312: どっちの御坂ショー1 2010/05/29(土) 01:01:20.07 ID:1Rq8npEo

「ちょっと待ちなさい」

上条「あん? 御坂か?」


上条「って二人?」


引用元: ・▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ≪4冊目≫」【超電磁砲】

313: どっちの御坂ショー2 2010/05/29(土) 01:02:28.04 ID:1Rq8npEo

「……」

「……」

上条「えっと、御坂と……御坂妹だよな?」

『そうです』

上条「プラカード? いや喋れよ」

『今からあなたにはどちらが御坂かミサカかを当ててもらいます』

上条「唐突だなおい」

『拒否権はありません。付き合わされるミサカにも拒否権はありませんでしたので』

上条「あ、そっちが御坂妹だろ」

『ちなみにこれは闇のゲームです』

上条『漫画ネタ……こっちが御坂か。罰ゲームはビリビリ耐久とかごめんだぞ』

『嘘です』

上条「だよな」

『でも罰ゲームはあります』

上条「まじか。あ、俺が勝ったらなんかもらえたり?」

「……」チラッ

「……」キュッキュッ

『考えてないのでありません』

上条「ないのかよ! つか今書いたのが御坂だろ!」



314: どっちの御坂ショー3 2010/05/29(土) 01:03:35.87 ID:1Rq8npEo

 ルール
 どっちが御坂かミサカか当てましょう
 とくに制限はありませんが、解答するときは理由も一緒に
 

上条「ずいぶん簡単なルールだな」

『描写はありませんでしたがこの間にシャッフルさせてもらいましたので先のあなたの推測は当てになりません』

上条「りょーかい。当てずっぽうもだめなんだよな?」

『説明した通り、相応の理由もないと解答とは認められません』

上条(ま、最終的には二分の一だし、なければ適当な理由を付ければいいだけか。罰ゲームが気になるけど)

『では始めます』

「……」

「……」

上条(やっぱ見分けがつかねえ。黙ってられるとほんとわかんないな。御坂妹が付けてるゴーグルもないし)

上条(……って、なんだ簡単じゃん)

上条「こっちが御坂妹」

『理由は?』

上条「俺が地下街で買ったペンダントを付けてるだろ。御坂も知ってるはずなのにつまらないミスしたもんだなお前ら」

「……」

「――ぷっ、あははは!」

上条「え、御坂か!?」

御坂妹「不正解です、とミサカは裏切られた気分で答えます」

315: どっちの御坂ショー4 2010/05/29(土) 01:04:30.79 ID:1Rq8npEo

美琴「だから言ったでしょー、コイツは単純だって」

御坂妹「あなたならばペンダントを取り替えたぐらいのトリックに引っかからないとミサカは踏んでいたのですが……どうやらミサカ達は認識を改める必要がありそうです」

上条「き、きたねえっ!」

美琴「この程度も見抜けないアンタの観察力に問題あるんでしょ。さーて罰ゲームっと」

上条「もう一回、もう一回お願いします!」

美琴「はあ? 子供かアンタは」

上条「いやいや一発勝負なんてルールには書いてなかったぞ。だいたい上条さんはこの勝負にいきなりふっかけられてだな、慣れとかそういうのも考慮してほしいのですよ」

美琴「ますますガキじみてきたわね。言ってて悲しくならない?」

上条「う……」

御坂妹「しかしこの人の指摘にも一理あるのではないでしょうか、とミサカは肩をもちます。この手の勝負に回数を明確にしないのはアンフェアだと取られても仕方ありません、とミサカは更に援護します」

上条「そ、そうだーあんふぇあだー」

美琴「あーもうわかったわよ。だったら二取制ね。アンタは一回負けたんだからもう後はないわよ」

上条「ついでに俺が勝った場合のことも考えてくれよ」

美琴「まあ餌も無しに張りあえってのも酷な話か。じゃあ適当にそっちで決めておきなさい」

上条「……うし、俄然やる気が出てきたぞ」

316: どっちの御坂ショー5 2010/05/29(土) 01:06:12.49 ID:1Rq8npEo

二回戦

「……」

「……」

上条(さて、首の皮一枚つながりはしたものの、それだけってのが今の現状か)

