347: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:19:40.87 ID:cz0sIMeu0
シンジ「(なんかあっさり勝てちゃったな…
     あのカブトガニ、もっと強かったような気がしたけど。
     鞭もATフィールドで防げちゃったし。
     前はATフィールドごと機体貫通されちゃったのに。
     シンクロ率高いとATフィールドの強度も上がるのかな。
     "前"のこの時と比べると、今はシンクロ率倍近く高いしね。
     ああ、そういえばあの時トウジとケンスケ乗せてたんだっけ…
     ……トウジ…ケンスケ…
     この頃から二人と仲良くなったんだよな…
     それからしばらくは色々あっても結構楽しくやっていた気がする。
     アスカも…アスカとは最初からずっとケンカばっかりだったけど
     そんなに険悪なものじゃなかった。
     トウジ…ケンスケ…アスカ……どこでおかしくなったんだろう…
     やっぱり参号機…?あれにトウジが選ばれて……
     足…トウジの足……僕が…………
     ……また死にたくなってきた)」

引用元: ・冬月「今なら俺も初号機に乗れそうな気がする」

348: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:20:22.17 ID:cz0sIMeu0
シンジ「(そもそも何でトウジがパイロットに…?
     僕が選ばれたのはきっと初号機のコアに母さんがいるから…
     じゃあトウジも…?
     いや、参号機が完成したばかりだって聞いた。
     トウジのお母さんはもうずっと前に亡くなったって…
     …エヴァのコアにいるのは母親でなくてもいい…?
     そう、綾波なんてそもそも母親が存在しないわけだし
     …そうだ、相互間実験…綾波は初号機にも乗れたんだ
     僕は暴走しちゃったけど、きっとシンクロできる可能性があるから
     実験に参加させられたんだろうし。そしてアスカだけは不参加だった。
     …やっぱりエヴァとの適正は血縁的なものに関係あるんだ…
     じゃあトウジは……わからない…今度訊いてみよう。副司令に)」

350: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:22:28.00 ID:cz0sIMeu0
シンジ「(副司令…そうだ、今回の戦い
     一応副司令の言うとおりに出来たと思うんだけど、どうかな。
     多分、これで葛城さんが作戦部長降ろされるんだろうな。
     副司令も人の良さそうな顔して結構腹黒いよね。でも、仕方ないよね。
     勝つためには先を知ってる副司令が指揮をとらないと。
     葛城さんじゃ勝っても無駄な損害が多くなるだろうし。
     葛城さん一人の私怨の為にみんなに危ない橋は渡らせる訳にはいかないよ。
     作戦部長降ろされた後はどうなるんだろう…?
     昨日まで上司だった人がいきなり同僚や部下になっても
     本人も周りの人もやりにくいだろうし
     きっと違う支部にでも飛ばされるのかな…?
     …もう葛城さんと会うことは無いかもしれないな)」

351: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:23:26.18 ID:cz0sIMeu0
・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

コウゾウ「入りたまえ」

ガチャ

ミサト「…失礼します」

コウゾウ「なぜ呼ばれたかわかっているね?」

ミサト「…はい」

コウゾウ「そうか、話が早くて助かる。では、辞表をもらおうか」

ミサト「はァ!?」

コウゾウ「……」

ミサト「…は?……え、辞表?」

コウゾウ「…わかっていないではないか…」

353: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:25:37.60 ID:cz0sIMeu0
ミサト「ま、待ってください!
    私に至らなかった点があることは認めます!
    ですが解雇とはあまりにも…

コウゾウ「初号機の小破、周辺地域への被害。
     君が出した作戦の結果がこれだよ」

ミサト「使徒と戦う上である程度の損害は…

コウゾウ「指揮官にあるまじき感情的な言動」

ミサト「サ、サードチルドレンのあのような勤務制度では
    作戦部との意思疎通、潤滑な命令伝達もままならず…

コウゾウ「話をすり替えるな葛城君。
     それにシンジくんは君の命令に忠実に行動していたではないか。
     命令の伝達に何の問題もなかった」

ミサト「くっ…!」

コウゾウ「さらに君は指揮権を剥奪された後も発言、指揮系統を混乱させた」

ミサト「……」

コウゾウ「『至らなかった点がある』どころの話ではない。
     至る点が一つもないではないか」

354: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:26:25.19 ID:cz0sIMeu0
コウゾウ「依願退職の形にするのはこちらの善意だ」

