1: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:42:02.72 ID:AhK40PSco
放送「本日、12:30、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました」

放送「住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難してください」


放送「繰り返しお伝えいたします…」



シンジ「…よりによってこんな時に見失うだなんて、まいったな…!」



シンジ「ミサトちゃん!ミサトちゃーん!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1606056122

引用元: ・シンジ「君が、葛城ミサトちゃんだね」

2: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:50:29.02 ID:AhK40PSco
電話「特別非常事態宣言発令のため、現在すべての通常回線は不通となっております」

ミサト「…だめか」

手元にシンジの写真と父親からの手紙

ミサト「…やっぱり、来るんじゃなかった…」


ミサト「……シェルターに…行ったほうがいいわよね」

爆風

ミサト「あぅ…っ、」

使徒が歩いている

ミサト「な……!」

3: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:52:34.17 ID:AhK40PSco
オペレータ「正体不明の移動物体は依然本所に対し進行中」

ケンスケ「目標を映像で確認。主モニターに廻します」

カヲル「15年ぶりだね」

葛城「間違いない……使徒だ」



国連軍「目標に全弾命中!……ぐわあっ!」

激しい戦闘

ミサトの前に車が止まる


シンジ「ミサトちゃんっ!怪我はない!?」

4: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:55:06.86 ID:AhK40PSco
ケンスケ「目標は依然健在。現在も第3新東京市に向かい、侵攻中」

オペレータ「航空隊の戦力では足止めできません!」

司令官「総力戦だ!厚木と入間も全部挙げろ!」

司令官「出し惜しみは無しだ!なんとしても目標を潰せ!」

攻撃をものともしない使徒。

司令官「なぜだ!直撃のはずだ!」

司令官「戦車大隊は壊滅、誘導兵器も砲爆撃もまるで効果なしか」

司令官「ダメだ!この程度の火力では埒があかん!」

カヲル「やはり、A.T.フィールド…」

葛城「ああ…使徒に対して、通常兵器での攻撃は通用しない」

司令官「分かりました、予定通り発動いたします」

カヲル「……連中、痺れを切らしたようだね」

5: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:56:04.08 ID:AhK40PSco
シンジ「まさかっ、N2地雷を…!?」

シンジ「伏せて!!!」



司令官「やった!」

司令官「残念ながら、君たちの出番はなかったようだな」

オペレータ「衝撃波、来ます」



シンジ「……けほっ…大丈夫だった…?」

ミサト「……はい、なんとか…」

シンジ「よし…怪我も…、ないね。良かった」

シンジ「ちょっと待っててね、今、これを…!……」

横転した車。

6: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:57:03.48 ID:AhK40PSco
シンジ「ふぐ…っ!」

シンジ「んぐ…っ!」

シンジ「はぁ…はぁ…」

ミサト「……」

ミサト「……あ、あの…手伝います」

シンジ「ご…ごめんね…!じゃあ…」

シンジ・ミサト「…せーのっ!」



シンジ「…ハァ、ハァ…ありがとう、ミサトちゃん。助かったよ」

ミサト「いえ、わ、私の方こそ。その、碇さん」

シンジ「…シンジでいいよ。…あらためて、よろしくね。葛城ミサトちゃん」

ミサト「はい!…し、シンジさん」

7: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:58:04.98 ID:AhK40PSco
司令官「その後の目標は?」

オペレータ「電波障害のため、確認できません」

司令官「あの爆発だ。ケリはついてる」

ケンスケ「センサー回復します」

オペレータ「爆心地に、エネルギー反応!」

司令官「なんだとぉっ!」

ケンスケ「映像、回復します」

司令官「おお…」

司令官「われわれの切り札が…」

司令官「なんてことだ…」

司令官「化け物め!」

8: ◆gcWj88zLkc 2020/11/22(日) 23:59:03.80 ID:AhK40PSco
(通話)

シンジ「……うん。なんとかなったよ…はは…ありがとう心配してくれて。うん、ミサトちゃんも無事」

シンジ「うん…え…悪いよ……確かに、そのほうが早いけど……あ、ごめんそれは……途中で車が……うん、うん……分かったよ…じゃあよろしく。また本部で」

シンジ(はぁ…大切に乗ってたのになぁ…ボコボコだ……。長く乗った車だから愛着があるけど…修理はもう無理かな…)