上条(今度はペンダントも外しちまってるし、こいつらが用意したようなものは当てにならないってのはわかった)

上条(ってことはこっちの何かしらのアプローチで見分けるしかないってことだ)

上条(揺さぶりをかけるなら御坂だな。ボロを出しやすそうだし)

上条(問題は方法……。喋らすのがてっとり早いだろうけどわざわざプラカード用意してるあたり期待できそうにない)

上条(あとの違いといえば感情の豊かさか? 御坂は怒りっぽいから表情に出ればすぐわかりそうなんだけど)

上条(怒りっぽい……怒りっぽい……あ)

上条「おいビリビリ」

「……」ピクッ

「……」

上条「こっちが御坂妹」

『理由は?』

上条「なぜならあっちはとても怖い顔をしてるから」

美琴「あーんーたーはーーー!」

御坂妹「正解です、とミサカは答えます」

317: どっちの御坂ショー6 2010/05/29(土) 01:07:12.61 ID:1Rq8npEo

上条「おいおい何を怒ってるんだ御坂。この程度の挑発でボロを出すお前の演技力に問題があるだけだろ?」

美琴「ぐっ」

御坂妹「ルール上でも違反はありません、とミサカは客観的判断に基づき判定を下します」

上条「これでイーブンだな。ふっ、見えるぞ、お前たちが俺と一緒にお一人様限り商品を持ってレジに並ぶ姿を!」

美琴「罰ゲームってそれ……? なんつー庶民的というかアンタらしいというか。いいけどさ別に」

上条「そういうお前のはどういうのだよ」

美琴「そ、それは私が勝ったらでいいじゃない。……そんなに警戒しなくても大覇星祭みたいな一日なんでも聞くとかそういうのじゃないわよ」

上条「まあそれを聞いて安心した、か? 念のために聞くけど、電撃キャッチボール(一方通行)とかそういうのでもないんだよな?」

美琴「したいのなら今やってあげるけど」

上条「嘘ですだからバチバチなんて不吉な音は鳴らさないでください。じゃあって、コインを取り出すのもやめろ!」

美琴「ま、ここまでやるといつも通りだからやめとくわ。最後の勝負を始める前にちょっと休憩ね」

上条「? なんだ作戦会議か? 長くなるのはやめてくれよ」

美琴「五分ぐらいで済ますし、その間にアンタも考えてればいいじゃない。逃げないで大人しく待っておきなさいよ」

上条「へーへー」

318: どっちの御坂ショー7 2010/05/29(土) 01:08:28.74 ID:1Rq8npEo

美琴「で、何か良い案ない?」

御坂妹「ありません、とミサカは間髪入れずに返します」

美琴「う……またぶっちゃけたわね。一応アンタは私の味方なんだから協力してくれてもいいじゃない」

御坂妹「ここでミサカが協力してお姉様を勝者にしてもおそらくメリットはないとミサカは推測します。むしろ彼が勝てばコブ付きとはいえ、ミサカにも有益な時間を幾分か過ごせるものです、とミサカは辛らつな言葉を吐きます」

美琴「コブ付きってアンタねえ……。大体それくらいならこれが終われば私から言ってあげるわよ」

御坂妹「素直じゃないお姉様に果たしてできるのでしょうか、とミサカは勘ぐります」

美琴「……前にも言ったけど私は十分素直だってば。えーえー、あの馬鹿相手に素直じゃない場面なんて一度たりともないわね」

御坂妹「お姉様の目的は知りませんがこんな回りくどい方法をとる時点でその言葉に説得力はありません、とミサカはキッパリと切り捨てます。そもそも「あーあー」」

美琴「やめやめ、平行線だし時間もないしこの話はやめましょう。……結局たいした案も浮かばなかったし」

御坂妹「……」

美琴「どうしたのよ?」

御坂妹「いえ、案と言うほどではありませんが、ちょっとしたアバイスをミサカは一つ挙げてみます」

美琴「?」

319: どっちの御坂ショー8 2010/05/29(土) 01:10:05.18 ID:1Rq8npEo

10分後

美琴「ご、ごめん、遅くなった」

上条「この程度なら気にすんな。……? 御坂、お前なんか変じゃないか?」

美琴「べ、べつに変でもなんでもないわよ」

美琴(うー、やっぱり慣れないなあ。けど我慢よ我慢)