ミサト「…お願いします!どうか御再考を

コウゾウ「わかった、懲戒免職の方が良いのだな。
     下がりたまえ」

ミサト「なっ…!?」

コウゾウ「正式な処分は碇が戻ってから通達されるだろう。
     下がりたまえ」

357: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:30:41.22 ID:cz0sIMeu0
・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・

ミサト「……」

リツ子「…どうだった?」

ミサト「…クビ」

リツ子「…でしょうね。
    これからどうするの?」

ミサト「…ちょっち用意してもらいたい物があるんだけど」

リツ子「私に?」

ミサト「そう、リツ子にしか頼めないわ」

359: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:34:19.22 ID:cz0sIMeu0
リツ子「私にしか用意できない物?
    …一般人になったあなたに渡してもいい物かしらそれ」

ミサト「……お願い」

リツ子「ネルフの機密をできる限り握って
    それを別の組織に売り込んで再起を図る、なんて言うんじゃないでしょうね?」

ミサト「……」

360: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:39:12.52 ID:cz0sIMeu0
リツ子「悪いけど、協力はできないわね。
    そんなこと私がOKすると思った?」

ミサト「なりふり構ってらんないのよ!」

リツ子「…出てってくれるかしら」

ミサト「リツ子!!」

リツ子「復讐なんて不毛なこと、もうおやめなさい」

ミサト「私はそれだけの為に生きてきたのよ!
    私から父と青春を奪った使徒に復讐するために!
    ここで降りたら私の今までの人生を全て否定することになる、それだけは…!」

リツ子「今までのことより、今からのことを考えなさい」

ミサト「…………もういいわ。
    悪かったわね、変なこと頼んで。…行くわ」

リツ子「どうしてもやめられないのね」

ミサト「……」

リツ子「長い付き合いだったわね」

362: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:43:15.15 ID:cz0sIMeu0




・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

ゲンドウ「…どうだった?」

コウゾウ「被害は軽微。滞りなく終わったよ」

ゲンドウ「葛城君は?」

コウゾウ「全てシナリオ通りだ」

ゲンドウ「そうか」

コウゾウ「…次は赤木博士だな」

ゲンドウ「…ああ」



                               .第七話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

364: 名無しさん 2010/11/28(日) 15:56:57.91 ID:nheHkjst0
・・・・・・<予告>・・・・・・

◇「戻ってきたゲンドウ
  解雇されたミサト
  絆を求めるレイと、他人を拒絶するシンジ
  それぞれの運命は…?
  そして突如上空に出現した僕。
  全使徒中、ゼルエルに次ぐ実力と、タブリスに次ぐ人気を持つ僕に対し
  シンジとレイとコウゾウはどう立ち向かうのか!?
  次回、最終回『決戦、第3新東京市』
  この次もみーんなで見てね!」

390: 名無しさん 2010/11/28(日) 20:49:17.34 ID:nheHkjst0
・・・・・・<市内、とあるホテルの一室>・・・・・・

リツ子「…次の使徒?」

ゲンドウ「委員会からの情報だ」

リツ子「詳細を知りたいのですが」

ゲンドウ「文書に起こすことは出来ん。
     私と冬月しか知ることを許されていない」

リツ子「……」

ゲンドウ「冬月がその情報を元に作戦を練っている。
     君は冬月の指示に従ってくれ」

リツ子「…わかりました」



・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

ゲンドウ「…といった感じで説得した。色々突っ込まれたが」

コウゾウ「どうやってかわした?」

ゲンドウ「細かいことは冬月に訊けと

コウゾウ「おい」

391: 名無しさん 2010/11/28(日) 20:50:58.12 ID:nheHkjst0
・・・・・・<シンジの部屋>・・・・・・

シンジ「(次の使徒…どうするのかな…
     さすがにあれは正攻法じゃ勝てる気がしないよ。
     地上に射出されて数秒でやられたからね。
     またヤシマ作戦かな…?
     あれでもまた成功させる自信ないな…
     綾波も死にかけたし…
     ……まあ…副司令ならうまくやってくれるかな)」

393: 名無しさん 2010/11/28(日) 20:52:56.40 ID:nheHkjst0
シンジ「(…………それにしても暇だな。
     学校は絶対に行きたくないし。
     宿舎だとチェロも弾けないし。
     …部屋変えてもらおうかな。
     綾波が本部に来る度ここ訪ねてくるのもうっとおしいし。
     それに常時地下っていうのもね
     この鬱屈とした気分を作ってる一因のような気がする。
     別に外に出たいわけでもないんだけど…
     …副指令に相談してみるかな)」

