん、分かった。少しトトスさん達とお話してくる」
イャンガルルガ 「ああ」
ガノトトス 「少女はこっちにおいで。昔見せてくれた、火というものをもう一度見せてくれると嬉しいな」
少女 「うん、もらったマッチがまだあるから起こせるよ」
ガノトトス 「本当かい? 翠に、『温かいもの』というものを食べさせてあげたいんだ。お酒はあるかい?」
少女 「ごめんなさい。急なことだったから、ほとんど何も持ってこれなかったの」
ガノトトス 「そうなのか。とにかく、僕の背中に乗って。奥に行くよ」
少女 「奥って……鍾乳洞? 天井が光ってる」
ガノトトス 「ヒカリゴケでね。奥には水が張ってある。僕達の寝室はその一番奥さ」

411: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:04:26.81 ID:zikyzFWa0
―ガノトトスの巣、夜、最奥―

 >パチパチ
ガノトトス 「…………ふぅむ。そんなことがあったのかい」
少女 「…………」
ガノトトス 「まぁ、あまり気を落とさないで。それと、やけにならないようにね」
      「イャンクックも、何か考えがあってのことだと、僕は思うよ」
翠ガノトトス 「あなた、戻ったわ」
ガノトトス 「あぁ、あいつらはどうだい?」
翠ガノトトス 「食べるもの食べたらグーグー眠ってるわ。やっと静かになったわ……」
ガノトトス 「それは良かった。翠もこっちにおいで」
翠ガノトトス 「まぁ、それは何?」
ガノトトス 「これは焚き火さ。人間は、火竜みたいに、自由に火を使うことができるんだ」

412: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:04:58.23 ID:zikyzFWa0
翠ガノトトス 「初めて見た……綺麗ね。それに、とても温かい……」
少女 「今魚とかを焼いてるから、少し待ってね」
翠ガノトトス 「焼く? どういうこと?」
少女 「もっとおいしくなるんだよ」
ガノトトス 「ああ。昔少女に食べさせてもらったことがあるんだけど、いい感じなんだ」
翠ガノトトス 「人間って色々知っているのね」
       「……あら、あなた、人間なのに角があるの?」
少女 「…………」
ガノトトス 「こら……」
少女 「うん。生えてきちゃった。綺麗でしょ?」

413: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:05:48.04 ID:zikyzFWa0
翠ガノトトス 「ええ、とっても綺麗。私、そういう人間がいてもいいと思うわ」
少女 「…………」
   (人間……)
   (私、人間なのかな……)
ガノトトス 「そうだ、少女。折角来たんだ。色々教えておくれよ。お酒の造り方とかも知りたいな」
少女 「うん、いいよ。色々仕込んでいくね」
ガノトトス 「…………これから、行く宛てはあるのかい?」
少女 「…………」
   「とにかく、もっと東に行ってみようかなって……」
翠ガノトトス 「東には海があるわ。その先は知らないけれど……ここにいたらどうかしら?」

414: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:06:19.92 ID:zikyzFWa0
少女 「…………」
ガノトトス 「まぁ、少し頭を整理するといいだろう」
少女 「うん。あ、ほら、こっちは焼けたよ」
翠ガノトトス 「まぁいい匂い」
       「(モグモグ)あら、まぁ! 味が変わってるわ!!」
       「美味しい!!」
少女 「良かった!」
ガノトトス 「どれ、僕も(モグモグ)いやぁこれはイケるね!!」
少女 「どんどんあるから、もっと食べてね」
翠ガノトトス 「魔法みたい。私たちにも、この焚き火というものは起こせないのかしら」
少女 「うーん……どうだろ……?」

415: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:06:50.69 ID:zikyzFWa0
―ガノトトスの巣、最奥、深夜―

ガノトトス 「グガァ……グガァ……」
翠ガノトトス 「ガァ……クゥ……」
少女 「…………」
   (眠れないなぁ……)
   (おじさん……)
   「……!!」

>ジ……ジジ…………

少女 「何……この耳鳴り……!!」
   (ハッ!!)