上条「まあいいか。それじゃとっとと始めようぜ」

美琴「そ、そうね」


 最終戦

「……」

「……」

上条(さてどうするかね。考える時間はあったけど良い考えなんか浮かばなかったし)

上条(気になるのはさっきの御坂の様子が変だったこと。そこらへんをつっつけば勝てそうなんだけど)

上条(……だー、わかんねえ。とりあえず)

上条「ビリビリ中学生」

「……」

「……」

上条(やっぱり同じ手はだめか。挑発して怒らせるならもっとやってもいいが、もし間違って罰ゲームに尾を引くのもごめんだしなあ)

上条(他になんかあったか、御坂と御坂妹の違いなんて。最初に会ったときも口調とかゴーグルやらがなかったらそれこそわからなかっただろうし)

上条(……最初? あ)

320: どっちの御坂ショー9 2010/05/29(土) 01:11:07.88 ID:1Rq8npEo

上条(……まずい、それはかなりまずいだろ。挑発するよりも確実に電撃が飛んでくる)

上条(いやけど他に思い浮かばねえ。それに御坂のほうだったらなんとか……なるのか? 妹のほうだったら絶対ダメだろうが)

上条(確率は二分の一で、正解すればスーパーの特売品、間違えれば感電死。……割に合わなさすぎだろ)

上条(でも、根拠がないってわけじゃない。常葉台中学内伝、おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による再生法――を見てきた俺ならわかる)

上条(数々見せつけられた御坂のフトモモ! スカートから出てる足のラインから逆算すれば、例え誤差範囲といえどそこには僅かな違いがある……!)

上条「……こっちが御坂だ」

『理由は?』

上条「これだーーーっ!」バッ

「!?」

「あ」

上条(短パンでも、縞々でもない……)

上条「純白っ……!?」

321: どっちの御坂ショー10 2010/05/29(土) 01:12:12.30 ID:1Rq8npEo

美琴「――――」

上条「な、なんでここにパンツがっ!? じゃあそっちは!」

御坂妹「縞々です、とミサカは自分のスカートを捲し上げます」

上条「ぶっ! ふ、不意打ちのダブルコンボ!? じゃあこっちは御坂で短パンはどこに!?」

御坂妹「コインロッカーです、とミサカは駅前の方向に指差します。短パンとお姉様が履いているスカートの丈との差はわずかであるので、あなたのアプローチと不慮の事故を想定して脱いでみてはどうかとミサカは先の休憩のときに提案しました。しかし裏目に出た―ーネットワークにノイズ発生」

