1: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 20:54:18.33 ID:Weenz6vS0
―塔付近、金レイアと銀レウスの巣―
銀レウス 「金さんや……おぅい、金さんやよぉい」
金レイア 「何だい銀さんや……今夕飯できるがんねェ、よよい待ってておくんなせぇなぁ」
銀レウス 「ちょい出てきてくんねぇもんかなぁ」
金レイア 「まーた腰痛かい? ンだから、無茶はせんよぅ言うてるのに……」
銀レウス 「ちゃうよぉ。お客やお客」
金レイア 「客ゥ? こーんな夜更けに誰だいのぉ?」
銀レウス 「金さんや……おぅい、金さんやよぉい」
金レイア 「何だい銀さんや……今夕飯できるがんねェ、よよい待ってておくんなせぇなぁ」
銀レウス 「ちょい出てきてくんねぇもんかなぁ」
金レイア 「まーた腰痛かい? ンだから、無茶はせんよぅ言うてるのに……」
銀レウス 「ちゃうよぉ。お客やお客」
金レイア 「客ゥ? こーんな夜更けに誰だいのぉ?」
引用元: ・イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」 その2
3: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 20:55:47.33 ID:Weenz6vS0
バサルモス 「ひっく……ひっく……」
金レイア 「あんれまぁ、グラビっとこの坊主じゃねぇけぇ。まーたかぃ?」
銀レウス 「家の前で泣いててのぉ。どないすんべか、金さんや」
金レイア 「とっかく、そげんとこいちゃぁ風邪ぇ引くけんの。中いれぇな」
銀レウス 「おうよぉ。ほいよぉ、坊主、あっだけェ飯食わしてやっから、ンな泣くなよぉ」
バサルモス 「うぅ……うう……」
金レイア 「あんれまぁ、グラビっとこの坊主じゃねぇけぇ。まーたかぃ?」
銀レウス 「家の前で泣いててのぉ。どないすんべか、金さんや」
金レイア 「とっかく、そげんとこいちゃぁ風邪ぇ引くけんの。中いれぇな」
銀レウス 「おうよぉ。ほいよぉ、坊主、あっだけェ飯食わしてやっから、ンな泣くなよぉ」
バサルモス 「うぅ……うう……」
4: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 20:56:48.31 ID:Weenz6vS0
金レイア 「ンだぁ? まーた父ちゃんにブン殴られたかぃ?」
銀レウス 「今薬草とっできてやっかんねェ。ここ座りぃ」
バサルモス 「ひっく……ごめん……銀のじいちゃん……金のばあちゃん……」
金レイア 「いいっでいいっで。だけんども、オットコの子なら、そんくれぇで泣くんでねぇよ」
銀レウス 「んだァ。じいちゃんもなぁ、わけェころは、頭の鱗なんざあ、毎日剥がれてたわ」
金レイア 「そのせいでじいちゃんハゲてんよ」
銀レウス 「んでもまぁ、わけぇうちはまた生えてくっから。おらみてえにはなんねぇよぉ」
銀レウス 「今薬草とっできてやっかんねェ。ここ座りぃ」
バサルモス 「ひっく……ごめん……銀のじいちゃん……金のばあちゃん……」
金レイア 「いいっでいいっで。だけんども、オットコの子なら、そんくれぇで泣くんでねぇよ」
銀レウス 「んだァ。じいちゃんもなぁ、わけェころは、頭の鱗なんざあ、毎日剥がれてたわ」
金レイア 「そのせいでじいちゃんハゲてんよ」
銀レウス 「んでもまぁ、わけぇうちはまた生えてくっから。おらみてえにはなんねぇよぉ」
6: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 20:57:49.39 ID:Weenz6vS0
銀レウス 「今はァ昔に比べっど平和な時代になったもんよォ。坊主はらっきぃなんだぞぉぃ」
金レイア 「泣くんでねェよ。ほぅれ、交換爺からもらっだこんがり魚Gだぞぃ」
バサルモス 「…………」
金レイア 「食っでみ。ほぅれ」
バサルモス 「(もぐもぐ)……うまい……う……(ぼろぼろ)」
銀レウス 「何だことなァ。オットコの子がそげに泣くんでねぇ。ほーれ、傷みしてみぃ」
金レイア 「泣くんでねェよ。ほぅれ、交換爺からもらっだこんがり魚Gだぞぃ」
バサルモス 「…………」
金レイア 「食っでみ。ほぅれ」
バサルモス 「(もぐもぐ)……うまい……う……(ぼろぼろ)」
銀レウス 「何だことなァ。オットコの子がそげに泣くんでねぇ。ほーれ、傷みしてみぃ」
7: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 20:58:44.58 ID:Weenz6vS0
バサルモス 「いてて……」
銀レウス 「しこたまやられたなぁ。ンだぁ? 父ちゃんまーたキノコでラリってんのがい?」
金レイア 「しっかたねぇ親父だなぃ。母ちゃんどした?」
バサルモス 「ママは……しごと……」
銀レウス 「そんでここに逃げてきたんかぁ」
バサルモス 「うん……」
銀レウス 「しこたまやられたなぁ。ンだぁ? 父ちゃんまーたキノコでラリってんのがい?」
金レイア 「しっかたねぇ親父だなぃ。母ちゃんどした?」
バサルモス 「ママは……しごと……」
銀レウス 「そんでここに逃げてきたんかぁ」
バサルモス 「うん……」
10: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 20:59:37.66 ID:Weenz6vS0
金レイア 「とりあえず、飯ィ食いなぁね。今日は泊まっていきぃ。明日になりゃぁ、父ちゃんも元に戻っだろうさ」
銀レウス 「ンだなぁ。雪も降ってきだし、しがたねぇ。明日(あすたァ)、じいちゃんが一緒に行ってやっがら」
バサルモス 「ごめん……じいちゃん、ばあちゃん……」
金レイア 「魚冷めっぞぃ。気にすんなってぇ。坊主一匹の寝床ぐらいなら、いつだって用意してあっがらよぉ」
銀レウス 「坊主、今日はじいちゃんとばあちゃんと一緒に寝っぺなぁ」
バサルモス 「(もぐもぐ)うん……うん……(ぼろぼろ)」
銀レウス 「ンだなぁ。雪も降ってきだし、しがたねぇ。明日(あすたァ)、じいちゃんが一緒に行ってやっがら」
バサルモス 「ごめん……じいちゃん、ばあちゃん……」
金レイア 「魚冷めっぞぃ。気にすんなってぇ。坊主一匹の寝床ぐらいなら、いつだって用意してあっがらよぉ」
銀レウス 「坊主、今日はじいちゃんとばあちゃんと一緒に寝っぺなぁ」
バサルモス 「(もぐもぐ)うん……うん……(ぼろぼろ)」
13: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:00:52.98 ID:Weenz6vS0
―深夜―
金レイア 「銀さんやぁ、坊主は寝たがい?」
銀レウス 「満腹になっだらぐっすりさぁ」
金レイア 「あだしらも寝っかねぇ。しっかし、グラビは坊主にゃぁつらーくあだるなぁ」
銀レウス 「三年前のシュレイド城攻略作戦で、あいづひでぇ怪我してっがんなぁ。荒れてんだべぇ」
金レイア 「んだでも、これは酷いべぇ。見てみぃ。頭の鱗が焦げてっぞぃ」
銀レウス 「目にでも当たっだら大変などこだったなぁ」
金レイア 「銀さんやぁ、坊主は寝たがい?」
銀レウス 「満腹になっだらぐっすりさぁ」
金レイア 「あだしらも寝っかねぇ。しっかし、グラビは坊主にゃぁつらーくあだるなぁ」
銀レウス 「三年前のシュレイド城攻略作戦で、あいづひでぇ怪我してっがんなぁ。荒れてんだべぇ」
金レイア 「んだでも、これは酷いべぇ。見てみぃ。頭の鱗が焦げてっぞぃ」
銀レウス 「目にでも当たっだら大変などこだったなぁ」
14: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:01:51.02 ID:Weenz6vS0
金レイア 「とっかく、明日(あすたァ)、火山に連れてってやってくんなましよ」
銀レウス 「わがった。おらが、きっぢり、グラビには説教してやっかんな」
金レイア 「頼んだでぇ、銀さんやぁ」
バサルモス 「グゥ……グゥ……」
金レイア 「こげなちっせぇ子供だっつぅのに、生傷が耐えねぇもんだなぁ」
銀レウス 「シュレイド城の戦いで、おがしくなっだ奴はいっぱいいっがらなぁ」
金レウス 「グラビもこんくらいン時があったんけども……昔のことになっちまったわ」
銀レウス 「わがった。おらが、きっぢり、グラビには説教してやっかんな」
金レイア 「頼んだでぇ、銀さんやぁ」
バサルモス 「グゥ……グゥ……」
金レイア 「こげなちっせぇ子供だっつぅのに、生傷が耐えねぇもんだなぁ」
銀レウス 「シュレイド城の戦いで、おがしくなっだ奴はいっぱいいっがらなぁ」
金レウス 「グラビもこんくらいン時があったんけども……昔のことになっちまったわ」
15: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:03:23.97 ID:Weenz6vS0
金レイア 「ラオシャンロンも、そういやァ、目ェよぉ見えんくなった言ぅてたわ」
銀レウス 「歳だべ? あいづも、おら達とたいして変わらんかんねぇ」
金レイア 「んだぁ? もうンな歳かいな」
銀レウス 「んだ。でもよ、何でもかんでもぶくぶく太りゃあいいっでもんじゃねぇよぉ。ラオのは多分そのせいだぁ」
金レイア 「あいづも気にしとったよ。老後の介護は、誰に頼もうどかなぁ」
銀レウス 「だーれもやりたがんねぇべ。あんな小山みでぇな奴、体ァ洗うだけで、一週間経っぢまう」
銀レウス 「歳だべ? あいづも、おら達とたいして変わらんかんねぇ」
金レイア 「んだぁ? もうンな歳かいな」
銀レウス 「んだ。でもよ、何でもかんでもぶくぶく太りゃあいいっでもんじゃねぇよぉ。ラオのは多分そのせいだぁ」
金レイア 「あいづも気にしとったよ。老後の介護は、誰に頼もうどかなぁ」
銀レウス 「だーれもやりたがんねぇべ。あんな小山みでぇな奴、体ァ洗うだけで、一週間経っぢまう」
20: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:06:46.10 ID:Weenz6vS0
金レイア 「ほんになぁ。んだでも真面目な話、そろそろ後継者とがぁ決めなきゃぁなんねぇべ」
銀レウス 「しっでも、ラオシャンロンの代わりなんでいねぇがらなぁ」
金レイア 「アゴ美とキバ代は頼りになんねぇがんなァ」
銀レウス 「あいづらァ、他人のことなんざァどーでもいいんだっぺ」
バサルモス 「う……グ……グゥ……」
銀レウス 「しっでも、ラオシャンロンの代わりなんでいねぇがらなぁ」
金レイア 「アゴ美とキバ代は頼りになんねぇがんなァ」
銀レウス 「あいづらァ、他人のことなんざァどーでもいいんだっぺ」
バサルモス 「う……グ……グゥ……」
22: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:08:37.22 ID:Weenz6vS0
金レイア 「あんらァ、坊主が起きちまっぞ。寝っぺ、銀さんや」
銀レウス 「そうすっかねぇ。ほんだら、坊主を挟んでやっがぃ」
金レイア 「なーんだか昔ィを思い出すなァぃ」
銀レウス 「金さんやぁ、照れでんのがぃ?」
金レイア 「ばーか抜かすなぃ。阿呆言っでねぇではよ寝っぺぇ」
銀レウス 「そうすっかねぇ。ほんだら、坊主を挟んでやっがぃ」
金レイア 「なーんだか昔ィを思い出すなァぃ」
銀レウス 「金さんやぁ、照れでんのがぃ?」
金レイア 「ばーか抜かすなぃ。阿呆言っでねぇではよ寝っぺぇ」
24: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:09:41.26 ID:Weenz6vS0
―雪山、フルフルの洞穴、入り口―
ティガ弟 「ふぁぁ……あ゛ッ! 兄者、暇だなァ」
ティガ兄 「ちっ。こんな大吹雪じゃ、巣にも帰れねぇ。シクったぜ。ババァの言うことなんざ、ほいほい聞くもんじゃねーな」
ティガ弟 「……なぁ、ノリでメンチ切っちまったけど、おじきぃ本気(マジ)で怒らせたら、相当ヤバいぜ? どうするよ」
ティガ兄 「ンだぁ? てめぇ、ビビってンのか?」
ティガ弟 「おいおい……寒さでイカれたかい? 誰があのもうろく白ヒゲに。俺が心配してンのは、ラージャンのことだよ」
ティガ弟 「ふぁぁ……あ゛ッ! 兄者、暇だなァ」
ティガ兄 「ちっ。こんな大吹雪じゃ、巣にも帰れねぇ。シクったぜ。ババァの言うことなんざ、ほいほい聞くもんじゃねーな」
ティガ弟 「……なぁ、ノリでメンチ切っちまったけど、おじきぃ本気(マジ)で怒らせたら、相当ヤバいぜ? どうするよ」
ティガ兄 「ンだぁ? てめぇ、ビビってンのか?」
ティガ弟 「おいおい……寒さでイカれたかい? 誰があのもうろく白ヒゲに。俺が心配してンのは、ラージャンのことだよ」
25: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:11:03.76 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「……あァ……あ゛ーっ……忘れてた。あのバカ猿、調子こくだろうな……」
ティガ弟 「前からあいつ、俺らの縄張りよこせとか、しょっぱいこと言ってきてたじゃん?」
ティガ兄 「確かになァ、ブランゴ一族総出で来られたら、うっぜぇーな」
ティガ弟 「ま、タリぃけどよ。俺と兄者がいりゃあ、あの汚猿なんざぁ屁でもねー……けどなァ」
ティガ兄 「いや……ラージャン来たら、絶対俺らかあいつ、どっちか死ぬぜ。本気(マジ)でかかんねぇとな……」
ティガ弟 「構うこたぁねぇんじゃねぇの? もういっそのことよ……」
ティガ弟 「前からあいつ、俺らの縄張りよこせとか、しょっぱいこと言ってきてたじゃん?」
ティガ兄 「確かになァ、ブランゴ一族総出で来られたら、うっぜぇーな」
ティガ弟 「ま、タリぃけどよ。俺と兄者がいりゃあ、あの汚猿なんざぁ屁でもねー……けどなァ」
ティガ兄 「いや……ラージャン来たら、絶対俺らかあいつ、どっちか死ぬぜ。本気(マジ)でかかんねぇとな……」
ティガ弟 「構うこたぁねぇんじゃねぇの? もういっそのことよ……」
26: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:11:52.33 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「やめろや。ナナ先生に言われてるだろォが」
ティガ弟 「……あぁぁ゛、それ言われると……だぁぁ! もう!」
ティガ兄 「先生が悲しむことだけはしねェって約束じゃねェか。あの女(ひと)、俺らが同級生殺したつったら泣くぜ?」
ティガ弟 「ちぃ。先生は優しすぎんだよ。あんなゲス野郎、とっととあの時溶岩に叩きこみゃぁ良かったんだ」
ティガ兄 「おい、弟者。先生の悪口は許さねぇぞ」
ティガ弟 「言ってねぇーよ。ただ、先生の最大の長所が、ゲスに利用されてンのが、我慢なんねぇって言っただけだ」
ティガ弟 「……あぁぁ゛、それ言われると……だぁぁ! もう!」
ティガ兄 「先生が悲しむことだけはしねェって約束じゃねェか。あの女(ひと)、俺らが同級生殺したつったら泣くぜ?」
ティガ弟 「ちぃ。先生は優しすぎんだよ。あんなゲス野郎、とっととあの時溶岩に叩きこみゃぁ良かったんだ」
ティガ兄 「おい、弟者。先生の悪口は許さねぇぞ」
ティガ弟 「言ってねぇーよ。ただ、先生の最大の長所が、ゲスに利用されてンのが、我慢なんねぇって言っただけだ」
30: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:13:55.35 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「……ちっ……あのくそ野郎の顔思い出したら、ムカついてきたぜ……」
ティガ弟 「俺もだ……いっちょ、外に向かって大雪玉でも吹っ飛ばすか?」
ティガ兄 「いい提案だぜ弟者。じゃあ、あっちのボボの巣にでも向かってよ」
ティガ弟 「へっへっへ。奴ら、こんな夜中に雪投げ込まれたら、びびって飛び出してくるぜ?」
ティガ兄 「奴らの間抜けな顔でスッキリするか? へへ…………行くぜ、一……」
ティガ弟 「二の……」
ティガ弟 「俺もだ……いっちょ、外に向かって大雪玉でも吹っ飛ばすか?」
ティガ兄 「いい提案だぜ弟者。じゃあ、あっちのボボの巣にでも向かってよ」
ティガ弟 「へっへっへ。奴ら、こんな夜中に雪投げ込まれたら、びびって飛び出してくるぜ?」
ティガ兄 「奴らの間抜けな顔でスッキリするか? へへ…………行くぜ、一……」
ティガ弟 「二の……」
31: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:15:18.71 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「さ……」
キリン 「地獄兄弟のお二人とも、見張りご苦労様です」
ティガ兄 「!!」
ティガ弟 「!!」
キリン 「ど、どうしたんですか? 二人で、固まって……」
ティガ兄 「い……いや、俺たちは何もしてねェ」
ティガ弟 「あァ、何もしようともしてねェ」
キリン 「地獄兄弟のお二人とも、見張りご苦労様です」
ティガ兄 「!!」
ティガ弟 「!!」
キリン 「ど、どうしたんですか? 二人で、固まって……」
ティガ兄 「い……いや、俺たちは何もしてねェ」
ティガ弟 「あァ、何もしようともしてねェ」
32: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:16:33.57 ID:Weenz6vS0
キリン 「? フルフルのお婆ちゃんが、もうブランゴさんたちは来ないだろうから、中に入ってきなさいって」
ティガ兄 「あん? ったく、くそババァが。能天気なことぬかしやがって。奴らのしつこさは、折り紙つきなんだぜ?」
キリン 「でも、もう手を出さないって約束をしてくださったじゃないですか」
ティガ弟 「おいおい。いいかい? ねえちゃん。猿だけは信用しちゃダメだ。奴らの約束っつーのは、俺らの約束とは違う」
ティガ兄 「あん? ったく、くそババァが。能天気なことぬかしやがって。奴らのしつこさは、折り紙つきなんだぜ?」
キリン 「でも、もう手を出さないって約束をしてくださったじゃないですか」
ティガ弟 「おいおい。いいかい? ねえちゃん。猿だけは信用しちゃダメだ。奴らの約束っつーのは、俺らの約束とは違う」
33: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:17:19.52 ID:Weenz6vS0
キリン 「どういうことですか?」
ティガ兄 「猿の一族にとっちゃァ、自分ら以外は全部劣等種なンだよ。家畜って考え方なんだ」
ティガ弟 「ああ。ねえちゃんは、例えば虫ケラと何か約束して、それを律儀に守るかい?」
ティガ兄 「猿の一族にとっちゃァ、自分ら以外は全部劣等種なンだよ。家畜って考え方なんだ」
ティガ弟 「ああ。ねえちゃんは、例えば虫ケラと何か約束して、それを律儀に守るかい?」
35: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:18:05.67 ID:Weenz6vS0
キリン 「虫さんたちも生きているわ。約束したのなら、ちゃんと守らないと」
ティガ兄 「……っがァァ! しょっぺぇ! 何だ? 今時の若い娘は、こういうのがトレンドなのか!?」
ティガ弟 「わからねぇ……わからねぇが兄者……口の中が塩っ辛くて吐きそうだ!!」
キリン 「え……あ、あの……何かおかしなことを言ったかしら……」
ティガ兄 「あのなァァァねえちゃん。みんながみんな、アンタみてーなお花畑だったら、そもそも争いなんて起こんねーの!」
ティガ弟 「そうそう。大人たる者、本音と建前は割り切んなきゃ、やってけねェぜ?」
ティガ兄 「……っがァァ! しょっぺぇ! 何だ? 今時の若い娘は、こういうのがトレンドなのか!?」
ティガ弟 「わからねぇ……わからねぇが兄者……口の中が塩っ辛くて吐きそうだ!!」
キリン 「え……あ、あの……何かおかしなことを言ったかしら……」
ティガ兄 「あのなァァァねえちゃん。みんながみんな、アンタみてーなお花畑だったら、そもそも争いなんて起こんねーの!」
ティガ弟 「そうそう。大人たる者、本音と建前は割り切んなきゃ、やってけねェぜ?」
37: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:19:25.89 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「あの身勝手さ、見ただろ? 奴らは、一度仕留めそこなった獲物は絶対に諦めねぇ」
ティガ弟 「無駄にプライドだけは高ェからな。事情は聞いたけどよ、あのチビ人間、もう終わりだぜ?」
キリン 「そ……そんな……」
ティガ兄 「お……おい。そんな顔すンな。俺らはただ、事実を言っただけで……」
キリン 「女児ちゃん……何も、何も悪いことをしていないのに……」
ティガ弟 「おい、泣くなよ? 絶対泣くなよ? 俺らが泣かせたみてぇじゃねぇか!」
ティガ弟 「無駄にプライドだけは高ェからな。事情は聞いたけどよ、あのチビ人間、もう終わりだぜ?」
キリン 「そ……そんな……」
ティガ兄 「お……おい。そんな顔すンな。俺らはただ、事実を言っただけで……」
キリン 「女児ちゃん……何も、何も悪いことをしていないのに……」
ティガ弟 「おい、泣くなよ? 絶対泣くなよ? 俺らが泣かせたみてぇじゃねぇか!」
38: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:20:22.15 ID:Weenz6vS0
キリン 「(ぐす……)地獄兄弟さんたち……どうすればいいの?」
ティガ兄 「どうすればって、アンタにできるこっちゃ何もねぇよ。ドドのおじきは、横の繋がりが広いから、下手にブチ殺せねぇ」
ティガ弟 「アンタが、猿を一匹も傷つけなかったのは正解だぜ? 敵としてブランゴ一族に総出で狙われたら、命はねぇだろうさ」
キリン 「いいえ……私……怖くて、何もできなかっただけなんです」
ティガ兄 「どうすればって、アンタにできるこっちゃ何もねぇよ。ドドのおじきは、横の繋がりが広いから、下手にブチ殺せねぇ」
ティガ弟 「アンタが、猿を一匹も傷つけなかったのは正解だぜ? 敵としてブランゴ一族に総出で狙われたら、命はねぇだろうさ」
キリン 「いいえ……私……怖くて、何もできなかっただけなんです」
39: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:21:38.53 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「…………」
キリン 「それに、女児ちゃんとドドさまを引き合わせてしまったのも、私の責任なんです」
ティガ弟 「…………」
キリン 「私が、お婆ちゃんの傷薬を、人間の里に取りに…………女児ちゃんを連れて行かなければ……」
キリン 「それに、女児ちゃんとドドさまを引き合わせてしまったのも、私の責任なんです」
ティガ弟 「…………」
キリン 「私が、お婆ちゃんの傷薬を、人間の里に取りに…………女児ちゃんを連れて行かなければ……」
41: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:22:51.23 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「まァ……ババァはそれで良くなったんだろ?」
キリン 「え……」
ティガ弟 「クックのおっさんも、傷を治すことができたじゃねぇか。いーじゃんそれで」
キリン 「でも…………」
キリン 「え……」
ティガ弟 「クックのおっさんも、傷を治すことができたじゃねぇか。いーじゃんそれで」
キリン 「でも…………」
48: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:29:52.22 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「おじきが帰ってくりゃあ、遅かれ早かれ見つかってたさ。早かったか、遅かったかの違いってこと」
ティガ弟 「ま、帰ってきてソッコーっつーのは悪運にもホドがあるっつー問題だけどな」
ティガ兄 「ちげぇねぇ! ガヒャヒャヒャ!!」
ティガ弟 「悪運もまた運ってなァ! ヒャッヒャッヒャ!! いーことあるぜーいつか!! いつかな!!」
ティガ弟 「ま、帰ってきてソッコーっつーのは悪運にもホドがあるっつー問題だけどな」
ティガ兄 「ちげぇねぇ! ガヒャヒャヒャ!!」
ティガ弟 「悪運もまた運ってなァ! ヒャッヒャッヒャ!! いーことあるぜーいつか!! いつかな!!」
49: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:31:26.22 ID:Weenz6vS0
キリン 「…………ありがとう。少し、元気が出ました」
ティガ兄 「そうか? よくわかんねーけどな!」
ティガ弟 「んじゃ、兄者よ。中に入るか? 確かによ、こんな猛吹雪じゃァ猿も出歩けねーだろ」
ティガ兄 「……ンー……だなァ。こりゃ、明日も続くかもしんねェ」
ティガ兄 「そうか? よくわかんねーけどな!」
ティガ弟 「んじゃ、兄者よ。中に入るか? 確かによ、こんな猛吹雪じゃァ猿も出歩けねーだろ」
ティガ兄 「……ンー……だなァ。こりゃ、明日も続くかもしんねェ」
52: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:32:55.07 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「あーあ。桜レイアちゃんと塔行く予定だったのに……残念でした、だぜ、兄者よォ」
ティガ兄 「……あァ゛!! 忘れてた!! ンだよ畜生が!! マジかよ!!!」
キリン 「す……すみません」
ティガ弟 「あぁこっちの話。気にすんな」