ピッ ピッ ピッ
…プルルルルルルル…プルルルルルルル…プルルルルルルル…

シンジ「(…いない。父さんの所かな…?
     そういえば前に司令室直通の回線教えてもらったな。
     かけてみよう)」

ピッ ピッ ピッ
…プルルルルル・ガチャ

シンジ「…あ、父さん?僕。副司令いる?
    いない?じゃあいいや」

ガチャ

・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

…ツー、ツー

ゲンドウ「…………何故だ」

396: 名無しさん 2010/11/28(日) 20:59:10.40 ID:nheHkjst0





コウゾウ「…昨夜シンジくんから電話があってな」

ゲンドウ「なに!?」

コウゾウ「な、なんだ」

ゲンドウ「あ、いや……昨日の昼過ぎにここにもシンジから電話がきて
     お前はいないかと言われてな…」

コウゾウ「そうか、悪かったな」

ゲンドウ「…で、なんだと?
     (私ではなく冬月でないといけない用件とは一体…?)」

コウゾウ「住所を地上に変えてくれないかとな」

ゲンドウ「な…
     (そんなもの私に言えばいいではないか…!
      むしろ私に相談すべき内容ではないか!なぜ冬月に!?)」

401: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:01:45.57 ID:nheHkjst0
コウゾウ「外に出ることはシンジくんの精神的にも良い傾向だと思ってな。
     了承しておいたよ」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「そういえばレイも、もうあの廃屋に住まわせる必要はなかろう。
     レイも新しい部屋に引越しさせるか」

ゲンドウ「…その必要はない」

コウゾウ「ん?何故だ」

ゲンドウ「レイもシンジも私の家に住めばよい」

402: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:04:31.64 ID:nheHkjst0
コウゾウ「おい馬鹿やめろ」

ゲンドウ「何故だ。親子なのだから一緒に住むのは自然なことだ」

コウゾウ「そんなことを言い出したらシンジくんが
     引越しをやめてまた宿舎に篭もりっきりになるぞ。
     せっかく外に出ようとしているというのに」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「そういうのはもっと時間をかけて
     お前がシンジくんと打ち解けてからにしろ」

ゲンドウ「むう…ならばレイだけでも…」

406: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:09:10.58 ID:nheHkjst0
コウゾウ「やめろ」

ゲンドウ「何故だ」

コウゾウ「レイも最近は少しずつ感情を表すようになって
      周りの色んなものに興味を持ち始めてきた
      人格の形成途上のような状態だ。
      そんな時にお前との同居がいい影響を与えるとは思えんな。
      お前のその捻じ曲がった性格と嗜好がレイにまで移ったらどうする」

ゲンドウ「…最近口が悪くなってきたな冬月」

410: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:13:27.81 ID:nheHkjst0
コウゾウ「しかしシンジくんとレイの同居はいいかもしれんな。

ゲンドウ「なに?」

コウゾウ「前にも言ったが、やはりシンジくんは絶対に学校へ行かせるべきだ
     レイと一緒に住めば、レイが毎日学校へ行っているのに
     シンジくんだけ家に引き篭もっているのも居心地悪かろう。
     自然と学校へ行かざるをえまい」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「それに、レイからもう何度も泣きつかれてるのだよ。
     『お兄ちゃんが学校に来ない』『お兄ちゃんが私を避けている』
     『やはり私はヒトではないから』と。
     可哀相で見ておれんよ」

ゲンドウ「おい冬月」

コウゾウ「なんだ」

ゲンドウ「随分とシンジとレイに入れ込んでいるではないか」

コウゾウ「何を言っている?
     これからはシンジくんとレイを幸せにするために生きると言ったのはお前ではないか。
     お前は何をしてるんだ」

ゲンドウ「……私は何をすればいいのでしょう先生…」

413: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:16:28.09 ID:nheHkjst0
コウゾウ「何はともかくまずは明日の使徒戦が片付いてからだな」

