化物語

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    1: 名無しさん 2020/01/21(火) 00:36:15.09 ID:igAIR0zkO
    「なあ、斧乃木ちゃん」
    「なんだい、鬼のお兄ちゃん」

    とある日の晩。
    暇を持て余した僕は前々から気になっていたことを童女の居候兼、100年使われた付喪神である式神の斧乃木余接に尋ねてみることにした。

    「特に深い意味はないんだけど、影縫さんと臥煙さんってどっちの方が胸が大きいんだ?」
    「特に深くはないけど不快な質問だね」

    斧乃木余接は無表情で適切なツッコミをした。

    「教えてくれよ。頼む! こんなこと、君にしか聞けないんだ。僕を助けると思ってさ」
    「鬼のお兄ちゃんは救いようがないと思うよ」

    救いを求める僕に斧乃木ちゃんは辛辣だった。

    「じゃあこうしよう、斧乃木ちゃん。教えてくれる代わりに僕に出来る範囲で何かする」
    「何かって? 近所の交番に駆け込んで、お巡りさん僕です! って、自首するとか?」

    そんな斬新な自首の仕方は御免被りたい。

    「今はまだ、臭い飯は食べたくない」
    「将来的には食べてもいいんだね」
    「その時は、その時さ」

    たとえ豚箱にぶち込まれて臭い飯を食う羽目になろうとも僕は2人の胸のサイズが知りたい。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1579534575

    引用元: ・斧乃木余接「実はいま、僕はパンツを穿いてない」

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    1: 名無しさん 2019/10/26(土) 22:18:35.36 ID:hAYTqdlSO
    『えへへ、来ちゃった』
    『おお、よく来たな、千石。まあ、上がれよ』

    あれはまだ、僕と千石との関係が破綻する前。
    自宅に訪れた千石を、僕は自室に連れ込んだ。
    僕が知る千石撫子は長く伸ばした前髪で目を隠していて目立たず大人しい女の子だったのだが、その日の彼女は珍しくヘアバンドをつけて前髪を上げていた。可愛らしい顔立ちだった。

    「ふむふむ、なるほど。気合い充分ですね」
    「あれは千石なりの気合いだったのか?」
    「それはもちろん。落とす気満々ですよ」

    今更そう言われても、もうどうにもならない。
    僕はどうやら俗に言う鈍感系主人公らしいので、前髪を上げキャミソール1枚でミニスカートを穿く千石の気合いとやらに気づけなかった。

    「いえいえ、ちゃんと気づいていましたよ」
    「いやいや、全然気づかなかったよ」
    「またまた、謙遜は要りませんって」
    「君は僕の何を知っているんだ、扇ちゃん」
    「私が知っているのは、愚か者には罪が憑き物だということだけです。なのであなたの罪は、愚かなあなた自身がよくおわかりでしょう? 」

    愚か者の罪物語。
    愚か者には罪が憑き物。
    この物語に名前を付けるならばまさに。

    そのタイトルが相応しいと、愚かにも思った。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1572095915

    引用元: ・忍野扇「だから忘れないでください。この愚か者」阿良々木暦「ああ……わかった」

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    1: 名無しさん 2019/08/03(土) 22:40:28.86 ID:syA0W5F40
    化物語のssです。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1564839628

    引用元: ・そだちドエル

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    1: 名無しさん 2019/07/06(土) 21:00:13.35 ID:p06yTTmjO
    梅雨時に連想する草花を尋ねられた際に、まず初めに紫陽花を思いつく人が大多数を占めるであろうことは、想像に難くない。

    かくいう僕もそのひとりではあるものの、紫陽花に対してそこまで思い入れがあるわけではないので、むしろ紫陽花のイラストとセットで描かれることの多い蝸牛にこそ、目を惹かれる。

    「ふむふむ。ちなみに阿良々木さんは、実際に紫陽花の葉っぱの上に蝸牛が這っている姿を、その目で見たことがあるのですか?」
    「そう言えば、実際に見たことはないな」
    「でしょうね。紫陽花の葉には毒がありますので」