ティガ兄 「……あァ゛!! 忘れてた!! ンだよ畜生が!! マジかよ!!!」
キリン 「す……すみません」
ティガ弟 「あぁこっちの話。気にすんな」
54: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:34:20.10 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「弟者! 何でさっさと言わなかったァァァァ!」
ティガ弟 「さぁぁ~。俺も今思い出したしィィ」
ティガ兄 「どーすりゃいーんだよこれェェ!!」
ティガ弟 「兄者、また次があるさ。女なんざぁ、星の数ほどもいるって」
ティガ兄 「そーいう問題じゃねぇんだよ! 蒼レウスがいねぇ時にやっと呼び出せたんだぞ!! てめぇ責任とれ!!」
ティガ弟 「さぁぁ~。俺も今思い出したしィィ」
ティガ兄 「どーすりゃいーんだよこれェェ!!」
ティガ弟 「兄者、また次があるさ。女なんざぁ、星の数ほどもいるって」
ティガ兄 「そーいう問題じゃねぇんだよ! 蒼レウスがいねぇ時にやっと呼び出せたんだぞ!! てめぇ責任とれ!!」
57: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:35:43.13 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「知るかっつーの! 俺達にはナナ先生さえいりゃあいいんだよ!」
ティガ兄 「それとこれとは話は別だ! スッタコがァァ!」
ティガ弟 「何をォォォ! 聞き捨てならんぞ兄者!! あんなビッチ、先生の足元にもおよばねェじゃねぇぇぇかッ!!」
ティガ兄 「桜レイアちゃんの悪口を言うなやァァァ!!」
キリン 「ふっ……二人とも落ち着いてください! 入り口が……入り口が壊れる!」
ティガ兄 「それとこれとは話は別だ! スッタコがァァ!」
ティガ弟 「何をォォォ! 聞き捨てならんぞ兄者!! あんなビッチ、先生の足元にもおよばねェじゃねぇぇぇかッ!!」
ティガ兄 「桜レイアちゃんの悪口を言うなやァァァ!!」
キリン 「ふっ……二人とも落ち着いてください! 入り口が……入り口が壊れる!」
58: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:37:11.13 ID:Weenz6vS0
キリン 「(あぁ……何なのこの人たち……)」
キリン 「(ん……? 何だろう……崖の下、何か動いてる……?)」
キリン 「地獄兄弟さんたち! 何かいます!」
ティガ兄 「あんだとォォォ!?」
ティガ弟 「っつせぇ黙ってろィィィィ!!!」
キリン 「(ん……? 何だろう……崖の下、何か動いてる……?)」
キリン 「地獄兄弟さんたち! 何かいます!」
ティガ兄 「あんだとォォォ!?」
ティガ弟 「っつせぇ黙ってろィィィィ!!!」
60: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:38:15.26 ID:Weenz6vS0
キリン 「それどころじゃないです。もしかしたら、ドドさまたちかも……」
ティガ兄 「どォォーでもいいンだよッ今ァンなことはよォォォ。てめっ、外出ろや。コルァ?」
ティガ弟 「んだぁ? やんのかコラァ?」
ティガ兄 「上等だァ買ってやんよォォ!」
ティガ兄 「どォォーでもいいンだよッ今ァンなことはよォォォ。てめっ、外出ろや。コルァ?」
ティガ弟 「んだぁ? やんのかコラァ?」
ティガ兄 「上等だァ買ってやんよォォ!」
62: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:40:25.35 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「てめーから外出ろやオルァ!」
ティガ兄 「あぁぁ゛ん? てめぇから出るのが礼儀っつーもんだろーが!!」
ティガ弟 「礼儀のレの字も知らねェ分際で生意気なんだよォォォォ!」
ティガ兄 「一字一句間違わずにてめぇのケツに刻み込んだろかァァァァ!?」
ティガ兄 「あぁぁ゛ん? てめぇから出るのが礼儀っつーもんだろーが!!」
ティガ弟 「礼儀のレの字も知らねェ分際で生意気なんだよォォォォ!」
ティガ兄 「一字一句間違わずにてめぇのケツに刻み込んだろかァァァァ!?」
63: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:41:18.18 ID:Weenz6vS0
キリン 「(何か聞こえる……)」
××××× 「ギャォォォォォ! ギャォォォォォ!」
キリン 「(あれは、助けを求める声だわ……誰かが、雪の中で迷ってるんだ……!)」
キリン 「地獄兄弟さんたち! 誰か遭難してます!」
××××× 「ギャォォォォォ! ギャォォォォォ!」
キリン 「(あれは、助けを求める声だわ……誰かが、雪の中で迷ってるんだ……!)」
キリン 「地獄兄弟さんたち! 誰か遭難してます!」
65: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:43:04.77 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「むささびドラゴンがァァ!!」
ティガ兄 「んだとォ? せむしトカゲがぁぁぁ!!」
キリン 「同じ顔です! 二人とも、話を聞いて!!」
ティガ兄 「んだとォ? せむしトカゲがぁぁぁ!!」
キリン 「同じ顔です! 二人とも、話を聞いて!!」
66: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:44:50.31 ID:Weenz6vS0
キリン 「……話を!! 聞いて!!(ピシャァァン!)」
ティガ兄 「(バリバリバリ)ギャァ!」
ティガ弟 「(バリバリバリ)ビャァ!」
キリン 「あ……今のは……雷!? 私、初めて雷を呼べた……!!」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「…………」
ティガ兄 「(バリバリバリ)ギャァ!」
ティガ弟 「(バリバリバリ)ビャァ!」
キリン 「あ……今のは……雷!? 私、初めて雷を呼べた……!!」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「…………」
69: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:46:38.38 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「…………何だ? 今一瞬目の前が真っ白になったような気がしたんだが……」
ティガ弟 「…………俺もだ兄者。まるで、先生に叱られた時のようだった……」
ティガ兄 「この体に走る痛みは……懐かしいあの……」
ティガ弟 「……恋の衝撃……!!」
××××× 「ギャォォォォ!! ギャォォォォォォ!!」
キリン 「さ、行きますよ二人とも」
ティガ弟 「…………俺もだ兄者。まるで、先生に叱られた時のようだった……」
ティガ兄 「この体に走る痛みは……懐かしいあの……」
ティガ弟 「……恋の衝撃……!!」
××××× 「ギャォォォォ!! ギャォォォォォォ!!」
キリン 「さ、行きますよ二人とも」
72: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:47:57.11 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「ンだぁ? 誰か騒いでやがるな」
ティガ弟 「バッカじゃねぇの? ヒャハハ! 遭難してやがんの!!」
ティガ兄 「お、おいねえちゃん! 外はあぶねぇ。凍っちまうぜ!」
ティガ弟 「バッカじゃねぇの? ヒャハハ! 遭難してやがんの!!」
ティガ兄 「お、おいねえちゃん! 外はあぶねぇ。凍っちまうぜ!」
73: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:48:42.70 ID:Weenz6vS0
キリン 「もう私一人で行きます!」
ティガ弟 「ちょっ、そういうわけにはいかねぇだろ。兄者、行くぞ」
ティガ兄 「なんだよクソっ……しゃぁぁーねぇーな……今日は厄日だぜ」
ティガ弟 「ちょっ、そういうわけにはいかねぇだろ。兄者、行くぞ」
ティガ兄 「なんだよクソっ……しゃぁぁーねぇーな……今日は厄日だぜ」
75: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:49:50.62 ID:Weenz6vS0
―雪山、フルフルの洞穴、内部―
女児 「おじさん……」
クック 「女児、どうして私に相談しなかった?」
女児 「私……あのね……」
クック 「どうして勝手に出て行ったのかと聞いているんだ。答えなさい」
女児 「おじさん……」
クック 「女児、どうして私に相談しなかった?」
女児 「私……あのね……」
クック 「どうして勝手に出て行ったのかと聞いているんだ。答えなさい」
76: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:52:29.70 ID:Weenz6vS0
女児 「私……私(ひっく)」
クック 「泣いても駄目だ。キリンちゃんにも言ったが、お前は、危うく殺されかけていたんだぞ?」
女児 「ごめんなさい……おじさん、ごめんなさい……ゆるして……」
クック 「許す許さないの問題ではない。私が言っているのは……」
クック 「泣いても駄目だ。キリンちゃんにも言ったが、お前は、危うく殺されかけていたんだぞ?」
女児 「ごめんなさい……おじさん、ごめんなさい……ゆるして……」
クック 「許す許さないの問題ではない。私が言っているのは……」
79: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:55:02.22 ID:Weenz6vS0
フルフル 「まぁ、そのへんで良いだろう。クック、この子は、傷薬を取りに人間の里まで降りた。ドドに遭ったのは不可抗力だ」
クック 「しかしフルフルさん。迂闊すぎる。この子には、自分が何であるかという自覚がない!」
女児 「(びくっ)」
クック 「それでは、いくら守ろうとしても無駄だ。受ける側がこれでは、ラオシャンロンも……」
クック 「しかしフルフルさん。迂闊すぎる。この子には、自分が何であるかという自覚がない!」
女児 「(びくっ)」
クック 「それでは、いくら守ろうとしても無駄だ。受ける側がこれでは、ラオシャンロンも……」
80: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:56:06.98 ID:Weenz6vS0
女児 「ごめんなさい……ごめんなさい! おねがいおじさん、わたしをすてないで!」
クック 「何を……私はそんな話はしていない!」
女児 「ごめんなさいぃぃ……うぇぇぇぇん……」
クック 「何を……私はそんな話はしていない!」
女児 「ごめんなさいぃぃ……うぇぇぇぇん……」
81: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 21:57:02.25 ID:Weenz6vS0
クック 「…………」
フルフル 「女児よ、あんたが里まで行って、あたしの傷薬を取ってきてくれたのは、感謝をするよ」
女児 「(ひっく……ひっく……)」
フルフル 「あたしもクックも、あんたを怒っているのではないのだよ。心配していたのだ」
女児 「しんぱい……」
フルフル 「女児よ、あんたが里まで行って、あたしの傷薬を取ってきてくれたのは、感謝をするよ」
女児 「(ひっく……ひっく……)」
フルフル 「あたしもクックも、あんたを怒っているのではないのだよ。心配していたのだ」
女児 「しんぱい……」
85: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:00:26.45 ID:Weenz6vS0
フルフル 「あァ。あんたのことを、大事に思っているからこそ、クックはここまで言うのだ。分からないかい」
女児 「わたし……わたし、しっぱいしたから……」
クック 「…………」
女児 「しっぱいしたから、おじさんに、すてられるんじゃないの……?」
女児 「わたし……わたし、しっぱいしたから……」
クック 「…………」
女児 「しっぱいしたから、おじさんに、すてられるんじゃないの……?」
87: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:02:37.72 ID:Weenz6vS0
クック 「そんなことはせん。ならば、駆けつけたりはしなかった……」
女児 「おじさん……」
クック 「危ないじゃないか……もし、傷ついて、取り返しのつかない傷を負ってしまったら」
女児 「…………」
クック 「どうするんだ……」
女児 「おじさん……」
クック 「危ないじゃないか……もし、傷ついて、取り返しのつかない傷を負ってしまったら」
女児 「…………」
クック 「どうするんだ……」
89: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:04:41.65 ID:Weenz6vS0
女児 「ごめんなさい……! 私、もうおじさんにだまって、勝手なことしない……」
クック 「……うむ……」
女児 「(ぐす……)」
クック 「……うむ……」
女児 「(ぐす……)」
92: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:08:10.65 ID:Weenz6vS0
クック 「来なさい、凍えているだろう。温まらなければ」
女児 「…………」
クック 「もう、私の体は大丈夫だ。フルフルさんもな……」
フルフル 「人間の薬は、よく効くねェ」
女児 「(ぎゅ……)」
女児 「…………」
クック 「もう、私の体は大丈夫だ。フルフルさんもな……」
フルフル 「人間の薬は、よく効くねェ」
女児 「(ぎゅ……)」
95: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:10:32.15 ID:Weenz6vS0
キリン 「お婆ちゃん! お婆ちゃん、大変なの!! 動ける!?」
フルフル 「む……キリンが入り口で騒いでるね」
クック 「そういえば、地獄兄弟が入ってこないな……礼を言わねばならんというのに」
フルフル 「あんたらは動くんじゃないよ。あたしが行くよ」
フルフル 「む……キリンが入り口で騒いでるね」
クック 「そういえば、地獄兄弟が入ってこないな……礼を言わねばならんというのに」
フルフル 「あんたらは動くんじゃないよ。あたしが行くよ」
96: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:13:13.66 ID:Weenz6vS0
フルフル 「どうしたぃ、キリンよ。地獄兄弟も何ぐずぐずしてるんだい」
ティガ兄 「うっせぇくそババァ! てめーのおかげで今日はトコトン厄日だぜ!!」
ティガ弟 「地獄から来た俺たちに、一日に二回も人助けさせるなんて、どういう了見だコルァ! 殺す気か!!」
キリン 「お二人とも、静かにしてください!」
ティガ兄 「うっせぇくそババァ! てめーのおかげで今日はトコトン厄日だぜ!!」
ティガ弟 「地獄から来た俺たちに、一日に二回も人助けさせるなんて、どういう了見だコルァ! 殺す気か!!」
キリン 「お二人とも、静かにしてください!」
98: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:14:15.46 ID:Weenz6vS0
黒グラビモス 「はぁ……はぁ……(ガチガチ)」
フルフル 「ん……このにおいは、グラビんとこの嫁かい? どうしたんよ」
キリン 「ものすごい熱なの! もう、ほとんど意識がないわ!! 病気かしら!?」
フルフル 「ん……このにおいは、グラビんとこの嫁かい? どうしたんよ」
キリン 「ものすごい熱なの! もう、ほとんど意識がないわ!! 病気かしら!?」
101: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:16:12.85 ID:Weenz6vS0
黒グラビモス 「も……申し訳……ありません……か……体……が……」
フルフル 「火山の竜が、こんな吹雪の中歩いてたら、体力がなくなるのは当たり前さね。地獄兄弟、奥に運んでやりな」
フルフル 「火山の竜が、こんな吹雪の中歩いてたら、体力がなくなるのは当たり前さね。地獄兄弟、奥に運んでやりな」
104: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:18:23.95 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「あーあー腹減ったなァァ!」
ティガ弟 「腹が減って動けねェなァァ!!」
ティガ兄 「もう一歩も動けねェなァァ!!」
ティガ弟 「腹が減って動けねェなァァ!!」
ティガ兄 「もう一歩も動けねェなァァ!!」
107: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:20:56.11 ID:Weenz6vS0
フルフル 「ぶつくさ言うんじゃないよ。あたしはねぇ、あんたたちが子竜のころ、トイレの世話まで……」
ティガ兄 「わぁぁーったよ! ちぇっ、運べばいーんだろ運べば!」
ティガ弟 「おばさん重いんだからよぉぉー、ちょっとは自分で体ァ動かす努力しろよォ!」
黒グラビモス 「申し訳……あり……ません…………」
ティガ兄 「わぁぁーったよ! ちぇっ、運べばいーんだろ運べば!」
ティガ弟 「おばさん重いんだからよぉぉー、ちょっとは自分で体ァ動かす努力しろよォ!」
黒グラビモス 「申し訳……あり……ません…………」
109: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:22:02.17 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「ぶっはぁぁ! 疲れたァァ!!」
ティガ兄 「おらァ! これで文句はねぇだろ!」
クック 「やや……! 黒グラビさん!? どうしてこんな雪山に……!!」
女児 「うわぁ……おっきい、黒い竜さん……」
ティガ兄 「おらァ! これで文句はねぇだろ!」
クック 「やや……! 黒グラビさん!? どうしてこんな雪山に……!!」
女児 「うわぁ……おっきい、黒い竜さん……」
112: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:28:08.78 ID:Weenz6vS0
フルフル 「女児が持ってきてくれた薬が、まだあったね。飲ませておやり」
キリン 「ええ。分かったわ。おばさま、聞こえる? このお薬を飲んで……」
黒グラビモス 「(ごく……ごく……)」
キリン 「ええ。分かったわ。おばさま、聞こえる? このお薬を飲んで……」
黒グラビモス 「(ごく……ごく……)」
114: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:29:01.30 ID:Weenz6vS0
黒グラビモス 「……はぁ……はぁ……」
キリン 「熱が引かないわ。お婆ちゃん、どうしよう!」
フルフル 「慌てるんじゃないよ。そんなにすぐに効くものかい。しかし……違うにおいもするね……もしかして……」
キリン 「熱が引かないわ。お婆ちゃん、どうしよう!」
フルフル 「慌てるんじゃないよ。そんなにすぐに効くものかい。しかし……違うにおいもするね……もしかして……」
115: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:29:41.50 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「ババァよぉ、これただの疲労じゃぁねーぜ」
ティガ弟 「あァ。俺らも昔やられたことがあンだ。こりゃ、兵隊ランゴスタの毒だな」
クック 「黒グラビさん、しっかりするんだ! 私だ、クックだ。分かるかい?」
黒グラビモス 「イャン……クック様……ど……どうして…………こ、ここに……」
ティガ弟 「あァ。俺らも昔やられたことがあンだ。こりゃ、兵隊ランゴスタの毒だな」
クック 「黒グラビさん、しっかりするんだ! 私だ、クックだ。分かるかい?」
黒グラビモス 「イャン……クック様……ど……どうして…………こ、ここに……」
125: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:39:48.07 ID:Weenz6vS0
フルフル 「ここは、あたしの洞穴だよ。あんたを見つけて運び込んだのさ」
黒グラビモス 「フルフル……さま……?」
クック 「確かに、これはランゴスタの毒だ。こんなに沢山、柔らかい目の近くを刺されている……」
黒グラビモス 「フルフル……さま……?」
クック 「確かに、これはランゴスタの毒だ。こんなに沢山、柔らかい目の近くを刺されている……」
126: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:40:50.69 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「刺されすぎると、あの腐れ蜂どもの毒でも、すっげぇ効いてくんだよなァ?」
ティガ弟 「ラリってきたりしてな? 慣れると快感になってくるぜ。ギャハハ!」
ティガ兄 「キメすぎだぜおばさんよォ? 中毒死だなァこりゃ!」
キリン 「お二人とも、不謹慎です!!」
ティガ弟 「ラリってきたりしてな? 慣れると快感になってくるぜ。ギャハハ!」
ティガ兄 「キメすぎだぜおばさんよォ? 中毒死だなァこりゃ!」
キリン 「お二人とも、不謹慎です!!」
128: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:41:34.98 ID:Weenz6vS0
黒グラビモス 「さむい……こごえてしまう……バサル……いま……いま、ママが……かえるから……」
フルフル 「ふむ……ランゴスタの巣の中に入ったのか……反撃を受けたとみえるね」
クック 「どうしてそんなばかなことを!! しっかりするんだ、黒グラビさん!!」
フルフル 「ふむ……ランゴスタの巣の中に入ったのか……反撃を受けたとみえるね」
クック 「どうしてそんなばかなことを!! しっかりするんだ、黒グラビさん!!」
129: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:42:26.60 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「どうしてって……おっさん、そりゃ、ランゴが集めてるキノコとかよ、ハチミツとかよ、それ狙ったんじゃね?」
ティガ弟 「あいつらそーとータメこんでっからな」
ティガ兄 「何だっけ? マンドラゴラとか、混沌茸とかよ、そういうヤクの元になるキノコがいっぱいあんだよ」
ティガ弟 「あいつらそーとータメこんでっからな」
ティガ兄 「何だっけ? マンドラゴラとか、混沌茸とかよ、そういうヤクの元になるキノコがいっぱいあんだよ」
130: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:43:13.42 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「おいおいヤク分捕る前にラリっちまったか? ダッセェーなぁ!」
ティガ兄 「じごーじとくじゃね?」
ティガ弟 「違ェねぇ!! まぬけドラゴンだ! ゲヘヘ!!」
ティガ兄 「じごーじとくじゃね?」
ティガ弟 「違ェねぇ!! まぬけドラゴンだ! ゲヘヘ!!」
131: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:44:06.84 ID:Weenz6vS0
キリン 「…………(ピシャァァァン!!)」
ティガ兄 「(バリバリバリバリバリ)ギャァァァァ!」
ティガ弟 「(バリバリバリバリバリ)ビャァァァァ!」
クック 「キリンちゃん……雷を覚えたのか……!」
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
キリン 「この人たち、下品です……」
ティガ兄 「(バリバリバリバリバリ)ギャァァァァ!」
ティガ弟 「(バリバリバリバリバリ)ビャァァァァ!」
クック 「キリンちゃん……雷を覚えたのか……!」
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
キリン 「この人たち、下品です……」
132: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:45:38.85 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
フルフル 「しかし、解毒剤なんてここにはないねェ。ランゴスタに刺されすぎて、毒が頭に回っちまったんだ……」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
フルフル 「しかし、解毒剤なんてここにはないねェ。ランゴスタに刺されすぎて、毒が頭に回っちまったんだ……」
134: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:46:44.79 ID:Weenz6vS0
