1: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 22:59:50.92 ID:7nlq1M2k0
本スレは

凛「めざせポケモンマスター」(前編)

凛「めざせポケモンマスター」(後編)

凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」(前編)

凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」(後編)

凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(前編)

凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(後編)

の3スレの続きです

・ポケットモンスター×アイドルマスターシンデレラガールズのクロスSSです
・アイドルたちがポケモン世界を冒険します
・本SSの舞台はオリジナルの地方、アイマス地方です
・各世代から色々なポケモンが登場します
・ゲームとも、アニメとも異なるオリジナル設定が存在する可能性があります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1572703190

引用元: ・【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)

2: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:49:05.52 ID:7nlq1M2k0
【重要なお知らせ】
主は上記3スレを書いた方とは別人です。
前スレ主様より許可を頂き、全ての設定を引き継いで続きを書かせていただくことになりました。
前回からかなり月日が経っているので、前スレを読んでおくことを推奨。前スレに登場しなかったポケモンや設定は、全て主のオリジナル要素です。

3: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:49:57.79 ID:7nlq1M2k0
≪あらすじ≫
シンデレラ団やジムリーダー達との激闘を経てポケモンリーグへ辿り着いた凛
難なく予選を突破し、本選第一試合ではいきなりの対面となった卯月を退ける
続いて炎使いの茜も倒し、ベスト8へコマを進めた
一方、ちひろが所持していたというキーストーンを真奈美から託されるが、そのあまりの力に、蘭子と戦うまで封印することを誓ったのだった
そして迎えた準々決勝で凛を待ち構えていたのは、1年前にテレビで激闘を繰り広げていた愛梨だった

大会ルールおさらい
・登録された手持ち6匹全員を用いたフルバトル
・その6匹以外の使用は禁止
・わざやどうぐの変更は可能

現在のトーナメント表
https://imgur.com/pcCZ7O2

4: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:50:32.39 ID:7nlq1M2k0
凛 手持ちポケモン

・ゲッコウガ ♂ Lv.67 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/なげつける/アクロバット
やんちゃなせいかく まけずぎらい

・ムクホーク ♂ Lv.65 いかく
ブレイブバード/インファイト/とんぼがえり/おいかぜ
いじっぱりなせいかく うたれづよい

・ドリュウズ ♀ Lv.64 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/じわれ/いわなだれ
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

・サンダース ♀ Lv.64 はやあし
シャドーボール/かみなり/?????/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

・ジヘッド ♂ Lv.63 はりきり
りゅうせいぐん/かみくだく/ドラゴンダイブ/やきつくす
なまいきなせいかく ちのけがおおい

・チャーレム ♂ Lv63 ヨガパワー
ドレインパンチ/しねんのずつき/ほのおのパンチ/ビルドアップ
おだやかなせいかく しんぼうづよい

5: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:51:40.86 ID:7nlq1M2k0
ワァァァァァァァァァァ

恵磨『さあ、いよいよやってまいりました! ここからは3回戦、準々決勝です!』

恵磨『実況は引き続き恵磨と!』

瑞樹『瑞樹でお送りするわ。準々決勝って聞くと、大会も大詰めって感じがするわね』

恵磨『さて、それでは今一度大会ルールのおさらいです!』

恵磨『ここからは6匹のポケモン全員で戦っていくフルバトル! 先に全てのポケモンが戦闘不能になると終了となります!』

恵磨『もちろん使用できるのは登録されてあるポケモンのみ! わざや道具の変更のみ許可されております!』

瑞樹『使えるポケモンが増えるということは、それだけ戦略の幅が広がるってこと……ハイレベルなバトルが期待できそうだわ』

6: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:52:16.90 ID:7nlq1M2k0
恵磨『それでは早速いってみましょう! 第一試合、まずは……』

恵磨『凛選手の登場だー!』

ワァァァァァァァァァァ

凛「……」ザッ

未央「しぶりーん、頑張れー!」

卯月「凛ちゃーん!」

恵磨『そして、凛選手と相対するのは……』

7: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:53:01.35 ID:7nlq1M2k0


恵磨『四天王、愛梨選手だー!!』


ドワァァァァァァ

愛梨「……」ザッ

『あいりぃぃぃぃー!!』

『あいりぃー!! 応援してるよー!!』

幸子「うわ、なんなんですかあの人たち」

晶葉「愛梨は強さと美貌を兼ね備えた存在だからな。あんな感じで有志の応援団がついているのだよ」

志希「巷じゃ十時軍、なんて呼ばれてるねー」

幸子「な、なんだか物騒な名前ですね……でも十時軍ってどこから来てるんですか?」

志希「さあ?」キョトン

幸子「知らないんですか……」

8: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:53:31.52 ID:7nlq1M2k0
茜「凛ちゃんにも応援団はついてますよ! 凛ちゃーん! いっけぇーーー!!」

乃々「が、頑張れー……」

凛(愛梨……!)

凛(1年前、テレビの向こうにいた人が、今目の前に立っている)

凛(あの戦いも、愛梨の立ち回り方も、脳裏に焼き付いている)

凛(でも1年前と同じ戦い方をしてくるわけがない)

凛(目の前にいるのは、私が知っている愛梨でもあり、私が知らない愛梨でもある……)

凛(って駄目だ、肩の力を抜かないと)

9: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:54:13.38 ID:7nlq1M2k0
凛「……」フウーッ

恵磨『両者緊張した面持ちだが、準備はいいかぁー!?』

凛「……」コクッ

愛梨「……」コクッ

恵磨『それではバトルッ! 開始だァァァ!!』

凛「さあ、いくよっ」ポン

愛梨「……」ポン

恵磨『まず繰り出したのは凛選手がサンダース、愛梨選手がフワライドだ!』

サンダース「ダース!」

フワライド「フワー」プカプカ

10: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:54:53.13 ID:7nlq1M2k0
フワライド ふうせんポケモン ゴースト/ひこう
身体の中でガスを作ったり吐き出したりすることで空を飛ぶ高さを調節する
人やポケモンを乗せて飛ぶが、風に流されるだけなので何処へ飛んでいくかわからない

凛(フワライド……! 1年前も使っていたポケモンだ)

凛(去年の大会ではジュエルと『かるわざ』のコンボで相手を翻弄していた)

凛(でも今の戦い方はどうなんだろう……いや、どちらにせよ、やられるまえにやるだけだ)

凛「サンダース、かみなり!」

サンダース「ダー……」ゴロゴロゴロ

サンダース「ダース!」バリバリバリ

恵磨『サンダースのかみなりが直撃ー!』

美玲「サンダースのかみなり、前より威力が上がってる!?」

11: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:55:22.12 ID:7nlq1M2k0
輝子「ほんとだー……」

晶葉「なるほど……じしゃくか」

じしゃく
持たせるとでんきタイプの技の威力が上がる

晶葉「サンダースは覚える技のバリエーションがそれほど多くない。だから得意なでんき技に一転集中させるために持たせたのだな」

凛「どうだ……?」

凛「……!?」

フワライド「フワー」プカプカ

美玲「!? 威力が上がっているはずなのに!」

卯月「あのフワライド、固すぎる……!」

晶葉「さすがは四天王のポケモン、といったところか」

12: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:55:49.69 ID:7nlq1M2k0
愛梨「フワライド、たくわえる」

フワライド「フワー」シュウゥゥゥゥ

恵磨『フワライド、空気を吸い込んでいるぞ!』

瑞樹『防御と特殊防御を同時に上げつつ、攻撃、回復の両方の起点となり得る技ね』

フワライド「フワー」パクパク

恵磨『更にフワライド、たべのこしを食べて回復している!』

たべのこし
持たせると毎ターン自分の体力を回復する

晶葉「まずいな……凛のポケモンはスピードと攻撃力に優れている半面、持久戦には弱い」

晶葉「よく研究してきているな。まあ四天王だし当然か」

13: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:56:20.50 ID:7nlq1M2k0
凛(1年前とは全く違う……そりゃそうか)

凛(でもいくら後手に回ってでも、攻めなきゃ勝てない)

凛「サンダース、でんじは!」

サンダース「ダース」バリ

愛梨「躱して」

フワライド「フワ~♪」サッ

愛梨「もう一度たくわえる」

フワライド「フワー」シュウゥゥゥゥ

恵磨『更に空気を吸い込む! またしても守りが固くなったぞぉ!』

瑞樹『たべのこしで回復も怠らず、ね』

凛「くっ……」

14: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:56:49.25 ID:7nlq1M2k0
幸子「まだ序盤なのに、かなり苦しい展開ですね……」

卯月「このままじゃ相手のペースに飲み込まれちゃう」

未央「しぶりーん! 弱気になるなー!」

凛「弱気になってなんか……」

凛(このフワライド、どう突破すればいいの…?)

凛「サンダース、もう一度かみなり!」

サンダース「ダース!」

フワライド「フワー」バリバリ

恵磨『凛選手、なかなか体力を削れません!』

瑞樹『問題はここからね。普通はここから溜め込んだ空気をはきだすか、のみこむかって選択になると思うけど』

15: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:57:16.02 ID:7nlq1M2k0
恵磨『けど?』

愛梨「……」

愛梨「バトンタッチ」シュゥゥゥ

凛「!?」

恵磨『おーっと! ここでフワライドが愛梨選手の手持ちに戻っていく!』

志希「あのフワライドはいわばプレリミナリーの段階……本番はここからってことかぁ!」ニャフフ

愛梨「ルカリオ!」

ルカリオ「ルカ」ポン

ルカリオ はどうポケモン かくとう/はがね
相手の発する波動をキャッチすることで考えや動きを読み取ることができる
見えない相手の姿も見えると言われている

恵磨『そして愛梨選手、ルカリオを繰り出してきたぞ!』

瑞樹『ただのルカリオじゃないわ。バトンタッチされて出てきたから、今のルカリオは手薄な耐久も強化されている……』

瑞樹『愛梨ちゃんの狙いはこれだったのね』

16: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:57:46.13 ID:7nlq1M2k0
愛梨「……」キッ

愛梨「さあ、勝負はこれからですよ!」ドンッ

ドワァァァァァァ

『あいりぃぃぃぃーーー!!』

『そのまま全抜きだァァァーーー!!』

凛(……くそっ)

凛(試合の展開も、会場のムードも、完全に愛梨に支配されている……)

凛「これが……四天王」

凛「……でも!」

凛「サンダース!

17: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:58:15.51 ID:7nlq1M2k0
サンダース「ダース!」

恵磨『サンダースが動き出したぞ!』

茜「凛ちゃーーーん! 負けるなあああーーー!!」

乃々「み、耳が……」キーン

凛(この状況…ひっくり返してみせる!)

凛「サンダース! シャドーボール!」

サンダース「ダース!」ボッ

ルカリオ「ルカ」ドォン

凛「よし! 続けてかみなり!」

18: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:58:51.64 ID:7nlq1M2k0
サンダース「ダース!」ゴロゴロゴロ

ルカリオ「ルカ!?」バリバリバリ

幸子「おお、態勢を崩した隙に!」

晶葉「しかもその間に距離を縮めて撃ってるな。これは効いてるんじゃないか?」

未央「いいぞーしぶりん!」

ルカリオ「ルカ……」ザッ

凛(いける……この調子でいけば)

凛「サンダース! シャドーボール!」

サンダース「ダース!」ボッ

凛「かみなり!」

サンダース「ダース!」ゴロゴロゴロ

19: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:59:19.98 ID:7nlq1M2k0
愛梨「……そこ! ルカリオ、ボーンラッシュ!」

ルカリオ「ルカ」シャキーン

ルカリオ「ルカ!」ブン

サンダース「ダ!?」バチン

ルカリオ「ルカ! ルカ!」ブンブンブン

サンダース「ダァッ!」バチンバチンバチン

凛「サンダース!」

恵磨『愛梨選手ここで反撃! ルカリオのボーンラッシュが決まったァ!!』

晶葉「さっきは距離を縮めることで大ダメージを与えたが、今回はそれを逆手に取られたな」

志希「まあ四天王だもん、二度も同じ手は通用しないよねー」

20: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/02(土) 23:59:48.48 ID:7nlq1M2k0
凛「くっ……サンダース、いったん距離を置こう!」

サンダース「ダー」

愛梨「逃がさないわ! はどうだん!」

ルカリオ「ルカ!」シュォォォ

サンダース「ダアッ!」ズトン

凛「ッ……! 追尾してくる……!?」

愛梨「はどうだんは必中技。そう簡単には避けれませんよ」

凛(近距離でも長距離でも同じか……ならせめて動きを封じないと)

21: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:00:21.87 ID:mlWl+sPW0
凛「でんじは!」

サンダース「ダース!」バリ

ルカリオ「ルカ!?」バチバチ

凛「よし、一か八か……!」

凛「サンダース!」

サンダース「ダース!」

恵磨『サンダースが再びルカリオに接近!』

凛「かみなり!」

サンダース「ダース!」ゴロゴロゴロ

ルカリオ「ルカッ!」バリバリバリ

22: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:00:53.49 ID:mlWl+sPW0
愛梨「ルカリオ、ボーンラッシュ!」

ルカリオ「ル……」グッ

ルカリオ「ルカ!」シャキーン

凛「なっ!?」

晶葉「あの近距離のかみなりを受けながら動けるのか!?」

ルカリオ「ルカ!」

ズドォォォン

凛「サンダース!」

サンダース「ダー……」フラフラ

恵磨『サンダース、これは大きな痛手だ!』

23: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:01:20.87 ID:mlWl+sPW0
ドワァァァァァァァァァァ

『あいりぃぃぃぃーーー!!』

『最高だーーー!! 突き進めーーー!!』

美玲「ああ、倒しきれなかった!」

幸子「一筋縄ではいきませんね……」

凛(さすが四天王……強い)

凛(サンダースは相性のいい相手が残っている。ここで倒れてしまったら、一気にこっちが不利になる)

凛(今は……)

凛「サンダース、戻って」シュゥゥ

恵磨『凛選手、ここで交代だ!』

24: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:01:49.57 ID:mlWl+sPW0
凛(相手はマヒしている。もう一度スピード勝負を仕掛ければ……)

凛「お願い、ゲッコウガ!」

ゲッコウガ「ゲコ」シュタッ

恵磨『ここで凛選手、エースのゲッコウガが登場だ!』

瑞樹『早い段階でエースでの勝負……ルカリオをだいぶ警戒してるわね』

愛梨「はどうだん!」

ルカリオ「ルカ!」シュォォォ

凛「みずしゅりけんで迎え撃って!」

ゲッコウガ「ゲコ」シュババババ

バチィッ!!

25: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:02:17.82 ID:mlWl+sPW0
未央「おお、はどうだんを相殺した!」

凛「それだけじゃない……みずしゅりけんは連続技だよ」

愛梨「……!」

愛梨「ルカリオ、来ますよ!」

シュゥゥゥ……

シュババババ

ルカリオ「ルカ」ビシビシ

恵磨『砂煙の中からみずしゅりけんが飛び出してきたぞ!』

瑞樹『でもさすがはルカリオね。全部は避けきれないけど、ダメージは最小限に抑えたわ』

凛「ゲッコウガ!」

26: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:02:45.36 ID:mlWl+sPW0
ゲッコウガ「ゲコ」シュン

愛梨「!」

恵磨『ゲッコウガ、目にも止まらぬ速さでルカリオの背後に回り込んだ!』

凛「なげつける!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ポーイ

未央「!? しぶりん、それは相性が悪いんじゃ……」

晶葉「いや、あれを見てみろ!」

晶葉「おうじゃのしるしだ!」

おうじゃのしるし
相手になげつけるとひるませる効果がある

27: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:03:25.57 ID:mlWl+sPW0
ルカリオ「ルカ!? 」バチン

卯月「ルカリオを怯ませた!」

凛「よし……!」

凛(これでトドメ……!)

凛「ハイドロカノン!」

ゲッコウガ「ゲコ!!」ゴォォッ



愛梨「ルカリオ! 躱してはどうだん!」

28: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:03:57.62 ID:mlWl+sPW0
凛「えっ!?」

ルカリオ「ルカ」ヒョーイ

恵磨『お-っと、怯んだはずのルカリオが動いた! ゲッコウガの真上に跳んだぞ!』

瑞樹『そのまま……ゲッコウガの上に落ちてくるわ……!!』

ルカリオ「ルカ!」シュォォォ

ルカリオ「ルカ!」バシュウッ

凛「! ゲッコウガ、みずしゅ――」


ズドオオ……ン


恵磨『ルカリオのはどうだんが零距離で直撃ィー!!』


29: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:04:26.68 ID:mlWl+sPW0
凛「ゲッコウガ……!」

ゲッコウガ「ゲコ……」バタンキュー

恵磨『ゲッコウガ、戦闘不能! 凛選手、早くもエースを失ってしまったー!!』

瑞樹『これはかなり厳しいわね。不利な相性と分かっていてもゲッコウガで勝負をつけたかったんでしょうけど』

瑞樹『手持ちの数的にはもちろん、トレーナーの心理的にもダメージが大きいんじゃないかしら』

凛「そ、そんな……」

30: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:04:57.19 ID:mlWl+sPW0
幸子「凛さんのエースを一発で仕留めるなんて……」

晶葉「! あれはまさか、たつじんのおびか!」

たつじんのおび
持たせると効果抜群の技のダメージをさらに上げる

凛(なんて火力……)

凛(それに怯ませたはずなのに……ルカリオがスピードアップした……?)

愛梨「ルカリオの特性は『ふくつのこころ』よ」

ふくつのこころ
怯むと素早さが上がる

愛梨「怯ませて確実に仕留めるつもりだったんでしょうけど、まだまだ甘いですね!」

31: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:05:25.26 ID:mlWl+sPW0
ドワァァァァァァァァァァ

『あいりぃぃぃぃーーー!!』

『さすがだぜーーー!!』

文香「まずは相手が先制、ですか」

卯月「さすが、手強いね」

凛(一撃で決めたかったがために怯ませたつもりが、裏目に出た)

凛(今思えば、ルカリオの特性は怯みに強い特性ばかりだった)

凛(私の判断ミスだ……ごめんね、ゲッコウガ)

凛(でもまだだ……!)

32: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:05:53.10 ID:mlWl+sPW0
凛「今ルカリオに対抗できるのは……」

凛「チャーレム!」

チャーレム「チャー」ポン

凛「ルカリオはあと一息で倒せる……チャーレム、ドレインパンチ!」

チャーレム「チャー!」ザッ

愛梨「ルカリオ、動けますか?」

ルカリオ「ルカ……」バリバリ

愛梨「うーん、ここまでか……」

33: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/03(日) 00:06:24.72 ID:mlWl+sPW0
ズバンッ

ルカリオ「ルカ……」バタンキュー

恵磨『ドレインパンチが決まったー! ルカリオダウーン!』

美玲「ふーっ、やっと1匹かあ」

茜「あのルカリオにも負けないレベルのポケモンがあと5匹もいるなんて、さすが四天王です……!」


愛梨「ルカリオ、ご苦労様です」

37: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:16:26.45 ID:tv4D67y50
愛梨「フラージェス!」ポン

フラージェス「フラ!」

フラージェス ガーデンポケモン フェアリー
見事な花園がテリトリーで、草花の放つエネルギーを浴びて自分のパワーにする
数百年の寿命をもつ

恵磨『愛梨選手、フラージェスを繰り出した!』

凛「チャーレム、しねんのずつき!」

チャーレム「チャー」キィィィン

愛梨「リフレクター!」

フラージェス「フラ」ガキィン

38: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:16:53.98 ID:tv4D67y50
恵磨『フラージェス、物理攻撃を半減する壁を張って防いだ!』

瑞樹『凛ちゃんのポケモンは半分以上が物理型のアタッカーよ。リフレクター自体も有効だし、もともと特殊防御に優れたフラージェスがそれをやるなら尚更ね』

晶葉「猛攻撃の次は、また守りに徹してきたか……」

志希「愛梨ちゃんはお堅いねぇ」

凛(リフレクター……)

凛(あれ自体を封じないと、どんどん戦況が厳しくなる)

凛(相性がいいのはドリュウズだけど……今はリフレクターが消えるのを待たないと)

39: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:17:22.08 ID:tv4D67y50
凛「チャーレム、交代!」

恵磨『凛選手、ここでポケモンを入れ替えます!』

凛「サンダース、よろしく」ポン

サンダース「ダース!」

恵磨『再びサンダースが登場! しかし先程の戦いで体力は万全ではないぞ!』

凛(本当はもっと温存したかったけど)

凛「サンダース……あと少し、頑張って」

サンダース「ダース!」

40: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:17:50.46 ID:tv4D67y50
愛梨「フラージェス、ムーンフォース!」

フラージェス「フラ」ビビビ

凛「躱して!」

サンダース「ダース」ヒョイ

愛梨「さすがサンダース、傷ついてても素早いですね」

愛梨「でも長くは持たせませんよ! マジカルリーフ!」

フラージェス「フラ」シュバババ

サンダース「ダース!」ズババ

41: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:18:29.21 ID:tv4D67y50
恵磨『サンダースを必中技が襲う!』

瑞樹『これが愛梨ちゃんの堅実さたる所以ね』

瑞樹『攻撃が必ず当たる技はその分攻撃力に欠ける。でもそれを埋めるだけの実力を彼女のポケモン達は伴っているからこそ、こういう戦い方ができるのね』

恵磨『なるほど、流石は前回チャンピオンですね!』

愛梨「……前回チャンピオン、か。この1年で何回言われたんだろ」フーッ

愛梨「その称号を振り払うために、あたしはこの1年……血の滲むような特訓を重ねてきたの」


愛梨「もう『前回』チャンピオンなんて……言わせないッ!」



42: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:18:56.96 ID:tv4D67y50
ドワァァァァァァァァァァ

『その意気だぜ、あいりぃぃぃぃーーー!!』

文香「やっぱり、気にかけていらっしゃったんですね」

晶葉「無理もないな。彼女にとってはよほど屈辱的だったんだろう」

卯月「愛梨ちゃん、もっとクールで無口な人だと思ってたけど、こういう一面もあるんだね」

晶葉「ああ、まるで凛みたいだな」

未央「たしかに! あの二人、実はめちゃくちゃ仲良くなれるんじゃない?」

凛(リフレクターが切れるまでは……)

凛「耐えて、サンダース! ――――――――――――!」

43: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:19:47.81 ID:tv4D67y50
サンダース「……!」

サンダース「ダース!」

恵磨『サンダース、なおもフィールドを縦横無尽に駆け巡る!』

愛梨「マジカルリーフ!」

フラージェス「フラ」シュバババ

サンダース「ダー……」ズババ

恵磨『しかしマジカルリーフはじわじわと体力を削っていってるぞ!』

美玲「これじゃジリ貧じゃないか! おい凛、なんか作戦あるのかよ!?」

志希「まーまー。黙って見てよ♪」

美玲「……?」

44: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:20:15.07 ID:tv4D67y50
凛「もう少し……!」

サンダース「ダース!」

フラージェス「フラ」シュバババ

サンダース「ダー!」バシバシ

フッ

幸子「リフレクターが消えました!」

愛梨「フラージェス、もう一度リフレク――」

45: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:20:44.37 ID:tv4D67y50
凛「そこだっ! サンダース!」

サンダース「ダー!」バッ

恵磨『サンダース、ものすごい勢いでフラージェスに飛び掛かる!』

凛(さっきは決めれなかったけど、次こそは……!)

凛「かみなり!」

サンダース「ダー!」ゴロゴロゴロ

愛梨「!? まさか……」

サンダース「ダァァァッ!!」バリバリバリ

46: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:21:18.68 ID:tv4D67y50
ズドーーーーン

未央「うわあっ!?」ビュォォ

卯月「うそ、さっきと威力が全然違う!」

恵磨『うー、ゲホンゲホン……フィ、フィールドはどうなったのでしょうか!?』

………………

フラージェス「フラ……」バタンキュー

サンダース「ダー……」バタンキュー

恵磨『これは……相討ちだー!!』

47: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:22:04.15 ID:tv4D67y50
ワァァァァァァ

卯月「やった、これでイーブンだね!」

晶葉「ああ、だがまだ油断ならんぞ」

愛梨「お疲れ様、フラージェス」

愛梨「なるほど、逃げ回りながら『じゅうでん』を繰り返していたのね……リフレクターが切れる隙ができるまで」

愛梨「そして『じゅうでん』は同時に特殊防御を高める……それでマジカルリーフに耐え続けていた」

愛梨「相手に近づいて大技を放つっていう作戦、一度失敗していたのに成功させるなんて……やるじゃないですか」

48: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:22:33.53 ID:tv4D67y50
凛「お疲れ、サンダース」

凛「まあ、苦し紛れの作戦だったけどね」

愛梨「それにサンダース……ルカリオの攻撃を受けてたのに、フラージェスの攻撃にも耐え続けたなんて。よく育てられてますね」

凛「え? あ……ありがと」

凛(褒められちゃった……テレビで見てた人に)

凛(なんか照れくさいな……)

凛「って、いけない。ムクホーク!」

ムクホーク「ムクホー!」ポン

49: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:23:13.18 ID:tv4D67y50
愛梨「ドダイトス!」

ドダイトス!「ドダー!」ズシン

ドダイトス たいりくポケモン くさ/じめん
小さなポケモンたちが集まり、動かないドダイトスの背中で巣作りを始めることがある
大昔の人々は、大地の下には巨大なドダイトスがいると空想していた

恵磨『凛選手はムクホーク、愛梨選手はドダイトスを繰り出してきたー!』

瑞樹『愛梨ちゃんの方が相性は不利だけど……交代する気配がないわね。どう立ち回るのかしら』

凛「一気に行くよ! ムクホーク、ブレイブバード!」

ムクホーク「ムクホー!」ゴォッ

愛梨「アイアンテール!」

ドダイトス「ドダ」ガキーン

瑞樹『いわ技は使わなかったわね。愛梨ちゃんは力押しするつもりかしら』

50: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:23:45.17 ID:tv4D67y50
凛「ムクホーク、もう一回ブレイブバード!」

ムクホーク「ムクホー!」

愛梨「ドダイトス、ギリギリまで引き付けて!」

ドダイトス「ドダ」ゴォォ

凛「何か企んでる……ムクホーク、気を付けて!」

愛梨「今よ! ジャンプ!」

ドダイトス「ドダッ」ピョーン

恵磨『な、なんと! ドダイトス、ジャンプしたぞ!?』

恵磨『あの巨体からは想像できない動きだー!』

51: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:24:23.93 ID:tv4D67y50
愛梨「ウッドハンマー!」

ドダイトス「ドダッ!」ヒュゥゥン

凛「やっぱりね……!」

凛「ムクホーク、方向転換!」

ムクホーク「ムクホー!」

恵磨『しかし凛選手も対応が早い!』

ズドーーーーン

恵磨『再び両者が空中で激突したあー!』

52: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:24:51.69 ID:tv4D67y50
乃々「す、すごい……」

美玲「愛梨ってやつももちろんすげーけど……凛もすげぇ……!」

志希「二度も同じ手は食らわない、のは凛ちゃんも同じみたいだねー」

愛梨「やりますね……!」

凛「まだまだ! ムクホーク!」

凛(ドダイトスには『しんりょく』がある。あれが発動したら厄介だ)

凛(今のところ、気を付けるべきはウッドハンマーだね。あれを喰らったらひとたまりもない)

凛(ここは空中戦で!)

53: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:25:21.78 ID:tv4D67y50
凛「飛び上がって!」

ムクホーク「ムクホー」バサッバサッ

「インファイト!」

ムクホーク「ムクホー」ドガガガ

瑞樹『さっきみたいにブレイブバードで突っ込んでいったら反撃を喰らう可能性もあるから、空中からヒット&アウェイってことね、わかるわ』

愛梨「ドダイトス! 降りてきたところをアイアンテール!」

ドダイトス「ドダ!」ガキーン

恵磨『ドダイトスも応戦しているが、これは凛選手が優勢かー!?』

凛(よし、確実にダメージを与えてる)

凛(インファイトも長くは使えないし、そろそろ決めるか……)

凛(……でも、なんか変な感じだ)

凛(なんで交代してこないんだろ)

54: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:26:01.79 ID:tv4D67y50
愛梨「……」

愛梨「……この子はね」

凛「?」

愛梨「一度場に出たら、交代できないんです。いや、交代させてくれない、って感じかな」

凛「? どういうこと?」

愛梨「昔からすごく強情な子なんですよ。例え不利な相手でも、自分が相手しないと気が済まなくて」

愛梨「だから去年のポケモンリーグでは登録させてなかったんですけど」

愛梨「でもこの子は、私がお父さんから譲ってもらったポケモンなんです」

凛「……」

55: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:26:32.25 ID:tv4D67y50
愛梨「お父さんはチャンピオンになれなかった」

愛梨「だから私は、お父さんの夢も果たしたい」

愛梨「結果的に分の悪い相手と戦っているけど、ドダイトスは諦めていない」

愛梨「だから私も、諦めるつもりはありません!」

凛「……」フッ

凛「そうこなくっちゃ!」

凛(これが最後の一撃……)

凛「ムクホーク! ブレイブバード!」

56: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:27:01.50 ID:tv4D67y50
ムクホーク「ムクホー!」ゴォッ

恵磨『空高くからムクホークが急降下してきたー!!』

愛梨「ドダイトス! リーフストーム!」

ドダイトス「ドダー!!」バビュゥゥン

凛(まだくさ技を持っていた!)

凛(やっぱり『しんりょく』が発動している)

凛(でも!)

凛「押し切れッ! ムクホーク!」

57: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:27:37.75 ID:tv4D67y50
ムクホーク「ムクホオオー!」ゴォッ

恵磨『ムクホークがリーフストームに突撃していったぞ!!』

晶葉「どうなる……!?」

バッ

愛梨「!?」

ドダイトス「ドダッ……」

ドォー・・・・・・ン

恵磨『ムクホークがリーフストームを破ったぁ!!』

58: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/05(火) 22:28:13.39 ID:tv4D67y50
ドダイトス「ドダ……」ガクッ

ムクホーク「ムクホ……」フラフラ

恵磨『ドダイトス戦闘不能!』

ワァァァァァァ

瑞樹『相性が悪いとはいえ、ムクホークをあそこまで追い込んだドダイトス……天晴れだわ』

愛梨「よく頑張ったね、ドダイトス」

凛(やっぱり実際に戦ったら、テレビで見ていた愛梨と本物の愛梨は全然違う)

凛(でも1つ、同じことがあるとするなら)

凛(愛梨は尊敬できるトレーナーだった、ということだ)

61: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:28:05.63 ID:t9XXzSEW0
愛梨「オニゴーリ!」ポン

オニゴーリ「オニ」

オニゴーリ がんめんポケモン こおり
空気中の水分を凍らせて自由な形に変える能力を持つ
その力で獲物を氷漬けにしてしまう
氷の鎧は炎でも溶けない

愛梨「仕留めますよ! こおりのつぶて!」

オニゴーリ「オニ」ヒュゥゥン

オニゴーリ「オニ!」バッ

凛「! 早い!」

ムクホーク「ムクッ!」ダダダ

ムクホーク「ムクホー」バタンキュー

恵磨『ムクホークダウーン!』

62: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:28:37.32 ID:t9XXzSEW0
ドワァァァァァァァァァァ

瑞樹『これで残りの手持ちは3体ずつね』

未央「ああ、リードしたと思ったのにぃ」

志希「いやー、ハラハラドキドキする勝負だねぇ♪」

幸子「凛さん……」

凛「チャーレム!」ポン

チャーレム「チャー」

凛「チャーレム! ドレインパンチ!」

チャーレム「チャー!」ズバンッ

63: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:29:22.99 ID:t9XXzSEW0
恵磨『オニゴーリ、かくとう技をモロに喰らってしまった!』

愛梨「……なるほど、さっきはルカリオにも使ってきたし、それがチャーレムのメイン技ですね」

愛梨「なら、それを封じます! オニゴーリ、うらみ!」

オニゴーリ「オニ」ウラミツラミ

チャーレム「チャ!?」キュゥゥン

凛「な!?」

恵磨『おおっと、チャーレムがうらみを受けてしまったぞ!』

瑞樹『これは相手のPPを削る技ね。ドレインパンチもそうだけど、たいていの大技はPPがそんなに多くないし、有効な手段ね』

恵磨『そしてさっきドレインパンチを受けたのは、これを使うため、だったと!』

瑞樹『そういうことね』

64: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:29:51.26 ID:t9XXzSEW0
凛(っ……ここも短期決戦で終わらせないと…!)

凛(一発のダメージは少なくないだろうから、何とか押し切る!)

凛「チャーレム !続けてドレインパンチ!」

チャーレム「チャー!」

愛梨「躱してめざめるパワー!」

オニゴーリ「オニ」ヒョイ

オニゴーリ「オニ!」ショォォォ

チャーレム「チャ!?」ズバン

65: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:30:48.71 ID:t9XXzSEW0
恵磨『チャーレム、めざめるパワーを喰らってしまった!』

瑞樹『めざめるパワーは出すポケモンによってタイプが異なってくる技ね』

瑞樹『同じ種族のポケモンでもめざめるパワーのタイプは異なるわ』

恵磨『チャーレムにはかなり効いているみたいですし、きっとあのめざめるパワーは……』

瑞樹『ええ。ひこう、ゴースト、フェアリーのいずれかでしょうね』

凛「っ……」

凛「そんな隠し玉があったなんてね」

凛(躱せそうな時は躱してめざめるパワー、そうでない時はうらみ)

凛(完全にこっちの動きを見てから行動している……)

凛(このままセオリー通りの行動をしていたら相手の思う壺だ)

66: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:31:21.73 ID:t9XXzSEW0
凛(なら!)