ゲンドウ「どうするのだ?」

コウゾウ「既にライフルは地上に設置済みだ。
      発令所から遠隔操作で照準を合わせ発射できるように改良してある」

ゲンドウ「遠隔操作?エヴァを使わないのか」

コウゾウ「ATフィールドの中和が必要ないのだから
      エヴァを使う必要もあるまい。
      今回は前もって蓄電してあるから停電の必要もない」

ゲンドウ「盾は?」

コウゾウ「盾は赤城博士に一任したよ。機動性は問わず出来るだけ頑丈な物をと。
      少なくとも"前"の急ごしらえの盾よりは頑丈な物が出来るだろう。
      おそらく使うことにはならんがな。念のためだ」

ゲンドウ「零号機の再起動実験は?」

コウゾウ「スケジュールは変更したよ。射手は必要ないからな」

415: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:20:59.34 ID:nheHkjst0




ラミエル「らーらー」

・・・・・・<発令所>・・・・・・

シゲル「目標、射程距離圏内まであと100!
    ……50…20…

コウゾウ「発射!!」

バシューン

ラミエル「きゃー」

マヤ「パターン青、消滅」

シンジ「(…え?これで終わり?
     ……さすが副司令)」

419: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:23:17.01 ID:nheHkjst0
アスカ「(…10日後には日本、か……。
     もう最初っからミサトん家に住まわせてもらおっかな
     1ヶ月後にはどうせ住むことになるんだし…)



                               .最終話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

418: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:23:04.22 ID:Pf/8AfulP
この方法で他の使徒もだいたい倒せる気がしてきた

434: 名無しさん 2010/11/28(日) 21:31:13.46 ID:nheHkjst0
ゲンドウ「>>418

コウゾウ「今回の戦法は、第五使徒のように動きが緩慢で
      なおかつ攻撃パターンも決まっているような相手にしか使えんよ。
      エヴァで牽制・誘導してライフルで狙撃といった使い方はできるかもしれんが
      あまり有効的ではないな」

ゲンドウ「それより本当に最終話なのか」

コウゾウ「ああ、日曜日ももうすぐ終わるからな」

554: 名無しさん 2010/11/30(火) 17:50:40.51 ID:bcyhSzTO0
・・・・・・<オーバー・ザ・レインボー>・・・・・・

アスカ「(初戦は問題ないわね。
      そもそも船から落とされずに勝てるわ、きっと。
      今ならあの第14使徒にだって勝つ自信があるもの。
      弐号機にはママがいるから。
      こっち来てからはシンクロ率は常時99%。
      きっとアタシが弐号機のママの存在を認めたから。
      こんな簡単なことだったなんて。
      "前"の時、シンクロ率で一喜一憂してたのがアタシが馬鹿らしく思える。
      エリートだからパイロットに選ばれた、その誇りも…
      アタシがパイロットに選ばれたのはエリートだからじゃない。
      弐号機にママがいるから。それだけのこと。
      シンジにもまるで見当違いの対抗心なんか燃やしちゃって、バカみたいね)」

555: 名無しさん 2010/11/30(火) 17:51:21.22 ID:bcyhSzTO0
アスカ「(シンジか…
      弐号機にアタシのママがいるってことは、きっと初号機には……
      …アイツも結構悲惨な奴なのよね…
      半ばムリヤリ命懸けで戦わされて
      ジャージ…友達を自分の手で殺させられて…
      しかも自分のパパに。
      でも、だからといってアタシとファーストを置いて逃げたのは許せないわ…!
      最後の時だってどこで何してたのよ!
      極めつけは気付いてみたらアタシの首絞めてるし…
      まあ、あの時のアイツがまともな状態じゃないのは一目でわかったけど
      それでも…ねえ……
      ……アイツ、もしかして今もあの世界で一人なのかな……)」

557: 名無しさん 2010/11/30(火) 17:52:51.71 ID:bcyhSzTO0
・・・・・・<副司令執務室>・・・・・・

シンジ「…僕じゃなきゃ駄目ですか?」

コウゾウ「あの時の戦闘の記録は私も見たが
      さすがに水中の様子まではわからなかったからね。
      詳しいことはシンジくんしかわからんのだよ」

シンジ「……わかりました」

コウゾウ「すまんね」

シンジ「いえ…」

560: 名無しさん 2010/11/30(火) 17:54:43.43 ID:bcyhSzTO0
・・・・・・<シンジの部屋>・・・・・・

シンジ「アスカ…
    "前"の時、僕はアスカと綾波を残して逃げ出した…
    精神汚染を受けて泣き叫ぶアスカを僕はただ見ていた…
    最後の戦いでもアスカが必死に戦っているのを知っていて
    僕は何もしなかった…
    それに病室ではあんな状態になったアスカを見て僕は……
    ……僕は…………最低だ……
    アスカのことを考える度、自分が最低な人間だと改めて思い知らされる。
    アスカ…会いたくない…見たくない……)」