クック 「どうすればいい? 黒グラビさんは、子供のころから知っている。助けてやりたい!」
フルフル 「ランゴスタの毒は、はやり病のようなものだよ。クイーンが抗体を持っているはずさね……しかし……」
クック 「クイーンが……そんな……彼女は、ドド以上に話が通じないじゃないか」
フルフル 「うむ……そうさね……」
フルフル 「ランゴスタの毒は、はやり病のようなものだよ。クイーンが抗体を持っているはずさね……しかし……」
クック 「クイーンが……そんな……彼女は、ドド以上に話が通じないじゃないか」
フルフル 「うむ……そうさね……」
136: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:48:09.85 ID:Weenz6vS0
キリン 「その、クイーンさんに解毒剤を分けていただければ、おばさまは助かるの? なら、私行くわ!」
フルフル 「おやめ。同じ目に遭って、死ぬのが落ちだよ」
キリン 「どうして!? だってこのままじゃ、この人、熱で死んでしまうわ!!」
フルフル 「無論、黒グラビを見捨てたりはせぬよ。しかし、闇雲にランゴスタの巣に突っ込んでも、いかんともしがたいのよ」
フルフル 「おやめ。同じ目に遭って、死ぬのが落ちだよ」
キリン 「どうして!? だってこのままじゃ、この人、熱で死んでしまうわ!!」
フルフル 「無論、黒グラビを見捨てたりはせぬよ。しかし、闇雲にランゴスタの巣に突っ込んでも、いかんともしがたいのよ」
139: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:49:06.73 ID:Weenz6vS0
クック 「どういうことだ?」
フルフル 「蜂族は、猿族以上に、敵か、同族かという目で判断をする。巣に近づく者はみな敵よ。話し合いなどできまい」
クック 「ぐぅ……」
フルフル 「それに、クイーン以外はたいした知性を持っていないのだよ。虫族とはそういうものだ」
フルフル 「蜂族は、猿族以上に、敵か、同族かという目で判断をする。巣に近づく者はみな敵よ。話し合いなどできまい」
クック 「ぐぅ……」
フルフル 「それに、クイーン以外はたいした知性を持っていないのだよ。虫族とはそういうものだ」
140: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:49:55.75 ID:Weenz6vS0
クック 「では、クイーンと何とかして話をせねばなるまいな……」
フルフル 「だが、集会は一ヵ月後だからね……とても間に合うまいよ」
女児 「おじさん……この竜さん、どくでくるしいの?」
クック 「ああ。何とかしてやりたいのだが……」
フルフル 「だが、集会は一ヵ月後だからね……とても間に合うまいよ」
女児 「おじさん……この竜さん、どくでくるしいの?」
クック 「ああ。何とかしてやりたいのだが……」
141: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:50:46.45 ID:Weenz6vS0
女児 「目のまわりがはれてる……私、水でふいてあげるよ!」
クック 「やってあげてくれ。毒針が残っているかもしれないから、気をつけてな」
女児 「うん! ……わ……熱い……くるしそう……」
フルフル 「女児、あたしの後ろに湧き水があるよ。草に浸して使うがええ」
女児 「分かったよ、お婆ちゃん。黒い竜さん……今、ふいてあげるからね……」
クック 「やってあげてくれ。毒針が残っているかもしれないから、気をつけてな」
女児 「うん! ……わ……熱い……くるしそう……」
フルフル 「女児、あたしの後ろに湧き水があるよ。草に浸して使うがええ」
女児 「分かったよ、お婆ちゃん。黒い竜さん……今、ふいてあげるからね……」
142: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:51:31.67 ID:Weenz6vS0
黒グラビモス 「はぁ……はぁ……」
女児 「よいしょ……よいしょ……」
キリン 「女児ちゃん、私も手伝うわ。私の背中を台にして」
女児 「お姉ちゃん、ありがとう……」
女児 「よいしょ……よいしょ……」
キリン 「女児ちゃん、私も手伝うわ。私の背中を台にして」
女児 「お姉ちゃん、ありがとう……」
144: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:52:12.31 ID:Weenz6vS0
キリン 「……お婆ちゃん、地獄兄弟さんたちにお願いすることはできないかしら……?」
フルフル 「さすがのこいつらも、巣に入ってはひとたまりもないだろうねェ」
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
キリン 「そうなの……じゃあ、どうしたら……」
フルフル 「さすがのこいつらも、巣に入ってはひとたまりもないだろうねェ」
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
キリン 「そうなの……じゃあ、どうしたら……」
145: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:53:05.28 ID:Weenz6vS0
フルフル 「その道の専門家に頼むしかあるまいね」
キリン 「専門家……?」
フルフル 「ああ。旧密林に、蜂どもも食べてしまう、猫の奇面王がおる。奴に警護してもらえば、中まで入れるだろう」
クック 「チャチャブーの王(キング)か! そうだな! 彼に頼めば、道を開いてくれるかもしれない!!」
キリン 「専門家……?」
フルフル 「ああ。旧密林に、蜂どもも食べてしまう、猫の奇面王がおる。奴に警護してもらえば、中まで入れるだろう」
クック 「チャチャブーの王(キング)か! そうだな! 彼に頼めば、道を開いてくれるかもしれない!!」
147: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:53:53.90 ID:Weenz6vS0
キリン 「じゃあ私、すぐに旧密林に行く!」
フルフル 「この吹雪じゃぁ無理だ。お前たちも遭難しちまう。朝になれば、少し収まるだろう。その時に行きな」
女児 「私も行く!」
キリン 「女児ちゃん……」
クック 「だめだ」
女児 「え……」
フルフル 「この吹雪じゃぁ無理だ。お前たちも遭難しちまう。朝になれば、少し収まるだろう。その時に行きな」
女児 「私も行く!」
キリン 「女児ちゃん……」
クック 「だめだ」
女児 「え……」
150: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:58:00.25 ID:Weenz6vS0
クック 「女児は、ここに残るんだ。キリンちゃんもだ。私が行ってこよう」
キリン 「そ……そんな……」
女児 「おじさん……! けががまだ、ぜんぶなおってないのに! 私もいっしょに……」
クック 「お前は、ここでフルフルさんと一緒にいるんだ。フルフルさん、頼む」
フルフル 「ああ、その方がいいだろうねェ」
キリン 「そ……そんな……」
女児 「おじさん……! けががまだ、ぜんぶなおってないのに! 私もいっしょに……」
クック 「お前は、ここでフルフルさんと一緒にいるんだ。フルフルさん、頼む」
フルフル 「ああ、その方がいいだろうねェ」
151: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 22:58:42.72 ID:Weenz6vS0
女児 「やだ! おじさんとはなれたくない!!」
キリン 「私もご一緒するわ!」
クック 「黒グラビさんの命がかかっているんだ。虫が相手では、お前達を、危険から守る暇がないかもしれない」
女児 「いやだよ……私も……」
クック 「聞き分けてくれ。みすみす危険だと分かっている場所に、子供たちを連れて行きたくないのだ」
キリン 「私もご一緒するわ!」
クック 「黒グラビさんの命がかかっているんだ。虫が相手では、お前達を、危険から守る暇がないかもしれない」
女児 「いやだよ……私も……」
クック 「聞き分けてくれ。みすみす危険だと分かっている場所に、子供たちを連れて行きたくないのだ」
153: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:00:06.17 ID:Weenz6vS0
女児 「(ぐす……)」
フルフル 「あとは、黒グラビが、吹雪が弱まるまでもつかどうか……」
キリン 「おばさま……」
黒グラビモス 「……はぁ…………くるしい……うぅ…………」
フルフル 「あとは、黒グラビが、吹雪が弱まるまでもつかどうか……」
キリン 「おばさま……」
黒グラビモス 「……はぁ…………くるしい……うぅ…………」
154: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:00:30.59 ID:Weenz6vS0
フルフル 「とにかく、刺されたところを拭いてやったら、体を温めようぞ。クック、火を起こしておくれ」
クック 「分かった……ところで、地獄兄弟はまだ感電しているのか?」
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
キリン 「ちょっと強く雷を落としすぎたかしら…………」
クック 「分かった……ところで、地獄兄弟はまだ感電しているのか?」
ティガ兄 「……(ビリ)………(ビリ)………」
ティガ弟 「……(ビリ)………(ビリ)………」
キリン 「ちょっと強く雷を落としすぎたかしら…………」
156: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:01:40.19 ID:Weenz6vS0
―朝―
キリン 「雪が収まってきたわ……」
女児 「黒い竜さん、がんばって。わたし、ずっとおいのりしてる! だから、もうちょっとだけがんばって!」
黒グラビモス 「はぁ…………はぁ…………に…………人間…………ちゃん………………」
女児 「お婆ちゃん! 黒い竜さんが、しゃべった!!」
キリン 「雪が収まってきたわ……」
女児 「黒い竜さん、がんばって。わたし、ずっとおいのりしてる! だから、もうちょっとだけがんばって!」
黒グラビモス 「はぁ…………はぁ…………に…………人間…………ちゃん………………」
女児 「お婆ちゃん! 黒い竜さんが、しゃべった!!」
160: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:03:01.41 ID:Weenz6vS0
フルフル 「おぉ。良かったわぃ……まだ大丈夫そうだな……」
黒グラビモス 「ありがとう……ありがとう…………」
フルフル 「解毒剤が来るまで、あんたは余計な体力を使うんじゃないよ。喋ンなくともいいさね」
黒グラビモス 「バサルを…………息子を…………ひとり、で…………火山に……………………」
フルフル 「バサル坊主がどうしたぃ?」
黒グラビモス 「ありがとう……ありがとう…………」
フルフル 「解毒剤が来るまで、あんたは余計な体力を使うんじゃないよ。喋ンなくともいいさね」
黒グラビモス 「バサルを…………息子を…………ひとり、で…………火山に……………………」
フルフル 「バサル坊主がどうしたぃ?」
162: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:04:32.36 ID:Weenz6vS0
黒グラビモス 「あの人…………………………バサルを………………(ゲホッ! ゲホッ!!)」
女児 「しっかりして! しゃべっちゃだめだよ!!」
フルフル 「うぅむ……キリンや、水を汲んできておやり。木の実の殻を使うがええ」
キリン 「分かったわ、お婆ちゃん」
女児 「しっかりして! しゃべっちゃだめだよ!!」
フルフル 「うぅむ……キリンや、水を汲んできておやり。木の実の殻を使うがええ」
キリン 「分かったわ、お婆ちゃん」
164: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:06:29.52 ID:Weenz6vS0
クック 「だいぶ雪が弱まったな……よし、それでは、そろそろ旧密林のチャチャブーの国に行ってくる」
フルフル 「あァ。とは言っても、まだ視界は悪いかんね。十二分に気をつけな」
クック 「分かっている。みんな、黒グラビさんを、頼むぞ……女児、心配するな」
女児 「うん………………おじさん…………」
フルフル 「あァ。とは言っても、まだ視界は悪いかんね。十二分に気をつけな」
クック 「分かっている。みんな、黒グラビさんを、頼むぞ……女児、心配するな」
女児 「うん………………おじさん…………」
165: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:07:57.29 ID:Weenz6vS0
フルフル 「待ちなクック。キングと取り巻きどもに、こいつを渡してやんなよ」
クック 「これは……高級マタタビじゃないか!」
フルフル 「あいつらは物欲に滅法弱いのよ。最初に全部渡しちゃァいけんよ。少しだけちらつかせりゃ、言うことを聞く」
クック 「助かる。かたじけない」
フルフル 「あとは、この婆の名前でも出せばいいさ。あたしは、ここで黒グラビと子供たちを見てるから、安心して行ってきな」
クック 「ああ。すぐに戻ってくる!」
クック 「これは……高級マタタビじゃないか!」
フルフル 「あいつらは物欲に滅法弱いのよ。最初に全部渡しちゃァいけんよ。少しだけちらつかせりゃ、言うことを聞く」
クック 「助かる。かたじけない」
フルフル 「あとは、この婆の名前でも出せばいいさ。あたしは、ここで黒グラビと子供たちを見てるから、安心して行ってきな」
クック 「ああ。すぐに戻ってくる!」
168: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:09:38.29 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「んじゃ、俺らはここでオサラバするかンな? オサラバするかンな!?」
ティガ弟 「兄者、もー無理だって。太陽昇っちまったじゃん」
ティガ兄 「桜レイアちゃんは……待っていてくれる! 待っていてくれるはずなんだよォ!!」
ティガ弟 「……あ゛ー駄目だこりゃ……」
フルフル 「地獄兄弟よ、出来りゃぁ、クックについてってやってくれるとありがたいんだがねェ」
ティガ兄 「あぁぁぁあん!? ン馬鹿言うなやァァ! 俺達ァこれから予定があンだよ!! 勝手にやってろ!!」
ティガ弟 「俺は別に何もねーけどな」
ティガ兄 「弟者ァ! 貴様ァァ!!」
ティガ弟 「兄者、もー無理だって。太陽昇っちまったじゃん」
ティガ兄 「桜レイアちゃんは……待っていてくれる! 待っていてくれるはずなんだよォ!!」
ティガ弟 「……あ゛ー駄目だこりゃ……」
フルフル 「地獄兄弟よ、出来りゃぁ、クックについてってやってくれるとありがたいんだがねェ」
ティガ兄 「あぁぁぁあん!? ン馬鹿言うなやァァ! 俺達ァこれから予定があンだよ!! 勝手にやってろ!!」
ティガ弟 「俺は別に何もねーけどな」
ティガ兄 「弟者ァ! 貴様ァァ!!」
173: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:13:05.79 ID:Weenz6vS0
フルフル 「別に、無理にとは言わんよ。ただ、リオレウス家族の洞穴は、丁度チャチャブー王国の近くにあると思ってね」
クック 「地獄兄弟、共に来てくれれば、これほど心強い味方はいない。頼めないか?」
ティガ弟 「……まァ、確かにリオ家は密林にある。でもな……てめぇら、ナメてんのか?」
ティガ兄 「くそババァ……俺らをパシりと勘違いしてやがんじゃぁねぇだろうな?」
ティガ弟 「おぅともよ。おっさん、悪ィけどもう俺らにゃぁ関係ねェ。やるならあんたらだけでやれや。特に予定はねーけどな」
ティガ兄 「俺はあるンだよ!!」
クック 「地獄兄弟、共に来てくれれば、これほど心強い味方はいない。頼めないか?」
ティガ弟 「……まァ、確かにリオ家は密林にある。でもな……てめぇら、ナメてんのか?」
ティガ兄 「くそババァ……俺らをパシりと勘違いしてやがんじゃぁねぇだろうな?」
ティガ弟 「おぅともよ。おっさん、悪ィけどもう俺らにゃぁ関係ねェ。やるならあんたらだけでやれや。特に予定はねーけどな」
ティガ兄 「俺はあるンだよ!!」
174: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:13:45.40 ID:Weenz6vS0
フルフル 「そうかい……残念だねェ。ナナ・テスカトリにあんた達の後見人を頼まれて、はや十年……そろそろ潮時かねェ」
ティガ兄 「なっ……ババァ! 何企んでやがる!?」
ティガ弟 「先生を使って脅しても無駄だぜ! しわくちゃ労害くそばばぁ!!」
フルフル 「いや、何。あたしは別にいいのだよ。あんた達の暴れっぷりにはホトホト手を焼いてるかんねェ」
ティガ弟 「ちょっ……何するつもりだ!」
ティガ兄 「何をチクる気だァァ!!」
ティガ兄 「なっ……ババァ! 何企んでやがる!?」
ティガ弟 「先生を使って脅しても無駄だぜ! しわくちゃ労害くそばばぁ!!」
フルフル 「いや、何。あたしは別にいいのだよ。あんた達の暴れっぷりにはホトホト手を焼いてるかんねェ」
ティガ弟 「ちょっ……何するつもりだ!」
ティガ兄 「何をチクる気だァァ!!」
176: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:19:05.53 ID:gsFixDnk0
フルフル 「そういえば、先々週、ボボの家族が泣きながらここに来たねェ……」
ティガ兄 「!!」
ティガ弟 「!!」
フルフル 「ドス一族のギアノス兄ちゃんも、確か…………」
ティガ兄 「くっ……汚ねェぞ!」
ティガ弟 「チ……チクる気ならやってみやがれ! こ……怖くもなんともねェぞ!!」
フルフル 「あァ。あたしはね……別に、いいのだよ? ナナに『あのこと』を言ってもねェ」
ティガ兄 「……!!」
ティガ弟 「……!!」
ティガ兄 「!!」
ティガ弟 「!!」
フルフル 「ドス一族のギアノス兄ちゃんも、確か…………」
ティガ兄 「くっ……汚ねェぞ!」
ティガ弟 「チ……チクる気ならやってみやがれ! こ……怖くもなんともねェぞ!!」
フルフル 「あァ。あたしはね……別に、いいのだよ? ナナに『あのこと』を言ってもねェ」
ティガ兄 「……!!」
ティガ弟 「……!!」
180: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:22:25.48 ID:gsFixDnk0
ティガ弟 「(ひそひそ)兄者……このババァ、まさか『あのこと』を……」
ティガ兄 「(ひそひそ)弟者……いや、バレてねぇはずだ……じゃあ『あのこと』か?」
ティガ弟 「(ひそひそ)どのことだよ……心当たりが多すぎて分かんねぇ」
ティガ兄 「(ひそひそ)まったくだぜ……でも、もしかしたら適当抜かしてんじゃねェのか……」
ティガ弟 「(ひそひそ)いやでもよ……万が一ってこともあるじゃねぇか……『あのこと』がバレたらヤベェって……」
ティガ兄 「(ひそひそ)『あのこと』も知ったら、先生怒るよな……」
ティガ弟 「(ひそひそ)『あのこと』もな……洒落になんねェぞ……ドス一族は随分虐めたからな……」
フルフル 「…………」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「…………」
ティガ兄 「(ひそひそ)弟者……いや、バレてねぇはずだ……じゃあ『あのこと』か?」
ティガ弟 「(ひそひそ)どのことだよ……心当たりが多すぎて分かんねぇ」
ティガ兄 「(ひそひそ)まったくだぜ……でも、もしかしたら適当抜かしてんじゃねェのか……」
ティガ弟 「(ひそひそ)いやでもよ……万が一ってこともあるじゃねぇか……『あのこと』がバレたらヤベェって……」
ティガ兄 「(ひそひそ)『あのこと』も知ったら、先生怒るよな……」
ティガ弟 「(ひそひそ)『あのこと』もな……洒落になんねェぞ……ドス一族は随分虐めたからな……」
フルフル 「…………」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「…………」
182: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:24:00.43 ID:gsFixDnk0
キリン 「地獄兄弟さんたち、私からもお願いします。おじさまを、助けて……」
フルフル 「キリン……」
クック 「キリンちゃん……」
キリン 「おじさまに協力してくださったら、私のたてがみでも、角でも、何でも差し上げますから……」
ティガ兄 「……!!」
ティガ弟 「……!!」
フルフル 「キリン……」
クック 「キリンちゃん……」
キリン 「おじさまに協力してくださったら、私のたてがみでも、角でも、何でも差し上げますから……」
ティガ兄 「……!!」
ティガ弟 「……!!」
184: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:25:01.36 ID:gsFixDnk0
キリン 「お願い……あなたたちの強さを、信じさせて……!!」
ティガ兄 「……がッ!! やめろねえちゃん! 頭なんて下げンなァァ!!」
ティガ弟 「女に頭下げられたァァ!!」
ティガ兄 「地獄の権威が地に落ちるゥゥゥ!! 俺たちが! よりにもよって!」
ティガ弟 「感謝されて! しかも頼られているゥゥゥゥ!! 女に!! 気持ち悪ゥゥゥゥ!!」
ティガ兄 「……がッ!! やめろねえちゃん! 頭なんて下げンなァァ!!」
ティガ弟 「女に頭下げられたァァ!!」
ティガ兄 「地獄の権威が地に落ちるゥゥゥ!! 俺たちが! よりにもよって!」
ティガ弟 「感謝されて! しかも頼られているゥゥゥゥ!! 女に!! 気持ち悪ゥゥゥゥ!!」
187: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:26:27.81 ID:gsFixDnk0
女児 「こわいかおの竜さんたち……わたしも……わたしもおねがいします! おじさんをたすけてください!」
ティガ兄 「人間の女にまで頭下げられたァァ!!」
ティガ弟 「しょっぺぇ! しょっぱすぎる展開だぞ兄者ァァ!!」
ティガ兄 「ちぃぃぃぃぃ!! 外道めらァァ!! わぁぁぁぁったよ! ただ、旧密林までだぞ! おっさんそれでいいな!」
ティガ弟 「しょぉぉがねぇーな……しょっぱすぎて死ぬかと思ったぜ……」
クック 「すまない、この恩は、いつかちゃんと返させてもらうからな……」
ティガ弟 「ならとっとと解放してくれることを願うよ!!」
ティガ兄 「まったくだぜ! オラ行くのか!? 行かねェのか!?」
ティガ兄 「人間の女にまで頭下げられたァァ!!」
ティガ弟 「しょっぺぇ! しょっぱすぎる展開だぞ兄者ァァ!!」
ティガ兄 「ちぃぃぃぃぃ!! 外道めらァァ!! わぁぁぁぁったよ! ただ、旧密林までだぞ! おっさんそれでいいな!」
ティガ弟 「しょぉぉがねぇーな……しょっぱすぎて死ぬかと思ったぜ……」
クック 「すまない、この恩は、いつかちゃんと返させてもらうからな……」
ティガ弟 「ならとっとと解放してくれることを願うよ!!」
ティガ兄 「まったくだぜ! オラ行くのか!? 行かねェのか!?」
189: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:27:35.37 ID:gsFixDnk0
クック 「これで何とかなりそうだ……それじゃ、黒グラビさん。もう少しだけ辛抱するんだ。行ってくるよ」
黒グラビモス 「はぁ……はぁ……す……すみま…………せん…………バ……バサル…………」
女児 「おじさん……(ぎゅ)」
クック 「……いい子にしているんだぞ。地獄兄弟、ゆくぞ!」
ティガ兄 「じゃーな! くたばれババァ!!」
ティガ弟 「二度と来ねェかンな!! くそばばあ! とっとと老衰で死ね!!」
フルフル 「…………やっと行ったか。まったく、騒がしい馬鹿どもだよ」
黒グラビモス 「はぁ……はぁ……す……すみま…………せん…………バ……バサル…………」
女児 「おじさん……(ぎゅ)」
クック 「……いい子にしているんだぞ。地獄兄弟、ゆくぞ!」
ティガ兄 「じゃーな! くたばれババァ!!」
ティガ弟 「二度と来ねェかンな!! くそばばあ! とっとと老衰で死ね!!」
フルフル 「…………やっと行ったか。まったく、騒がしい馬鹿どもだよ」
198: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:36:16.08 ID:WEUWxiRH0
女児 「おじさん……だいじょうぶかな……」
フルフル 「地獄兄弟は、知能は足りんが、戦闘力だけは一級だかんね。チャチャブーごときにゃやられやせん」
キリン 「間に合うといいのだけれど……」
フルフル 「翼があるから、ひとっとびさね。キリン、あんたが行ったら、かえって足手まといになるわ」
キリン 「うん……黒グラビのおばさま、がんばって……」
黒グラビモス 「ウ……ウゥ…………」
フルフル 「地獄兄弟は、知能は足りんが、戦闘力だけは一級だかんね。チャチャブーごときにゃやられやせん」
キリン 「間に合うといいのだけれど……」
フルフル 「翼があるから、ひとっとびさね。キリン、あんたが行ったら、かえって足手まといになるわ」
キリン 「うん……黒グラビのおばさま、がんばって……」
黒グラビモス 「ウ……ウゥ…………」
199: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:38:33.50 ID:WEUWxiRH0