凛「チャーレム! ビルドアップ!」

チャーレム「チャー!」ビキビキ

恵磨『チャーレム、ここで能力をアップさせた!』

愛梨「オニゴーリ、めざめるパワー!」

凛「そう来ると思ったよ!」

凛「チャーレム! 中断して躱して!」

愛梨「!?」

67: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:32:16.83 ID:t9XXzSEW0
チャーレム「チャー」サラッ

美玲「おお、ビルドアップを中断した!」

晶葉「今のビルドアップは能力アップが目的じゃなく、相手を誘い出す罠だったんだな」

凛「ドレインパンチ!」

愛梨「ッ! 躱してうらみ!」

チャーレム「チャー!」ドガッ

オニゴーリ「オ……オニッ」ドォンッ

凛「よし、決まった!」

凛(うらみも封じれた……! 連続で決める!)

凛「トドメだよ! ドレインパンチ!」

チャーレム「チャー……」

68: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:32:52.34 ID:t9XXzSEW0
チャーレム「チャ!?」ピタッ

凛「!? まさかPP切れ!?」

愛梨「オニゴーリ、ふぶき!」

オニゴーリ「オニッ……」ヒュゥゥ

恵磨『ドレインパンチが決まったが、凛選手、ここで痛恨のPP切れだー!!』

瑞樹『うらみのダメージが思ったよりも大きかったわね』

恵磨『そして零距離でのふぶきが迫ってくるぅー!!』

凛「ッ! しねんのずつき!」

69: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:33:33.19 ID:t9XXzSEW0
チャーレム「チャー!」キィィィン

晶葉「土壇場で技を切り替えた……間に合うか……!?」

オニゴーリ「オニー!!」ビュォォォ

バチィッ!!

恵磨『お互いに技がヒット! 大きく吹き飛ばされた!』

ズザァッ・・・・・・

チャーレム「チャー」バタンキュー

オニゴーリ「オニー」バタンキュー

恵磨『これは……またしても相討ちだー!!』

ワァァァァァァァァァァ

70: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:34:03.98 ID:t9XXzSEW0
恵磨『まさに一進一退! 今大会最大のハイライトと言ってもよい試合となっております!!!』

卯月「四天王相手にここまですごい勝負をするなんて……」

未央「ど、どっちが勝つんだろ……」

凛「お疲れ、チャーレム」

凛「ジヘッド!」ポン

ジヘッド「ジヘッ」

愛梨「フワライド!」

フワライド「フワー」プカプカ

71: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:34:43.33 ID:t9XXzSEW0
恵磨『お互いに残りポケモンはあと2匹、ここでジヘッドとフワライドが登場だー!』

瑞樹『愛梨ちゃん、さっきみたいにバトンタッチで最後の一匹に繋げるつもりね』

愛梨「フワライド、たくわえる!」

フワライド「フワー」シュウゥゥゥゥ

凛「そうはさせない! かみくだく!」

ジヘッド「ジヘッ!」ガブー

フワライド「フ……フワッ」グラッ

幸子「おお!」

晶葉「よし、急所に当ててきたな!」

72: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:35:13.44 ID:t9XXzSEW0
恵磨『かみくだくが急所に入り、フワライド思わぬダメージ!』

愛梨「まだまだ……もう一度たくわえて!」

フワライド「フワー」シュウゥゥゥゥ

恵磨『フワライド、今度は飛び付かれないように上昇している!』

凛「ジヘッド……」

凛「届くよね?」

ジヘッド「ジヘッ」コクッ

73: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:35:58.44 ID:t9XXzSEW0
ジヘッド「ジヘッ!」ピョーン

恵磨『ジヘッド、上昇するフワライドに飛び乗った!』

凛「こっちももう一度……かみくだく!」

ジヘッド「ジヘッ!」ガブー

フワライド「フワ!?」

恵磨『かみくだくが連続でヒットしたぞー!』

美玲「よしっ!」

輝子「あんなに固かったフワライドを……!」

晶葉「愛梨の戦術の起点を崩せた、これは大きいぞ!」

74: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:36:43.32 ID:t9XXzSEW0
愛梨「やりますね!」

愛梨「フワライドなら耐えてくれると思ってましたが……」

愛梨「上昇する高さに追い付いてきただけじゃなく、連続で急所に当てられるなんて」

愛梨「でも、ただでは終わりません!」

フワライド「フワ……」カッ

凛「!?」

チュドーーン

75: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:37:14.68 ID:t9XXzSEW0
乃々「ひ、ひぃっ!?」

恵磨『な、なんだ!? フワライドが空中で爆発したぞ!』

瑞樹『なるほど、『ゆうばく』したのね』

ゆうばく
直接攻撃を受けて倒れた時、相手にもダメージを与える

フワライド「フワー……」ヒュルルルル

ドサッ

ジヘッド「ジヘッ……」

凛「ジヘッド!」

76: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:38:10.78 ID:t9XXzSEW0
恵磨『フワライドダウン! しかしジヘッドもかなりのダメージを負ってしまった!』

瑞樹『これで愛梨ちゃんはあと1匹ね』

恵磨『さあ、バトルはいよいよ大詰め! 愛梨選手、最後に繰り出すのは……』

愛梨「後は任せました、アバゴーラ!」ポン

アバゴーラ「アバァ!」ズシン

アバゴーラ こだいがめポケモン みず/いわ
海と陸地の両方で活動する
顎の力が桁違いで、丈夫な甲羅を作るため、獲物のカラやホネも丸ごと噛み砕いて食っていた

恵磨『アバゴーラだぁ!!』

瑞樹『ここまでの試合でもルカリオと一緒に猛威を振るっていた、愛梨ちゃんのエースポケモンね』

77: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/08(金) 23:38:59.92 ID:t9XXzSEW0
凛(……あと少し)

凛(あと少しのはずなんだ)

凛(ジヘッドが進化するまで……)

凛(進化してくれれば、空中戦を仕掛けられるようになる)

凛(それに見た感じ、アバゴーラは防御は高そうだけど、特殊防御はそうでもない感じだ)

凛(火力の上がったりゅうせんぐんを撃てれば、勝機はある)

凛(でも、それが『いつ』来るのか……)

80: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:14:01.50 ID:LmES2dDS0
凛「……」

凛「ジヘッド、いったん交代!」

凛「ドリュウズ!」ポン

ドリュウズ「ドリュ!」

晶葉「なるほど、ジヘッドを温存してきたか」

晶葉「お互いにお互いの弱点を突ける対面なのは少し不安だが」

茜「凛ちゃーーーん!! あと一歩ですよーーー!!」

凛(まずは先手を取る!)

81: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:14:36.79 ID:LmES2dDS0
凛「ドリュウズ、ドリルライナー!」

ドリュウズ「ドリュ!」ドドドド

アバゴーラ「アバァ!」ズドン

恵磨『まずはドリルライナーがアバゴーラを襲う!』

凛「どうだ……?」


アバゴーラ「アバ……」ズン

82: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:15:02.22 ID:LmES2dDS0
凛「やっぱり簡単にはいかないか……」

愛梨「ふふ、そう易々とは倒されませんよ?」

愛梨「今度はこっちからです! ハイドロポンプ!」

アバゴーラ「アバァ!」バシャァァァ

凛「躱して!」

ドリュウズ「ドリュ!」ヒョイ

未央「よし、躱した!」

凛「ドリルライナー!」

ドリュウズ「ドリュ!」

愛梨「なら……」

愛梨「アバゴーラ、からをやぶる!」

83: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:15:32.87 ID:LmES2dDS0
アバゴーラ「アバァ!」コォォォ

ボロッボロッ

凛「!?」

アバゴーラ「アバァ!」ピョーン

恵磨『アバゴーラ、ジャンプして攻撃を避けた!?』

恵磨『アバゴーラってこんなに高く跳べるんですか!?』

瑞樹『からをやぶるは防御、特殊防御を下げる代わりに攻撃、特殊攻撃と素早さを上げる技ね』

瑞樹『重荷だった甲羅も軽くなったんだし、多少身体能力が上がっても不思議じゃないわ』

恵磨『多少ってレベルじゃなくないですか!?』

瑞樹『そうね、流石はあの愛梨ちゃんのエースだわ』

84: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:16:12.36 ID:LmES2dDS0
幸子「からをやぶる、って名前の割には甲羅はまだ残ってますよね」

未央「でもアバゴーラの甲羅、なんか一回りぐらい小さくなったような?」

卯月「うーん……言われてみればそうかな?」

志希「ってことは、連発すればいずれアバゴーラの背中が見れたりするのかな?」ニヤニヤ

卯月「そ、それはどうなんだろう」

晶葉「いずれにせよ、これでアバゴーラは元々の攻撃力に加えて機動力も手に入れた」

晶葉「凛の手に負えるか……?」

85: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:16:39.99 ID:LmES2dDS0
凛「ドリュウズ、地面にもぐ……」

愛梨「アクアジェット!」

アバゴーラ「アバァ!」ビュン

ドリュウズ「ドリュ!?」バシィッ

凛「! は、速い……!」

愛梨「ハイドロポンプ!」

アバゴーラ「アバァ!」バシャァァァ

ドリュウズ「ド、ドリュッ!」ババババ

凛「ドリュウズ!」

愛梨「アクアジェット!」

アバゴーラ「アバァ!」

86: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:17:20.36 ID:LmES2dDS0
恵磨『愛梨選手、流れるようにコンボを決めていく!』

ドワァァァァァァァァァァ

『いいぞあいりぃぃぃぃーーー!!』

『もうこうなったら誰にも止められないぜーーー!!!』

凛「くっ……」

凛(速すぎて何もできない……!)

凛(それに技の威力も上がってるから、受け流すことも相殺することもできない)

凛(一か八かでじわれを打つか……?)

凛(いや、相手が『がんじょう』だったらじわれは効かない)

凛(なら、少しでもダメージを与え続けないと)

87: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:17:46.03 ID:LmES2dDS0
凛「ドリュウズ! いわなだれ!」

ドリュウズ「ドリュ!」ガラガラガラ

愛梨「ハイドロポンプ!」

アバゴーラ「アバァ!」バシャァァァ

恵磨『いわなだれがハイドロポンプに押し切られた!』

愛梨「! アバゴーラ、足元です!」

アバゴーラ「アバァッ」バッ

凛「ドリルライナー!」

ドリュウズ「ドリュウ!」ドドドド

アバゴーラ「アバッ!」バシィ

愛梨「先程の相殺に紛れて地面に潜ったんですね」

ズザザ・・・・・・

88: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:18:17.60 ID:LmES2dDS0
愛梨「その程度! ハイドロポンプ!」

アバゴーラ「アバー!」バシャァァァ

恵磨『ドリュウズにハイドロポンプが直撃だー!』

美玲「ああっ!」

幸子「いくらなんでも強すぎます……!」

シュー・・・・・・

ドリュウズ「ドリュ……」バタンキュー

恵磨『ドリュウズダウーン!!』

89: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:18:49.51 ID:LmES2dDS0
ドワァァァァァァァァァァ

『あいりぃぃぃぃーーー!!』

『強い! 強すぎるぜーーーーー!!』

恵磨『さあ、いよいよ残るポケモンは1匹ずつ!』

瑞樹『でもジヘッドにはゆうばくのダメージが残っているわ』

瑞樹『片やアバゴーラはパワーアップしている状態……』

瑞樹『『このままだと』、勝負はあったも同然ね』

恵磨『このままだと、とはどういう意味ですか?』

瑞樹『そのままの意味よ。まあ、見ていればわかるわ』フフッ

90: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:19:15.87 ID:LmES2dDS0
凛「……」

凛(あとはもう、全てを託すしかない……)

凛「ジヘッド……力を貸して!」ポン

ジヘッド「ジヘッ!」

愛梨「最後まで容赦はしませんよ」

愛梨「アバゴーラ、ストーンエッジ!」

アバゴーラ「アバァ!」ゴゴゴ

凛「ジヘッド、躱して!」

ジヘッド「ジヘ!」ヒョイ

91: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:19:48.59 ID:LmES2dDS0
愛梨「アクアジェット!」

アバゴーラ「アバァ!」ビュン

ジヘッド「ジヘ!?」バシッ

恵磨『愛梨選手、回避先を読んで的確に攻撃だ!』

晶葉「まずい、このままだと……」

こずえ「……」

こずえ「あ……」

文香「? こずえちゃん、どうかしましたか?」

92: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:20:24.88 ID:LmES2dDS0
こずえ「ん……」

こずえ「あの子……」

こずえ「そろそろ……だね」

輝子「え?」

乃々「ど、どういう……」

ジヘッド「ジヘ……」ヨロヨロ

凛(……)

凛(ジヘッド)

凛(私は信じているよ……!)

93: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:21:19.00 ID:LmES2dDS0

カッ


凛「!?」

凛「ジヘッド……!」

ゴゴゴゴゴゴ

恵磨『おや、ジヘッドの様子が……!?』

瑞樹『来るわ!』

愛梨「進化……!」

ゴゴゴゴゴ

ゴゴ・・・・・・

バサッ

凛「……ようやく会えたね」

94: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:21:58.21 ID:LmES2dDS0


凛「サザンドラ……!」


サザンドラ「サザー!」

ワァァァァァァァァァァ

恵磨『凛選手のジヘッドが、なんとサザンドラに進化したー!!』

未央「おお!」

卯月「凛ちゃん……!」

美玲「あれが……進化……!」ゴクリ

茜「よーーーーし! 凛ちゃーん!! いっけぇぇぇーーー!!!」

愛梨「ふふっ、そうこなくっちゃ!」

95: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:22:29.94 ID:LmES2dDS0
サザンドラ きょうあくポケモン あく/ドラゴン
6枚の羽根で空を飛び続け、動くものを敵と思い込み襲う
両腕の頭は脳みそを持たず、全てを食べつくし破壊してしまう

凛(図鑑の説明文は相変わらず物騒だけど)

凛「サザンドラ……いくよ!」

サザンドラ「サザ!」バサバサ

恵磨『サザンドラ、空高くに舞い上がった!』

愛梨「追撃よ! アクアジェット!」

アバゴーラ「アバァ!」ビュン

卯月「向こうも跳び上がった!」

96: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:22:55.12 ID:LmES2dDS0
サザンドラ「サザ!」サッ

愛梨「! 躱された!?」

凛「よし……!」

凛(今のアバゴーラは無防備だ)

凛「これで……決める!!」

凛「サザンドラ!」

凛「りゅ う せ い ぐ ん!!」

97: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:23:27.98 ID:LmES2dDS0
ボッ

愛梨「! しまっ……!」

凛「いっけええええええ!!」

サザンドラ「サザァァァァァ!!」

ヒュー ヒュー

恵磨『アバゴーラに……』

恵磨『りゅうせいぐんが襲いかかるゥゥゥーーー!!』

98: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:23:57.09 ID:LmES2dDS0
ドドドドドドドドドドドド

アバゴーラ「アバァッ……」

ドォー・・・・・・ン

恵磨『アバゴーラ、地上に叩き落されてしまったー!』

晶葉「やったか……?」

未央「しぶりん……!」

卯月「凛ちゃん……!」

ザワザワザワザワ

愛梨「……」

愛梨「……」フッ

愛梨「ここまで……か」

99: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:24:51.12 ID:LmES2dDS0
恵磨『アバゴーラ戦闘不能!』

恵磨『よって、勝者は……』

恵磨『凛選手だぁぁーーー!!』

恵磨『何ということだ、いきなりの大波乱! 初出場の凛選手が、前回チャンピオンを下したーー!!』

ワァァァァァァァァァァ

美玲「や、やった……!」

幸子「凛さんが……勝った……!」

茜「勝ったぁぁぁぁぁ!!!」

輝子「フヒ……!」

乃々「……!」ポカーン

100: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:25:23.70 ID:LmES2dDS0
晶葉「なんと……愛梨までも破るとは」

志希「相変わらずすごい子だねえ!」ニャフフ

文香「こずえちゃん、さっきのはジヘッドがもうすぐ進化するってことだったんですね」

こずえ「ふわあ……」

卯月「凛ちゃん……すごい……!」

未央「はああ……あたしもう心臓が止まるかと……」

未央(この試合で確信したよ)

未央(しぶりんとは……きっと決勝で会える)

未央(ま、その前に私が頑張らないと、だけどね)

101: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:25:54.69 ID:LmES2dDS0
凛(……)

凛(勝った……!)

凛(1年前、テレビで見ていた人に)

凛(四天王でもなく、前回チャンピオンでもなく)

凛(トレーナーとしての愛梨に……!)

愛梨「お疲れ様、アバゴーラ」

愛梨「凛ちゃん」ザッ

愛梨「私の完敗、ですね」

凛(あ、愛梨が……間近に……!)ドキッ

102: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:26:45.46 ID:LmES2dDS0
凛「いや、そんなことは……」

愛梨「ううん。凛ちゃん、まだ本当の力を出してなかったでしょう?」

凛(……!)

凛(まさか……)

凛「……うん」

凛「でもその力は、まだ使わないつもりなんだ」

凛「いつ使うことになるのかはわからないけど」

愛梨「そっか」ニコッ

愛梨「あ、そうだ、これ……よかったら使って」

凛はたつじんのおびを手に入れた!

103: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/13(水) 21:27:16.06 ID:LmES2dDS0
愛梨「それにしても、四天王にすら手が届かないなんて」

愛梨「私もまだまだですね。もっと強くなります。凛ちゃん、この先も……頑張って」

凛「うん……ありがとう。また、バトルしよう」

グッ

ドワァァァァァァァァァァ

『あいりぃぃぃぃーーー!! お疲れ様ーーー!!』

『俺、凛ちゃんのファンになっちゃったかも……でも愛梨のことも大好きだよー!!』

パチパチパチパチ

恵磨『いやあ……手に汗握るバトルでしたね、瑞樹さん!』

瑞樹『そうね。わかるわ。新たなヒロインも誕生したわね』

恵磨『さあー続いて準々決勝、第二回戦だぁー!』

108: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:10:39.87 ID:EWEEE3kX0
恵磨『よって、勝者は……』

恵磨『凛選手だぁぁーーー!!』

杏「おおー……」

きらり「うきゃー☆ 凛ちゃんすごーい! 四天王に勝っちゃったにぃ!」

杏「まあ、なかなかやるじゃない」

きらり「でもでも、四天王さん、やっぱし強かったねぇ」チラッ

杏「なに、杏を心配してるの?」フッ

杏「杏なら心配無用だよ。そういうきらりはどうなの?」

きらり「うゆ! 今日はきらりんのポケモンちゃん達も元気いっぱい! いつもよりはっぴはぴだにぃ!」

109: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:11:09.49 ID:EWEEE3kX0
杏「そうか、なら大丈夫そうだね」

杏「じゃあ……お互い、決勝で会おうね」

きらり「いぇーい☆ 杏ちゃんもはぴはぴでがんばがんばー、だにぃ!」



奈緒「凛が勝った……!」

加蓮「さすがだね、凛」

奈緒「ああ。……でも、あたしだって負けない」

奈緒「次こそ、絶対に凛を倒してやるんだ!」

加蓮「ふふ、凛を倒すの、奈緒が先か、私が先か。どっちでしょうね?」

110: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:11:42.11 ID:EWEEE3kX0
加蓮「ところで、そろそろ準備しなくていいの?」

奈緒「あ、そうだった」

奈緒「じゃあな、加蓮!」

加蓮「うん、頑張ってね」

奈緒「おう、加蓮もな!」



恵磨『さあさあ、興奮冷めやらぬ準々決勝、続いて第二回戦だぁー!』

奈緒「……」ザッ

111: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:12:07.74 ID:EWEEE3kX0
恵磨『まずは奈緒選手が登場!』

瑞樹『初出場ながらセンスの光るトレーナーね。ここまで順調に勝ち進んできているわ』

美玲「あいつも凛たちの知り合いなのか?」

凛「うん、そうだよ」

恵磨『対するは……』

きらり「いぇーい! みんな、はぴはぴしてるぅー?」

恵磨『こちらも初出場! きらり選手だー!!』

ワァァァァァァァァァァ

112: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:12:38.64 ID:EWEEE3kX0
乃々「ひえ……キャラが濃い……」

幸子「きらりさんも凛さんのお知り合いだそうですよ」

美玲「へー。凛ってけっこう顔が広いんだな!」

凛「ま、まあね」

奈緒「……」キッ

きらり「あれれー? どしたのどしたのー?」

きらり「せっかくこんなすっごい所にいるんだよ! もっとニコニコしようにぃ!」

奈緒「お、おう……」ギクシャク

奈緒「なんか、いまいち掴み所がないというか……」

凛(もう既にきらりのペースに呑まれてる……)

未央「なおっちー! 頑張れー!」

卯月「奈緒ちゃーん!」

113: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:13:04.26 ID:EWEEE3kX0


……………………

控室

杏「ま、きらりなら余裕っしょ」



――別の控室

加蓮「奈緒、頑張れ……!」

……………………


114: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:13:30.14 ID:EWEEE3kX0
恵磨『準備はいいかな!? それでは……』

恵磨『バトルッ!! スタートォ!!』

奈緒「いくよ、ピジョット!」ポン

ピジョット「ピジョー!」バサッ

ピジョット とりポケモン ノーマル/ひこう
ピジョットが力いっぱい羽ばたくと大木もしなるほどの強風を巻き起こす
美しいハネを広げて相手を威嚇する

きらり「きてきてー☆ ゴルーグちゃん!」ポン

ゴルーグ「ゴル」ズシーン

ゴルーグ ゴーレムポケモン じめん/ゴースト
ポケモンや人を守るために古代人によって生み出された
胸の封印を剥がすとエネルギーが暴走してしまう

115: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:13:58.62 ID:EWEEE3kX0
奈緒「まずはこっちからいくぜ! エアスラッシュ!」

ピジョット「ピジョー」フィィン

ゴルーグ「ゴル」シュインシュイン

恵磨『ゴルーグを空気の刃が襲うー!』

きらり「……」

奈緒「よし、追撃だ!」

ピジョット「ピジョー!」

シュインシュイン

ゴルーグ「ゴル」ズン

116: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:14:33.41 ID:EWEEE3kX0
凛(きらりもゴルーグも全然動かない)

凛(でもエアスラッシュに怯んでるわけじゃなさそうだ……)

凛(いや、あれは集中力を高めてるようにも見える)

凛(まるで弓道の選手が、的を狙い澄ましているかのように)

凛「! 奈緒!」

きらり「……!」キッ

きらり「ゴルーグちゃん! ばくれつパンチだにぃ☆」

ゴルーグ「ゴル」ズッ

ゴルーグ「ゴルゥ!」バシュゥ

恵磨『ゴルーグ、ついに動き出したぞぉ!!』

117: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:15:00.01 ID:EWEEE3kX0
ピジョット「ピジョッ!?」ドゴォッ

恵磨『そして強烈な右ストレートが決まったぁー!!』

きらり「ゴルーグちゃんやるぅ☆ おっけーばっちし!」

ドサッ

奈緒「! ピジョット!」

ピジョット「ピ、ピジョ……」

ピジョット「ピジョー」ピヨピヨ

恵磨『ピジョット、大ダメージを喰らっただけでなく、混乱してしまったー!』

118: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:15:38.27 ID:EWEEE3kX0
瑞樹『ばくれつパンチは威力も高いし、当たれば混乱させる技だけど、なかなか命中しないのよね』

瑞樹『きらりちゃんはピジョットの動きを読みながら、このパンチを当てるチャンスを窺っていたのね』

恵磨『奈緒選手が優勢と思われましたが一転、流れはきらり選手に傾こうとしています!』

ワァァァァァァァァァァ

未央「ああ、なおっちー!」

卯月「奈緒ちゃん!」

奈緒「くそー、よくも……」

奈緒(いったんピジョットを戻すか?)

奈緒(……いや! そういえばピジョットの特性は……!)

奈緒(それに『あの技』もある……)

119: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:16:05.97 ID:EWEEE3kX0
奈緒「ピジョット、もう少し頑張ってくれ! エアスラッシュ!」

ピジョット「ピ、ピジョ……」ピヨピヨ

ピジョット「ピジョー」フィィン

恵磨『ピジョット、混乱しながらも技を繰り出した!』

ゴルーグ「ゴル」シュインシュイン

きらり「ゴルーグちゃん! ヘビーボンバーだにぃ!」

ゴルーグ「ゴル」ゴォォ

120: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:16:37.58 ID:EWEEE3kX0
恵磨『ゴルーグ、手足を格納して飛び上がった!』

ゴルーグ「ゴルウゥゥ」ヒューン

凛「あんな巨体が降ってきたら……!」

未央「ひとたまりもないね……!」

奈緒「ピジョット! 躱せ!」

ピジョット「ピジョッ……」フラフラ

ピジョット「ピジョー」サッ

121: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:17:07.11 ID:EWEEE3kX0
きらり「うゆ!?」

ゴルーグ「!?」ズドン

恵磨『おーっと、ピジョット、不規則な動きでゴルーグの攻撃を躱した!』

晶葉「ゴルーグが地面に打ち付けられたな。これは反動ダメージも少なからずあるんじゃないか」

未央「ふう、危なかったぁ」

奈緒「混乱させたのが裏目に出たな! あたしのピジョットは『ちどりあし』なんだよ!」

ちどりあし
混乱状態になると回避率が上がる

122: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:17:36.44 ID:EWEEE3kX0
きらり「うゆー! なるほどなるほど! 奈緒ちゃんあったまいー☆」

奈緒「ピジョット、動けるか!?」

ピジョット「ピジョ……」ピヨピヨ

恵磨『しかしピジョット、尚も混乱が続いている!』

奈緒「なら……」

きらり「ゴルーグちゃん、もっかいおなーしゃー!」

ゴルーグ「ゴル」ゴォォ

恵磨『再びゴルーグが迫ってきたぞぉ!』

123: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:18:09.71 ID:EWEEE3kX0
ゴルーグ「ゴルウゥゥ」ヒューン

ズドーーン

恵磨『今度は命中だー!』

美玲「ああ、喰らっちまった!」

輝子「ていうかこの試合……私らはどっちを応援すればいいの……?」

幸子「え? そういえばたしかに」

乃々「どっちもで、いいのでは……」

輝子「ま、まあそうか」

124: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:18:58.59 ID:EWEEE3kX0
未央「うわ、すごい威力……」

奈緒「ピジョット!」

ピジョット「ピ……ピジョ……」グググ

恵磨『ピジョット、何とか持ちこたえたようです!』

瑞樹『しかもさっきの衝撃で混乱も治ったみたいね』

奈緒「よし……」

奈緒「ピジョット! ゴッドバードだ!」

ピジョット「ピジョ!」コォォォォォ

恵磨『ピジョットの体が光に包まれてゆく!』

卯月「え、ゴッドバードって、発動まで時間がかかるんじゃ……」

125: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:19:28.36 ID:EWEEE3kX0
奈緒「突撃ィィー!!」

ピジョット「ピジョー!!」ズバンッ

卯月「もう攻撃に移った!?」

きらり「ゴ、ゴルーグちゃん!」

ゴルーグ「ゴル……」

ゴルーグ「ゴル!?」

ドッ


126: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:19:56.07 ID:EWEEE3kX0
恵磨『ゴッドバードが直撃だー!!』

奈緒「どうだ……!?」

シュー・・・・・・

ピジョット「ピジョー」バタンキュー

ゴルーグ「ゴル……」バタンキュー

恵磨『ああっと、ピジョット、ゴルーグ共に戦闘不能だー!!』

ワァァァァァァァァァァ

志希「おお、相討ち!」

127: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:20:39.36 ID:EWEEE3kX0
晶葉「一見不利な状況から立て直すとは、流石ベスト8入りしたトレーナーだな」

幸子「でも、あのゴルーグの攻撃をよく耐えましたね!」

凛(……なるほど、フラフラしていると見せかけて、『フェザーダンス』を踊っていたんだね)

凛(ゴッドバードがあんなに早く発動できたのは『パワフルハーブ』を持たせてたから、か)

パワフルハーブ
持たせると1度だけ1ターン目に力をためる技をすぐに使うことができる

凛(流石だね、奈緒)

128: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:21:11.83 ID:EWEEE3kX0
奈緒「頑張ったね、ピジョット」

きらり「ゴルーグちゃん、お疲れ様だにぃ」

きらり「奈緒ちゃん、すっごい強いねぇ! でもきらりも負けないよー☆」

きらり「ナッシーちゃん、おにゃーしゃー!」ポン

ナッシー「ナッシー」ドスン

ナッシー やしのみポケモン くさ/エスパー
実の一つ一つに顔があってそれぞれ意思を持っている
遠い地方には巨大すぎるナッシーがいるとかいないとか

奈緒「ノクタス!」ポン

ノクタス「ノクー」

ノクタス カカシぐさポケモン くさ/あく
砂漠の陽射しで水分を失わないように昼間はじっと立ち尽くしている
何千年も砂漠で暮らすうちに血液が砂と同じ成分になった

129: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:21:52.56 ID:EWEEE3kX0
恵磨『登場したのはナッシーとノクタス! くさタイプ同士のバトルになります!』

きらり「いっくよー☆ ナッシーちゃん、エナジーボールだにぃ!」

ナッシー「ナッシー!」ボッ

奈緒「躱して!」

ノクタス「ノク!」ヒョイ

奈緒「せいちょう!」

ノクタス「ノク―」ノビノビ

恵磨『ノクタス、せいちょうで能力アップ!』

瑞樹『体長もナッシーと同じくらい大きくなったわね』

130: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:22:24.35 ID:EWEEE3kX0
きらり「ナッシーちゃん、もっかーい!」

奈緒「よし、ふいうちだ!」

ノクタス「ノク!」

ナッシー「ナッシ!?」バシッ

恵磨『ノクタスのふいうちが決まった!』

奈緒「よし……」

奈緒「……!?」

ボッ

131: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:22:59.93 ID:EWEEE3kX0
奈緒「危ない、ノクタス!」

ノクタス「ノック……」ドォン

瑞樹『不意を突かれても技を出してきたわね。あのナッシー、相当な実力者だわ』

未央「ナッシー、効果抜群の技を受けても全然平気そうだねー」

卯月「ノクタスも攻撃力が上がっているはずなのにね」

凛「そうだね……あの守りをどう突破するかがカギになる……」

卯月「凛ちゃん、顔が怖いよ?」

凛「……え? あ、ああ、ごめん」

未央「まあ、次に戦うのはどっちかだもん、そりゃ気になっちゃうよねー」

132: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:23:31.56 ID:EWEEE3kX0
きらり「うにゅぅ……」

きらり「あっ!」ピカーン

きらり「ナッシーちゃん! しぜんのめぐみだにぃ☆」

ナッシー「ナッシー!」コォォ

恵磨『ナッシー、持っているきのみの力で攻撃だ!』

瑞樹『きのみの種類でタイプや威力がガラリと変わる技ね。さて、きらりちゃんが持たせていたのは……』

ノクタス「ノクッ!?」バシィッ

奈緒「なっ、ノクタス!」

133: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:24:02.84 ID:EWEEE3kX0
恵磨『成長しているはずのノクタスが大きく吹っ飛ばされたぞ!?』

瑞樹『あれだけダメージが大きいということは、相性抜群のタイプだったのかもね』

きらり「うきゃー! ナッシーちゃんすっごーい!」ピョンピョン

奈緒「くそ……!」

卯月「あれ、いったい何のきのみだったんだろ?」

未央「しぶりんなら知ってるんじゃない?」

凛「うーん、あの緑のきのみ……遠目からだとチーゴのみっぽいけど」

凛「チーゴのみ以上に大きいね。あんなきのみ、見たことないよ」

未央「そっかあ」

134: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:24:35.06 ID:EWEEE3kX0
きらり「ふっふっふ……」

きらり「『カムラのみ』作戦、だーいせーこーう! だにぃ☆」

カムラのみ
持たせるとピンチの時にすばやさを上げる
しぜんのめぐみのタイプ…かくとう

奈緒(くそ、けっこう痛い一撃だったな……)

奈緒(でもさっきの攻撃できのみは無くなったし、もう使ってはこないはず)

奈緒「攻めるよノクタス! ニードルアーム!」

ノクタス「ノク!」バシィ

恵磨『ノクタスの攻撃がヒット!』

135: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:25:02.55 ID:EWEEE3kX0
ナッシー「ナシ……」ズザァ

きらり「ナッシーちゃん!」

きらり「『もっかい』しぜんのめぐみだにぃ!」

奈緒「!?」

ナッシー「ナッシー!」コォォ

恵磨『な、なんときらり選手、またしてもしぜんのめぐみで攻撃だ!』

恵磨『さきほど使われたはずのきのみがいつの間にかナッシーのもとに戻っているぞ!?』

ノクタス「ノクッ!?」

ズドォー・・・・・・ン

136: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:25:43.12 ID:EWEEE3kX0
奈緒「! ノクタス!」

ノクタス「ノ、ノク……」バタッ

恵磨『ノクタスダウーン!!』

ワァァァァァァァァァァ

美玲「ど、どういうことだ?」

幸子「まさかきのみを2つも持っていたとか……?」

凛「いや、それはあり得ないよ」

志希「あれは『しゅうかく』って特性だねぇ」

しゅうかく
自分が使用したきのみを1/2の確率で復活させる

137: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:26:49.56 ID:EWEEE3kX0
志希「つまり、普通なら1回限りの技を、あのナッシーは何回でも打てるってことだねぇ」

志希「ま、きのみが戻ってくればの話だけど!」ニャフフ

茜「持ち物と技のコンビネーション……あのトレーナー、只者ではないですね!」

奈緒「うー、よくもぉ……」ギリッ

奈緒「行け! ポリゴン2!」ポン

ポリゴン2「ポリー」

ポリゴン2 バーチャルポケモン ノーマル
惑星開発用のプログラムがインストールされており、宇宙でも活動できる
時々プログラムにない仕草を見せることがある

139: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/19(火) 23:36:01.35 ID:EWEEE3kX0
余談ですが愛梨のパーティ解説

フワライド→ふわふわしてるイメージから
ルカリオ→チャンピオンが使ってそうな手持ち1(完全にシロナさんの影響)
フラージェス→チャンピオンが使ってそうな手持ち2
ドダイトス→相性補完がいい感じになる&愛梨も最初はかつての凛たちのようにこの子とチャンピオン目指してたんだろな…というエピソードを持たせたかった
オニゴーリ→愛梨が秋田出身で見た目がナマハゲっぽかったので選出
アバゴーラ→すぐに服を脱ぎたがる→からをやぶるを使えるポケモンを選びたかった

何気に専門タイプのない四天王って珍しいですよね

ここまで読んでいただきありがとうございました

142: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:20:18.41 ID:WUgMUleM0
奈緒(たしかに守りは固いけど、弱点を突いていけば!)

