61: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:46:20.48 ID:VhZALI9D0
ミサト「週二日ァ!?」

リツ子「そ。それがシンジくんがサードチルドレンになる為に出した条件」

ミサト「ふっっっざけんじゃないわよ!
    ドイツのアスカなんてもう10年も訓練してるのよ!
    昨日今日やってきたばかりのシンジくんなんていくら時間があっても足りないってのに!」

リツ子「私に怒鳴られてもどうしようもできないわ。
    副司令の決定よ」

ミサト「…ちょっち文句言ってやんないと気が済まないわコレ」

リツ子「およしなさいな。
    あなた、先の戦闘での失態を責められたばかりでしょう。
    シンジくんのことより自分のことを考えなさい。
    (何にせよシンジくんのことはあなたの手に余る問題だもの)」

引用元: ・冬月「今なら俺も初号機に乗れそうな気がする」

62: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:47:04.37 ID:VhZALI9D0
ミサト「だからこそよ!次の戦いで汚名返上しなきゃいけないのに!
    その為にはシンジくんの訓練は不可欠なのよ!」

リツ子「…とにかく、これは司令部の決定事項。上に言っても覆らないわ。
    そう、覆すならシンジくん自身の意思ね」

ミサト「! それよ!」

リツ子「でも、司令だってその辺は諭したでしょう、多分。
    お父さんの司令が言っても聞かなかったのに、あなたに説得できるかしら」

ミサト「まっかせんしゃい!」

リツ子「何かいい考えでもあるの?」

ミサト「ええ。ほら、司令ったらあの時自分のこと"パパ"とか言ってたじゃないプッ
    あの司令が自分の息子にあんな低姿勢で挑むとは思ってもみなかったわププ
    いや~、あの時は笑いをこらえるのが大変だったわよ、プププ」

リツ子「…で?」

ミサト「だーかーら!甘ったれてんのよあのガキは!
    あの子に足りないのは厳しさよ!ガツンと大人の威厳ってのを見せてやるわ!!」

64: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:48:23.96 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<職員用居住区>・・・・・・

ミサト「え~っと…FブロックB107…………この部屋ね」

ピーンポーン

「……」

ミサト「シンジくーん、いるー?」

ピンポピンポーン

「……」

ミサト「葛城よー、開けてくれないかしらー?」

ピピピピンポピンポーン

「……」

ミサト「いるのは知ってるのよ、開けなさい!」

ピピピンポピンピピピンポーンピピンポーン

ミサト「シンジくん!開けなさい!」

…ガチャ

シンジ「…なんですか」

65: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:49:27.53 ID:VhZALI9D0
ミサト「どうして早く開けなかったの?」

シンジ「…寝てたんですけど。
    それよりピンポン連打はやめてください…近所迷惑です」

ミサト「だったら早く開けなさい!」

シンジ「だから寝てt…

ミサト「口ごたえするんじゃないの!」

シンジ「…は?」

66: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:50:31.72 ID:VhZALI9D0
ミサト「私はあなたの上官なのよ。その辺をわかっているのかしら?
    中学生と言っても、ネルフに所属する以上そういったケジメは守ってもらうわ。
    司令の子供だからといって我儘は通らないわよ」

シンジ「…今は勤務時間外なんですけど」

ミサト「何言ってるの?今はまだお昼の2時よ」

シンジ「…ですから、今日は僕は出勤日ではないんです。
    僕の出勤は火・木の週二日って、聞いてませんか?」

ミサト「そんなの関係ないの!
    ネルフは超法規の特務機関!休日だろうが勤務時間外だろうが
    非常時には命令に従う義務があるの!わかる!?」

シンジ「今は非常時なんですか?」

ミサト「…っ!!」

シンジ「お帰りください」

バタン

68: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:52:35.19 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・

ミサト「あんのクソガキィ~~~~!!」

リツ子「…仕事の邪魔をするなら帰ってくれないかしら」

ミサト「何言っても聞く耳もたないのよ!

