1: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:31:02.893 ID:JnEh+KxX0NIKU
律「犯人が分かったのか唯…!?」
 
憂「2人を殺した犯人ってこと…?まさか…この中にいるの…?」
 
唯「ん…まぁそうなるかな……」
 
澪「は…はは…もう疲れた私。……もう嫌だよ…」
 
 
唯「澪ちゃんっ!大丈夫だって…!犯人は…分かったんだから…」 

引用元: ・唯「次はペンションに泊まりに行こうよ!」

2: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:31:56.579 ID:JnEh+KxX0NIKU
梓「わぁ~!一面銀世界~♪」
 
琴吹家専用のバスに乗り込んだ軽音部のメンバー。
彼女たちは今、Y県にある某スキー場へと向かっている
 
 
唯「大型バス~に乗ってます~♪」
 
律「おいおいここは違うだろ…」
 
唯「ふぇ?」
 
律「…ラーラーラララララーラー♪」
 
澪「さだまさしって…」

3: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:32:24.796 ID:JnEh+KxX0NIKU
唯「りっちゃんあんまし歌上手くないねっ!」
 
律「やかましいっ!」 
 
憂「ふふ…」ニコニコ
 
梓「ホントに唯先輩ってうるさいほど元気だね~…」
 
憂「お姉ちゃん昨日の夜からあんな感じだったんだよ♪」
 
梓「夜からあのテンションだったの?ある意味すごい……」

5: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:33:16.151 ID:JnEh+KxX0NIKU
紬「みんならケーキあるから食べましょう♪」
 
律「うわぁ!さすがムギ!」
 
唯「食べる食べる~♪」
 
澪「い…いいのか?着いたらスキーが出来ないなんてことも…」
 
律「もしや澪…太るのを気にしてるとか?」
 
澪「なっ!//バカなことを言うなっ!」

6: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:34:01.224 ID:JnEh+KxX0NIKU
澪「律こそ太ったんじゃないのっ!」
 
律「え…うそ…」チラッ
 
澪「特に~お腹のあたりとか?」
 
律「うわあああん!!」
 
 
梓「ちょ…2人とも…」
 
唯「……んまんま♪」モグモグ
 
和「ほら唯…ほっぺにケーキついてるわよ」ヒョイッ
 
 
唯「えへへ~ありがとう和ちゃん♪」
 
澪「……」
 
紬「澪ちゃん?」ヒョコッ
 
澪「わっ!//…び、びっくりした…」

7: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:34:32.364 ID:JnEh+KxX0NIKU
紬「どうしたの?ボーとしちゃって♪」
 
澪「いや…たまにはアリかなって」
 
紬「?」
 
澪「こ、こうやって部活のためじゃなく旅行するのも……まぁいいかなって思って…」
 
紬「ふふ♪澪ちゃんらしいわ」ニコッ
 
律「澪はいっつも堅いことばかり言うからな~」モグモグ
 
澪「う、うるさいっ!律は部長なんだからもう少しきちんとしろ!!」
 
紬「まぁまぁ…」

8: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:36:03.029 ID:JnEh+KxX0NIKU
唯「ねぇねぇさわちゃん先生~」ヒョコッ
 
さわこ「すーすー…」
 
唯「ありゃ…寝てる…」
 
梓「どうしたんですか唯先輩?」
 
唯「さわちゃんにもケーキあげようと思ったけど寝ちゃってるの…」
 
梓「さわこ先生も疲れてるんですよきっと」
 
憂「さわこ先生…涎垂らしてるね」
 
澪「ホントだ…。先生ってば子供みたい」

9: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:36:39.771 ID:JnEh+KxX0NIKU
律「ちょっと失礼♪」
 
唯「わっ!りっちゃん…?」
 
澪「またなんかする気だな…?」
 
律「えへへー♪」
 
梓「マジックペン…まさか律先輩…」
 
律「さわちゃんごめんね~♪」キュッキュッ
 
和「ちょっと律!やめなさいよ…」
 
律「まあまあそういうなって…!」
 
澪「呆れた…」
 
紬「…///」ドキドキ

10: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:37:50.328 ID:JnEh+KxX0NIKU
さわこ「ふぁ~あ…うるさいわねぇ…」
 
唯「ぎゃっ起きた!」
 
さわこ「………」
 
さわこ「…何コレ…」
 
さわこは寝ぼけた目で車窓に写った自分の姿を見た
 
唯「こ、これはその…」
 
さわこ「……ふ…ふふ…」ピクピク
 
さわこ「…あーーはははははは!!!!最高よっ!!最高の旅行だわっ!!!!」
 
唯「ひいぃっ」ビクッ
 
律「さわちゃんが狂った!!!」
 
紬「あ、もう着くみたいでーす♪」
 

楽しいはずであるスキー旅行。
バスに乗っている7人に、この後悲劇が降りかかるとはその時は誰も想像しなかった。

ある人間を除いて。

11: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:40:36.319 ID:JnEh+KxX0NIKU
スキー場

 
 
澪「…ふぅ。荒れなきゃいいけど…」
 
紬「澪ちゃ~ん♪」シャシャー
 
澪「お!ムギ!」
 
紬「澪ちゃんスキー上手ねっ♪」ニコッ
 
澪「うん!実は小学生のときからやってたんだ」

12: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:41:12.564 ID:JnEh+KxX0NIKU
澪「…それにしてもムギ、悪いな」
 
紬「え?」
 
澪「いや…全員分のスキー道具用意させちゃって…」
 
紬「ふふ」ニコッ
 
澪「?」
 
紬「私の好意でやってるんだもの♪今はそういうの気にしないで楽しみましょ!」
 
澪「ムギ……」
 
澪「そうだな!」ニコッ
 
律「みーーおーー!!」ズザザー
 
澪「…!!」くるっ

13: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:43:40.325 ID:JnEh+KxX0NIKU
澪「ば、バカ!真っ直ぐに突っ込んでくるやつが何処に……!!」
 
律「ぶつかるうぅぅ!!」 
 
ドンッ
 
 
澪&律「…!!」ドザドザ…
 
紬「わ!? 澪ちゃん!?大丈夫りっちゃん!?」ユッサユッサ
 
紬「………うそ…」
 
紬「……し、死んでる…」

15: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:45:42.540 ID:JnEh+KxX0NIKU
澪「…じょ、冗談はいいから早く足引っ張ってくれ………」
 
紬「あら♪ごめんなさい。えいっ!」グイッ
 
澪「ぷはっ!ありがとうムギ」 
 
律「……」ジタバタ
 
澪「全く……初心者のくせにここにくるからだ!」スタスタ
 
澪「っ!」グイッ

16: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:46:12.654 ID:JnEh+KxX0NIKU
律「死ぬかと思った……」ブルブル
 
澪「こっちのセリフだ!!」
 
律「こっちでもすぐできると思ったんだけどなー」
 
澪「自惚れるのもたいがいにしろっ!!全く……」
 
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ…」
 
澪「…そういえば梓は?経験者じゃないのか?」
 
 
律「あぁ…梓なら唯を教えてるよ。運動音痴だからな~唯は~」
 
澪「相変わらずだな、唯も」

17: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:50:21.040 ID:JnEh+KxX0NIKU
ペンション
 
 
唯「わぁー♪ペンションだー!」
 
律「でっけー!!」
 
澪「凄いな…」
 
梓「もしかしてこのペンションもムギ先輩の…」
 
 
紬「えぇ♪でも今日から3日間は貸切りで誰もいないわ」
 
梓「………言葉が出ない…」
 
ビュウゥッ…
 
律「うぅ―!!さみーから早く中入ろうぜっ!」

18: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:50:50.223 ID:JnEh+KxX0NIKU
唯「ムギちゃん!早く鍵!!」ブルブル
 
紬「はいはい♪」ニコッ
 
紬「じゃぁ斎藤。今日はこれで…」
 
斎藤「はっ!また何かありましたらお電話下さい!」
 
紬「電話するまで迎えのバスを寄越さないでね?絶対よ!」
 
斎藤「はっお嬢様!携帯は圏外なのでペンションの一階にある黒電話を…」
 
紬「分かってるわ。でも本当に余計なことしないでね?それじゃ…」

19: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:52:18.436 ID:JnEh+KxX0NIKU
唯「ふぉー…」
 
律「わぁ!すげぇ!暖炉があるぞ唯!!」
 
唯「温まろうよりっちゃん!!」ダダダッ
 
律「イエス!イエス!」ダダダッ
 
憂「わあぁ…!」
 
和「広いわね~」
 
澪「ムギ。食料とかは…」 
 
紬「脇のキッチンに冷蔵庫があるわ♪」
 
さわこ「………ゲレンデで誰にも声かけてもらえなかった……」ショボーン

20: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:53:35.521 ID:JnEh+KxX0NIKU
ペンションの間取りは以下の通り。