奈緒「シグナルビームだ!」

ポリゴン2「ポリー」ミョミョミョ

ナッシー「ナッシー!」バリバリ

恵磨『強烈な一撃がナッシーに決まった!』

きらり「ナッシーちゃん!」

ナッシー「ナ、ナッシ……」

143: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:21:01.65 ID:WUgMUleM0
きらり「きのみは……あるにぃ! いよーし、しぜんのめぐみだにぃ!」

ナッシー「ナッシー!」

ポリゴン2「ポリ……!」バシィ

恵磨『ナッシー、またしてもしぜんのめぐみで攻め立てます!』

瑞樹『ノクタスにもポリゴン2にも使ってきたってことは、あのきのみで放つしぜんのめぐみはおそらくかくとうタイプね』

奈緒(くっ、ポリゴン2にも相性がいいのか!)

奈緒(でもあたしのポリゴン2は『アレ』を持ってるし、まだ耐えられるはず!)

144: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:21:30.40 ID:WUgMUleM0
奈緒「れいとうビームだ!」

ポリゴン2「ポ……ポリ!」ビィィ

ナッシー「ナッシ!?」カチーン

きらり「あー!」

恵磨『ナッシーが氷漬けになったぞ!』

奈緒「よし! トライアタックだ!」

ポリゴン2「ポリ!」ウィィィン

145: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:22:23.58 ID:WUgMUleM0
恵磨『炎、雷、氷の力をまとった攻撃がナッシーに迫る!』

恵磨『しかしナッシーは凍っていて動くことができなーい!』

チュドーン

ナッシー「ナッシー……」バタンキュー

ワァァァァァァァァァァ

恵磨『ナッシー戦闘不能!』

瑞樹『凍っているところに炎の攻撃が入ったことで、いつもより威力が増していたのも大きかったわね』

146: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:23:02.38 ID:WUgMUleM0
奈緒「よし……!」グッ

奈緒(『しんかのきせき』、持たせておいて正解だったな)

しんかのきせき
進化前、進化途中のポケモンに持たせると防御、特殊防御が上がる

きらり「うにゅう……ナッシーちゃん、よく頑張ったにぃ」

きらり「じゃあ……きらりんの大好きな子、呼んじゃおっかな!」

きらり「きてきてー☆ ホエルオーちゃん!」ポン

ホエルオー「ホエー☆」ドッスゥゥゥン

凛「出た、ホエルオー……!」

奈緒「で、でかい……!」

147: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:23:46.93 ID:WUgMUleM0
奈緒「でもこれだけでかいなら、大技を打っても避けきれないはず……」

奈緒「ポリゴン2! でんじほうだ!」

ポリゴン2「ポリー!」ビリリリ

恵磨『奈緒選手、ここで大技を繰り出してきたぁ!』

ホエルオー「ホエー」バリバリバリ

瑞樹『ホエルオー、まともに喰らってしまってマヒしてしまったわ』

凛(さすがにあれだけ大きいと、相手の攻撃を躱すのも難しいか)

凛(でも逆を言えば、自分の繰り出す攻撃も当てやすいということ……)

148: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:24:25.00 ID:WUgMUleM0
きらり「ホエルオーちゃん、のしかかりー!」

ホエルオー「ホエー」ピョーン

恵磨『ホエルオーが飛び上がったぞ!』

奈緒「躱して!」

ポリゴン2「ポリ――」グワッ

ホエルオー「ホエー!」

ズシーン

奈緒「うわあ!?」

ポリゴン2「ポリ……」ヨロヨロ

149: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:25:11.76 ID:WUgMUleM0
奈緒「躱しきれなかった……なんて威力だ……!」

奈緒「でもこれでホエルオーと距離が近づいた! もう一回でんじほうだ!」

きらり「ホエルオーちゃん、飛び跳ねてー!」

奈緒「なっ!?」

ホエルオー「ホエー」バビュン

恵磨『なんと、ホエルオーが俊敏な動きで再び跳び上がったぞ!?』

瑞樹『マヒしているのにあのスピード、ということはせんせいのツメの効果ね』

せんせいのツメ
持たせると相手より先に行動できることがある

150: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:25:39.92 ID:WUgMUleM0
未央「あんなにおっきいのに素早く動けるなんて、何でもアリじゃない!?」

卯月「さすがきらりちゃんのエースだね」

きらり「ホエルオーちゃん、いっくよー☆」

ホエルオー「ホエ―☆」クルッ

恵磨『ホエルオー、空中でひっくり返った!?』

きらり「いっけー! しおふきだにぃー!」

151: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:26:11.41 ID:WUgMUleM0
ホエルオー「ホエー!!」バシャァァァ

恵磨『な、なんとホエルオー、フィールドに向けてしおふきを放ったぁぁぁ!』

恵磨『ポリゴン2に滝のような水流が降ってくるぅ!』

奈緒「う、うそ……!」

ポリゴン2「ポリ……!」

バッシャァァァ

ポリゴン2「ポリ……」バタンキュー

152: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:26:52.40 ID:WUgMUleM0
恵磨『ポリゴン2、ダウンー!!』

奈緒「く……」

ホエルオー「ホエー」バインバイン

きらり「ホエルオーちゃん、アクアリングではっぴはぴだにぃ☆」

ホエルオー「ホエ―☆」フォォォ

恵磨『さらにホエルオー、水のリングを身にまとったぞ!』

瑞樹『攻撃も耐久も一級品。隙が無いわね、あのホエルオー』

153: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:27:31.76 ID:WUgMUleM0
奈緒(くそ……あとホエルオーの弱点を突けるのは一匹だけ……)

奈緒(それにアクアリングで回復しているし、それ以上のダメージを与え続けないと突破できない)

奈緒(いけるのか……? いや、やるしかない)

奈緒「ゴチルゼル!」ポン

ゴチルゼル「ゴチー!」

ゴチルゼル てんたいポケモン エスパー
強力なサイコパワーの影響で空間がねじれ、周囲に星空を映し出す
星の場所や動きから未来の出来事を予知する

奈緒「めいそうだ!」

ゴチルゼル「ゴチー」トトトン

恵磨『ゴチルゼル、まずは能力を上げていく!』

154: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:28:11.75 ID:WUgMUleM0
きらり「のしかかりー!」

ホエルオー「ホエ―☆」ピョーン

奈緒「躱して!」

ゴチルゼル「ゴチ」サッ

恵磨『そして目を瞑ったままホエルオーの攻撃を躱した!』

奈緒「よし、10まんボルトだ!」

ゴチルゼル「ゴチー!」ビリリリ

ホエルオー「ホエ!?」バリバリ

155: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:28:45.62 ID:WUgMUleM0
きらり「うにゅー!」

恵磨『ホエルオーに電撃が決まったー!』

瑞樹『アクアリングがあるとはいえ、何発も受け続けられる威力じゃないわね』

きらり「うにゅぅ……ホエルオーちゃん!」

ホエルオー「ホ……」

ホエルオー「ホエ!?」ビリビリ

奈緒「よし、マヒしてる!」

156: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:29:33.50 ID:WUgMUleM0
奈緒「ゴチルゼル、追撃だ!」

ゴチルゼル「ゴチー!」

ホエルオー「ホエェ!」

未央「よっし、やっとなおっちのペースに持ち込めたね!」

凛「これだけ体力を減らせれば、しおふきも使ってこなくなるかもね」

卯月「この流れが続けばいいんだけど……」

奈緒「ゴチルゼル!」

ゴチルゼル「ゴチー!」バリバリ

きらり「……」

きらり「ホエルオーちゃん、交代だにぃ!」シュゥゥ

157: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:30:11.24 ID:WUgMUleM0
恵磨『きらり選手、ホエルオーを引っ込めました!』

きらり「いよーし、バクーダちゃん、よろしくおにゃーしゃー☆」ポン

バクーダ「バクー!」

バリバリ

バクーダ「バク♪」キカナーイ

恵磨『そしてバクーダが登場! ゴチルゼルの10まんボルトを受け切った!』

瑞樹『相手の一手を読んでの交代、うまくいったわね』

バクーダ ふんかポケモン ほのお/じめん
10年ごとに大噴火を起こす背中のコブは骨が形を変えたもの
怒ると灼熱のマグマを噴き上げる

158: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:30:37.35 ID:WUgMUleM0
きらり「バクーダちゃん! ドッカーン!!」

バクーダ「バクー!!」

ゴチルゼル「ゴチ!?」

ドッカーン

奈緒「ゴチルゼル!」

恵磨『バクーダ、最大パワーのふんかが決まったぁーー!!』

ワァァァァァァァァァァ

159: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:31:06.28 ID:WUgMUleM0
ゴチルゼル「ゴチ……」フラフラ

瑞樹『ゴチルゼル、追い詰められたわね』

晶葉「あのバクーダもなかなか強敵だな」

凛(奈緒の残りの手持ちはシャンデラとあと一匹か)

凛(交代してこないってことは、その一匹はもしかしてみずタイプじゃない……?)

奈緒「ゴチルゼル!」

ゴチルゼル「ゴチ……」コォォ

160: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:31:45.35 ID:WUgMUleM0
恵磨『ゴチルゼル、再び目を閉じたぞ! ということはめいそうか?』

瑞樹『いや、この状況でめいそうを行うとは思えないわ』

瑞樹『これは……なるほど、ね』

恵磨『??』

きらり「だいちのちからだにぃ!」

バクーダ「バク!」ボコ

ボボボォォォ

ゴチルゼル「ゴチ……!」

奈緒「……!」ギリ

161: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:32:14.35 ID:WUgMUleM0
ゴチルゼル「ゴチ……」バタッ

恵磨『ゴチルゼルが倒れたー!!』

ワァァァァァァァァァァ

きらり「うきゃー☆」ピョンピョン

バクーダ「バクー☆」

美玲「ああ、倒されちゃった……」

茜「これで4対2ですね……!」

凛「奈緒……!」

162: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:32:46.85 ID:WUgMUleM0
奈緒「……」

奈緒「まだだ……グランブル!」ポン

グランブル「グラー!」

グランブル ようせいポケモン フェアリー
発達した下顎と重たいキバが武器
しかしブルー以上に臆病で、敵に襲われると必死に手足を振って追い払おうとする

恵磨『続いて登場したのはグランブルだー!』

奈緒「グランブル、じしんだ!」

グランブル「グラー!」ゴゴゴゴ

バクーダ「バク……!」

163: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:33:25.70 ID:WUgMUleM0
恵磨『グランブルの大技が決まったァー!』

瑞樹『でもあまり効いていないわね……もしかしたらあのバクーダ、『ハードロック』なのかも』

ハードロック
効果抜群の技を受けたときにダメージを軽減する

きらり「バクーダちゃん、まだまだいけるにぃ?」

バクーダ「バクゥ!」

きらり「いよーし、ふんえんだにぃ!」

バクーダ「バク―!」ズドォン

164: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:34:11.24 ID:WUgMUleM0
グランブル「グ、グラ……!」

奈緒「グランブル……!」

凛(やっぱりみずタイプじゃなかったか)

凛(いや、あのバクーダ……みずタイプでも苦戦してたかも)

凛(奈緒も強いはずだけど、それ以上のレベルと実力がある……)

凛(見た目によらず、侮れない相手だね……)

未央「なおっち、押されてるね……」

晶葉「ここまでよく喰らいついてきたが……」

晶葉「いよいよ差が歴然としてきたな」

165: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:34:46.74 ID:WUgMUleM0
奈緒(グランブルのじしんでも押し切れない……!)

奈緒(シャンデラも不利な相性だし、倒せたとしてもまだホエルオーがいる)

きらり「バクーダちゃん! ふんえんだにぃ――」

奈緒(……)

きらり「あー! ちょっとタンマー!」

バク―ダ「バク?」ピタッ

恵磨『どうしたきらり選手、攻撃を中断したぞ?』

166: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:35:34.20 ID:WUgMUleM0
きらり「奈緒ちゃーん!」

奈緒「……」

きらり「なーおーちゃーん!!」

奈緒「……!」ハッ

きらり「奈緒ちゃん。……もしかして、諦めちゃったの?」

奈緒「う……」

きらり「……そんなことしたら……」

きらり「ポケモンちゃんが悲しむにぃ!」

167: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:36:07.33 ID:WUgMUleM0
奈緒「!」

きらり「きらりんはね、そりゃーもちろん勝ちたい! って気持ちはあるよぉ」

きらり「でもね」

きらり「奈緒ちゃんがそんな顔してたら、きらりんも皆もはっぴはぴにならないにぃ!」

奈緒「……!」

きらり「だから……もっと笑って! 笑ってほしいにぃ!」ニコッ

168: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:36:40.82 ID:WUgMUleM0


ヒュー

茜「? 何の音でしょ――」

未央「あーっ!」バッ

卯月「空から光線が!?」

凛は「あれは……」

凛「そうか、さっきゴチルゼルは……『みらいよち』を撃っていたんだ!」

バクーダ「バク!?」

ドドドド

169: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/22(金) 22:37:17.52 ID:WUgMUleM0
恵磨『なんと、ここでみらいよちの攻撃が決まったぁー!!』

瑞樹『やっぱりね。さっきのゴチルゼルが去り際に残してくれた攻撃だわ』

恵磨『バクーダ、不意を突かれて大ダメージだ!』

奈緒「……! そうだ……」

奈緒「あたしが諦めてどうするんだッ!」

奈緒「ありがとうきらり……あたし、どうかしてたよ」

奈緒「誓ったんだ! 今度こそ凛を倒すって!!」


172: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:33:05.17 ID:+kkJvEdb0
奈緒「グランブル! じしんだ!!」 

グランブル「グラ!」ゴゴゴゴ 

きらり「奈緒ちゃん、おっけーばっちし☆ みたいだね!」 

きらり「バクーダちゃん、だいちのちからだにぃ!」 

バクーダ「バク!」ボボボォォォ 

ズドンッ 

恵磨『グランブルとバクーダ、お互いの技が交錯するー!』 

美玲「どうなった……?」 

173: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:33:35.04 ID:+kkJvEdb0
シュゥゥゥ 

バクーダ「バク……」バタッ 

グランブル「グラー……」バタンキュー 

恵磨『おおーっとこれは、この試合二度目の相討ちだー!』 

ワァァァァァァァァァァ 

きらり「バクーダちゃん、よく頑張ったにぃ」 

奈緒「お疲れ、グランブル」 

174: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:34:22.27 ID:+kkJvEdb0
奈緒「これが最後の1匹……」 

奈緒「でも勝ってみせる! いっけーシャンデラ!」ポン 

シャンデラ「デラー!」 

きらり「ホエルオーちゃん!」ポン 

ホエルオー「ホエ―」 

恵磨『両者、エースポケモン同士の激突だー!』 

瑞樹『シャンデラは相性こそ不利だけど、ホエルオーはさっきのバトルで消耗しているわ』 

175: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:35:25.27 ID:+kkJvEdb0
奈緒「シャンデラ、シャドーボールだ!」 

シャンデラ「デラ!」バシュゥ 

きらり「ホエルオーちゃん、じゃーんぷ☆」 

ホエルオー「ホエー」ピョーン 

恵磨『ホエルオー、躱して再び空中に飛び出した!』 

凛「またせんせいのツメが……!」 

きらり「いっけぇー☆」 

ホエルオー「ホエー」コォォォ 

176: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:36:00.93 ID:+kkJvEdb0
奈緒「!」 

恵磨『これは……!』 

凛「しおふき……じゃない!」 

きらり「ハイドロポンプ、はっしゃー! だにぃ!」 

ホエルオー「ホエエー!」ブシャァァァ 

恵磨『またしても空中から攻撃だー!』 

奈緒「さっきは反応できなかったけど!」 

奈緒「シャンデラ! オーバーヒート!!」 

シャンデラ「デラ!!」ゴォッ 

177: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:36:38.77 ID:+kkJvEdb0
ボボボボボッ 

恵磨『シャンデラ、オーバーヒートで対抗してきたぞ!』 

ドォォッ 

未央「なおっち……!」 

奈緒(頼む、押し切ってくれ……!) 

奈緒「シャンデラァァァァ!!」 

シャンデラ「デラァァァ!!」 

恵磨『炎と水が激しくせめぎ合う!』 

バシュゥッ 

178: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:37:11.02 ID:+kkJvEdb0
奈緒「!」 

きらり「!」 

恵磨『打ち破ったのは……』 

恵磨『ホエルオーだぁぁぁ!!』 

恵磨『ホエルオーの巨体が、水流と共に降ってくるーー!!』 

凛「奈緒!」 

卯月「奈緒ちゃん!」 

未央「なおっちーー!!」 

179: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:37:36.99 ID:+kkJvEdb0
奈緒「……!」 

ズドォー・・・・・・ン 

奈緒「シャンデラ……!」 

シャンデラ「デ……ラ……」 

シャンデラ「デラッ……」ドサッ 

恵磨『シャンデラ戦闘不能!』 

恵磨『第二試合の勝者は……』 

恵磨『きらり選手だぁぁーーー!!』 

ワァァァァァァァァァァ 

180: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:38:44.36 ID:+kkJvEdb0
きらり「うきゃー☆ 勝ったにぃー☆」 

ホエルオー「ホエ―☆」 

未央「なおっち……負けちゃったかぁ」 

卯月「でもいい勝負だったね! 奈緒ちゃん、あんなに強かったんだ」 

晶葉「ということは、凛の次の相手はきらり、だな」 

凛「うん……」 

181: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:39:19.90 ID:+kkJvEdb0
凛(きらり……強い……!) 

凛(3匹も残した状態で奈緒を倒すなんて) 

凛(でもこの試合できらりのクセや戦術が分かった。次の試合、しっかり対策していかないとね) 

奈緒「……」 

きらり「奈緒ちゃん、おっつおっつだにぃ!」 

奈緒「お、おう……」 

きらり「きらりんねー、とっても楽しかったにぃ!」 

きらり「だって奈緒ちゃん、とってもとっても強いし……ポケモンが大好きなんだなあって、すっごい伝わってきた!」 

奈緒「え……」 

182: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:39:54.63 ID:+kkJvEdb0
きらり「だからぁ、またバトルしようねぇ!」ギュッ 

奈緒「あ、ああ、そうだな」 

奈緒「今度は負けないからね……!」ギュッ 

パチパチパチパチ 

恵磨『白熱のバトルを見せてくれた二人に惜しみない拍手が送られています!』 

恵磨『さあ、続いては第三試合です!』ワァァァァ 

183: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:40:36.23 ID:+kkJvEdb0


…………………… 


控室 

杏「おおー、きらりが勝ったかぁ」 

杏「ふふん、こりゃ杏も負けてられないね」 

杏「相手は四天王らしいけど……カンケーないね」 

杏「杏が……勝つんだからさ」 

184: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:41:22.02 ID:+kkJvEdb0

――別の控室 


加蓮「奈緒……!」 

奈緒「ああ、加蓮……」 

奈緒「はは、コテンパンにされちゃったよ」 

加蓮「奈緒……」 

奈緒「あたし……」 

奈緒「凛を倒すことだけを目標にして今までずっと頑張ってきた」 

奈緒「でも、凛の前に倒さなきゃいけないトレーナーがいっぱいいたんだね」 

185: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/25(月) 22:41:58.60 ID:+kkJvEdb0
奈緒「……加蓮、あたしの分まで絶対勝ってね」 

加蓮「うん……!」 

加蓮「あたし、奈緒の分まで頑張るから……!」グスッ 

奈緒「はは、なんで泣きそうになってんだよ」クスッ 

奈緒「……あたしも、こんなところで終わるつもりはないよ」 

奈緒「凛にも、きらりにも勝つまでは……!」 

…………………… 


188: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:44:29.64 ID:wUrbdyWf0
ワァァァァァ 

恵磨『さあ、続いては第三試合です!』 

瑞樹『これもまた注目の一戦ね』 

恵磨『さあ、まず入場したのは……』 

恵磨『四天王が一角! のあ選手だぁぁーー!』 

ワァァァァァ 

のあ「……」 

みく「のあにゃん、ファイトだにゃー!」 

アナスタシア「ウダーチ……応援していますー」 

のあ「……」キッ 

189: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:45:01.35 ID:wUrbdyWf0
茜「おお、あの方が四天王ののあさんですか!」 

美玲「なんか怖そうな人だなあ」 

志希「怖くないよー。ちょっと無口で無表情なだけ!」 

輝子「それを怖いというのでは……」 

乃々「あの……そういえば凛さんは?」 

卯月「ああ、凛ちゃんはいったん宿舎に戻ったんだって」 

卯月「『きらりの守りを打ち破るために研究する』って言ってたけど……未央ちゃんの試合も見ないのかなあ」 

190: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:45:33.75 ID:wUrbdyWf0
文香「……きっと凛さんなら、戻ってくるでしょう」 

卯月「それもそっか」 

こずえ「すぴー……」スヤァ 

恵磨『対するは……』 

恵磨『伝説の鳥ポケモンを従え、ここまで順調に勝ち上がってきました! 杏選手だーー!』 

ワァァァァァ 

杏「うう、すごい熱気だ……」 

杏「いや熱気だけじゃない、相手からの圧力もすごい……無言の圧力が……」 

191: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:46:00.00 ID:wUrbdyWf0
のあ「……」 

杏「ねえ、なんか喋らないのー? 応援してくれてる人いるよー」 

のあ「……ええ、ちゃんと耳に入っている」 

のあ「わざわざレスポンスする必要はないわ。私の為すべきことはただ一つ。目の前の壁をクリアしていくことだけなのだから」 

杏「ふーん……なんかお堅い人だなあ」 

のあ「……星の輝き」 

杏「は?」 

のあ「貴方から、観測されたわ。……今にも四天王すら越えそうな、眩い輝きが」 

のあ「人には意志がある。受け継がれ、連なり続いていく、無限の意志が。それこそが、限界を超える星の輝き」 

192: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:46:26.38 ID:wUrbdyWf0
のあ「その輝きを……私に示して」 

杏「は、はあ……意志ねえ」 

杏「杏の意志といえば印税生活を目指して頑張ってるってことなのかなぁ」 

杏「ま、いつも通りやらせてもらうよ!」 

美玲「あの杏って奴、あたしらと同い年くらいなのにポケモンリーグに出てるのか。すごいなー」 

卯月「み、美玲ちゃん、実はね……」 

(杏の年齢を説明中……) 

晶葉「人を見た目で判断してはいけない、ということだな」 

193: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:46:52.10 ID:wUrbdyWf0
恵磨『さあ、両者ともに準備ができたようです!』 

恵磨『それでは第三回戦! スタートォォォ!!』 

杏「いくよ、エルフーン!」ポン 

エルフーン「エルー!」 

エルフーン かぜかくれポケモン くさ/フェアリー 
つむじ風と共に現れて民家に侵入し、部屋中を綿まみれにする 
どんなに細い隙間でも風のように潜り抜けてしまう 

のあ「……オンバーン」ポン 

オンバーン「オンバー!」 

オンバーン おんぱポケモン ひこう/ドラゴン 
月明かりすらない闇夜を飛び、油断している獲物を襲う 
耳から発する超音波は巨大な岩をも粉砕する 

194: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:47:23.99 ID:wUrbdyWf0
恵磨『まずはエルフーンとオンバーンが登場しました!』 

瑞樹『エルフーンはフェアリータイプだから、ドラゴンタイプの多いのあちゃんのパーティーには相性が悪いわ』 

瑞樹『ここは弱点を突けるオンバーンで先手を取っておきたい所ね』 

杏「ふっふっふ……」 

杏「このエルフーン、フトン代わりになると思って捕まえてたけど」 

杏「戦ったらめっちゃ強いんだからな! まずはすりかえ!」 

エルフーン「エル!」サッ 

恵磨『エルフーン、目にも止まらぬスピードでオンバーンと持ち物を入れ替えました!』 

瑞樹『オンバーンはオボンのみを持っていたようね。対してエルフーンが持っていたのは……』 

195: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:47:54.74 ID:wUrbdyWf0
オンバーン「オンバ……!?」ズシン 

のあ「くろいてっきゅう……」 

のあ「『いたずらごころ』で先制することで、枷となるはずのアイテムをオンバーンにパスさせたのね」 

いたずらごころ 
変化技を先制で出すことができる 

のあ「それによってオンバーンの機動力を封じた、というわけ」 

杏「そう。つまり、杏が一歩リードってこと!」 

のあ「……」 

のあ「交代よ」シュゥゥ 

196: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:48:21.01 ID:wUrbdyWf0
のあ「ドラミドロ」ポン 

ドラミドロ「ドラー!」 

ドラミドロ クサモドキポケモン どく/ドラゴン 
海藻に紛れて獲物を待ち、金属を溶かすほどの毒液を吹きかける 
ドラミドロが住む海域に迷い込んだ船は二度と生きて戻れないと言われている 

恵磨『早くもオンバーンを引っ込めました!』 

瑞樹『ドラミドロもまたエルフーンと相性のいいポケモンね』 

のあ「ヘドロウェーブ」 

ドラミドロ「ドラ!」ブシャー 

197: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:48:55.38 ID:wUrbdyWf0
杏「ふふん、エルフーンの恐ろしさはこれからだよ」 

杏「みがわり!」 

エルフーン「エル!」ポン 

身代わり人形「」ドバァ 

恵磨『エルフーン、みがわりで攻撃を躱した!』 

幸子「なかなかすばしっこいですね」 

晶葉「大柄なドラゴンタイプのポケモンだと、あの動きについていくのは難しそうだな」 

198: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:49:24.48 ID:wUrbdyWf0
杏「いばる!」 

エルフーン「エル!」ドヤァ 

ドラミドロ「ド、ドラ!!」カチーン 

恵磨『ああっとドラミドロ、怒りのあまり混乱してしまったー!』 

杏「ふっふっふっ、作戦通り!」 

ドラミドロ「ドラー」ピヨピヨ 

のあ「……見定めて、ドラミドロ」 

のあ「ターゲットは目前よ」 

199: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:49:50.62 ID:wUrbdyWf0
ドラミドロ「ドラー……」バチン 

恵磨『ドラミドロ、わけもわからず自分を攻撃してしまった!』 

瑞樹『好き放題に弄ばれているわね』 

杏「チャーンス」ニヤッ 

杏「ムーンフォースだ!」 

エルフーン「エルー!」 

恵磨『エルフーン、ここで攻撃に転じる!』 

エルフーン「エル!」パァァァァァ 

ドラミドロ「ドラッ!」バシィ 

晶葉「変化技で素早く有利な場を作り、相手を翻弄する。エルフーンならではの戦い方だな」 

200: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:50:27.99 ID:wUrbdyWf0
のあ「……ヘドロウェーブ」 

ドラミドロ「ド……ドラ!」ブシャー 

杏「無駄だよー、みがわり!」 

エルフーン「エル!」ポン 

恵磨『ドラミドロ、技がなかなか決まらなーい!』 

杏「そしてムーンフォース!」 

のあ「……ならば」 

201: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:51:12.91 ID:wUrbdyWf0
のあ「ドラミドロ、空中にヘドロウェーブ」 

ドラミドロ「ド……ドラー!」ブシャー 

恵磨『おおっと、空中にヘドロを噴射した!』 

瑞樹『ヘドロウェーブは実は広範囲を攻撃できるのよね』 

恵磨『大量のヘドロが空から降ってきます!』 

杏「げげ、エルフーン!」 

エルフーン「エルー……!」 

ドバァッ 

202: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:51:43.73 ID:wUrbdyWf0
エルフーン「エルー……」バタンキュー 

恵磨『不意を突かれたエルフーンにクリーンヒットー! 戦闘不能だぁー!!』 

ワァァァァァ 

みく「やったやった、のあにゃんが先制だにゃ!」 

アナスタシア「マラヂェッツ……すごい、ですねー」 

美玲「おー、一撃で!」 

晶葉「みがわりは体力を消耗して使う技だからな。そのダメージも蓄積していたんだろう」 

卯月「でも杏ちゃんには、まだあのポケモンがいるね……!」 

203: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:52:19.58 ID:wUrbdyWf0
杏「うう、杏のオフトンが……」 

杏「くっそー、よくもー! やっちゃえフリーザー!」ポン 

フリーザー「フリー!」バッサァ 

恵磨『ここで早くもフリーザーが登場だぁ!』 

瑞樹『杏ちゃんにとっては、このフリーザーでどこまで勝ち抜けるかがカギになるわね』 

のあ「フリーザー……」 

のあ「凍てつく程のオーラなのに、どこか耽美な所作さえ潜ませている」 

のあ「……不思議な存在だわ」 


204: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:52:48.08 ID:wUrbdyWf0
のあ「ドラミドロ、交代。……オノノクス」ポン 

オノノクス「オノー!」 

オノノクス あごオノポケモン ドラゴン 
鉄骨を切りつけても刃こぼれしない頑丈なキバを持つ 
優しい性格だが縄張りを荒らす者には容赦しない 

のあ「アイアンテール」 

オノノクス「オノ!」シャキーン 

杏「躱してふぶきー!」 

フリーザー「フリー」ヒョイ 

フリーザー「フリィー!」ブォォォォォ 

205: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:53:16.45 ID:wUrbdyWf0
オノノクス「オノ!?」パキパキパキ 

恵磨『ふぶきが当たってしまった! オノノクスの体がみるみるうちに凍っていくー!』 

オノノクス「……」カチーン 

恵磨『オノノクス、氷漬けになってしまったー!』 

瑞樹『凍ってしまったらもう為す術がないわね』 

杏「ふっふっふっ、もうこうなったら杏のワンサイド・ゲームだよねー」 

のあ「……」 

206: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:53:58.95 ID:wUrbdyWf0
のあ「甘いわ」 

杏「へ?」 

シュウウー…… 

美玲「あ、オノノクスの氷が!」 

幸子「あっという間に溶けました……!」 

のあ「もともと、怒り狂うオノノクスを抑制する代物だったけれど。ここで使うことになるとはね」 

瑞樹『あれはラムのみね。本来はげきりんを使った後のこんらんを解除するために持たせていたのかしら』 

瑞樹『あえてキーのみを選ばなかったのは、こういう不測の事態に対処できるからね。わかるわ』 

207: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:54:27.62 ID:wUrbdyWf0
のあ「アイアンテールよ」 

オノノクス「オノー!」バチン 

恵磨『オノノクスの反撃の一撃が決まりました!』 

フリーザー「フリ……」 

杏「まだまだー、もっかいふぶきだ!」 

フリーザー「フリー!」 

ブォォォォォォォォ 

208: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:55:01.32 ID:wUrbdyWf0
のあ「攻撃範囲は読めているわ」 

オノノクス「オノー」ヒョイ 

恵磨『オノノクス、少しかすったものの、何とか躱した!』 

のあ「アイアンテール」 

オノノクス「オノ!」 

オノノクス「……オノ!?」 

ピキピキ…… 

209: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:55:58.30 ID:wUrbdyWf0
のあ「……なに?」 

恵磨『ああっとオノノクス、僅かだが足が凍っている! 動きが止まってしまったー!』 

杏「よっし、うまくいったな」 

杏「じゃあトドメだー!」 

フリーザー「フリー!」ブォォォォォォォ 

のあ「! げきり……」 

オノノクス「オノ!?」ビュオオオオ 

みく「ああ、間に合わなかったにゃあ……!」 

オノノクス「」カチーン 

恵磨『オノノクス戦闘不能!』 

210: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:56:40.82 ID:wUrbdyWf0
ワァァァァァ 

杏「少しかすった程度、なんて甘い考えだよねー」ドヤァ 

のあ「……そう」 

のあ「一瞬の隙も許されない、か。……ガチゴラス」ポン 

ガチゴラス「ガチ!」 

ガチゴラス ぼうくんポケモン いわ/ドラゴン 
大アゴの力は凄まじく、自動車も簡単に噛みちぎってしまう 
1億年前の世界では無敵をほこり、王様のようにふるまっていた 

瑞樹『のあちゃん、本格的にフリーザーを倒しにかかったわね』 

瑞樹『ガチゴラスはフリーザーの攻撃には耐えられなさそうだけど、それはフリーザーも同じ。つまりこのマッチはやるかやられるか……』 

211: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:57:09.20 ID:wUrbdyWf0
のあ「攻撃を受ける、躱す、相殺する。そんな複雑な駆け引きよりも」 

のあ「ただ一瞬でいい、苦しいほどの輝きを魅せて……ガチゴラス」 

のあ「もろはのずつき」 

ガチゴラス「ガチー!!」 

ドドドドドドドド 

恵磨『ガチゴラスが物凄いスピードでフリーザーに迫っているぞ!』 

杏「ラッキー、向こうから突っ込んできてくれた!」 

杏「フリーザー、ふぶきで押し返せー!」 

212: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:57:41.16 ID:wUrbdyWf0
フリーザー「フリー!」 

ブォォォォォォォォォォォォォォ 

バチィッ!! 