リツ子「わたし忙しいのだけれど」

ミサト「なんっでアンタはそんな冷静なのよ!」

リツ子「仕方ないでしょう。上が決めたことなんだから。
    とりあえず次の火曜はシンジくんのシンクロテストが入ってるし
    その時に色々と訊いてみるわよ」

ミサト「…シンクロ率80%だっけ?あれはどういうことなの?」

リツ子「だから今は何もわからないって言ってるでしょう。
    (聞く耳もたないのはミサトも同じね…)
    そうそう、シンジくんのスケジュールなんだけど
    火曜が実験、木曜が訓練になってるから」

ミサト「…ふふふ」

リツ子「なに?気味悪いわね」

ミサト「そう、訓練があるのよね…
    みっちりしごいてやるわあのクソガキ、血ヘド吐くまでやってやるわ!
    大人の怖さっていうのを教えてあげなきゃね…ふふふ」

69: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:53:18.35 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<火曜日>・・・・・・


マヤ「シンクロ率、82.1%で安定。ハーモニクス異常ありません」

リツ子「…大したものね。この前のはまぐれじゃなかったようね」

マヤ「すごいですね…」

リツ子「…わかってはいたけどね」

マヤ「え?」

リツ子「いえ、なんでもないわ…。
    シンジくん、聞こえる?あがっていいわよ」

シンジ「はあ」

リツ子「シャワー浴びて着替えたら私の研究室に来てちょうだい」

シンジ「はあ」

70: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:54:01.43 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・


リツ子「かけてちょうだい」

シンジ「はあ」

リツ子「そうね…訊きたいことはたくさんあるのだけれど
    何から訊こうかしら」

シンジ「……」

リツ子「この前の戦闘のことなんだけれど
    どうやってATフィールドを張ったの?」

71: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:54:48.84 ID:VhZALI9D0
シンジ「…ATフィールド?」

リツ子「…使徒が使ってた光の防壁。あなたも使ってたでしょう」

シンジ「はあ、使ってましたか?わかりません」

リツ子「ATフィールドを破るには同じくATフィールドが必要なの。
    まさしく初号機が使徒のATフィールドを破ったとき
    初号機からもATフィールドの発生を確認したわ」

シンジ「はあ、そうなんですか。よくわかりません」

リツ子「…じゃあ使徒と戦っていた時に考えていたことを
    なるべく詳しく教えてくれる?」

シンジ「はあ、ただ助走をつけて力いっぱい殴ろうと。
    で、実際その通り殴りつけて。気付いたら勝ってました」

リツ子「そう。じゃあコアを狙ったのは何故?」

73: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:55:37.19 ID:VhZALI9D0
シンジ「コア?」

リツ子「…使徒の胸にあった赤い玉よ。そこを殴ったでしょう」

シンジ「はあ、そうでしたっけ。別にどこに狙いをつけていたわけではありませんが。
    偶然そこにヒットしたんでしょう」

リツ子「コアは使徒の弱点なの。一撃で偶然そこを捉えたというのかしら?」

シンジ「…言いたいことがよくわかりませんが」

リツ子「率直に訊くわ。あなた何者?」

75: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:56:33.79 ID:VhZALI9D0
シンジ「碇シンジです」