416: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:07:36.59 ID:zikyzFWa0
白アイルー 「………………」
少女 「白猫さん!?」
白アイルー (ニコニコ)
少女 「ずっと会いたかったの! こっちの岸に来て! お願い!!」
白アイルー 「………………」
少女 「どうして来てくれないの? 教えて! 私に何が起こってるの?」
   「この角は何? これのせいで、おじさんに嫌われちゃった!!」
   「私……私、人間に戻りたい!!!」
白アイルー (ニコニコ)
少女 「答えて!!」

417: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:08:21.44 ID:zikyzFWa0
白アイルー (スッ……)
少女 「……出口を、指差して……」
   (ハッ)
   「ここから、逃げろってこと……?」
白アイルー (コクリ)
少女 「ど、どうして……? 私、誰かに狙われてるの?」
   「ここは安全だよ。トトスさん達もいるし……」
白アイルー (ブンブン)
少女 「待って! お願い待ってよ!!」
白アイルー (フッ)
少女 「………………消えちゃった………………」

418: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:08:53.40 ID:zikyzFWa0
少女 「う……っ!」
 >ズキィッ!
少女 「角が……頭が……痛い…………!!」

『…………G…………a……b、e……s、e………………s………………h………………i…………e…………r…………!!!』
 
少女 「声……!?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ガノトトス 「……ッ! 何だ!? 地震!?」
翠ガノトトス 「…………!!! 何!?」
ガノトトス 「洞窟が揺れてる! 翠、水の中に避難するんだ!!」
翠ガノトトス 「あなたも一緒に!」
ガノトトス 「僕は少女を連れて行く! お義父さんとお義母さんのところに、早く!!」
翠ガノトトス 「わ、分かったわ!!(ザバァ!!!)」
ガノトトス 「す……すごい揺れだ……!!! 少女!! 早くこっちに!!」

419: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:09:29.56 ID:zikyzFWa0
少女 「ト……トトスさん……」
ガノトトス 「大丈夫かい!? 頭が痛むのか!?」
少女 「早く……私を連れて、外に……」
ガノトトス 「分かった!(シュバッ!!)」
      「こっちに避難路があるんだ。地獄兄弟たちは出口に近い。自分たちで脱出するだろう!」
      「少し水に潜るよ。息を大きく吸って、僕の背びれに掴まって!!」
少女 「うん……!!」
 >ザバァッ!!!
 >ゴポゴポ…………

420: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:10:42.83 ID:zikyzFWa0
少女 (水の奥に道がある……)
   (こんなに広かったんだ……! 奥に、底が見えないくらい……)
   (!!)
ガノトトス 『な……何だ、あれ……!!!』

ナバルデウス亜種 『……………………』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ガノトトス 『水が揺れてる……! それに、あの巨大な金色の龍は……!!!』
ナバルデウス亜種 『………………ゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!!』
ガノトトス 『うわあああ!!!!』
少女 (……ッ!!!)
 >ガォォォッ!!!!

421: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:11:09.93 ID:zikyzFWa0
少女 (トトスさんが……吹き飛ばされた……!!!)
   (私……息が…………!!!)
ガノトトス 『しょ……少女ー!!』
      (少女が、手を離してしまった……!!)
      (くそ……凄まじい水流だ……!!)
      (あのモンスターが発してるのか……!?)
      『く……負けるか…………!!』
      『うおおおおおおお!!!!!!』

422: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 02:13:55.81 ID:zikyzFWa0
序盤は以上となります。
年内に7話は少しずつ更新させていただこうと思います。
気長にお待ちくださいね。

色々なことの詳細は>>384に載せておりますので、ご覧いただければ幸いです。

それでは、今回は失礼いたします。

427: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:08:45.15 ID:zikyzFWa0
こんばんは。続きが書けましたので投稿させていただきますm(_ _)m

現実世界でちょっとした事故に遭ってしまい、予定よりも、あまり筆が進みませんでした。
中途半端に終わりますが、ご了承ください。
年内に7話を終わらせられればいいなぁ。

>>423
ゴゴモアとココモアですね。
まさにこのお話で出そうとしていました。
気長にお待ちくださいね。

>>424-426
ありがとうございます。私も無理ないように進めていきますので、皆様も無理をなさいませんよう(-人-)

428: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:12:24.32 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 『これでも喰らえェ!!』
 >バシュゥゥゥゥゥッ!!!
 >シュバッ!!
ガノトトス 『あの巨体で……僕のビームを、避けた……!?』
      (何だあいつ……僕が見たことがないモンスターだぞ!!)
ナバルデウス亜種 『ゴオオオオオオオ!!!!』
 >ドシュゥゥゥゥゥ!!!
ガノトトス 『くっ……突進してきた……!!!』
      (少女……!!)
 >ゴポゴポ
少女 「………………」

429: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:13:22.55 ID:zikyzFWa0
ガノトトス (避ければ少女を巻き込む……)
      (受け止めるしか……ない!!)
      『おおおおおおおおお!!!!』
 >ドッガァァァアァァン!!!
ナバルデウス亜種 『キシャァアアアアアアア!!!!』
ガノトトス 『くそ……! 何て……力だ……!!!』
      『いいだろう、お前は今から敵だ! 家族を……仲間を守るために、お前を排除する!!』
      『ガァ!!』
 >ガブゥッ!!
ナバルデウス亜種 『……!!!』