恵磨『ガチゴラスとふぶきが激しくせめぎ合う……!!』 

卯月「うわっ……すごい衝撃」 

晶葉「まさに力と力のぶつかり合いだな」 

美玲「伝説ポケモンに真っ向から立ち向かうなんて、かっけぇ……!」 

みく「ガチゴラスー! 押し切るにゃあー!」 

213: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:58:11.67 ID:wUrbdyWf0
フリーザー「フリ……」 

杏「ぐぐぐ……」 

杏「まさかフリーザーが押し切れないなんてね……!」 

恵磨『両者、均衡した状態が続いていますが――』 

瑞樹『いえ、僅かながらガチゴラスが押しているわ!』 

ガチゴラス「ガチ……」 

ガチゴラス「ガチゴォォォォ!!」ズズズズズ 

フリーザー「フリ!?」 

杏「うそ!?」 


ズバァァァァン 

214: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:58:40.67 ID:wUrbdyWf0
恵磨『なんと、ガチゴラスがフリーザーの攻撃を押し退けたァー!!』 

恵磨『なんというパワーでしょうか!!』 

のあ「……」 

シュウウ…… 

ガチゴラス「ガチ……」バタンキュー 

恵磨『ガチゴラスダウーン!』 

瑞樹『フリーザーは……?』 

………… 

215: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:59:23.70 ID:wUrbdyWf0


バサッ 


志希「へぇ……」 

みく「にゃあ!?」 

輝子「え、ええ……」 

卯月「あの一撃を受けても、倒れないなんて……!」 

杏「はー、耐えた……危なかった……」ハー 

杏「我ながらフリーザーの力が恐ろしいよ……」 

216: ◆7P/ioTJZG. 2019/11/29(金) 22:59:59.45 ID:wUrbdyWf0
恵磨『なんと、フリーザーはまだ耐えていたーー!!』 

瑞樹『かなり満身創痍だけどね。それにしても、ガチゴラスのあの攻撃を耐えるなんて、ね』 

恵磨『オノノクス、ガチゴラスの猛攻すらも突破するフリーザー、この怪物に敵はいるのかー!?』 

卯月(未央ちゃん……あんな強いポケモンに勝てるのかなあ) 

卯月(いや、未央ちゃんだって、今ごろ控え室でこの試合を見ているはず) 

卯月(未央ちゃんなら、きっと……) 

のあ「この力……想像を遥かに越えている」 

のあ「だからこそ、越えた先に何があるか、私は見たい」 

219: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:09:20.22 ID:WkW+OF1v0
のあ「フライゴン」ポン 

フライゴン「ゴーン!」 

フライゴン せいれいポケモン じめん/ドラゴン 
羽音が女の人の美しい歌声に似ており、砂漠の精霊と呼ばれる 
ハネの羽ばたきで砂を舞い上げるため、飛んでいる時はいつも砂嵐の中 

恵磨『続いて登場したのはフライゴンだ!』 

みく「さすがにこのフライゴンが倒されたら、いくらのあにゃんと言えど……」アタフタ 

アナスタシア「ヴィェーリチ……のあさんを、信じましょー」 

みく「アーニャちゃん……うん、そうだね!」 

220: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:09:48.22 ID:WkW+OF1v0
杏「フリーザー、まだいけるよね?」 

フリーザー「フリィ……!」 

杏「よーし、あとちょっと頑張れば休めるからなー」 

杏「ふぶき!」 

のあ「躱して」 

フライゴン「ゴン」サッ 

のあ「すなあらしよ」 

フライゴン「ゴン!」ビュォォォォ 

221: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:10:30.18 ID:WkW+OF1v0
恵磨『フィールドに砂嵐が巻き起こったー! フライゴン、この天候の中で手堅く戦うつもりでしょうか?』 

瑞樹『いえ、違うわ』 

恵磨『? ……これは……』 

恵磨『巻き起こった砂がフライゴンの周囲を囲んで……』 

ビュォォォォ 

恵磨『渦のように形を為しました! フライゴン、その中心に陣取っています!』 

のあ「フライゴン……別名、砂漠の精霊」 

のあ「野生のフライゴンも、こうして砂の竜巻で身を隠していると聞くわ」 

222: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:11:04.23 ID:WkW+OF1v0
のあ「……ねっぷう」 

フライゴン「ゴーン!」ボオオ 

杏「な、何する気?」 

恵磨『フライゴン、竜巻の中から炎を吐きました!』 

恵磨『炎が徐々に竜巻と同化していきます……!』 

ズォォォォォ 

晶葉「ほう、炎の竜巻、か」 

晶葉「これでフリーザーの攻撃を防ぐつもりなのだろう」 

223: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:11:52.36 ID:WkW+OF1v0
杏「……カンケーないね」 

杏「ふぶき!」 

フリーザー「フリィ!」ビュオォォォォ 

バチンッ 

恵磨『炎の竜巻がふぶきを阻みます!』 

杏「うっ、フリーザーが消耗してるせいでもあるけど」 

杏「思ってたより効かないなあ」 

224: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:12:44.73 ID:WkW+OF1v0
のあ「フライゴン、そのまま突撃よ」 

杏「なっ!?」 

フライゴン「ゴーン!」 

恵磨『な、なんと、フライゴンが炎の竜巻を纏って……フリーザーに飛び込んでいきます!』 

のあ「仕留める……」 

フライゴン「ゴォォォン!!」ドドドドドド 

杏「くっそー……」 

杏「あんな攻撃、フリーザーじゃなくても耐えられなさそうだ……」 

225: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:13:28.58 ID:WkW+OF1v0
杏「仕方ない、最終手段だ! フリーザー!」 

杏「ぜったいれいど!!」 

フリーザー「フリー!!」パキパキパキパキ 

恵磨『フリーザー、フライゴンにとてつもない冷気を浴びせるつもりだ!』 

恵磨『再び2匹がぶつかります……!!』 

ズドォーー……ン 

…… 

恵磨『……これは』 

226: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:14:14.98 ID:WkW+OF1v0
フライゴン「」ピキーン 

恵磨『フライゴン、竜巻ごとぜったいれいどの餌食になってしまったー!』 

フリーザー「フリ……」ズゥン 

恵磨『そしてフリーザーも戦闘不能ー!』 

恵磨『相討ち! 相討ちでーーす!!』 

ワァァァァァ 

恵磨『のあ選手、3匹が倒されましたが!』 

恵磨『この大会で初めて!! フリーザーを地に落としましたぁ!!!』 

227: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:15:10.90 ID:WkW+OF1v0
美玲「おお……」 

乃々「なんかもう、すごすぎぃ……」 

晶葉「フリーザーももちろん強かったが」 

晶葉「のあのポケモンも充分に強い。四天王の名は伊達じゃないな」 

杏「……あのさー」 

杏「なんかフリーザーさえ倒せれば、みたいな流れになってるけど……」 

杏「杏のポケモン、フリーザーだけじゃないんだからねっ! ケッキング!」ポン 

ケッキング「ケッ……」グデー 

ケッキング ものぐさポケモン ノーマル 
1日中寝そべったまま暮らすポケモン 
世界一のぐうたらだが、たまったエネルギーを一気に出すことで恐ろしいパワーを発揮する 

228: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:15:40.78 ID:WkW+OF1v0
のあ「……オンバーン」 

オンバーン「オンバー!」 

瑞樹『さっきとは一転して、スピードを失ったオンバーンと怠け者のケッキング……先が読めない展開ね』 

幸子「あのケッキングってポケモン、戦う気はあるんですかね?」 

志希「んー、あるんじゃない? 一応は」 

晶葉「ケッキングは見た目こそアレだが、どの能力もずば抜けて高いポケモンだぞ」 

幸子「ええ、想像できないですね……」 

229: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:16:06.21 ID:WkW+OF1v0
のあ「……手負い」 

のあ「そんな状況から零れ落ちる事象だってあるわ。……エアスラッシュ」 

オンバーン「オンバー!」シュッ 

ケッキング「ケッ!」スパァン 

杏「ケッキング、動けるー?」 

ケッキング「ケッ……」 

杏「ありゃ、怯んじゃったのかな」 

杏「まあいいや、気長に待とうか」 

230: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:17:03.30 ID:WkW+OF1v0
のあ「……」 

のあ「……エアスラッシュよ」 

オンバーン「オンバー!」 

ケッキング「ケッ!」スパァン 

杏「……」ジーッ 

のあ「……」 

のあ「……なぜ指示を出さない?」 

231: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:17:50.13 ID:WkW+OF1v0
杏「え?」 

のあ「まさか、フリーザーが倒されて意気消沈している、なんて言わないでしょうね」 

杏「いや、そんなこと一言も言ってないし」 

杏「この子はね、自分の好きな時に動きたいマイペースな子なんだよ。杏と一緒」 

杏「頑張るときは頑張って、寝るときは寝る!」 

杏「指示なんてあんま意味ないの。だから、こうやってのんびり待ってるってわけ」 

のあ「……」 

杏「ま、動き始めるまでに倒せるなら倒してみれば?」 

232: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:18:18.62 ID:WkW+OF1v0
のあ「……」キッ 

のあ「……ばくおんぱよ」 

オンバーン「オンバ!」ォォォォォン 

ケッキング「……」 

ケッキング「ケッ……」ノソッ 

杏「お、やっと元気になったか」 

杏「そんじゃいきますか……ギガインパクト!!」 

233: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:19:11.94 ID:WkW+OF1v0
ケッキング「ケッ!」バッ 

のあ「! オンバ――」 

ズガドォォォォォォン!!! 

恵磨『うわあっ!?』 

瑞樹『な、なんて威力……!』 

恵磨『ケッキング、油断していると見せかけてギガインパクトをお見舞いしました!!』 

オンバーン「オンバ……」キュゥゥゥ 

恵磨『オンバーン、強烈な一撃にたまらずダウンです!』 

234: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:20:10.56 ID:WkW+OF1v0
ワァァァァァ 

晶葉「あのケッキング……瞬間的な攻撃力はフリーザー以上かもな」 

美玲「は、はあ!? フリーザーですらあんなに強かったのに!?」 

茜「まさに底無しですね……!」 

ケッキング「ケッ……」 

幸子「あ、また横になりました」 

235: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:20:56.03 ID:WkW+OF1v0
杏「ふふん、やっぱ一発屋こそ最強だよねー」 

のあ「……やるわね」 

のあ「……先程よりも、強く輝いている。この意志の正体はいったい……?」 

のあ「……いえ、今は目の前に集中するのみ」 

のあ「ドラミドロ」ポン 

ドラミドロ「ドラ!」 

みく「の、のあにゃん、あと2匹しかいないにゃ……」 

アナスタシア「ダー……でものあさん、まだ諦めていない」 

みく「よーし、みく達ももっと声援を送るのにゃ! のあにゃーん!!」 

杏(こんな大勢の前でのあにゃんって呼ばれるのはどんな気持ちなんだろ……) 

236: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:21:39.81 ID:WkW+OF1v0
のあ「……その拳を無力化させれば」 

のあ「ドラミドロ、ねっとう」 

ドラミドロ「ドラ!」ブシャー 

恵磨『ドラミドロ、ねっとうを吹きかけたー!』 

ケッキング「ケッ!」ジュワァァァ 

恵磨『おおっと、しかもやけどさせたぞ!』 

瑞樹『狙い通りにいったわね。これでのあちゃんは余裕を持てるはずだわ』 

237: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:22:27.07 ID:WkW+OF1v0
杏「ありゃー、それはちょっと痛いなぁ」 

杏「熱いよね、ケッキング。おやすみー」シュゥゥ 

杏「出番だよ、クレベース!」ポン 

クレベース「クレ」 

クレベース ひょうざんポケモン こおり 
凍りついた体は鋼鉄のように硬い 
立ち塞がるものを巨体で押し潰して移動する 

のあ「ヘドロウェーブよ」 

ドラミドロ「ドラ!」ドバババ 

クレベース「クレッ!」ドバァッ 

238: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:23:12.17 ID:WkW+OF1v0
杏「こめんよクレベース、もう少し耐えて……!」 

瑞樹『杏ちゃんはこおりタイプのポケモンをもう一匹持っていたのね。のあちゃん、これでより後がなくなったわね』 

ドラミドロ「ドラ!」ブシャー 

クレベース「クレ……」 

杏「……今だ! ゆきなだれ!」 

クレベース「クレ……」 

クレベース「クレー!」ドドドド 

ドラミドロ「ドラ!?」ズドドド 

のあ「……! ドラミドロ……」 

239: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/04(水) 23:24:04.17 ID:WkW+OF1v0
ドラミドロ「ド、ドラ……」バタンキュー 

恵磨『ドラミドロ戦闘不能!』 

ワァァァァァ 

恵磨『なんと、のあ選手が追い詰められてしまった!』 

恵磨『第一試合に続いて、この試合も四天王への下克上が達成されてしまうのかーー!!』 

晶葉「おお、あの四天王を追い詰めたぞ……!」 

みく「ああ、のあにゃん……!」 

のあ「……最後まで引導を渡すつもりはないわ」キッ 

のあ「……今度こそチャンピオンになる。なってみせる」 

243: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 22:59:48.13 ID:k+nALFFO0
のあ「カイリュー」ポン 

カイリュー「カイ!」 

カイリュー ドラゴンポケモン ドラゴン/ひこう 
立派な体格で荒れ狂う海をものともせずに自由に飛び回る海の化身 
広い海のどこかにはカイリューだけが暮らす島があるらしい 

恵磨『いよいよ最後の一匹、エースのカイリューだー!』 

瑞樹『でもクレベースには相性が悪いわね。杏ちゃん、このまま逃げ切れるかしら?』 

杏「クレベース、ジャイロボールだ!」 

クレベース「クレ!」 

恵磨『クレベースが高速回転してカイリューに迫り来る!』 


244: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:00:32.23 ID:k+nALFFO0
カイリュー「カイー」サッ 

のあ「手加減しないわ。だいもんじ」 

カイリュー「カイ!!」ゴォォォォ 

クレベース「クレ!?」ボオオ 

杏「ああっクレベース!」 

杏「もー! フトンだけじゃなくベッドまで奪うつもりかー!」 

杏「倍返しだ、ゆきなだれー!」 

クレベース「クレ!」ドドドド 

245: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:01:29.69 ID:k+nALFFO0
恵磨『またしてもクレベースのカウンターが決まりました!』 

杏「よーし、どうだ!」 

カイリュー「……」パタパタ 

杏「あれ、思ったより効いてないや」 

杏「……ああそっか、カイリューといえば『マルチスケイル』だった」 

マルチスケイル 
HPが満タンのときに受けるダメージが少なくなる 

のあ「カイリュー、だいもんじ」 

246: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:02:19.98 ID:k+nALFFO0
カイリュー「カイ!」ボオオ 

クレベース「クレェ!」 

恵磨『お返しのだいもんじがクレベースを焼き尽くすー!』 

ジュゥゥゥ 

クレベース「クレ……」ドッスン 

恵磨『クレベースダウン! バトルはまだまだ終わりません!!』 

ワァァァァァ 

みく「やったにゃ! ここからリベンジ開始だにゃー!」 

アナスタシア「ダー……」 

247: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:03:03.28 ID:k+nALFFO0
杏「うう、杏もう疲れたよ、休ませて……」 

杏「カビゴン、ちゃちゃっと決めておくれー」ポン 

カビゴン「カビ……」グデー 

美玲「また寝てるポケモンが出てきた……」 

晶葉「いや、カビゴンはああ見えて目はちゃんと開いているぞ」 

志希「カビゴンかー。たしかのあにゃんのカイリューは……」 

文香「……どうかしましたか?」 

志希「ん? いやいや、何でもー」ニャフフ 

こずえ「……?」 

248: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:03:49.90 ID:k+nALFFO0
杏「カビゴン! のしかかり!」 

カビゴン「カビー!」 

カイリュー「カイー」サラッ 

卯月「それにしてもカイリュー、トレーナーの指示なしに躱すなんてすごいね」 

晶葉「ああ、よほどトレーナーと意思の疎通がなされているんだろう」 

のあ「星の輝きが、満ち足りたわ……」 

サッ 

のあ「カイリュー、りゅうせいぐん」 

249: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:04:29.75 ID:k+nALFFO0
カイリュー「カイ!」ゴォッ 

恵磨『おおっと、この試合でもりゅうせいぐんが放たれようとしています!』 

瑞樹『恵磨ちゃん、さすがに驚かなくなったわね』 

恵磨『ええ、もう何度もこの大会で経験したんで!』グッ 

カイリュー「カイ、リュー!!」 

ドドドドドドドドド 

カビゴン「!!」 

250: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:06:01.00 ID:k+nALFFO0
恵磨『カビゴンに隕石が降り注ぎます!』 

瑞樹『でもりゅうせいぐんは反動が強い技だわ。これで倒し切れなかったら……』 

カイリュー「カイ!」パァァ 

幸子「ん? カイリューが回復しました?」 

志希「あれは『しろいハーブ』だねぇ」 

しろいハーブ 
持たせたポケモンの能力が下がった時、1度だけ元の状態に戻す 

茜「ということはあのカイリューはもう一回りゅうせいぐんが放てるということですね!」 

卯月「凛ちゃんのサザンドラや未央ちゃんのボーマンダと同じレベルの技を連続で繰り出すなんて……」 

251: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:06:35.26 ID:k+nALFFO0
カビゴン「カビー」ズン 

杏「カビゴン、まだまだやれるよね!」 

杏「ヘビーボンバー!」 

カビゴン「カビー!」ズシーン 

カイリュー「カイ!」ベチャン 

のあ「……退かないわ」 

のあ「もう一度、りゅうせいぐん」 

カイリュー「カイ!」ゴオッ 

ドドドドドドドドド 

252: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:07:37.17 ID:k+nALFFO0
カビゴン「カ、カビ……!」 

志希「ありゃー、いくら特殊防御が高いカビゴンでもりゅうせいぐん二発はキツいかー」 

晶葉「だがもうしろいハーブの効果は切れた。これで耐えていれば……」 

カビゴン「……」ズズズ 

杏「よし、よく耐えたね!」キッ 

杏「星の輝きがどーとかよくわかんないけどさ」 

杏「杏はバラ色の印税生活に辿り着くまでまで負けられないんだよね!」 

杏「それに、約束したんだ」 

杏「きらりと決勝で会うって!」 

杏「いくぞ、カビゴン、渾身の――」 

卯月「カビゴン、なにを繰り出してくるの……?」 

253: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:08:15.46 ID:k+nALFFO0
杏「ねむる!!」 

卯月「あれ」ズコー 

カビゴン「カビ……」 

スヤァ 

恵磨『カビゴン、寝たーー!』 

瑞樹『いえ、ただ眠っただけじゃないわ。カビゴンの体力がみるみる回復していく……!』 

カビ「カビィ……」スヤスヤ 

のあ「……なんてこと」 

254: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:09:22.13 ID:k+nALFFO0
美玲「りゅうせいぐんのダメージがパーになっちまった……」 

杏「んじゃ、もう終わりにしますか」 

杏「四天王さん、杏に当たってしまったことが運の尽きだったね!」 

杏「カビゴン!」 

カビゴン「……」ムニャムニャ 

カビゴン「……」ノソッ 

美玲「なんだ? カビゴンが寝たまま起き上がったぞ?」 

晶葉「あれは『ねごと』だな……眠ったままで攻撃するつもりだ」 

255: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:10:15.21 ID:k+nALFFO0
カビゴン「カビー!」ズシン 

カイリュー「カ、カイ!」ベチャン 

恵磨『満身創痍で動けないカイリューにのしかかりが直撃ィー!』 

のあ「……カイリュー……」 

カイリュー「カ、カイ……!」 

カイリュー「……リュー」バターン 

恵磨『カイリュー戦闘不能! よってこの試合は……』 

恵磨『杏選手の勝利だぁぁぁぁ!!』 

ワァァァァァ 

256: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:11:40.38 ID:k+nALFFO0
恵磨『なんという、なんという大波乱! 早くも前回大会の四天王が全滅してしまったぁぁぁーー!!』 

杏「ふふん、ま、こんなもんでしょ」 

みく「そ、そんにゃあ……」 

アナスタシア「杏さん、スィーリヌイ……強かったです」 

のあ「……やはり、本物だった」 

のあ「星の輝き……しかもこの短い間にさらに強くなっていた」 

のあ「……世界にも、新しい時代が来たのかもしれないわね」 

のあ「今はまだ届かない……。それでも私は、手を伸ばし続けるわ」バッ 

のあ「……」スタスタ 

257: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:12:39.08 ID:k+nALFFO0


きらり「あーんずちゃん!」 

きらり「あんずちゃんはやっぱすごいにぃ! 四天王さんより強かったにぃ!」 

杏「ああ、ありがとー」 

杏「ま、相手も強かったけどね、杏の方が一枚上手だったってことで」ドヤァ 

きらり「うゆ!」 

きらり「それとねそれとね、杏ちゃん……」 

杏「……なに?」 

きらり「杏ちゃん、さっきの試合の時……きらりんの名前、呼んでくれてたでしょ?」 

杏「あ、そうだったっけ」 

258: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/09(月) 23:15:09.58 ID:k+nALFFO0
きらり「~~~~」ウルウル 

杏「……」ギクリ 

きらり「にょわぁあぁぁぁぁーーー!! 杏ちゃーーーん!!」 

杏「う、うわあっ!?」 

きらり「杏ちゃん、きらりんも頑張るからね~~~~!」 

きらり「ぜ~~~ったい、決勝で会おうねええ!!」 

杏「わ、わかった、わかったから離してよー」 



未央「杏ちゃん……」 

未央(フリーザーも当然強かったけど) 

未央(無傷のままだったポケモンがいた状態で、四天王を退けた) 

未央「フリーザーだけじゃない、か」 

未央「……」 

263: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:46:21.69 ID:4jVxbuGf0
恵磨『さぁ、白熱した戦いが続いた準々決勝も最終マッチを迎えました!』 

恵磨『この試合をもって、今大会のベスト4が決まります!』 

瑞樹『つまり新たな四天王が生まれるってことね。楽しみだわ』 

恵磨『まず入場するのは……』 

恵磨『加蓮選手だーー!!』 

ワァァァァァァァァァァ 

加蓮「……私、ついにここまで来たんだね」キッ 

加蓮「奈緒の分まで……頑張らなきゃ」 

264: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:47:00.71 ID:4jVxbuGf0
恵磨『そんな加蓮選手の相手は……』 

恵磨『未央選手だぁぁーー!!』 

ワァァァァァ 

未央「……」ザッ 

凛「ふー、間に合った……」 

卯月「あ、凛ちゃん!」 

晶葉「滑り込みセーフだったな。今から未央の試合だぞ」 

265: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:47:35.71 ID:4jVxbuGf0
未央「加蓮ちゃん!」 

未央「何度か会ったことはあったけど、やっとバトルできるね!」 

加蓮「ええ、そうね」 

加蓮「あなたの強さ、凛からたくさん聞いていたよ」 

加蓮「でも残念。勝つのは私なんだから!」 

未央「へへっ、そうこなくっちゃね!」 

恵磨『二人とも準備万端のようですね! それでは……』 

266: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:48:02.86 ID:4jVxbuGf0
恵磨『準々決勝・第4回戦、スタートォォォォ!!』 

未央「いくよ、ゲンガー!」ポン 

ゲンガー「ゲゲー!」 

ゲンガー シャドーポケモン ゴースト/どく 
山で遭難したとき、命を奪いに暗闇から現れることがあるという 
部屋の隅のわずかな暗がりから獲物を狙う 

加蓮「スワンナ、よろしくね」ポン 

スワンナ「スワー」 

スワンナ しらとりポケモン みず/ひこう 
夜明けとともにスワンナたちは群れで踊りはじめる 
優雅な見かけによらず、力強い羽ばたきで数千キロ飛び続けられる 

凛「未央、ゲンガーなんて持ってたんだ」 

267: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:48:44.01 ID:4jVxbuGf0
凛「そういえばゲンガーってポケモン交換の時の電力で進化するんだっけ」 

凛「誰かと協力して進化させたのかな……そう考えたら未央らしいね」 

未央「エンジン全開! シャドーボォールッ!」 

ゲンガー「ゲゲー!」ボッ 

加蓮「避けて、スワンナ!」 

スワンナ「スワー」ヒョイ 

瑞樹『二人とも最初からとってもエネルギッシュね! 私も羨ましいわ……色々と』 

恵磨『えーと、瑞樹さん?』 

瑞樹『あら、ごめんなさいね』 

268: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:49:38.72 ID:4jVxbuGf0
加蓮「スワンナ、なみのり!」 

スワンナ「スワー!」ザバババ 

未央「うーん、これは避けれそうにないか」 

未央「だったらシャドーボール!」 

ゲンガー「ゲゲッ!」 

バシィッ 

恵磨『ゲンガー、なみのりを打ち破った!』 

加蓮「やるね……!」 

未央「そっちこそ!」 

269: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:50:12.57 ID:4jVxbuGf0
未央「ヘドロばくだん!」 

ゲンガー「ゲゲ!」ドバァーッ 

スワンナ「スワッ!」ドバァ 

恵磨『まず攻撃を喰らったのは加蓮選手のスワンナだ!』 

スワンナ「スワー……」ドクドク 

加蓮「ああっ、毒を浴びちゃった……!」 

加蓮「ここは一旦はねやすめ!」 

270: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:50:47.30 ID:4jVxbuGf0
スワンナ「スワー!」ストッ 

瑞樹『加蓮ちゃん、手堅く回復してきたわね』 

未央(はねやすめ……! なるほど、覚えておこう) 

未央「攻めまくるよ、ゲンガー! シャドーボール!」 

ゲンガー「ゲゲー!」ボッ 

恵磨『回復中のスワンナにまたもダメ押しの一撃だ!』 

凛「今のところ、攻撃力も機動力も未央が勝ってるね」 

卯月「そうだね、このまま押し切りたいところだけど」 

晶葉「はねやすめの回復量をどう克服していくかがカギだな」 

271: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:51:37.94 ID:4jVxbuGf0
未央「シャドーボール!」 

加蓮「来るよスワンナ、はねやすめ!」 

未央「……と見せかけて、ギガドレイン!」 

ゲンガー「ゲゲー!」バリバリ 

スワンナ「スワ!?」バリィッ 

加蓮「うそっ!?」 

瑞樹『うまいわね。恐れずダメージを与え続けて、はねやすめのタイミングを待っていたのね』 

瑞樹『加蓮ちゃんとしては、はねやすめを早くに見せてしまったことが裏目に出たわね』 

272: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:52:29.04 ID:4jVxbuGf0
スワンナ「スワー……」バタッ 

恵磨『スワンナダウーン! まずは未央選手が先制!!』 

凛「しかもギガドレインで体力も回復できたね」 

未央「よーし!」 

加蓮「うう、ごめんねスワンナ……」 

加蓮「サーナイト!」ポン 

サーナイト「サー!」 

恵磨『加蓮選手、序盤にしてエースのサーナイトが登場だ!』 

273: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:53:25.05 ID:4jVxbuGf0
加蓮「ムーンフォース!」 

サーナイト「サー!」パァァァァ 

未央「シャドーボールで対抗!」 

ゲンガー「ゲゲー!」ボッ 

バシィッ! 

サーナイト「サー……」 

ゲンガー「ゲゲ……」ヨロッ 

恵磨『これは両者ともに痛いダメージを負ってしまった!』 

瑞樹『でも防御の面ではサーナイトの方が一枚上手ね。僅かだけど、サーナイトに分があると思えるわ』

274: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:53:52.89 ID:4jVxbuGf0
未央「ゲンガー、まだいける?」 

ゲンガー「……!」キッ 

未央「よーし! もっかいシャドーボールだー!」 

加蓮「サイコキネシス!」 

サーナイト「サー!」パッ 

美玲「ああ、シャドーボールが止められた!」 

275: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:55:01.01 ID:4jVxbuGf0
加蓮「お返しよ!」 

サーナイト「サー!」ズドン 

ゲンガー「ゲゲー!」ズバン 

未央「ああ、ゲンガー!」 

ゲンガー「ゲー……」バタンキュー 

恵磨『ゲンガーダウーン!! 加蓮選手、すぐさま追いつきました!!』 

ワァァァァァァァァァァ 

276: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:56:29.42 ID:4jVxbuGf0
未央「くっそー、やるなー加蓮!」 

未央「エース対決なら負けないよ! ジュカイン!」ポン 

ジュカイン「ジュカ!」 

瑞樹『未央ちゃんも早い段階でエースを出してきたわね』 

未央「リーフブレード!」 

加蓮「エース対決ね……」 

加蓮「悪いけど、それは後でね! 交代!」シュゥゥ 

未央「ありゃ?」 

加蓮「ウインディ!」ポン 

ウインディ「ディー!」 

ウインディ でんせつポケモン ほのお 
体内で燃え盛る炎をエネルギーに大地を駆ける 
威風堂々とした姿は古くから人々の心を虜にしてきた 

277: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:57:03.50 ID:4jVxbuGf0
晶葉「相性のいいウインディを出してきたか」 

志希「エース対決まで持ちこたえられるかなー?」ニャフフ 

未央「ウインディかー、ならこっちも交代だね!」シュゥゥ 

未央「いけー、トドゼルガ!」ポン 

トドゼルガ「トドー!」 

トドゼルガ こおりわりポケモン こおり/みず 
大きなキバで氷山を砕きながら氷点下の海を泳ぎ回る 
厚い脂肪は寒さだけでなく敵の攻撃もはね返す 

278: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:57:34.41 ID:4jVxbuGf0
凛「なるほど、未央の残りの2匹はトドゼルガとゲンガーか」 

卯月「トドゼルガの進化前のタマザラシって、たしかレオン島の海岸に住んでいるんだって」 

卯月「未央ちゃん、あんな所まで冒険していたんだね」 

乃々「あ、あんな寒いところに行くとか、むーりぃ……」ガクブル 

加蓮「ウインディ、フレアドライブ!」 

ウインディ「ディー!」ゴォォォォォ 

未央「受けきれるよね、トドゼルガ!」 

トドゼルガ「トドー!」ズドン 

279: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:58:20.58 ID:4jVxbuGf0
加蓮「えっ、フレアドライブを受け止めた!?」 

トドゼルガ「トド!」バシッ 

ウインディ「ディー……!」ズザーッ 

恵磨『トドゼルガ、『あついしぼう』でウインディの攻撃を凌いだ!』 

あついしぼう 
自分が受けるほのおタイプ・こおりタイプの技の威力が半減する 

未央「よーし、かかったね! トドゼルガ、アンコール!」 

トドゼルガ「トドー!」パチパチパチ 

ウインディ「ディ!?」 

280: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:59:15.60 ID:4jVxbuGf0
恵磨『ああっと、アンコールを受けてしまいました!』 

瑞樹『しばらくの間、同じ技しか出せなくなる技ね』 

瑞樹『フレアドライブは相性も悪いし反動のダメージもあるし、これは痛いわね』 

加蓮「くっ……交代――」 

未央「させないよ、とおせんぼう!」 

トドゼルガ「トド!」トーセンボー 

ウインディ「ディ……!?」 

恵磨『しかも交代まで防がれました!』 

晶葉「あのトドゼルガ、なかなかに芸達者だな」 

281: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 01:59:48.78 ID:4jVxbuGf0
未央「さあ、トドゼルガともっと遊ぼうよ!」 

加蓮「くぅ……!」ギリギリ 

加蓮「もう許さないからね! フレアドライブ!」 

ウインディ「ディー!!」ゴォォォォォ 

未央「効かないよ! トドゼルガ!」 

トドゼルガ「トドー」ボヨーン 

未央「しおみずだー!」 

トドゼルガ「トドー!」ブシュゥ 

282: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 02:00:29.00 ID:4jVxbuGf0
ウインディ「ディ!!」バシャァ 

加蓮「ああ、ウインディ!」 

卯月「加蓮ちゃん、一方的に攻撃されてるね」 

凛「うん、あのトドゼルガ……かなり厄介だね」 

未央「まだまだー!」 

トドゼルガ「トド!」ブシュゥ 

加蓮「ウインディ、躱して!」 

ウインディ「ディ……」ヨロッ 

283: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 02:01:23.50 ID:4jVxbuGf0
加蓮「! 傷口が沁みて……!」 