―雪山のふもと―
ガルルガ 「うぅぅぅ~寒ぃ。腹が凍えるゥゥ(ガクガク)」
ヒプノック 「ヘイ、ガルルガよぉ。こんな雪の中、マジにクックはフルフルんとこ行ったのかよ(ガクガク)」
ガルルガ 「あァ間違いねェ。優等生どもがよ……くそ面白くもねぇ!」
ヒプノック 「Yo、でも、ドドが戻ってきたンなら人間の餓鬼なんてよ、もうすでにダイ(死亡)してんンじゃねェか?」
ガルルガ 「だとしたらドドを許さねぇ。クックも! 人間も味方する奴も、全部敵だ!」
ヒプノック 「ヒャァ! 今日もキレまくってるな! ドドも恐れねぇ、さすが『キレたナイフ』だ!」
ガルルガ 「くそ猿どもに渡してたまるかよ……あれは俺が最初に目ェつけたんだ……」
ヒプノック 「……ビッグボスに止められてンじゃねェのォ? 怒らせたらマジ怖いぜ」
ガルルガ 「うぅぅぅ~寒ぃ。腹が凍えるゥゥ(ガクガク)」
ヒプノック 「ヘイ、ガルルガよぉ。こんな雪の中、マジにクックはフルフルんとこ行ったのかよ(ガクガク)」
ガルルガ 「あァ間違いねェ。優等生どもがよ……くそ面白くもねぇ!」
ヒプノック 「Yo、でも、ドドが戻ってきたンなら人間の餓鬼なんてよ、もうすでにダイ(死亡)してんンじゃねェか?」
ガルルガ 「だとしたらドドを許さねぇ。クックも! 人間も味方する奴も、全部敵だ!」
ヒプノック 「ヒャァ! 今日もキレまくってるな! ドドも恐れねぇ、さすが『キレたナイフ』だ!」
ガルルガ 「くそ猿どもに渡してたまるかよ……あれは俺が最初に目ェつけたんだ……」
ヒプノック 「……ビッグボスに止められてンじゃねェのォ? 怒らせたらマジ怖いぜ」
200: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:39:36.44 ID:WEUWxiRH0
ガルルガ 「あんなガン黒の言うことなんざ! 前々から、あの野郎は大きい顔しやがって……気にくわなかったぜ!」
ヒプノック 「ヒュゥ! 大胆発言! やっぱ次のビッグボスはガルルガしかいねぇよ!」
ガルルガ 「軟弱野郎どもが大きな顔しやがって……イラつくぜまったくよォ」
ヒプノック 「でも、仲間内で戦うのはラオシャンロンが禁止してるじゃねぇか。ノーモアバトル、ノーモア戦争。ヘドが出る!」
ガルルガ 「…………」
ヒプノック 「それに、フルフルには、あの馬鹿兄弟(ブラザーズ)がついてるぜ? こりゃVery厄介だ」
ガルルガ 「ちっ…………」
ヒプノック 「ヒュゥ! 大胆発言! やっぱ次のビッグボスはガルルガしかいねぇよ!」
ガルルガ 「軟弱野郎どもが大きな顔しやがって……イラつくぜまったくよォ」
ヒプノック 「でも、仲間内で戦うのはラオシャンロンが禁止してるじゃねぇか。ノーモアバトル、ノーモア戦争。ヘドが出る!」
ガルルガ 「…………」
ヒプノック 「それに、フルフルには、あの馬鹿兄弟(ブラザーズ)がついてるぜ? こりゃVery厄介だ」
ガルルガ 「ちっ…………」
203: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:41:31.55 ID:WEUWxiRH0
ガルルガ 「…………ン? 何か飛んでるな…………」
ヒプノック 「ありゃあ……クックと馬鹿兄弟じゃねぇか。でもどこ行くんだ? 」
ガルルガ 「何も背中に乗ってる節はねェな……くく……何だ? 別行動かァ?」
ヒプノック 「Yo! こりゃチャンス! マジラッキー! つまり洞穴には、おいぼれとスモールガールだけってことだ!」
ガルルガ 「ドドに先越されちゃたまんねぇ。無駄な手間が省けてるうちに、あの小娘さらうぜ……」
ヒプノック 「WHY(何で)?」
ガルルガ 「……ようは俺が殺さなきゃァいいんだろォ? 運ぶだけだ。運ぶだけなら誰にもバレずにコトを済ませられる」
ヒプノック 「ヘイ、ブラザー、どこに運ぶのさ? ドドのハウス(家)に?」
ガルルガ 「バッカ! 猿に渡してどうすんだよ……おい、火山によォ、ヤク中が一匹いたよなァ?」
ヒプノック 「ありゃあ……クックと馬鹿兄弟じゃねぇか。でもどこ行くんだ? 」
ガルルガ 「何も背中に乗ってる節はねェな……くく……何だ? 別行動かァ?」
ヒプノック 「Yo! こりゃチャンス! マジラッキー! つまり洞穴には、おいぼれとスモールガールだけってことだ!」
ガルルガ 「ドドに先越されちゃたまんねぇ。無駄な手間が省けてるうちに、あの小娘さらうぜ……」
ヒプノック 「WHY(何で)?」
ガルルガ 「……ようは俺が殺さなきゃァいいんだろォ? 運ぶだけだ。運ぶだけなら誰にもバレずにコトを済ませられる」
ヒプノック 「ヘイ、ブラザー、どこに運ぶのさ? ドドのハウス(家)に?」
ガルルガ 「バッカ! 猿に渡してどうすんだよ……おい、火山によォ、ヤク中が一匹いたよなァ?」
208: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:42:43.75 ID:WEUWxiRH0
ガルルガ 「バレないように、こっそりとやんだよ。子供だ。勝手に抜け出すこともあるだろ。そこをヤク中に襲わせて……」
ヒプノック 「ヒュゥ! グラビか! 確かにあいつなら、ラリった末の事故って片付くぜ!!」
ガルルガ 「足元にちょい、と置いてくるだけだ。俺たちは人間がつぶれるとこを、物陰からじっくり鑑賞って寸法よ……」
ヒプノック 「GOODプランだぜ! 悪知恵大将はやっぱあんただ!」
ガルルガ 「クックやフルフルの絶望の顔が目に浮かぶぜェ」
ヒプノック 「Oh,Yes! そうと決まったら、フルフルの洞穴まで猛ダッシュ! だ! ぜ!」
ガルルガ 「ああ。汚ねぇ人間め……たっぷりと恐怖を味あわせてやる……」
ヒプノック 「ヒュゥ! グラビか! 確かにあいつなら、ラリった末の事故って片付くぜ!!」
ガルルガ 「足元にちょい、と置いてくるだけだ。俺たちは人間がつぶれるとこを、物陰からじっくり鑑賞って寸法よ……」
ヒプノック 「GOODプランだぜ! 悪知恵大将はやっぱあんただ!」
ガルルガ 「クックやフルフルの絶望の顔が目に浮かぶぜェ」
ヒプノック 「Oh,Yes! そうと決まったら、フルフルの洞穴まで猛ダッシュ! だ! ぜ!」
ガルルガ 「ああ。汚ねぇ人間め……たっぷりと恐怖を味あわせてやる……」
209: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:43:30.08 ID:WEUWxiRH0
―旧密林―
イャンクック 「はぁ……はぁ……ぐっ……」
ティガ弟 「おい……おっさん!? 兄者! おっさんの高度が下がってやがる!」
ティガ兄 「ンだとォ!? ちぃぃぃ! まだ猿どもにやられた傷が、完全に治ってやがらねぇんだ!!」
ティガ弟 「このままじゃ墜落するぜ!! 兄者、受け止めねぇと!」
ティガ兄 「弟者! 右から挟めやぁ!」
ティガ弟 「任せろやぁぁぁ!!」
イャンクック 「はぁ……はぁ……ぐっ……」
ティガ弟 「おい……おっさん!? 兄者! おっさんの高度が下がってやがる!」
ティガ兄 「ンだとォ!? ちぃぃぃ! まだ猿どもにやられた傷が、完全に治ってやがらねぇんだ!!」
ティガ弟 「このままじゃ墜落するぜ!! 兄者、受け止めねぇと!」
ティガ兄 「弟者! 右から挟めやぁ!」
ティガ弟 「任せろやぁぁぁ!!」
211: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:44:10.46 ID:WEUWxiRH0
ティガ弟 「(ドザザザザッ!)…………っ……痛てててて…………腹の鱗が剥けたぜ…………」
ティガ兄 「あぁ゛くそが! (ゴキ、ゴキ)おっさん! おいコラァ!」
イャンクック 「ぐっ……うぅ……す……すまない。落ちてしまったのか…………」
ティガ弟 「世話ァ焼かせんなァ! 殺されてぇのか!!」
ティガ兄 「ちぃっ。着地点がズレちまった。俺たちァ、こんな森ン中じゃ、滑空できねェから飛びたてねェ」
イャンクック 「すまない……っ……ぐ……」
ティガ弟 「おっさん……右羽が裂けてやがる。何で今まで言わなかった! クラァ!」
ティガ兄 「あぁ゛くそが! (ゴキ、ゴキ)おっさん! おいコラァ!」
イャンクック 「ぐっ……うぅ……す……すまない。落ちてしまったのか…………」
ティガ弟 「世話ァ焼かせんなァ! 殺されてぇのか!!」
ティガ兄 「ちぃっ。着地点がズレちまった。俺たちァ、こんな森ン中じゃ、滑空できねェから飛びたてねェ」
イャンクック 「すまない……っ……ぐ……」
ティガ弟 「おっさん……右羽が裂けてやがる。何で今まで言わなかった! クラァ!」
212: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:45:02.15 ID:WEUWxiRH0
イャンクック 「これしき……どうということはない。飛んだらキズが開いてしまった……それだけだ……ぐっ……」
ティガ兄 「これで雪山から飛んできたってのか……」
ティガ弟 「はぁぁぁぁぁ~~~~~……もーどーすんだよ。出オチ甚だしいぜ」
イャンクック 「大丈夫だ……まだ飛べる……」
ティガ弟 「んじゃ一人で行けや。俺達ァ、一回降りたら、高ェとっから飛び降りねぇと、飛行できねぇんだよ」
イャンクック 「失敗した……君達、苦労をかける……」
ティガ兄 「いや……そうでもねぇらしい」
ティガ兄 「これで雪山から飛んできたってのか……」
ティガ弟 「はぁぁぁぁぁ~~~~~……もーどーすんだよ。出オチ甚だしいぜ」
イャンクック 「大丈夫だ……まだ飛べる……」
ティガ弟 「んじゃ一人で行けや。俺達ァ、一回降りたら、高ェとっから飛び降りねぇと、飛行できねぇんだよ」
イャンクック 「失敗した……君達、苦労をかける……」
ティガ兄 「いや……そうでもねぇらしい」
213: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:48:16.16 ID:Weenz6vS0
××××× 「(ガサガサガサ)何やらすごい音がしたわ……あなた、見てきなさい」
××××× 「(ガサガサガサ)えぇぇ? やだよ! 凶暴な奴だったらどーするんだよ!?」
××××× 「(ガサガサガサ)戦いなさいな。その結果死んだとしても、大丈夫。ちゃんと私が骨を拾うから」
××××× 「(ガサガサガサ)勘弁してくれよ……お前が行けばいいだろ?」
××××× 「(ガサガサガサ)あなた、か弱い女性に偵察をさせるつもりなの? ハンターだったらどうするのよ!」
××××× 「(ガサガサガサ)それこそお前が戦えよ! 一ひねりだろぉ!?」
××××× 「(ガサガサガサ)えぇぇ? やだよ! 凶暴な奴だったらどーするんだよ!?」
××××× 「(ガサガサガサ)戦いなさいな。その結果死んだとしても、大丈夫。ちゃんと私が骨を拾うから」
××××× 「(ガサガサガサ)勘弁してくれよ……お前が行けばいいだろ?」
××××× 「(ガサガサガサ)あなた、か弱い女性に偵察をさせるつもりなの? ハンターだったらどうするのよ!」
××××× 「(ガサガサガサ)それこそお前が戦えよ! 一ひねりだろぉ!?」
218: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:49:10.74 ID:Weenz6vS0
ティガ弟 「ヒャッハァ! ツイてるぜ! あの情けねェ声と、ドSな声は!!」
ティガ兄 「リオママとリオパパじゃねぇか!」
リオレウス 「うぅ……何で俺が……(ひょこ)あー……誰かいますかー……?」
ティガ兄 「パパさんよォ! ここだここォ!」
リオレウス 「ひぃ! 何かいた!(ガサガサガサガサ)」
リオレイア 「(ひそひそ)あなた!! 何がいたの!? ハンター!?」
リオレウス 「(ひそひそ)分からない! 分からないがきっと恐ろしいものだ! お前、行って倒してこいよぉ!」
リオレイア 「(いそひそ)情けない……男なら当たって砕けて死んできなさい! そんな軟弱な夫に育てたつもりはないわ!!」
ティガ兄 「リオママとリオパパじゃねぇか!」
リオレウス 「うぅ……何で俺が……(ひょこ)あー……誰かいますかー……?」
ティガ兄 「パパさんよォ! ここだここォ!」
リオレウス 「ひぃ! 何かいた!(ガサガサガサガサ)」
リオレイア 「(ひそひそ)あなた!! 何がいたの!? ハンター!?」
リオレウス 「(ひそひそ)分からない! 分からないがきっと恐ろしいものだ! お前、行って倒してこいよぉ!」
リオレイア 「(いそひそ)情けない……男なら当たって砕けて死んできなさい! そんな軟弱な夫に育てたつもりはないわ!!」
220: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:49:57.46 ID:Weenz6vS0
リオレウス 「ひぃぃ! 尻尾はやめて! 毒はだめ!」
リオレイア 「行きなさい。私はここで見守っているわ。強くなりなさい」
リオレウス 「くぅぅぅ! 死んだらお前のせいだからな!」
リオレイア 「死ぬほど戦えたら、少しは見直してもいいわ」
リオレウス 「あぁ……俺はここで死ぬんだ……妻に見放されて、俺は死ぬんだ……」
リオレイア 「動かなければ、どっちみちここで死んでもらうわよ」
リオレウス 「えぇぇぇ゛!? びぃぃぃぃ! お助けェェ゛!」
リオレイア 「行きなさい。私はここで見守っているわ。強くなりなさい」
リオレウス 「くぅぅぅ! 死んだらお前のせいだからな!」
リオレイア 「死ぬほど戦えたら、少しは見直してもいいわ」
リオレウス 「あぁ……俺はここで死ぬんだ……妻に見放されて、俺は死ぬんだ……」
リオレイア 「動かなければ、どっちみちここで死んでもらうわよ」
リオレウス 「えぇぇぇ゛!? びぃぃぃぃ! お助けェェ゛!」
222: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:50:48.38 ID:Weenz6vS0
リオレウス 「ちくしょぉぉぉ! 死なばもろともォォォ゛!!(ズシンズシンズシンズシン)」
ティガ兄 「あの馬鹿親父、突撃してくるぞ!」
ティガ弟 「何でだよ!? あぁ! くそ! 止めるぞ兄者!」
ティガ兄 「スタンバイだ弟者!」
リオレウス 「キェェェェェ!!」
ティガ兄 「ふんっぬっ! はぁ゛ッ!!」
ティガ弟 「ふんっぬっ! はぁ゛ッ!!」
リオレウス 「(ズドンッ!)ぐぅっはぁぁぁ!」
ティガ兄 「あの馬鹿親父、突撃してくるぞ!」
ティガ弟 「何でだよ!? あぁ! くそ! 止めるぞ兄者!」
ティガ兄 「スタンバイだ弟者!」
リオレウス 「キェェェェェ!!」
ティガ兄 「ふんっぬっ! はぁ゛ッ!!」
ティガ弟 「ふんっぬっ! はぁ゛ッ!!」
リオレウス 「(ズドンッ!)ぐぅっはぁぁぁ!」
224: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:51:45.65 ID:Weenz6vS0
リオレウス 「な……何だ……はね……跳ね返された……」
リオレイア 「(ひょこ)あなた、何をしているの。あら! 地獄兄弟の坊やたち。ごきげんよう」
ティガ兄 「はぁ……はぁ……はぁ……」
ティガ弟 「はぁ……はぁ……はぁ……」
リオレウス 「お前…………」
リオレイア 「何よ。無様な格好よあなた。早く起き上がりなさい」
リオレウス 「鬼か……」
リオレイア 「(ひょこ)あなた、何をしているの。あら! 地獄兄弟の坊やたち。ごきげんよう」
ティガ兄 「はぁ……はぁ……はぁ……」
ティガ弟 「はぁ……はぁ……はぁ……」
リオレウス 「お前…………」
リオレイア 「何よ。無様な格好よあなた。早く起き上がりなさい」
リオレウス 「鬼か……」
231: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:53:14.26 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「何すんだ……」
リオレウス 「何だ……地獄兄弟か……お前! 何攻撃させてくれてんだ! ごめんよ君達! こいつのせいなんだ!」
リオレイア 「あなたが勝手に向かっていったんじゃない。人に責任を擦り付けないで欲しいわ」
リオレウス 「向かっていかなきゃ殺すって言われたんだけども!」
リオレイア 「うるさいわ。あら……イャンクックさん。どうかなさったの? 空から落ちてきたような気がしたのだけど」
イャンクック 「やぁ……リオさん達。久方ぶりだな……」
リオレウス 「何だ……地獄兄弟か……お前! 何攻撃させてくれてんだ! ごめんよ君達! こいつのせいなんだ!」
リオレイア 「あなたが勝手に向かっていったんじゃない。人に責任を擦り付けないで欲しいわ」
リオレウス 「向かっていかなきゃ殺すって言われたんだけども!」
リオレイア 「うるさいわ。あら……イャンクックさん。どうかなさったの? 空から落ちてきたような気がしたのだけど」
イャンクック 「やぁ……リオさん達。久方ぶりだな……」
232: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:54:07.98 ID:Weenz6vS0
リオレウス 「お前……人の前だからって猫被ろうとしても無駄だぞ! 今日こそははっきり言わせてもらう。俺はお前の……」
リオレイア 「やかましいわね……ごめんなさいねェ。今黙らせますよ(きゅ)」
リオレウス 「ピィ! (ビクンッビクンッ)」
ティガ兄 「相変わらずだなママさん!」
ティガ弟 「躊躇なくパパさんを締め落とす、その姿サイコーにカッケェぜ!!」
リオレイア 「ありがと。皆さんおそろいで、どうかした? 桜レイアなら、さっき蒼レウスとナナ先生のところに出かけたわ」
ティガ兄 「マジでか!? くっそぉぉぉ! 入れ違いかよ!」
クック 「……………………」
リオレイア 「…………何か事情がおありのようね」
クック 「ああ……」
リオレイア 「やかましいわね……ごめんなさいねェ。今黙らせますよ(きゅ)」
リオレウス 「ピィ! (ビクンッビクンッ)」
ティガ兄 「相変わらずだなママさん!」
ティガ弟 「躊躇なくパパさんを締め落とす、その姿サイコーにカッケェぜ!!」
リオレイア 「ありがと。皆さんおそろいで、どうかした? 桜レイアなら、さっき蒼レウスとナナ先生のところに出かけたわ」
ティガ兄 「マジでか!? くっそぉぉぉ! 入れ違いかよ!」
クック 「……………………」
リオレイア 「…………何か事情がおありのようね」
クック 「ああ……」
233: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:55:25.74 ID:Weenz6vS0
リオレイア 「…………ふぅん。そんなことがあったの。イャンクックさんも災難ねぇ」
クック 「お見苦しいところを……」
リオレイア 「ドドさんが帰ってきてるっていうのは知らなかったわ。足がお悪いんですもの、不覚をとったのは仕方ないわ」
クック 「……そういうわけで、チャチャブーの王国に急がねばならない。方向だけでも、教えてもらえないか?」
リオレイア 「あの蛮族どもと交渉に行かれるの? ……まともに話し合いなんて、できないと思うけれど」
クック 「それでも、クイーンランゴスタに会わねばならない。そのためには奇面王の力が必要なんだ」
リオレイア 「うぅん……とりあえずその羽のキズはどうにかした方がよくってよ。あなた、とっとと起きなさい(ゲシッ)」
リオレウス 「……ん? ん……あぁ? 何だ……俺は気を失っていたのか……」
リオレイア 「あなた、ハチミツの血止め持ってたでしょう? 出して」
リオレウス 「えぇ? 何で?」
リオレイア 「イャンクックさんが怪我をしているのよ。血止めくらいはした方がいいでしょう」
クック 「お見苦しいところを……」
リオレイア 「ドドさんが帰ってきてるっていうのは知らなかったわ。足がお悪いんですもの、不覚をとったのは仕方ないわ」
クック 「……そういうわけで、チャチャブーの王国に急がねばならない。方向だけでも、教えてもらえないか?」
リオレイア 「あの蛮族どもと交渉に行かれるの? ……まともに話し合いなんて、できないと思うけれど」
クック 「それでも、クイーンランゴスタに会わねばならない。そのためには奇面王の力が必要なんだ」
リオレイア 「うぅん……とりあえずその羽のキズはどうにかした方がよくってよ。あなた、とっとと起きなさい(ゲシッ)」
リオレウス 「……ん? ん……あぁ? 何だ……俺は気を失っていたのか……」
リオレイア 「あなた、ハチミツの血止め持ってたでしょう? 出して」
リオレウス 「えぇ? 何で?」
リオレイア 「イャンクックさんが怪我をしているのよ。血止めくらいはした方がいいでしょう」
237: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:56:42.15 ID:Weenz6vS0
リオレウス 「あれ……イャンクックさん。お久しぶり……すまん、どうせ妻が失礼をしていたと思うが……」
リオレイア 「早くしなさい」
リオレウス 「はい……どこにしまったかな……あァ、あったあった。どうしたんだ、この傷は……」
クック 「ちょっと、不覚をとってしまってね……」
リオレウス 「これでよしっ……と。少し経てば血は止まるけど、激しい動きは禁物だよ」
クック 「あァ、だいぶ楽になった。すまないね、おふた方」
リオレイア 「いいんですよ。薬を塗るくらいしか能がありませんからこの人」
リオレウス 「お前…………」
リオレイア 「早くしなさい」
リオレウス 「はい……どこにしまったかな……あァ、あったあった。どうしたんだ、この傷は……」
クック 「ちょっと、不覚をとってしまってね……」
リオレウス 「これでよしっ……と。少し経てば血は止まるけど、激しい動きは禁物だよ」
クック 「あァ、だいぶ楽になった。すまないね、おふた方」
リオレイア 「いいんですよ。薬を塗るくらいしか能がありませんからこの人」
リオレウス 「お前…………」
242: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:58:36.17 ID:Weenz6vS0
ティガ兄 「俺らも、このおっさんとチャチャブーの国に行かなきゃなんねーんだよ。どっちだっけ?」
リオレウス 「奇面族の? それなら、この先の地下洞を抜ければ、彼らの里の入り口に出られるけど……」
リオレイア 「ちょっと待って。イャンクックさん、少しお家で休んでいかれない? 顔色が真っ青よ」
クック 「そういうわけにはいかない。この先だな……ありがとう。また後日、お礼に伺うよ」
リオレイア 「これくらいのことで、お気になさらないで。うーん……そうね……じゃあ、あなた。ご案内してさしあげて」
リオレウス 「え? ……えぇぇえ!? 俺が!? 自分が行けよ!!」
リオレイア 「私はこれから、蒼と桜と私のお夕飯を作らなきゃいけないの」
リオレウス 「俺の分は!?」
リオレイア 「ご案内をちゃんとまっとうできたら考えないでもないわ」
リオレウス 「奇面族の? それなら、この先の地下洞を抜ければ、彼らの里の入り口に出られるけど……」
リオレイア 「ちょっと待って。イャンクックさん、少しお家で休んでいかれない? 顔色が真っ青よ」
クック 「そういうわけにはいかない。この先だな……ありがとう。また後日、お礼に伺うよ」
リオレイア 「これくらいのことで、お気になさらないで。うーん……そうね……じゃあ、あなた。ご案内してさしあげて」
リオレウス 「え? ……えぇぇえ!? 俺が!? 自分が行けよ!!」
リオレイア 「私はこれから、蒼と桜と私のお夕飯を作らなきゃいけないの」
リオレウス 「俺の分は!?」
リオレイア 「ご案内をちゃんとまっとうできたら考えないでもないわ」
248: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/01(金) 23:59:55.79 ID:Weenz6vS0
リオレウス 「ちくしょう……ご一緒させていただきます」
ティガ兄 「えぇぇ~……パパさん来んのォ?」
ティガ弟 「いいよ無理すんなよ」
リオレウス 「何をぅ! 君たち! 明らかに俺を馬鹿にしているだろう!!」
ティガ弟 「ああ、邪魔」
リオレウス 「何だとぅ!?」
リオレイア 「そう言わないで。肉の盾くらいにはなるわ」
リオレウス 「お前ェ!」
ティガ兄 「えぇぇ~……パパさん来んのォ?」
ティガ弟 「いいよ無理すんなよ」
リオレウス 「何をぅ! 君たち! 明らかに俺を馬鹿にしているだろう!!」
ティガ弟 「ああ、邪魔」
リオレウス 「何だとぅ!?」
リオレイア 「そう言わないで。肉の盾くらいにはなるわ」
リオレウス 「お前ェ!」
250: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:00:59.45 ID:8xAfd/1y0
ティガ兄 「ママさん行っちまったな」
ティガ弟 「いつ見ても大人の色香だぜ。乳くせぇガキとはえらい違いだ!」
リオレウス 「……ちくしょう…………」
ティガ弟 「いや、ほんと無理すんなよ。パパさん、帰れって」
ティガ兄 「あんたが戦力として役立つ場面が、想像できねェよ」
リオレウス 「ごくごく一般で平凡な飛竜である俺に何を求めてるってんだ!」
ティガ兄 「うわっ、逆ギレしやがった。ウゼッ!」
リオレウス 「何をぉぅ!? そういえば、俺はまだ、君と桜の交際をだな!」
ティガ兄 「あーあー聞こえない聞こえない」
クック 「……レウスさん、すまない。先を急ぐんだ」
リオレウス 「あ……あぁ。チャチャブーの国ならこっちだ。どうも記憶がないんだけど、道すがら事情を聞かせてくれないか」
ティガ弟 「いつ見ても大人の色香だぜ。乳くせぇガキとはえらい違いだ!」
リオレウス 「……ちくしょう…………」
ティガ弟 「いや、ほんと無理すんなよ。パパさん、帰れって」
ティガ兄 「あんたが戦力として役立つ場面が、想像できねェよ」
リオレウス 「ごくごく一般で平凡な飛竜である俺に何を求めてるってんだ!」