    食べられもしない毒の葉の上をわざわざ這いずり廻るほど蝸牛は暇ではありませんよと、蝸牛の怪異となり、そして今は神となった、八九寺真宵が得意げに薀蓄を聞かせてきた。

    とはいえ、後から調べたところ必ずしも全固体に毒が含まれているわけではないらしいので、あくまでも一般論として、僕は受け止めた。

    「じゃあ、お前も紫陽花が嫌いなのか?」
    「私は葉っぱなんて食べないので、特別に好きでも嫌いでもありませんが、その紫陽花のお花を見て阿良々木さんが私の元に足を運ぶきっかけとなった今ならば、大好きになれそうです」

    なんだか紫陽花に手柄を全て取られた気分だ。
    別にきっかけなんかなくたって気が向いたらいつでもこの北白蛇神社に足を運ぶ敬虔なる信者であるこの僕を、今と同じように目一杯の愛を込めて大好きだと言って貰いたいものである。

    「あらあら、不満そうですね、あらあらさん」
    「あらあらなんて普段言わないような台詞をわざわざ前に付けてまで名前を間違えるのはやめろ。僕の名前は阿良々木だ」
    「失礼、かみました」
    「違う、わざとだ」
    「はにかみましょうか?」
    「是非お願いします!」
    「にぱっ!」

    にぱっと八九寺真宵の可憐な笑顔が咲き誇る。
    嬉しそうにはにかむ幼い少女が神様だと言うことも忘れて、僕はお持ち帰りしそうになった。

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1562414413

    引用元: ・八九寺真宵「はにかみましょうか?」阿良々木暦「是非お願いします!」

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    1: 名無しさん 2019/07/05(金) 22:56:09.18 ID:vXBrfRKkO
    春と夏の間にある、梅雨の時期。
    この季節が訪れる度に、僕は身構えてしまう。
    振り返ると、そこに黄色い雨合羽を着た少女が立っているのではないかと、不安になる。

    「他ならぬ阿良々木先輩の望みとあらば、私としては当然、全裸に雨合羽を着て登場し直すのもやぶさかではない。むしろ、大歓迎だ!」
    「シリアスなモノローグを台無しにするな!」

    とはいえ、不安は不安でしかなく、心配は杞憂となるのが物語の常であり、僕が再び雨合羽を着た少女に襲われることはなかった。

    「本当にお前は全裸が好きだよな」
    「阿良々木先輩は全裸が好きではないのか?」
    「ああ、好きだよ! 僕だって全裸が好きだ! 大好きだとも! 当たり前だろうが!」

    全裸好きな後輩に呆れ果てた僕に対して、神原駿河は分かり切った質問を返してきたので、半ばやけになりながら正直にそう答えると。

    「ならば何も問題はなかろう」
    「問題が発生する前振りにしか聞こえないぞ」
    「しかし、私としては、前振りよりも前触れの方が語感が良いと思う。主に性的な意味で!」
    「ああ、僕もお前と全く同感だよ!」

    前振りよりも、前触れの方が語感が良い。
    何故そう感じたのか。その理由は簡単だ。
    目の前で思わせぶりに尻を振られるのと直に前を触られるのとでは、誰だって後者が嬉しい。
    とはいえ、そこまでのスキンシップは後輩とするものではないこともまた、明白であり。

    「ふむ。それでは遠慮なく」
    「お前はもっと遠慮と躊躇いを身につけろ!」
    「あっ! こら、阿良々木先輩! 暴れるな! イチモツを目の前で思わせぶりに振り乱すな!」
    「振り乱してなんかねぇよ!」

    雨合羽を着ていない神原駿河とじゃれ合いながら、ふと見上げた空の雲行きは怪しく、まさに嵐の前振りならぬ、前触れになりそうだと、この時、僕はそんな予感を漠然と抱いた。

    やれやれ、これも日頃の行いのせいだろうか。
    せっかくの後輩とのデートなのに、雨なんて。
    じゃのめの傘など、持ち合わせていないのに。

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    引用元: ・阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」

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