 
一階は吹き抜けになっており、真ん中に大きな談話室がある。
その脇にキッチン、食堂とあり、談話室に繋がる廊下の突き当たりに風呂、トイレなどがある。
 
談話室には大きな暖炉があり、それを囲むようにソファが3つ並んでいる 
 
そして二階。
談話室から階段で上がると個室になっており、

1号室はさわこ。
2号室は澪。
3号室は梓。
4号室は律。
5号室は和。
6号室は唯。
7号室は憂。
そして8号室は紬となった

21: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:58:09.389 ID:JnEh+KxX0NIKU
 
律「ぷはぁ!食った食った!」
 
澪「ごちそうさま」
 
紬「おいしかったわ♪」
 
さわこ「」シーシー
 
唯「ちょっとさわちゃん親父臭~い」
 
さわこ「うるさいわね…お肉がとれないのよっ!」
 
憂「…ふぅ!じゃあ私お風呂掃除しますね!」
 
紬「あ…ごめんね憂ちゃん」

22: 名無しさん 2020/07/29(水) 23:59:50.104 ID:JnEh+KxX0NIKU
憂「いいんですこれくらい♪」
 
和「じゃあ私も手伝うわ」ガタッ
 
憂「ありがとうございます和さんっ!」ニコッ
 
和「いきましょ」
 
そういうと憂と和は食堂を出て風呂に向かった。
澪と紬と梓は茶碗洗い。
唯と律とさわこは談話室でゴロゴロしていた
 
そしてすぐ事件は起こった

憂「きゃああぁああぁあああああぁあああ!!!!!!!!」
 
風呂場の方から割れるような憂の悲鳴が聞こえてきた。
 
唯&律「!!」ガバッ
 
さわこ「何いまの…!」ムクリ
 
談話室にいた三人はすぐさま風呂場に向かった。
廊下の突き当たりで腰をぬかしてる憂とその先の風呂場で呆然と立ち尽くしていた和がいた

24: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:01:21.447 ID:q1dn044g0
唯「憂っ!どうしたの!?何があったの!?」
 
憂「お…お風呂…お風呂の壁に…」ビクビク
 
唯「…壁?」
 
律「…!」バッ
 
さわこ「ちょっといい…?」ヒョコッ
 
彼女らは目を疑った 。
 
風呂の壁に赤く染まった文字で 、

 
『こんヤ ダレかに シのセイサイが クダる』 
 

と大きく書かれていた 。

25: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:04:11.929 ID:q1dn044g0
 
午後8時。談話室には時計の音だけがむなしく響いていた。
 

律「なんだよ…あれは…」 
 
さわこ「シのセイサイねぇ…」
 
梓「あ…あの…」
 
梓「もしかしたら誰かのイタズラじゃないんですか?怖がらせたり…」
 
和「…それはあるかもね」
 
さわこ「言われてみたら…あれ、何かのゲームに見たような気がするわ」
 
唯「もしかしてー…りっちゃんとかぁ?」
 
律「……残念ながら…私じゃないよ」
 
憂「そんな…」
 
澪「いい加減にしてよっ!!」ガタンッ
 
唯「わ……」ビクッ
 

26: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:06:23.431 ID:q1dn044g0
澪「こんなの冗談でやって何が楽しいの!?ふざけないでよ!!」

和「……」
 
澪「早く名乗り出てよ!!そっちはふざけ半分でもこっちは…!」
 
律「何でこっちばっかり睨んで喋ってんだよ。おまえ私を疑ってるだろ…」ガタッ
 
唯「あ…あわわ…」
 
紬「りっちゃん…」オロオロ
 
澪「……っ!」
 
澪「あぁ疑ってるよ!!いっつもそういうことをするのは律だからなっ!!」
 
梓「み、澪先輩…」
 
律「確かにおふざけはやってきたけど、こんな陰湿なことは一切したことないねっ!!今回もだ!!」
 
律「それに怖いのはお前だけじゃないんだよっ!!」バンッ
 
澪「……!」
 
律「自分だけ被害者面してんじゃねーよ」
 

27: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:08:24.278 ID:q1dn044g0
さわこ「は~~いはいはいはい!!そこまでよ2人とも」パンパンッ
 
澪「…さわこ先生」
 
さわこ「これは誰かのイタズラで、雰囲気が重すぎて名乗り出ることが出来なかった…」
 
梓「……そ、そうですよね!」
 
さわこ「これにて恨みっこ終了!さぁ、みんなであの赤い文字を消してお風呂に入るわよ~♪」
 
唯「さわちゃん…」
 
和「そうね…このままいがみあってても仕方ないわ」
 
澪「ご、ごめん律…」ボソッ 
 
律「いや、こっちこそ……その、ごめん…」
 
紬「…よかったわ」
 
さわこ「ふふんっ♪」
 

28: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:10:32.311 ID:q1dn044g0
そして時刻は10時半。
 

和「お休み唯。明日晴れるといいわね…」
 
唯「うん…お休み和ちゃん…」
 
あんな事件が起こった後じゃ、まともに会話ができなくて当たり前である。
本来なら時が過ぎるのも忘れてガールズトークをしたりするものだが、
律が部屋に戻ってから みんな散らばるように 各々の部屋に戻っていった 。
 
さわこ「……」
 
一階の談話室にはさわこしかいなかった 。

29: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:12:11.549 ID:q1dn044g0
カッチカッチカッチカッチ……
 
唯(寝れない…)
 
時計の針は11時を指していた。
唯は布団を鼻までかけじっとしていたが、一向に眠気は襲ってこなかった
 
 
唯(あんなことがあったから当たり前かな…)
 
 
ビュオォォ!!
 
唯(………明日…吹雪止んでるかなぁ)
 

きゃ あ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ! !
 
 
唯「えっ!?」ムクリ
 
唯「な、なになに……」
 

31: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:15:11.387 ID:q1dn044g0
突然の悲鳴。嫌な予感がするなか唯は部屋の明かりをつけて急いで廊下に出た。
 
律「唯!!」
 
唯「りっちゃん!今の悲鳴…!!」
 
律「分からない!!梓の部屋からだ…!!」
 
唯が部屋を出ると既に律が廊下にいた。悲鳴を聞いて次々と軽音部メンバーが部屋を出てくる 。

律「梓!!おいっ!!梓!!」ドンドンッ
 
唯「あずにゃん!!開けてよあずにゃん!!」ドンドンッ
 
唯と律がいくらドアを叩いても返事はない。みんなが後ろで不安そうに見ている 。
 
和「唯!!マスターキーは!?」
 
唯「そうだね!!ムギちゃん!!」くるっ
 
紬「え…?あ、はい…!!」ダッ
 
紬は唯に言われて一番奥の8号室まで取りに走った。
その間にも律が扉に向かって呼びかけるが、一向に返事はない。

32: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:18:48.237 ID:q1dn044g0
紬「唯ちゃん!!マスターキーよ!!」サッ
 
唯「ありがとうムギちゃん!」バッ
 
唯「……」ガチャッ
 
律「よ、よし…開いた……」
 
唯「……」
 
律「お…おい…早く開けろよ…」
 
ドアノブを握る唯の手が止まった。
開けた扉の先に、何かとんでもないものが待ち構えてるような気がしたからだ 。

 
唯「……あずにゃん!!」ガチャッ

 
意を決して開いたドアの先には顔を赤い血で濡らした梓の姿があった 。
 
 
唯「ひっ…!!」
 
律「あ…あ…」
 
紬「きゃああああぁ!!!!」
 
みんなはパニックになった。目の前に横たわる梓の姿を信じられずに 。
 
唯「あ、あずにゃん…!」ヨロ…
 
唯が部屋に入って梓に近づこうとしたその時 、

33: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:21:46.009 ID:q1dn044g0
きゃあああああああああぁぁぁぁぁああああ!!!!!!
 

唯「!!」くるっ
 
律「なっ…!」
 
第二の悲鳴が聞こえた。みんなは後ろを振り返った 。
 
和「一階からだわ!!」
 
唯「さわちゃん!!!!!!」
 
律「くそっ!!行くぞ!!!!!」ダッ


唯が2階から吹き抜けた1階を覗くと、さわこがソファの上でうつ伏せになっていた 。
 

唯「…さわちゃん!」
 
律「くっそ!!」
 
澪「……な、なんでこんな…!」
 

34: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:25:14.208 ID:q1dn044g0
律「さわちゃん!!さわちゃん!!」
 
ソファにうつ伏せになっているさわこを、律は必死で揺すった
 
 
憂「………」
 
和「………」
 
紬「………」
 
澪「………」
 
唯「………」
 
みんな何も出来ず、心配そうにさわこを見つめるだけである。
 
律「あれ…?」
 
唯「ど…どうしたのりっちゃん?」
 
律「さわちゃん息してるぞ…?」

36: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:26:06.952 ID:q1dn044g0
唯「……」
 
澪「ど、どうだ唯?」
 
唯「…あ!ホントだ!息してる!酒臭い!!」
 
澪「へ…?」
 
和「先生…ただビール飲んで寝てただけなんじゃ…」
 
律&唯「……」
 
律「と、とりあえずさわちゃんを起こすぞ」
 
唯「う、うん!」
 
憂「わ、私も手伝います!」
 
律「さわちゃん!起きろ!」ペシッペシッ
 
唯(あれ…でもさっきの悲鳴はなんだったんだろう…??)