ティガ兄 「うわっ、逆ギレしやがった。ウゼッ!」
リオレウス 「何をぉぅ!? そういえば、俺はまだ、君と桜の交際をだな!」
ティガ兄 「あーあー聞こえない聞こえない」
クック 「……レウスさん、すまない。先を急ぐんだ」
リオレウス 「あ……あぁ。チャチャブーの国ならこっちだ。どうも記憶がないんだけど、道すがら事情を聞かせてくれないか」
252: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:02:18.31 ID:8xAfd/1y0
リオレウス 「……何だって!? 黒グラビ奥さんが! そいつは一大事だ」
クック 「毒が頭に回ってしまっている。早く、クイーンに解毒剤をもらわないと危険だ」
リオレウス 「ふぅむ……グラビ君は、三年前のシュレイド城の戦いで、大きな傷を負ってから、おかしくなってしまってる」
クック 「グラビさんが? どういうことだい?」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「…………」
リオレウス 「これは、あまり口外してはいけないことなんだけど……どうも彼は、心を病んで麻薬に溺れてしまっているとか」
クック 「何だって!? ……じゃあ、黒グラビさんは、彼のために、その材料を探しに……」
クック 「毒が頭に回ってしまっている。早く、クイーンに解毒剤をもらわないと危険だ」
リオレウス 「ふぅむ……グラビ君は、三年前のシュレイド城の戦いで、大きな傷を負ってから、おかしくなってしまってる」
クック 「グラビさんが? どういうことだい?」
ティガ兄 「…………」
ティガ弟 「…………」
リオレウス 「これは、あまり口外してはいけないことなんだけど……どうも彼は、心を病んで麻薬に溺れてしまっているとか」
クック 「何だって!? ……じゃあ、黒グラビさんは、彼のために、その材料を探しに……」
253: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:03:04.81 ID:8xAfd/1y0
リオレウス 「シュレイド城の戦いは、沢山の仲間達に深い傷を与えたから……クスリに溺れた者も少なくはないし……」
クック 「……そのことは、ラオシャンロンは知っているのか?」
リオレウス 「勿論だ。父さんと母さんが、彼の息子のバサルモスを保護したことがあって。その時に、グラビ君を見に行った」
クック 「…………」
リオレウス 「怪我の後遺症は勿論のこと、どちらかというと禁断症状に苦しんでいるようだった」
クック 「黒グラビさんは優しいからな……彼の苦痛を、和らげてやりたかったのか……」
リオレウス 「ラオシャンロンは、絶対にクスリは止めるようにって厳命したんだが……こんなことになるなんて……」
クック 「……私は、そんなことは知らなかった……」
クック 「……そのことは、ラオシャンロンは知っているのか?」
リオレウス 「勿論だ。父さんと母さんが、彼の息子のバサルモスを保護したことがあって。その時に、グラビ君を見に行った」
クック 「…………」
リオレウス 「怪我の後遺症は勿論のこと、どちらかというと禁断症状に苦しんでいるようだった」
クック 「黒グラビさんは優しいからな……彼の苦痛を、和らげてやりたかったのか……」
リオレウス 「ラオシャンロンは、絶対にクスリは止めるようにって厳命したんだが……こんなことになるなんて……」
クック 「……私は、そんなことは知らなかった……」
256: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:04:29.62 ID:8xAfd/1y0
ティガ兄 「……ケッ。弱ェからそうなンだ」
ティガ弟 「心も体もな!」
リオレウス 「君たち! そうやって軽々しく他人を非難するものじゃない。大体君たちは年上を敬う気持ちってものがねェ……」
ティガ兄 「ケッ…………」
ティガ弟 「…………」
リオレウス 「……着いた。ここを抜ければ、チャチャブーの国だけど……本当に行くのか? あいつらは下品で頭がおかしいぞ」
クック 「大丈夫だ。こちらには備えがある(スッ)」
リオレウス 「高級マタタビか。うーん……通じるかな……」
クック 「駄目かな?」
リオレウス 「いや。キングにはそれでいいかもしれないが、門番には、どちらかというと宝石の方が喜ばれる。物欲の塊だから」
クック 「宝石? そんなものは持ってきていないな」
ティガ兄 「俺らも持ってねェな」
ティガ弟 「あァ。きんきらした飾りなんざァ、男の持ち物じゃねェ」
リオレウス 「…………はぁ…………俺が出すよ…………」
ティガ弟 「心も体もな!」
リオレウス 「君たち! そうやって軽々しく他人を非難するものじゃない。大体君たちは年上を敬う気持ちってものがねェ……」
ティガ兄 「ケッ…………」
ティガ弟 「…………」
リオレウス 「……着いた。ここを抜ければ、チャチャブーの国だけど……本当に行くのか? あいつらは下品で頭がおかしいぞ」
クック 「大丈夫だ。こちらには備えがある(スッ)」
リオレウス 「高級マタタビか。うーん……通じるかな……」
クック 「駄目かな?」
リオレウス 「いや。キングにはそれでいいかもしれないが、門番には、どちらかというと宝石の方が喜ばれる。物欲の塊だから」
クック 「宝石? そんなものは持ってきていないな」
ティガ兄 「俺らも持ってねェな」
ティガ弟 「あァ。きんきらした飾りなんざァ、男の持ち物じゃねェ」
リオレウス 「…………はぁ…………俺が出すよ…………」
257: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:05:13.22 ID:8xAfd/1y0
―密林、奇面族チャチャブーの里―
門番チャチャブーA 「止まれ……」
門番チャチャブーB 「合言葉を述べろ……」
リオレウス 「ピュアクリスタルをやるから通せ。キングに用がある(ポイッ)」
門番チャチャブーA 「………………」
門番チャチャブーB 「………………」
クック 「(宝石を拾って考え込んでいるぞ……)」
クック 「(人間が使うような刃物を持っている……下手に前に出ないほうが良さそうだ)」
門番チャチャブーA 「止まれ……」
門番チャチャブーB 「合言葉を述べろ……」
リオレウス 「ピュアクリスタルをやるから通せ。キングに用がある(ポイッ)」
門番チャチャブーA 「………………」
門番チャチャブーB 「………………」
クック 「(宝石を拾って考え込んでいるぞ……)」
クック 「(人間が使うような刃物を持っている……下手に前に出ないほうが良さそうだ)」
258: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:05:53.83 ID:8xAfd/1y0
門番チャチャブーA 「(ごそごそ)」
門番チャチャブーB 「(ごそごそ)」
クック 「(宝石をしまった……しかし目を剥いてこちらを睨みつけている……)」
ティガ兄 「ンだコラァ! やんのかオルァ!」
ティガ弟 「上等だァかかってこいやァ!!」
リオレウス 「バカ……! 下がってろ!」
門番チャチャブーC 「…………」
門番チャチャブーD 「…………」
クック 「(何!? 増えた……いや……続々と中から出てくる……しかも全員、刃物を持っている!)」
門番チャチャブーB 「(ごそごそ)」
クック 「(宝石をしまった……しかし目を剥いてこちらを睨みつけている……)」
ティガ兄 「ンだコラァ! やんのかオルァ!」
ティガ弟 「上等だァかかってこいやァ!!」
リオレウス 「バカ……! 下がってろ!」
門番チャチャブーC 「…………」
門番チャチャブーD 「…………」
クック 「(何!? 増えた……いや……続々と中から出てくる……しかも全員、刃物を持っている!)」
259: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:06:38.19 ID:8xAfd/1y0
リオレウス 「……カブレライト鉱石もあるぞ。これは珍しい、陽翔原株だ(ポイッ、ポイッ)」
リオレウス 「急いでいる。門を開けて通せ」
門番チャチャブーA 「(ごそごそ)」
クック 「(一匹レウスさんに近づいてきた……)」
門番チャチャブーA 「…………オレに……もう一個よこせ…………」
リオレウス 「……持って行け。ドラグライト鉱石だ」
門番チャチャブーA 「…………門を開けろ…………」
チャチャブー達 「ピィィィ! ピィィィィ!」
リオレウス 「急いでいる。門を開けて通せ」
門番チャチャブーA 「(ごそごそ)」
クック 「(一匹レウスさんに近づいてきた……)」
門番チャチャブーA 「…………オレに……もう一個よこせ…………」
リオレウス 「……持って行け。ドラグライト鉱石だ」
門番チャチャブーA 「…………門を開けろ…………」
チャチャブー達 「ピィィィ! ピィィィィ!」
260: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:07:25.90 ID:8xAfd/1y0
クック 「レウスさん、すまない……随分と宝石を……」
リオレウス 「こいつらは、群れて襲ってくるから、怒らせると危険なんだ。これくらいで済むならいい方だ」
ティガ兄 「……むなくそ悪ィぜ。どいつもこいつも死んだ魚のような目ェしやがって……」
ティガ弟 「噛み殺してやりてぇ、ドブ沼みてェな目だ。ナタぎらつかせやがって……」
チャチャブー達 「………………」
クック 「(子供も大人も、みな刃物を持ってこちらを睨んでいる……)」
クック 「(これは殺気だ……ブランゴ族のような威嚇ではない……侵入者に対する、殺意だ……)」
リオレウス 「こいつらは、群れて襲ってくるから、怒らせると危険なんだ。これくらいで済むならいい方だ」
ティガ兄 「……むなくそ悪ィぜ。どいつもこいつも死んだ魚のような目ェしやがって……」
ティガ弟 「噛み殺してやりてぇ、ドブ沼みてェな目だ。ナタぎらつかせやがって……」
チャチャブー達 「………………」
クック 「(子供も大人も、みな刃物を持ってこちらを睨んでいる……)」
クック 「(これは殺気だ……ブランゴ族のような威嚇ではない……侵入者に対する、殺意だ……)」
262: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:08:13.03 ID:8xAfd/1y0
リオレウス 「いつ来ても気分がいい場所じゃないな……」
クック 「前にも来たことがあるのかい?」
リオレウス 「あァ。蒼レウスが小さい頃、こいつらに捕まったことがあって。レイアを抑えるのに苦労した……」
ティガ弟 「アン? ンだァ、このおどろおどろしい音楽は……」
ティガ兄 「不気味な太鼓だぜ……火を燃やしてやがる」
リオレウス 「儀式の最中なんだろ。いいか? 地獄兄弟。決して噛み付いたりするなよ? 目玉抉り出されるぞ」
ティガ兄 「こんなチビども、襲ってきても皆殺しにしてやらァ」
リオレウス 「ここにいるのは、ほんのごく一部だ。地下には数百匹も隠れてる。戦えば無傷じゃ済まない」
クック 「前にも来たことがあるのかい?」
リオレウス 「あァ。蒼レウスが小さい頃、こいつらに捕まったことがあって。レイアを抑えるのに苦労した……」
ティガ弟 「アン? ンだァ、このおどろおどろしい音楽は……」
ティガ兄 「不気味な太鼓だぜ……火を燃やしてやがる」
リオレウス 「儀式の最中なんだろ。いいか? 地獄兄弟。決して噛み付いたりするなよ? 目玉抉り出されるぞ」
ティガ兄 「こんなチビども、襲ってきても皆殺しにしてやらァ」
リオレウス 「ここにいるのは、ほんのごく一部だ。地下には数百匹も隠れてる。戦えば無傷じゃ済まない」
264: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:09:29.17 ID:2T7f3qQl0
ティガ弟 「ちっ。くそつまんねぇトコに来ちまった」
クック 「(何だ……円形の広場の中央で、炎が燃え盛っている……)」
クック 「(沢山のチャチャブーが、回りながら踊っている……炎の中央で燃えているのは……)」
クック 「(あれは……! ガウシカ族やケルビ族! 縛られて、丸焼きにされている……!!)」
クック 「(死んでいるようだが……ムゴい! チャチャブーとは、こういう種族だったのか!)」
ティガ兄 「……ッ、音楽が止まったな」
クック 「(踊りも止まった……)」
クック 「(全員が、刃物を担いでこちらを睨んでいる……)」
クック 「(何だ……円形の広場の中央で、炎が燃え盛っている……)」
クック 「(沢山のチャチャブーが、回りながら踊っている……炎の中央で燃えているのは……)」
クック 「(あれは……! ガウシカ族やケルビ族! 縛られて、丸焼きにされている……!!)」
クック 「(死んでいるようだが……ムゴい! チャチャブーとは、こういう種族だったのか!)」
ティガ兄 「……ッ、音楽が止まったな」
クック 「(踊りも止まった……)」
クック 「(全員が、刃物を担いでこちらを睨んでいる……)」
265: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:10:08.98 ID:YbBhax9M0
リオレウス 「イャンクックさん、用があるんだろ? 早く」
クック 「あ……あァ。チャチャブーの皆さん、邪魔をしてすまない。急ぎの用で、キングと話がしたいんだ」
チャチャブー達 「………………」
ティガ兄 「あ゛ーッ!? 何とか言えコルァ!! くそ猫が!」
クック 「やめるんだ……私達は、キングにお願いをしに来たんだ。他意はない」
チャチャブー達 「………………」
クック 「(停止している……何故だ? とても、不気味な雰囲気だ……)」
クック 「あ……あァ。チャチャブーの皆さん、邪魔をしてすまない。急ぎの用で、キングと話がしたいんだ」
チャチャブー達 「………………」
ティガ兄 「あ゛ーッ!? 何とか言えコルァ!! くそ猫が!」
クック 「やめるんだ……私達は、キングにお願いをしに来たんだ。他意はない」
チャチャブー達 「………………」
クック 「(停止している……何故だ? とても、不気味な雰囲気だ……)」
269: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:11:32.23 ID:YbBhax9M0
チャチャブー 「ビィィィ! ビィィィ!!!」
クック 「な……音楽がまた鳴り始めた……!」
リオレウス 「チャチャブー達が整列していく……良かった。キングのお出ましだ」
クック 「(炎の向こうから……ひときわ大きいチャチャブーが出てきた……キングだ!!)」
ティガ弟 「くそ……この耳障りな太鼓はどうにかなんねェのか!!」
キング 「…………ブフゥゥゥ~…………(もぐっちゃ、もぐっちゃ)」
ティガ兄 「野郎……ナメてんのか……肉食いながら…………!」
クック 「な……音楽がまた鳴り始めた……!」
リオレウス 「チャチャブー達が整列していく……良かった。キングのお出ましだ」
クック 「(炎の向こうから……ひときわ大きいチャチャブーが出てきた……キングだ!!)」
ティガ弟 「くそ……この耳障りな太鼓はどうにかなんねェのか!!」
キング 「…………ブフゥゥゥ~…………(もぐっちゃ、もぐっちゃ)」
ティガ兄 「野郎……ナメてんのか……肉食いながら…………!」
271: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:12:19.30 ID:YbBhax9M0
クック 「キング! 私だ、イャンクックだ。力を貸して欲しい!」
キング 「…………」
クック 「一刻を要するんだ。頼む!!」
キング 「…………(げっぷ)……クックゥ? …………礼儀ィ……なってねェんじゃねェか……」
ティガ弟 「ンだこらぁぁあ!!」
リオレウス 「やめろ!」
クック 「……そうだな、すまなかった。気が急いてしまったようだ。これは、高級マタタビだ。皆で分けてくれ」
キング 「……(くいっ)」
チャチャブーA 「……(とことことこ)よこせ……」
クック 「これだ」
チャチャブーA 「…………(サッ!)…………ゴッドファーザー…………どうぞ……」
キング 「……(くんかくんか)……ぺろ…………ふん…………」
キング 「…………」
クック 「一刻を要するんだ。頼む!!」
キング 「…………(げっぷ)……クックゥ? …………礼儀ィ……なってねェんじゃねェか……」
ティガ弟 「ンだこらぁぁあ!!」
リオレウス 「やめろ!」
クック 「……そうだな、すまなかった。気が急いてしまったようだ。これは、高級マタタビだ。皆で分けてくれ」
キング 「……(くいっ)」
チャチャブーA 「……(とことことこ)よこせ……」
クック 「これだ」
チャチャブーA 「…………(サッ!)…………ゴッドファーザー…………どうぞ……」
キング 「……(くんかくんか)……ぺろ…………ふん…………」
272: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:13:01.00 ID:YbBhax9M0
クック 「まだ沢山ある。頼みを聞いてくれれば、全て差し上げよう」
キング 「……………………誰を、殺してほしい…………?」
クック 「違う。ランゴスタクイーンに会いたいんだ。彼女のところまで、あなた達に警護をお願いしたい」
キング 「ヤクを探してんのか……? てめェ……そんな風にはみえねェがな…………」
クック 「訳を話す。刃物を下ろさせてくれ」
キング 「…………(くいっ)」
チャチャブー達 「(ザッ)」
クック 「(全員綺麗に陣を……さすが、奇面族の戦士……)」
キング 「……………………誰を、殺してほしい…………?」
クック 「違う。ランゴスタクイーンに会いたいんだ。彼女のところまで、あなた達に警護をお願いしたい」
キング 「ヤクを探してんのか……? てめェ……そんな風にはみえねェがな…………」
クック 「訳を話す。刃物を下ろさせてくれ」
キング 「…………(くいっ)」
チャチャブー達 「(ザッ)」
クック 「(全員綺麗に陣を……さすが、奇面族の戦士……)」
275: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:14:17.95 ID:YbBhax9M0
キング 「…………」
クック 「……そういうわけなんだ。なるべく、双方に犠牲が出ないようにしたい。蜂を皆殺しにして欲しいわけではない」
キング 「…………めんどくせェな…………」
クック 「そう言わずに……頼む。黒グラビさんは、子供の頃から私は知っている。彼女は……仲間だ」
キング 「…………」
クック 「こんなことで、失いたくはない……」
クック 「……そういうわけなんだ。なるべく、双方に犠牲が出ないようにしたい。蜂を皆殺しにして欲しいわけではない」
キング 「…………めんどくせェな…………」
クック 「そう言わずに……頼む。黒グラビさんは、子供の頃から私は知っている。彼女は……仲間だ」
キング 「…………」
クック 「こんなことで、失いたくはない……」
278: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:15:22.17 ID:YbBhax9M0
キング 「……女王蜂には……オレが行かねば、余計な争いになる……てめェよ……オレに、腰ィ上げろってか?」
クック 「命令ではない。お願いをしているんだ。頼む……」
ティガ兄 「おっさん!? こんなデブに頭下げンな!」
キング 「…………」
クック 「ただ、クイーンの所に辿りつかせてくれればいい。お願いだ……」
ティガ弟 「おっさん!」
キング 「…………女か、よォ…………」
クック 「……?」
キング 「酒だろォが……頼みごとってのァ、そいつが礼儀だ……」
クック 「命令ではない。お願いをしているんだ。頼む……」
ティガ兄 「おっさん!? こんなデブに頭下げンな!」
キング 「…………」
クック 「ただ、クイーンの所に辿りつかせてくれればいい。お願いだ……」
ティガ弟 「おっさん!」
キング 「…………女か、よォ…………」
クック 「……?」
キング 「酒だろォが……頼みごとってのァ、そいつが礼儀だ……」
283: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:16:19.49 ID:YbBhax9M0
クック 「(これは……殺気!? 周りのチャチャブー達から……!!)」
クック 「(刺激をしては駄目だ……)」
クック 「……私のような、しわがれた労害でよければ、終わった後、美味い酒をご馳走するよ。共に、飲み明かそう」
キング 「…………」
クック 「……付き合うよ」
キング 「…………ツチハチノコの地酒だ……」
クック 「え……」
キング 「…………在庫が……足りねェ……」
クック 「分かった。約束する」
クック 「(刺激をしては駄目だ……)」
クック 「……私のような、しわがれた労害でよければ、終わった後、美味い酒をご馳走するよ。共に、飲み明かそう」
キング 「…………」
クック 「……付き合うよ」
キング 「…………ツチハチノコの地酒だ……」
クック 「え……」
キング 「…………在庫が……足りねェ……」
クック 「分かった。約束する」
284: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:17:08.85 ID:YbBhax9M0
キング 「…………」
クック 「…………」
キング 「……奇面の民……一番隊は、オレと共に来い……」
チャチャブー達 「ビィィィ!!(ジャキン!)」
キング 「蜂は殺すな……打ち落とせ……」
チャチャブー達 「ビィィ! ビッ! ビィィ!」
クック 「じゃあ……! キング……!!」
キング 「ゆくぞ……夕餉の時間までには……戻る……」
クック 「…………」
キング 「……奇面の民……一番隊は、オレと共に来い……」
チャチャブー達 「ビィィィ!!(ジャキン!)」
キング 「蜂は殺すな……打ち落とせ……」
チャチャブー達 「ビィィ! ビッ! ビィィ!」
クック 「じゃあ……! キング……!!」
キング 「ゆくぞ……夕餉の時間までには……戻る……」
290: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:18:44.88 ID:YbBhax9M0
―火山―
ガンランス 「ッあぁぁ~熱ッィ! こんなトコ来ンじゃなかったぜ!」
ヘビィ 「まーた収穫はカニだけか(ジャラジャラ)しかも今日のは小ぶりだ……」
ライト 「やっぱよぉ、大物は、こんな村の近くにゃもういねェんだって。シュレイド城のアレで奥地にいっちまったんだ」
ハンマー 「…………」
ガンランス 「無駄足かよ。ちっ……」
ライト 「クーラードリンクも切れてきたし、もう帰ろうぜ?」
ヘビィ 「あぁぁ~、そうすっか。ふぅ……酒でも飲みてぇ」
ガンランス 「パブにでも行くかァ?」
ヘビィ 「つっても、ふもとの里は病気にやられてんじゃん。オレァやだぜ。伝染されんのはよ」
ライト 「隣町まで降りんのもなァ」
ガンランス 「はぁ……考える気力もなくなるぜ。とにかくよ、こっから出ようぜ? 脳みそまで煮えちまう」
ガンランス 「ッあぁぁ~熱ッィ! こんなトコ来ンじゃなかったぜ!」
ヘビィ 「まーた収穫はカニだけか(ジャラジャラ)しかも今日のは小ぶりだ……」
ライト 「やっぱよぉ、大物は、こんな村の近くにゃもういねェんだって。シュレイド城のアレで奥地にいっちまったんだ」
ハンマー 「…………」
ガンランス 「無駄足かよ。ちっ……」
ライト 「クーラードリンクも切れてきたし、もう帰ろうぜ?」
ヘビィ 「あぁぁ~、そうすっか。ふぅ……酒でも飲みてぇ」
ガンランス 「パブにでも行くかァ?」
ヘビィ 「つっても、ふもとの里は病気にやられてんじゃん。オレァやだぜ。伝染されんのはよ」
ライト 「隣町まで降りんのもなァ」
ガンランス 「はぁ……考える気力もなくなるぜ。とにかくよ、こっから出ようぜ? 脳みそまで煮えちまう」
294: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:20:22.19 ID:YbBhax9M0
ハンマー 「…………お前達は帰れ。俺は、もう少し探索をしていく」
ヘビィ 「はぁぁ? もー何もねぇって。ここらあたりは、鉱石も採リ尽くしちまったから、歩くだけ無駄無駄」
ハンマー 「しかし、ここまでの準備賃のモトをとっていない……せめて、竜の鱗でも見つけないと、本当の無駄足になる」
ガンランス 「だーかーらー、もう無駄足なんだっての。あーあーいいよ好きなだけ残りゃぁいいさ。俺ァ帰る」
ヘビィ 「同感だな。ま、せいぜい死なないよーに気をつけな」
ランス 「また会えればの話だけどな」
ハンマー 「…………」
ヘビィ 「はぁぁ? もー何もねぇって。ここらあたりは、鉱石も採リ尽くしちまったから、歩くだけ無駄無駄」
ハンマー 「しかし、ここまでの準備賃のモトをとっていない……せめて、竜の鱗でも見つけないと、本当の無駄足になる」
ガンランス 「だーかーらー、もう無駄足なんだっての。あーあーいいよ好きなだけ残りゃぁいいさ。俺ァ帰る」
ヘビィ 「同感だな。ま、せいぜい死なないよーに気をつけな」
ランス 「また会えればの話だけどな」
ハンマー 「…………」
296: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:23:06.71 ID:YbBhax9M0
ガンランス 「ちっ……。もう汗で地図がぐっちゃぐちゃだ」
ヘビィ 「一度溶岩から離れようぜ? じゃぁーな、ハンマー」
ライト 「誰か回復薬もってたらくれよ。喉が渇いて死にそうだ」
ヘビィ 「ほらよ。これで最後だ」
ライト 「ありがてぇ」
ハンマー 「…………(ん? 何だ……あの溶岩の隣……妙に乱雑に岩が積まれている……)」
ヘビィ 「一度溶岩から離れようぜ? じゃぁーな、ハンマー」