ウインディ「ディー!」バシャァ 

恵磨『加蓮選手、依然不利な状況が続いています!』 

ウインディ「……ディ?」パチッ 

加蓮「よし、アンコールの効果が切れた!」 

加蓮「かみなりのキバ!」 

ウインディ「ディー!」バリバリ 

トドゼルガ「トド!?」ガブー 

幸子「おおっ、反撃開始ですね!」 

284: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 02:02:07.23 ID:4jVxbuGf0
未央「うーん、アンコールが切れるの、思ったより早かったなー」 

未央「トドゼルガ、しおみず!」 

トドゼルガ「ト、トド……」ビリビリ 

未央「ありゃ!?」 

加蓮「よし、マヒさせた!」 

加蓮「お返しだよ! きしかいせい!!」 

ウインディ「ディー……」コォォォォ 

ウインディ「ディー!」バシーン 

285: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 02:02:49.23 ID:4jVxbuGf0
トドゼルガ「トド!」 

未央「ト、トドゼルガ!」 

トドゼルガ「トドー」バタンキュー 

恵磨『トドゼルガ、きしかいせいの一発でダウンです!』 

瑞樹『きしかいせいは体力が少ないほど威力の上がる技ね』 

瑞樹『未央ちゃんもまさかこの攻撃が来るとは思っていなかったでしょう』 

未央「ああー、こりゃ一本取られちゃったなあ」 

未央「でもまだまだ! エレザード!」ポン 

エレザード「エレー!」 

286: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 02:03:21.89 ID:4jVxbuGf0
加蓮「でんき・ノーマルタイプなら、もう一度きしかいせいで!」 

未央「そうはいかないよ! エレザード、そうでん!」 

エレザード「エレ!」バリッ 

ウインディ「ディ!?」バリバリ 

バシーン 

エレザード「エレ!」ズザッ 

加蓮「な、効果抜群のはずなのに!?」 

287: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/14(土) 02:04:11.11 ID:4jVxbuGf0
未央「ふっふっふ、そうでんを受けたポケモンの技はぜーんぶでんきタイプになってしまうのだ!」 

未央「そしてかみなりでお仕舞いだー!」 

エレザード「エレー!!」バリバリ 

ウインディ「ディー!!」 

ウインディ「ディ……」ズシン 

恵磨『ウインディ、戦闘不能です!』 

ワァァァァァァァ 

加蓮「やってくれたね……! エビワラー!」ポン 

エビワラー「エビ!」シュタッ 

エビワラー パンチポケモン かくとう 
プロボクサーの魂が乗り移っているポケモン 
腕をねじりながら繰り出すパンチはコンクリートも粉砕する 

290: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:27:13.75 ID:X85yV2jE0
未央「お、エビワラーか! ということは――」 

カタカタ 

未央「……うん、そうだよね!」 

加蓮「エビワラー、じならし!」 

未央「の前に交代だー!」シュゥゥン 

未央「カポエラー!」ポン 

カポエラー「カポ!」 

カポエラー「……カポッ」グラッ 

291: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:28:05.35 ID:X85yV2jE0
恵磨『交代で出てきたカポエラーにじならしがヒット! 足元を掬われました!』 

晶葉「なるほど、エビワラーにカポエラー、どちらもバルキーから進化したポケモンだな」 

卯月「未央ちゃん、相性のいいボーマンダは出してこなかったね」 

凛「うん。未央のことだから、相性よりもカポエラーの意思を尊重したんだね」 

エビワラー「……」キッ 

加蓮「うん、気持ちはすごく分かるよ、エビワラー」 

加蓮「信じてる……!」 

カポエラー「……」キッ 

292: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:28:35.78 ID:X85yV2jE0
未央「やっちゃえカポエラー! まわしげり!」 

加蓮「スカイアッパー!」 

カポエラー「カポー!」 

エビワラー「エビー!」 

ズバンッ 

恵磨『両者、同時に動き出しました!』 

瑞樹『威力はどちらも互角ね……!』 

未央「もう一回まわしげりー!」 

293: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:29:06.16 ID:X85yV2jE0
加蓮「エビワラー、みきり!」 

エビワラー「エビ」キラーン 

カポエラー「カポッ!?」スカッ 

加蓮「よし、スカイアッパー!」 

エビワラー「エビー!」ズガン 

未央「カポエラー!」 

カポエラー「カポー……」ズザザ 

未央「よし、まだまだ!」 

294: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:29:35.75 ID:X85yV2jE0
加蓮「何度来ても同じだよ! みきり!」 

未央「フェイント!」 

カポエラー「カポ!」ヨロッ 

カポエラー「カポー!」バシー 

エビワラー「エビッ!?」 

未央「よし、まわしげり!」 

加蓮「くっ、スカイアッパー!」 

バシンッ バシンッ 

295: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:30:09.27 ID:X85yV2jE0
美玲「おおー……!」 

輝子「フヒ……どっちもヒャッハーしてるな……」 

凛「意地と意地の張り合いだね」 

凛(まゆと戦ったときの私もあんな感じだったんだろうか) 

凛(……そういえば蘭子もイーブイの進化系を持っているって言ってたな) 

カポエラー「カポー……」ゼーゼー 

エビワラー「エビ……」ゼーゼー 

296: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:30:43.37 ID:X85yV2jE0
加蓮「次が、最後の攻撃……」 

未央「だね! カポエラー、まわしげり!」 

加蓮「エビワラー、スカイアッパー!」 

カポエラー「カポー!!」グルグル 

エビワラー「エビー!!」ドドドド 

ドガァッ!! 

加蓮「エビワラー……!」 

エビワラー「エビ……」 

エビワラー「……!」バタッ 

カポエラー「カポ……」ヨロヨロ 

297: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:31:19.39 ID:X85yV2jE0
恵磨『先にダウンしたのはエビワラーだーー! 激しい攻防はカポエラーが制しました!!』 

ワァァァァァァァ 

未央「よし、頑張ったね、カポエラー!」 

未央「とはいえもう戦えないか……戻って!」 

加蓮「さすがだね、未央」 

加蓮「お願い、ランクルス!」ポン 

ランクルス「クルー!」 

ランクルス ぞうふくポケモン エスパー 
特殊な液体で作られた腕は岩を握りつぶす 
仲間同士で握手するとサイコパワーが増幅する 

298: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:31:45.99 ID:X85yV2jE0
未央「エレザード!」ポン 

エレザード「エレー!」 

未央「ランクルス……特殊防御が高そうだけど」 

未央「攻める! かみなり!」 

加蓮「ランクルス、本気でいくよ! きあいだま!」 

ランクルス「クルー!」バシュッ 

未央「! 避けて!」 

ランクルス「クルー!!」 

299: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:32:15.86 ID:X85yV2jE0
エレザード「エレ!?」ドゴォッ 

恵磨『あーっと、きあいだまがクリーンヒット!』 

瑞樹『ランクルスは『いのちのたま』を持っているわね』 

瑞樹『あの攻撃力、大会でもトップクラスかも』 

いのちのたま 
持たせると攻撃するたび体力が減るが、技の威力が上がる 

未央「避けきれないなら……エレザード! かみなり!」 

エレザード「エレー!」バリバリ 

300: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:32:44.45 ID:X85yV2jE0
ランクルス「クルー!」ドォォォォォン 

未央(うん、見た目通りそんなに素早くないみたいだ) 

未央(ここはエレザードのスピードで翻弄する!) 

加蓮「サイコキネシス!」 

未央「エレザード、躱して!」 

エレザード「エレ!」ヒョイ 

未央「当たらなきゃどうってことないね! かみなり!」 

301: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:33:15.61 ID:X85yV2jE0
エレザード「エレー!」バリバリ 

ランクルス「クルー……!」 

加蓮「きあいだま!」 

未央「躱して!」 

エレザード「エレー」ヒョイ 

未央(かみなりもたくさん撃ったし、エレザードの動きも鈍くなってきた) 

未央(なら……) 

302: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:34:02.16 ID:X85yV2jE0
未央「エレザード、上に跳んで!」 

エレザード「エレー!」ヒョーイ 

恵磨『エレザード、ランクルスの頭上に回った!』 

未央(きっとエレザードでランクルスを突破するのは難しいから……) 

未央「ドラゴンテール!」 

加蓮「チャンス、きあいだま!」 

ランクルス「クルー!!」バシュゥ 

303: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:34:39.74 ID:X85yV2jE0
ランクルス「クルッ……」ドッ 

エレザード「エレー…!」ズドォン 

恵磨『お互いに技がヒットしました!』 

エレザード「エレー」バタンキュー 

ランクルス「クルー……!」シュゥゥン 

恵磨『エレザードダウン! そしてランクルスはボールに戻っていきました!』 

瑞樹『土壇場で相手を強制的に交代させるドラゴンテールを当てられたわね』 

304: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:35:16.86 ID:X85yV2jE0
卯月「二人ともいい勝負だね」 

凛「うん、でも」 

凛「未央の方が余裕があるように見えるね」 

未央「……」 

未央(加蓮が次に出してくるのはサーナイトかもう一匹のポケモン) 

未央(でもさっき言ったみたいにエース対決を望んでいるなら、サーナイトはまだ温存してくるはず) 

未央(ここはボーマンダがベターかな…?) 

未央「ボーマンダ!」ポン 

ボーマンダ「ボー!」 

305: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:35:56.60 ID:X85yV2jE0
加蓮「デンリュウ!」ポン 

デンリュウ「デーン!」 

デンリュウ ライトポケモン でんき 
明るく輝くシッポは船乗りたちの道しるべ 
遠い地方には灯台の灯りを灯し続けるデンリュウがいるらしい 

未央(デンリュウかあ。『せいでんき』があるしドラゴンクローで攻めるのは怖いかも……) 

未央「――いいや、ビビるのはちゃんみおらしくないねっ! ドラゴンクロー!」 

ボーマンダ「ボー!」ズバッ 

恵磨『まずはボーマンダが素早く先制!』 

306: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:36:26.25 ID:X85yV2jE0
加蓮「デンリュウ、りゅうのはどう!」 

デンリュウ「デーン!」バババ 

未央「躱して!」 

ボーマンダ「ボー!」サッ 

未央「ふー危ない危ない……」 

加蓮「パワージェム!」 

未央「おっとボーマンダ! ストーンエッジだよ!」 

ボーマンダ「ボー!」ドゴォッ 

307: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:37:01.09 ID:X85yV2jE0
恵磨『ボーマンダ、目の前にストーンエッジを撃つことで岩の壁を作りました!』 

瑞樹『相手の攻撃を防ぐだけじゃなく、相殺したときの目眩ませにも使うつもりね。うまいわ』 

シューー…… 

バシュッ 

未央「ボーマンダ! かみなりのキバ!」 

ボーマンダ「ボー!」 

デンリュウ「デ、デーン!」ガブー 

308: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:37:36.37 ID:X85yV2jE0
美玲「え、ここででんき技かよ!?」 

乃々「な、なんで……?」 

志希「まーまー、見てればわかるって♪」 

加蓮「その程度の攻撃で……デンリュウ!」 

デンリュウ「デ、デン!?」ビクゥ 

加蓮「な、怯んでる!?」 

未央「隙ありー! ボーマンダ、ドラゴンクロー!」 

309: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:38:12.08 ID:X85yV2jE0
ボーマンダ「ボー!!」 

加蓮「デンリュウ、かみなり!」 

デンリュウ「デーン!」ズバッ 

ボーマンダ「ボー!」バリバリバリ 

デンリュウ「デ……デーン」バタンキュー 

恵磨『デンリュウダウーーン!!』 

瑞樹『急所に当たったみたいね。加蓮ちゃん、これは想定外のダメージだったんじゃないかしら』 

未央(よし、りゅうせいぐんを温存できた! これでランクルスも突破できれば……) 

310: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:39:05.28 ID:X85yV2jE0
加蓮(くっ……追い詰められてきた……!) 

加蓮(ううん、でもまだ勝機はある) 

加蓮(絶対に勝つ。勝って……凛のところへ行くんだ) 

加蓮「サーナイト!」ポン 

サーナイト「サナ!」 

未央「へっ!?」 

未央「ってそりゃそうか、相性いいからそりゃサーナイト出してくるよね」 

未央「あちゃー……りゅうせいぐん、出し惜しみしちゃったなあ……」 

311: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:39:37.36 ID:X85yV2jE0
未央「ま、仕方ないよね! ボーマンダ、戻って!」シュゥゥ 

未央「エースにはエースだ、ジュカイン!」ポン 

ジュカイン「ジュカ!」 

瑞樹『ここで改めてのエース対決ね』 

未央(ここは様子見で……) 

未央「ジュカイン、リーフブレード!」 

ジュカイン「ジュカ!」 

312: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:40:22.68 ID:X85yV2jE0
加蓮「リフレクター!」 

サーナイト「サー!」パァァァ 

ジュカイン「ジュカッ!」ガキッ 

茜「手堅く守りを固めてきましたね!」 

卯月「リーフブレード以上に有効な技がなかったら、未央が一気に不利になっちゃうね」 

凛「いや……未央はまだ何か隠し持ってる」 

志希「そうだよねー、ジョーカーは出すタイミングが大事だもんねー」ニャフフ 

313: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:41:02.65 ID:X85yV2jE0
未央(ジュカインがサーナイトに有効な技はアイアンテールだけ) 

未央(でもいきなりアイアンテールを見せちゃうと向こうも警戒してくるだろうし、ここは様子見していて正解だった) 

未央(加蓮はその場凌ぎで動くタイプっぽいから、油断させて一撃で決める!) 

未央「ジュカイン、リフレクターが切れるまで粘るよ!」 

未央「リーフブレード!」 

加蓮「ムーンフォース!」 

ジュカイン「ジュカ!」ガキッ 

サーナイト「サナー!」パァァァ 

ジュカイン「ジュカ!!」ビビビ 

314: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:41:31.49 ID:X85yV2jE0
加蓮「よし!」 

未央「くっ……これは避け続けた方がいいかも」 

未央「ジュカイン、とにかく走り回るよ!」 

ジュカイン「ジュカ!」ダッ 

恵磨『ジュカイン、フィールド外周をグルグルと回っています!』 

加蓮「サーナイト! よく狙って!」 

サーナイト「サナー……」パァァァ 

加蓮「ムーンフォース!」 

315: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:42:06.68 ID:X85yV2jE0
未央「ジュカイン、回れ右!」 

ジュカイン「ジュカ!」クルー 

スカッ 

加蓮「あーもう、ちょこまかとー!」 

加蓮「サイコキネシス!」 

未央「リーフブレード!」 

ジュカイン「ジュカ!」バシィ 

恵磨『未央選手、的確な指示で攻撃を躱し続けています!』 

316: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:42:46.34 ID:X85yV2jE0
加蓮「やっぱり、リフレクターが切れる瞬間を待ってるみたいだね……」 

加蓮(それでも、ダメージは積もっていってるはず。ジリ貧だけどこのまま攻め続ければ……!) 

パッ 

卯月「リフレクターが切れた……!」 

未央「今だ! ジュカイン!」 

ジュカイン「ジュカ!」 

加蓮「やっぱりね! リフレク――」 

317: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:43:34.69 ID:X85yV2jE0
未央「アイアンテール!」 

ジュカイン「ジュカ!」シャキーン 

サーナイト「サナ!!」バシィン 

加蓮「なっ!?」 

幸子「おお、ジュカインってあんなに早く動けたんですか!?」 

晶葉「いや、あれがジュカインの本来のスピードだ」 

美玲「ええっ? ってことは、さっきまでずっと手加減しながら走り回ってたのか?」 

凛「そういうことだね」 

凛「私たちは今まで外周を走り回っていたジュカインが、勝手に最高速度で動いていると思い込んでいたんだ」 

志希「ニャフフ、錯覚ってやつだねぇ」 

318: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:44:09.59 ID:X85yV2jE0
サーナイト「サナー……!」ズザーッ 

加蓮「そんな、サーナイト……!」 

恵磨『サーナイト、万事休すか!?』 

未央「よし、トドメだよジュカイン!」 

加蓮「……」 

加蓮「ごめんね、サーナイト」 

319: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/22(日) 22:45:48.55 ID:X85yV2jE0

加蓮「いやしのねがい!!」 


サーナイト「サナ……」 

サーナイト「サナー――」パァァァ 

未央「へ!?」 

恵磨『おっと!?』 

サーナイト「……」パタリ 

恵磨『サーナイトが自らの技で力尽きてしまった!?』 

加蓮「ただ倒れたんじゃないよ……サーナイトは未来に託してくれた」 

加蓮「だから絶対に、最後まで諦めない……!」 

加蓮「勝つのは私なんだから!!」 

322: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:16:21.96 ID:pmNvb2h60
加蓮「頑張って、ランクルス!」ポン 

ランクルス「クルー!」 

キラキラ 

恵磨『こ、これは! いやしのねがいの効果で、ランクルスの体力がみるみる回復していく!』 

未央「なっ……」 

凛(加蓮は多分これを使うのを待っていたんだろうね) 

凛(ボーマンダに対してサーナイトを出したのはもちろん相性もあるけど、次に出るランクルスを万全の状態で送り出すため) 

凛(サーナイトがエースとは言いつつも、最初からランクルスに託すつもりだったんだ) 

323: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:17:35.32 ID:pmNvb2h60
加蓮「ランクルス! サイコキネシス!」 

ランクルス「クルー!!」 

未央「来るよジュカイン、躱して!」 

加蓮「ジュカインのトップスピードは読めてるよ!」 

ランクルス「クルー!」 

ジュカイン「ジュカッ!」バシィン 

324: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:18:14.98 ID:pmNvb2h60
恵磨『サイコキネシスがヒット! しかもいのちのたまで強化されています!』 

恵磨『加蓮選手、まだまだ諦めません!!』 

瑞樹『手持ちの数だと差があるように見えるけど、未央ちゃんは3匹とも既に手負いね』 

瑞樹『それにランクルスのあの火力だと、持ちこたえ続けるのは厳しそうだわ』 

未央「くっ……」 

未央(お願いジュカイン……もう少し耐えて……!) 

ジュカイン「ジュカ……」ヨロッ 

加蓮「あたしは――」 

325: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:18:59.27 ID:pmNvb2h60
加蓮「あたし達はこんなところで終わらない!」 

ランクルス「クルゥゥゥ!!」 

未央「……へへっ」 

未央「それはちゃんみおだって同じだぁーー!!」 

未央「今だジュカイン! 最大パワーで、ハードプラント!!」 

ジュカイン「ジュカ……」 

ジュカイン「ジュカァァァァ!!」 

326: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:20:07.59 ID:pmNvb2h60
加蓮「ランクルス!」 

ランクルス「クル――」 

ドドドドドドドドドドドド 

恵磨『こ、これは!』 

恵磨『ものすごい威力のハードプラントがランクルスを襲うーーー!!』 

凛「あれが……ジュカインの究極技……」 

卯月「すごい……バトルライブで見たとき以上だ……!」 

シュゥゥ 

加蓮「! ラ、ランクルス……!」 

ランクルス「クルー……」バタンキュー 

327: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:21:38.47 ID:pmNvb2h60
恵磨『ランクルス戦闘不能!』 

恵磨『最後にベスト4入りを決めたのは……未央選手だぁぁぁーーー!!!』 

ワァァァァァァァァァァ 

卯月「未央ちゃん!」 

凛「うん、さすがだね」 

凛(あのパワーの源、きっと『しんりょく』の効果もあっただろうけど) 

凛(未央はそれに加えて『ヤタピのみ』を持たせていたんだね) 

ヤタピのみ 
ピンチになると特殊攻撃の威力が上がる 

328: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:22:46.78 ID:pmNvb2h60
凛(たまたま未央にあげていたきのみ、上手く使えたみたいだね) 

加蓮「……」 

未央「ふー。加蓮、すごく強かったね!」 

未央「まさかちゃんみおがあんなに苦戦するとは――」 

加蓮「……」クルッ 

加蓮「……」スタスタ 

未央「あ、あれー。加蓮ー?」 

未央「拗ねちゃったのかなぁ」 

329: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:23:35.63 ID:pmNvb2h60
恵磨『今一度、白熱のバトルを見せてくれた準々決勝出場者8名に、大きな拍手をお送りください!!』 

パチパチパチパチ 

恵磨『さあ、瑞樹さん! これで今大会のベスト4、つまり今年の四天王候補が出揃いましたね!』 

瑞樹『ええ。あとはチャンピオンの蘭子ちゃん次第ね』 

瑞樹『今年は全員が初出場……時代の移り変わりを感じるわね。さて、チャンピオンへの切符を掴むのは誰かしら?』 

恵磨『これにて準々決勝が終わりました! 明後日からはいよいよ準決勝となります!!』 

ワァァァァァァァァァァ 


330: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:24:48.66 ID:pmNvb2h60
幸子「はあー、これでもまだ準々決勝なんですか」 

志希「そうだよー、これからもっとすごい勝負を見せてくれるんだよ! 主に凛ちゃんが!」 

晶葉「やめんか」 

美玲「ポケモンリーグってすげえな! うちもいつかは……」 

文香「……とても、心が揺さぶられる一戦ばかりでした」 

こずえ「……うん、すごかったー」 

晶葉「準決勝の組み合わせは――」 

晶葉「凛ときらり、そして杏と未央の対戦か」 

331: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:25:24.36 ID:pmNvb2h60
卯月「まずは凛ちゃんだね! 頑張って!」 

茜「私も応援していますぞ!」 

乃々「も、もりくぼも応援してます……」 

凛「うん、ありがとう。……」 

凛(……)クルッ 

凛(加蓮……大丈夫かな?) 


332: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:25:52.84 ID:pmNvb2h60


その日の夜 宿舎 

凛(……ここかな) 

コンコン 

??「はい」 

凛「凛だよ。入っていい?」 

??「ああ、凛か……いいよ」 

凛「それじゃ」 

333: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:26:23.65 ID:pmNvb2h60
カチャ 

凛「お邪魔します」 

奈緒「おう」 

奈緒「何というか……お疲れ」 

加蓮「凛……」 

凛「何だ、加蓮もいたんだ」 

加蓮「うん、ちょっと眠れなくて、ね」 

334: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:27:12.65 ID:pmNvb2h60
奈緒「そうそう。二人でポテト食ってたんだ」 

奈緒「凛もどうだ? コンソメとチーズがあるけど」 

凛「いや、私はいいよ」 

奈緒「そっか。それで、こんな夜中にどうしたんだ?」 

凛「試合が終わってから話しかけられなかったからね。一声かけたいなって思って」 

凛「……奈緒も加蓮も、すごく強かった。本当にここまで急ピッチで来たのかって思うぐらい」 

奈緒「へへ、いーよ、そういうフォローは。何か照れ臭いし」 

335: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:27:49.55 ID:pmNvb2h60
奈緒「あーあ、凛ともう一回戦いたかったなぁ」 

奈緒「……なんて」 

加蓮「あたしも」 

加蓮「凛のこと、追いかけてばかりだった。今度こそ追い抜いてやろうと思ったのに」 

加蓮「追い抜くどころか、どんどん差を付けられちゃったね」 

凛「ううん、そんなことないよ」 

凛「今日、二人の試合を見て思ったんだ」 

凛「二人とも、この先もっともっと強くなるって気がした」 

336: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:28:40.41 ID:pmNvb2h60
凛「二人とも負けず嫌いじゃん。だから、その……心配になって」 

奈緒「なーんだ、そんなことか!」 

凛「?」 

奈緒「そういうことならちょーっと来るのが遅かったなあ。もう少し早くに来てれば加蓮の泣きじゃくる姿が見れたのに」 

加蓮「ちょっと、奈緒ッ!」カァッ 

凛(……本当だ。加蓮は若干目が赤い) 

奈緒「あたしたちだって……本当は死ぬほど悔しいよ」 

337: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:29:31.76 ID:pmNvb2h60
奈緒「でも、きっと凛も、こんなに悔しい思いを何度も経験して、それでもずっと立ち上がり続けてきたと思うんだ」 

加蓮「まあ、実際に苦労してきたかどうかは見たことないからわかんないけどね」 

加蓮「あたしも奈緒も、凛を倒すって目標に目が行き過ぎて、目の前のことが疎かになってたのかも」 

加蓮「だから、負けはしたけど、いい経験になったな、って、今は思える」 

凛「……そう」 

凛「ふふっ、じゃあ大丈夫そうだね。お節介だったかな」 

加蓮「ええ、それはもう!」 

奈緒「ったく、素直じゃないんだから……」 

338: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:30:05.62 ID:pmNvb2h60
奈緒「ありがとな、凛」 

凛「ううん、どういたしまして」 

奈緒「あたしの分まで、きらりに勝ってくれよな!」 

加蓮「あたしたちも応援しに行くから!」 

凛「うん。……頑張るよ」 

凛「じゃあ、夜遅くにごめんね。おやすみ」 

339: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:30:52.53 ID:pmNvb2h60
奈緒「おう、おやすみー」 

加蓮「おやすみー」 

ガチャン 


奈緒「……行ったかな」 

奈緒「……」 

奈緒「……ちくしょう」グスン 

奈緒「……泣かないって、決めてたのに……」 

340: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/25(水) 01:31:49.41 ID:pmNvb2h60
加蓮「奈緒……」 

奈緒「……はは」 

奈緒「本当に……お節介な奴だぜ……」グスッグスッ 

奈緒「加蓮……」ポロポロ 

加蓮「奈緒……ね、あたしも、今は泣いていい?」グスッ 

加蓮「見せない涙があっても……いいよね……」 

343: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:36:02.34 ID:nH+zBC0J0
サイドストーリー「双翼の覇王妃」 



少し前…… 

日菜子『しかし……蘭子ちゃんがこの街に来ているとは思いませんでした。いったいどうして?』 

蘭子『頂点に立ちし後より、私は再びこの母なる大地を巡り、魔力を蓄えていたのだ。この街を訪れたのは、運命の女神の悪戯か……』 


……………中略…………… 


蘭子「クク……いつか汝と相対すその刻が待ち遠しいわ……!」 

蘭子「では、闇に飲まれよ!」バッ 

344: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:36:38.07 ID:nH+zBC0J0

ミズタニやま 頂上 


リザードン「リザー」バサッ 

蘭子「感謝する、我が相棒よ」スタッ 

蘭子「さて……」 

蘭子「相変わらず視界が悪いな、ここは」 

ヒュォォ 

蘭子「我が友、飛鳥よ。久しいな」 

345: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:37:07.67 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「おっと……誰かと思えば。青天の霹靂、だな」 

飛鳥「久しぶりだな、蘭子。たしか……ポケモンリーグに挑む直前、以来だったか」 

蘭子「ええ、そうね」 

蘭子「気高き魂が集うあの場所で、私は頂点の玉座に辿り着いたわ」 
  (私ね、チャンピオンになったの!) 

飛鳥「……! そうか、あの蘭子が……」 

飛鳥「遂に黄金の冠を手にしたんだな」 

蘭子「い、いやあー、黄金の冠なんて、そんなぁー」 

蘭子「っていけないいけない」 

346: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:37:39.66 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「わざわざボクに報せを届けに来てくれたんだね、感謝するよ」 

飛鳥「でも、こんな辺鄙な所を訪ねて来たんだ、目的はそれだけじゃないだろう?」 

蘭子「ええ、さすがは我が友。瞳の奥の意思までも見通すか」 
  (飛鳥ちゃんは何でもお見通しね!) 

蘭子「飛鳥……頂点に立ちし後より、我は再びこの母なる大地を巡り、魔力を蓄えている最中だ」 

蘭子「そこで」 

蘭子「今一度、頂点を極めし王者として、貴方に決闘を申し出る!」ババァン 

347: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:38:17.82 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「……!」 

飛鳥「……ふっ、いいだろう」 

飛鳥「ボクも心のどこかで、いつか再びキミと戦える日を心待ちにしていたんだ」 

飛鳥「ただし、過去のボクを現在のボクに投影しないことだね」 

飛鳥「例え蘭子であれ、容赦はしない!」 

蘭子「あーはっはっは! ええ、その意気よ!」 

飛鳥(蘭子から放たれるオーラが、一段と強くなっている) 

飛鳥(会っていない期間は短かったはず。きっとその間に、数えきれないほどの死線をくぐり抜けてきたんだろう) 

飛鳥(ふっ、それでこそ! このボクが相手するに相応しい!) 

348: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:38:57.41 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「お互いに手札は一枚ずつ。もちろんそれはエースであるべきだ、そうだろう?」 

蘭子「ええ、そうね!」 

蘭子「ではゆくぞ! 我が紅の翼竜よ!」ポン 
  (いけー! リザードン!) 

リザードン「リザー!」 

飛鳥「大地を駆け巡れ! コバルオン!」ポン 

コバルオン「コバー!」ズシン 

蘭子(玉鋼の聖剣士……! 一度ならず二度までも、我が翼竜を地に落とした英傑) 
  (コバルオン……! とても強いポケモンだわ) 

蘭子(相手にとって不足はない……!) 

349: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:39:27.82 ID:nH+zBC0J0
蘭子「魂が猛る……!」 

蘭子「灼熱の吐息だ!」 
  (だいもんじよ!) 

リザードン「リザー!」ボオーッ 

飛鳥「ふっ、相変わらず、ボクまで焼き尽くしそうな業火だ」 

飛鳥「だが……荒れ狂う岩窟よ、炎を鎮めろ! ストーンエッジ!!」 

コバルオン「コバ!」ドドドド 

バシィッ! 

350: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:40:04.26 ID:nH+zBC0J0
蘭子「ふむ、ならば!」 

蘭子「羽ばたけ!」 
  (エアスラッシュ!) 

リザードン「リザ!」ヒュゥゥゥゥ 

飛鳥「ほう、羽ばたくだけで刃を起こせるようになっているとは」 

飛鳥「空気の奔流をも味方につけるなんてね。流石だよ、蘭子」 

飛鳥「だが……」 

飛鳥「コバルオン、切り裂け!」 

351: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:40:50.08 ID:nH+zBC0J0
コバルオン「コバ!」スパーン 

蘭子「なっ、空気の刃が……!」 

飛鳥「ボクの剣は例えるならエクスカリバー。ふふ、この世に切れないものなどないさ。……なんてね」 

飛鳥「チャンピオンなんて地位も名誉も、結局は足枷だ」 

飛鳥「この地の誰もがチャンピオンという偶像を目指す、なんてセオリーにはボクは従いたいと思えなかった」 

飛鳥「それに限界なんて知りたくなかったからね」 

飛鳥「だけどキミはそれでもポケモンリーグを目指した」 

352: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:41:29.04 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「蘭子、たしかにキミはこの地を制覇して、夢に見た偶像に手が届いたんだろう」 

飛鳥「だけど蘭子、知っているかい? この地には、ポケモンリーグすら見下ろすことができる場所があるということを」 

蘭子「なるほどね……それがこのサンクチュアリ……!」 
         (それがこのミズタニ山の頂……!) 

飛鳥「未だ限界の限界を夢見る未完成なボクと、チャンピオンという一種の完成形に為ったキミ」 

飛鳥「そんな二人が交わったら……XとYの間には、何が生まれるんだろうね」 

飛鳥「コバルオン! せいなるつるぎだ!」 

コバルオン「コバ!」シャキーン 

蘭子「応戦せよ!」 

353: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:41:56.16 ID:nH+zBC0J0
リザードン「リザー!」ボオオオ 

飛鳥「突っ切れ!」 

コバルオン「コバ!」 

ドドドド 

コバルオン「コバァ!」シャキーン 

蘭子「なっ、吐息もを真っ二つに!?」 

蘭子「その切れ味、オーディーンが如く……ね」 
  (コバルオンの剣はやっぱりすごいわ!) 

蘭子「相棒よ!」 

354: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:42:30.20 ID:nH+zBC0J0
リザードン「リザ!」バサーッ 

飛鳥「消えた……?」 

スーッ…… 

飛鳥「くっ、霧が……まるでここでの争いを拒んでいるかのようだ」 

蘭子「さあ、いくわよ!」 

蘭子「闇をも切り裂く破弾よ……聖剣を退けよ!」 
  (きあいだまです!) 

リザードン「リザー!」 

355: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:43:05.76 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「!? どこから来る!?」キョロキョロ 

飛鳥「……」 

飛鳥「……! 正面か! コバルオン!」 

リザードン「リザー!」バシュゥ 

コバルオン「コバ!!」ドゴォッ 

蘭子「ククク、見えているものこそ見えなくなる、これが決闘の恐ろしいところよ」 
  (まさか正面から来るとは思っていなかったでしょ?) 

蘭子「しかしそれでも相討ちに持ち込んだか……」 

蘭子「やはり貴方は我が片翼を担うに相応しいわ!」 

356: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:43:53.28 ID:nH+zBC0J0
シュー・・・・・・ 

バッ 

蘭子「なにっ!?」 

リザードン「リザァッ!?」ドガァ 

飛鳥「ふっ、痛いだろう?」 

飛鳥「これはメタルバースト……言うなれば聖剣士からのギフト、だね」 

357: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:44:21.60 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「追撃だ、コバルオン!」 

コバルオン「コバ!」シャキーン 

飛鳥「せいなるつるぎ!」 

蘭子「灼熱の吐息よ!」 

リザードン「リザ!」 

ドゴォォッ 

蘭子「互角……!」 

飛鳥「ならば、勝負を決めるのは!」

358: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:45:02.07 ID:nH+zBC0J0
蘭子「ええ、そうね……!」 

飛鳥「どちらの魂が気高いか……競い合おうじゃないか!」 

蘭子「聖剣士よ、我が魔力の前に跪け!」 
  (これでトドメです!) 

飛鳥「せいなるつるぎ!」 

蘭子「紅蓮の神風よ! すべてを無に帰せ!」 
  (ブラストバーン!) 