37: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:28:46.737 ID:q1dn044g0
さわこ「と、とりあえず何があったか…説明して貰えるかしら…?」
 
紬「……」
 
律「じ、実は…」
 
律「あっ!!」
 
唯「あずにゃん忘れてた…!!」
 
さわこ「?」
 
急いで7人は部屋に梓の部屋へと戻った。

38: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:31:05.484 ID:q1dn044g0
さわこ「こ…これは…………」
 
梓の無惨な姿は、寝ぼけたさわこの目を覚まさせた。
さわこは声が出なく震えていた。
 
律「……梓…」
 
唯「……あずにゃん…どうして…」

憂「…なにこれ?」
 
和「どうしたの憂」
 
憂「いや…梓ちゃんの右手らへんに…何か…」
 
澪「どうした2人とも?」 
 
気付けば 梓の周りにみんなが集まっていた 。
 
唯「…U?これなんだろね?」
 
紬「まさか…」

さわこ「…ダイイングメッセージね」

40: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:32:33.486 ID:q1dn044g0
和「ダイイングメッセージ……」
 
さわこ「梓ちゃんが残したんじゃない…?」
 
律「待てよ……Uってもしかして……」
 
唯「………!!」
 
 
憂のU……
 
 
憂「…」
 
憂「…え?な、何ですか皆さん…」キョロキョロ
 
憂はみんなの視線が自分に集まってることに気づいた。
それだけじゃない、みんなが憂から僅かに距離を取った。

41: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:34:08.658 ID:q1dn044g0
憂「私、梓ちゃんを殺すなんてそんなひどいことはしてません!!!!!!」
 
澪「………」
 
憂「ち、違うんです……私……ぐすっ」
 
唯「……」
 
憂「……うぅ…」
 
あの唯でさえ、今は憂を疑っているのだ。憂はこの小さな部屋の中で大きな孤独を感じた 。

さわこ「ダイイングメッセージだけで憂ちゃんを犯人と決めつけるのは早いわよ」
 
憂「…せ、先生」
 
さわこ「りっちゃん。事件の様子を詳しく聞かせてちょうだい?」
 
律「え…あ、はい…」

43: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:37:01.897 ID:q1dn044g0
律「私は一番先に部屋に入ったけど、あの風呂でのことが怖くて怖くて寝れなかったんだ」
 
律「そして11時頃かな?急に悲鳴が聞こえたから慌てて外に飛び出して」
 
さわこ「11時頃ね…」
 
唯「私もすぐ部屋を出たらりっちゃんがいたから本当だよ」
 
さわこ「唯ちゃんも起きてたのね…なるほど」
 
律「そのあと唯が出てきて2人で悲鳴の聞こえた梓の部屋を開けようとしたんだけど」
 
さわこ「鍵がかかってて開かなかったわけね」

律「はい。そのうちみんなが起きてきて」
 
さわこ「ちょっと待って!ホントに梓ちゃんの部屋だったの?」
 
唯「うん!ホントにあずにゃんの部屋だったよ!」
 
さわこ「そう…続けて」
 
律「ムギがマスターキーを持ってきてドアを開けたらここに…」

さわこ「血まみれの梓ちゃんが死んでいた…」
 
唯「……あずにゃん」

44: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:38:32.954 ID:q1dn044g0
律「そのあとさわちゃんが寝てる一階から悲鳴が聞こえたから… 」
 
唯「みんなでさわちゃんを見に行ったんだよ……」
 
澪「あの悲鳴が聞こえた時はまさかと思ったから……」
 
さわこ「なるほど…だから起きたらみんながあそこにいたのね…」
 
紬「はい……」

さわこ「でもちょっと待って?私悲鳴なんか出してないわよ?」
 
律「確かに寝てたしな…」 
 
唯「よくよく考えたらあれはさわちゃんの声とは少し違った気がする……」
 
和「まさか違う誰かが……」
 
さわこ「……どうしても梓ちゃんの部屋から目を反らしたかった……ってことかしら?」
 
唯「な、なるほど…」
 
憂「………」

45: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:40:18.661 ID:q1dn044g0
律「しかしよく考えたらあの悲鳴でよく起きなかったなーさわちゃん」
 
澪「いったい何本飲んだんですか?」
 
唯「熟睡してたよね。りっちゃんがほっぺ叩いても起きないの!」
 
さわこ「………そういえばそうね…何でかしら? 私…ビール2本ごときで潰れるようなヤワじゃないわよ…」

さわこ「しかも…りっちゃんの話聞いた限りだとこれは……」
 
さわこ「密室殺人ね。しかもかなり練られた…」
 
律「密室殺人だと…?」
 
紬「そんな…ありえません…」
 

48: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:42:57.379 ID:q1dn044g0
 
さわこ「唯ちゃん…この部屋の中に…最初誰がいた?」
 
唯「え…?えーとあずにゃん?」
 
さわこ「…そう。この部屋には梓ちゃんの死体しかなかった…」
 
さわこ「つまり…密室を利用した不可能犯罪なのよ!」
 
憂「……不可能犯罪…」
 
さわこ「ええ…あなた達は梓ちゃんの悲鳴を聞いて部屋に行ったのよね?」
 
澪「は、はい…」
 
唯「確かに声はあずにゃんだったよ!」
 
さわこ「やっぱり…」

49: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:44:18.722 ID:q1dn044g0
さわこ「悲鳴がなく、ただ単に梓ちゃんの死体が密室にあっただけなら
    話はいくらでも繋げられるわ…」
 
さわこ「だけど梓ちゃんの悲鳴の後の密室殺人となると…私もお手上げね…」
 
澪「そんな…」
 
紬「ま、窓から逃げたりしたんじゃないでしょうか!」
 
さわこ「あり得るわね…でも…」チラッ
 
ビュオオォッ
 
さわこ「…この吹雪の中、身を投げ出すのは自殺行為ね…」

唯「…それにしてもあずにゃん…」チラッ
 
紬「右側頭部を金属バットで殴られてる…」
 
澪「うぅ…こんな…」
 
さわこ「……凶器はバット…。即死かは分からないけど…一撃のようね……」
 
憂「梓ちゃん……」

50: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:46:15.396 ID:q1dn044g0
唯「このバットが…」スッ
 
和「唯!凶器には触らないの!指紋がつくわ」
 
唯「あ…そっか…」
 
さわこ(最も…こんな密室を作り出す犯人…指紋なんてつけてるわけないわね…)
 
さわこ「Uのダイイングメッセージ…」
 
憂「…」
 
さわこ「謎の悲鳴…」
 
紬「……」
 
さわこ「そして完璧ともいえる密室……」
 
律「……」
 
さわこ「…警察を呼びなさい澪ちゃん!」

52: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:47:08.483 ID:q1dn044g0
澪「……」
 
さわこ「どうしたの澪ちゃん?」
 
澪「実は…もう試したんです…」
 
澪「電話線が切られてて……」
 
紬「私も確認しました…」
 
さわこ「そんな…!!!」 
 
律「ということは……」
 
さわこ「おそらく犯人はまだ人を殺したがってる…!」
 
唯「ひっ…」
 
澪「いやああああぁぁぁぁあああ!!!」

53: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:47:44.796 ID:q1dn044g0
澪「なんで…!!なんでこんなこと…!!」
 
紬「澪ちゃん落ち着いて…」
 
澪「これが落ち着いてられるか!!人が死んだんだぞ人がっ!!」
 
唯「…澪ちゃん」ギュッ
 
澪「…!」
 
唯「大丈夫だよ…もう何も起こらないよきっと……」
 
澪「ゆい……」
 
憂「お姉ちゃん…」

54: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:48:08.934 ID:q1dn044g0
律「その通り!」
 
みんな「!」
 
律「もう誰も死なない…!誰も…何も悪くない…」
 
唯「りっちゃん…」
 
律「梓は……助けられなかったが……もうこれ以上は犯人の好きにさせない…!」
 
澪&和「りつ…」
 
唯&紬「りっちゃん…」
 
憂「律さん…」
 
さわこ「そういうことねっ」

55: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:49:25.191 ID:q1dn044g0
さわこ「この完璧な犯罪…。第3者の可能性も十分考えられるわ!」
 
さわこ「聞いた限りだとアリバイも…みんなあるみたいだし……私以外はね…」
 
律「…さわちゃん!」
 
澪「先生は犯人じゃないですっ!!」
 
さわこ「私はもちろんやってないわ。でもその主張はみんな同じ…疑わしきは罰せよ、よ」

さわこ「もうこんな時間。とりあえずみんなは寝なさい」
 
唯「でも…」
 
さわこ「大丈夫…大丈夫だから」
 
澪「……わかりました」
 
和「でも先生…梓ちゃんはどうするのかしら?このままじゃ…」
 
さわこ「腐敗は防がなきゃならないわね…。ムギちゃん」
 
紬「は、はい!」
 
さわこ「使ってない大きな冷蔵庫とかない?」
 
紬「あ…一応あることは…」
 
さわこ「じゃあ可哀想だけど梓ちゃんは…」
 
みんな「……」

56: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:53:04.381 ID:q1dn044g0
 
時計の音と吹雪の音が虚しく響く中、唯はじっと天井を見つめて考えごとをしていた 。
 
唯「あずにゃん……」
 
唯「こんな……こんな別れ方ってないよ…!」ぐすっ
 
唯「…う…ぅ…」
 
コンコン

唯「…はい?」
 
唯の体に緊張が走った。先程あんなことがあったのだから当然の反応といえよう
 
唯「だ…誰?」
 
憂「わたし…」
 
唯「うい!?」
 
憂「うん…開けて?お姉ちゃん……」
 
唯「わ、分かった!待って今開けるね…!」

57: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:54:27.165 ID:q1dn044g0
ガチャッ…
 