シンジ「…買い換えどきか…」

ミサト「えっ?」

シンジ「あ…なんでもないよ、別に…!はは」

ミサト「……」

シンジ「あれっ、ミサトちゃん…」

シンジ「擦りむいてるじゃないか、ここ」

ミサト「あ…いえ、平気です!ほんとに少しですから」

9: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:00:04.68 ID:+9cFPgW3o
シンジ「そういうわけには…。ちょっと待ってね、確かここに…」ガサゴソ

シンジ「あった!…はい、絆創膏」


ミサト「あ……ありがとう、ございます…」


シンジ「……ごめんね。来て早々、嫌な思いばかりさせちゃって」

ミサト「そんなこと……私より、シンジさんが…」

シンジ「はは……僕は、これが仕事だから」

ミサト「……」

シンジ「優しいね、ミサトちゃんは…」

ミサト「えっ」

シンジ「ありがとう、心配してくれて」

10: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:01:05.13 ID:+9cFPgW3o
カヲル「予想通り、自己修復中か…」

葛城「そうでなければ単独兵器として役に立たない」

カヲル「ごらんよ…機能増幅まで可能なようだ」

葛城「…知恵をつけてきたな…」

カヲル「再度進攻は、時間の問題だね」



アナウンス「ゲートが閉まります。ご注意ください。発車いたします…」

ミサト「…特務機関、ネルフ…」

シンジ「うん。国連直属の非公開組織なんだ」

ミサト「父のいるところですよね…」

シンジ「そう…お父さんから仕事のこと、聞いてる?」

ミサト「人類を守る大事な仕事だ、って……おじさんから」

シンジ「…そう……」

11: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:02:04.75 ID:+9cFPgW3o
司令官「今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう」

葛城「了解しました」

司令官「葛城君、われわれの所有兵器では目標に対し有効な手段がないことは認めよう」

司令官「だが、君なら勝てるのかね?」

葛城「そのためのネルフです」

司令官「期待しているよ」

オペレータ「目標は未だ変化なし」

トウジ「現在迎撃システム稼働率7.5%」

カヲル「国連軍もお手上げのようだ…どうする?」

葛城「…初号機を起動させる」

カヲル「初号機を?パイロットは不在では?」

葛城「……じき到着する」

12: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:03:04.79 ID:+9cFPgW3o
ミサト「…これから父のところへ、行くんですか…?」

シンジ「…そうだね、すぐには…会えないかもしれないけど」

ミサト(…お父さん…)

シンジ「あ、そうだ、お父さんからIDは貰ってない?」

ミサト「あ、はい、あります…」

シンジ「…うん、確かに。じゃ…ミサトちゃんには、これを」

ミサト「ネルフ?お父さんの仕事場で…何かするんですか?私が?」

シンジ「……」

ミサト「…そう、ですよね…用もないのに…手紙なんてくれるわけない」

13: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:04:03.83 ID:+9cFPgW3o
シンジ「…用もないのに、手紙のやりとり」

ミサト「えっ?」

シンジ「してみたいよね。……大したことじゃなくたっていい…とにかく元気か、くらいの言葉があれば…」

シンジ「僕の父も、そういう人だったから。もういないけど」

ミサト「……」

シンジ「……必要、なんだと思うよ。きみの力が」

ミサト「必要……」


ミサト(…捨てられた私が?)

14: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:05:06.80 ID:+9cFPgW3o
ミサト「……!すごい…ジオフロント…!」

シンジ「うん…これが僕たちの秘密基地、ネルフ本部…世界再建の要、人類の砦となる場所…」



シンジ「ちょっと待っててね……確か…内通は…っと…」


アナウンス「セントラルドグマの閉鎖通路は現在…」

シンジ「ごめんね、まだ慣れてなくて」

ミサト「いえ……」



アナウンス「技術局第一課E計画担当の綾波レイ博士、綾波レイ博士、至急作戦部第一課碇シンジ一尉までご連絡ください」

レイ「……」

15: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:06:04.59 ID:+9cFPgW3o
シンジ「あ……ごめん綾波、泳いでたの…?」カァ