リツ子「そういうことじゃないわ。
    どうして使徒とエヴァを知っていたの?」

シンジ「いや、知りませんでしたけど」

リツ子「知りもしないエヴァをあんなに上手く乗りこなし
    知りもしない使徒の弱点を見抜き一撃で葬ったというわけ?」

シンジ「はあ、そうなんじゃないですか」

リツ子「…どうしても教える気はないみたいね」

シンジ「いやあ、知ってることは全て教えてるつもりですけど」

リツ子「…もう今日はこれでいいわ、下がってちょうだい」

シンジ「はあ、失礼します」

バタン

リツ子「……」

76: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:57:38.88 ID:VhZALI9D0



ミサト「で?何かわかったわけ?」

リツ子「大した収穫はないわ。
    ただ、エヴァと使徒のことをここに来る前から知っていたのは確かのようね」

ミサト「どうやって」

リツ子「とことんしらばっくれてたわ。
    シンジくん自身の意思で言わないのか、司令に口止めされてるのか」

ミサト「文字通りの秘蔵っ子ってわけね。
    ま、いいわ。明後日は訓練の日、私の出番ね…ふふふ
    力ずくでも聞き出してやるわ、ふふ」

リツ子「何を考えているの、拷問でもするつもり?」

ミサト「なーに物騒なこと言ってんのよ、あくまで訓練よ、ク・ン・レ・ン♪
    ま、ちょーっちキツイかもしれないけど、人類の未来のためだから仕方ないわね!
    でも、知ってること話してくれたら訓練も少し優しくしてあげるか・も・ねってだけのことよん」

77: 名無しさん 2010/11/27(土) 10:58:23.59 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<ネルフ内、とある病室>・・・・・・

レイ「……明日で退院……碇君…一度も来なかった……
   ……何故……?碇君…何があったの……?
   …でも学校……学校に行けば会える…碇君……」


                               .第三話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

80: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:01:48.10 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<第三新東京市立第壱中学校>・・・・・・

レイ「……」

女生徒A「(ヒソヒソ)あ、綾波さんよ…」

女生徒B「(ヒソヒソ)どうしたのかしら…あの怪我」

レイ「(……碇君…いない……まだ来ていないの?)

82: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:02:35.03 ID:VhZALI9D0
教師「えー、じゃあHR始めます」

レイ「(碇君…来ない……欠席?)

教師「出席を取ります。相田ー」

ケンスケ「はーい」

教師「上田ー」

上田「はーい」

レイ「!? 碇君は!?」

教師「ん?どうしましたか綾波さん」

レイ「碇君…」

教師「イカリ?誰かねそれは」

レイ「(…どういうことなの……)」

83: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:03:38.53 ID:VhZALI9D0
レイ「…早退します」

教師「え?ちょっ、綾波さ…

86: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:04:45.29 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・

コンコン

リツ子「開いてるわよ」

ガチャ

レイ「失礼します」

リツ子「レイ?あなた今日から学校でしょう?」

レイ「い…サードチルドレン」

リツ子「え?」

レイ「サードチルドレンはどこですか?」

88: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:05:52.76 ID:VhZALI9D0
リツ子「レイ…あなた彼のこと知ってるの?」

レイ「……いえ」

リツ子「どうしてあなたがシンジくんを探しているの?」

レイ「…………………戦闘」

リツ子「え?」

レイ「使徒との戦闘について…と、エヴァの操縦
   …について、訊きたいことが」

リツ子「……」

レイ「……」

リツ子「(シンジくんはレイのことを知っているのかしら…
     ……彼なら何を知っていてもおかしくないわね。
     知っているとしたらどこまで知っているのか…
     フフ、なるほどこれは面白いかもしれないわね)」

90: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:07:16.22 ID:VhZALI9D0
レイ「…赤木博士」

リツ子「え?ああ、ごめんなさい。シンジくんね。
    そうね、会って話を聞いてみるのも今後の為にいいかもしれないわね。
    本部に住んでるから会ってみるといいわ」

レイ「…本部に?」

リツ子「ええ、職員用の居住区よ。いま住所書いてあげる」

レイ「(本部に住んでる…? …どういうことなの……)」

91: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:08:27.75 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<職員用居住区>・・・・・・

レイ「…FブロックB107……ここ。
   ……ここに…碇君が…」

ピンポーン


・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・

リツ子「…着いたようね。
    フフ、職員用居住区なら監視カメラの備えはバッチリよ」

92: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:10:27.00 ID:VhZALI9D0
ピンポーン

「……」

レイ「……」

ピンポーン

「……」

レイ「……」

ガチャ

シンジ「…はい………あ、綾波…?