563: 名無しさん 2010/11/30(火) 17:58:54.29 ID:bcyhSzTO0
シンジ「(僕が"ここ"へ来た時、最初に考えたのはアスカのことだった。
     あの世界で最後に残ったのが僕とアスカの二人なら…
     その僕が戻って来たのなら…アスカも戻って来てるかもしれないって。
     でも何故か父さんと副司令も戻ってきていて
     2人目の綾波も戻ってきていたから
     もしかしたら、遡ったこととサードインパクトは関係なかったのかなって
     じゃあアスカは戻ってきてないのかもしれない
     そう考えて少し安心してしまった、僕は……どこまでも最低な人間だ…
     ……もしアスカが戻ってきてるなら…アスカが"アスカ"なら
     僕、会った瞬間に殺されるかもしれないな。
     アスカにはその理由も資格も充分にある。
     …そうだ、それもいい。
     アスカに殺されるなら、それもいい。
     そう決めたなら少し楽になった気がする。
     明日、死ねるかもしれない……)」

564: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:02:32.41 ID:bcyhSzTO0
~~~<閑話休題>~~~

ジェットA「ねえ、なんで俺の出番カットされてんの」

ガギエル「あの回はミサト主役だったけど、ミサトもういないし」

ジェットA「いや、主役は俺だろ。つーかアスカとかいらねーし。
      回想長いのはシンジだけで充分なんだよ。ジジイの台詞も一々なげーし。
      VIPのSSなのにこれ以上長文多くなると誰も読んでくれねーぞオイ、どうすんだよ」

ガギエル「…ベラベラうっせーなポンコツ」

ジェットA「あん?」

ガギエル「お前と違ってこちとらもうすぐ出番なんだよ、静かにしろや」

ジェットA「…お前ってさ」

ガギエル「あん?」

ジェットA「人気ないよね」

ガギエル「……」

ジェットA「零号機デビュー戦のラミエルはあんなに人気者なのに
      同じように弐号機デビュー戦の相手したお前はなんでそんな人気ないの?」

ガギエル「……」

~~~~~~~~~~~~

569: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:08:54.03 ID:bcyhSzTO0



・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

ゲンドウ「…弐号機の引渡し…行かせるなら
      ある程度使徒のことを伝えている赤城博士の方が良かったのではないか」

コウゾウ「彼女とシンジくんをネルフの外で会わせるのは避けたいのだよ。
      それにアダムのこともある。赤城博士は彼と旧知の仲のようだしな
      色々勘ぐっている彼女に無駄に材料を与えるのは得策ではない」

ゲンドウ「……そろそろ着く頃か」


・・・・・・<太平洋上、ヘリ機中>・・・・・・

シゲル「俺もセカンドチルドレンに会うのは初めてなんだけど
    可愛い女の子って聞いてるぜ?嬉しいだろシンジくん?よっ!」

シンジ「はあ」


・・・・・・<オーバー・ザ・レインボー>・・・・・・

アスカ「(…来たわねバカシンジ)」

571: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:10:18.92 ID:bcyhSzTO0


アスカ「(…降りてきた…あ、ミサト…と…いた!シンジ!
     かーっ、相っ変わらず暗い顔してるわねー…って変わらないのは当たり前か
     …あれ?そういえばジャージとメガネは……
     あ!よく見るとあれミサトじゃなくてオペレーターのロン毛じゃない!!
     紛らわしい髪型しないでよ!って、え、なんで?は?
     何がどうなってんのよ……)

576: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:17:16.82 ID:bcyhSzTO0
シゲル「君が、セカンドチルドレンの惣流・アスカ・ラングレーさんかな?」

アスカ「え、ええ…」

シゲル「そっか!俺は青葉シゲル二尉、よろしくなアスカちゃん!」
     (エリートって言ってもやっぱりまだ14歳だからな
      これから本部付きで周り全員知らない人っていうのも不安だろう
      ここはフレンドリーに接して緊張を和らげてあげよう)

アスカ「……」
     (なんでロン毛が…?)