430: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:13:52.13 ID:zikyzFWa0
ガノトトス (このままこいつの首を食いちぎってやる……!!!)
      (少女、待ってろ! 今行く!!!)
ナバルデウス亜種 『…………カ……カカカカ……!!!』
ガノトトス 『!?』
ナバルデウス亜種 『カカカカカカカカカ!!!!!』
         『I…………ch…………bi…………n、i…………n…………ter…………essa…………nt!!!』
ガノトトス (何だ!? 何を笑っている!?)
ナバルデウス亜種 『Abe…………rda………………s、Zi………………elist………………ni…………ch、Sie…………』
         『Wur……fel!!!』
ガノトトス (何を言っているのか分からない……!)
      (しかし、このままこいつを……!!)

431: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:14:39.96 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 『…………!!』
 >ガブゥゥッッ!!!
ガノトトス 『ガ……ッ!!!』
      (何ィ!? 動けるのか……!?)
      (体を噛まれている……!!!)
      (だがここで、僕が口を離したら、負ける……!!!)
 >ガブゥッ!!!!
 >ガフゥゥゥゥ!!!!
ガノトトス 『ガアアアアアア!!!!(ギリギリギリ)』
ナバルデウス亜種 『カ……カカカッ!!!』
         『カッカッカッカッカッカッカ!!!!!!』
 >ガブゥッッッ!!!!

432: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:15:17.40 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 『ぐうおおおおお!!!!(バッ)』
      (しまった……口を…………)
ナバルデウス亜種 『Wurf………………el!!!!』
>ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ガノトトス (くそ……体の傷が深い……)
      (何だ、海水がすごい勢いで、あいつの方に吸い込まれていく……)
少女 「……!! ……!!!!」
ガノトトス 『少女……!!!』
      (少女が流れに巻き込まれた!!)
      『うおおおおお!!!!』

433: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:15:39.31 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 『……!!』

  >  ゴ  ッ   !!!!!

ガノトトス 『しまった……! 海水を……吐き出し…………』
      『うわああああああ!!!!!』
  >ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ガノトトス 『体が……バラバラになる…………!!!』
      (渦を描いた水の流れに抵抗できない……!!!)
      (吹き飛ばされて……捻じ切られる…………!!!!)

434: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:16:09.24 ID:zikyzFWa0
少女 「…………(ゴポッ)」
   (トトスさん……!!!)

  >カッ!!!

ナバルデウス亜種 『……?』
少女 「………………」
   (助けなきゃ……!!)
   (大事な人たちを、守らなきゃ……!!!)
   (私……私には、それが……)
   (それができる!!!!)

435: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:16:39.40 ID:zikyzFWa0
少女 『Ha……………………lten……………………』
   『S i e  e s  a n !!!!!』

ガノトトス (しょ……少女!?)
      (あの子の体が……白く光って……)
      (背後に何かいる!?)
      (あれは……あの巨大な龍は………………!!!!!?)

436: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:17:13.46 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 […………久しいな……白き龍よ……]
少女 (あの金色の龍の声が……分かる!?)
   (もしかして……話ができるの!?)
   [いい加減にして!! トトスさんに何の恨みがあるの!? 狙いは私のはずよ!!!]
ナバルデウス亜種 [記憶を失くしているのか……]
         [だがそれもまた一興]
         [あの時の決着をつけるとしよう……]
         [ミラルーツよ]
少女 [ルーツ!? 何を言っているのか分からないわ!!!]
   (!?)
   (私、水の中で話してる!)
   (それに、全然苦しくない……私どうしちゃったの!?)

437: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:17:57.06 ID:zikyzFWa0
少女 (それに、体がすごく軽い……!!)
   (戦えるの……? 私、人間の私が、モンスターと戦うの!?)
   […………ここから退いて!! 私、戦うつもりなんてない!!]
ナバルデウス亜種 [貴様になくとも、私にはあるのだ]
         [幾千年もの積年の恨み。ここにて晴らさせてもらうとする]
 >ゴ ッ !!!!!
ガノトトス 『いけない!! 少女に突進を…………』
      『避けろ!! 少女!!!!』
少女 [ここから退いて!!!!!]
 >ズ ン ッ !!!!