ライト 「誰か回復薬もってたらくれよ。喉が渇いて死にそうだ」
ヘビィ 「ほらよ。これで最後だ」
ライト 「ありがてぇ」
ハンマー 「…………(ん? 何だ……あの溶岩の隣……妙に乱雑に岩が積まれている……)」
298: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:23:49.13 ID:YbBhax9M0
ハンマー 「(いや、崩れているのか……?)」
ハンマー 「(…………やはり、これは何か、大きなモノが這い出た後だ……)」
ハンマー 「(よく見れば、地面も抉れている……)」
ハンマー 「(溶岩へ続いている……これは……まさか……)」
ライト 「……ぷはぁ。生き返ったぜ(ポイッ)」
ヘビィ 「おいおい、ゴミ投げ捨てんなよ」
ライト 「どーせ時間が経ちゃぁ、満ちてきた溶岩で燃えるだろ」
ハンマー 「(…………やはり、これは何か、大きなモノが這い出た後だ……)」
ハンマー 「(よく見れば、地面も抉れている……)」
ハンマー 「(溶岩へ続いている……これは……まさか……)」
ライト 「……ぷはぁ。生き返ったぜ(ポイッ)」
ヘビィ 「おいおい、ゴミ投げ捨てんなよ」
ライト 「どーせ時間が経ちゃぁ、満ちてきた溶岩で燃えるだろ」
299: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:24:30.00 ID:YbBhax9M0
××××× 「グルル……グ……ルルル……」
ハンマー 「(あの声は……!)」
ハンマー 「三人とも! そこを離れろ!!」
ガンランス 「あぁん? だから俺達は帰るって……」
グラビモス 「ブグォォォォォォッ!!!」
ヘビィ 「な……何だァ!?」
ライト 「後ろだ! ありゃ……鎧竜じゃねェか! 溶岩の中から……でけェ!!!」
ハンマー 「(あの声は……!)」
ハンマー 「三人とも! そこを離れろ!!」
ガンランス 「あぁん? だから俺達は帰るって……」
グラビモス 「ブグォォォォォォッ!!!」
ヘビィ 「な……何だァ!?」
ライト 「後ろだ! ありゃ……鎧竜じゃねェか! 溶岩の中から……でけェ!!!」
302: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:25:13.23 ID:YbBhax9M0
グラビモス 「グル……グル……グル……グル……」
ハンマー 「(何だ……この鎧竜。様子がおかしいぞ……)」
ハンマー 「(胸の鱗が全て剥がれている……それに、目の色が……)」
グラビモス 「キシャァァァァァ………………」
ハンマー 「……!! よけろ!」
ガンランス 「くそっ……俺の後ろに隠れろ!!(ガシャコン)」
ハンマー 「(何だ……この鎧竜。様子がおかしいぞ……)」
ハンマー 「(胸の鱗が全て剥がれている……それに、目の色が……)」
グラビモス 「キシャァァァァァ………………」
ハンマー 「……!! よけろ!」
ガンランス 「くそっ……俺の後ろに隠れろ!!(ガシャコン)」
304: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:26:41.40 ID:YbBhax9M0
グラビモス 「(ゴゥゥゥゥゥゥッ!!)」
ハンマー 「(熱線を吐いた……!!)みんな!!」
ガンランス 「……っ……ガ……ガードが……き……かねぇ……(ガク……)」
ヘビィ 「……ガンランス!!」
ライト 「……野郎!!」
ハンマー 「(ガシャコン)みんなを守らねば……」
グラビモス 「(バシュゥゥゥゥゥゥ)」
ハンマー 「……ッ! 催涙ガスか!?」
ハンマー 「(熱線を吐いた……!!)みんな!!」
ガンランス 「……っ……ガ……ガードが……き……かねぇ……(ガク……)」
ヘビィ 「……ガンランス!!」
ライト 「……野郎!!」
ハンマー 「(ガシャコン)みんなを守らねば……」
グラビモス 「(バシュゥゥゥゥゥゥ)」
ハンマー 「……ッ! 催涙ガスか!?」
306: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:27:44.93 ID:YbBhax9M0
ヘビィ 「…………う……ぁ……」
ライト 「く……そ……目が……」
グラビモス 「シャァァ! シャァァァ!! ギャォォォォ!!!(ズンズンズンズンズン)」
ヘビィ 「(ドゴォ!)がぁぁ!!」
ライト 「(ドガ!!)ぐはぁ!!!」
グラビモス 「グルル……グル! ギャォォォォ!! ギャォォォォ!!(バシュゥゥゥ、バシュゥゥゥゥ)」
ハンマー 「間違いない……あの鎧竜、正気をなくしている……!」
ライト 「く……そ……目が……」
グラビモス 「シャァァ! シャァァァ!! ギャォォォォ!!!(ズンズンズンズンズン)」
ヘビィ 「(ドゴォ!)がぁぁ!!」
ライト 「(ドガ!!)ぐはぁ!!!」
グラビモス 「グルル……グル! ギャォォォォ!! ギャォォォォ!!(バシュゥゥゥ、バシュゥゥゥゥ)」
ハンマー 「間違いない……あの鎧竜、正気をなくしている……!」
312: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:31:57.72 ID:CbQ/Cg460
ハンマー 「このままではみんなが危ない……俺がやらねば……!」
ハンマー 「うおぉぉぉぉ!!(ズンッ!)」
グラビモス 「ギャァァ!」
ハンマー 「(よろめいた……効いている! 弱っているのか!!)」
ハンマー 「っうぉぉぉ!(ズン! ズン!)」
グラビモス 「ギャァァ! ギャァ!」
ハンマー 「うおぉぉぉぉ!!(ズンッ!)」
グラビモス 「ギャァァ!」
ハンマー 「(よろめいた……効いている! 弱っているのか!!)」
ハンマー 「っうぉぉぉ!(ズン! ズン!)」
グラビモス 「ギャァァ! ギャァ!」
316: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:32:41.79 ID:CbQ/Cg460
ライト 「くそ……! ハンマー、これを使え!!(ビュン!)」
ハンマー 「(パシッ)これは……シビレ罠! 助かる!」
グラビモス 「キシャァァァァァァ……!!」
ハンマー 「(熱線を溜めている! くそ……!)」
ヘビィ 「ハンマー! 目をつむれ!!(ヒュッ!!)」
ハンマー 「……! 閃光弾か!」
ハンマー 「(パシッ)これは……シビレ罠! 助かる!」
グラビモス 「キシャァァァァァァ……!!」
ハンマー 「(熱線を溜めている! くそ……!)」
ヘビィ 「ハンマー! 目をつむれ!!(ヒュッ!!)」
ハンマー 「……! 閃光弾か!」
319: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:33:24.72 ID:CbQ/Cg460
グラビモス 「(パシャァァ!)ギャォォォォォ!!」
ハンマー 「効いた……! 今のうちに、シビレ罠で……!!」
ライト 「……いょっしゃぁ! マヒったぜ!」
ヘビィ 「くそ竜が! 捕獲弾をブチこんでやる! 思い知れ!!(ドゴッ! ドゴッ!)」
グラビモス 「ギャァ! ……………ガ…………グ…………(ゆら……ズゥゥゥゥン!)」
ハンマー 「はぁ……はぁ……」
ハンマー 「効いた……! 今のうちに、シビレ罠で……!!」
ライト 「……いょっしゃぁ! マヒったぜ!」
ヘビィ 「くそ竜が! 捕獲弾をブチこんでやる! 思い知れ!!(ドゴッ! ドゴッ!)」
グラビモス 「ギャァ! ……………ガ…………グ…………(ゆら……ズゥゥゥゥン!)」
ハンマー 「はぁ……はぁ……」
321: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:34:19.31 ID:CbQ/Cg460
ヘビィ 「いぃやっほぅ! でかしたぜ! ハンマー!!」
ライト 「こりゃでけぇ! 村に持ってって解体したら、当分生活にゃ困らねェ!!」
ハンマー 「…………いや……俺が攻撃する前に、この竜は随分と弱っていた……」
ヘビィ 「関係あるかよ! いやぁ、しっかしこりゃ、村からアイルーたらふく連れて来ねぇと、運べねぇな」
ガンランス 「…………っつ……」
ライト 「ガンランス! 無事だったか」
ライト 「こりゃでけぇ! 村に持ってって解体したら、当分生活にゃ困らねェ!!」
ハンマー 「…………いや……俺が攻撃する前に、この竜は随分と弱っていた……」
ヘビィ 「関係あるかよ! いやぁ、しっかしこりゃ、村からアイルーたらふく連れて来ねぇと、運べねぇな」
ガンランス 「…………っつ……」
ライト 「ガンランス! 無事だったか」
324: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:35:02.77 ID:CbQ/Cg460
ハンマー 「…………とにかく、誰か村に下りてアイルーと、他のハンター達を連れて来てくれ」
ガンランス 「……ちっ……大口開けて寝てやがる。ムカつくぜ! くそ竜が!(ドガッ)」
ハンマー 「やめろ! 起きてしまったらどうするつもりだ!」
ガンランス 「あぁ? 今度こそ突き殺してやんよ(ジャキン)」
ライト 「じゃ、俺が降りてくるわ。ちょっくら待ってな」
ハンマー 「ああ、頼む」
ガンランス 「……ちっ……大口開けて寝てやがる。ムカつくぜ! くそ竜が!(ドガッ)」
ハンマー 「やめろ! 起きてしまったらどうするつもりだ!」
ガンランス 「あぁ? 今度こそ突き殺してやんよ(ジャキン)」
ライト 「じゃ、俺が降りてくるわ。ちょっくら待ってな」
ハンマー 「ああ、頼む」
325: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:36:08.56 ID:CbQ/Cg460
―数時間後、火山別エリア―
銀レウス 「ふぅぅぅぅぅ~~火山は暑っちぃぃぃのぉぉぉぉぉ、じいちゃんには辛いわぁ」
バサルモス 「パパ……もう、怒ってないかな…………」
銀レウス 「もーぅさすがに、母ちゃん止めてっぺぇ。だーいじょうぶだぁ。もしものとぎは、じいちゃん守ってやっがらなぁ」
バサルモス 「うん…………じいちゃん……ありがとう……(ぼろぼろ)」
銀レウス 「まーた泣くんでねぇ。オットコの子だべぇ? ほんだばぁ、こっくらで弁当にでもすっかい?」
バサルモス 「え? 弁当……?」
銀レウス 「おめさんの家はもうちっとかかっがんな。金さんが作ってくれだんだぁ。うんめェぞぉ」
バサルモス 「ばあちゃん……俺、うれしいよ……」
銀レウス 「こっち来なぁ。じいちゃんと一緒に食べっぺなァ」
銀レウス 「ふぅぅぅぅぅ~~火山は暑っちぃぃぃのぉぉぉぉぉ、じいちゃんには辛いわぁ」
バサルモス 「パパ……もう、怒ってないかな…………」
銀レウス 「もーぅさすがに、母ちゃん止めてっぺぇ。だーいじょうぶだぁ。もしものとぎは、じいちゃん守ってやっがらなぁ」
バサルモス 「うん…………じいちゃん……ありがとう……(ぼろぼろ)」
銀レウス 「まーた泣くんでねぇ。オットコの子だべぇ? ほんだばぁ、こっくらで弁当にでもすっかい?」
バサルモス 「え? 弁当……?」
銀レウス 「おめさんの家はもうちっとかかっがんな。金さんが作ってくれだんだぁ。うんめェぞぉ」
バサルモス 「ばあちゃん……俺、うれしいよ……」
銀レウス 「こっち来なぁ。じいちゃんと一緒に食べっぺなァ」
328: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:37:00.15 ID:CbQ/Cg460
×××× 「(バサッ! バサッ!)あぁぁぁ! 銀さん! 何でここに!? バサルも!」
バサルモス 「あ……こんにちは……」
銀レウス 「あんれまぁぁ、ガブラスの小僧じゃねぇっけぇ。ひんさしぶりだなァ」
ガブラス 「い、いや、それどころじゃねぇんでぇ! でも丁度良かった!」
銀レウス 「どしたぁ、そげに慌ててよぉ」
ガブラス 「人間のハンターが、下層に攻め込んできてるんだ!! グラビモスがやられた!!」
バサルモス 「え!? パパが!!?」
銀レウス 「何じゃとゥ? なしてこげなおもてに出てきただ!」
バサルモス 「あ……こんにちは……」
銀レウス 「あんれまぁぁ、ガブラスの小僧じゃねぇっけぇ。ひんさしぶりだなァ」
ガブラス 「い、いや、それどころじゃねぇんでぇ! でも丁度良かった!」
銀レウス 「どしたぁ、そげに慌ててよぉ」
ガブラス 「人間のハンターが、下層に攻め込んできてるんだ!! グラビモスがやられた!!」
バサルモス 「え!? パパが!!?」
銀レウス 「何じゃとゥ? なしてこげなおもてに出てきただ!」
331: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:39:55.28 ID:CbQ/Cg460
バサルモス 「パパ……! じ、じいちゃん、どうしよう!!」
ガブラス 「十や二十じゃねぇんでぇ! 猫と人間が、大勢で、眠らせたグラビモスを連れてこうとしてんだぃ!」
銀レウス 「そげな数……戦争でもやらかすつもりがぃ!」
ガブラス 「おいらも、上飛んでただけで、人間に矢を撃たれた! どうーすりゃいいんでぇ!」
バサルモス 「パパ……助けなきゃ……!」
銀レウス 「待つんだぃ坊主!」
バサルモス 「で……でも、パパが人間の里に連れてかれちゃうよ!」
ガブラス 「十や二十じゃねぇんでぇ! 猫と人間が、大勢で、眠らせたグラビモスを連れてこうとしてんだぃ!」
銀レウス 「そげな数……戦争でもやらかすつもりがぃ!」
ガブラス 「おいらも、上飛んでただけで、人間に矢を撃たれた! どうーすりゃいいんでぇ!」
バサルモス 「パパ……助けなきゃ……!」
銀レウス 「待つんだぃ坊主!」
バサルモス 「で……でも、パパが人間の里に連れてかれちゃうよ!」
333: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:41:42.84 ID:8xAfd/1y0
銀レウス 「……黒グラビはいんがったがぃ?」
ガブラス 「い……いや、グラビモスだけだ。今、下層はパニックになってる。じき、みんなこの上層に避難してくる!」
バサルモス 「ママ……もしかして、人間に……!」
銀レウス 「いんゃ、引きずってねェんなら大丈夫だぁ。グラビも、ラリってだんだべぇ……」
ガブラス 「おいら、テオさんとナナさんに知らせてくる!」
銀レウス 「今からじゃァ、旧火山は間にあわねぇ……そんれに、ハンターが多すぎるだァ」
ガブラス 「銀さん! じゃぁどうすりゃ……」
銀レウス 「……キバ代を呼ぶぞぃ。流石に、おら一匹じゃァ無理だァ」
ガブラス 「アカムトルムを!? でも、あのオカマ、溶岩の下に引きこもってて、出てこねェじゃん!」
銀レウス 「すっても、あいづの力がありゃぁ、グラビを助けられるべぇ」
ガブラス 「でも、どうやって……!」
ガブラス 「い……いや、グラビモスだけだ。今、下層はパニックになってる。じき、みんなこの上層に避難してくる!」
バサルモス 「ママ……もしかして、人間に……!」
銀レウス 「いんゃ、引きずってねェんなら大丈夫だぁ。グラビも、ラリってだんだべぇ……」
ガブラス 「おいら、テオさんとナナさんに知らせてくる!」
銀レウス 「今からじゃァ、旧火山は間にあわねぇ……そんれに、ハンターが多すぎるだァ」
ガブラス 「銀さん! じゃぁどうすりゃ……」
銀レウス 「……キバ代を呼ぶぞぃ。流石に、おら一匹じゃァ無理だァ」
ガブラス 「アカムトルムを!? でも、あのオカマ、溶岩の下に引きこもってて、出てこねェじゃん!」
銀レウス 「すっても、あいづの力がありゃぁ、グラビを助けられるべぇ」
ガブラス 「でも、どうやって……!」
337: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:43:04.48 ID:8xAfd/1y0
銀レウス 「このちかぐに、おら達古株しか知らねェ溶岩下への抜け道があンだァ」
ガブラス 「マジでか! さすが銀さん!!」
銀レウス 「んだども、そこを抜けるにゃぁ、あっづい溶岩の中の石ィ抜いで、他の溶岩を、脇に流さなきゃぁなんねぇ」
バサルモス 「じいちゃん! 俺やるよ!」
銀レウス 「あァ。おめぇなら溶岩に潜れっかんなァ。オットコの子なら、じいちゃんと一緒に、父ちゃん助けっぺ!」
ガブラス 「分かった! おいらは、間に合わなくても、とにかく超速でテオさんとナナさんに知らせてくる!!」
銀レウス 「途中の仲間だちにも、上層を動くなっつってぐれ」
ガブラス 「合点承知だぜ!!」
銀レウス 「坊主ぅ、いっくぞぅい」
バサルモス 「うん! じいちゃん!!」
ガブラス 「マジでか! さすが銀さん!!」
銀レウス 「んだども、そこを抜けるにゃぁ、あっづい溶岩の中の石ィ抜いで、他の溶岩を、脇に流さなきゃぁなんねぇ」
バサルモス 「じいちゃん! 俺やるよ!」
銀レウス 「あァ。おめぇなら溶岩に潜れっかんなァ。オットコの子なら、じいちゃんと一緒に、父ちゃん助けっぺ!」
ガブラス 「分かった! おいらは、間に合わなくても、とにかく超速でテオさんとナナさんに知らせてくる!!」
銀レウス 「途中の仲間だちにも、上層を動くなっつってぐれ」
ガブラス 「合点承知だぜ!!」
銀レウス 「坊主ぅ、いっくぞぅい」
バサルモス 「うん! じいちゃん!!」
341: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:44:29.75 ID:8xAfd/1y0
―雪山、フルフルの洞穴―
黒グラビ 「うぅ…………バサル……」
女児 「黒い竜さん、がんばって…………」
キリン 「日が頭の上まで昇ってしまったわ……おじさま……地獄兄弟さんたち……」
フルフル 「熱が高いね……キリンや、外で雪を集めてきておくれ」
キリン 「ええ、分かったわ、お婆ちゃん」
フルフル 「しっかりするんだよ、黒グラビ。お前の子供が待ってるよ」
黒グラビ 「うう…………」
黒グラビ 「うぅ…………バサル……」
女児 「黒い竜さん、がんばって…………」
キリン 「日が頭の上まで昇ってしまったわ……おじさま……地獄兄弟さんたち……」
フルフル 「熱が高いね……キリンや、外で雪を集めてきておくれ」
キリン 「ええ、分かったわ、お婆ちゃん」
フルフル 「しっかりするんだよ、黒グラビ。お前の子供が待ってるよ」
黒グラビ 「うう…………」
346: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:46:38.92 ID:8xAfd/1y0
キリン 「(おじさま……お願い、間に合って……)」
キリン 「(雪はだいぶ収まったけれど、まだ降ってる……)」
キリン 「(私は、ここで待つことしかできないの……?)」
キリン 「(…………早く、雪を集めなきゃ…………)」
キリン 「(木の実のお椀に、詰め込んで……)」
キリン 「(これでよし……と。戻らなきゃ……)」
キリン 「(雪はだいぶ収まったけれど、まだ降ってる……)」
キリン 「(私は、ここで待つことしかできないの……?)」
キリン 「(…………早く、雪を集めなきゃ…………)」
キリン 「(木の実のお椀に、詰め込んで……)」
キリン 「(これでよし……と。戻らなきゃ……)」
347: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:47:18.37 ID:8xAfd/1y0
キリン 「(……あら……何だろう、変な、甘い匂いがする……)」
キリン 「(入り口の方から……)」
キリン 「(不思議な匂い……ハチミツが燃えたような……)」
キリン 「(ん? 入り口に誰かいる……おじさまかしら!)」
キリン 「おじさ……うっ!」
キリン 「(入り口の方から……)」
キリン 「(不思議な匂い……ハチミツが燃えたような……)」
キリン 「(ん? 入り口に誰かいる……おじさまかしら!)」
キリン 「おじさ……うっ!」
349: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:48:34.04 ID:8xAfd/1y0
キリン 「(な……何? 急に、目の前が、ぐらりって……)」
キリン 「(何この……眠気……)」
キリン 「(もしかして……この匂い…………)」
キリン 「(眠っちゃ……眠っちゃだめ…………)」
キリン 「(眠っちゃ……)」
キリン 「(ドサッ)…………」
キリン 「(何この……眠気……)」
キリン 「(もしかして……この匂い…………)」
キリン 「(眠っちゃ……眠っちゃだめ…………)」
キリン 「(眠っちゃ……)」
キリン 「(ドサッ)…………」
350: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 00:49:17.22 ID:8xAfd/1y0
ヒプノック 「……Yo! 効果てきめん! 俺の睡眠ガスにはどんな女もイ・チ・コ・ロパーフェクツ!」
ガルルガ 「見慣れねェのがチラッと見えたな……念のため、もっとガスを吐き出して、流し込め」
ヒプノック 「Oh,Yes! ババァもガキもみんな仲良くおねんねしな!(ヒュゥゥゥゥ)」
ガルルガ 「……ケケッ……クックめ。生温い理想は通用しねェって、教えてやるぜ」
第三章に続きます
ガルルガ 「見慣れねェのがチラッと見えたな……念のため、もっとガスを吐き出して、流し込め」
ヒプノック 「Oh,Yes! ババァもガキもみんな仲良くおねんねしな!(ヒュゥゥゥゥ)」
ガルルガ 「……ケケッ……クックめ。生温い理想は通用しねェって、教えてやるぜ」
第三章に続きます
474: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:17:15.36 ID:oez/cUC10
―3年前―
ラオシャンロン 「…………」
ウカムルバス 「……ちょっとやりすぎじゃないかしら」
アカムトルム 「ここまでやることはないと思うのよ、アタシ達」
ラオシャンロン 「…………」
ウカムルバス 「確かにねェ、人間はアタシ達のとこに土足で上がりこんでくるけどネ」
アカムトルム 「だからっていって、皆殺しにする必要もないと思うのヨ」
ウカムルバス 「今までどーり、てきとーにあしらって、てきとーに追い返すことって、できないのかしら?」
ラオシャンロン 「…………」
ウカムルバス 「……ちょっとやりすぎじゃないかしら」
アカムトルム 「ここまでやることはないと思うのよ、アタシ達」
ラオシャンロン 「…………」
ウカムルバス 「確かにねェ、人間はアタシ達のとこに土足で上がりこんでくるけどネ」
アカムトルム 「だからっていって、皆殺しにする必要もないと思うのヨ」
ウカムルバス 「今までどーり、てきとーにあしらって、てきとーに追い返すことって、できないのかしら?」
476: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:20:20.14 ID:oez/cUC10
ショウグンギザミ 「シェ…………愚問だな…………オカマども…………」
ウカムルバス 「何よ! アタシ達は真・面・目に、ラオちゃんとお話してるのよーぅ! 失語症は黙ってらっしゃい!!」
アカムトルム 「そうヨ! アゴ美のアゴクラッシュが炸裂するわよーぅ!」
ウカムルバス 「ラオちゃぁ~ん、こーんな薄気味わるぅ~ぃ奴らと戦うよりも、アタシ達と、さっさと帰ってイイコトしましょ」
ショウグンギザミ 「…………シェ…………シェ…………腰ぬけどもが……(ニタニタ)」
アカムトルム 「うるっさいわねヤドカリ親父! 黙ってらっしゃぃ! やるの!? アゴ美のアゴは何でも砕けるのよーぅ!!」
ウカムルバス 「ちょっとキバ代ぉ、さっきからアゴアゴうっさいわよ」
ウカムルバス 「何よ! アタシ達は真・面・目に、ラオちゃんとお話してるのよーぅ! 失語症は黙ってらっしゃい!!」
アカムトルム 「そうヨ! アゴ美のアゴクラッシュが炸裂するわよーぅ!」
ウカムルバス 「ラオちゃぁ~ん、こーんな薄気味わるぅ~ぃ奴らと戦うよりも、アタシ達と、さっさと帰ってイイコトしましょ」
ショウグンギザミ 「…………シェ…………シェ…………腰ぬけどもが……(ニタニタ)」
アカムトルム 「うるっさいわねヤドカリ親父! 黙ってらっしゃぃ! やるの!? アゴ美のアゴは何でも砕けるのよーぅ!!」
ウカムルバス 「ちょっとキバ代ぉ、さっきからアゴアゴうっさいわよ」
477: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:21:37.44 ID:oez/cUC10
ショウグンギザミ 「……ぶくぶくに太った……醜い竜どもの…………戯言には……つきあいきれんまでよ…………」
ウカムルバス 「ちょっとアンタ! あたしのアゴくらいたいのぅ!?」
ドドブランゴ 「……全くだ。ここまで来てしまったからには、もはや行けるところまで行くのみよ。臆病者は去れ……」
アカムトルム 「なぁぁんですって!?」
ドドブランゴ 「貴様らには分かるまい……蹂躙され、略奪され続けてきた、我ら一族が、どれだけこの時を待ち望んでいたか……」
ウカムルバス 「しぃぃったこっちゃないのよーぅ!! ちょぉっと! アタシ達の話、邪魔しないでくれるぅ!?」
ドドブランゴ 「…………聞く価値もない。もはや、戦いは架橋に差し掛かった……一族の血気を止めるのは、不可能よ……」
ウカムルバス 「ちょっとアンタ! あたしのアゴくらいたいのぅ!?」
ドドブランゴ 「……全くだ。ここまで来てしまったからには、もはや行けるところまで行くのみよ。臆病者は去れ……」
アカムトルム 「なぁぁんですって!?」
ドドブランゴ 「貴様らには分かるまい……蹂躙され、略奪され続けてきた、我ら一族が、どれだけこの時を待ち望んでいたか……」
ウカムルバス 「しぃぃったこっちゃないのよーぅ!! ちょぉっと! アタシ達の話、邪魔しないでくれるぅ!?」
ドドブランゴ 「…………聞く価値もない。もはや、戦いは架橋に差し掛かった……一族の血気を止めるのは、不可能よ……」