シンジ「……」
    (アスカ…"アスカ"なのかな…)」

シゲル「(ちょ、ちょっと馴れ馴れしくしすぎたかな…?)
     よ、よかったなあシンジくん!
     こんな可愛い子が来てくれて、これから楽しくなりそうだな!」

シンジ「……」
    (…今さら何を怖がってるんだろう僕は…
     アスカが"アスカ"なら…ここで終われるのに…そのつもりで来たのに…
     …アスカを見たくない……アスカに見られたくない……
     今すぐここから逃げ出したい…僕は…僕はどこまで…)

アスカ「…っ!」
    (なに俯いてんのよ、こっち見なさいよバカシンジ!
     コイツ…初めて会った時ここまで暗かったっけ…?
     いや、目も合わせないなんて暗いとか言うより怯えてるような…
     …………もしかして……いや、まさかね)」

579: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:22:37.77 ID:bcyhSzTO0
シゲル「……」
    (何か喋ってくれよ…)

アスカ「…そう、その子がサードチルドレンね」

シゲル「あ、ああ!サードチルドレンの碇シンジくんだ
     ほら、シンジくんも挨拶しなきゃ…」

シンジ「……あ…ぁ……あの…………」

アスカ「…っ!サードチルドレン!!」

シンジ「…は」

アスカ「ちょっと付き合いなさい!」

シンジ「…え…な、なん…」

アスカ「いいから!」

シンジ「ちょ…まっ…手ひっぱらないで…!」



シゲル「…行っちゃった。
    いいのかな……ま、いっか。
    今のうちに弐号機の引き受け終わらせてくるか」

582: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:26:13.59 ID:bcyhSzTO0
・・・・・・<船内廊下>・・・・・・

シンジ「(どうなってるんだろう…"アスカ"じゃないのかな…
     "アスカ"だったら僕にこんな風に話しかけるわけないし…
     …手つないでるし…
     "前"にアスカと最初に会った時どんなんだったっけ…
     たしかいきなり叩かれて…あれ、なんで叩かれ……
     ああ、アスカのワンピースが風で……あ…
     …アスカ…ジーンズ履いてる…
     やっぱり"アスカ"なの…?じゃあどうして…
     もしかして何も知らない僕だから?
     アスカは僕が遡ってることを知らないから?
     じゃあ…もしもこのままアスカにそれを知られなかったら……
     …何を考えてるんだ僕は…この期に及んで…
     副司令達もいるんだ、日本に着いたらどうせわかるんだ…)

     ……………………アスカ」

アスカ「!!