438: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:18:39.15 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 『な………………』
      『何……だ……?』
 >ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ガノトトス 『少女が……人間の……小さな女の子が…………』
      『何十倍もの大きさの、龍を…………』
      
      『片手で、止めた!!!!???』

439: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:19:05.34 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 [そうだ。戦るのだ。我らは戦わねばならぬ。煌く光は、一つでよい]
         [この海原の主は、金色の我にこそふさわしいと、そう思わんかええ!? 白き龍よ!!!!]
少女 [海は誰のものでもないわ! あなたものでもない! わたしのものでもない!]
   [お願いだから話を聞いて!!]
ナバルデウス亜種 [我らの間に問答など無用……!!!]
 >ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
少女 (う……ッ!!!)
   (吸い…………込まれる…………)

440: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:19:35.21 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 [私の潮流砲を、至近距離で浴びても、まだ同じセリフが吐けるか見物だな!!!]
少女 [やめて……争う……つもりは………………]
ガノトトス 『少女ー!!!!』
 >バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
 >ズンッ!!!
ナバルデウス亜種 […………ガッ!!]
少女 (トトスさんのビームが、この人の頭に刺さった!!!)
ナバルデウス亜種 [悪あがきを……]
ガノトトス 『少女! 戻ってくるんだ!!』
      『今ならまだ君は!!』
      『僕たちの、仲間でいられる!!!!!』

441: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:20:03.84 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 [煩い蝿だ]
         [先ずあ奴を葬るとするか]
 >グルン
少女 [……!? 駄目ええええ!!!!]
ナバルデウス亜種 [死ね]
ガノトトス 『………………!!!!』
 >ガッ…………!!!!
ナバルデウス亜種 […………!? な……何だ……!? 私の体が、凄まじい力で引っ張られている……!!!]
少女 [私の仲間を……私の家族を……傷つける人は許さない!!!]
   [許さないんだからああああああ!!!!!]
 >ゴ ゥ ッ !!!!!!
ナバルデウス亜種 [うおおおおおおおお!!!!???]

442: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:20:36.91 ID:zikyzFWa0
ガノトトス (少女が……あの少女が……!!!!)
      (龍を、しかも水中で! 投げ飛ばした!!!!!)
 >ズゥゥゥンッ!!!!
ガノトトス 『やめろおおおお!!! 』
      『そんな力を、君が使っちゃいけないんだ!!』
      『やめろおおおおおおお!!!!』
      『!?』
      (くそっ……! 少女の体が……強く光っていて……何も見えない……!!!!)

443: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:21:10.74 ID:zikyzFWa0
少女 [……二 度 と]

少女 [二 度 と 復 活 で き な い よ う に]

少女 [粉 微 塵 に]

少女 [二 度 と 相 ま み え る こ と の な い よ う に]

少女 [粉 微 塵 に]

少女 [さ よ な ら]

少女 [懐 か し い 友 人 よ !!!!]

 >  カ   ッ   ! ! ! ! ! 

444: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:21:52.16 ID:zikyzFWa0
ナバルデウス亜種 [あああああああああ!!!!!?]
         [何だ!? 私の体が……!!! 光で! 光で塵に!!!!!]
         [何故だ!? アマツマガツチィィィィィィィィィ!!!!!!!]
         [私を……この私を………………捨て石にしおったな!!!!]
         [聞いていない! 聞いていないぞ!!!]
         [力が……白き龍の力が………………!!!!!]
         [前よりも………………]
         [………………つ、よ………………く………………]
 >サラサラサラサラサラサラサラ………………

445: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:23:41.67 ID:zikyzFWa0
 >フッ

ガノトトス 『………………』
      『何が……何が起きたんだ…………?』
      『金色の龍が……消えた…………?』
      『(ハッ)少女!!!!』
少女 「………………(ゴポッ)」
   『…………』
   『トトスさん、お話を聞いてくれて、ありがとう』
ガノトトス 『少女!? 水の中でも、話が出来るのか!?』
少女 『私、もう行かなきゃ……』
   『ごめんなさい』
   
   (ニコリ)

   『私、ここにいちゃいけないみたい』

446: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:24:19.55 ID:zikyzFWa0
ガノトトス 『…………』
      (少女が……水の上に上がっていく……)
      (僕は……追わなきゃいけないのに…………)
      (体が…………)
翠ガノトトス 『…………あなた!?』
ガノトトス 『翠…………か…………少女を……早く…………』
翠ガノトトス 『少女ちゃんなんてどこにもいないわ……!! あなた、酷い傷……早く手当てしなきゃ…………!!!!』
ガノトトス 『くっ………………』
      (少女…………!!!!)