憂「……」
 
唯「う、憂…どうしたの?」
 
ドアの前には大きな枕を両手で抱えてる憂が立っていた 。
 
憂「寝れなくて…」
 
唯「……憂」

唯「…」ギュッ
 
憂「!!」
 
唯「分かった憂……一緒に寝よ?」
 
憂「うん…//」
 
――――――――――
 
カッチカッチカッチカッチカッチ…
 
唯「……起きてる?」
 
憂「…起きてるよお姉ちゃん」
 
唯「……」
 
憂「……」

59: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:56:17.475 ID:q1dn044g0
唯「憂…」
 
憂「なぁに?」
 
唯「今日のこと…ダイイングメッセージ……
  あんなの忘れちゃっていいよ……憂じゃないもん…犯人は…」
 
憂「…ありがとうお姉ちゃん」
 
唯「…ねぇ憂?」
 
憂「なぁにお姉ちゃん?」 
 
唯「3号室の鍵かけてから8号室まで走るのってどれくらい時間かかるかな…?」
 
憂「…お、お姉ちゃん?」
 
唯「何言ってるんだろ私……。ムギちゃんが犯人のワケないのに……」

63: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:58:17.621 ID:q1dn044g0
唯「でも…マスターキーは常にムギちゃんが持っているし…」
 
唯「死んだあずにゃんが内側から鍵をかけるなんてあり得ないし…」
 
憂「…誰か…疑ってるの?」
 
唯「……私は許さないよ。あんな可愛いあずにゃんを殺した犯人を許さない!!」
 
憂「お姉ちゃん…」
 
唯「疑いたくないのは山々だけど…犯人を追い詰めないと……」
 
憂「お姉ちゃんもういいんだよ…」
 
唯「え?」
 
憂「さわこ先生がいるし、お姉ちゃんは余計なことを考えなくてもいいんだよ…?」
 
憂「だからお姉ちゃんが誰か疑うなんて止めて…胸が痛むよ…」
 
唯「…わかった…犯人探しはやらないよ……」
 
憂「お姉ちゃん!」
 
唯「もう寝よ…憂…」
 
憂「うん…!」

65: 名無しさん 2020/07/30(木) 00:59:47.612 ID:q1dn044g0
唯「…あずにゃんっ!!!!」ガバッ
 
憂「きゃあっ!」ビクッ
 
唯「はぁん…はぁ…」 ビクンビク

憂「お姉ちゃん…怖い夢でも見たの?すごい汗だよ…?」
 
唯「ゆ、夢……!」ドキドキ 
 
唯「い…今何時?」
 
憂「ちょうど7時。紬さんと律さんと澪さんはもう起きてるよ」
 
唯「……朝…」
 
憂「みんなあまり寝れなかったみたいだよ…今、朝食の準備してるらしいの」
 
憂「それと、今日は吹雪が止んだよ!」
 
唯「え!?」

67: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:01:20.878 ID:q1dn044g0
唯「は…晴れてる…」
 
憂「お日様もたくさん出てるし…良かったねお姉ちゃん♪」
 
唯「う…うん!!」


キッチン

唯「おっ…おはようみんな!」
 
律&澪&紬「…!」
 
唯は階段を降りながらキッチンにいる3人に声をかけた 。
 
律「唯…」
 
澪「おはよう唯!」
 
紬「今朝食作ってるの」 
 
唯「えへへ…」
 

 

70: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:02:27.419 ID:q1dn044g0
律「しかしムギ!この分じゃ今日バスが来なくても帰れるんじゃないか?」
 
澪「…スキー場までバスで1時間もかかる山奥だぞここは?
  いくら吹雪が去ったからといって帰れると思うなバカ律」
 
律「…お前には話してないだろ…!」
 
紬「ふ、2人とも…」
 
唯「え?え?どうしたのあの2人…?」オロオロ
 
憂「まだあのこと…」
 
唯「え!?憂なにか知ってるの?あのことって何?」
 
憂「じ、実は…」
 
ガチャ

72: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:03:19.737 ID:q1dn044g0
さわこ「ふぁ~よく眠れたわ~」スタスタ
 
憂「あ、さわこ先生!」くるっ
 
唯「さわちゃん生きてたんだね♪」
 
さわこ「な、なんかや~ねぇ…その言い方…」
 
律「さわちゃん寝坊だぞ~」
 
澪「これであとは和だけだな!」

紬「そういえば和ちゃん遅いわね~」
 
律「和のやつ案外ねぼすけなんだな~ははは!」
 
唯「えぇ~?和ちゃんって早起きだよ~?」
 
澪「同じクラスだけど遅刻したことは一度もないよ…?」
 
さわこ「………」
 
律「……」
 
紬「……」

73: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:03:56.875 ID:q1dn044g0
憂「…わ、私!和さんの部屋を見に行きます!!!」ダッ
 
紬「お風呂場を…!」ダッ
 
唯「え…?え…?」オロオロ
 
 
みんな口にはしなかったが、考えてることは1つだった。
 
律「そ、外を見てくる…!!」ガチャッ
 
さわこ「……」

76: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:05:03.492 ID:q1dn044g0
きゃ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ ! !
 
 
さわこ「…!!!」ガタッ
 
 
唯「や…やだよもう…」ガタガタガタガタ
 
澪「律の声だっ!!!!!!!」ダッ
 
さわこ「行くわよ!!」ガチャッ
 
 
さわこ達が扉を開けると……冷たい風とともに、腰が抜けて立てなくなった律と
雪上のド真ん中でうつ伏せになって倒れている和が視界に入り込んできた 。


唯「の…和ちゃん!!!」ダッ
 
さわこ「待ちなさいっ!!!!!」
 
さわこの怒声ともとれる大きな声が雪上に響き渡った 。
 
唯「え…?」
 
憂「はぁはぁ…和さん…」 
 
紬「お風呂にはいなかったわ…」
 

79: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:06:36.980 ID:q1dn044g0
唯「どうしてさわちゃん!!和ちゃんが倒れてるんだよ!!もしかしたら…!」
 
さわこ「血が出てるし、それに唯ちゃん…足元をご覧なさい…」
 
唯「え?」
 
さわこ「こんな真っ白な雪の中…玄関から伸びる足跡は………」
 
澪「まさか…」ゾクッ
 
紬「和ちゃんの足跡……だけ……」
 
さわこ「またしても……………不可能犯罪よ」
 
澪「きゃあああああぁぁぁあああああ!!!!!!」

81: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:07:48.465 ID:q1dn044g0
何もない真っ白い雪の上に真っ赤になった和の死体。
そして玄関から死体まで10メートル前後……足跡は和の足跡しかなかったのだ。
 

憂「の…和さん…」
 
紬「そんな…完全犯罪だなんて…」
 
さわこ「犯人はよほど計画してたみたいね……」ギリッ
 
律「の、和が何で…………」
 
澪「……うぅ…きもち悪い」
 
唯「和……ちゃん…」
 
和の赤い血は、白い雪のせいで鮮やかに見えた…6人は静かにそれを眺めているしかなかった 。

唯「でもさわちゃん!こんな…何もしないなんて和ちゃんが可哀想だよ!!」
 
憂「お姉ちゃん…」
 
律「そ、そうだよさわちゃん…!何かしてあげられないのか?」
 
さわこ「そ、そうねぇ………」

82: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:08:59.606 ID:q1dn044g0
さわこ「誰かカメラ持ってる?それで証拠となる現場写真を何枚か取れば…
    近くに寄っても大丈夫かも…しれないわね」
 
紬「い、今すぐ持って来ます!!!」ダッ
 
―――――――――
 
唯「和ちゃん!!」ザッザッザッ
 
雪を踏みしめる音が響く。雪の足跡は1つ…また1つと増えていった 。

唯「…うぅ…和ちゃん…こんな……ひどすぎるよ……」
 
唯はうつ伏せになった和に近寄ると、血まみれの屍を構うことなく強く抱きしめた
 
澪「和………」

さわこ「唯ちゃん…そろそろいいかしら?ちょっと調べたいの…」
 
短いような長いような黙祷のあと、さわこが口を開いた
 
唯「はい…」サッ

83: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:10:06.665 ID:q1dn044g0
さわこ「死因は恐らく…多量出血。お腹にナイフを刺されてるわね…」
 