コバルオン「コバァァァ!!」ズバァッ 

リザードン「リザァァァ!!」グォォォ 

カッ 

ズドォォォォ・・・・・・ン 

359: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:45:32.88 ID:nH+zBC0J0


………………………… 


飛鳥「蘭子」 

蘭子「なんだ?」 

飛鳥「何故人は、ポケモンを手にし、自ら争いに身を投じてゆくのだろう」 

飛鳥「そもそも、ポケモン同士を戦わせる、なんてゲームを生み出したのは誰なんだろう」 

飛鳥「ポケモンマスター、なんてよく言ったものだ」 

飛鳥「皆が口を揃えて言うポケモンマスターとは何者なのか? セカイの何処に存在するのか?」 

飛鳥「もしくは幻想の果てにすら存在しないオーパーツなのか?」 

360: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:46:15.14 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「いつまでも偶像に縋ろうとする心理が、ボクにはわからないよ」 

蘭子「……なぜその疑問を我に?」 

飛鳥「ポケモンリーグというセカイを観察した蘭子なら、何か掴んだものがあるんじゃないかと思ってね」 

飛鳥「どうだろう」 

蘭子「ふむ……」 

蘭子「我とて、万物を理解したわけではないからな」 

蘭子「結論から言えば、気高き魂たちと争った後も、我にはその答えは知り得られなかった」 
   (ポケモンリーグに行ってもわからなかったわ) 

361: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:47:25.66 ID:nH+zBC0J0
蘭子「しかし……」 

蘭子「それが何なのかわかっていれば、我らはここには存在していないのではないか?」 

飛鳥「……!」 

蘭子「飛鳥が言うように、ポケモンマスターなんてこの世に存在しないのかもしれない」 

蘭子「だけど、それでも我々は真理を追い求める。不確かなまま……ね」 

蘭子「いつの時代も、そうやって幾つもの輪廻が廻ってきているのだと思うわ」 

飛鳥「……ふっ」 

飛鳥「皮肉なものだ。曖昧な存在のために存在する、とはな」 

362: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:48:01.95 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「だが、それもまたボクらの性、というわけか」 

飛鳥「ふふ。キミに相談して正解だったよ、蘭子」 

蘭子「どうということはない。クックック……」 

蘭子「そういえば先刻、特異な瞳を持つ者に出会ったわ」 
  (そういえばこの前、すごいトレーナーに会ったの!) 

飛鳥「特異な瞳……?」 

蘭子「ええ。……とても強い眼差し、そして無限の可能性を秘めていたわ」 

蘭子「あの者、いずれは貴方と邂逅することになるのかも」 
  (いずれ、飛鳥と戦うことになるかもね) 

363: ◆7P/ioTJZG. 2019/12/28(土) 21:48:49.22 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「へえ、それは面白いね」 

飛鳥「キミのお墨付きとあらばぜひお手合わせ願いたいものだけど」 

飛鳥「ま、その子がこの山の頂を登って来られれば、の話だね」フッ 

飛鳥「それに、ボクの宿敵は未来永劫、蘭子。キミしかいない。その真実は揺るがないよ」 

蘭子「あーはっはっは! 流石は我が友だ!」 

蘭子「では、我はそろそろ行くとするか」 

蘭子「では、闇に飲まれよ!」バサァッ 


………………………… 


飛鳥「……」 

飛鳥「セカイの鍵を握る存在、か――」 



サイドストーリー「双翼の覇王妃」 Fin.

365: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:06:38.57 ID:fh82jGXn0
だいぶ時間が経ってしまいましたが新年一発目の投稿ですね、今年もよろしくです 

前回までのトーナメント表 
https://imgur.com/sHXl9Xo

366: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:07:04.73 ID:fh82jGXn0
ワァァァァァ 

恵磨『さあさあさあ、遂にやって参りました!! 白熱のポケモンリーグ、ここからは準決勝となります!』 

恵磨『果たしてチャンピオン・蘭子への挑戦権は誰の手に渡るのでしょうか!?』 

恵磨『実況は引き続き恵磨と!』 

瑞樹『瑞樹でお送りします。ところで恵磨ちゃんってずっと叫んでいるのに全く声が枯れないわよね』 

恵磨『ええ、喉の強さには自信あるんで!』グッ 

恵磨『さぁ、まずは第一回戦、対戦するのは……』 

367: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:07:35.63 ID:fh82jGXn0
凛「……」ザッ 

恵磨『前回の試合で四天王・愛梨を打ち破った凛選手と!』 

きらり「にょわーーっ! 凛ちゃーーーんっ! よろしくおにゃーしゃー☆ うきゃー!!」バァン 

凛「……!?」ギクッ 

恵磨『ここまで圧倒的なパワーで勝ち上がってきたきらり選手だーー!!』 

瑞樹『性格もテンションも両極端な二人ね』 

茜「凛ちゃーーーん!! がんばれぇーーーー!」 

杏「きらり……!」 

368: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:08:11.51 ID:fh82jGXn0

……………………………………………………………… 

試合前…… 

杏「きらり」 

きらり「うにゅ? どしたの杏ちゃん」 

杏「次の相手、凛だね。……気をつけて」 

きらり「どーしたの? 杏ちゃんがそんなに怖い顔するなんて」 

杏「ほら、前に凛と会った時にさ、メガシンカがどーとか言ってたじゃん」 

杏「で、私が逆にメガシンカがどうしたのかって返したら、アイツははぐらかしてた」 

369: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:08:51.10 ID:fh82jGXn0
杏「もしかしたら……凛はそのメガシンカ、ってやつがどういうのかを知ってて、しかも使ってくるかもしれない」 

杏「まあ、どんなポケモンがどんな方法で、かつどんな場面で使ってくるかは杏にもわからないけどさ」 

杏「パソコンから調べられるデータではわからない秘密兵器を、凛は持っていると思う」 

杏「用心しておくに越したことはないね」 

きらり「うーん……いちおーりょーかい! だにぃ」 

きらり「杏ちゃん、心配してくれてありがとねえ! うぇへへ☆」 

杏「ま、きらりなら大丈夫だろうけど。念には念を、ってね」 

杏「じゃーね、まあ頑張ってー」 

きらり「はーい☆」 

………………………………………………………… 


370: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:09:32.73 ID:fh82jGXn0
杏(一応忠告はしておいたけど) 

杏(メガシンカか……もしかしたら前の試合でも使う予定だったのかな) 

杏(いや、だとしたら前の試合で使わなかったのは何でなんだろ) 

杏(あれが切り札だとしたら、凛の性格的には追い詰められるまでは使わなさそうだけど) 

杏(前の試合では使わなかった……? いや、使えなかった……?) 

杏(……うむむ……) 

杏(……ダメだ、頭使いすぎて疲れた)プシュー 

371: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:10:00.74 ID:fh82jGXn0
きらり「うぇへへ、やーっと凛ちゃんとバトルできるにぃ!」 

凛「そうだね」 

きらり「きらりんのはっぴはっぴぱわぁー、とくとご覧あれ! だにぃ☆」 

凛「そのパワーがどんなのか知らないけど……」 

凛「本気で勝たせてもらうよ!」 

恵磨『それでは準決勝第一試合……』 

恵磨『スタートォォォォォッッ!!』 

372: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:10:28.72 ID:fh82jGXn0
きらり「ゴルーグちゃん、おにゃーしゃー☆」ポン 

ゴルーグ「ゴル」ズシーン 

凛「サザンドラ!」ポン 

サザンドラ「サザ!」バッサ 

晶葉「ほう、初手からサザンドラか」 

凛(奈緒との試合できらりのポケモン達のパワーは充分に知れた) 

凛(安定して先制できそうだと思ってサザンドラを選んだのは正解だったね) 

373: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:10:55.21 ID:fh82jGXn0
凛(前回はりゅうせいぐんしか撃ってなかったけど) 

凛「サザンドラ! あくのはどう!」 

サザンドラ「サザ!」ババババ 

ゴルーグ「ゴルッ!」ズズッ 

凛(やっぱり、すごい威力だ) 

凛(ジヘッドの頃の力任せな戦い方とは全然違う) 

美玲「おお、効いてるな!」 

幸子「あく技をかみくだくからあくのはどうに変更されたんですね」 

志希「サザンドラになると特殊攻撃の方が高くなるからねぇ」 

374: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:11:27.36 ID:fh82jGXn0
志希「それに……」 

ヒラッ 

卯月「あれは……たつじんのおび!」 

晶葉「あれで更に威力を上げているのか。幅広い技を覚えるサザンドラには打ってつけの持ち物だな」 

きらり「うにゅう……ゴルーグちゃん!」 

ゴルーグ「ゴル!」フッ 

恵磨『ゴルーグの姿が一瞬にして消えました!』 

凛(これは……ゴーストダイブ!) 

凛(あの巨体に不意打ちで仕掛けられるのは怖い……) 

凛(どこだ……どこから出てくる?) 

375: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:11:54.94 ID:fh82jGXn0
凛(いや……翼があるポケモン相手なら、普通はその翼を封じようとする) 

凛(なら……上か!) 

凛「サザンドラ、上方向にかえんほうしゃ!」 

サザンドラ「サザー!」ボォーッ 

恵磨『サザンドラ、3つのあたまから無差別にかえんほうしゃを放ちました!』 

瑞樹『3つの頭から攻撃出来る分、広範囲をカバーできてるわね』 

ゴルーグ「!」ボッ 

凛「よし、攻撃が掠った!」 

376: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:12:22.72 ID:fh82jGXn0
凛「あくのはどう!」 

きらり「ありゃ、バレちゃった! だったらばくれつパーンチ☆」 

ゴルーグ「ゴルー!」ゴォォォォ 

サザンドラ「サザー」ヒョイ 

サザンドラ「サザー!!」ババババ 

ゴルーグ「ゴルッ……!」ドッ 

輝子「おお、速い……!」 

文香「パワーもスピードも、ジヘッドとは桁違いですね」 

377: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:12:59.95 ID:fh82jGXn0
きらり「ふみゅみゅ……ゴルーグちゃん、もっかーい!」 

ゴルーグ「ゴル!」フッ 

乃々「あ、またゴルーグの姿が消えた……」 

凛(……) 

凛(さっきみたいに四方八方に攻撃すれば居場所をあぶり出せるけど) 

凛(サザンドラはきらりのポケモンに充分通じるパワーがある。まだまだ温存しておきたい) 

凛(どこから出てくるか……いや) 

凛(こっちから方向を限定すれば……) 

378: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:13:25.56 ID:fh82jGXn0
凛「サザンドラ!」 

サザンドラ「サザー!」バサッ 

ギュオオオオオ 

恵磨『おっとサザンドラ、物凄いスピードで上昇していきます!』 

凛(これだけのスピードで上に行けばゴルーグはついてこれない) 

凛(もちろん来る方向は……) 

凛「サザンドラ! 下方向にあくのはどう!」 

379: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:14:05.31 ID:fh82jGXn0
サザンドラ「サザ……」 

サザンドラ「サザー!!」ババババ 

ゴルーグ「!」ドッ 

ゴルーグ「ゴル……!」ドドドド 

きらり「ゴ、ゴルーグちゃんが押し返されてるにぃ!?」 

ズシーン 

ゴルーグ「ゴル」バッタン 

恵磨『ゴルーグダウーン!! まずは凛選手が先制だぁ!!』 

ワァァァァァ 

380: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:14:40.81 ID:fh82jGXn0
文香「なるほど……追いかけて上昇してくる所を狙ったのですね」 

乃々「サザンドラ、強すぎぃ……」 

晶葉「ああ、あのサザンドラでどこまでやれるか、が凛の勝負の決め手だな」 

きらり「うきゃー! 凛ちゃん、とぉっても強いねぇ!」 

きらり「じゃあきらりもとっておきのでいくねえっ!」 


きらり「キテルグマちゃん、おにゃーしゃー☆」ポン 

キテルグマ「……」ズシン 

381: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:15:26.96 ID:fh82jGXn0
凛「……!」 

ザワザワザワ 

恵磨『おおっと、あれは……ポケモン!?』 

瑞樹『初めて見るポケモンだわ。もしかして……』 

卯月「何……あのポケモン!?」 

茜「見たことのない姿ですね……!」 

晶葉「ああ、私も初めて見るポケモンだ」 

美玲「ええっ、ここにいる皆が知らないポケモンなんて……!」 

382: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:16:03.34 ID:fh82jGXn0
志希「志希ちゃん知ってるよー♪」 

志希「あれはキテルグマだねー。たしかにアイマスにはいないポケモン。そりゃ見たことないよねー♪」 

幸子「キ、キテルグマ……?」 

志希「でもあたしも名前ぐらいしか知らなーい」 

輝子「結局わからないのか……」 

凛(キテルグマ……っていうんだ) 

凛(昨日パソコンで見たときも、あのポケモンだけ図鑑の情報がなかったんだよね)パカッ 

??? 
データ不明 

383: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:16:46.70 ID:fh82jGXn0
凛(きっとアイマスにはいない、新種のポケモン……) 

凛(それを何できらりが持ってるのかはわからないけど) 

凛(どう来るかわからない以上、サザンドラですぐに勝負をつけたい……) 

凛(まずは様子見、かな) 



※このストーリーの時系列は第6世代当時のままなので、第7世代のキテルグマは新種のポケモン、ゲストポケモンという扱いです。 
AGの映画にルカリオやマナフィが先行登場したみたいな感覚で見てもらえれば。 


384: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:17:25.16 ID:fh82jGXn0
きらり「キテルグマちゃん、メガトーン……」 

きらり「キィーック! だにぃ☆」 

キテルグマ「……」バッ 

恵磨『まずはキテルグマが動き出した!』 

凛「サザンドラ、避けて!」 

サザンドラ「サザ」ヒョイ 

凛(見た目からしてノーマルタイプかフェアリータイプだと思ってたけど) 

凛(サザンドラ相手にフェアリー技を使ってこなかったってことはノーマルタイプ……?) 

385: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:17:54.65 ID:fh82jGXn0
凛「あくのはどう!」 

サザンドラ「サザー!」ババババ 

キテルグマ「……!」バシィ 

凛「あまり効いてない……もう一つタイプを持ってる?」 

きらり「ふっふっふっ……キテルグマちゃんのぱわぁー、思い知るにぃ!」 

きらり「アームハンマー☆」 

キテルグマ「……」ピョン 

幸子「飛び上がった!? 

386: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:18:35.06 ID:fh82jGXn0
キテルグマ「……」ブン 

キテルグマ「キィィィィィーーーーー!!」ズドォン 

サザンドラ「サザッ!?」 

ドガァン 

恵磨『ああっと、サザンドラが撃ち落とされました!!』 

瑞樹『す……すごいパワーだわ……!』 

凛「サザンドラ!」 

サザンドラ「サザー!」ガバッ 

387: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:19:07.82 ID:fh82jGXn0
凛「ふう、持ちこたえたか……」 

凛「もう少し頑張って……ラスターカノン!」 

サザンドラ「サザー!」バッ 

キテルグマ「キィィ……」バシィ 

恵磨『サザンドラ、微々たるダメージしか与えられません!』 

凛(これも効かないのか) 

凛(あくとはがねを抑えられるタイプは……もしかして、かくとう?) 

凛(ならおそらくキテルグマはノーマル・かくとうタイプ……) 

388: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:19:57.87 ID:fh82jGXn0
凛(りゅうせいぐんなら効きそうだけど、どのみちこのままじゃ不利だ) 

凛「サザンドラ、交代!」シュゥゥ 

凛「ムクホーク!」ポン 

きらり「キテルグマちゃん、メガトンキィーック☆」 

ムクホーク「ムクホッ……!」バシッ 

晶葉「『いかく』で抑えたとはいえ、それでもあの威力か……」 

幸子「なんて馬鹿力なポケモンなのでしょう……」 

389: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:20:32.03 ID:fh82jGXn0
凛「ムクホーク! ブレイブバード!!」 

ムクホーク「ムクホー!!」ゴゴゴゴ 

ドゴオッ 

キテルグマ「キィ……!」ズザーッ 

凛「!? これもダメージが少ない……?」 

きらり「にゅふふ、キテルグマちゃんね、とーってももふもふしてて気持ちいいんだよぉ!」 

もふもふ 
物理攻撃のダメージを半分にする 

390: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:21:03.30 ID:fh82jGXn0
凛(なるほど……あの体毛がダメージを吸収してるのか) 

凛(どうする……?) 

凛(さっきキテルグマはアームハンマーじゃなくメガトンキックを出してきた。たぶん私が交代すると読んでシンプルな選択をしたんだろう) 

凛(だとしたら次も……いや、常にきらりはこっちの交代を読んできている) 

凛(ムクホークでは削りきれない量ではない……ここは交代せずにいくか) 

凛「ムクホーク! 上から攻めるよ!」 

ムクホーク「ムクホー!」バサッ 

391: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:21:37.92 ID:fh82jGXn0
らり「キテルグマちゃん、よお~く狙って……」 

キテルグマ「……」キッ 

凛「インファイト!」 

ムクホーク「ムクホー!!」ボコスカ 

きらり「ぶんまわすー!!」 

キテルグマ「キィィィィィ!!」ブンブン 

ドガッ 

ドガッ 

392: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:22:41.90 ID:fh82jGXn0
ムクホーク「ムクホー……」 

キテルグマ「キィ……」 

恵磨『両者一歩も引きません! まさに一進一退!!』 

凛「……」 

晶葉「凛……このまま力押しだと競り負けるぞ!」 

晶葉「いや……あれは……あえて力押ししている?」 

志希「おっ、気づいた?」ニャフフ 

乃々「え……?」 

393: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:23:12.88 ID:fh82jGXn0
凛(この一撃で……) 

凛「ムクホーク! ブレイブバード!!」 

ムクホーク「ムクホー!!」ゴゴゴゴ 

きらり「キテルグマちゃん、迎え撃つにぃ☆」 

キテルグマ「キィーー!!」 

スカッ 

キテルグマ「!?」 

きらり「うぴゅ!?」 

恵磨『な、なんと、ムクホークの突進がキテルグマの横を逸れていった!?』 

394: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:23:51.29 ID:fh82jGXn0
瑞樹『いや…わざと逸らしたのね!』 

ムクホーク「ムクホー!」クルン 

恵磨『ムクホークが一回転して……』 

凛(その隙に……!) 

パクッ 

凛「よし! ムクホーク、決めるよ!!」 

ムクホーク「ムクホー!!」ゴゴゴゴ 

きらり「後ろ……!」 

キテルグマ「キィィィ――」 

ドゴォォォ 

395: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:24:18.14 ID:fh82jGXn0
キテルグマ「キィィィ……」バタンキュー 

恵磨『キテルグマ戦闘不能!!』 

ワァァァァァ 

茜「なるほど、わざと攻撃を反らせて隙を作っただけでなく、タメを作ってフルパワーの一撃を与えたのですね!」 

志希「それにムクホーク、一回転したときに『チイラのみ』を頬張ってたねー」 

チイラのみ 
ピンチになると自分の攻撃力を上げる 

396: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/16(木) 01:25:29.53 ID:fh82jGXn0
志希「普通はキテルグマの図太さに怖じ気づいて交代するところを、凛ちゃんは機転を利かせて攻略した、ってとこかなー」 

幸子「なるほど……!」 

ムクホーク「ムク……」ヨロッ 

凛「ムクホーク、戻って!」 

きらり「うにゅう……キテルグマちゃんまでやられちゃった」 

きらり「でもまだまだ……! バクーダちゃん、おにゃーしゃー☆」ポン 

バクーダ「バクー!」 


to be continued...

399: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:14:51.67 ID:xVvexko40
凛「ならこっちは……ゲッコウガ!」 

ゲッコウガ「ゲコッ!」 

きらり「相性は悪いけど、きらりんとバクーダちゃんは引かないやーい!」 

きらり「だいちのちからだにぃー!」 

バクーダ「バクー!!」ボボボォォォ 

凛「躱して!」 

ゲッコウガ「ゲコ」ヒョイヒョイ 

恵磨『ゲッコウガ、突き出た地面の上を身軽に進んでいきます!』 

400: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:15:22.01 ID:xVvexko40
凛「みずしゅりけん!」 

ゲッコウガ「ゲコッ!」シュババババ 

ガキィッ! 

瑞樹『突き出た地面で壁を作ったわね』 

瑞樹『あのバクーダ、まさに攻防一体ってポケモンね』 

凛「くさむすび!」 

ゲッコウガ「ゲコ!」 

バクーダ「バク!?」シュルルル 

401: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:15:53.10 ID:xVvexko40
きらり「振り払うにぃ! ふんえん!」 

バクーダ「バク……バクー!!」ドッカァァァン 

ブチィッ!! 

茜「おお、体に力を入れて草を千切りました!」 

卯月「それだけじゃない、ふんえんが壁を壊して……」 

ゲッコウガ「ゲコッ!?」ガガガガ 

凛「くっ!」 

恵磨『バクーダ、バトルが始まってからここまで一歩も動いていません!』 

恵磨『が、相性の悪いはずのゲッコウガを全く寄せ付けておりません!!』 

402: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:16:19.24 ID:xVvexko40
凛「……」 

凛(まずはあのせり上がった壁をどうにかしないと) 

凛(ハイドロカノンなら壊せそうだけど……あの技は反動が大きい) 

凛(動けなくなってしまったら、すぐに反撃されてしまう) 

凛(……) 

凛「ゲッコウガ、もう一回くさむすび!」 

ゲッコウガ「ゲコ!」 

403: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:16:50.34 ID:xVvexko40
きらり「バクーダちゃん!」 

バクーダ「バク!」シュルルル 

バクーダ「バクー!!」ドッカァァァン 

美玲「またふんえんで地面の壁が崩れたぞ……!」 

グサッグサッ 

シュゥゥ 

404: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:17:20.09 ID:xVvexko40
バクーダ「……!?」 

身代わり人形「」ボテッ 

きらり「みがわり!?」 

ゲッコウガ「ゲコッ」シュッ 

凛「よし、足元に!」 

凛「ゲッコウガ! ハイドロカノン!!」 

ゲッコウガ「ゲコッ……」ゴォォッ 

405: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:17:46.97 ID:xVvexko40
ゲッコウガ「ゲコォォ!!」 

ドドドドドドドドドドドド 

バクーダ「バク……!!」 

きらり「バ、バクーダちゃん!!」 

恵磨『ゲッコウガ、バクーダを大きく吹っ飛ばしたぞぉ!!』 

ゲッコウガ「ゲコッ」ガクッ 

凛「よし……!」 

凛(ゲッコウガは反動で動けない。この一撃で決めきれてなければ……) 

406: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:18:16.23 ID:xVvexko40
シュゥゥ 

バクーダ「バ、バク……」フラッ 

凛「……! 倒せなかった……」 

瑞樹『きらりちゃん、バクーダの『ハードロック』が命綱になったわね』 

きらり「ふぅー、危ない危ない、きらりんヒヤヒヤしちゃった!」 

きらり「そんじゃバクーダちゃん、一発おなーしゃー☆」 

バクーダ「バク……」 

凛「! バクーダが光を吸収している……!」 

407: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:18:44.83 ID:xVvexko40
凛「ゲッコウガ……!」 

ゲッコウガ「ゲコ……」ガクッ 

きらり「ソーラー☆ ビィィーームッッ!!」 

バクーダ「バクー!!」チュドォォォォン 

ドカァァン 

卯月「ああ……!」 

ゲッコウガ「ゲコ……」バタンキュー 

バクーダ「バク……」ズシン 

恵磨『ゲッコウガダウーン!! しかしバクーダも攻撃の反動で倒れました!!』 

ワァァァァァ 

408: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:19:16.32 ID:xVvexko40
幸子「相性は完全に有利だったのに、互角に持ち込まれるとは……」 

杏「ふっふっふっ、やるじゃない、きらり」 

凛「ゲッコウガ……お疲れ」 

凛(……あれがうまく決まっていれば、もう少し隙を生み出せたかな) 

凛(……いや、今は目の前に集中しないと) 

凛「サザンドラ!」ポン 

きらり「ナッシーちゃん、がんばがんばーだにぃ☆」ポン 

ナッシー「ナッシー!」 

409: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:19:42.90 ID:xVvexko40
凛(! ……またカムラのみを持ってる) 

凛(あれにさえ気をつければ……) 

凛「サザンドラ、あくのはどう!」 

サザンドラ「サザー!」ババババ 

きらり「エナジーボールだにぃ!」 

ナッシー「ナッシー!」バシュゥ 

バシィ!! 

410: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:20:09.00 ID:xVvexko40
ナッシー「ナ、ナッシ……」ズドン 

晶葉「避けきれない分、相殺してダメージを最小限に抑えたか」 

きらり「体力減っちゃったし、やどりぎのタネだにぃ☆」 

ナッシー「ナッシー!」ポポポポ 

サザンドラ「サザ!?」シュルルル 

恵磨『やどりぎのタネがサザンドラに絡みつく!』 

サザンドラ「サザー……!」グググ 

411: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:20:38.19 ID:xVvexko40
凛(まずい……やどりぎのタネが動きを遅くしている……!) 

凛(これだけ長く場にいれば、相手はもうサザンドラの動きやスピードを把握してきているはず) 

凛(どうする……?) 

きらり「ナッシーちゃん、しぜんのめぐみ!」 

ナッシー「ナッシー!」コォォ 

サザンドラ「サザ!」バシィ 

瑞樹『サザンドラの翼を封じつつ、的確に攻撃しているわね』 

凛「くっ……」 

412: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:21:08.62 ID:xVvexko40
凛(何とかやどりぎのタネをふりほどかないと) 

凛(交代すれば効果は切れるけど、結局次のポケモンにも同じことをされる) 

凛(流れを絶たないためにも、ここはサザンドラで突破する……!) 

凛「サザンドラ、かえんほうしゃ!」 

きらり「!」 

凛「――を、自分へ向けて撃って!」 

きらり「うにゅ!?」 

413: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:21:35.08 ID:xVvexko40
卯月「ええ!?」 

美玲「な、どういうことだよ!?」 

幸子「しかも自分で自分を攻撃するって、どうやって……」 

サザンドラ「!?」 

サザンドラ「……!」 

サザンドラ「サザー!!」ゴオッ 

恵磨『なんと凛選手、サザンドラに自身を攻撃する指示を出した!?』 

414: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:22:06.77 ID:xVvexko40
瑞樹『……なるほどね』 

恵磨『??』 

瑞樹『サザンドラは両腕についている頭も武器の一つよ。たとえば右腕を内側へ向ければ、自分自身を攻撃することもできる』 

瑞樹『そうまでして自分にかえんほうしゃを撃ったのは……』 

ボォォォォ 

美玲「あっ、やどりぎのタネが!」 

晶葉「焼け落ちたな。これが狙いだったのか」 

凛「多少ダメージは受けたけど、これで自由になった!」 

415: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:22:37.32 ID:xVvexko40
凛「決めるよ、サザンドラ! りゅうせいぐん!!」 

サザンドラ「サザー……」ボッ 

きらり「う、うにゅう! ナ、ナッシーちゃん、しぜんのめぐ――」 

サザンドラ「サザー!!」 

ドドドドドドドド 

ナッシー「ナ、ナッシー!!」 

ナッシー「ナッシー……」バタンキュー 

恵磨『りゅうせいぐんが直撃! これは耐えられなぁい!!』 

恵磨『ナッシーダウーン!!』 

ワァァァァァ 

416: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:23:09.80 ID:xVvexko40
きらり「ありゃぁ……」 

凛「よし……サザンドラ、戻って!」シュゥゥ 

晶葉「うまく機転を利かせたな」 

晶葉「しかし、あの場面で自分を攻撃しろと指示を出されたら、ほとんどのポケモンは戸惑って隙だらけになるだろう」 

晶葉「サザンドラが凛を信頼しているからこそ成せた技だな」 

幸子「凛さん、順調ですね!」 

志希「いや、そうとも言えないよー?」 

志希「ムクホークもサザンドラもフラフラ……手持ちの数では勝ってるとは言い難いし」

417: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:23:46.43 ID:xVvexko40
志希「それにあのホエルオーだよねぇ。サンダースが倒されちゃったらどうするんだろ?」ニャフフ 

文香「まだ油断大敵、ということですね」 

きらり「うにゅう……きらりんどんどん追い詰められちゃってる!」 

きらり「メタモンちゃん!」ポン 

メタモン「メタ」 

メタモン へんしんポケモン ノーマル 
体の細胞の作りを自分で組み替えることで他の生命体そっくりに変身する 
寝るときは石に変身するらしい 

凛「ならこっちは……チャーレム!」 

チャーレム「チャー!」 

凛「へんしんする前に、倒す……!」 

418: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:24:33.64 ID:xVvexko40
メタモン「メタ」コォォォォ 

凛「えっ!?」 

ミョミョミョミョ…… 

輝子「フヒ、いきなりへんしんした……?」 

志希「お、あれは特性『かわりもの』だねぇ」 

かわりもの 
戦闘に出ると、いきなり相手のポケモンに変身する 

志希「あの子の連れてるメタモン、すごく珍しい個体だねぇ!」 

メタモン「チャー」スタッ

419: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:25:07.28 ID:xVvexko40
恵磨『きらり選手、メタモンを繰り出して変身してきました!』 

瑞樹『実質チャーレム対チャーレムの対決ね』 

凛「相手もチャーレムになってきた……」 

凛(たしかへんしんは身体能力とかも同じになるんだっけ) 

凛(だとしたらこの勝負は互角……? いや) 

凛(ただ普通に互角の勝負を仕掛けてくるつもりじゃないはず) 

凛「気をつけていくよ、チャーレム! しねんのずつき!」 

きらり「きらりんもしねんのずつきでごっつんこ! だにぃ☆」

420: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:25:34.90 ID:xVvexko40
メタモン「チャー」サッ 

メタモン「チャー!」ドガッ 

チャーレム「チャー……!」バシッ 

凛「!」 

凛「相手の方が速い……!?」 

凛(たまたま先制されたとかじゃない。確実にこっちよりスピードがある……) 

凛(もしかしてあれは……こだわりスカーフ……!?) 

こだわりスカーフ 
持たせると同じ技しか出せなくなる代わりに素早さが上がる 

421: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:26:04.71 ID:xVvexko40
凛「チャーレム、ドレインパンチ!」 

チャーレム「チャー!」コォォ 

メタモン「チャー」サッ 

恵磨『メタモン、素早い身のこなしでチャーレムの攻撃を躱した!』 

瑞樹『メタモンはへんしんすると相手と同じ能力値になるわ。つまりこだわりスカーフのような道具を持たせておけば、確実に相手より速く動ける』 

瑞樹『シンプルながら堅実な、メタモンの基本戦術ね』

422: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:26:33.93 ID:xVvexko40
晶葉「まずいな、凛としては交代したいところだが」 

晶葉「ドリュウズは相性が悪いし、サンダースはホエルオーまで温存しておきたい。となると残っているのは手負いのムクホークとサザンドラ、か」 

卯月「そんな、どうすれば……」 

凛(……) 

凛(一つ、あのメタモンを倒す方法があるとすれば) 

凛(メガシンカ……あれを使えばこっちが先手を取れるようになるし、その次のホエルオーにもある程度ダメージを与えられる) 

凛(でも、方法はそれしかないの?) 

凛(考えるんだ……どうすれば……)

423: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:27:15.23 ID:xVvexko40
きらり「しねんのずつき!」 

メタモン「チャー!」ビビビ 

チャーレム「チャー……!」ドガッ 

凛「くっ……」 

きらり「……凛ちゃん」 

凛「?」 

きらり「凛ちゃん、何か隠してるよね」 

424: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:27:47.94 ID:xVvexko40
きらり「チャーレムちゃんから感じるんだにぃ……きらりんうまく言葉にできないけど、なんかすごいぱわぁーを感じるの!」 

凛(……! もしかしてメガシンカのこと……?) 

凛(そうか、そういえば前に二人に相談してたっけ) 

きらり「ねえ、なんで本当の力を使わないにぃ?」 

凛「……」 

きらり「きらりんはね」 

きらり「手加減した凛ちゃんとは戦ってもはっぴはぴじゃないにぃ」 

きらり「凛ちゃん……」 

きらり「本気を見せてよ!」 

425: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:28:16.40 ID:xVvexko40
きらり「チャーレムちゃんから感じるんだにぃ……きらりんうまく言葉にできないけど、なんかすごいぱわぁーを感じるの!」 

凛(……! もしかしてメガシンカのこと……?) 

凛(そうか、そういえば前に二人に相談してたっけ) 

きらり「ねえ、なんで本当の力を使わないにぃ?」 

凛「……」 

きらり「きらりんはね」 

きらり「手加減した凛ちゃんとは戦ってもはっぴはぴじゃないにぃ」 

きらり「凛ちゃん……」 

きらり「本気を見せてよ!」 

426: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:28:50.93 ID:xVvexko40
凛「……!」 

凛「……何それ」ギリッ 

凛「まるで私が本気じゃないみたいな言い方……」 

凛「私は……」 


凛「私はいつだって本気だッ!!」 

427: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:29:25.68 ID:xVvexko40
こずえ「……!」ビクッ 

晶葉「凛、どうした!? 感情的になるな!!」 

幸子「あんな凛さん、初めて見ました……」 

文香「……凛さんらしくないですね。まるで図星をつかれたような」 

卯月「図星……」 

卯月(凛ちゃん……メガシンカのことかな) 

卯月(蘭子ちゃんと戦うまで使わないって決めてたもんね……) 

428: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:29:53.93 ID:xVvexko40
凛「……!」 

チャーレム「チャー」キリッ 

凛(……そうだよね) 

凛(メガシンカを使って勝ち上がったって何も誇れない) 

凛(ここは実力でメタモンを倒す!) 