447: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:24:54.74 ID:zikyzFWa0
―浮島、朝方―

少女 「………………」
イャンガルルガ 「あ!!! あんなところにいやがった!!!!」
        「おーい! 少女!!!!!(バサッ! バサッ!!)」
ティガレックス兄 「生きてたか!! 良かった!!!(バサッ!! バサッ!!)」
ティガレックス弟 「何があったんだ!?(バサッ! バサッ!!)」
イャンガルルガ 「少女、無事でよかった! 俺達、地震があってからずっとお前を探してたんだぞ!!」
少女 「………………」
イャンガルルガ 「……? お前、泣いてンのか?」
少女 「(グシグシ)…………」
   「うぅん」
   「すごい地震だったね。トトスさんは、奥さんのところにいるよ」

448: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:25:26.21 ID:zikyzFWa0
ティガレックス兄 「マジですげぇ地震だったぜ。どうなるかと思っちまった」
ティガレックス弟 「出口に近かったからいいけどよ、お前はどうやって脱出したんだ?」
少女 「そんなことより……もう、太陽が昇るよ」
   「綺麗な朝日……」
   「…………」
イャンガルルガ 「………………」
        「行くぞ(ガシッ)」
少女 「うん」

449: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:25:57.14 ID:zikyzFWa0
ティガレックス兄 「アァ!? もう行くのか!?」
ティガレックス弟 「一応魚クンに礼を言わなきゃいけねぇんじゃねぇの?」
少女 「みんなによろしくって言ってたよ。忙しくて、見送りにはこれないって」
ティガレックス兄 「そうか! なら問題ねぇな!!」
ティガレックス弟 「薄情な奴だぜ」
ティガレックス兄 「で、これからどこに行くんだ?」
少女 「もっと東。海の向こう。何だか、そこに行かなきゃいけないような気がするの」
ティガレックス弟 「ふーん……ま、なるようになるぜ。行くぜ!!(シュバッ!!)」
ティガレックス兄 「あ、おい待てコラ!(シュバッ!!)」

450: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/27(火) 23:26:28.19 ID:zikyzFWa0
イャンガルルガ 「………………(シュバッ!!)」
        「(バサッ! バサッ!!)…………」
        「お前……それでいいんだな」
少女 「うん……」
イャンガルルガ (少女の角が、更に大きくなってやがる)
        (何かあったんだ……)
        (何かが、こいつを追ってきてる)
        (逃げるんだ、早く……!!!)

454: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:18:03.53 ID:CrItWe2H0
―シュレイド地方、樹海、朝―

ラージャン 「で、だ。先生は俺に、この二匹の特訓をしろというわけか」
ナナ・テスカトリ 「ええ。お願いできるでしょうか?」
ラージャン 「話によると、古龍を退けたらしいが……」
小鉄 「…………」
迅雷 「…………」
ラージャン 「とても信じられんな」
小鉄 「な……何を言うニャ! お前なんて、オイラたちにかかれば一捻り半だニャ!!」
迅雷 「兄貴……やめとこうよ……こいつヤバいニオイがするよ……」
小鉄 「け……けど何事も最初が重要だニャ! それに、ビビってたら由緒正しきオトモはいつまで経っても務まらんニャ!」
   「迅雷ももっと胸を張るニャ! お前は、お前が思う以上に強いんだニャ!!」
迅雷 「でも……」

455: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:18:40.19 ID:CrItWe2H0
ラージャン 「…………フン、こいつが俺と同じように雷を纏う龍とやらか…………」
迅雷 (ビクッ)
ラージャン 「よく聞け坊主」
      「俺を見てビビってるような奴に、雷を纏うことは許されない」
      「雷は、心を鎮め、自分自身の心でコントロールしなければならない」
      「貴様のような餓鬼に、纏われていいものではないのだ」
迅雷 「…………」
小鉄 「さっきから聞いてれば何を偉そうに! 迅雷をびびらせる奴は成敗だニャ!!」
 >ガシャコン
ラージャン 「ふん……!!(シュッ!!)」

456: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:19:05.34 ID:CrItWe2H0
小鉄 「え……」
迅雷 「!!」
   (頭に……こいつの攻撃の軌道が見える……?)
   (こいつは右から兄貴のことを殴りつける……)
   (本気だ!!!!)
   「兄貴、危ない!!!」
 >シュバッ!!!
 >ドッゴォォォォォッン!!!!
小鉄 「………………(パクパク)」
ラージャン 「へぇ……」
      「よく避けたな。殺す気でやったんだが」

457: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:19:38.10 ID:CrItWe2H0
ナナ・テスカトリ 「…………」
小鉄 「で……でかい古龍! こいつ、今、オイラを……殺そうとしたニャ!!!」
   「な……な、何をするニャ!!!」
迅雷 「ハァ……ハァ……」
ナナ・テスカトリ 「ええ。授業はもう始まっているのです。これは実戦演習。あなたたちには、これからこの子と戦い、生き延びてもらいます」
小鉄 「はああ!? 何でだニャ!?」
ナナ・テスカトリ 「戦闘技能を伸ばすには、一度死の恐怖を味わうのが最も手っ取り早い方法です」
         「あなた達には、その一番大事なものが欠けている」
         「特に小鉄さん、あなたにです」
小鉄 「ふざけるなニャ! お前らに教わることなぞ何もないニャ!!!!」