澪「うぅ……」
 
さわこ「……あら? 左手に携帯電話を握りしめてるわ…」

さわこ「メモ帳の画面になってるわね…」
 
憂「メモ帳?」
 
 
ごめんなさい皆さん。私は梓ちゃんを殺しました。そして憂ちゃんに罪を着せました。
昨日の事件の犯人は私なのです。
私は最悪な女です。だから死を持って償いたいと思います
さようなら 和より
 

唯「何……これ…」プルプル 
 
律「和が…梓を殺した…?」
 
澪「………自殺…?」

85: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:11:34.972 ID:q1dn044g0
さわこ「自殺…なら…話がつくわね…」
 
唯「…!」ピクッ
 
さわこ「もともと…他殺にするのが無理なのよこれは……」
 
澪「ということはこの携帯のメモは…」
 
唯「そんなワケないよっ!! 和ちゃんはそんな酷い人間じゃない!!これは他の人がわざとやったんだ!!」
 
憂「お…お姉ちゃん…」

律「ゆ、唯…」
 
唯「だいたい携帯のメモ帳ってのはおかしいよ!普通遺書なら紙とかじゃないの…?」
 
澪「一理あるな…」
 
さわこ「でも…和ちゃんの足跡しかなかったのよ…他殺にするのは少し無理が…」
 
唯「不可能犯罪なんか私が解くもんっ!」
 
みんな「…!!」
 
律「あのな唯…お前の頭じゃ到底…」
 
唯「和ちゃんの罪を…絶対解いて真犯人を見つける!」ダッ

88: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:13:54.864 ID:q1dn044g0
談話室
 
 
唯(少しでも手掛かりを見つけて…犯人を………)
 
さわこ「唯ちゃん…」ガチャッ
 
唯「……」
 
さわこ「犯人探し頑張って…!みんな協力するわ…」
 
唯「さわちゃん…!」
 
律「そうだぞ!唯」
 
紬「何か聞きたいことがあったら聞いてね♪」
 
澪「でもあまり無茶はするなよ?」
 
憂「お姉ちゃん頑張って!!」

唯「じゃあ犯人探しの手掛かりを探しますか!!」
 
唯「時間は無いから有効に行こうよっ!」

唯「まずは憂から話を聞いていこう!」

90: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:16:44.003 ID:q1dn044g0
いったん、軽音部メンバーはそれぞれバラバラになった。


唯「やっぱこういう時は憂だよね…」
 
コンコンッ

唯「憂ー?いるー?」
 
憂「あ!お姉ちゃん!どうぞ…」
 
唯「…実は事件のことで何か知ってる…?」
 
憂「ごめんねお姉ちゃん…梓ちゃんの時は寝てたし、和ちゃんのはホントに急だったから…」
 
唯「大丈夫だよ!ありがとう憂♪」

憂「…あっ、そういえば実はね……。…夜中に2人……喧嘩してたんだよ…」
 
唯「え…!?」

憂「夜中声がして起きちゃったの…そしたら1階の談話室で澪さんと律さんが激しく言い争ってたの……」
 
唯「…な、何で?」ドキドキ 
 
憂「なんか…私が注いだお茶を飲んだとか飲まないとか…」
 
唯「…それだけ?」
 
憂「あ、うん!…なんか気になったからつい…」
 
唯「そっか~…。ま、ありがとうね憂!(事件には関係ないかな)」

91: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:17:48.378 ID:q1dn044g0
唯「次は澪ちゃんに話を聞いてみよう」

唯「澪ちゃん!澪ちゃん!」
 
澪「ん?どうした唯?何か見つかったか?」
 
唯「何も見つからないんだよ~…。だから澪ちゃん!情報クダサイ☆」
 
澪「…唯、こっち来て…」ヒョイヒョイ
 
唯「澪ちゃん?」
 
澪「…さわこ先生には気をつけろ」ボソッ
 
唯「…!?」
 
澪「…それだけだ」
 
唯「あ…あはは…ありがとうね~澪ちゃん…」
 

93: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:19:50.341 ID:q1dn044g0
唯「マスターキー借りてきました…」ガチャ…
 
唯「…和ちゃんのお部屋を調べてみよ…うぅ…和ちゃん…」
 
 
――――――――

唯「あ…これ日記…?」
 
唯「なになに?…今日は筆を取る気にもなれない…人生最悪の日…。梓ちゃんはとてもいいこで…」
 
唯「和ちゃん…やっぱりあずちゃん殺してないんだ……」

唯「ん?最後に何か書いてある…」
 
唯「…『また呼ばれたわ。いい加減にして欲しいもの…』…」
 
唯「呼ばれた…? 待ってよ…?梓ちゃんが殺された後の日記の最後だから……」
 
唯(…あ…ぁ……和ちゃんは夜中に呼び出されたんだ………)

94: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:21:12.798 ID:q1dn044g0
唯「まずはやっぱりあずにゃんの部屋を調べないとね…」
 
唯「うぅ…死体はないけど血が……」ドキドキ
 
唯「整理してみると…あずにゃんはこの扉の前で、
  足を扉側に向けて、仰向けのままになっていたんだよね……」
 
唯「……そしてUのダイイングメッセージ……」
 
唯「他には何もないな~。クローゼット…ベット…机…棚…。
  …う~ん…あずにゃんを見なきゃ何も変わらないだろうな……」

96: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:22:05.011 ID:q1dn044g0
憂「よいしょっ…」
 
唯「ごめんね憂~。手伝わせちゃって…!」
 
憂「大丈夫だよお姉ちゃん!」
 
冷蔵庫から出した梓の死体。半日が経っていたが、冷蔵庫に入っていたおかげか体は全く腐敗してなかった
 
唯「うぅ…なんか直視出来ないよ……」
 
憂「右目が……潰れちゃってる……」
 
唯「あずにゃん…」
 
唯「ん?」
 
唯「あれれ~?」
 
憂「どうしたのお姉ちゃん?」

97: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:23:06.898 ID:q1dn044g0
唯「あずにゃんの右手を見てよ!」
 
憂「ん?血まみれだけど…」
 
唯「うん!だけど血が繋がってなくて肌色の部分見えるところがあるよ…」
 
憂「…それって…」
 
唯「ダイイングメッセージは………誰かがあずにゃんの指を持って書かせたんだよっ!!」
 
憂「………」
 
唯「良かったねぇ~憂~♪憂の罪が晴れたよ~」
 
憂「………あ…」
 
唯「あれ?憂?嬉しくないの?」
 
憂「えっ!?いいいいいやいや嬉しいよモチロン♪ありがとうお姉ちゃんっ♪」アタフタ
 
唯「あははー変な憂ー♪」 

99: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:24:09.347 ID:q1dn044g0
唯「りっちゃん!なんでもいいから情報くれよ~」
 
律「私が何言えばいいんだよバカ!何も分からないのに…」
 
唯「う~ん…じゃ和ちゃんの第一発見者として何か!」
 
律「うん!実に驚いた!」 
 
唯「それだけ?」
 
律「うん」
 
唯「…………」

唯「昨日さ…喧嘩とかしてなかった?」
 
律「喧嘩?あぁ…澪とちょっとな…」
 
唯「な、なんで…?」
 
律「…別に?お菓子の取り合いだよ…」
 
唯「えぇ、それだけ~?」 
 
律「あぁ」

唯「……」

 

100: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:24:56.253 ID:q1dn044g0
唯「さわちゃんさわちゃん!」
 
さわこ「なぁに唯ちゃん?」
 
唯「さわちゃん先生はホント~に何も聞こえなかったの?」
 
さわこ「ええそうよ。安眠してたみたいだし…」
 
唯「ビールなんか飲むからだよ~」
 
さわこ「私からビールをとったら私は死にます…」
 
唯「……」
 
唯「そういえばさわちゃんは談話室で何やってたの?」

101: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:25:22.552 ID:q1dn044g0
さわこ「テレビ見てたのよ」
 
唯「そっか~…。テレビ見ながらビール飲んでって……何かおやじ臭いねさわちゃん」
 
さわこ「う、うるさいわねぇ!」
 
唯「あれ…?でもみんな来た時テレビは消えてたような…」
 
さわこ「あら?そうなのかしら?」
 
唯「さわちゃんその前の記憶はないの?」
 
さわこ「な…ないわよ…ごめんなさいね」

103: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:26:21.141 ID:q1dn044g0
唯「ムギちゃんムギちゃん!」
 
紬「唯ちゃんまだやってるの?」
 
唯「えへへ~頑張るよ~」 

唯「そういやムギちゃんってマスターキー持ってるよね…?」
 
紬「…!」ビクッ
 
唯「……あずにゃんの事件のとき……ホントに寝てた?」
 
紬「…やっぱり唯ちゃんも疑ってたのね…」
 
唯「へ?」
 
紬「マスターキー持ってるから私を犯人と思ってるんでしょ…?」
 
唯「ち、違うよ!」アタフタ

104: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:27:53.895 ID:q1dn044g0
唯「みんなから一応アリバイ的なものを…」
 