凛「チャーレム、ビルドアップ!」 

チャーレム「チャー」ビキビキ 

429: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:30:25.90 ID:xVvexko40
きらり「メタモンちゃん! しねんのずつきだにぃ!」 

メタモン「チャー!」ビビビ 

凛「スピードで勝てないなら、一発の重さで……!」 

凛「足元にれいとうパンチ!」 

チャーレム「チャー!」 

メタモン「チャ!?」ビキビキ 

430: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:30:53.50 ID:xVvexko40
恵磨『メタモン、動きを止められました!』 

凛「背中に回ってしねんのずつき!」 

チャーレム「チャー」スタッ 

チャーレム「チャー!」ビビビ 

メタモン「チャー…!」ドガッ 

茜「ビルドアップでおびき出してれいとうパンチで凍らせ、そこにしねんのずつきを撃ち込む! 完璧な流れです!」 

晶葉「なんだ、最初からその冷静さでやればよかったものを」 

美玲「……でもなんであんなに怒ってたんだ?」 

志希「まーまー、誰でも色々事情があるんだよ♪」 

431: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:31:19.62 ID:xVvexko40
きらり「メタモンちゃん、こっちも背中に回るにぃ!」 

メタモン「チャー!」 

凛「速い……でも!」 

凛「振り向いて掴んで!」 

チャーレム「チャー!」ガッ 

メタモン「チャ!?」 

凛「よし……そのまましねんのずつき!」

432: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:31:46.41 ID:xVvexko40
チャーレム「チャー!」ゴツンゴツン 

メタモン「チャー……」 

きらり「メタモンちゃん……!」 

シュゥゥ 

卯月「へんしんが解けた!」 

メタモン「メター」バタンキュー 

恵磨『メタモンダウーン!!』 

433: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/22(水) 21:32:17.03 ID:xVvexko40
チャーレム「チャー……」バタッ 

恵磨『ああっと、しかしチャーレムも倒れました! 相討ちです!』 

ワァァァァァ 

卯月「これであと1匹……!」 

美玲「でも、最後はあのバカでかいホエルオーか……」 

きらり「……」 

きらり「にゅふふ……正義のヒーローきらりんはぜぇーったいに諦めないのだ☆」

437: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:24:05.44 ID:ofaHNNf40
きらり「ホエルオーちゃん、最後までよろしくおにゃーしゃー!」ポン 

ホエルオー「ホエー☆」ズシィィィン 

凛(ついに来た……きらりのエース……!) 

凛「あと一息……お願い、サンダース!」 

サンダース「ダース!」 

凛(きらりへの対策……いろいろ考えたけど) 

凛(とにかく攻めていかないと勝てない!) 

438: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:24:37.27 ID:ofaHNNf40
凛「サンダース! じゅうでん!」 

サンダース「ダース!」ビリビリ 

きらり「アクアリングだにぃ☆」 

ホエルオー「ホエー☆」フォォォ 

晶葉「お互いに手堅くきたな」 

卯月「きらりちゃん、最後の1匹なのに全然余裕そうだね……」 

晶葉「ああ、それだけあのホエルオーに自信があるんだろう」 

439: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:25:05.78 ID:ofaHNNf40
きらり「のしかかりー!」 

凛「躱すよ!」 

サンダース「ダース」バッ 

ズシーン 

サンダース「ダース……!」グラッ 

凛「! 地響きが……!」 

440: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:25:33.67 ID:ofaHNNf40
恵磨『サンダース、攻撃は躱しましたが着地の衝撃に足を取られた!』 

瑞樹『攻撃を当てても当てなくても相手を圧倒する。さすがほぼホエルオー1匹で勝ち抜いてきただけあるわね』 

きらり『しおふきだにぃー☆』 

凛「かみなり!」 

ホエルオー「ホエー!!」ブッシャァァァ 

サンダース「ダース!!」バリバリ 

バシィィィン 

441: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:25:59.82 ID:ofaHNNf40
恵磨『威力はほぼ互角……!』 

瑞樹『ええ、でもしおふきはホエルオーの体力が多いほど威力の上がる技』 

瑞樹『まずは体力を削りたいところでしょうけど……少々のダメージならアクアリングで回復するのよね』 

瑞樹『まさにあのホエルオーは、難攻不落の要塞ってところかしら』 

凛「まずは隙を見つけないと……」 

凛「サンダース! 懐に潜り込んで!」 

サンダース「ダース!」バッ 

ホエルオー「??」 

442: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:26:28.00 ID:ofaHNNf40
恵磨『サンダース、ホエルオーの死角に入り込みました!』 

凛「でんじは!」 

サンダース「ダース!」バリバリ 

ホエルオー「ホエッ……」ビリビリ 

凛「よし! かみなり!!」 

サンダース「ダース!!」ゴロゴロ 

ホエルオー「ホエー!」バリバリ 

きらり「うにゅう……!」

443: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:26:59.30 ID:ofaHNNf40
凛(効いてるけど、倒し切れない) 

凛(やっぱりじゅうでんしてからの一発を与えないと) 

凛「サンダース、じゅうでん!」 

きらり「ホエルオーちゃん! とびはねる!」 

ホエルオー「ホエー!」ピョーン 

恵磨『ホエルオー、麻痺しているはずなのにこのスピードは……』 

瑞樹『持ち物は前回と同じく、せんせいのツメのようね』 

444: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:27:27.40 ID:ofaHNNf40
ホエルオー「ホエー!」ズシーン 

サンダース「ダース……!」 

凛「サンダース、耐えて!」 

サンダース「ダ……ダース……!」 

凛「今がチャンスだ……いくよ! かみなり!!」 

サンダース「ダー……」ゴロゴロ 

サンダース「ダース!!」バリバリ 

445: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:28:13.69 ID:ofaHNNf40
きらり「しおふきで迎え撃つにぃー☆」 

ホエルオー「ホエー!!」ブッシャァァァ 

バシィィィン 

ドッ 

サンダース「ダー!?」バシャァ 

凛「なっ、跳ね返された……!」 

凛「さっきより威力は落ちているはずなのに……!」 

きらり「にゅふふ……きらりんのホエルオーちゃんにちょっとやそっとのくさ技やでんき技は通じないにぃ! どやぁ☆」 

446: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:28:44.18 ID:ofaHNNf40
きらり「のしかかりー!」 

ホエルオー「ホエー☆」 

凛「かみなり!」 

サンダース「ダース……」 

サンダース「ダ!?」ピタッ 

凛「なっ……!?」 

ズシーン 

サンダース「ダース」バタンキュー 

447: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:29:26.03 ID:ofaHNNf40
恵磨『サンダース、ダウーン!!』 

ワァァァァァ 

乃々「ひええ……」 

晶葉「まずいぞ……サンダースが倒された」 

卯月「今の、もしかしてサンダースのPPが切れてた……?」 

晶葉「ああ。おそらくホエルオーの『プレッシャー』だろうな」 

プレッシャー 
プレッシャーを与えて相手の使う技のPPを多く減らす 

晶葉「大きすぎて攻撃を躱しきれない分、プレッシャーとアクアリングの組み合わせで苦手な技を克服してきたんだろう」 

448: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:30:02.55 ID:ofaHNNf40
凛(……) 

凛(サンダースが倒された……) 

凛(これで残ってるのは、相性の悪いドリュウズと体力の僅かなムクホーク、サザンドラ) 

凛(……ムクホークとサザンドラは次の攻撃の反動で倒れるだろうし、あの巨体じゃドリュウズのじわれも効くかどうか……) 

凛(……ここまで、か……) 

凛(……) 

凛(……) 

449: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:30:33.16 ID:ofaHNNf40
凛「……ムクホーク」ポン 

ムクホーク「ムクホー……!」ヨロッ 

恵磨『凛選手、ムクホークを繰り出しましたが、既に体力は限界です!』 

瑞樹『一応、ルールとして降参することもできるけど、凛ちゃんはあくまで諦めない気ね』 

幸子「ムクホーク、けっこう傷だらけですが……まだ手はあるんですかね?」 

晶葉「いや……」 

450: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:31:13.77 ID:ofaHNNf40
凛「……」 

晶葉「肝心の凛に覇気がない。とても策があるような余裕はなさそうだな」 

美玲「おい、じゃあ降参もできるのに意地張って戦わせてるのかよ!?」 

美玲「それはムクホークが可哀想なんじゃ……!」 

乃々「美玲ちゃん、それは言いすぎでは……」 

杏「ふふ……これはもらったね」 

きらり「いょーし、このまま突き進めー! だにぃ☆」 

451: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:31:45.28 ID:ofaHNNf40
きらり「ホエルオーちゃん、のっしかかりー!」 

ホエルオー「ホエー☆」ピョーン 

凛「ムクホーク、躱して……」 

ムクホーク「ムクホー……!」ヒョイ 

ズシーン 

恵磨『ムクホーク、間一髪で攻撃を躱しました!』 

瑞樹『でもこの調子だと長くは持たなそうね』 

瑞樹『凛ちゃんも憔悴しきっているみたいだし……』 

452: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:32:19.61 ID:ofaHNNf40
凛「……」 

卯月「凛ちゃん……諦めないで!!」 

幸子「凛さん……!」 

晶葉「凛……!」 

凛「……」 

凛「……」フッ 



凛「今だムクホーク! がむしゃら!!」 

453: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:32:54.90 ID:ofaHNNf40
ムクホーク「ムクホー!!」 

ビシバシ 

ホエルオー「ホエー!?」 

きらり「うぴゅ!?」 

杏「そんな!?」 

恵磨『な、なんと……ホエルオーの体力がみるみる減っていく……!』 

ホエルオー「ホエー……」ヨロヨロ 

454: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:33:37.90 ID:ofaHNNf40
きらり「そ、そんな……」 

凛「1つだけあったんだ。あのホエルオーを突破する方法が」 

凛「ムクホークの体力をギリギリまで減らして、『がむしゃら』で対抗する……この時を待っていた!」 

凛「きらり。この先に突き進むのは私の方だよ!!」 

きらり「ホ、ホエルオーちゃん……!」 

凛「でんこうせっか!」 

ムクホーク「ムクホー!」バシィ 

ホエルオー「ホエー……!」 

455: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:34:36.72 ID:ofaHNNf40
ホエルオー「……ホエー」 

ズズゥゥゥゥン 

きらり「ああ……」 

恵磨『ムクホーク戦闘不能! 決勝に駒を進めた勝者は……』 

恵磨『大逆転を決めた凛選手だぁぁぁぁーー!!!!』 


ドワァァァァァァ 


凛「ふう、勝てた……」

456: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:35:08.70 ID:ofaHNNf40
きらり「ホエルオーちゃん……お疲れ様、だにぃ」 

きらり「うにゅう、負けちゃったあ!」 

凛「ムクホーク、よく頑張ってくれたね」 

ムクホーク「ムクホー」 

きらり「うんうん、ムクホークちゃん、ほんとによく頑張った! えらいぞぉ!」 

きらり「はあ、杏ちゃんと決勝で会おうって約束したのに、きらりん守れなかったにぃ」 

きらり「でも凛ちゃんに負けちゃったなら後悔はないにぃ! はっびはぴだよぉ☆」 

457: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:35:47.64 ID:ofaHNNf40
凛「きらりこそ……本当に強かった。あと一歩で負けてたかも」 

きらり「ううん。凛ちゃんの方がずーっと強かったにぃ!」 

きらり「凛ちゃん凛ちゃん、きらりん最後まで凛ちゃんのこと、いーっぱい応援するから、この先も頑張ってね!」 

凛「うん、ありがとう」 

グッ 

パチパチパチパチ 

458: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:36:25.24 ID:ofaHNNf40
晶葉「ふう、全く……疲れさせてくれるよ」 

志希「あの場面、ポケモンをこれ以上傷つけさせまいとムクホークを出さないトレーナーって多いんじゃないかな」 

志希「でも凛ちゃんはムクホークを信じてセオリーを破った。ポケモンとトレーナーの絆が生み出す力……にゃふふ、すごいもん見ちゃった♪」 

幸子「はい、本当に素晴らしかったです……!」 

卯月「次は未央ちゃんと杏ちゃんか」 

卯月「未央ちゃん、大丈夫かなあ」

459: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/24(金) 21:37:13.59 ID:ofaHNNf40
未央「しぶりん……!」グッ 

未央「はぁぁ……私もう今度こそダメかと……」 

未央「でもしぶりんは最後まで諦めなかったね」 

未央「私も……頑張らなきゃ!」 


杏「きらり……」 

杏(負けはしたけどいい勝負だったし、これはこれで書籍にできるかも……?) 

杏(……っと、いけないいけない) 

杏(きらりの分まで……とは言わないけど、あんな試合を見ちゃったら、そりゃ気分も高まるよね) 

杏「さて、杏も頑張っちゃいますか」 

463: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:04:47.72 ID:XUPCa7R10
恵磨『さあ、まだまだ行きましょう! 続いて準決勝第2回戦です!!』 

瑞樹『凛ちゃんと戦うのはどっちなんでしょうね』 

恵磨『この試合で対戦するのは……!』 

未央「……」ザッ 

恵磨『ここまで難なく勝ち上がってきた期待の新星! 未央選手と――』 

杏「……」ザッ 

恵磨『伝説の鳥ポケモン使い、杏選手だぁぁーー!!』 

464: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:05:22.18 ID:XUPCa7R10
ワァァァァァ 

未央(杏ちゃん……) 

未央(フリーザーにばっかり目がいきがちだけど、ここまで勝ち上がってきただけあってどのポケモンも強力だ) 

未央(強敵だけど、ここを超えればしぶりんが……!) 

杏「へへ、改めて初めまして、だね」 

未央「そうだね。杏ちゃんのバトル、しっかり見てきたよ」 

杏「私もだよ。……いいバトルにしようね」 

未央「もっちろん!」 

465: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:05:52.71 ID:XUPCa7R10
恵磨『それでは第二回戦……スタートォォォォォ!!』 

杏「先手はこの子って決めてんだよね。エルフーン!」ポン 

未央「いくよ、トドゼルガ!」ポン 

凛「……」 


………………………… 


凛「モバP」ザッ 

モバP「おう、凛か。お疲れさん」 

466: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:06:29.80 ID:XUPCa7R10
モバP「愛梨もきらりも強かったが、ここまで本当によく勝ち進んできたな」 

凛「うん……」 

凛「あの、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」 

モバP「うん、言いたいことは大体わかるよ」 

モバP「きらりの使ってたポケモンだろ? たしかキテルグマ、といったか」 

凛「うん」 

凛「図鑑にあんなポケモンは載ってなかった。もしかしてあのポケモンは……」 

467: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:07:16.80 ID:XUPCa7R10
モバP「ああ」 

モバP「アイマスにいないポケモンとなると、おそらくあのポケモンはアローラ地方に生息する新種のポケモンなのかな」 

凛「アローラ地方?」 

モバP「アイマスから遠く離れた、南国のような気候の地方だよ」 

モバP「他の地方と比べて独自の文化が発達していて、自然の多い環境だから生態系も独自のもの、らしい」 

モバP「オレも行ったことないから、受け売りの知識しか持ってないんだけど」 

モバP「きらりはその地方から――知り合いのツテなのか自分で行ったのかは知らないけど――そのキテルグマってポケモンを手に入れたんだろうな」 

モバP「しっかしアローラかぁ。何度か学会で調査に行かせてほしいって頼んでるんだけど、毎回『どうせバカンス目的だろ』って一蹴されるんだよな」 

468: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:08:02.79 ID:XUPCa7R10
凛「そっか。だから図鑑に情報がなかったんだ」 

モバP「まあ、大会としては別に反則ではないし、皆も珍しいポケモンが見れたっていう程度の感覚だろうな」 

凛「そうだね、あんまり騒いでなかったし」 

凛「それを確認したかったんだ。ありがとう、モバP」 

モバP「おう」 

モバP「あと、そうだな、きらりがアローラのポケモンを持ってたってことは」 

凛「?」 

モバP「杏も未知のポケモンを使ってくる……可能性はあるかもな」 


…………………………………………………… 


469: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:08:35.38 ID:XUPCa7R10
凛(杏……どんなポケモンを使ってくるんだろう?) 

卯月「? 凛ちゃん、どうしたの」 

凛「あ……いや、何でもないよ」 

杏「ふっふっふ、エルフーンに踊らされちゃえ!」 

杏「すりかえ!」 

エルフーン「エルー!」サッ 

トドゼルガ「!」 

470: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:09:15.78 ID:XUPCa7R10
瑞樹『まずは前回に引き続きすりかえで先制してきたわね』 

瑞樹『これ、相手にとっては対策がしづらい作戦ね。そもそもすりかえられてもいい道具なんてそうそうないでしょうし』 

未央「……と、思うじゃん?」 

未央「かかったね……」ニヤリ 

杏「へっ?」 

エルフーン「エル?」 

杏「!? これは……とつげきチョッキ!?」 

とつげきチョッキ 
持たせると変化技を出せなくなる代わりに特殊防御を上げる 

471: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:09:46.41 ID:XUPCa7R10
未央「あるんだなぁー、すりかえられてもいい道具が!」 

杏「し、しまった……」 

未央「いくよトドゼルガ! ふぶき!!」 

トドゼルガ「トドー!」ビュォォォォォ 

杏「エ、エルフーン、躱して!」 

エルフーン「エルー!」ヒョイ 

晶葉「なるほど、未央は相手の行動を完全に読んでいたようだな」 

472: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:10:19.65 ID:XUPCa7R10
志希「とつげきチョッキなら自分の技構成を工夫さえすればエルフーンを封じれるからねー。なるほどなるほど」 

志希「ってことは、未央ちゃんのトドゼルガは前回みたいにアンコールとかは使ってこないんだろうねぇ」 

杏「ふー、避けれた……」ホッ 

未央「でも空中だと動きづらいよね!?」 

未央「トドゼルガ、アイアンヘッド!」 

トドゼルガ「トドー!」 

ゴッツン 

473: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:10:57.40 ID:XUPCa7R10
エルフーン「エル……」ドサッ 

恵磨『エルフーン、撃ち落とされて怯んでしまった!』 

未央「よーし、今度こそふぶきだ!」 

トドゼルガ「トドー!!」ビュォォォォォ 

エルフーン「エル……!」 

杏「ぎゃああ、杏のフトンがー!!」 

凛(フトンって……) 

474: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:11:38.98 ID:XUPCa7R10
エルフーン「エルー」バタンキュー 

恵磨『ああっと、エルフーン早くもダウーン!』 

ワァァァァァ 

瑞樹『エルフーンは素早い分打たれ弱いわ。変化技を封じられたのが決め手だったわね』 

未央「だから言ったでしょ? 杏ちゃんのバトル、しっかり見てきたよ、ってね!」 

杏「ぐぐぐ……」 

杏「だったらケッキングだ!」ポン 

ケッキング「ケッ……」ボリボリ 

未央「ケッキングか……なら交代だね、ゲンガー!」ポン 

475: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:12:12.87 ID:XUPCa7R10
ゲンガー「ゲゲー!」 

恵磨『未央選手、ケッキングのノーマル技を封じるゲンガーを繰り出した!』 

未央「確かに前の試合のギガインパクトは強かったけど、ゲンガーには効かないよ!」 

杏「ふっふっふ……それはどうかなぁ?」 

杏「ケッキング、シャドークロー!」 

未央「!?」 

ケッキング「……ケッ!」 

476: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:12:52.22 ID:XUPCa7R10
ズバッ 

未央「ああ、ゲンガー!」 

ゲンガー「ゲゲー……!」ズザァ 

美玲「あのケッキング、ゴースト技も持ってた!」 

杏「まあそりゃゴーストタイプ対策もちゃんとしとかないとだよねー」ドヤァ 

ケッキング「ケッ……」ボリボリ 

杏「あ、ケッキングお休みしてるし、攻撃どうぞー」 

477: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:13:19.74 ID:XUPCa7R10
未央「なら遠慮なく! きあいだま!」 

ゲンガー「ゲゲー!!」コォォォォ 

ケッキング「ケッ……!」バシィ 

恵磨『今度はゲンガーの大技もヒット!』 

瑞樹『与えるダメージはほぼ互角ね』 

杏「う、やるなあ」 

杏「やっぱ休んでる場合じゃない! ケッキング、もっかいシャドークロー!」 

478: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:13:48.79 ID:XUPCa7R10
ケッキング「ケッ……!」 

未央「ゲンガー、躱して!」 

ゲンガー「ゲゲー」ヒュッ 

幸子「ゲ、ゲンガーが消えましたよ!?」 

凛「いや、消えたんじゃない。影の中に潜んだんだ」 

幸子「影に?」 

晶葉「そう、ゲンガーは本来は影に潜むポケモンだからな」 

479: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:14:20.81 ID:XUPCa7R10
ケッキング「ケッ……?」キョロキョロ 

杏「うー、どこに隠れたんだよー。ゲンガーちゃ~ん、アメ玉あげるから出ておいで~」 

未央「そんなに出てきてほしいなら、お望み通り!」バッ 

ゲンガー「ゲゲー!」シュッ 

杏「! ケッキング、後ろだ!」 

未央「きあいだま!!」 

杏「シャドークロー!!」 

480: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:14:48.86 ID:XUPCa7R10
ゲンガー「ゲゲー……!」 

ケッキング「ケッ……!」 

ズバッ 

バシィ 

恵磨『お互いに技がヒットォ!』 

瑞樹『これは相討ち……とはいかなさそうね』 

ケッキング「ケッ……」バタン 

ゲンガー「ゲー……」ヨロッ 

481: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/28(火) 23:15:20.78 ID:XUPCa7R10
恵磨『ダウンしたのはケッキングだぁぁぁぁーー!!』 

ワァァァァァ 

杏「あ、あれー?」 

杏「……そうか、きあいだまってたまに特殊防御を下げる技だった」 

未央「その通り! シャドークローも急所に当たってたらまずかったけどね」 

杏「ぐー……だったら……!」 

杏「未央、このポケモン見たことある!?」ポン 

485: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:49:37.73 ID:DlNMx2kU0
ネッコアラ「ネッコー」zzz 

未央「!?」 

未央「このポケモン……」 

???? 
データ不明 

未央(やっぱり……) 

未央(新種のポケモン……!) 

ザワザワザワザワ 

凛(あれは……) 

486: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:50:12.86 ID:DlNMx2kU0
杏「そりゃないよね! だってアイマスにはいないんだもの!」 

杏「やられる前にやるよ! ふいうち!」 

ネッコアラ「ネッコー」 

バシン 

ゲンガー「ゲゲー」バタンキュー 

恵磨『ゲンガーダウーン! しかし杏選手のポケモンは……』 

瑞樹『さっきのきらりちゃんに続いて見たことのないポケモンを使ってきたわね』 

487: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:50:48.49 ID:DlNMx2kU0
輝子「なに……あのポケモン?」 

乃々「……か、かわいい……」ポワワ 

晶葉「志希、知ってるか?」 

志希「んー、名前だけ。たしか……ネッコアラ、だっけなー」 

凛「ネッコアラ……」 

凛(モバPの予想通りだったね) 

凛(あのポケモンもきっとアローラっていう地方のポケモンだ) 

488: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:51:52.03 ID:DlNMx2kU0
未央「戻って、ゲンガー!」シュゥゥ 

未央「うー……何タイプだ、あのポケモン?」 

未央「タイプがわからないなら、とりあえずボーマンダが無難かな……」 

未央「よし!」ポン 

ボーマンダ「ボー!」 

恵磨『杏選手の未知のポケモン相手にボーマンダが登場です!』 

未央「ドラゴンクロー!」 

ボーマンダ「ボー!!」ズバッ 

489: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:52:35.17 ID:DlNMx2kU0
ネッコアラ「ネッコ……」 

杏「飛び付いてじゃれつく!」 

ネッコアラ「ネッコ!」ポコポコ 

ボーマンダ「ボー……!」 

未央「ボーマンダ!」 

未央(フェアリー技は使ってきたけど、ドラゴンクローが通ったからフェアリータイプじゃない) 

未央(あと考えられるのは……なんだろ、ノーマルとか?) 

未央(もしそうだったら問題なく攻められるね……!) 

490: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:53:25.24 ID:DlNMx2kU0
未央「ボーマンダ、ドラゴンクロー!」 

ボーマンダ「ボ……ボー!!」ズバッ 

未央(よし、着実にダメージは与えてる) 

杏「ネッコアラ、徹底的にじゃれつけー!」 

ネッコアラ「ネッコ!」ポコポコ 

ボーマンダ「ボー……!」 

未央(……それにしても……) 

ネッコアラ「」コクン 

未央(あのネッコアラってポケモン、ずっとウトウトしてるけど) 

未央(もしかして眠りながら戦ってる……?) 

未央(そんなポケモンもいるんだな……って感心してる場合じゃないや) 

491: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:53:57.90 ID:DlNMx2kU0
未央「ボーマンダ、突っ込んで!」 

ボーマンダ「ボー!!」ゴォォ 

杏「迎え撃つよ!」 

未央「と見せかけて……ストーンエッジ!」 

ボーマンダ「ボー!」ゴゴゴゴ 

ネッコアラ「!?」ドッ 

492: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:54:45.71 ID:DlNMx2kU0
ボーマンダ「ボー」 

恵磨『ボーマンダ、ストーンエッジでネッコアラの動きを止めました!』 

ギュン 

瑞樹『そして旋回して距離を取ったわね』 

瑞樹『ドラゴンクローが来ると相手に刷り込ませて不意を狙った、心理戦の勝利だわ』 

ネッコアラ「ネッコ……!」 

恵磨『ネッコアラ、岩に挟まれて思うように動けません!』 

杏「う……!」 

493: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:55:28.49 ID:DlNMx2kU0
未央「よし……いくよ!」 

未央「ボーマンダ! りゅうせいぐん!!」 

ボーマンダ「ボー」ボッ 

ドドドドド 

茜「おお!!」 

ネッコアラ「ネッコ……」 

バタンキュー 

恵磨『ボーマンダの大技が決まったー!! ネッコアラ戦闘不能!!』 

恵磨『未央選手、ここは力と心理戦で制しました!!』 

ワァァァァァ 

494: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:56:12.44 ID:DlNMx2kU0
晶葉「うまく立ち回ったな、未央!」 

幸子「いい調子ですね! ここまで1匹しか倒されていません!」 

晶葉「ま、まだ向こうにはフリーザーがいるがな」 

凛「そうだね……フリーザーが出てくるまでにどれだけ持ちこたえられるか」 

杏「……」 

杏「カビゴン!」ポン 

カビゴン「カビー」ドスゥン 

495: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:56:55.35 ID:DlNMx2kU0
未央(よし、ここまではいい調子だ) 

未央(フリーザーが出てくるまで、なるべく手持ちを温存しないと……!) 

未央「ボーマンダ、交代!」シュゥゥ 

未央「いくよ、カポエラー!」ポン 

カポエラー「カポー!」 

恵磨『カビゴン相手にカポエラーが登場です!』 

496: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:57:26.21 ID:DlNMx2kU0
未央「カポエラー、まわしげり!」 

カポエラー「カポー!」グルグル 

杏「受け止めるよ!」 

カビゴン「カビー!」ポヨン 

美玲「おお、お腹で受けた!」 

カポエラー「カポ……!」ズザザ 

未央「うーん、やっぱり固い……いや柔らかい?」 

497: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:57:58.34 ID:DlNMx2kU0
未央(あの弾力のある体、『あついしぼう』の応用だね) 

未央(生半可な攻撃は通じない……なら!) 

未央「フェイント!」 

カポエラー「カポッ」バシ 

カビゴン「カビッ」グラッ 

恵磨『カビゴンの足を掬いました!』 

未央「よし、姿勢が崩れたところに……」 

未央「インファイト!!」

498: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:58:40.61 ID:DlNMx2kU0
カポエラー「カポー!!」 

カビゴン「カビー……!」ボコスカ 

杏「う、やるね」 

瑞樹『なるほど、インファイトね』 

瑞樹『カポエラーみたいな『テクニシャン』の特性を持つポケモンは自然と特性の効く範疇の技に縛られがちだけど』 

瑞樹『未央ちゃんはそこに囚われず、単純な最大火力という点でインファイトを選んだわけね』 

杏「まだまだ! のしかかり!」

499: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:59:21.20 ID:DlNMx2kU0
カビゴン「カビー!」ズシーン 

カポエラー「カポッ!」 

未央「くっ……!」 

未央「まわしげり!」 

カポエラー「カポ!」グルグル 

杏「効かないよ! お腹で受け止め――」 

未央「カポエラー、額を狙って!」 

500: ◆7P/ioTJZG. 2020/01/31(金) 23:59:51.08 ID:DlNMx2kU0
カポエラー「カポ!」ギュン 

恵磨『カポエラー、『あついしぼう』のお腹を避けてカビゴンの額に飛び込んだ!!』 

カポエラー「カポー!!」 

カビゴン「カビ……!」ボコスカ 

未央「よし! このまま押し切る――」 

杏「カビゴン、全力で眠れえー!!」

501: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:00:31.88 ID:Ry9c1wCL0
カビゴン「カビー」スヤァ 

未央「ああっ!」 

幸子「眠られてしまいました……!」 

カビゴン「カビー」zzz 

ポワワ 

凛「カビゴンの体力がみるみる回復していく……!」 

卯月「せっかく追い込んだのに……!」 

凛「しかもあのカビゴンは眠りながらでも攻撃してくる……」 

凛「次に起きるまでに倒しきれなかったら堂々巡りだ」 

502: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:01:01.46 ID:Ry9c1wCL0
未央「……」 

杏「カビゴン、ねごと!」 

カビゴン「カビー」ボヤボヤ 

カビゴン「カビ!」ピョーン 

未央(飛び上がってきた……のしかかり!) 

カビゴン「カビ!」ズズゥン

503: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:01:48.46 ID:Ry9c1wCL0
恵磨『カポエラーに直撃だー!』 

瑞樹『これは耐えられないかしら――』 

カポエラー「カポ!」グググ 

杏「なっ!?」 

未央「へへっ、ただじゃ終わらないよ!」 

杏「まさか……カウンター!」 

未央「その通り! 最初からちゃんみおの勝利は決まっていたのだ! いっけぇー!!」 

カポエラー「カポー!!」ズゥン

504: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:02:18.09 ID:Ry9c1wCL0
カビゴン「カビー……!?」 

恵磨『カポエラー、カビゴンを弾き飛ばしたー!!』 

ズズゥン 

未央「トドメのまわしげりー!」 

カポエラー「カポー!」グルグル 

カビゴン「カ、カビ……!」バシィ 

カビゴン「カビ……」バタンキュー 

恵磨『カビゴンダウーン!!』 

ワァァァァァ 

505: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:02:52.83 ID:Ry9c1wCL0
カポエラー「カ……カポー」バタンキュー 

瑞樹『カポエラーもカウンターの反動で倒れたわね』 

幸子「これで手持ちの差は倍になりましたね……!」 

杏「くそー……クレベース!」ポン 

クレベース「クレ」 

未央「トドゼルガ!」 

トドゼルガ「トドー!」 

506: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:03:26.31 ID:Ry9c1wCL0
未央「あ、そのクレベース、もしかしてレオン島の……」 

杏「お、未央もあそこ行ったんだ。寒かったよねー」 

杏「ま、同郷対決ならなおさら負けられないね! のろい!」 

クレベース「クレー」ググゥ 

恵磨『クレベース、まずは能力を高めます!』 

未央「攻撃あるのみ! しおみず!」 

トドゼルガ「トドー!」ブシャァ 

507: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:03:58.67 ID:Ry9c1wCL0
杏「ゆきなだれ!」 

クレベース「クレ!」ドドド 

恵磨『クレベース、トドゼルガの攻撃をせき止めました!』 

杏「こっちからも行くよ! ジャイロボール!」 

クレベース「クレー!」ギュォォォ 

未央「トドゼルガ、受け止められるよね!」 

トドゼルガ「トド!!」グッ 

508: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:04:38.30 ID:Ry9c1wCL0
バシィ 

トドゼルガ「トドー!」 

クレベース「クレ……!」ズザァ 

恵磨『今度はトドゼルガが『あついしぼう』でクレベースを跳ね返したぞ!』 

杏「あっれー、おかしいな……ジャイロボールってこんなに効かなかったっけ?」 

杏「……あー」 

杏「そういやトドゼルガにくろいてっきゅう渡してたんだった……」

509: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:05:14.75 ID:Ry9c1wCL0
未央「アイアンヘッド!」 

トドゼルガ「トドー!」シャキーン 

クレベース「クレ!」バシィ 

杏「あーちょっと! 杏のベッドがー!!」 

未央「だからって手加減しないよ! もう一回!」 

トドゼルガ「トドー!」ゴッツン 

クレベース「クレ……!」 

510: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:06:01.55 ID:Ry9c1wCL0
杏「ぐー、ゆきなだれ!」 

クレベース「クレ!」ドドド 

未央「効かないよ! アイアンヘッド!」 

トドゼルガ「トドー!」 

クレベース「クレ!」ゴッツン 

クレベース「クレー」バタンキュー 

511: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/01(土) 00:07:08.79 ID:Ry9c1wCL0
杏「クレベース……!」 

杏(そう、効かなくていいんだ。今は) 

杏「クレベース、ありがとう……」シュゥゥ 

恵磨『クレベース、トドゼルガの怒涛の攻撃に沈みました!!』 

恵磨『ここまで未央選手が大きくリード! 杏選手、とうとう最後の1匹になってしまったぞ!!』 

美玲「つ、ついにアイツが来るんだな……!」

515: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:10:40.15 ID:Kal9b/C40
杏「……お待たせ」 

杏「さあ、存分にやっちゃってよ! フリーザー!!」ポン 

フリーザー「フリー!!」バッサァ 

恵磨『ここでついにフリーザーが登場です!!』 

未央「フリーザー……!」 

未央(手持ちは残り4体……総力戦で挑まなきゃ勝てない……) 

トドゼルガ「トドー……!」 

未央(トドゼルガが怖じ気づいてる……私がしっかりしないと!) 