458: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:20:04.21 ID:CrItWe2H0
(物陰)剣ニャン丸 (あわわ……とんでもないことになってきたゼヨ…………)

ラージャン 「御託は終わりか? 行くぞ」
 >シュバッ!!
迅雷 (こいつの動き……凄く速いけど、俺……)
   (こいつが何をしようとしてるのか、分かる!?)
   (次は上から飛び掛ってくる……!! あくまで兄貴を殺すつもりだ!!!)
   (戦わないと、兄貴が殺される!!!!)
小鉄 「迅雷、やってられんニャ、逃げるニャ!!!」
迅雷 「駄目だ兄貴、避けて!! 上から来るよ!」
ラージャン 「!?」
 >チュッドォォォォォンッ!!!!!

459: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:20:32.45 ID:CrItWe2H0
小鉄 「はぁ……はぁ……(ドキドキ)」
 >プスプス
小鉄 「じ……地面に雷で……でかい穴が開いたニャ……」
   (あとちょっとずれてたら、オイラに直撃してたニャ…………)
ラージャン (スタッ)
      「何だ? 予知能力でも持っているのか?」
ナナ・テスカトリ 「ええ。あの二匹は特別なモンスターです。手加減なしでお願いします」
小鉄 「ちょ……」
ラージャン 「承知した。先生は離れていろ」
迅雷 (キッ)
   「兄貴、戦う! 俺、戦うよ!!」
   「あんな奴に負けない! 俺は、俺は、もっと先に行かなきゃいけないんだ!!」
小鉄 「迅雷……」
   「…………」
   「よく言ったニャ! お前は、それでこそオイラの義弟だニャ!!!」

460: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:21:07.55 ID:CrItWe2H0
ラージャン 「本気でと言ったな。お前らにその意味が分かるか?」
      「俺は、無論お前らを殺す気でいくが」
 >バリバリバリバリバリバリ
 >チュッドォォォォォッ!!!!
 >パチ……パチ……
ラージャン(激昂) 「お前らも、俺を殺す気で来いってことだ」
          「それが出来るか? ベビー共」
小鉄 「誰がベビーだニャ! 迅雷、お前の背中を借りるニャ!」
 >シュタッ!
小鉄 「オイラが援護するニャ! 臆することはないニャ!!」
迅雷 「う……うおおおおおおおおお!!!」

461: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:21:34.78 ID:CrItWe2H0
 >バリ……バリ…………
 >バチィッ!!
迅雷 「!?」
   「あれ!? 雷が……落ちてこない……!!!」
小鉄 「何してるニャ!? 迅雷、早く変身するニャ!!!!」
迅雷 「くそ! 早く、早く!!!」
ラージャン(激昂) 「………………」
          「興醒めだ。餓鬼は所詮餓鬼か」
          「その様子だと、お前の父母とやらも、たいしたモンスターではなかったようだな」
迅雷 「何……?」
ラージャン(激昂) 「カエルの子はカエルと言うことわざを知っているか? ベビー」
          「子を見れば親も分かる」
          「碌でもないということがな!!」

462: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:22:01.52 ID:CrItWe2H0
迅雷 「父さんと母さんは……」
   「と、父さんと母さんは、碌でもないモンスターじゃないぞ!!」
   「そんなモンスターじゃない!!!!」
ラージャン(激昂) 「どうだかな」
 >シュバッ!!
迅雷 「!?」
 >ドゴォッ!!
迅雷 「ゲフッ!」
小鉄 「ギニャ!!」
 >ズザッ!!!!
小鉄 「迅雷、無事かニャ!?」
迅雷 「大丈夫、脇腹を殴られただけだよ!(ズキズキ)」

463: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:22:27.81 ID:CrItWe2H0
ラージャン(激昂) 「何だ、向かってこんのか」
          「兄貴とやらがいなくては何も出来ないか。やはり碌でもないな」
          「そんな奴に雷は降りてこない」
          「お前のようなベビーに、雷は纏われたくないと言っているぞ」
          「興奮しているせいで、予知とやらも使えまい」
          「お前は、その程度のベビーなんだよ」
小鉄 「うるさいニャァァァ!!!(ブゥゥゥンッ!)」
 >ガチィィンッ!
小鉄 「ユクモ刀こてっちゃんを喰らうニャ!!」
 >ガチィ!
小鉄 「く……何て硬い奴だニャ!!」
ラージャン(激昂) 「死ね」
小鉄 「え……」
 >チュッドォォォォォォォォンッ!!!!!
小鉄 「ガ……」