紬「……せっかくダイイングメッセージのおかげで私は的から外れたのに…」ボソッ

唯「ね、ねぇねぇムギちゃん?」
 
紬「はい…?」
 
唯「さわこ先生のことどう思う?」
 
紬「え?」
 
唯「なんか…怪しいと思わない?疑ってるわけじゃないんだけどさ…」
 
紬「い…いや…私は別に……」
 
唯「そう?」
 
紬「う、うん…」
 
唯「?」
 
唯「(なんかあるのかな?)」
 

105: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:29:13.372 ID:q1dn044g0
玄関

 
唯「(やっぱりもう一度和ちゃんを調べるか……)」 
 
憂「お姉ちゃん何処行くの?」
 
唯「あ…ちょっと和ちゃんのとこ…何かあるかもしれないから」
 
憂「私もついてっていい?」
 
唯「え?何で?」
 
憂「お姉ちゃんのことが心配だからに決まってるでしょ」
 
唯「憂……ありがと」

106: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:30:49.579 ID:q1dn044g0
唯「寒~い……」ザッザッ
 
憂「もう現場は足跡だらけだね…」
 
唯「うん。でも写真撮ったから大丈夫だよ」
 
唯「……最初は本当に和ちゃんの足跡しか無かったんだよね……」
 
憂「うん…やっぱり和ちゃん……」
 
唯「ちょっと調べてみるよ」

唯「……」ガサゴソ
 
唯「あれ…?和ちゃんの靴の裏……乾いてる…?」
 
憂「そりゃずっとうつ伏せのままお日様に当たってたし…」
 
唯「だ、だよね…(何だろう…引っかかるなぁ…)」 
 
唯「まぁ現場はこのぐらいかな?」
 
憂「早くお家入ろうよお姉ちゃん」
 
唯「うん」

108: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:33:44.707 ID:q1dn044g0
キッチン

唯(あとは澪ちゃんとりっちゃんの喧嘩のこと…ひっかかるけど…
   憂は詳しく知らないみたいだし、律ちゃんと澪ちゃんは話したがらないし…)
 
唯「お茶がどうとか話してたよね…」

唯「(棚がある…お茶っ葉はここだよね…)」
 
唯「およ?一番上の段だけ…鍵がついてるぞ?」
 
唯「ふんぬっ!」ガチャガチャ 
 
唯「あ…開かない…」ヒリヒリ 
 
紬「唯ちゃん?」
 
唯「わっ!」ビクッ
 
紬「こんなところで何やってるのかしら?」
 
唯「い…いや…ちょっと粗茶が飲みたくなって…」ドキドキ
 
紬「そう。ここの二段目にパックがあるわよ」
 
唯「あ、ありがとう…」ドキドキ

110: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:34:19.922 ID:q1dn044g0
唯「(…なんかムギちゃん怖かったな…)」
 
唯「あっ!」ポトッ
 
唯「もう~パック落としちゃったよ…」
 
唯「…お?」
 

キラッ

 
唯「…棚の下の隙間に細長い何かがある…」
 
唯「…取りたいけど取れないなぁ…」
 
唯「まぁいいや!次行こう!」
 

111: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:35:43.929 ID:q1dn044g0
唯「さて…こんなものかな?」
 
唯「微妙に見落としてる部分があるかもしれないけど…」
 
紬「唯ちゃんお昼ご飯出来たよ。澪ちゃんとりっちゃんと憂ちゃん呼んできて」
 
唯「ほいほ~い」

唯「澪ちゃ~ん!ご飯だよ~」ガチャッ
 
澪「おっ…もうそんな時間か…」
 
唯「澪ちゃんベース弾いてたの?」
 
澪「いや、弦の張り替えだよ。錆びちゃったんだ…」
 
唯「そっか~大変だね~…」
 
澪「さ、行くか唯」
 
唯「うん♪」

114: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:36:33.425 ID:q1dn044g0
唯「憂ー?開けるよー」
 
憂「わっ、わっ…!!ちょっと待ってお姉ちゃん…!」
 
唯「…?」
 
憂「な、なぁにお姉ちゃん?」
 
唯「ご飯だよー」
 
憂「わ、分かった!先に行ってて!」
 
唯「うぃ」

115: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:37:48.746 ID:q1dn044g0
その日の昼食は、お通夜のように静かであった。ただ食べる音のみしか聞こえなかった
 
唯「…お、美味しいねこれ…」

唯「ごちそうさま~…」
 
律「ほら唯。粗茶だ」
 
唯は粗茶の入ったマグカップを静かに受け取った
 
唯「あ、ありがとう…」
 
律「憂ちゃんにも渡してくれ」
 
唯「あ、うん…」
 
さわこ「……」ズズ…
 
さわこ「しかしこれからどうなるのかしら」
 
紬「……バスは明日には必ずきます…」
 
さわこ「また夜を越さないといけないのね…」
 
澪「…ふぅ」ストッ
 
澪「律、私のお茶取って」 
 
律「あ、うん…」

116: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:40:05.483 ID:q1dn044g0
唯の部屋
 
唯「ふぁ~あ…疲れた……」
 
唯「さて…また調べよっかな…」
 
唯「それより一度整理してみよっかな…」


律「お~い…唯~?」コンコン 

 
ガチャッ


唯「……あ…りっちゃん…」
 
律「ちょっとペンションの周り歩かないか?」
 
唯「え…でも今は…」
 
律「大丈夫。ほんの10分ほどだよ」
 
唯「わ、分かった。すぐ用意するね」

117: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:41:09.618 ID:q1dn044g0
夕方。綺麗な夕焼けが雪に反射して一層美しくさせる。律と唯は、ペンションの周りを歩いていた 


律「梓……知ってるか?」 
 
唯「へ?なにが…?」

律「梓……お前のこと好きだったんだぜ多分……」
 
唯「えっ!?」ドキッ
 
律「いつもいつも2人で会話してたしなぁ…」
 
唯「そ、それは…」
 
律「ギター同士、きっと通じ合うものがあったんだろ…」
 
唯「……」
 
律「だけど……ちょっと寂しかったよ私は」
 
唯「り、りっちゃん……」 

 
その時、見えないところから足音が聞こえてきた。唯の体に緊張が走る 。

118: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:42:38.797 ID:q1dn044g0
さわこ「ちょりーす」
 
律「なっ!」
 
唯「…っ!!」
 
律「お、脅かすなよさわちゃん!!ちょっと怖かっただろ!!」ブルブル
 
さわこ「ご、ごめんなさい…2人が出ていったのを見たから…」ポリポリ

唯「…!」ダッ
 
律「あっ!唯…何処へ…!!」
 
さわこ「…」
 
律「…行っちゃった」
 
律「さわちゃんが脅かしたから逃げちゃったじゃんか!!」くるっ
 
さわこ「わ、私!?」
 
律「もう~…いいや…私らも早く中に入ろうぜ」
 
 
さわこ「……」

119: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:43:12.370 ID:q1dn044g0
澪「……」スタスタ
 
唯「ふぁ~…」ガチャッ
 
澪「わっ!!」ドキッ
 
唯「ひっ!」ビクッ
 
澪「ゆ、唯…?どうしてここに……」
 
唯「へ?」
 
澪「さっき律と…」
 
唯「?」
 
澪「……」
 
澪「……ちょ、ちょっと私疲れてるかもしれない……部屋で休む…」ガチャッ 
 
唯「?」
 
唯「変な澪ちゃん…」

120: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:45:58.840 ID:q1dn044g0
唯「さて…早速行動を起こしますか」
 
唯「今は夜の9時。風呂に入ったり部屋にいたりで調べやすいっちゃあ調べやすいかも……」

唯「(やっぱり…あのキッチンの棚は気になる…)」
 
唯「(ムギちゃんは今はお風呂……。チャンスは今しかない…!!)」
 

キッチン
 
唯「やっぱり鍵はムギちゃんが持ってた…」ガチャガチャ
 
唯「ん…?この鍵であってるよね?上手く入らない…!」ガチャガチャ
 
カチャッ
 
唯「お…やっと開いた!古い棚なんだな~きっと……」
 
唯「さてと…!!」ススス…
 
 
唯「!!!!」

121: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:46:34.010 ID:q1dn044g0
唯「色んなお薬が入ってるけど……」
 
唯「これ…睡眠薬だよね?」
 
唯「しかも……一番上に重ねてあった…」
 
唯「どうして…?」
 
唯「…………」
 
唯「……!!!!」
 
唯(待ってよ…もしかしたらこれは……)
 
唯(話が繋がるかも知れない…!!!!)

124: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:48:20.827 ID:q1dn044g0
唯(…どこだ!どこだ!どこだ!)
 
睡眠薬を見つけた唯は必死に談話室を模索し始めた 。
 
唯(睡眠薬が…!もし使われてたとしたら…!)
 