レイ「!!」

シンジ「……
   (あれ?僕ってまだ綾波と面識ない筈だよね…
    なんで?あ、いま"綾波"って言っちゃった。
    まずかったかな…まあいいや、別にどうでも)」

レイ「そう…碇君もなのね…」

シンジ「!!」

《リツ子「…さすがに音声までは拾えないけど…今のシンジくんの唇…
     間違いなく"あやなみ"と言っていたわ…」》

93: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:13:41.00 ID:VhZALI9D0
シンジ「…もしかして…綾波も?」

レイ「碇君……碇君!」

ぎゅっ!

シンジ「あ、あ、綾波!?」

《リツ子「…レイがいきなりシンジくんを抱き締めた…?どういうこと…?」》

レイ「碇君…ひとつになりましょう」

95: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:15:58.29 ID:VhZALI9D0
シンジ「え、ちょっ、待っ…
    (え?どういうこと?"ひとつになりましょう"って…
え、それって確か第16使徒の時の…でもあの時綾波は…
     この綾波は2人目?3人目?いや、この綾波の体は間違いなく2人目だけど
     遡ってきてるってことは中身は3人目?
     でも"ひとつに~"って言ってたのは2人目の…あれ、わかんない
     3人目も言ってたっけ?いや、3人目の綾波とはほとんど話してないし
     いや、でも聞いた気が、あれ、なんでだろう、ああ、あの巨大化した綾波の…
     あの辺記憶が曖昧で…ってとにかくこの状況はよくないよ
     ネルフは監視カメラだらけだもん、これリツ子さんあたりに見られてたらまた面倒な…
     ねえ、初対面のはずの二人がこんな…どうしよう、とりあえず綾波に、どうしよう…

     …………いいや、別にどうでも。副司令になんとかしてもらえば」

99: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:19:14.65 ID:VhZALI9D0
レイ「碇君…」

シンジ「あの、綾波。話があるんだ、ちょっと…とりあえず離れてくれないかな」

レイ「…このままでも話はできるわ」

シンジ「いや、まずいんだよ。僕らは"初対面"だから…その…察してよ。
    (盗聴まではされてないとは思うんだけど…ここで話すのはまずいよね)」

レイ「…わかったわ」

シンジ「司令執務室に行こう」

レイ「何故」

シンジ「副司令から詳しく話を聞くといいよ」

100: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:20:43.04 ID:VhZALI9D0
・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

プルルルルル…ガチャ

ゲンドウ「私だ…………繋げ。
     ……私だ。 …………わかった」ガチャ

コウゾウ「誰だ?」

ゲンドウ「シンジだ。今から来る。レイも一緒だ」

コウゾウ「レイ?…………ま、まさかレイも…?」

ゲンドウ「…おそらく」

101: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:24:06.96 ID:tfpzce5V0



ゲンドウ「入れ」

ガチャ

シンジ「……」

レイ「失礼します」

ゲンドウ「…シンジ」

シンジ「ん」

ゲンドウ「…レイもか?」

シンジ「うん」

ゲンドウ「そうか…」

コウゾウ「なんと…!これで4人目か…」

レイ「?」

102: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:25:22.72 ID:tfpzce5V0
シンジ「綾波。この二人も"戻って来てる"んだ」

レイ「!! …そう。何故」

シンジ「わからないよ」

コウゾウ「レイ、お前はどこまで覚えている?」

レイ「第16使徒との戦いで…自爆」

コウゾウ「なに?では…」

シンジ「え!? じゃあ…綾波は2人目の…」

レイ「2人目…?
   …そう、やはり私は、死んだのね…
   3人目が、いたのね……」

シンジ「……」

106: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:28:26.94 ID:tfpzce5V0
レイ「(では…碇君は…知っている…?
    知られている…。私は、ヒトじゃない…こと…)
    …………い、碇君…」