516: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:11:11.02 ID:Kal9b/C40
杏「フリーザー、ふぶき!」 

フリーザー「フリー!!」ビュォォォ 

トドゼルガ「トドー……!」 

瑞樹『確かに強力な攻撃だけど、『あついしぼう』もあるし全然効いてないわね』 

未央「トドゼルガ、怯まずいくよ! アイアンヘッド!」 

トドゼルガ「トドー!」シャキーン 

トドゼルガ「トド!?」ビタッ 

517: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:12:00.52 ID:Kal9b/C40
未央「えっ!?」 

杏「よーく見てごらんよ、トドゼルガの足元を!」 

カチーン 

幸子「トドゼルガの足元が凍り付いています!?」 

凛「あれは……さっきのクレベースのゆきなだれ!」 

凛「一度溶けた雪をふぶきでまた凍らせることで動きを封じたんだ!」 

志希「今トドゼルガはくろいてっきゅうを持ってる。それに特性は『あついしぼう』。だから未央ちゃんは躱さず受け止める判断をした」 

518: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:12:45.26 ID:Kal9b/C40
志希「杏ちゃんはそれを見越して、フリーザーに繋げるためにわざとゆきなだれを撃っていた……」 

志希「なるほどー、あれは悪足掻きじゃなかったんだねー」 

杏「みんなの仇だよ! フリーザー、ぼうふう!!」 

フリーザー「フリー!!」 

ゴォォォォォ 

未央「うわああっ!?」 

トドゼルガ「ト、トドー!」ブワッ 

バリバリバリ 

519: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:13:17.88 ID:Kal9b/C40
未央「そ、そんな……トドゼルガが吹き飛ばされた!?」 

ズシーン 

トドゼルガ「トドー」バタンキュー 

恵磨『トドゼルガダウーン!! フリーザー強い、強すぎるゥゥー!!』 

ワァァァァァ 

晶葉「くろいてっきゅうを持っていて、しかも地面ごと凍結していたはずのトドゼルガをも吹き飛ばすとは……」 

美玲「おっそろしいぜ……! 未央ー! 負けんなー!!」 

520: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:13:58.88 ID:Kal9b/C40
未央「トドゼルガ、お疲れ様」 

未央(すごいパワーだ……前の試合よりもずっと強力になってる) 

未央(でもここは) 

未央「相性では不利だけど……お願い、ジュカイン!」ポン 

ジュカイン「ジュカー!」 

瑞樹『エースのジュカインが出てきたわね』 

杏「フリーザー相手にくさタイプで大丈夫かな!?」 

未央「相性の差なんて関係ないね! ジュカイン、いわなだれ!」 


521: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:14:45.21 ID:Kal9b/C40
ジュカイン「ジュカー!」ドドドド 

杏「ぼうふうでぶっ飛ばして!」 

フリーザー「フリー!!」ゴォォォォォ 

乃々「い、いわなだれを押し返してる……!?」 

フリーザー「フリィ!」 

杏「岩に紛れて接近してくるよ、油断しないで!」 

ジュカイン「ジュカッ!」ダッ 

杏「上だ!」 

522: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:15:22.42 ID:Kal9b/C40
フリーザー「フリー!!」ビュォォォォ 

未央「くっ、ハードプラント!」 

ジュカイン「ジュカ!!」ゴゴゴゴゴ 

バシュゥゥゥゥ 

恵磨『ジュカイン、地面から生やしたツタで間一髪、フリーザーの猛攻を防ぎました!』 

ジュカイン「ジュカ……」スタッ 

未央「ジュカイン、大丈夫!?」 

523: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:15:51.87 ID:Kal9b/C40
ジュカイン「ジュカ……」ヨロッ 

卯月「ああ、反動が!」 

凛「突発的にハードプラントを出したからね」 

杏「チャーンス! フリーザー、ふぶき!!」 

フリーザー「フリー!!」ビュォォォォ 

未央「! 躱して!」 

ジュカイン「ジュカ……!」サッ 

パキパキ 

524: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:16:25.37 ID:Kal9b/C40
恵磨『ジュカイン、何とか避けましたがシッポが氷漬けになってしまったぞ!』 

瑞樹『あの凍ったシッポはいわばくろいてっきゅうと同じ。あのままだと素早いジュカインにとっての枷になってしまうわ』 

凛「避けきれなかった……!」 

凛(でも未央なら……) 

杏「今度こそ氷漬けにしてあげるよ!」 

フリーザー「フリー!」 

未央「そうはいくか! ジュカイン、全力で走って!」 

525: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:17:06.34 ID:Kal9b/C40
ジュカイン「ジュカ!」ダッ 

ビュォォォォ 

ドドドドド 

恵磨『何とジュカイン、横方向への回避でふぶきを躱し続けます!』 

美玲「シッポが凍ってるのに、何てスピードなんだ……!」 

凛(ジュカイン……いちばん未央と長く一緒にいるポケモンだもんね) 

凛(レベルの高さはフリーザーに匹敵するぐらいだ) 

526: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:17:35.74 ID:Kal9b/C40
未央「隙を見て――」 

シャキーン 

未央「今だ! アイアンテール!!」 

ジュカイン「ジュカ!」バシィ 

フリーザー「フリィ……!」バシィ 

恵磨『アイアンテールが決まったー!!』 

ワァァァァ 

527: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:18:23.26 ID:Kal9b/C40
卯月「あのフリーザーの攻撃を躱しまくるなんて……!」 

晶葉「アイアンテールはシッポを硬化させて攻撃する技だが、そのシッポが氷漬けになっていたことで更に重みが加わった。さしずめ氷のハンマーのような一発になったわけだな」 

晶葉「そしてその一撃で――」 

バキィッ 

輝子「おお、氷が砕けた……!」 

晶葉「これでジュカインは本来の機動力を取り戻したな」 

幸子「この作戦が頭にあったから、未央さんはシッポが凍っても表情に出さなかったんですね! すごい……!」 

528: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:19:51.65 ID:Kal9b/C40
フリーザー「フリ……」ヨロッ 

ジュカイン「ジュカ」スタッ 

未央(何とか一撃を加えられたけど) 

未央(減らせた体力は三分の一ぐらい、か) 

未央(できればアイアンテールで攻めたいけど、同じ戦法は通じないし) 

未央(やっぱり地道に削るしかないってことだね) 

未央「ジュカイン、いわなだれ!」 

529: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:20:23.36 ID:Kal9b/C40
ジュカイン「ジュカ!」ゴゴゴゴ 

杏「来るよフリーザー、飛んで!」 

フリーザー「フリー!」バサバサ 

フリーザー「フリ」キッ 

未央「そこだ! ジュカイン、リーフブレード!」 

ジュカイン「ジュカ!」ズバッズバッ 

フリーザー「フリ!?」 

530: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:20:50.20 ID:Kal9b/C40
恵磨『ジュカイン、リーフブレードで自身が放ったいわなだれを切り刻んだ!』  

恵磨『そして刻んだ岩の破片を空に撃ち上げたぞぉ!』 

フリーザー「フ……フリ……!」ゴツッゴツッ 

晶葉「岩の破片が食い込んでいく……まるでステルスロックみたいだ」 

卯月「未央ちゃん、すごい……!」 

フリーザー「フリ……!」 

杏「ああ、フリーザー!」 

531: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:21:36.13 ID:Kal9b/C40
未央「姿勢が崩れた! 今なら――」 

未央「ジュカイン、懐に潜り込んでアイアンテールだ!」 

ジュカイン「ジュカー!」シャキーン 

恵磨『ジュカインが再び攻めてきたぞぉ!!』 

瑞樹『これも大ダメージを与えられそうね』 

未央「もらったぁぁーー――」 



パキ 

532: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:22:10.84 ID:Kal9b/C40
未央「え?」 

卯月「えっ?」 

凛「なっ……」 

パキ……パキ…… 

パキパキパキパキ 

ジュカイン「ジュカ……!?」 

杏「……」ニヤリ 

恵磨『フ、フリーザーの全身から凍てつく空気が放たれている! これは……』 

恵磨『ぜったいれいどだぁぁぁぁーー!!』 

533: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:22:52.44 ID:Kal9b/C40
ジュカイン「ジュカ……」パキパキパキ 

ジュカイン「」ピキーン 

恵磨『一撃必殺!! ジュカイン戦闘不能ーー!!』 

ワァァァァァァァ 

未央「ジュカイン!!」 

杏「ふっふっふ……これがフリーザーの恐ろしさだよ」 

杏「未央、なんでフリーザーが上空に飛んだ時にジュカインをずっと見つめていたんだと思う?」 

534: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:23:32.44 ID:Kal9b/C40
未央「え……」 


『フリーザー「フリ」キッ』 


未央「! こころのめ……!」 

杏「せいかーい。ああでもしないと素早いジュカインには当てられないと思ったからね」 

杏「いやー、ぶっちゃけこのコンボで大体の相手は倒せるんだけどさ。それじゃ面白くないじゃん?」 

杏「だから奥の手を使わせてもらったよ。もちろんこれを使ったのは前のフライゴンとこのジュカインだけ……だけどね」 

未央「く……」 

535: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:25:16.63 ID:Kal9b/C40
杏「悪いけど杏はチャンピオンになって本を出して印税生活するって夢があるんだ。その夢を邪魔するなら容赦しないよ!」 

未央「!」 

未央(そうか……杏ちゃんも、夢があるんだね) 

未央(……) 

未央(……わたしはどうなんだろう) 

未央(ポケモンマスターになりたいって思いでアマミタウンを飛び出して、ここまで走ってきたけど)

536: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:25:46.19 ID:Kal9b/C40
未央(もししぶりんに勝っても、その先には何があるんだろう) 

未央(……) 

卯月「未央ちゃん……!」 

凛「未央……!」 

未央「……あたしにもね」 

未央「あるよ、夢が」 

537: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:26:42.84 ID:Kal9b/C40


………………………………… 

凛『遅かれ早かれ戦うことにはなってたよ』 

モバP『確かにな。でも俺は凛にも、卯月にも、未央にもいい所まで行ってほしいんだ。それこそ上位独占するくらいの勢いでさ』 

未央(……!) 

………………………………… 



未央「私が勝ったら、喜ぶ人がいる」 

未央「自分のことのように喜んでくれる人がいるんだ。その人にはきっと色んな思いがあったんだろうけど、私達をこうして旅に出させてくれた。私たちに、最初の一歩を歩ませてくれたんだ」

538: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:27:26.59 ID:Kal9b/C40
未央「だからちゃんみおにできることは――その人のためにも――」 

ニコッ 

未央「最後まで、顔上げて全力で!」 

未央「お願い、エレザード!」ポン 

エレザード「エレー!」 

未央(ジュカインが頑張って繋いでくれた……ここで決める!) 

539: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:28:06.95 ID:Kal9b/C40
杏「誰が来ようと一緒だよ! ふぶき!!」 

未央「あくのはどうで相殺!」 

エレザード「エレー!」ババババ 

ビュォォォォォ 

恵磨『ふぶきとあくのはどうがせめぎ合いますが――ふぶきが優勢か!』 

エレザード「エレ……!」 

未央「やっぱり防ぎきれないなら……」 

540: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:28:35.02 ID:Kal9b/C40
未央「『パラボラチャージ』!」 

エレザード「……!」 

エレザード「エレ!」ビリビリビリ 

フリーザー「フリッ!」バリバリ 

エレザード「エレザー」 

未央「これで回復……っと!」 

杏「まだまだ! ぼうふう!!」 

フリーザー「フリィ!!」ブワッ 

541: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:29:07.17 ID:Kal9b/C40
未央「もう一回あくのはどうで相殺!」 

エレザード「エレー!」 

エレザード「エレッ……」ドッ 

幸子「これも相殺しきれません!」 

美玲「何やってんだ未央! 防戦一方じゃんか!」 

卯月「もしかして未央ちゃん、フリーザーのPP切れを待ってるのかな?」 

凛「それもあるだろうけど……」 

凛「仮にふぶきとぼうふうを封じても、まだフリーザーにはぜったいれいどが残ってる」 

卯月「そっか……!」 

542: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:30:06.53 ID:Kal9b/C40
未央「パラボラチャージ!」 

エレザード「エレー!」ビリビリビリ 

凛(……ん?) 

凛(パラボラチャージの威力、さっきより上がっているような……?) 

杏「どうしたの!? 大技で来ないとフリーザーは倒せないよ!」 

杏「次で終わりだよ……最大パワーでふぶき!!」 

フリーザー「フリィィィ!!」 

ビュォォォォォォォォ 

恵磨『エレザードにふぶきが迫る……未央選手、万事休すかぁー!?』 

543: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:31:04.03 ID:Kal9b/C40
未央「……」キッ 

未央「終わらせるのはこっちだ!」 

未央「エレザード、そうでん!」 

エレザード「エレ!」ビビビ 

ビュォォォォォォォォ 

エレザード「エレ……」バチバチバチ 

杏「な!?」 

凛「そうでんで強引にダメージを減らした!」

544: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:31:49.17 ID:Kal9b/C40
未央「いくよ……エレザード」 

未央「私は勝って……しぶりんの所まで行くんだぁぁ!!」 

未央「かみなり!!」 

エレザード「エレー」ゴロゴロゴロゴロ 

恵磨『! これは……エレザードの周囲ににとんでもない電気エネルギーが迸っています!!』 

瑞樹『あんな電気エネルギー、一体どこから……!?』 

未央「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」 

エレザード「エレー!!」 

バリバリバリバリ 

545: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:32:24.29 ID:Kal9b/C40
フリーザー「フリ……!」 

ズドォォォォォォン 

恵磨『かみなりが直撃ー!!』 

シュゥゥゥゥゥ 

杏「あ……あ……」 

フリーザー「フリ……!」 


ズゥン 


恵磨『フリーザー戦闘不能! よって決勝進出は――』 

恵磨『未央選手に決定ーー!!』 

ドワァァァァァ 

546: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:33:26.28 ID:Kal9b/C40
未央「いよっしゃぁ!!」 

エレザード「エレー!!」 

卯月「か、勝った……!」ホッ 

晶葉「うむ、よくやったな」 

美玲「おお……すげぇ……」 

乃々「ひぇぇ……」 

茜「素晴らしい……素晴らしいバトルでした!!」 

547: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:33:59.21 ID:Kal9b/C40
杏「うう……そんな……」 

杏「フリーザー、ごめんね」シュゥゥ 

杏「未央、ちょっと聞きたいんだけど」 

未央「あ、さっきのかみなりのこと?」 

未央「あれはねぇ――」 



………………………… 

未央『よーしエレザードくん、今から対フリーザーの作戦を伝授する!』 

エレザード『エレー』 

548: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:34:41.90 ID:Kal9b/C40
未央『いいかねエレザードくん。フリーザーは知っての通り強敵だ』 

未央『いくらひこうタイプといえど、普通のかみなり程度なら難なく耐えてしまうだろう』 

未央『じゃあどうすればいいかわかるかね?』 

エレザード『エレー』 

未央『その通り! 能力を上げて――しかも相手にバレずに上げることで――確実に1発で倒す!』 

未央『そのためにだエレザードくん、試合中に私が「パラボラチャージ」と指示したら、敢えて「チャージビーム」を打ってほしいんだな!』 

エレザード『エレ?』

549: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:35:27.57 ID:Kal9b/C40
未央『理由は3つ。まず1つは攻撃しながら能力を上げるため。もう1つは威力の弱い技で相手を油断させるため。最後に威力がパラボラチャージと同じだから!』 

未央『多少威力が上がっていったとしても、相手が油断してるなら気づかないはず。気づかれたら……まあその時はその時でしょ!』 

エレザード『エレ』ズコッ 

未央『あはは……とにかく、チャージビームでこっそり能力を上げたら、前の試合と同じく『そうでん』で相手を動揺させて、特大のかみなりを撃ちこむ!』 

未央『この作戦を成功させないと、フリーザー突破は厳しいだろうなー』 

未央『というわけで頼りにしてるぞ、エレザードくん!』 

エレザード『エレー』 

………………………… 



550: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:36:03.88 ID:Kal9b/C40
杏「はあぁ……そういうことかぁ……」 

未央「えへへ、うまくいってよかったよ!」 

杏「悔しいけどこれは一本取られたなあ。はぁ……印税生活は遠い……」 

杏「とにかくおめでとう。次は凛だね……頑張って」 

未央「うん、ありがとう!」 

未央「杏ちゃんもすごく強かった! またバトルしようね!」 

杏「もちろん。次は負けないよ」 

551: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:36:44.76 ID:Kal9b/C40
グッ 

パチパチパチパチ 

恵磨『さあ、いよいよ明日は決勝戦! 凛選手と未央選手のマッチになります!!』 

未央(そうか……次は凛と戦うのか) 

未央(ついにここまで来たんだね……!) 

キッ 

凛(未央……) 

凛(やっぱり決勝で会うことになると思っていたよ) 

未央・凛「「……!」」キッ 

552: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/04(火) 00:37:33.89 ID:Kal9b/C40


………………………… 

杏「あ、きらり」 

きらり「杏ちゃーん、おっつおっつばっちしー☆」 

杏「おう、お疲れー」 

きらり「うゆゆー、杏ちゃんも負けちゃったねぇ」 

杏「うん。でも未央はやっぱり強かった。悔しいけど負けは負けだね」 

杏「フリーザーでも勝てなかったかぁ……」 

きらり「……」 

きらり「……ねえ、杏ちゃん」 

杏「ん?」 

きらり「きらりん、この大会が終わったらね――」

554: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 22:57:50.84 ID:K08aCGyU0
投下します 
今回からは凛VS未央です 

現在のトーナメント表 
no title

555: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:01:16.48 ID:K08aCGyU0
凛 手持ちポケモン 

・ゲッコウガ ♂ Lv.67 げきりゅう 
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/かげぶんしん 
やんちゃなせいかく まけずぎらい 

・ムクホーク ♂ Lv.66 いかく 
ブレイブバード/インファイト/はねやすめ/おいかぜ 
いじっぱりなせいかく うたれづよい 

・ドリュウズ ♀ Lv.64 すなかき 
ドリルライナー/アイアンヘッド/じわれ/いわなだれ 
せっかちなせいかく ものおとにびんかん 

・サンダース ♀ Lv.64 はやあし 
シャドーボール/かみなり/じゅうでん/でんじは 
おくびょうなせいかく ひるねをよくする 

・サザンドラ ♂ Lv.65 ふゆう 
りゅうせいぐん/あくのはどう/りゅうのはどう/かえんほうしゃ 
なまいきなせいかく ちのけがおおい 

・チャーレム ♂ Lv6 ヨガパワー 
ドレインパンチ/しねんのずつき/じこさいせい/ビルドアップ 
おだやかなせいかく しんぼうづよい 

556: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:01:52.52 ID:K08aCGyU0
翌日 

恵磨『さあ! さあ!! さあ!!!』 

恵磨『皆様、たいへんお待たせいたしました!』 

恵磨『長いようで短かった今年のポケモンリーグ、決勝戦をただ今より開催致します!!』 

ワァァァァァ 

瑞樹『この試合に勝った方が、明日の蘭子ちゃんとのチャンピオン決定戦に挑めるのね』 

恵磨『はい、その通りです!』 

557: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:02:34.14 ID:K08aCGyU0
恵磨『数多の強者を乗り越え、ポケモン達と逞しく歩んできた2名が今、バトルフィールドに降り立ちます!!』 

恵磨『しかも! 今年の決勝戦出場選手は両者ともにリーグ初出場! さらに同じアマミタウンの出身でもあります!!』 

瑞樹『アマミタウン……リーグが終わったら私も一度伺ってみようかしらね』 

恵磨『それでは入場していただきましょう!』 

ゴゴゴゴゴ 

リーグスタッフ「どうぞ」 

凛「……」 

ザッ 

未央「……」 

ザッ 


558: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:03:15.24 ID:K08aCGyU0
恵磨『凛選手、未央選手! 同時に入場致しました!!』 

ワァァァァァ 

美玲「ついに、あの二人が戦うんだな……」 

幸子「そうですね……!」 

輝子「うう、なんだか私まで緊張してきた……」 

志希「……」キッ 

乃々「あ、あの志希さんもマジメモードになってる……」 

晶葉「本当だ、珍しいな」 

志希(今日の晩ごはんどうしよ……) 

559: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:03:45.85 ID:K08aCGyU0
こずえ「あ……お姉ちゃんたちだー……」 

文香「お二人とも、かなり力んでいますね」 

茜「そりゃーそうでしょう! もう宿命のライバルって感じがビンビン伝わってきますからね!!」 

卯月「凛ちゃん……未央ちゃん……」 


モバP「凛、未央」 

モバP「二人とも、見違えるくらい大きくなったな……」 


560: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:04:17.96 ID:K08aCGyU0
モバP「寂しくもあるけど、誇らしくもある」 

モバP「さて、しっかり見届けさせてもらうよ」 


真奈美「凛も未央も、いい表情だ」 

真奈美「……笑いなさい。かつてそう教えたはずだからね」 

真奈美「二人とも。この戦い、しっかり見ておくんだよ」 

ありす「はい」 

晴「もちろん!」

561: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:04:55.42 ID:K08aCGyU0
未央「しぶりん!」 

ザッ 

未央「決勝で会えるって信じてたよ!」 

凛「未央こそ」 

凛「未央と戦うならここしかないってずっと思ってた」 

未央「うん!」 

未央「そう言えばまだしぶりんとは旅に出てから2回しか戦ってなかったね」

562: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:05:22.45 ID:K08aCGyU0
未央「ここまで1勝1敗……ここで勝ち越して、蘭子ちゃんへの挑戦権もズバッと頂いちゃうよ!」 

未央「全部ぶつけるからね……覚悟してて!!」 

凛「こっちこそ……負けないよ」 

恵磨『それではいざ尋常に……』 



恵磨『決勝戦ッ! スタートォォォ!!』 

563: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:06:07.80 ID:K08aCGyU0
凛「サンダース!」 

ポン 

未央「ゲンガー!」 

ポン 

サンダース「ダース!」 

ゲンガー「ゲゲー!」 

晶葉「まずはサンダースとゲンガーか」 

564: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:06:38.35 ID:K08aCGyU0
瑞樹『共に速攻アタッカーを仕掛けてきたわね』 

瑞樹『この大会、凛ちゃんも未央ちゃんも攻めのスタイルで勝ち抜いてきたわ。この決勝戦も小細工なしのぶつかり合いになりそうね』 

凛「サンダース、でんじは!」 

サンダース「ダース!」バリバリ 

未央「躱してシャドーボール!」 

ゲンガー「ゲー」サッ 

ゲンガー「ゲゲー!」ボッ 

565: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:07:08.85 ID:K08aCGyU0
凛「こっちもシャドーボール!」 

サンダース「ダァ!」ボッ 

ズドン 

未央「さすがだね……!」 

凛「未央こそ!」 

シュゥゥ 

凛(砂煙が消えた瞬間が勝負……) 

566: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:07:41.06 ID:K08aCGyU0
凛「サンダース!」 

サンダース「ダー!」 

恵磨『サンダース、一気に距離を詰めてきました!』 

凛「かみなり!!」 

サンダース「ダー」ゴロゴロゴロ 

サンダース「ダース!!」バリバリバリ 

茜「かみなりが決まりました!!」 

シュゥゥ…… 

567: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:08:09.82 ID:K08aCGyU0
サンダース「……!?」 

凛「! かみなりが外れてる!?」 

凛「あの間に後退していた……!」 

未央「へへん、そう来ると思ったよ!」 

未央「ゲンガー、ヘドロばくだん!」 

ゲンガー「ゲゲー!」ドプッ 

サンダース「ダース……!」ドバァ 

568: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:08:50.28 ID:K08aCGyU0
恵磨『ああっとサンダース、ヘドロばくだんをモロに喰らってしまった!!』 

晶葉「あの場面、サンダースが距離を詰めてくることを完全に読んでいたな」 

志希「凛ちゃんのクセをわかりきってるねぇ」ニャフフ 

サンダース「ダース……!」ドクドク 

恵磨『さらにサンダース、毒を浴びてしまいました! これは痛い!』 

凛「くっ……」 

569: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:09:21.42 ID:K08aCGyU0
凛「……! そうだ!」 

凛「サンダース、シャドーボール!」 

サンダース「ダース!」ボッ 

未央「こっちも!」 

ゲンガー「ゲゲー!」ボッ 

ズドン 

美玲「またシャドーボール同士がぶつかった!」 

570: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:09:49.13 ID:K08aCGyU0
未央(さっきと同じ展開……) 

未央(サンダースはどう来る?) 

未央(同じ手で来るのは考えにくいな……いったん様子を見るのもアリだけど) 

未央「今度はこっちから攻めるよ! シャドーボール!」 

ゲンガー「ゲゲ――」 

凛「遅い!!」 

サンダース「ダース」フッ 

571: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:10:18.57 ID:K08aCGyU0
ゲンガー「ゲゲ!?」 

未央「う、うそ!?」 

恵磨『なんとサンダース、いつの間にかゲンガーの背中を取っている!?』 

凛「かみなり!!」 

サンダース「ダース!!」バリバリバリ 

ゲンガー「ゲゲ!!」 

志希「おぉ……!」 

晶葉「零距離でのかみなりが決まった……なるほど」ニッ 

572: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:10:55.56 ID:K08aCGyU0
ゲンガー「ゲゲー……!」ビリビリ 

未央「ゲンガー!」 

恵磨『ゲンガー、大技をまともに喰らって動けません!』 

凛「シャドーボール!」 

サンダース「ダース!」ボッ 

ゲンガー「ゲゲッ!」 

ドガッ 

573: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:11:22.94 ID:K08aCGyU0
バタンキュー 

恵磨『ゲンガーダウーン! まずは凛選手が先制!!』 

ワァァァァァ 

凛「よし!」 

美玲「おお、やるじゃん!」 

美玲「でもなんでサンダースはあんなに速く動けたんだ?」 

晶葉「あれは限られたサンダースだけが持っている特性、『はやあし』だ」 

はやあし 
状態異常になると素早さが上がる 

574: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:12:00.87 ID:K08aCGyU0
晶葉「毒状態になったのを逆手に取り、さっきと同じ戦法で不意を突いたと同時にスピードでゲンガーを圧倒した」 

晶葉「大胆だが、さすがだな。やっぱり君にイーブイを預けて正解だったよ」 

輝子「おー、なるほど……!」 

未央「ゲンガー、お疲れ様」 

未央「うーん、まさか同じ手を使われて負けるとは……」 

未央「うん、やっぱりしぶりん相手に油断なんてできないね!」 

未央「エレザード、よろしく!」ポン 

エレザード「エレ!」 

575: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:12:31.14 ID:K08aCGyU0
凛「エレザード……でんきタイプ対決だね」 

サンダース「ダース……」ドクドク 

凛(サンダースは毒のダメージがあるし、エレザードに有効な技を持ってないけど) 

サンダース「ダース!」 

未央「サンダースはやる気十分、みたいだね!」 

凛「そうだね……!」 

凛「いくよ、サンダース!」 

576: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:13:13.43 ID:K08aCGyU0
サンダース「ダー!」 

未央「エレザード!」 

エレザード「エレ!」 

凛・未央「「かみなり!!」」 

バリバリバリバリバリバリ 

恵磨『お互いのかみなりが激しくぶつかり合う!!』 

瑞樹『大技の応酬ね……!』 

577: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:13:52.76 ID:K08aCGyU0
晶葉「しかしこの勝負、サンダースは様々な面において不利だな」 

晶葉「まず覚える技のバリエーションに差がある。サンダースはエレザードに対して有効打がないが、エレザードはそうとも限らない」 

晶葉「それにサンダースはスピードはあれど、毒で身体が蝕まれている。普通なら交代が望ましいところだが」 

幸子「でんきタイプ同士のプライド……でしょうか」 

志希「うん。確かにポケモンバトルでは相性とかも大事だけど」 

志希「それよりも大事なものがあの二人にはあるみたいだねー」 

578: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:16:34.28 ID:K08aCGyU0
サンダース「ダース……!」ザッ 

エレザード「エレ……!」ザッ 

未央「やっぱり、かみなりを打ち続けるだけじゃ埒が明かない……」 

未央「エレザード!」 

エレザード「エレ!」ボコボコ 

恵磨『エレザード、地中に潜りました!』 

凛「これは……あなをほる!」 

579: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:17:04.03 ID:K08aCGyU0
サンダース「ダース……」 

凛「どこから出てくる……?」 

凛「サンダース、走り回って!」 

サンダース「ダー!」ダダダ 

恵磨『サンダース、フィールドを駆け回って的を絞らせない狙いです!』 

未央「いい作戦だね! たしかにサンダースは素早いよ」 

未央「けど……」 

580: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:17:41.16 ID:K08aCGyU0
サンダース「……」ダッ 

未央「今だ!」 

エレザード「エレー!!」ドガァッ 

サンダース「!」 

凛「!? 潜った穴から出てきた!?」 

未央「きあいだまー!!」 

エレザード「エレー!!」バシュッ 

581: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:18:10.39 ID:K08aCGyU0
サンダース「ダース……!」ドゴォッ 

サンダース「ダース」バタンキュー 

恵磨『サンダース、ダウン!!』 

ワァァァァァ 

未央「へへ、まさか潜った穴からまた出てくるとは思ってなかったでしょ?」 

凛「そうだね……完全に裏を突かれた」 

凛「お疲れ、サンダース」 

凛「ドリュウズ!」ポン 

582: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:18:51.62 ID:K08aCGyU0
ドリュウズ「ドリュ!」 

瑞樹『相性のいいドリュウズね。でもエレザードもドリュウズの弱点を突けるわ』 

未央「エレザード、もう一度あなをほる!」 

エレザード「エレ!」ボコボコ 

幸子「また地中に潜りました!」 

晶葉「エレザードはでんきタイプだが本来は砂漠に生息しているポケモンだ」 

晶葉「地中でもドリュウズと張り合えないこともないだろうな」 

凛「ならこっちも!」 

583: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:19:22.08 ID:K08aCGyU0
ドリュウズ「ドリュ!」ボコボコ 

恵磨『今度はお互いにフィールドの中へ潜りました!』 

恵磨『果たして地面の中ではどんな攻防が繰り広げられているのか――』 

凛「……」 

未央「……」 

ドカンッ 

ドリュウズ「ドリュ……!」 

エレザード「エレ……!」 

584: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:19:48.84 ID:K08aCGyU0
恵磨『同時に地面から出てきた!』 

未央「エレザード、きあいだま!」 

エレザード「エレー!!」バシュッ 

ドリュウズ「ドリュ!」ドガァ 

恵磨『浮いたところを狙われた! ドリュウズ、これは避けられなぁーい!!』 

ドリュウズ「ドリュ!」ズザァ 

凛「ドリュウズ……まだいけるよね」 

585: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:20:27.27 ID:K08aCGyU0
凛「構えて!」 

ドリュウズ「ドリュ!」 

ザッ 

未央「もう一発喰らえー!! きあいだま!!」 

エレザード「エレー!」バシュッ 

恵磨『再びきあいだまがドリュウズに迫る!』 

凛「ドリルライナー!!」 

ドリュウズ「ドリュー!!」ギュルルルル 

586: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:20:59.71 ID:K08aCGyU0
美玲「なっ、真正面から!?」 

凛「きあいだまを打ち破れ!!」 

ドリュウズ「ドリュー!!」 

ギュルルルル 

ズバァン 

未央「ええ!? きあいだまが打ち消された!?」 

ドリュウズ「ドリュ!!」 

エレザード「エレ……!!」 

ドゴォッ 

エレザード「エレー」バタンキュー 

587: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:22:01.38 ID:K08aCGyU0
恵磨『ドリュウズ、弱点のはずのきあいだまを強引に貫きました!! エレザードを撃破!!』 

ワァァァァァ 

茜「おお!!」 

卯月「すごい……ドリュウズにあんなパワーがあったなんて」 

凛(よし、うまくいった) 

凛(『やわらかいすな』……こんなのでじめん技が強化されるのか不安だったけど) 

凛(持たせておいて正解だったね) 

やわらかいすな 
持たせるとじめんタイプの技の威力が上がる 

588: ◆7P/ioTJZG. 2020/02/09(日) 23:22:42.21 ID:K08aCGyU0
未央「エレザード、お疲れ様」 

未央「じゃあ……トドゼルガ、よろしくー!」ポン 

トドゼルガ「トドー!」 

凛「やっぱりトドゼルガか……」 

凛(きあいだまを2回も受けたし、ドリュウズは体力的にも限界かな) 

凛「交代!」シュゥゥ