479: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:23:13.90 ID:oez/cUC10
ウカムルバス 「だぁかぁら、それはアンタ達だけでやりなさいって。アタシ達は、ラオちゃん連れて帰るから」
アカムトルム 「そうよぅ。これ以上アタシ達が暴れたら、ホントのホントに、人間根絶やしになっちゃうわ」
ショウグンギザミ 「それがどうした…………我らは、そのために…………ここにいる…………シェ……キシャ……」
ラオシャンロン 「…………」
金レイア 「……ンだなァ。アゴ美とキバ代の言うとおりだっぺェ」
銀レウス 「こんくらい痛めつけりゃァ、もう十二分だァ。シュレイド城こえりゃァ、人間の子供だぢさいるだ」
金レイア 「そっげな無抵抗なァのブッ殺しても、しゃァねェべぇ」
ドドブランゴ 「金銀……貴様らまで臆病風に吹かれおったか……」
アカムトルム 「そうよぅ。これ以上アタシ達が暴れたら、ホントのホントに、人間根絶やしになっちゃうわ」
ショウグンギザミ 「それがどうした…………我らは、そのために…………ここにいる…………シェ……キシャ……」
ラオシャンロン 「…………」
金レイア 「……ンだなァ。アゴ美とキバ代の言うとおりだっぺェ」
銀レウス 「こんくらい痛めつけりゃァ、もう十二分だァ。シュレイド城こえりゃァ、人間の子供だぢさいるだ」
金レイア 「そっげな無抵抗なァのブッ殺しても、しゃァねェべぇ」
ドドブランゴ 「金銀……貴様らまで臆病風に吹かれおったか……」
481: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:24:59.77 ID:oez/cUC10
金レイア 「ンだァ。正直そうだァ」
ウカムルバス 「…………」
アカムトルム 「…………」
銀レウス 「金さんとよォ、話ィすたんだけんどもよ、やっぱす、こんりゃァやりすぎだぁ」
金レイア 「これ以上やっだら、おらだちにも被害が出るだ」
ドドブランゴ 「……戦いの中で死ぬのなら、本望よ……我らの民は、その覚悟はできている……」
金レイア 「ふんぬぅ……おめだぢはどぅだ?」
ウカムルバス 「…………」
アカムトルム 「…………」
銀レウス 「金さんとよォ、話ィすたんだけんどもよ、やっぱす、こんりゃァやりすぎだぁ」
金レイア 「これ以上やっだら、おらだちにも被害が出るだ」
ドドブランゴ 「……戦いの中で死ぬのなら、本望よ……我らの民は、その覚悟はできている……」
金レイア 「ふんぬぅ……おめだぢはどぅだ?」
484: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:27:45.36 ID:oez/cUC10
キングチャチャブー 「……オレ達は、依頼を受け……その結果ここにいる。戦いが終わりというなら、そこで帰るまでよ…………」
銀レウス 「あいがわらず主体性がねェなァ」
キングチャチャブー 「一人殺せば……それから十人殺しても、百人殺しても、罪は変わらねェ……戦争という枠ン中じゃァな」
ナナ・テスカトリ 「…………わたくしは、金さんと銀さんに賛成ですわ。これ以上の戦いは無意味です」
キングチャチャブー 「…………」
銀レウス 「あいがわらず主体性がねェなァ」
キングチャチャブー 「一人殺せば……それから十人殺しても、百人殺しても、罪は変わらねェ……戦争という枠ン中じゃァな」
ナナ・テスカトリ 「…………わたくしは、金さんと銀さんに賛成ですわ。これ以上の戦いは無意味です」
キングチャチャブー 「…………」
485: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:30:46.52 ID:oez/cUC10
ナナ・テスカトリ 「この戦いには、わたくしの教え子達も沢山参加しています。彼らが取り返しのつかない怪我を負う前に……」
テオ・テスカトル 「……全くだ。若い者は、血気が流行りすぎている。人間も必死だ。このままでは必ず死者が出る」
ドドブランゴ 「……戦いに死者はつきものだ。貴様らは、みすみす勝利を目の前にして、それで引き上げろと言うのか……」
ナナ・テスカトリ 「その、何をもって勝利とするのかを、ウカム様と、アカム様は仰っているのではないでしょうか、ドド様」
テオ・テスカトル 「……全くだ。若い者は、血気が流行りすぎている。人間も必死だ。このままでは必ず死者が出る」
ドドブランゴ 「……戦いに死者はつきものだ。貴様らは、みすみす勝利を目の前にして、それで引き上げろと言うのか……」
ナナ・テスカトリ 「その、何をもって勝利とするのかを、ウカム様と、アカム様は仰っているのではないでしょうか、ドド様」
487: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:32:05.25 ID:oez/cUC10
ウカムルバス 「そーのとうりよぉ。アタシ達は、もーじゅうぶんなの。満足したわ」
アカムトルム 「そーよぅ。よわっちぃ人間踏み潰しても、ぜーんぜん面白くないわぁ。それより、帰ってイイコトしましょぅよぉ」
シェンガオレン 「……気色……悪ィんだよ……オカマども…………」
ショウグンギザミ 「…………父上…………起きて…………らっしゃったのです…………か…………キシャ…………」
ウカムルバス 「カニどもうるさいよ! 今はアタシ達が話してンのよ!!」
アカムトルム 「いい加減にしないと、アゴ美のアゴクラッシュが炸裂するわよ-う!!」
アカムトルム 「そーよぅ。よわっちぃ人間踏み潰しても、ぜーんぜん面白くないわぁ。それより、帰ってイイコトしましょぅよぉ」
シェンガオレン 「……気色……悪ィんだよ……オカマども…………」
ショウグンギザミ 「…………父上…………起きて…………らっしゃったのです…………か…………キシャ…………」
ウカムルバス 「カニどもうるさいよ! 今はアタシ達が話してンのよ!!」
アカムトルム 「いい加減にしないと、アゴ美のアゴクラッシュが炸裂するわよ-う!!」
488: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:33:13.91 ID:oez/cUC10
シェンガオレン 「…………いいじゃ……ねえか…………帰れ、役立たずども…………」
ウカムルバス 「ンなんですって!!」
アカムトルム 「キィィ! アンタ、誰に話をしてるか、分かってるの!」
シェンガオレン 「あぁ……どうしようもねェ……臆病者の……くそ野郎……くそオカマとな…………ガキが…………」
ウカムルバス 「!! ……ちょぉぉ~っと、カチンときたわ」
アカムトルム 「アンタが勝手なことばっかりするから、アゴ美が今日、みんなの盾になったんじゃなぃ! ナメんじゃないわよ!」
シェンガオレン 「………………知るか…………役立たずどもは…………みな、死ね…………邪魔だ……」
ウカムルバス 「ンなんですって!!」
アカムトルム 「キィィ! アンタ、誰に話をしてるか、分かってるの!」
シェンガオレン 「あぁ……どうしようもねェ……臆病者の……くそ野郎……くそオカマとな…………ガキが…………」
ウカムルバス 「!! ……ちょぉぉ~っと、カチンときたわ」
アカムトルム 「アンタが勝手なことばっかりするから、アゴ美が今日、みんなの盾になったんじゃなぃ! ナメんじゃないわよ!」
シェンガオレン 「………………知るか…………役立たずどもは…………みな、死ね…………邪魔だ……」
489: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:35:03.51 ID:8xAfd/1y0
ヤマツカミ 「アゴ美、キバ代、落ち着くんじゃ。シェンも、そんなに攻撃的では、話し合いにならぬ」
シェンガオレン 「…………(ニタニタ)」
ウカムルバス 「……!! でぇもぉ、おじいちゃん、このカニ生意気なのよ!!」
アカムトルム 「ンもう! 不愉快だわ! 行きましょ、キバ代。アタシ達の美肌が、磯臭くなっちゃう!」
ウカムルバス 「もう、寝る! ラオちゃん! とにかく、アタシ達、これ以上は割に合わないから、考えさせてもらうわよーぅ!」
ラオシャンロン 「…………」
シェンガオレン 「…………(ニタニタ)」
ウカムルバス 「……!! でぇもぉ、おじいちゃん、このカニ生意気なのよ!!」
アカムトルム 「ンもう! 不愉快だわ! 行きましょ、キバ代。アタシ達の美肌が、磯臭くなっちゃう!」
ウカムルバス 「もう、寝る! ラオちゃん! とにかく、アタシ達、これ以上は割に合わないから、考えさせてもらうわよーぅ!」
ラオシャンロン 「…………」
490: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:37:25.31 ID:8xAfd/1y0
ヤマツカミ 「……行ってしまったかぃ……何だい、話し合いにならん……」
ランゴスタクイーン 「…………あたいはここを外すよ。無駄な議論は……あんたたちでやりな……」
金レイア 「女王蜂よ! ちょっくらまぢぃ! …………行っちまッだ……」
キングチャチャブー 「オレも……戻らせてもらう。民が待っているからな……」
ラオシャンロン 「…………」
シェンガオレン 「…………ケッ…………猫の手など……いらねぇ…………獣臭ぇ、蛮族どもが…………」
ナナ・テスカトリ 「シェン様! 彼は、わたくしたちの仲間ですよ!」
キングチャチャブー 「…………カニ料理は食い飽きたもんでな…………食材の言葉なんざァ……聞こえねェな……」
ランゴスタクイーン 「…………あたいはここを外すよ。無駄な議論は……あんたたちでやりな……」
金レイア 「女王蜂よ! ちょっくらまぢぃ! …………行っちまッだ……」
キングチャチャブー 「オレも……戻らせてもらう。民が待っているからな……」
ラオシャンロン 「…………」
シェンガオレン 「…………ケッ…………猫の手など……いらねぇ…………獣臭ぇ、蛮族どもが…………」
ナナ・テスカトリ 「シェン様! 彼は、わたくしたちの仲間ですよ!」
キングチャチャブー 「…………カニ料理は食い飽きたもんでな…………食材の言葉なんざァ……聞こえねェな……」
492: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:45:19.36 ID:8xAfd/1y0
シェンガオレン 「…………」
ショウグンギザミ 「…………」
ナナ・テスカトリ 「行ってしまわれた……これでは、集会になりません!」
テオ・テスカトル 「ラオシャンロン、とにかく、明日の攻撃をどうするか、それくらいは話し合わないと」
ラオシャンロン 「…………そうだな。その通りだ」
ドドブランゴ 「決まっている……明日は、シュレイド城に攻め込む。貴様らが臆病風に吹かれるなら、いいだろう。わしらがゆく」
ショウグンギザミ 「…………」
ナナ・テスカトリ 「行ってしまわれた……これでは、集会になりません!」
テオ・テスカトル 「ラオシャンロン、とにかく、明日の攻撃をどうするか、それくらいは話し合わないと」
ラオシャンロン 「…………そうだな。その通りだ」
ドドブランゴ 「決まっている……明日は、シュレイド城に攻め込む。貴様らが臆病風に吹かれるなら、いいだろう。わしらがゆく」
495: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 21:53:27.93 ID:8xAfd/1y0
ショウグンギザミ 「…………シェ…………キシェ……ギザミ一族も…………準備は……できている…………」
シェンガオレン 「……皆殺しの…………な…………」
ヤマツカミ 「……お主ら、先ほどから聞いていたが、どうにも、この戦いの主旨を、間違えてはおらぬか?」
シェンガオレン 「…………何ィ…………?」
ヤマツカミ 「わしらは、人間の侵攻を威嚇するために集まった。殺すことが目的ではないのじゃ」
ナナ・テスカトリ 「ええ。その点では、もう、十分目的は達したと、わたくしは思いますわ」
テオ・テスカトル 「私も同感だ。それに、これ以上、我が校の生徒達が蛮虐に走るのは、いい気分はせぬ」
シェンガオレン 「……皆殺しの…………な…………」
ヤマツカミ 「……お主ら、先ほどから聞いていたが、どうにも、この戦いの主旨を、間違えてはおらぬか?」
シェンガオレン 「…………何ィ…………?」
ヤマツカミ 「わしらは、人間の侵攻を威嚇するために集まった。殺すことが目的ではないのじゃ」
ナナ・テスカトリ 「ええ。その点では、もう、十分目的は達したと、わたくしは思いますわ」
テオ・テスカトル 「私も同感だ。それに、これ以上、我が校の生徒達が蛮虐に走るのは、いい気分はせぬ」
500: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:03:25.78 ID:8xAfd/1y0
ドドブランゴ 「……戦士は、戦ってこその戦士だ……テオ、ナナよ……貴様ら、何のために戦闘を彼らに教えた……?」
ナナ・テスカトリ 「わたくしが教えたのは、人殺しのすべではございませんわ。大切な人の身を守るための、力のありようです」
シェンガオレン 「…………キシェ……キシェ……キシェ……キシェ……キシェ!!」
ナナ・テスカトリ 「……!」
テオ・テスカトル 「シェン殿、我が妻は、何かおかしなことを言っただろうか」
シェンガオレン 「おかしすぎて…………はらわたが飛び出るかと…………思ったぜ………………キシェ……キシェ!!」
ショウグンギザミ 「シェ……シェ……(ニタニタ)」
ナナ・テスカトリ 「わたくしが教えたのは、人殺しのすべではございませんわ。大切な人の身を守るための、力のありようです」
シェンガオレン 「…………キシェ……キシェ……キシェ……キシェ……キシェ!!」
ナナ・テスカトリ 「……!」
テオ・テスカトル 「シェン殿、我が妻は、何かおかしなことを言っただろうか」
シェンガオレン 「おかしすぎて…………はらわたが飛び出るかと…………思ったぜ………………キシェ……キシェ!!」
ショウグンギザミ 「シェ……シェ……(ニタニタ)」
510: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:10:12.47 ID:8xAfd/1y0
シェンガオレン 「簡単だ…………人間、皆殺しに……すりゃぁ…………敵は、もう、どこにもいねェ…………」
ナナ・テスカトリ 「……しかし、それはもはや威嚇ではなく、単なる蛮行ではないでしょうか?」
ドドブランゴ 「……ナナ、テオ……貴様らには分かるまいよ」
テオ・テスカトル 「ドド殿……何を、ですか?」
ドドブランゴ 「ぬるま湯で育っている貴様らと、貴様らの教え子には、分からぬことがある……」
ナナ・テスカトリ 「…………」
ナナ・テスカトリ 「……しかし、それはもはや威嚇ではなく、単なる蛮行ではないでしょうか?」
ドドブランゴ 「……ナナ、テオ……貴様らには分かるまいよ」
テオ・テスカトル 「ドド殿……何を、ですか?」
ドドブランゴ 「ぬるま湯で育っている貴様らと、貴様らの教え子には、分からぬことがある……」
ナナ・テスカトリ 「…………」
512: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:13:36.47 ID:8xAfd/1y0
ドドブランゴ 「一族の悲しみと、苦しみ…………それを、貴様らは、蛮行の一言で片付けるか…………」
ナナ・テスカトリ 「だからと言って、何をしても許されるわけではないのでは? 感情論では、命は語れません」
ドドブランゴ 「……貴様の言葉は、人間に対して発せられるべきものよ…………愚女が…………」
テオ・テスカトル 「…………我が妻に対する罵倒は許さぬ。ドド殿とはいえ、聞き捨てならぬな」
ドドブランゴ 「…………」
ナナ・テスカトル 「あなた様、良いのです。ドド様、少々言葉が過ぎました。ご容赦を」
ドドブランゴ 「…………」
ナナ・テスカトリ 「だからと言って、何をしても許されるわけではないのでは? 感情論では、命は語れません」
ドドブランゴ 「……貴様の言葉は、人間に対して発せられるべきものよ…………愚女が…………」
テオ・テスカトル 「…………我が妻に対する罵倒は許さぬ。ドド殿とはいえ、聞き捨てならぬな」
ドドブランゴ 「…………」
ナナ・テスカトル 「あなた様、良いのです。ドド様、少々言葉が過ぎました。ご容赦を」
ドドブランゴ 「…………」
514: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:19:19.62 ID:8xAfd/1y0
金レイア 「……おめら、喧嘩はよそでやれェ」
銀レウス 「んだんだ。餓鬼じゃねンだがらよぉ」
シェンガオレン 「…………」
ヤマツカミ 「ラオシャンロン、どうするんじゃ?」
ラオシャンロン 「…………シェンの長、ドドの長、あなたたちの言い分は分かります。もっともだ」
ドドブランゴ 「…………」
ラオシャンロン 「鬱積した恨み、つらみ……悲しみ、絶望……犠牲になった仲間は、数知らず……」
銀レウス 「んだんだ。餓鬼じゃねンだがらよぉ」
シェンガオレン 「…………」
ヤマツカミ 「ラオシャンロン、どうするんじゃ?」
ラオシャンロン 「…………シェンの長、ドドの長、あなたたちの言い分は分かります。もっともだ」
ドドブランゴ 「…………」
ラオシャンロン 「鬱積した恨み、つらみ……悲しみ、絶望……犠牲になった仲間は、数知らず……」
515: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:23:48.11 ID:8xAfd/1y0
ラオシャンロン 「私は、その亡骸を見てきた……人間に蹂躙され、骨のみになった無残な遺骸も、この目で、しかと」
シェンガオレン 「…………」
ドドブランゴ 「…………」
ラオシャンロン 「さぞや、無念であっただろう……さぞや、心をお痛めなさっただろう……その苦しみ、察するに余りあります」
ヤマツカミ 「…………」
ラオシャンロン 「しかしながら……おふた方。しばし、私に考える時間を、いただけませぬか?」
シェンガオレン 「…………」
ドドブランゴ 「…………」
ラオシャンロン 「さぞや、無念であっただろう……さぞや、心をお痛めなさっただろう……その苦しみ、察するに余りあります」
ヤマツカミ 「…………」
ラオシャンロン 「しかしながら……おふた方。しばし、私に考える時間を、いただけませぬか?」
517: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:29:05.72 ID:8xAfd/1y0
ドドブランゴ 「……この、敵の根城を目の前に、怖気づいたのか……」
ラオシャンロン 「いいえ……ギザミ一族、そしてブランゴ一族の武勇は、この両眼に刻み込まれております」
ドドブランゴ 「…………」
ラオシャンロン 「あなた方のお力があれば、人間を殲滅することも可能でしょう。そして、人間はそれに値する愚行をしました」
シェンガオレン 「……なら…………何でだ……? なにゆえ……すぐに殺らせねェ……」
ラオシャンロン 「…………」
シェンガオレン 「獲物ォ…………目の前によォ…………いつまで……生殺しすりゃァ…………気が済むよ…………」
ラオシャンロン 「いいえ……ギザミ一族、そしてブランゴ一族の武勇は、この両眼に刻み込まれております」
ドドブランゴ 「…………」
ラオシャンロン 「あなた方のお力があれば、人間を殲滅することも可能でしょう。そして、人間はそれに値する愚行をしました」
シェンガオレン 「……なら…………何でだ……? なにゆえ……すぐに殺らせねェ……」
ラオシャンロン 「…………」
シェンガオレン 「獲物ォ…………目の前によォ…………いつまで……生殺しすりゃァ…………気が済むよ…………」
519: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:31:55.01 ID:8xAfd/1y0
ラオシャンロン 「私たちは、住処から離れすぎています。分かりませんか?」
ドドブランゴ 「…………!!」
ラオシャンロン 「……そうです。今、住処に残っているのは、女、子供……老人のみ。襲われれば、ひとたまりもありません」
ドドブランゴ 「……その前に、叩き潰すことを提案しているのだ……」
ラオシャンロン 「偵察隊が……人間達が、他所に助けを求めにいく動きを見せているとの、情報を掴んできました」
テオ・テスカトル 「……!」
ナナ・テスカトリ 「……!」
ドドブランゴ 「…………!!」
ラオシャンロン 「……そうです。今、住処に残っているのは、女、子供……老人のみ。襲われれば、ひとたまりもありません」
ドドブランゴ 「……その前に、叩き潰すことを提案しているのだ……」
ラオシャンロン 「偵察隊が……人間達が、他所に助けを求めにいく動きを見せているとの、情報を掴んできました」
テオ・テスカトル 「……!」
ナナ・テスカトリ 「……!」
521: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:34:35.72 ID:8xAfd/1y0
ラオシャンロン 「私たちが今、すべきこと……それを、見定める必要があります」
シェンガオレン 「…………知るか…………弱ェ奴らは死ぬ…………それが、自然の……摂理じゃァねェか…………?」
ナナ・テスカトリ 「……わたくしたちが守るべきものは、子供たちです。それが、一番大切なことです」
シェンガオレン 「……黙ってろ…………バカ女…………てめェらの……出る幕じゃ…………ねぇ…………」
テオ・テスカトル 「………………(グルルルルルル)」
ヤマツカミ 「テオよ、不敬じゃ」
テオ・テスカトル 「…………失礼した」
シェンガオレン 「……労害は…………すっこんでろ…………止められても…………オレァ……やるぜ? 腰抜けは……死ね……」
シェンガオレン 「…………知るか…………弱ェ奴らは死ぬ…………それが、自然の……摂理じゃァねェか…………?」
ナナ・テスカトリ 「……わたくしたちが守るべきものは、子供たちです。それが、一番大切なことです」
シェンガオレン 「……黙ってろ…………バカ女…………てめェらの……出る幕じゃ…………ねぇ…………」
テオ・テスカトル 「………………(グルルルルルル)」
ヤマツカミ 「テオよ、不敬じゃ」
テオ・テスカトル 「…………失礼した」
シェンガオレン 「……労害は…………すっこんでろ…………止められても…………オレァ……やるぜ? 腰抜けは……死ね……」
524: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:38:07.16 ID:8xAfd/1y0
ヤマツカミ 「シェン……暴言が過ぎる。戦いとはいえ、本質を見誤っては、犠牲になった仲間にも、申し訳が立たん」
シェンガオレン 「…………死んだのァ…………弱ェからだ…………クズどもが……いくら死のうが……オレぁ……知らん……」
金レイア 「……いんやァ……そりゃぁ、アンタ、ちょいっと違ぇべ」
銀レウス 「すったごと言っちまっだら、おめ、何のだめに戦ってンだァ?」
シェンガオレン 「……決まってる…………血だ……」
ナナ・テスカトリ 「……!」
シェンガオレン 「血が…………足りねェ……………………」
シェンガオレン 「…………死んだのァ…………弱ェからだ…………クズどもが……いくら死のうが……オレぁ……知らん……」
金レイア 「……いんやァ……そりゃぁ、アンタ、ちょいっと違ぇべ」
銀レウス 「すったごと言っちまっだら、おめ、何のだめに戦ってンだァ?」
シェンガオレン 「……決まってる…………血だ……」
ナナ・テスカトリ 「……!」
シェンガオレン 「血が…………足りねェ……………………」
529: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:44:16.72 ID:8xAfd/1y0
ヤマツカミ 「……長とは思えぬ言葉じゃな」
シェンガオレン 「何とでも…………言え…………」
ラオシャンロン 「シェンの長、ドドの長。明日の正午だ……」
シェンガオレン 「…………?」
ラオシャンロン 「明日の正午まで、お待ちいただけないだろうか。私の顔を、立てると思って……」
シェンガオレン 「………………」
ドドブランゴ 「…………良かろう。我が戦士たちに、そう伝える……」
ラオシャンロン 「ドドの長……すまない」
シェンガオレン 「何とでも…………言え…………」
ラオシャンロン 「シェンの長、ドドの長。明日の正午だ……」
シェンガオレン 「…………?」
ラオシャンロン 「明日の正午まで、お待ちいただけないだろうか。私の顔を、立てると思って……」
シェンガオレン 「………………」
ドドブランゴ 「…………良かろう。我が戦士たちに、そう伝える……」
ラオシャンロン 「ドドの長……すまない」
535: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:51:20.25 ID:8xAfd/1y0
シェンガオレン 「…………(ズシン……ズシン……)」
ショウグンギザミ 「(ギロ……ズシン……ズシン……)」
ヤマツカミ 「……行ってしまった。あの者たち……分かっているのか? 本当に……」
銀レウス 「はぁぁ~……カニはどぉーも苦手だなぁ金さんや」
金レイア 「んだなァ。あいづら、余計なごとすねぇどいいげんども」
ナナ・テスカトリ 「……ラオシャンロン様。人間が増援を呼んだというのは……?」
ラオシャンロン 「……そのように、私は聞いています」
ナナ・テスカトリ 「あぁ……何てこと……」
ショウグンギザミ 「(ギロ……ズシン……ズシン……)」
ヤマツカミ 「……行ってしまった。あの者たち……分かっているのか? 本当に……」
銀レウス 「はぁぁ~……カニはどぉーも苦手だなぁ金さんや」
金レイア 「んだなァ。あいづら、余計なごとすねぇどいいげんども」
ナナ・テスカトリ 「……ラオシャンロン様。人間が増援を呼んだというのは……?」
ラオシャンロン 「……そのように、私は聞いています」