テレビ…テーブル…ソファとくまなく探した
 
唯「……何コレ?」
 
 
ソファの裏に小さなカセットテープがあった 。

唯「…再生…」カチャッ
 
き ゃ あ あ あ あ…
 
唯「!!」バッ
 
慌てて停止ボタンを押す唯。流れたのは昨日、確かに聞いたことのある「悲鳴」であった 。
 
唯「……………」
 
唯「……なるほど…。そういうことか…」

125: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:49:01.925 ID:q1dn044g0
唯「(今……全てが繋がったよ…)」
 
唯「(梓ちゃん…和ちゃん……)」
 
唯「(………守ってあげられなくてゴメン…)」
 
唯はカセットテープを握りしめて静かに涙を流した。
そこに部屋から出てきた憂が一階にいる唯に話しかけた
 
憂「お、お姉ちゃん…!?さっきなんか聞こえたような気がするけど……」
 
唯「……憂……みんなを談話室に呼んでくれる?」
 
唯は二階の憂に背中を向けたままそうお願いした 
 
憂「…な、何故?」
 
唯「あずにゃんと和ちゃんを殺した犯人………分かったんだ…」
 
憂「!!」
 
憂「…呼んでくるねっ!!」ダッ

127: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:49:23.801 ID:q1dn044g0
澪「なんだよ唯?こんなところに集めて…?」
 
紬「…」
 
さわこ「まさか唯ちゃん…」
 
憂「犯人が…」
 
唯「その通りです」
 
唯「犯人…分かりました…」くるっ
 
 
みんな「!!!!」

129: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:50:19.106 ID:q1dn044g0
唯「犯人は…」
 
さわこ「……」
 
唯「この私っ!!」
 
みんな「……」
 
みんな「……は?」
 
唯(あ…あれ?私何言ってるんだろ…)
 
澪「ゆ…唯?」
 
憂「お姉ちゃん…」
 
律「冗談はいいから早く言えよ…」
 
唯(どうしよう変な空気になっちゃった…)
 
唯「ほ、本当に私だよっ!!」エッヘン
 
紬「唯ちゃん…??」

130: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:50:58.270 ID:q1dn044g0
唯「…な、なーんちゃって!軽い冗談だよ冗談!」
 
みんな「……」
 
唯「…ってアレ?みんな…?」ドキドキ
 
律「よ…よ…」プルプル
 
律「よくも梓をっ!!!!!!!」
 
唯「へ?」
 
澪「許さない…」
 
唯「み、澪ちゃん…?」
 
澪「許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!!」
 
さわこ「………唯ちゃん…」

132: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:51:32.433 ID:q1dn044g0
き ゃ あ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ
 
澪「許さないからなっ!!よくも2人を…!」グググ…
 
唯「ま、待って澪ちゃ…ん…!」
 
律「殺せ澪!!!殺すんだ!!」
 
唯「助け……苦しいよ……………」
 
澪「うわああああああああぁぁぁああ!!」グググ…
 
紬「…人殺し」ボソッ
 
憂「お姉ちゃん……」
 
 
薄れゆく意識の中で、唯は「変な冗談は言わなきゃ良かった…」と考えたのでした 。

 
「冗談もほどほどに」BAD

135: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:55:30.112 ID:q1dn044g0
唯(あー、一瞬冗談で死んだかと思ったら夢だったみたい)


律「犯人が分かっただと唯…!?」
 
憂「2人を殺した犯人ってこと…?まさか…この中にいるの…?」
 
唯「ん…まぁそうなるかな……」

澪「は…はは…もう疲れた私。……もう嫌だよ…」
 
唯「澪ちゃんっ!大丈夫だって…!犯人は…分かったんだから…」 

 
唯「…あずにゃんを部屋で撲殺し…和ちゃんを刺し殺した犯人……それは…」

136: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:56:38.376 ID:q1dn044g0
唯「……」
 
澪「…ゆ、唯?」
 
唯「……あずにゃんが殺された時さ、妙な違和感が残ってたんだよね」
 
律「へ?」
 
唯「…あの時は必死だったから…あまり考えなかったけど…」
 
唯「後々考えたらやっぱりおかしいなって…」
 
憂「お、お姉ちゃん…?」 
 
澪「…何が言いたいんだ唯は?」


 
唯「犯人…澪ちゃんだよね?」


 
澪「!!!」
 
律「なっ…!」
 
紬「澪ちゃんが…?」
 

139: 名無しさん 2020/07/30(木) 01:58:10.785 ID:q1dn044g0
澪「唯…冗談はよしてくれ!私は何も…」
 
唯「悲鳴」
 
澪「は?」
 
唯「私がドアを開けた時、澪ちゃん何してた?」
 
 
澪「何って…普通に後ろで…」
 
唯「ううん…そんなワケない…」
 
憂「お、お姉ちゃんどういうこと?」
 
唯「あずにゃんの悲惨な姿を見て…澪ちゃんが普通でいられるワケないもん…」
 
紬「…!」
 
澪「…」

141: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:00:00.847 ID:q1dn044g0
唯「悲鳴を上げないにしても、気を失うとか…何かしらあった筈だった」
 
澪「……」
 
唯「実際、和ちゃんを見つけた時澪ちゃんは悲鳴をあげてた…。
  でも、あの時の澪ちゃんは…いないようなもんだった…」
 
 
律「た、確かに…」
 
紬「よく覚えてないですけど…」
 
澪「……」
 
さわこ「でも唯ちゃん。それが澪ちゃんを犯人と言いつけるのは早くなくて?」
 
唯「…!」
 
唯「大丈夫。まだ続きがあるよさわちゃん」

142: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:01:11.285 ID:q1dn044g0
唯「そして不思議な違和感その2。さわちゃんの叫び声」
 
唯「あのあと、さわちゃんの叫び声が聞こえたんだけど…妙に声がこもってなかった?」
 
憂「た、確かに…」
 
律「…というか今さわちゃんの声かもわからなかったような…」
 
唯「そう…叫び声の正体はこれなの」カチッ
 
き ゃ あ あ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ
 
みんな「…!!」
 
紬「カセットテープ…」
 
律「どこにそんなものが…」
 
唯「さわちゃんが寝てたソファの裏に貼り付けてありました。
  遠隔操作ができるように細工されたカセットテープがね……」
 
さわこ「うそっ!遠隔操作できるツゴウノイイカセットテープなんてあるの!?」
 
憂「(…な、なんだかお姉ちゃんかっこいい!)」

143: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:01:45.936 ID:q1dn044g0
唯「恐らくさわちゃんは睡眠薬で眠らされたと思うよ。
  警察が後で缶ビール調べればわかると思うけど……」
 
紬「……」
 
さわこ「睡眠薬…」
 
唯「棚の中にありました。ごめんねムギちゃん!勝手に調べちゃった♪」
 
 
紬「い、いえ…」
 
律「でも唯。どうしてその……犯人はそんなめんどくさいことをしたんだ?」
 
澪「……」
 
唯「そこだよりっちゃん!それこそがこの事件の鍵を握ってるんだよ!」
 
 
律「はぁ?」

146: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:03:00.669 ID:q1dn044g0
唯「密室殺人…理由は色々あるんだろうけれども……
  やっぱり一番は自分が犯人だと思われたくないからじゃないかな」
 
律「…」
 
唯「澪ちゃんはみんながドアを開けた時、部屋の中にいたんだよ」
 
憂「えぇ!?」
 
さわこ「クローゼットの中ね…」
 
唯「はい。あずにゃんを殺した後、工作のために
  Uとダイイングメッセージを残してすぐにクローゼットの中に……」
 
唯「扉を開けたのを見計らって再生ボタンを押す。
  みんなが一階に降りると共に澪ちゃんも部屋を出て一階へ……」
 
律「な、なんか実感が湧かないが…」
 
さわこ「でもこの方法なら確かに密室は成立する…」

147: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:04:52.888 ID:q1dn044g0
唯「あとはみんなと一緒に事の成り行きを見守るだけ……ね、澪ちゃん?」
 
澪「………」
 
憂「澪さん…」
 
紬「澪ちゃん…」
 
澪「……ふふっ」
 
唯「…?」
 
澪「唯。その推理は完璧だよ…全く穴がない。だけどね?私がやったという証拠は一つもないんだろ?」
 
律「み、澪…」
 
唯「……」
 
澪「だいたい梓の扉を開けたとき、私はよく見えなかったんだ。前に唯や律がいたからね」
 
紬「澪ちゃん…」

150: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:06:19.121 ID:q1dn044g0
唯「さわちゃん……あずにゃんの顔…見た?右っかわが酷いくらいに腫れあがってたよね…」
 
さわこ「えぇ…右側頭骨もが割れたいたわね」
 
さわこ「…!!」
 
唯「気付いた?」
 
律「な、何だよ教えてくれよ…!」

唯「あずにゃんは扉の前で仰向けになっていた。そして足は扉側になっていたんだよ…」
 
さわこ「つまり梓ちゃんは死ぬ前…安心出来る相手と対面してたのよ」
 
唯「知らない人がきたら逃げてるもんね」
 
律「でもそれがどうして澪だってことに結びつくんだ?」
 
さわこ「対面した場合…右側頭部を殴れるのは左利きの人だけってこと」
 
律「あっ!!!」
 
澪「……………」

152: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:08:20.959 ID:q1dn044g0
澪「……和はどうなんだよ」
 