シンジ「……」

コウゾウ「(レイが…怯えている?そんなことがあるのか…)」

ゲンドウ「…シンジ、お前はレイのことをどこまで知っている」

レイ「…やめて」

シンジ「父さん…」

ゲンドウ「かまわん、言え」

110: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:35:38.94 ID:tfpzce5V0
シンジ「…地下の水槽にいるたくさんの綾波を見たよ…」

レイ「!!」

ゲンドウ「…レイ、耳を塞ぐな。お前も聞け」

コウゾウ「おい碇…」

ゲンドウ「かまわん、続けろシンジ。他には」

シンジ「…知っているのはそれだけだよ…。
    でもサードインパクトで見たよ…綾波と…カヲルくんを…。
    だからきっと綾波もカヲルくんと同じ…その……

ゲンドウ「わかった、もういい」

レイ「(……そう…ワタシは、ヒトじゃない……
    ヒトはヒトでないものを拒絶する……碇君も……)
   ………………だめなのね……もう……」

コウゾウ「(泣いている…レイが!?レイにここまで激しい感情があったとは…。
      …だが何故?
      …シンジくんか…? シンジくんに知られたことが怖いのか?悲しいのか?)」

112: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:38:34.14 ID:tfpzce5V0
ゲンドウ「シンジ、お前には全て教えてやる。
     レイのことを話す前にお前の母親のことを話さねばなるまい」

シンジ「……母さんの?」

ゲンドウ「ユイは初号機に溶けたのだ。第14使徒戦の時のお前のようにな」

シンジ「…知ってるよ。
    というより思い出したんだ。サードインパクトの時にね…」

ゲンドウ「そうか…。
     お前の場合はサルベージに成功したが、ユイは帰ってこなかった…」

シンジ「……」

ゲンドウ「魂は初号機に残り、欠けた肉体だけが戻ってきた。
     その欠けた肉体を、第二使徒リリスの魂と体組織で補完して生まれたのがレイだ」

レイ「(…………そう…………そうだったの…
    ……司令が私を通して見ていたのは…碇ユイ、その人…
    ……でも、もういい…どうでも…。
    再び無に還ることが私の使命…望み……そのための存在…造られた……)」

113: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:42:35.35 ID:tfpzce5V0
シンジ「…じゃあ綾波は僕の母さん…?
    え…でも…使徒……? ……え?」

レイ「(…そう、使徒……ヒトとは相容れない…私は…)」

ゲンドウ「ユイの肉体から造られたといってもユイと同じではない。
     遺伝子的にも似てはいるが別人だ」

シンジ「……はあ」

コウゾウ「(碇め、どういうつもりだ…なぜ話した……?
      シンジくんとレイの幸せを願うと言ったのは嘘だったのか?
      見ろ、シンジくんは混乱してるし、レイは泣いたまま放心してるぞ…)」

ゲンドウ「そうだな…レイはユイの娘といったところだ」

シンジ「はあ」

ゲンドウ「つまりお前らは兄妹ということだ」

シンジ「は?」

レイ「…え?」

115: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:46:53.25 ID:tfpzce5V0
シンジ「…僕と綾波が…兄妹?」

ゲンドウ「一応お前の方が先に生まれているからお前がお兄ちゃんだ」

コウゾウ「(おい、そのツラで"お兄ちゃん"とか言うのやめろ)」

レイ「兄妹…?絆……
   お兄ちゃん…?兄…?……碇君が……でも、私は…

ゲンドウ「人間とて18番目の使徒だ」

レイ「!!」

ゲンドウ「地下の素体も時期が来れば処分する。
     もはやお前に代わりはいない……レイ、これからは好きに生きろ」

レイ「司令…」

116: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:48:46.08 ID:tfpzce5V0
ゲンドウ「シンジ」