美琴「こんの――」バチバチ

御坂妹「強力な磁場を感知、とミサカは報告します」

上条「あ、あのミサカサン? いえ御坂様? 貴方の周りがとても不穏な音で一杯になっているのはわたくしめの気のせいでございましょうか?」

御坂妹「ご武運を、とミサカはあなたにサムズアップをしつつ早々に離脱します」

美琴「ドエロ野郎がああああああああああああああっっ!」

上条「ご、ごめんなさいーーーっ!」

美琴「この、このっ、こんなことで見られるなんてっ! この馬鹿あああああああっ!」

上条「死んじゃう、そんなの当たったらほんとに死んじゃう! あ、だめ! そんなにジャラジャラとコインを出さないでっ! どうみてもそれはオーバーキルです御坂さん!」

322: どっちの御坂ショー11 2010/05/29(土) 01:13:49.44 ID:1Rq8npEo
……

上条「……気は済んだか?」

美琴「こんの……はぁ、一度は、はぁ、くらいなさいよ、この馬鹿」

上条「いや例外なく死にますから。お前はあれか、上条さんを消し炭にして食物連鎖をぐるりと一周させてもういちど人間からやり直せっていうのか」

美琴「子猫になったら私が飼ってあげるから安心しなさい」

上条「え、安心するのはそこ? もう死ぬ前提なの? だから笑顔でコインを構えるのはやめろっての!」

美琴「……見たくせに」ボソッ

上条「悪かったって。あー、お詫びというか代わりに勝負は俺の負けでいいから。な?」

美琴「当然よ。あんなのは反則、反則負けよ。人のスカートめくって勝利にひたってたらぶっ飛ばしてるわよ」

上条(一応正解はしてたし、ルールもとくに制限なしというのは……やめよう、うん。二回戦は嫌だし)

御坂妹「終わりましたか? とミサカはさりげなく会話にまじります」

上条「……御坂妹、見てたんなら助けてくれよ」

御坂妹「あのような騒動に干渉できるほどの力はミサカにはありません、とミサカは断言します。人的、公的被害は出ていませんが、あの場を治めるには同じレベル5か組織されたレベル4か3、もしくは対能力者用装備を組んだアンチスキル一個隊ぐらいでないと不可能です、とミサカは改めてあなたの特異性を確認しました」

上条「そんな大それたことをやってるのか俺たちって……」

美琴「う、うるさいわね。そんなことより罰ゲームよ、罰ゲーム!」

上条「ん、ああ。そういや結局聞いてなかったな。いっとくけど体力そんなにないからあんま無茶ぶりはよしてくれよ」


323: どっちの御坂ショー11 2010/05/29(土) 01:15:10.05 ID:1Rq8npEo

美琴「……あー、あのね?」

上条「? なんだよ?」

美琴「今回のことでわかったんだと思うけど、私とこの子ってそっくりじゃない?」

上条「まあ外見とかな。それが?」

美琴「で、でさー、ほら、ただでさえ似てるのにアンタが私たちを呼ぶ名前もそっくりってのはややこしいいわけよ」

上条「そうか? 『御坂』と『御坂妹』……似てはいるけどややこしくはないと思うぞ」

美琴「ややこしいの! とにかく罰ゲームはアンタは私の呼び名を変えること! いいわね!?」

御坂妹(また回りくどく、全然素直じゃないじゃないですか、とミサカは空気を呼んで心中で吐露します)

上条「構わないけど。……本当にいいのか?」

美琴「し、仕方なくよ。呼ばせるのに他意はないし、馴れ馴れしいとかそんなのは今更って感じだし。まあ、な、名前で呼ばれても嬉しいというか私はぜんぜん「わかったよじゃあビリビリな」 気に……し、ない……」

美琴「……」

上条「にしてもつぐづく変な奴だよなーお前。あんだけビリビリは嫌ってたくせにわざわざ呼ばせるなんて。実は気に入ってましたとかそんなオチ……ってあれれー、今日は晴れなのに真っ黒な雲がやってきてる」

美琴「ふ、ふふ……」パチ

上条「え、なんでビリビリの周りがビリビリしてんの? 御坂妹はなんでまた逃げ出してんの? ちょ、またこういうオチなんですか!?」
 
美琴「そう、そうよね……アンタはビリビリが大好きだもんねー……」パチパチ

上条「お、落ちつけビリビリ! もしかしてビリビリだけじゃだめなのか!? ビリビリ御坂、いやビリー御坂とかそんなアレンジが所望なんですかー!?」

美琴「お望みならくれてやるわよその大好きなビリビリをねええええええええええっ!」」

フコウダー! ニゲンナー!!



御坂妹「以上ビリビリオチでした、とミサカは最後を締めくくります」

324: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/05/29(土) 01:18:17.42 ID:1Rq8npEo
終わり 2レス足りなかった
ここってこういうじゃれ合いする二人が少ないわ 更新されないわでむしゃくしゃして書いた