    ……シンジ?」

585: 名無しさん 2010/11/30(火) 18:31:30.82 ID:bcyhSzTO0
~~~~~~~~~~~~~~~

ゲンドウ「冬月」

コウゾウ「なんだ」

ゲンドウ「前回で最終回ではなかったのか」

コウゾウ「…翌日帰ってきてスレを見たら
      何故かまた週末に書くことになっていた。
      丸一日保守されて、また改めて終わりですよと言える雰囲気じゃなかったのだ」

ゲンドウ「では続けるのか」

コウゾウ「いや、明日から出張だ。しばらくは無い。
     ここで第一部・完とする」

ゲンドウ「では保守は必要ないのだな」

コウゾウ「ああ」

ゲンドウ「冬月」

コウゾウ「なんだ」

ゲンドウ「おめでとう」

コウゾウ「ありがとう」
                                    ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

795: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:26:11.10 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<操舵室>・・・・・・

シゲル「このたびはエヴァ弐号機の輸送援助、ありがとうございます。
    こちらが非常用電源ソケットの仕様書です」

艦長「はん!大体この海の上であの人形を動かす要請なんぞ、聞いちゃおれん」

シゲル「まあ、万一ってこともありますんで…

艦長「その万一の事態に備えて、我々太平洋艦隊が護衛しておる。
    いつから国連軍は宅配屋に転職したのかな?」

副長「某組織が結成された後だと記憶しておりますが」

艦長「玩具一つ運ぶのに大層な護衛だよ。太平洋艦隊勢揃いだからな」

シゲル「はあ、どうでもいいっすけど、とりあえずこの引渡し書類にサインを…

艦長「まだだ!エヴァ弐号機および同操縦者は
    ドイツの第3支部より本艦隊が預かっている。君らの勝手は許さん!」

シゲル「ではいつ引渡しを?」

副長「新横須賀に陸揚げしてからになります」

艦長「海の上は我々の管轄だ。黙って従ってもらおう」

リョウジ「どーもー」

艦長「加持君!君をブリッジに招待した覚えはないぞ!」

799: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:34:12.36 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<弐号機格納庫>・・・・・・

アスカ「……"シンジ"なの?」

シンジ「…………うん」

アスカ「ちょ、ちょっと!イチから説明してよ!
     なんで時間が戻ってんのよ!?」

シンジ「…わからない…サードインパクトが起きて…
     気付いたら第3使徒が来る日まで戻って…た…」

アスカ「サードインパクト!?…起こったの?」

シンジ「……」

アスカ「…アタシさ、"前"の最後の方の記憶が途切れ途切れなのよね。
     気付いたら弐号機に乗せられてるし
     しかも相手は使徒じゃなく人やエヴァだし」

シンジ「……」

アスカ「……そっか、サードインパクトが起きたってことは…
     やっぱりアタシ…負けちゃったのか……」

シンジ「……」

アスカ「…で、次に目が覚めた時にはアンタがアタシの首絞めてるし」

シンジ「…っ!」

801: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:41:24.44 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<士官食堂>・・・・・・

リョウジ「加持リョウジ、保安部所属の一尉だ。よろしく」

シゲル「あ、どうも、自分は青葉シゲル二尉、司令部所属であります」

リョウジ「はは、そうかしこまらなくったっていいさ。
      ネルフじゃあ階級なんて大した意味は無いしな」

シゲル「はあ」

リョウジ「しかしアテが外れたなぁ。
      アスカの出迎えなら葛城が来ると思ったんだがな」

シゲル「え?」

リョウジ「ああ、葛城とアスカはドイツにいた頃の顔見知りでね」

シゲル「いえ、その…葛城さんはもう……」

リョウジ「え?」

804: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:45:01.00 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<弐号機格納庫>・・・・・・

アスカ「なんであんなことしたのよ」

シンジ「…………ごめん」

アスカ「誰が謝れって言ったのよ、なんでかって訊いてるの」

シンジ「……わからない」

アスカ「ハァ?」

シンジ「僕も…あまり覚えてないんだ、その辺のこと……
    (…嘘だ、覚えてるんだ…僕はアスカと二人きりになったのが怖くて…
     そのアスカに拒絶されるのが怖くて……僕は……)」

807: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:45:57.55 ID:u2gHWPtM0
アスカ「ふーん、まあいいわ」

シンジ「…え?」

アスカ「明らかにおかしかったものね、色々と。空も海も赤いし。
    アンタの頭がパンクしたって仕方ないわね、バカシンジだもん、フフ」

シンジ「……
    (おかしい…おかしいよ…
     首を絞められたことも覚えてるって言ったのに
     どうしてこんな普通に僕に話しかけられるの?
     なんでそんなに明るいのアスカ?
     いや、明るいと言うより…初めて会った頃のような…もともとの…
     …アスカ……本当に"アスカ"なの…?)」

アスカ「そもそも軍隊が攻めてきたことからして…
    って、そういえばさ、なんで軍隊が攻めてきたのよ?」

シンジ「…僕も、詳しくは知らない…副司令に訊いてよ」

アスカ「副司令?なんで」

シンジ「副司令と綾波も戻ってきてるんだ、"ここ"に」

アスカ「ハァ!!???」

809: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:51:08.89 ID:u2gHWPtM0