464: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:23:01.30 ID:CrItWe2H0
小鉄 (ガクガク)
   (ドサッ)
   「………………」
ラージャン(激昂) 「…………チッ、まだ生きてやがる」
小鉄 「う……うう…………」
ラージャン(激昂) 「俺の雷に至近距離で触れるとは、馬鹿な奴だ。トドメをさしてやろう」
小鉄 「か……体が動かんニャ……何が起きたニャ…………」
迅雷 「はぁ……はぁ……」
   「兄貴……」
   「兄貴ぃぃぃぃいい!!!(ダダダダダッ!!)」
ラージャン(激昂) (ニヤリ)

465: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:23:27.40 ID:CrItWe2H0
ラージャン(激昂) 「ふ……はは! そうだ!」
 >ドゴォッ!
迅雷 「ぐふぁ!!」
ラージャン(激昂) 「そうやって向かって来い! 無駄な足掻きをしてみせろ!!」
 >ドゴォォッ!!
迅雷 「ウアアア!!!」
ラージャン(激昂) 「いい顔だベビー! だが死ね!!」
 >チュッドォォォォォォォンッ!!!!
迅雷 「ギャアアアアアアア!!!!!」
 >ドサッ…………

466: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:24:04.31 ID:CrItWe2H0
迅雷 「が……あ……」
 >プスプス……
ラージャン(激昂) 「そこで見ていろ。お前がカスなせいで、あの世に旅立つクソアイルーの姿をな」
 >ズシン、ズシン
迅雷 「や……やめろ…………」
小鉄 「目が見えんニャ……耳も良く聞こえんニャ……」
   「迅雷……迅雷はどこだニャ…………」
ラージャン(激昂) 「……痛みを感じていないのか……? 不気味な猫もいたものだな」
          「だが猫は猫だ。それ以上でもそれ以下でもない」
          「ベビーがベビーなようにな」
 >ガシッ
迅雷 「うわああああああ!!!!!!」
 >ドォォォォォォンッ!!!!
 >バリ……バリ……

467: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:24:34.76 ID:CrItWe2H0
迅雷(超帯電) 「はぁ……はぁ…………」
        「兄貴を……離せ…………!!」
ラージャン(激昂) 「遅い。口の前に体を動かせ」
 >ポイッ
小鉄 「…………」
 >ボチャン
ラージャン(激昂) 「早くしないと、あの猫が溺れ死ぬぞ」
迅雷(超帯電) 「兄貴!!!」
ラージャン(激昂) 「行かせぬよ」
 >ドグォ!!
迅雷(超帯電) 「ギャア!!!」
 >ゴロゴロ

468: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:25:01.03 ID:CrItWe2H0
迅雷(超帯電) 「どうして……どうしてこんなに酷いことが出来るんだよ! 俺達が何をしたって言うんだよ!!!」
ラージャン(激昂) (イラッ)
 >シュバッ
迅雷(超帯電) 「!!」
ラージャン(激昂) 「いいかベビー。覚えておけ」
          「俺が一番嫌いなものは、お前が今発した『負け犬の遠吠え』だ」
 >ドスッ!
迅雷(超帯電) 「ウァ!!」
 >ドッゴォォォォォンッ!!

469: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:25:35.89 ID:CrItWe2H0
 >ガラガラ……
迅雷(超帯電) (な……何が…………あったんだ…………)
        (体中が痛い……あいつに吹き飛ばされて……岩にぶつかったんだ…………)
        (兄貴は……泉に沈んだままだ……)
        (このままじゃ殺される……俺も、兄貴も…………)
        (やるんだ……)
        (俺、戦うんだ……)
        (父さんも母さんも……カスじゃない……兄貴も…………)
        (俺はそれを……証明するんだ!!)
        (証 明 す る ん だ ! ! !)

470: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:26:12.50 ID:CrItWe2H0
ラージャン(激昂) 「どうした、立て」
          「屈した相手を殺すつもりはない」
          「向かって来い」
迅雷(超帯電) 「俺も……お前も、雷を纏ってる……力は、五分と五分なんだ……」
ラージャン(激昂) 「………………」
迅雷(超帯電) 「お前なんか怖くない……」
        「怖くないぞおおおおお!!!!!」
 >バリバリバリバリバリバリ!!!!!!
ラージャン(激昂) 「カァッ!!!」
 >バシュ!!!
迅雷(超帯電) (お……俺の出した雷が、全部気合だけで……)
        (掻き消された!?)
ラージャン(激昂) (スゥ)
          「雷とはこう使うんだ」
 >ゴゥッ!!!!!
迅雷(超帯電) 「うわあああああ!!!」
 >ババババババババババババッ!!!!!!

471: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:26:43.42 ID:CrItWe2H0
 >バキボキ……
 >ズゥゥゥゥンッ………………
ラージャン(激昂) 「ふん……少しやりすぎたか……」
          「だいぶ森を破壊してしまった……」
          (あの小僧、死んだか……?)
          (土煙で見えんが……俺の元気玉を正面から喰らってはひとたまりもあるまい……)
          
迅雷(激帯電) 「………………」
 >バチッ!
 >バチッ!!

