1: 名無しさん 2021/03/14(日) 09:59:10.554 ID:4k3Lk4KGp
3人の尼さんがこの山に修行に来た時は驚いたものだった

修行とはいえ住むところさえなく木の下や草陰で眠る、殺生も禁じられているので食べるのは草や木の実だけ……

なんと尼さんの修行というのは厳しいものだと思った

(´・ω・`) 3人のうち一番若い尼さんは時々修行の辛さに耐えかねてめげそうになった時もあったそうだが
それも若いからだろうと、2人の尼さん達が何くれと慰めて助けていたようだ

(ヽ´ん`) 2番目の尼さんはなかなかおっとりした人のようで一番上の尼さんを心から慕っているようだった

彡(゚)(゚) そして一番上の尼さんとはいうと、本当に笑顔の素晴らしい方で信仰に生きてるとこんなお顔になるものと思うぐらいの優しそうな顔だった

………

(´・ω・`)「はぁ~よく寝た~」

(´・ω・`)「ん?」

切り株を見る

そこにはなんと3つのおにぎりが……

(´・ω・`)「おにぎりが3つ…」

………

(ヽ´ん`)「本当にこのおにぎりが天から降ってきたのですか?」

(´・ω・`)「はい この目で見たのです」

(ヽ´ん`)「誰かが施しとして置いていったのでは?」

(´・ω・`)「いいえ 空が明るくなったと思ったらこのおにぎりが降ってくるのが見えました」

(ヽ´ん`)「あなたがここに来る前誰かが」

(´・ω・`)「いいえ 誰も」

引用元: ・彡(゚)(゚)「あなたひもじいですか?…」(ヽ´ん`)「い、いえ…」彡(●)(●)「もっとおにぎりを食べたい?」

2: 名無しさん 2021/03/14(日) 09:59:49.877 ID:4k3Lk4KGp
彡(゚)(゚)「まぁええやないですか これは御仏がワイら日頃の精進の褒美としてくれたんやな」

彡(^)(^)「ありがたくいただくンゴ!」

(´・ω・`)「……」

(ヽ´ん`)「……」

……1週間後

(´・ω・`)「木の実木の実っと」

(´・ω・`)「…あれ?」

そこには鳥の死骸と火の痕跡が

(´・ω・`)「ん?これは鳥の骨…?」

彡(゚)(゚)「御不浄は済みましたか……?」

(´・ω・`)「ひぃ!びっくりした……」

(´・ω・`)「それどころではありませんこれをご覧ください!」

彡(゚)(゚)「……これはきっと村人の仕業やな」

(´・ω・`)「そうでしょうか…」

(´・ω・`)「もし上の尼さまだったら…」

彡(゚)(゚)「滅相でもないこと言うもんやあらへん」

彡(゚)(゚)「ワイらは殺生を禁じられとるんやで」

3: 名無しさん 2021/03/14(日) 10:00:24.142 ID:4k3Lk4KGp
(´・ω・`)「でもあの日以来毎日おにぎりを食べられるようになってもっともっと食べたいと思うようになったのではないでしょうか」

彡(゚)(゚)「……わかりました、では3人で話し合ってみましょう」

彡(゚)(゚)「ワイが呼んでくるから原ちゃんはそこで待っとれよ」

………

(ヽ´ん`)「…あ、あのぉ…なんでしょう…」

彡(゚)(゚)「あなたひもじいですか?…」

(ヽ´ん`)「い、いえ…」

彡(●)(●)「もっとおにぎりを食べたい?」

(ヽ´ん`)「えっ…は、はい…」

彡(●)(●)「ワイもや」

………


(ヽ´ん`)「なぜ私が殺生をするのです?」

(´・ω・`)「でも向こうに鳥の骨と焚き火の跡が…」

(ヽ´ん`)「だからといってなぜポッチャマがやったことになるの!」

(´・ω・`) 「それは」

5: 名無しさん 2021/03/14(日) 10:00:57.706 ID:4k3Lk4KGp
彡(゚)(゚)「まぁまぁ やったやらないを言い合っても仕方がないやん」

彡(゚)(゚)「とにかく殺生はよくないことや」

彡(゚)(゚)「それよりも死んだ鳥のためにお経を唱えるんや」

(ヽ´ん`)「は、はい…」

(´・ω・`)「南無妙法蓮華経~~~~~~」

(ヽ´ん`)「~~~~~~~~~~~」

彡(゚)(゚)「~~~~~~~~」

(´・ω・`)「~~~~~………?」

彡(●)(●)「~~~~~~~~」

(ヽ´ん`)「~~~~~~」

(´・ω・`;)「」

彡(●)(●)「」

(ヽ´ん`)「」

ギャーーーーッ!!!

………

はぁはぁ… はぁはぁ… はぁはぁ…

(ヽ´ん`)「!」

彡(゚)(゚)「どうですおにぎりはありましたか?」

彡(゚)(゚;)「あぁ……」

2つだけになっている……

6: 名無しさん 2021/03/14(日) 10:01:43.522 ID:4k3Lk4KGp
いつも3人仲良く業に励んでいた尼さん達が一番若い尼さんだけ見かけなくなったので聞いてみたところ

なんでも病で臥せっているという もうすぐ冬も近くそれはいけないと思って弁当を差し上げてきた

彡(゚)(゚)「……何を考えておるんや」

(ヽ´ん`)「え?いえなにも……」

(ヽ´ん`)「ただ時々死んだあの子のことを考えますと……」

彡(゚)(゚)「それはワイも悔いてはおる」

彡(゚)(゚)「けどあの後もおにぎりは毎日2つある」

彡(゚)(゚)「これは御仏がワイらをお許しになってる証拠やないんか?」

彡(●)(●)「ワイはなぁ、何があっても生き続けることこそ御仏様に近づく一番の道だと思っとるんや」

彡(●)(●)「そんなに気に病むのならあの子のためにお経をあげに行きましょか」

(ヽ´ん`)「はい!」

7: 名無しさん 2021/03/14(日) 10:02:19.238 ID:4k3Lk4KGp
(ヽ´ん`)「南無妙法蓮華経~~~~~~~」

彡(●)(●)「~~~~~~~~~~」

(ヽ´ん`)「~~~~~~~……?」

彡(●)(●)「~~~~~~~~~~~」

(ヽ´ん`;)「」

彡(●)(●)「」

アァーーーーーッ!!!

………

彡(-)(-)「zzz……」

彡(゚)(゚)「!」

彡(゚)(゚;)「もしや、もしや 今度はおにぎりが1つだけになっているのでは…」

彡(゚)(゚;)「はぁはぁ……なんやと!」

そこにはおにぎりはなかった……

9: 名無しさん 2021/03/14(日) 10:03:18.898 ID:4k3Lk4KGp
とうとう冬が来てしまって尼さん達のことは気がかりだったが雪が溶ける道はとても山には登れなく そのうち春になってしまった

彡()()「はぁ………はぁ………はぁ………」

彡(。)(;)「あいや やっぱりあのお方や」

彡(^)(^)「ワイですワイですよ」

そこにはやつれきった尼さんの姿が

以来、この山は飯の降る山と書いて飯降山と呼ばれた
昔、昔のことだった

おわり