アスカ「え?副司令ってあれでしょ、あの白髪のおじいちゃんでしょ?
     それにファーストぉ!?どうして!?」

シンジ「だから…わからないんだよ、誰にも…」

アスカ「…で、その副司令は何て言ってんのよ?」

シンジ「え?」

アスカ「これからのことよ。副司令は何て言ってんの?」

シンジ「あ、ああ…
     『今度はあんなことにならないように最大限の努力をする』って…」

アスカ「ふーん、なんか頼りない言葉ねえ…
     ってかアタシ副司令と話したことってほとんど無いんだけどさ、信用できんの?」

シンジ「…わからない…僕にはどうでもいいし…」

811: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:53:48.92 ID:u2gHWPtM0
アスカ「は?どうでもいいってどういうことよ」

シンジ「……」

アスカ「…ねえ、なんでアンタそんなんなっちゃってんの?
    "前"の5割増しで暗いわよアンタ」

シンジ「…アスカこそ…なんでそんなに明るいんだよ…
     あんなことがあったのに……」

アスカ「だから今度はあんなことにならないように頑張るんでしょーが!
     『覆水盆に返らず』って言うけれど、水は返ったのよ。なんでか知らないけどね。
     アンタはそれをまたこぼすつもりなの?」

シンジ「…僕は、この世界と前の世界が同じとは思えない……
     水は返ったわけじゃなく、新しい水を入れただけなんだよ…」

アスカ「…どういう意味よ」

シンジ「…同じ人だと思えないんだ」

アスカ「は?」

シンジ「ミサトさんも、リツ子さんも、他のみんなも…
     僕は相手のことを知っているのに、相手は僕のことを知らない
     だから…それが、まるで別人みたいで…」

813: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:55:56.87 ID:u2gHWPtM0
アスカ「だから何?
     じゃあアンタは鈴原がまたあんなことになったとしても
     "前"の鈴原とは別人だから別に構わないって言うワケ?」

シンジ「…そうは言ってない…けど……」

アスカ「っ!あー――イライラするわね!!
     一体何をどうしたいのよアンタは!」

シンジ「…僕……僕は……


ドゴーン!!


アスカ「水中衝撃波…!来たわね…話は後よ、来なさい!」

シンジ「えっ…」

814: 名無しさん 2010/12/05(日) 00:58:36.55 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<操舵室>・・・・・・


『各艦!艦隊距離に注意の上、回避運動!』

副長「状況報告はどうした!?」

『シンベリン沈黙!タイタス・アンドロニカス!目標、確認できません!』

艦長「クソッ…!何が起こっているんだ……」

シゲル「あのー…

艦長「戦闘中だ!見学者の立ち入りは許可できない!」

シゲル「いや、アレどう見ても使徒っすけど…

艦長「全艦任意に迎撃!」

シゲル「聞いてねえ」

816: 名無しさん 2010/12/05(日) 01:01:46.10 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<弐号機格納庫>・・・・・・

シンジ「ま、また僕も乗るのぉ!?」

アスカ「生まれ変わったアタシと弐号機の力、見せてあげるわ!
     はい、プラグスーツ」

シンジ「いや…僕、自分の持ってきてるから…

アスカ「ダメ。アンタはそれ着るの」

シンジ「な、なんでだよイヤだよ!」

アスカ「いいから!」

シンジ「だ、だからなんで……

アスカ「(ボソッ)アタシの首絞めたくせに…」

シンジ「っ!……わ、わかったよ…」

818: 名無しさん 2010/12/05(日) 01:05:20.75 ID:u2gHWPtM0



シンジ「き、着たよ…」

アスカ「あはははははははは!!!」

シンジ「ひ、ひどいよ…」

パシャ!

シンジ「え?…わ!ちょっ、な、なな何撮ってるんだよ!
     な、なんでカメラなんか持ってんのさ!」

アスカ「いやー、この画を撮らない手はないと思って
     用意しといたのよね、プププ!」

パシャ!パシャ!

シンジ「や、やめてよ!」

アスカ「あははは!!」

ドゴーン!

アスカ「…っと、あんまり遊んでらんないわね
     ホラ!行くわよ!」

シンジ「うぅ……」

820: 名無しさん 2010/12/05(日) 01:07:43.97 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<操舵室>・・・・・・

『オセローより入電!エヴァ弐号機起動中!』

艦長「なんだと!?いかん!起動中止だ!元に戻せ!!」

シゲル「いや!構わないぜ!やっちまいなアスカちゃん!」

艦長「エヴァ及びパイロットは我々の管轄下だ!勝手は許さん!」

シゲル「非常時には我々ネルフの指揮権が優先されるはずです」

副長「しかし本気ですか?弐号機はB型装備のままです」

821: 名無しさん 2010/12/05(日) 01:12:19.06 ID:u2gHWPtM0
・・・・・・<エントリープラグ>・・・・・・


シンジ「…ど、どうするのアスカ?」

アスカ「まあ見てなさい!」


ガギエル「がおー!」

アスカ「きた!」

弐号機「オラァッ!!」

ドゴォッ!

ガギエル「ぎゃー!」

アスカ「使徒殲滅!」

シンジ「すごい…手刀一発で…」

825: 名無しさん 2010/12/05(日) 01:15:18.98 ID:u2gHWPtM0



・・・・・・<甲板>・・・・・・

艦長「ペ、ペアルック…!」

シゲル「いやーんな感じ!!」

シンジ「(…………死にたい)」

                               .第十話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

831: 名無しさん 2010/12/05(日) 01:30:14.08 ID:u2gHWPtM0
終わり。感想くれると嬉しいです。