472: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:27:21.16 ID:CrItWe2H0
ラージャン(激昂) 「……? 何だ、あの白い龍は……?」
          (小僧か……? 俺の雷を吸収したのか!)
迅雷(激帯電) 『オ前…………殺ス』
        『   殺   ス   !!』
 >シュンッ!!
ラージャン(激昂) 「フンッ!」
 >ガガッ!!
 >ギリ……ギリ……
ラージャン(激昂) 「ほう……俺の拳を受け止めるとはな」
          「面白ェじゃねぇか!!!」

473: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:27:56.20 ID:CrItWe2H0
迅雷(激帯電) 『取リ消セ……!』
        『俺達ハ、カスジャナイ!!!!』
ラージャン(激昂) 「 嫌 だ ね !!!!!」
 >ズッ! ドォォォォンッ!!
 >ドォォォンッ!!
 >ドォォォンッ!!!
迅雷(激帯電) 『ガアアアアア!!!!!』
ラージャン(激昂) 「俺のデンプシーを全部喰らっても無傷とは……硬くなったな!」
          「だがこれでどうだ!!」
 >ガシッ
 >ダッ!!
 >シュン!!!
迅雷(激帯電) 『クッ…………』

474: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:29:52.56 ID:CrItWe2H0
ラージャン(激昂) 「この高さから吹き飛ばされたら、流石に死ぬかな?」
          「ヒャハ! どうかなァ!?」
迅雷(激帯電) 『(キッ……!!)……!!!!』
 >ガッ
ラージャン(激昂) 「!」
迅雷(激帯電) 『オ前モ落チルンダ! 俺ト一緒ニ!!!』
ラージャン(激昂) 「カカッ! 根競べか!? いいだろう受けてやるよ!!」
 >ヒュルルルルルルルル
 >ドォォォォォォォンッ!!!!

迅雷(激帯電) 「ガァ……!! (ゴロゴロ)」
ラージャン(激昂) 「カ……!! (ゴロゴロ)」

475: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:30:23.20 ID:CrItWe2H0
[殺ス]

[コロス]

[コ ロ ス  ! !]

迅雷(激帯電) 『ガアアアアアア!!!!!!』
 >バリバリバリバリバリバリ
 >ド ド ド ド ド ド ド ド
ラージャン(激昂) 「……地鳴り!? 小僧が起こしているのか!!」
 >バリッ!
 >バリッ!!
ラージャン(激昂) (ハッ!!)
          (上か!?)
          (な……何だ、あの巨大な……雷の塊は………………!!!!)

476: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:30:52.07 ID:CrItWe2H0
迅雷(激帯電)『 死 ネ 』
ラージャン(激昂) 「…………!!」

 > カ ッ ! ! ! ! !

 >チュッ………………ドォォォォォォォォォンッ!!!!!!!

 >バチィッ!!

477: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:31:17.67 ID:CrItWe2H0
迅雷 「うわああ!」
   「ッ……はあ! はぁ……はぁ……!!!!」
   (何だ……俺、何を……)
   (地面に…………でかい穴が………………)
   (底が見えない…………!)
   (俺がやったの!?)
   (ハッ!)
   (あいつだ、後ろから来る!!!)
 >ガチィッ!!!
ラージャン(激昂) 「ふん……元にもどったようだが、よく俺が後ろから来ると分かったな」
迅雷 「どうして……どうして生きてるんだよ!!」
   「雷に巻き込まれて……粉々になったんじゃ……」
ラージャン(激昂) 「妄想というのは怖いな。幻想を現実だと思わせてしまう」
 >ドッ
迅雷 「ガハァッ!!」

478: 三毛猫 ◆E9ISW1p5PY 2011/12/28(水) 23:31:48.58 ID:CrItWe2H0
 >バチィッ!
ラージャン 「…………(スゥ…………)」
      「これでお前は一回死んだ。本気で俺と戦っても、尚死んだ」
      「カスめ」
迅雷 「と……取り消せ…………!!」
   「俺は……父さんも……母さんも……兄貴も、カスじゃない…………!!!!」
   「取り消せえええ!!!」
ラージャン 「嫌だね(ニヤァリ)」
迅雷 「(ギリ)…………!!」
ラージャン 「いい表情をするようになったじゃないか」
      「面白い。明日、また同じ時間にここに来よう」
      「逃げずにいられるかな、ベビー……」
 >ドス、ドス…………
迅雷 「ま……待て…………」
   「待てよ…………」
   「う…………うう………………」
 >ガクッ