唯「…?」
 
澪「…和を殺したのも私だっていうのかっ!!!!!」
 
唯「そうだよ」
 
澪「……っ!」

唯「まず犯人は…和ちゃんを呼び出します」
 
唯「そして睡眠薬で眠らせた後、和ちゃんを背負って真ん中へと運ぶ…」
 
さわこ「背負って…!?」 
 
唯「調べたら…2つ浮かんだことがあるの」
 
唯「まず1つは…乾いた和ちゃんの靴」
 
唯「雪の上を歩いた筈なのに…一切濡れてなかったんだよ?」
 
紬「……じゃあ誰かが!」 
 
唯「そう。そしてもう1つ。これは誰にも言ってなかったんだけど…」
 
さわこ「…?」

唯「足跡が…明らかに大きかったんだ…和ちゃんの靴と比べて…」
 
さわこ「!!」
 
律「マ、マジか…」
 

 

154: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:09:27.439 ID:q1dn044g0
唯「……犯人は和ちゃんを降ろした後、寝てる和ちゃんお腹に後ろから抱くようにして刺し殺す…」
 
さわこ「返り血を浴びないためね」
 
唯「うん。そしてあまり足跡をつけたくないから」
 
唯「その後携帯で偽の遺書を書いて……慎重に足跡を踏んで戻ってきた……っていうわけ」
 
澪「…………」
 
唯「どう?澪ちゃん。あってる?」

澪「…………私がやったっていう証拠は?」ボソッ
 
唯「死後硬直は…死んでから約2時間後から始まる…だよねさわちゃん!?」くるっ
 
さわこ「あってるわよ唯ちゃん」
 
唯「つまり少なくとも5時から7時の間には殺されてないってこと」
 
澪「…は?」
 
唯「憂!りっちゃんと澪ちゃんが喧嘩してたのって何時だっけ?」
 
憂「…えっと…3時くらい…かな?」
 
唯「3時…ぴったりの時間だよね…」
 
澪「……」
 
律「け、喧嘩が関係あるのか?」

155: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:11:10.436 ID:q1dn044g0
唯「ん?あるよ?大アリだよ?」
 
律「…!!」
 
唯「…澪ちゃんはみんなが寝てから…静かにキッチンへと向かった」
 
唯「和ちゃんを眠らせるための睡眠薬の緑茶を作りに……」
 
紬「…!!」
 
唯「そして後は和ちゃんを呼ぶだけ…そんな時に事件は起こった…」
 
律「まさか…」
 
唯「寝付けないりっちゃんが起きてきたのだ」
 
憂「……」
 
唯「慌てて睡眠薬をしまう澪ちゃん。りっちゃんは何も気付かない」
 
律「わ、私は…」

156: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:12:18.705 ID:q1dn044g0
唯「そう。りっちゃんは澪ちゃんが少し目を離している隙に、
  睡眠薬入りの緑茶を飲んでしまったのだ!」
 
憂「……だから…!」
 
唯「まぁここらへんは憶測だけどね」
 
律「だ、大体合ってる……」
 
唯「まぁそれには澪ちゃん怒る怒る…。
  りっちゃんは意味が分からないから言い返したり何かして2人は喧嘩になる…」
 
唯「結局りっちゃんは部屋に帰って、和ちゃんを殺すため準備も出来た……」
 
唯「でも、そこで澪ちゃんは大事なモノを落としたわけですよ」
 
澪「…」
 
律「だ、大事なモノ…?」

157: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:13:44.784 ID:q1dn044g0
唯「これ……」
 
澪「……!!」
 
唯はポケットから太くて曲がった針金のようなものを取り出した 。
 
律「な、何だそれ?」
 
唯「ベースの弦を切って作ったピッキング用の棒…」
 
唯「棚の下にあったんだ、コレ…」
 
紬「……棚の下…!」
 
唯「りっちゃんが起きてきた時に落としたのかな?」
 
澪「………」
 
唯「恐らく……後で調べれば澪ちゃんの指紋がべったりとついてるはず」

澪「………」

唯「そしてムギちゃん…」
 
紬「えっ!?は、はい!」

158: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:14:12.690 ID:q1dn044g0
唯「辛かったよねムギちゃん…」
 
紬「え?」
 
唯「…マスターキーを持っているって時点で、みんなが自分を疑う」
 
唯「きっとそんなこと考えてたんじゃ?」
 
紬「そ、それは…」
 
唯「しかも……ムギちゃんは最初のさわちゃんのを見て、
  睡眠薬が使われてることに気が付いた…」
 
唯「睡眠薬が入ってる棚の鍵も…ムギちゃんが持っている。
  自分はそんなこと一切してないけど、もし誰かにバレたら……」
 
唯「…そんな不安が津波のように襲ってきたはず……」
 
紬「……」

160: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:16:00.030 ID:q1dn044g0
唯「ムギちゃん…もう大丈夫だから…」
 
紬「……」
 
紬「…うぅ……ぐすっ…」 
 
律「ムギ…」そっ
 
紬は人目をはばかることなく大声で泣き出した。
唯の一言で不安がざっと流れたのであろう。律は何も言わず優しく紬を抱きしめた 。

さわこ「さて―…」くるっ 
 
律「…澪」
 
澪「………ぁ…ぁああ、ぅ…ぅう…」
 
唯「澪ちゃん…自首しよ?2人を殺した罪を償うにはそれしかないよ…」
 
澪「ぁ…ゃ…ゃだ…なんっ、…何デ私…が…」プルプル
 
律「み、澪…!」
 
澪「全部お前が悪いんだああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
 
唯「ひっ」ビクッ
 
憂「み、澪さん…」
 
澪「お、お前がっ!!お前が梓と和ヲ……取るから…!!!!
  ワタシの2人を…!!2人を奪ったから…!!!」


 

161: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:16:34.295 ID:q1dn044g0
唯「澪ちゃん!しっかりして!?何を言ってるか分からないよ!」
 
澪「梓も…のどっ…和も……ワタシのことが好きなのに……!!
  お前がキたから…みんなワタシから離れて…!!」ガクガク
 
 
唯「…な、なんで…」
 
律「澪は…梓に愛されていた唯に嫉妬していたんだ…!多分和も同じ理由だ…!!」
 
澪「うわあああぁあ、ああああかえせぇええぇえ!!!!」
 
紬「ダメっ!混乱してるわこの子…!」

166: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:18:27.498 ID:q1dn044g0
唯「澪ちゃん!あずにゃんも和ちゃんも澪ちゃんが好きだったよ!!
  澪ちゃんの勘違いだよそれは!!」

唯「ていうかだったら私を殺せよ馬鹿!」
 
澪「うるさああああああぁあ、あぁぁいいいぃ!!!!!」ガシッ


澪「お前さえ!!オ前さえいなくナレば!!!!!!!」グググ…
 
唯「く、苦し……」
 
さわこ「離れなさい!!澪ちゃん!!」ガシッ
 
律「澪っ!!やめろ!!」 
 
唯「………ぅ」
 
律とさわこが必死で澪の体を唯から離そうとしても
霊のようにくっついた澪はビクともしなかった…。
唯の顔の前で憂が何度も呼びかける。しかし唯の意識は薄れていった……………
 
…………
 
………
 
……
 

167: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:19:29.676 ID:q1dn044g0
…唯っ!…唯っ!
 

誰かが私を呼ぶ。眠たい目を無理やり起こす。目の前には。

 
澪「唯っ!起きろ!もうすぐ着くぞ!?」
 
唯「へ…?こ、ここは…?」キョロキョロ
 
澪「ばか!これからスキーに行くんだろ!?まだ寝ぼけてるのか?」
 
唯「…………」
 
唯は不思議な気持ちになりながらも、まわりを見回してみた。
トランプをしている律と紬と和…。
窓の景色を眺めてる憂と梓。そして澪 。

168: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:20:32.665 ID:q1dn044g0
唯「これからスキー場に行くの?」
 
澪「あぁそうだよ。まだ寝ぼけてるのか?」
 
唯「……じゃあこれから楽しくなるの…?怖い思いしなくていいの?」
 
澪「…ふふ…何をバカ言ってるんだ唯は…」
 
唯「……」
 
ああ、そうか。あれは夢だったんだ。
あずにゃんが死ぬのも和ちゃんが死ぬのも見ないで済むんだ…… 。
 
唯はそんなことを胸の中で思いながら安堵の表情をついた 。
 
澪「そう…これから楽しくなるんだよ…楽しくね…………」
 
 
 
「正夢」END

172: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:22:49.019 ID:q1dn044g0
おまけ

唯「澪ちゃん。これから悪いことしようとしてるのならやめたほうがいいよ?」

澪「は?別に私は悪いことなんて考えてないぞ」

唯「だったらいいけど、1レス目から勘のいい人なら澪ちゃんが犯人だって気付いてたと思うよ」

澪「は?」

唯「ヒントは縦読みね」

澪「…………あっ」


おしまい

170: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:20:59.766 ID:vMbbsgDc0
憂の思わせぶりな感じは何だったの?

173: 名無しさん 2020/07/30(木) 02:23:51.815 ID:q1dn044g0
>>170
実は途中で憂が唯を守るために途中で唯に変装してます
どこら辺かはあえて言いませんが