ナナ・テスカトリ 「あぁ……何てこと……」
538: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:53:35.83 ID:8xAfd/1y0
テオ・テスカトル 「子供たちがもし襲われでもしたら……」
ヤマツカミ 「……フルフル達が残っておる……上手く立ち回ると思うがの……心配じゃ」
ナナ・テスカトリ 「あなた様、わたくし、一足先に火山へと戻ります」
テオ・テスカトル 「ああ。それがいいだろう。ラオシャンロン、妻を先に帰らせてもよろしいか」
ラオシャンロン 「……仕方がないでしょう。それをお願いしようと思っておりました。クシャル姉妹も、連れて行ってください」
テオ・テスカトル 「承った。我が妻よ、すぐに彼女たちと共に、ここを発つのだ。子供たちを守りなさい」
ナナ・テスカトリ 「かしこまりました、あなた様。失礼をいたします(スッ)」
ヤマツカミ 「……フルフル達が残っておる……上手く立ち回ると思うがの……心配じゃ」
ナナ・テスカトリ 「あなた様、わたくし、一足先に火山へと戻ります」
テオ・テスカトル 「ああ。それがいいだろう。ラオシャンロン、妻を先に帰らせてもよろしいか」
ラオシャンロン 「……仕方がないでしょう。それをお願いしようと思っておりました。クシャル姉妹も、連れて行ってください」
テオ・テスカトル 「承った。我が妻よ、すぐに彼女たちと共に、ここを発つのだ。子供たちを守りなさい」
ナナ・テスカトリ 「かしこまりました、あなた様。失礼をいたします(スッ)」
543: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 22:58:41.98 ID:8xAfd/1y0
ヤマツカミ 「…………ラオシャンロン、引き際を誤ると、あとが怖いぞぃ」
ラオシャンロン 「分かっております、森の神よ。少し……考えさせてください」
ヤマツカミ 「…………」
テオ・テスカトル 「それでは、私も失礼する。ラオシャンロン、少し休まれよ」
ラオシャンロン 「はい。あなた方も、お仲間のもとへ、お戻りください。あまり遅いと、みな不安になる」
ヤマツカミ 「……そうさせてもらうとするかいな……」
金レイア 「んだなァ。ラオぉ、あんま難しぃく考えんじゃぁねぇよ」
銀レウス 「そんだな。おめさんが、全部しょうこだぁねんだ。みぃんな、仲間だかんな」
ラオシャンロン 「ご老人方……お心遣い、痛み入ります」
ラオシャンロン 「分かっております、森の神よ。少し……考えさせてください」
ヤマツカミ 「…………」
テオ・テスカトル 「それでは、私も失礼する。ラオシャンロン、少し休まれよ」
ラオシャンロン 「はい。あなた方も、お仲間のもとへ、お戻りください。あまり遅いと、みな不安になる」
ヤマツカミ 「……そうさせてもらうとするかいな……」
金レイア 「んだなァ。ラオぉ、あんま難しぃく考えんじゃぁねぇよ」
銀レウス 「そんだな。おめさんが、全部しょうこだぁねんだ。みぃんな、仲間だかんな」
ラオシャンロン 「ご老人方……お心遣い、痛み入ります」
552: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:18:55.46 ID:8xAfd/1y0
―深夜、別エリア―
クック 「(人間達の砦に動きはない……)」
クック 「(……もう一ヶ月近く、巣に帰っていない……蒼レウス……子クック達……)」
クック 「(私は……無事に戻ることができるんだろうか……)」
クック 「(それに、ラオシャンロンの侵攻……これは、どう考えてもやりすぎだ……)」
クック 「(抵抗力がない人間達の、野営地を襲うなんて……)」
クック 「(沢山死んだ……あの中には、私のように……家に、家族がいる者もいたのだろうか……)」
クック 「(人間達の砦に動きはない……)」
クック 「(……もう一ヶ月近く、巣に帰っていない……蒼レウス……子クック達……)」
クック 「(私は……無事に戻ることができるんだろうか……)」
クック 「(それに、ラオシャンロンの侵攻……これは、どう考えてもやりすぎだ……)」
クック 「(抵抗力がない人間達の、野営地を襲うなんて……)」
クック 「(沢山死んだ……あの中には、私のように……家に、家族がいる者もいたのだろうか……)」
554: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:22:12.42 ID:8xAfd/1y0
ナルガクルガ 「クックよ。何を、見ている……」
クック 「あァ、ナルガ……休まないのかい?」
ナルガクルガ 「…………眠れなくてな…………」
クック 「…………そうか。こちらへ、来るといい。夜風が当たる」
ナルガクルガ 「…………お前は…………」
クック 「? どうした?」
ナルガクルガ 「…………いや……気にするな。これは酒だ。飲め」
クック 「あァ、ナルガ……休まないのかい?」
ナルガクルガ 「…………眠れなくてな…………」
クック 「…………そうか。こちらへ、来るといい。夜風が当たる」
ナルガクルガ 「…………お前は…………」
クック 「? どうした?」
ナルガクルガ 「…………いや……気にするな。これは酒だ。飲め」
555: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:25:24.85 ID:8xAfd/1y0
クック 「悪いな(グビリ)うむ、美味い」
ナルガクルガ 「……(グビリ)」
クック 「お前は……森に、想い人はいないのか? 気には、ならないか?」
ナルガクルガ 「…………こんな顔をした男を好く、物好きな女はいないな。俺は一人身よ……」
クック 「……そうか」
ナルガクルガ 「……独りが気楽だ……独りはいい。余計なことに、気を回さずに済む……」
ナルガクルガ 「……(グビリ)」
クック 「お前は……森に、想い人はいないのか? 気には、ならないか?」
ナルガクルガ 「…………こんな顔をした男を好く、物好きな女はいないな。俺は一人身よ……」
クック 「……そうか」
ナルガクルガ 「……独りが気楽だ……独りはいい。余計なことに、気を回さずに済む……」
557: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:29:37.03 ID:8xAfd/1y0
ナルガクルガ 「女ァ守って、餓鬼守って、そんながんじがらめの生活ァ、俺はまっぴらだ。神経を疑う」
クック 「……はは。違いない」
ナルガクルガ 「………………」
クック 「…………(グビリ)」
ナルガクルガ 「…………歯ごたえがなかった」
クック 「……何がだ?」
ナルガクルガ 「ここに近づくにつれ、人間の抵抗が弱まってきている。今日は、無抵抗に近かった」
クック 「……はは。違いない」
ナルガクルガ 「………………」
クック 「…………(グビリ)」
ナルガクルガ 「…………歯ごたえがなかった」
クック 「……何がだ?」
ナルガクルガ 「ここに近づくにつれ、人間の抵抗が弱まってきている。今日は、無抵抗に近かった」
559: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:30:44.45 ID:8xAfd/1y0
クック 「…………」
ナルガクルガ 「胸の奥がな……ムカムカする。この感情は、何だ? このイラつきは……何だ?」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「俺ぁ、人間が嫌いだ。反吐を吐くほど嫌いだ。奴らは小ずるく、卑しく、卑怯だ。威厳も尊厳もありはしない」
クック 「……(グビリ)」
ナルガクルガ 「だが……抵抗も、逃走もせず……ただ、ただ恐怖の目で俺を見る。あの目だ……あの目が……」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「気にいらねェ(グビリ)」
ナルガクルガ 「胸の奥がな……ムカムカする。この感情は、何だ? このイラつきは……何だ?」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「俺ぁ、人間が嫌いだ。反吐を吐くほど嫌いだ。奴らは小ずるく、卑しく、卑怯だ。威厳も尊厳もありはしない」
クック 「……(グビリ)」
ナルガクルガ 「だが……抵抗も、逃走もせず……ただ、ただ恐怖の目で俺を見る。あの目だ……あの目が……」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「気にいらねェ(グビリ)」
561: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:40:04.58 ID:8xAfd/1y0
クック 「それは、お前が戦士だからだよ……ナルガ」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「……戦いとは、その先にあるものを見据えんと、途端に空虚に、むなしくなるものさ……」
ナルガクルガ 「クックよ。俺は、殺してもいいのか」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「このまま、命令の赴くまま、殺してもいいのか。皆殺しにしてもいいのか」
クック 「それは……私にも、分からん。誰にも分からん」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「ただ……私は、妻や、子供が安心して……ハンターの脅威がない世界で暮らせるよう、それだけを願っている」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「……戦いとは、その先にあるものを見据えんと、途端に空虚に、むなしくなるものさ……」
ナルガクルガ 「クックよ。俺は、殺してもいいのか」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「このまま、命令の赴くまま、殺してもいいのか。皆殺しにしてもいいのか」
クック 「それは……私にも、分からん。誰にも分からん」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「ただ……私は、妻や、子供が安心して……ハンターの脅威がない世界で暮らせるよう、それだけを願っている」
562: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:45:56.80 ID:8xAfd/1y0
クック 「殺す理由、戦う理由、そんなものは分からん……ただ、それだけだ」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「それだけなんだ……」
ナルガクルガ 「…………(グビリ)」
両耳ガルルガ 「クック、見張り交替の時間よ」
クック 「あァ、両耳ガルルガさん。息子さんは、大丈夫だったかい?」
両耳ガルルガ 「ええ。少し前に出すぎて、爆弾が耳をかすっただけ。いたって無事。ナルガさん、こんばんは」
ナルガクルガ 「…………ああ」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「それだけなんだ……」
ナルガクルガ 「…………(グビリ)」
両耳ガルルガ 「クック、見張り交替の時間よ」
クック 「あァ、両耳ガルルガさん。息子さんは、大丈夫だったかい?」
両耳ガルルガ 「ええ。少し前に出すぎて、爆弾が耳をかすっただけ。いたって無事。ナルガさん、こんばんは」
ナルガクルガ 「…………ああ」
569: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:50:40.47 ID:8xAfd/1y0
両耳ガルルガ 「お酒? 私にもくれない?」
ナルガクルガ 「……(スッ)」
両耳ガルルガ 「どうも(グビッ)~~っ、効くわァ」
ナルガクルガ 「女に飲める酒じゃァねぇ」
両耳ガルルガ 「カッコつけてくれるじゃない。これくらい何てことはないわ(グビリ)」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「……なァ、息子さんは、ここいらで森に帰したほうがいいと、私は思うんだ」
両耳ガルルガ 「…………そうねェ。万が一のことがあって、死んだあの人の後でも追ったらたまんないわ……」
ナルガクルガ 「……(スッ)」
両耳ガルルガ 「どうも(グビッ)~~っ、効くわァ」
ナルガクルガ 「女に飲める酒じゃァねぇ」
両耳ガルルガ 「カッコつけてくれるじゃない。これくらい何てことはないわ(グビリ)」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「……なァ、息子さんは、ここいらで森に帰したほうがいいと、私は思うんだ」
両耳ガルルガ 「…………そうねェ。万が一のことがあって、死んだあの人の後でも追ったらたまんないわ……」
574: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/02(土) 23:55:52.62 ID:8xAfd/1y0
ナルガクルガ 「……ガルルガか……奴は俺の隊だったな……」
両耳ガルルガ 「あの子、どう? 戦士として使えそう?」
ナルガクルガ 「命令を聞かん。あれでは邪魔になるだけだ。性根からどうにかしなければ、使い物にはならん」
両耳ガルルガ 「あははは! はっきり言うわね!」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「……まっ……あの子は、随分と甘やかしてきたから。あの人との、今残ったたった一つの思い出だしね……」
クック 「…………帰すべきだ。もう、勝敗は決した。今なら危険もない。帰り道に襲われることもない」
両耳ガルルガ 「あの子、どう? 戦士として使えそう?」
ナルガクルガ 「命令を聞かん。あれでは邪魔になるだけだ。性根からどうにかしなければ、使い物にはならん」
両耳ガルルガ 「あははは! はっきり言うわね!」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「……まっ……あの子は、随分と甘やかしてきたから。あの人との、今残ったたった一つの思い出だしね……」
クック 「…………帰すべきだ。もう、勝敗は決した。今なら危険もない。帰り道に襲われることもない」
581: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:05:26.40 ID:UXXN61bI0
両耳ガルルガ 「…………分かってる。分かってるよ。明日、帰すつもりなんだ」
クック 「そうか……あんたも、一緒に戻ったらいい」
両耳ガルルガ 「……! 私はまだ戦えるわ! 女だからって、甘く見ないでほしいものね」
ナルガクルガ 「…………戦いの場に女はいらねェ。目障りだ」
両耳ガルルガ 「なっ……言ってくれるじゃない。二人とも。女の強さ、分かってないみたいね」
ナルガクルガ 「…………そのかしましさが、目障りだと言っている」
両耳ガルルガ 「はぁ、青臭いボーヤが、母と大地は敬えって、習わなかった?」
クック 「そうか……あんたも、一緒に戻ったらいい」
両耳ガルルガ 「……! 私はまだ戦えるわ! 女だからって、甘く見ないでほしいものね」
ナルガクルガ 「…………戦いの場に女はいらねェ。目障りだ」
両耳ガルルガ 「なっ……言ってくれるじゃない。二人とも。女の強さ、分かってないみたいね」
ナルガクルガ 「…………そのかしましさが、目障りだと言っている」
両耳ガルルガ 「はぁ、青臭いボーヤが、母と大地は敬えって、習わなかった?」
582: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:08:01.32 ID:UXXN61bI0
ナルガクルガ 「……俺は孤児だ。生まれた瞬間に、冷たい谷底に捨てられた」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「事故なのか……故意なのかは知らんがな。母も、大地も、俺にとっては忌まわしい単語でしかない」
両耳ガルルガ 「…………ぷっ……(バシバシ)」
ナルガクルガ 「な……何をする……!」
両耳ガルルガ 「なぁに、それ? 悲劇の主人公ぶっちゃってさァ、新手のくどき文句?」
ナルガクルガ 「ひっつくな……」
両耳ガルルガ 「あんた、よく見るといーい男じゃない。そんなしかめっ面してなきゃ、可愛いわよ」
ナルガクルガ 「…………! 離れろ……!!」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「事故なのか……故意なのかは知らんがな。母も、大地も、俺にとっては忌まわしい単語でしかない」
両耳ガルルガ 「…………ぷっ……(バシバシ)」
ナルガクルガ 「な……何をする……!」
両耳ガルルガ 「なぁに、それ? 悲劇の主人公ぶっちゃってさァ、新手のくどき文句?」
ナルガクルガ 「ひっつくな……」
両耳ガルルガ 「あんた、よく見るといーい男じゃない。そんなしかめっ面してなきゃ、可愛いわよ」
ナルガクルガ 「…………! 離れろ……!!」
588: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:11:45.03 ID:UXXN61bI0
両耳ガルルガ 「ねぇ、そんな野暮なこと言わずにさァ、お姉さんと飲もうよ」
ナルガクルガ 「……ちっ。俺に触るな!!」
両耳ガルルガ 「(ひょい)おぉっと。情熱的なアプローチ! いい男が、そんなしわ寄せてちゃ、台無しだよ」
ナルガクルガ 「~~~……!!」
クック 「両耳ガルルガさん、若い男をあんまりからかうものじゃないよ」
両耳ガルルガ 「私が若い女じゃないっての? まだまだ現役よ」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「あれ? 黙っちゃった? 悲劇の過去の、続きはないの? だーめよ、女の子には最後まで話しなきゃ」
ナルガクルガ 「……ちっ。俺に触るな!!」
両耳ガルルガ 「(ひょい)おぉっと。情熱的なアプローチ! いい男が、そんなしわ寄せてちゃ、台無しだよ」
ナルガクルガ 「~~~……!!」
クック 「両耳ガルルガさん、若い男をあんまりからかうものじゃないよ」
両耳ガルルガ 「私が若い女じゃないっての? まだまだ現役よ」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「あれ? 黙っちゃった? 悲劇の過去の、続きはないの? だーめよ、女の子には最後まで話しなきゃ」
595: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:20:54.53 ID:UXXN61bI0
ありがとうございます。GW、ゆっくり過ごされてくださいね
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「……ふぅん、そういうキャラでいくんだ(グビリ)ま。寡黙な男ってのもいいかもね」
クック 「……両耳ガルルガさん、ラオシャンロンの決定は、まだ出ないか?」
両耳ガルルガ 「あぁ、そうねぇ……このまま砦に攻め込んで、終わりじゃない? 人間達、もう抵抗する気ないでしょ?」
クック 「やはり攻め込むのか……」
両耳ガルルガ 「あとは、カニと猿。あいつらをどうにか上が抑えてくれることを願うわ」
ナルガクルガ 「……ギザミ一族は、勝手な行動が多すぎる……今日の侵攻も、八割がた奴らの殺戮だった……」
両耳ガルルガ 「…………(ぐびり)」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「……ふぅん、そういうキャラでいくんだ(グビリ)ま。寡黙な男ってのもいいかもね」
クック 「……両耳ガルルガさん、ラオシャンロンの決定は、まだ出ないか?」
両耳ガルルガ 「あぁ、そうねぇ……このまま砦に攻め込んで、終わりじゃない? 人間達、もう抵抗する気ないでしょ?」
クック 「やはり攻め込むのか……」
両耳ガルルガ 「あとは、カニと猿。あいつらをどうにか上が抑えてくれることを願うわ」
ナルガクルガ 「……ギザミ一族は、勝手な行動が多すぎる……今日の侵攻も、八割がた奴らの殺戮だった……」
両耳ガルルガ 「…………(ぐびり)」
606: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:37:20.65 ID:UXXN61bI0
お心遣い、痛み入ります。少し気が楽になりました
両耳ガルルガ 「……ま、この戦いも、もうじき終わるわ。いいじゃない。私たちへの被害が、段々減ってるんだから」
クック 「…………私は、そうは思わないんだ……」
両耳ガルルガ 「……え?」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「妙な胸騒ぎがする……何だか、酷いことが起こりそうな……」
両耳ガルルガ 「やだ、不安になるようなこと言わないで」
クック 「…………あァ。すまない」
ナルガクルガ 「……いや、俺もそれは感じている」
両耳ガルルガ 「……ま、この戦いも、もうじき終わるわ。いいじゃない。私たちへの被害が、段々減ってるんだから」
クック 「…………私は、そうは思わないんだ……」
両耳ガルルガ 「……え?」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「妙な胸騒ぎがする……何だか、酷いことが起こりそうな……」
両耳ガルルガ 「やだ、不安になるようなこと言わないで」
クック 「…………あァ。すまない」
ナルガクルガ 「……いや、俺もそれは感じている」
608: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:40:11.77 ID:UXXN61bI0
両耳ガルルガ 「ナルガさんまで……悪いことが起こって欲しいの? あなたたち」
ナルガクルガ 「い……いや、そういうわけではないが……」
クック 「…………」
両耳ガルルガ 「じゃ、もっと気楽にいきましょ。ほら、顔の皮が突っ張っちゃうわよ。一、二、はい笑ってー」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「……駄目ね。女の子に好かれないわよ。男はね、時々ふっと見せる顔が一番素敵なの。折角いい男なのに」
ナルガクルガ 「……余計なお世話だ(ぷいっ)」
両耳ガルルガ 「あ、ちょっと今照れた? ねぇ照れた?」
ナルガクルガ 「………………」
両耳ガルルガ 「顔赤くなってるわよぉ、照れてるんでしょう?」
ナルガクルガ 「………………」
ナルガクルガ 「い……いや、そういうわけではないが……」
クック 「…………」
両耳ガルルガ 「じゃ、もっと気楽にいきましょ。ほら、顔の皮が突っ張っちゃうわよ。一、二、はい笑ってー」
ナルガクルガ 「…………」
両耳ガルルガ 「……駄目ね。女の子に好かれないわよ。男はね、時々ふっと見せる顔が一番素敵なの。折角いい男なのに」
ナルガクルガ 「……余計なお世話だ(ぷいっ)」
両耳ガルルガ 「あ、ちょっと今照れた? ねぇ照れた?」
ナルガクルガ 「………………」
両耳ガルルガ 「顔赤くなってるわよぉ、照れてるんでしょう?」
ナルガクルガ 「………………」
610: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:41:26.54 ID:UXXN61bI0
クック 「(……あのナルガが、怒鳴りつけないとはな……)」
クック 「(両耳ガルルガさんの人柄もあるのだろうが、彼もまた、不安になっているのだろう……)」
クック 「(……いやな風だ……生温い……)」
クック 「(星も見えない……明日は雨か?)」
クック 「(黒い空だ……まるで、ぶちまけた血のようだ……)」
クック 「(人間の砦には、気配がない…………)」
クック 「(もう、勝利は確定しているというのに、この胸騒ぎは一体何だ……?)」
クック 「(両耳ガルルガさんの人柄もあるのだろうが、彼もまた、不安になっているのだろう……)」
クック 「(……いやな風だ……生温い……)」
クック 「(星も見えない……明日は雨か?)」
クック 「(黒い空だ……まるで、ぶちまけた血のようだ……)」
クック 「(人間の砦には、気配がない…………)」
クック 「(もう、勝利は確定しているというのに、この胸騒ぎは一体何だ……?)」
635: 三毛猫 ◆58jPV91aG 2009/05/03(日) 00:57:01.61 ID:UXXN61bI0
持続せずに、ご迷惑をおかけいたします
胸の痛みが、少々きつくなってまいりました
このスレに不快な思いをなさった方がいましたら、申し訳ありませんでした
明日、21:00にまた投稿をさせていただきます
このスレが残っていた場合は、ここに
残っていなかった場合は
ウカムルバス 「最近アゴ美の顎関節症が酷くてねェ」
というスレタイで、新しく立てさせて頂きます
それでは、明日は日曜日ですね。イッテQが野球でつぶれてしまったのが、とても悲しいです
みなさま、温かいお言葉、感謝をいたします
おやすみなさい
胸の痛みが、少々きつくなってまいりました
このスレに不快な思いをなさった方がいましたら、申し訳ありませんでした
明日、21:00にまた投稿をさせていただきます
このスレが残っていた場合は、ここに
残っていなかった場合は
ウカムルバス 「最近アゴ美の顎関節症が酷くてねェ」
というスレタイで、新しく立てさせて頂きます
それでは、明日は日曜日ですね。イッテQが野球でつぶれてしまったのが、とても悲しいです
みなさま、温かいお言葉、感謝をいたします
おやすみなさい
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