レイ「15分の遅刻」

シンジ「うっ……ごめん…!」

レイ「…例の女の子ね」

ミサト「あ…うん、マルドゥックの報告書による、サードチルドレン」

レイ「よろしく」

ミサト「は、はい…よろしくお願いします…」

16: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:07:07.67 ID:+9cFPgW3o
シンジ「コミュニケーションに概ね問題はなさそうだよ……しっかりしてるし」コソッ

レイ「……」

シンジ「…何?」

レイ「似てなくてよかったわね」

シンジ「な…、何も言ってないじゃないか…!」

レイ「あなた司令が苦手だものね……」

シンジ「……」



葛城「渚……後を頼む」

カヲル「3年ぶりの対面か…」

トウジ「目標が再び移動を開始」

カヲル「…よし、総員第一種戦闘配置」

17: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:08:03.93 ID:+9cFPgW3o
アナウンス「繰り返す、総員第一種戦闘配置。対地迎撃戦用意」


シンジ「…上はどうなってるの?」

レイ「やっとこちらに指揮権を渡したそうよ」

シンジ「…今、初号機は?」

レイ「B型装備のまま、現在冷却中」

シンジ「あれを使うの? まだ一度も動いたことないじゃないか」

レイ「起動確率は0.000000001%」

シンジ「…オーナインシステムか……本当に動くの?」

リツコ「可能性はゼロではないわ」

シンジ「……どの道…もう、動きませんでした、では済まされないか…」

18: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:09:03.82 ID:+9cFPgW3o
ミサト(う…わ、何も見えない…)


ミサト「えっ、顔…?ロボット……!?」

レイ「探しても、載ってないわ」

ミサト「えっ?」

レイ「人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏で行われた」


レイ「私たち人類の、最後の切り札」

ミサト「……これが、お父さんの…仕事……?」

葛城「そうだ」

ミサト「……!」

葛城「……よく来た」

19: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:10:04.44 ID:+9cFPgW3o
ミサト「お父さん…」

葛城「出撃だ……」

シンジ「出撃!?そんな…!零号機は凍結中のはず…まさか、初号機を…?」

レイ「……ほかに道はない」

シンジ「でも!リツコちゃんはまだ…!無理だよ!あの状態では、とても…!」

レイ「……新しいパイロットは到着した」

シンジ「な…っ」

レイ「葛城ミサトさん」

ミサト「え……」

レイ「あなたを、エヴァンゲリオンの正式なパイロットとして、ここに迎えます」

20: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:11:07.93 ID:+9cFPgW3o
ミサト「は……」

シンジ「そんな!!……ミサトちゃんは今ここに着いたんだよ!?リツコちゃんでさえ、エヴァとシンクロするのに7ヶ月もかかったっていうのに…!この子には無理だよ!!!」


レイ「座っていればいいわ。それ以上は望まない」

シンジ「でも…!」

レイ「今は使徒撃退が最優先事項。そのためには誰であれ、エヴァとわずかでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしか、方法はない」

レイ「分かっていたはずよ、碇一尉」

シンジ「……っ」

21: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:12:04.56 ID:+9cFPgW3o
ミサト「…っ、お父さん…なぜ呼んだの…?」

葛城「……話は聞いたはずだ」

ミサト「お父さんからは聞いてないわよ……!私に…これに乗って戦えって言うの?さっきの化け物と!」

葛城「…そうだ」

ミサト「………いやよっ!そんなの……!何?なんでそうなるのよ、今更、いまさら……私を捨てたんじゃなかったの!!?」

葛城「……捨てた覚えはない」

ミサト「なぜ、私なの?」

葛城「お前にしかできないことだからだ」

ミサト「……無理よ…っ!そんなの…見たことも、聞いたこともないのに、できるわけない!」

22: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:13:03.46 ID:+9cFPgW3o
葛城「……綾波博士」

レイ「はい」

ミサト「嫌っ!いや…!触らないで…!絶対に乗らない……!」

葛城「ミサト…説明を受けるんだ」

ミサト「嫌よ!!できっこない…こんなの乗れるわけない!!!死ぬなんて嫌よ!!!」

葛城「……」

葛城「………分かった」

ミサト「えっ…」

23: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:14:05.52 ID:+9cFPgW3o
葛城「配属は取り消す」

ミサト「…!」

葛城「帰りなさい」

葛城「ここにお前の居場所はない」


地響き。


葛城「ここに気付いたか…」


ミサト(……)

ミサト「……、…!」

24: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:15:05.54 ID:+9cFPgW3o
レイ「混乱は分かるわ。でも迷っている時間はないのよ」

ミサト「でも………そんな、だって…わたし…」

シンジ「………無理だよ、綾波…!この子は本当に…何の訓練も受けてない、普通の…!」

レイ「では、赤木リツコを向かわせる?」

シンジ「………!」

レイ「二つに一つよ」


ミサト(居場所がない……また、失うの…?)