シンジ「……」

ゲンドウ「シンジ!」

シンジ「え?…あ、ああ、なに?」

ゲンドウ「妹を守るのは兄の役目だ」

シンジ「妹?…ああ、綾波が……妹…」

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「あい?」

ゲンドウ「苗字で呼び合う兄妹などいない」

シンジ「……」

レイ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「……レ、レイ///」

レイ「///」

ゲンドウ「(ニヤリ)今日はもう帰って休め」

119: 名無しさん 2010/11/27(土) 11:53:58.53 ID:tfpzce5V0



コウゾウ「碇、お前もたまにはやるではないか」

ゲンドウ「たまにとはなんだ」

コウゾウ「しかし、ますますわからなくなったな」

ゲンドウ「何がだ」

コウゾウ「何故遡ってきたのかということだよ」

ゲンドウ「時間を遡るなどもはや人の為せる術ではない。
     …考えるだけ無駄だ」

コウゾウ「たしかに、あのときのサードインパクトは
     既にヒトの手から離れていたものだ…何が起こってもおかしくない。
     だが、そういう意味ではない。何故我々なのかということだ」

ゲンドウ「む?」

コウゾウ「私とお前、そしてシンジくんとレイ。
     何故この4人なのだ?遡ってきている者と、そうでない者の違いは何だ?」

125: 名無しさん 2010/11/27(土) 12:04:31.56 ID:tfpzce5V0
コウゾウ「遡ってきた仕組みなど、お前の言った通り考えてわかるものではないだろう
      だが、サードインパクト原因であることは間違いないと思っていた」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「だが、あのレイはそのサードインパクトすら経ていない…」

ゲンドウ「…今は先のことを考えるべきだ」

コウゾウ「その"先のこと"にも関わってくるだろう。
      極端な話、ゼーレの中にも遡ってきた者がいたとしたら?」

ゲンドウ「……難しくなるな」

コウゾウ「ああ。だからせめて遡ってきている者の条件をある程度絞れれば
      遡ってきた人物の推測が出来るだろう。
      …碇、何か心当たりはないか?我々4人の共通点と考えてもいいだろう」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「……」

ゲンドウ「……ユイ」

126: 名無しさん 2010/11/27(土) 12:10:53.79 ID:tfpzce5V0
コウゾウ「ユイ君?」

ゲンドウ「我々はみな、形はどうあれユイと縁が深い」

コウゾウ「…なるほど、では初号機の中のユイ君が我々4人を遡らせたと?」

ゲンドウ「わからん…が、そうだとした場合
      他に戻ってきている可能性のある人物は?」

コウゾウ「キール議長とて戻ってきても不思議ではないだろう…」

ゲンドウ「……気が重くなってきた」

コウゾウ「一服いれるか…」

127: 名無しさん 2010/11/27(土) 12:12:22.66 ID:tfpzce5V0
・・・・・・<ドイツ、とある地下>・・・・・・

カヲル「君に会える時が楽しみだよ……碇シンジくん」



                               .第四話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

130: 名無しさん 2010/11/27(土) 12:32:32.70 ID:tfpzce5V0
・・・・・・<予告>・・・・・・

シゲル「パターン青!使徒です!
     これは…まずい!既に本部内に進入してます!」

リツ子「なんですって!?」

マコト「この位置は…自販機コーナー!?」

シゲル「主モニターに回します!」

パッ―――――――――――――――

《ミサト「かーっ、疲れたー!ったくなんで自販機コーナーにビールが置いてないのよ!
     それにしてもムカつくわねーあのヒゲ司令!」》

―――――――――――――――――

マコト「……え?」

リツ子「ミサト…?」

シゲル「ま、間違いありません!葛城一尉からパターン青が検出されています!」

ゲンドウ「…総員第一種戦闘配置」

リツ子「司令!?」

ゲンドウ「目標は確認しだい射殺しろ」
                                                ※第五話は未定です