ミサト(でも……できるわけ……)

25: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:16:03.73 ID:+9cFPgW3o
葛城「渚、リツコを」

カヲル「……繋がってるよ」

葛城「リツコ」

リツコ「…はい」

葛城「悪いが、もう一度だ」

リツコ「はい」



レイ「初号機のシステムを赤木リツコに書き直して、再起動!」

ヒカリ「了解。現作業中断。再起動に入ります」

ミサト(……私が……逃げ出したから…)

ミサト「また………捨てられる」

26: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:17:04.97 ID:+9cFPgW3o
運ばれてくる少女

衝撃。鉄骨が落下する

シンジ「ミサトちゃん!!」

ミサト「きゃあぁっ!」


オペレータ「エヴァが動いた!どういうことだ!?」

オペレータ「右腕の拘束具を引きちぎっています!」

レイ「まさか、ありえない…!エントリープラグの挿入もなしに…!」

シンジ「………!守ったのか……?彼女を…インターフェースもなしに……これなら…!」

シンジ(いけるかもしれない…!)

少女に駆け寄るミサト

リツコ「………ぅ、……」

ミサト「………!!」

ミサト(……ちゃ…だめ…、逃げちゃ駄目…泣いちゃ駄目、甘えちゃ駄目…っ!)

ミサト「…やります、私が乗ります…!」

27: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:18:04.60 ID:+9cFPgW3o
オペレータ「冷却終了」

オペレータ「右腕の再固定完了」

オペレータ「ケイジ内、すべてドッキング位置」

ヒカリ「停止信号プラグ、排出終了」

オペレータ「了解。エントリープラグ挿入」

オペレータ「脊髄連動システムを解放。接続準備」

オペレータ「プラグ固定終了」

オペレータ「第一次接続開始」


ヒカリ「エントリープラグ、注水」

ミサト「…う、わっ…!何ですか!?これ」

レイ「大丈夫。肺がL.C.L.で満たされれば、直接血液に酸素を取り込んでくれる。すぐに慣れるわ」

ミサト「うぷ………」

シンジ「……」

28: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:19:06.82 ID:+9cFPgW3o
オペレータ「主電源接続!」

オペレータ「全回路、動力伝達」

レイ「了解」

ヒカリ「第二次コンタクトに入ります」

ヒカリ「A10神経接続、異常無し」

レイ「思考形態は、日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト、すべて問題なし」

ヒカリ「双方向回線開きます。シンクロ率、41.3%」

レイ「逸材ね…」

ヒカリ「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません」

レイ「いけるわ」

シンジ「うん……発進、準備!」

29: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:20:04.68 ID:+9cFPgW3o
オペレータ「発進準備!」

オペレータ「第一ロックボルト外せ!」

オペレータ「解除確認、アンビリカルブリッジ、移動開始」

オペレータ「第二ロックボルト外せ!」

オペレータ「第一拘束具除去。同じく、第二拘束具を除去」

オペレータ「1番から15番までの安全装置を解除」

オペレータ「内部電源、充電完了」

オペレータ「外部電源用コンセント、異常無し」

ヒカリ「了解、エヴァ初号機、射出口へ」


ヒカリ「進路クリアー、オールグリーン!」

レイ「発進準備完了」

シンジ「了解」

30: ◆gcWj88zLkc 2020/11/23(月) 00:21:04.48 ID:+9cFPgW3o
シンジ「本当に…いいんですね…?」

葛城「…使徒を倒さぬ限り、われわれに未来はない」

カヲル「お手並み拝見といこうか…」


シンジ「発進!」

ミサト「…ぐっ、う…っ」


シンジ(ミサトちゃん……死なないで…!)






壱話分終わり